PANZER バックナンバー ぐ 97 ・ 11 月号〉 特集 : M113A1 装甲兵員輸送車す 34 / 8 こと改造まロ絵 : 日 v. 206 雪 上汎用車 AMX30 53 年度富士尖カ演習イギリスの巡航戦車本文 : イタリア機甲師団 く 197 ・ 12 月号〉 特集 : 1980 年代の MBT 九五式軽戦車ロ絵 : 各地の自衛隊イギリ ス陸第の装橋ソ連の装第装甲車本文 : 戦車はミサイルにどう対抗す るかポーランドの豆戦車 く 197 ・ 1 月号〉 62 柄 特集 : ドイツ連邦共和国陸重九五式軽戦車ロ絵 : 世界の M ー C V 題名のない写資集ヘッツアー写真集カラー折込 : SