だがロズの戦闘で , ロシア第 2 軍に属する装甲車中隊 を立証したのである。 はめざましい戦闘ぶりを示した。部隊は , 前方を銃をか ドイツ第 20 軍団は , 11 月 24 日の朝 , 予備第 25 軍団から ついで行進中のドイツ兵を発見したのである。 の「救援求む ! 」の無電を受けて急行した。驚くべき は , 助け出された方の予備第 25 軍団が , ロシア兵の捕虜 「絶好の餌物だ ! 」 装甲車は思いきり接近 , スレ違いざまに 7.62 機銃を 16 , 000 名を連れ , 捕獲した砲 64 門を引いていたことであ 乱射した。奇妙な車を味方と思いこんでいたドイツ歩兵 る ! は大混乱に陥ってしまう。 ロズの戦闘を局地的な短期戦として見れば , ロシア軍 「散開 ! 敵の装甲車だ ! 散開しろ ! 」 の戦術的勝利といえよう。だが大規模な戦略的立場から クモの子を散らすようにドイツ兵は散らばった。密集 すれば , ドイツ軍に軍配を上げることができる。ドイツ していると機銃でいっぺんにやられてしまうからだ。 軍の死傷者は 35 , 000 名なのに , ロシア軍はどう少く見て 「射て , 射てっ ! 」 も 90 , 000 名は下らないからだ。 ドイツ兵もモーゼル歩兵銃で応戦したが , 装甲には歯 ポーゼンの町に大本営を進めていたドイツ皇帝ウイル がたたない。 ヘルム 2 世は , ひげの顔をほころばせ , 「ごくわずかの兵力で , ドイツ兵の行列はメチャメチャ 「よくやった」 です。あれほど愉快な戦闘は 2 度とありませんでした」 と東部軍総司令官ヒンデンプルク大将 , 第 9 軍司令官 ロシアの自動車兵はこう語っている。 マッケンゼン大将 , 予備第 25 軍団長シェッフェル・ポイ 他方 , 北の第 1 軍の参謀も , ヤデル中将の 3 人に対し , プール・メリット勲章を授与 した。これに元気をえたドイツ軍は , 12 月 6 日 , 第 11 軍 「ウチの管区では 11 月の戦闘で装甲自動車がいかに役立 団をしてロズ市を占領せしめた。以降 , 東部戦線ではに つかをさとった。ただし台数がじゅうぶんあれば・・・・・・の らみ合ったままの状態が続くのである。 舌しだが」と述べた。 さて車好きだったロシア最後の皇帝ニコライ 2 世は , とくに突撃のさい有効だったというから , 装甲車は偵 ロズの戦いより 4 年後 , 革命派に寒村で射殺され , あえ 察用としてではなく , 歩兵協力用戦車としての任務を与 なく世を去った。ロマノフ王朝の終焉である。 えられていたことがわかる。ともかく 11 月におけるロズ 市の包囲戦で , ロシア装甲自動車中隊ははじめて有用性 ( イラスト・牧英雄 ) 1 三ロ ロシア軍陣地に 向けて , ドイツ 軍の 21C 宿榴弾砲 が火を吐く 105

砲兵中佐モシンがデザインしたもので , モーゼル銃と同 じく 5 発を 1 セットとして弾丸ごめするが , ドイツのも のより 0.4 ん 9 ほど重たかった。 ウェイトの巨砲も使われた。ロシア軍はポー へヒー・ ランドでの戦いに 30.5 榴弾砲をはじめとして合計 20 門 もの攻城砲を投入した。これに対し , ドイツ軍はタウべ ( 単葉 ) やアビアチック ( 複葉 ) などの飛行機を投入し て偵察を行っている。 ロシアの装甲車はいくつものグループに分けてあちこ ちの部隊に配属された。一方自動車の開祖ドイツは , 戦 前すでに対空自走砲を持っていたが , なぜか野戦用の装 甲車を軽視していたのである。まだ戦車の出現する 2 年 も前だったから , 装甲自動車の実力も各国陸軍て過少評 価されていた。 東部戦線の最高司令官となったヒンデンフ・ルク大将 は , 1914 年 10 月 11 日 , 新たに自分の後任第 8 軍司令官と ー付近 なったシューベルト大将にポーランドのプロー で大攻勢を開始させた。一昼夜にわたって続けられた砲 撃戦ののち , 歩兵の白兵戦がはじまる。真先に進出した ドイツ軍の室翼が痛打された。陣地にかくれていたロシ ア軍に気づかず渡河しおわってホッとしたとき , いきな り反撃されたのである。 1 週間後には憶病風に吹かれた ドイツ軍全体が退却していた。なにしろドイツ軍 60 コ大 隊に対し , この方面のロシア軍は 224 コ大隊もあったの だ。 103 ロシア装甲自動車の行列はここでパッタリとストップ 「ニーチェポ ! ( しかたがないや ) 」 いうのに ! 前進できない。はるか彼方にはドイツ兵が逃げて行くと まで飛ばしてきた。たが道路に大穴が開いており , もう やがてロシア軍の角張った装甲車がプロー ーの西方 シア軍が使用できないよう爆破してしまう。 が出た。電信電話局も停車場もことごとく破壊され , ロ いぶかる工兵に対し , 道路上に大穴を開けるよう命令 「エ兵部隊 , 穽孔器 ( さっこうき ) を出せ ! 」 えた。 心配したドイツの大隊長は , これを阻止する方法を考 しれないそ ! 」 「もしかするとロシアの装甲自動車が追撃してくるかも ドイツ軍の陣地は負傷兵でいつばいになる。 冷式機銃を射ちまくったのだ。 陸軍史上はじめて戦いを交えた。太い 7.62E マキシム水 1914 年 10 月 18 日 , ロシアの装甲自動車中隊は , 同国の 歩さがって , 森の中で体勢をたてなおそうというのであ ヒンデンプルク大将は命令書をサラサラと書いた。 ! 中央部隊もビリツア河畔まで後退してよろしい」 「暗夜に乗じてロウイシュおよびラワの線まで退却せよ

ロズの包囲戦は 1914 年 11 月 11 日から 25 日ま での 2 週間にわたって行われる。ロシア軍の 配置は次のとおりであった。 西北方面軍 第 1 軍 ルズスキー大将 ー第 10 軍 ー第 2 軍ーワルシャワ 南西方面軍 付近の守備 イワノフ大将 ー第 4 , 9 , 3 , 8 軍 ドイツ第 9 軍は , 4 コ軍団よりなっていた が , 南方よりまわって , 11 月 17 日にロズの付 近でロシア第 2 軍を西 , 北 , 東の 3 方から包 囲してしまう。包囲されたロシア第 2 軍も 4 ドイツ第 20 軍団は南 コ軍団よりなっていた。 東からロズにせまった。 ドイツ第 25 予備軍団 も接近する。 11 月 21 日午後 3 時半 , ロズの町では教会が メチャメチャに鐘を鳴らした。 「恐ろしいドイツ軍がやってくる ! 」 いまやドイツの近衛第 3 師団は市から 2 の距離にせまった。もはや占領されるのは時 間の問題だ。ロシア守備隊の兵士は絶望的な 顔つぎとなった。 夜 , とつぜん東の空に 1 コ , 南に 3 コの赤 壕の中で身がまえるロシア兵。戦いは一進一退を続けた いサーチライトがともされた。 してしまう。当時の自動車が野戦で役にたたなかったの 「あれはなんだ ? 」 赤いサーチライトはロシア軍の救援だった。第 5 軍が は , いちど溝を掘られたら車輪を落としてしまい , もう 第 2 軍の増援のためドイツ軍の背後にせまってきたので 動けなくなるモロさのためだった。これが 2 年後 , イギ リスでキャタヒ。ラのついた装甲車ーーー戦車を生む原因と ある。 なったのである ! 「ウラー ! 味方だ ! 」 ドイツェ兵隊の働きがロシア装甲車の急追 今度はドイツ第 25 予備軍団が逆に包囲される番だっ ともかく , た。ロシア第 5 軍が森から現われて , ドイツ近衛第 3 師 撃を阻止したのである ! 団の輜重 ( しちょう : 輪送 ) 部隊と砲兵とを襲撃してき ロズの大包囲作戦 た。歩兵は丸裸となってしまう。それでも第 25 予備軍団 ロシア軍はそのまま追撃を続けて , 北ドイツの工業地 ・長 , ライン′、ルト・フォン・シェッフェ / レ・ポイヤデル 中将の指揮よろしく , 9 日間に戦死 1500 名 , 負傷 2800 名 帯シレジア地方に侵入しようとする。これを阻止しよう を出しただけで , 奇蹟的に脱出に成功した。中将が少し と , ヒンデンフ・ルク大将はドイツ得意の列車輸送により 予備兵力を後方より北上させ , ポーランドのロズの町で もあわてず , 敵中を突破して活路を見出したのは , ふだ 一大反撃をこころみた。ロズは , 首都ワルシャワの南西 んからきびしいドイツ陸軍の訓練のたまものであった。 130 にある古い町で , ローマン・カトリックの古い教 そのころ , ロシア装甲自動車中隊は故障の続出に悩ん 会の尖塔が名物となっていた。 でいた。まだロシア人全体の機械的なレベルが低いうえ ロズ戦の直前 , ドイツ側はロシア軍の無電を傍受 ( ぼ に , 構造が複雑だったからだ。だが中隊と同行する修理 うじゅ ) する。 工もだんだん慣れてきた。 「追撃 120 におよび , 歩兵は疲れきり糧食は不足す。 司令部でも車は「金ばかり食うやっかいなもてあまし 追跡は騎兵部隊と交代させていただきたい ! 」 もの」と見ていた。ましてや , ちょっと道路事情が悪い ヒンデンフ・ルク大将はこおどりして喜んだ。敵の弱点 ともう動けなくなってしまうのが欠点だ。まさにはじま がわかったからだ。大将は疲れた第 9 軍にかわり , 第 8 ろうとする冬のきびしい気候のもとでは , ェンジンがな 軍のオーグスト・フォン・マッケンゼン大将に命じ , ロ かなかかからず , 修理工泣かせだったのである。 シア第 1 軍と第 2 軍との間を突破して敵の第 2 軍の守る S 装甲車の大活躍 ロズ市を攻略するよう命じた。 104

し前方に敵の砲があったらいちいち U ターンしなくて そがしいドイツのすきをつき , ロシア軍は東部戦線で攻 も , すぐうしろ向きに逃げられるようになっているので 勢に出た。立ち上りがおそかった割にはよくやったとい す ! 」 えよう。 技術者たちは , このアイデアを目を輝やかして自慢し S ドイツェ兵 , ロシア装甲車を阻止す たのである。 ロシア陸軍は得意の大騎兵集団を持っていた。なにし ヤコプ・グリゴリエビッチ・イリンスキー大将のロシ ろ国土が広いから , 馬と列車は輸送や移動に不可欠の手 ア北西軍集団 ( 第 1 , 第 2 軍 ) は東フ。ロシアに侵人し 段だった。しかし馬に乗れない兵士も多く , 鉄道のない た。ところが 8 月末 , ポーランド北西部の村 , タンネン 地域へも連絡や偵察におもむかなければならない。とす ベルクの戦いでドイツ第 8 軍に大敗 , 25 万もの兵を失っ ればどうしても装甲自動車が必要になる。 てしまう。ときのドイツ第 8 軍司令官は 67 歳 , 白ひげの 「各部隊から優秀な兵士を集めてこい ! 」 ヒンデンフ・ルク大将だった。ロシア第 2 軍司令官サムソ 1914 年 , ロシアは装甲自動車中隊を編成した。またト ノフ大将は敗北の責任をとって自殺してしまった。 ラックと装甲自動車とで「自動車兵団」 1 コも作られ 勢いに乗ったドイツ軍に対し , 一歩退いたロシア軍は た。従来の馬にかわる特殊部隊である。 ヴィッスラ川の右岸 , つまり東方にあってワルシャワや 1914 年 ( 大正 3 年 ) の 6 月 28 日 , オーストリア・ハン イワンゴロトとの間に堅固な陣地を構築して防戦にかか ガリーの皇太子フェルディナンド大公は , セルビア人の った。 青年の拳銃による狙撃を受けて殺された。セルビア ( 現 ドイツ 18 コ師団 ( 他にオーストリア軍あり ) 対ロシア 在のユーゴスラビア ) は人種的にユダヤ系でロシア人と 60 コ師団という兵力差だ。ドイツ兵はモーゼル社の 7.92 同じであり , 他方オーストリアはドイツと仲がよい。そ 5 連発の 1898 年式歩兵銃をかついで戦った。同じ 98 型 のうえロシアはドイツと対抗するためフランスと同盟を でも第 2 次大戦に使用された騎兵銃よりも 15C 加も長い銃 結んでいた。だから暗殺事件は全世界を戦乱のるつぼに である。 投げこむ結果となった ! 第 1 次世界大戦の勃発だ。 これに対しロシア軍は武器の不足に悩んだ。ひどいと 当時 , ポーランドという国はなく , ロシアは直接ドイ ころでは 3 人に 1 丁の割でしか 7.62 モシン・ナガント ッと国境を接していた。 1914 年 8 月 , フランス戦線にい 歩兵銃が行きわたらなかったという。この銃は 1891 年に 1915 年型 , グリケヴィッチ試作車。ロシアは大 戦中にハーフ・トラックまて造リあげたが・・・ イ , 0 102

作戦の初期、ドイツ軍の奇襲は 完全に成功し、進撃は順調かっ 迅速だった。このため前線で孤 立したアメリカ兵の多くガ捕虜 となった。写真は、ドイツ軍前 線の後方へ送られる捕虜の列の 横を反対のベルギー方面に向っ て進むティーガー 11 型重戦車。 German わ ea tank King Tiger advance the 伝 0 ⅲ and し S. prisoners marching tO the 「 ea ら 行「 time of the German A 〃 0 ベルギーガらアルテンヌへ救援に向うアメリカ第 1 軍。ワリスマスはドイツて迎えられると思っていた兵士達に とって、ドイツ軍の反撃は正に寝耳に水の出来事だった。左の戦車は M4A3 、右は 21 / 2t カーコ・トラッワ。 U S. M3A3 行 g ん tank and men en 「 ou 厄 to the 伝 0 of the German 50 〃 e ⅲ in the Ardennes.

歩兵戦車 Mk. 1 、マチルダ これが元祖のマチルダである。最高 60 の装甲車体に機銃一丁の包塔を乗せ 、た戦車で、時速ロ、前大戦時のルノー軽戦車の装甲強化型とも、ひし型重戦 車の縮 4 、版とも、どちらともとれるが、いすれにしても運用思想的にはドイツ 機甲部隊の敵ではなかった言る包土答のスモーク、ティスチャージャーの上にロイ ヤル戦車軍団第 4 大隊 ( のちの第 4 戦ロイヤル車連隊 ) ーのマーク、第チャイニ ズ、アイツが描かれている。 この部隊は、 M k. I マチルダを装備して最初にフ ランス、冫度っナこ 0 Mk. I Matilda, 4 市 RTR's Chinese•eye painted 0 れ市に 1 ・ 1 ℃ [. マチルダ・スコーピオン スコービオンとよはれる地雷爆破用のドラム・アタッチメントを つけた車輛。円 42 年夏、北アフリカの戦場でロンメルの地雷原に悩 まされた末に発案され、マチルダの他に / ゞレンタイン、 M 3 グラン トにもとりつけられた。同年田月のエル・アラメイン戦には 32 輛の スコーピオンが参カロしている。クサリのついたドラムは 30 馬力のペ ッドフォード・エンジンで回転されるが、車体のこちら側に大きく 飛出ている箱がエンジン収納部である。車体後部左右には車幅標識 、 1 ⅱ旧 SCOI ・ p 沁れ , れ 0 housing ル 1 ・ 30 ・ h engine to drive

ドイツ軍車輌の 塗装とマーク PANZER 臨時増刊 ー '-u 一 - さに土名第・ロカ引 - - 方 = 引ん劇 - まを住 / ナ u 下・禾 5 会・・ 8 戸 . ド一にセ牙三相一当・俍物【可角日〕一一旧一日 ~ ( 勹 了込 第 2 次大戦中のドイツ車輛の塗装とマークを , 写真と図版で詳細に解説 定価 1200 円〒 50 円 フォトアルバム 陸上自衛隊の戦闘車輌 1 1 6 ページ 定価 1500 円〒 60 円 ( 内カラー 32 ページ ) ・内容 定価 1000 円〒 50 円 ドイツ戦車前史 ・内容 I 号戦車からキングタイガーまで 日本の機械化部隊 試作車輛 戦闘車輛フォトアルバムー 第 2 次大戦におけるドイツ戦車 陸上自衛隊全車輛データ 搭載兵器 第 7 師団の編成と今後 PANZER / 02 Pompian He ん 5 ィーイー 5 行 d0605 ん , Ch ツ 0d0 ーれ , To 長 / 0 ー月ー日癶光 ( 何 1 月 25 日発売 号 / 第驕 フ第トアルバム 第 2 次界大第の 雑誌 07593 ー 1 特価 640 円

ドイツ軍の手に渡リ , イギリス軍に対して使われたマチルダ。車体 , 砲塔に A p 弾の跡が残る 1942 年 , パルディアて撮影 2 機甲師団はまだイギリス本上で編成中であった。 べ、の側面に攻撃をかけ , パリへの突破をねらったので 歩兵戦車を受領してフランスの土を踏んだ栄えある先 あった。 遣の戦車部隊は , 王党派嫡流の R T R ( 王国戦車連隊 ) 最高 78E の装甲と , 26.5 トンの戦闘重量の歩兵戦車 M から抜てきされた第 4 戦車大隊で , 各 3 輛の戦車を配備 k. ⅡマチルダⅡは , ドイツ軍の対戦車砲ではまるで効き する 5 コ小隊を持っ 3 コ中隊で編成され , マチルダ 1 50 目がないほどの世界 1 , 2 を誇る強力な戦車であったば 輛と司令部用軽戦車 5 輛を装備していた。 かりでなく , 山緒あるオールド・アイアンサイドのエム そうこうするうちにも , 年は改まって , ヒトラーの機 プレムを砲塔側面に描いたマチルダ I も勇戦したため , 甲部隊の主力はマジノ線の正面へと移動し , 1940 年 4 月 破竹の勢いで猛進撃していたドイツ軍部隊は一転して混 9 日 , ノルウェとデンマークもナチの手に陥ちた。 乱と恐慌に陥った。 ドイツ側は , 高射砲部隊から 8.8 歩兵戦車部隊の第 2 陣として , RTR 第 7 戦車大隊が 砲や 10. 5c 加砲をよび寄せるまで , 奮戦するマチルダ歩兵 フランス軍とともに防衛戦列に加わったのは , 1940 年 5 戦車隊に対抗する手段を持たなかったのである。 月はじめになってからのことであった。フランスに到着 このアラス近郊の反撃は , 戦争全体から見たなら単な した第 7 戦車大隊は , マチルダ 1 27 輛 , マチルダⅡ 23 る小規模な作戦行動にすぎなかったが , 敵側のドイツ機 輛 , それに司令部用軽戦車 7 輛を擁していた。 甲部隊に与えた衝撃は非常に大きかった。 s s 部隊が南 そして 1940 年 5 月 10 日 , ドイツ機甲部隊と空軍が西部 に退避してロンメル師団の進撃に歯止めがかかったとい 戦線で一斉に攻撃を開始し , 世に名高いフランス戦が幕 うばかりでなく , クライスト , ルントシュテットらドイ を切って落とされた。 ツ軍司令官の動揺をさそい , ヒトラーによる有名な「停 アルデンヌの森林地帯に突破口を切りひらいたドイツ 止命令」を出させて , 奇跡の脱出のため第 1 機甲師団が 機甲部隊の進撃は , 第 1 次世界大戦での苦い戦訓をふり ダンケルク港に防衛線を張る貴重な時間をかせぎ出した はらうように激しく急で , イギリス・フランス軍防衛線 からである。 は各所で分断され , 精強を誇っていた伝統ある部隊が次 ・北アフリカのマチルダ 々といともたやすく戦力を奪われていった。 そこで , ゴート将軍は 5 月 21 日 , 歩兵部隊援護のため ダンケルクからの撤退とフランスのあっけない敗北を 契機として , 歩兵戦車 Mk. I マチルダ I は現役を引退 分散していた戦車部隊をかき集め , アラス南方をめぐる し , 訓練用 , あるいは本国防衛用にまわされ , マチル 戦闘に投じた。 RTR の第 4 戦車大隊と第 7 戦車大隊の ダという名称が A12 戦車ー一歩兵戦車 Mk. Ⅱマチルダ 残余となったマチルダ I 戦車 58 裲 , マチルダⅡ戦車 16 輛 Ⅱを指して公けに使用されるようになった。 に , 疲労困ばいのダーナム軽歩兵連隊の 2 コ大隊がつい それとともに , 今度はイギリス中東軍総司令官ウェー て , フランス第 3 機械化師団の戦車 70 輛を横目に , 楔の ベル将軍の手駒として , マチルダ戦車は活躍の場をイタ ように突き出たドイツ機甲部隊のひとつ , E . ロンメル リア軍と対峙する北アフリカの戦場に移した。 の第 7 幽霊師団と第 3 S S 自動車化師団されこう 声十 第ノ 58

/ ヾックナン / ヾ PANZER く 197 ・ 8 月号〉 550 円 こに紹介していない号は在庫しておりません。 特集 : AMX3C の最近の発展型ドイツⅣ号逐戦車ロ絵 : ソビエト の戦蟹車齣ドイツ A F V アルバム : 940 年代のイギリス重戦車本文 : マルダー く 197 ・ 11 月号〉 5 開円 く 197 師・ 9 月号〉 5 団円 特集 : M551 シェリダン偵察戦車ノヾレンタイン歩兵戦車ドイツ Nö. F 特集 : 第 4 次中東戦争における戦瞿ま物 I 号戦車の改造車ロ絵 : 多砲墸戦車フォックス軽装甲偵察車・カラー図 : バレンタイン戦車シ 第フ師団の開隊祭イタリアのカルロ・べローチェ本文 : イスラエル リーズ のメルカバを新る く 197 ・ 12 月号〉 5 円 く 197 ・ 10 月号〉 5 団円 特集 : M47 パットン中戦車逐戦車へツツアーと 38 ( t ) 改造車最 特集 : 第 4 次中東戦争における戦蟹ま齣丁 34 / 76 中戦車ロ絵 : イギ 近のイギリス陸軍カラー図 : 38 ( セ ) 改造車ロ絵 : 61 式戦車 M110 リスの装第装甲車パットンミュージアムで米独戦車戦九セ式中戦車 203 自走礪強砲 本文 : S S 第 1 機甲師団 く 1977 年・ 2 月号 > 530 円 く 197 ・ 11 月号〉 5 円 特集 : M48 パットン中戦車特ニ式内央艇カラー図 : 特ニ式内央艇 特集 : V113A 1 装甲兵員輸送車丁 34 / 85 と改造ロ絵 : 日 v. 206 雪 ロ絵 : M 741 対空自走ドイツⅡ , Ⅲ , Ⅳ号戦車ドイツ A F v アル 上汎用車 AMX30 53 年度富士火力演習イギリスの巡戦車本文 ノヾム号突砲 : イタリア機甲師団 く 19 〃年・ 3 月号〉 く 197 ・ 12 月号〉 5 円 特集 : レオパルト I 大戦前半のイギリス巡航戦車カラー図 : イギリ 特集 : 1980 年代の M 日丁九五式軽戦車ロ絵 : 名地の自衛隊イギリ ス巡航戦車ロ絵 : 九五式軽戦車レオパルト A ドイツⅢ号戦車本 ス陸軍の装霧ソ連の装第装甲車本文 : 戦車はミサイルにどう対抗す 文 : 対空火器の発達 るかポーランドの豆戦車 く 19 〃年・ 4 月号〉 530 円 く 1979 年・ 1 月号 > 620 円 特集 : M60 シリーズドイツ逐戦まャークト・ティーガー カラー折 特集 : ドイツ連邦共和国陸軍九五式軽戦車ロ絵 : 世界の M ー cv 弘 : M60 A 1 シリーズロ絵 : ランドローバー本文 : 世界の列車砲 題名のない写資集ヘッツアー写真集カラー折込 : Sdkfz フ牽引車 120 滑腔砲 本文 : キャタピラの幅と接地圧 く 1977 年・ 5 月号〉 530 円 く 1979 年・ 2 月号〉 6 円 特集 : レオパルト 2 大戦間のフランス戦車カラー図 : フランス戦車 特集 : ソビエトの装甲輸送車イギリス第 79 機甲師団ロ絵 : 西欧側の 日 35 他ロ絵 : M109 155 「新自走弾砲ドイツ AFV アルバム本文 : 対空自走砲 M48 写真集 K V— I 第戦車本文 : 西ドイツの 57m ドイツ 6 第装甲車 衛戦車・日 MP 歩兵戦闘車 く 19 〃年・ 6 月号〉 530 円 く 1979 年・ 3 月号〉 6 円 特集 : アメリカ自走砲ドイツ軽戦車ルクスカラー図 : Ⅱ号偵察戦車 特集 : ソビエト地上重ドイツ対空戦車ロ絵 : 60 式 106 自走無反動砲 ルクスロ絵 : 架橋戦車本文 : 世界の工兵用車日本の自走砲対 イギリス・ライン軍の演習 2 / M 3 / M 5 軽戦車本文 : 80 年代 - 空人器の発達 戦車のめざすもの く 19 〃年・ 7 月号〉 く 1979 年・ 4 月号〉 6 円 特集 : ー KV ー 91 駆逐戦車大戦後半のイギリス巡航戦車カラー図 : 特集 : FV432 シリーズドイツ第ぎ機師団ロ絵 : XM ー 1 試作車 イギリス巡航戦車ロ絵 : 対空戦車ゲパルト本文 : チェコ陸軍戦車小 CLGP カッパーヘッドイギリス砲兵隊の装物第 2 次大戦のアメ 史世界の工兵車輌 リカ装第装甲車本文 : 中国人民解放第 く 19 〃年・ 11 月号〉 く 197 ・ 5 月号 > 550 円 600 円 特集 : 61 式戦車 K 日重戦車シリーズロ絵 : ビカーズ MK. 1 / MK. 3 特集 : ワルシャワ条約統一軍ドイツ号戦車ロ絵 : AMX30 のファ LVTP—7 水陸両用 APC スイス陸軍の機甲部隊イギリスの特 ミリーモワク社の装甲戦車海兵隊の M48A3 第 2 次大戦のイ ギリス対空戦車 戦車 く 19 〃年・ 12 月号〉 く 19 / ・ 6 月号〉 6 開円 集 : アラブの陸軍ドイツ駆逐戦車工レファントカラー図 : アラブ 特集 : 今日のアメリカ陸軍 ( 1 ) ドイツ突砲ロ絵 : 第 12 師団創立記 念祭の車齣アメリカ陸軍の現用車日本陸軍九セ式軽装甲車ソビ の戦闘車ロ絵 : ガマ・コートトラック陸上自衛隊観閲式カン ガルーの国のレオパルト 工ト戦車インアクション く 1979 年・ 7 月号 > く 197 ・ 2 月号 > 55 6 開円 特集 : フランス AMX 一 13 軽戦車ナスホルン / フンメルカラー図 : 特集 : St 「 v. 103 戦車クルスクの戦い口絵 : 第 6 師団の創立記念祭 東富士の海兵隊キャンプ公開最近のスイス陸軍第 2 次大戦のイギリ ナスホルン / フンメルロ絵 : M60FV622 アルピス・ストールワー ト本文 : フランス陸軍の問題点 ス装甲車本文 : 日本陸軍の装甲列車 く 19 / 晦・ 3 月号〉 55 く 1979 年・ 8 月号〉 6 円 特集 : APC マルダー M3 / M5 軽戦車カラーピンアップ : ・ M60A 特集 : アメリカ陸軍 ( 2 ) 駆逐戦車ャークトノヾンターロ絵 : 北ヨーロ 1 ロ絵 : スコーピオン軽戦車ベトナムにおけるアメリカ重現代の ッパの雪上車北アフリカのイタリア第車本文 : アメリカ陸軍装 スエーデン陸軍 聳まデータ表油気圧式サスペンションは ? く 197 ・ 4 月号〉 55 く 1979 年・ 9 月号〉 620 円 特集 : 74 式戦車ドイツ牽引車カラーピンアップ : 74 式戦車ロ絵 : 特集 : 装甲偵察車ルクスパットンとアメリカ第 3 電力ラースペシャ ベトナムにおけるアメリカ軍 61 式戦車の迷彩装イギリスの特殊戦 ル : 陸自第 12 師団の立体演習部時配例されたレオパルト 2 ロ絵 : M 車本文 : べールをぬいだ T ー 72 60A 1 のディテールイギリス工兵隊の装催車物 く 197 ・ 5 月号 > 55 く 1979 年・ 10 月号〉 600 円 特集 : フ 4 式戦車大戦前のソビエト戦車カラー図 : 74 式戦車ロ絵 : 特集 : アメリカ揚陸戦車 N 号戦ま短砲身シリーズカラースペシャ XMI 実用化へ近すくストライカードイツ第に使われたフランス車 ル : 最近のカナダ軍 AFV 第 10 師団の夜間演習ロ絵 : LVT—7/ 本文 : 上陸車 L V A ・ L V T ー 5 フランスの装第装甲車 く 197 ・ 6 月号〉 5 円 く 19 / 9 年・ 11 月号〉 6 円 特集 : センチュリオン戦車ドイツⅣ号 H / U 型ロ絵 : 富士教導団戦 特集 : アメリカ陸軍の戦術 M 3 ハーフトラックカラースペ・シャル : 車大隊のマーキングフランスの AML バナール丁 62 戦車朝鮮にお 活躍するチーフテン戦車ロ絵 : レオパルト戦車の歩み世界の現用 けるアメリカ軍 車日本陸軍三式中戦車本文 : 74 式戦車のマーキング く 197 師・ 7 月号 > 57 く 1979 年・ 12 月号 > 620 円 特集 : A M X ーー 0 P 大戦前のソビエト戦車カラー析込 : チーフテ 特集 : イギリス陸車 M 3 ハーフトラックカラースペシャル : 自衛隊 ン MK. 1 / センチュリオン MK. 13 ロ絵 : チームスピリット 1978 最近 中央観閲式アリゾナで訓繰する海兵隊ロ絵 : ドイツ A F v アルバム・ のチーフテン A F V マニアのウォーゲーム フランスのシャール日 1 本文 : タイガー I の浜装とマーキング帝 国陸車の外国製戦車 ・上記のツクナシバをご希望の方は , 要望の粤数を明記して現金書をか定額小為替にてご注文下 さい。料はを部 45 円ャ . ・ 2 部 65 円 , 。、・ 3 部時円てす。なおパ : ックナンパ”は予約購読いにはな = り、ません のて ; ; 両方を同時に申も込まれるときは , - 注書 , などを分いてご注文下ざい毒 530 円 53 柄 550 円 サンデーアート社 .. パンツブー、パックナンバ係〒 102 東京都千代田区飯田橋 4 ← 4 ポンピアシバイツ 22 号 99

日本軍は , この戦車をコレ ヒドール要塞攻略に参加した 戦車第 7 連隊第 3 中隊に配属 した。第 3 中隊では味方識別 のため , 中隊マークである梅 鉢マークを砲塔両面に , 車体 には日の丸を描き , さらに砲 塔上に日の丸の旗を立てて前 進した。 また , 1943 年 ( 昭和 13 年 ) ごろ , 北ビルマのラシオに駐 留していた戦車 14 連隊が , 各 中隊に捕獲した M3 スチュア ート軽戦車で 1 コ小隊を編成 し , イギリス軍のひきいる 3 グラント中戦車と戦闘をま じえたという戦記も発表され 南京地区で日本軍に捕獲された中国戦車隊のドイツ I 号 A 型戦車 受け , 部隊に同行していた朝日新聞の報道カメラマンが ている。 この他 , アメリカ製やイギリス製の軍用トラックや装 戦死した。 甲車も , 戦場で多数捕獲され , 一部は戦利品として調査 直ちに攻撃に移った菅原部隊の手で中国軍戦車は破壊 研究のため日本へ送られたが , 多くは現地部隊の補助と されたが , 1 輛だけは無傷で捕獲された。従来の中国戦 して活躍した。 ( おわり ) 車と異った型式であったから調査してみると , 中国軍が 参考資料日本の戦車出版共同社 , 内燃兵器大観 , ドイツから買入れた I 号戦車とわかった。破壊された他 写真集日本の戦車潮書房 , ノロ高地草葉栄著 , 戦 の 2 輛の戦車の型式は不明だが , おそらく同じ I 号戦車 車月報第 8 号 であろうと推測する。 I 号戦車 p 2. Kpf w. I は , ナチス・ドイツが再軍備 を公式に宣言してからはじめて装備した戦車で , 1935 年 にドベリツツの軍事パレードにはじめて姿を現わしてか ら , 存在が世界各国に知れわたって行った戦車である。 1936 年に起ったスペイン内戦に参戦し , 実戦を体験した が , 搭載した 7.62E の MG13 機銃の威力が弱く , 1939 年 からはⅡ号戦車がドイツ機甲師団の主力戦車となった。 当時中国軍は , 各国の戦車を多数購入して使用してお り , 中国大陸を転戦した日本軍はこの I 号戦車の他に , イギリスのビッカース戦車 , カーデンロイド水陸両用戦 車なども捕獲して日本へ送付し , 陸軍は徹底的に調査研 究したあと , 戦利品として一般に公開した。 しかし I 号戦車のあっかいに関しては , 当時ドイツと の友好関係を考えてか , ドイツ戦車の名で展示せず「ソ 連製軽戦車」の名で , 他の戦利兵器とともに公開してい 日本軍の M 3 軽戦車 太平洋戦争中 , フィリピンのパターン半島で編成され ていたアメリカ・フィリヒ。ン軍の戦車隊は , 開戦当時 100 輛ほどの M 3 スチュアート軽戦車を持ち , 攻めよる 日本軍を悩ませた。だが結局は , 大半が火砲や対戦車砲 の的となり , 残った数裲の M 3 スチュアート軽戦車は日 本軍の手に落ちた。 0 日の丸を立てて走行中の戦車第 7 連隊の M3 軽戦車 93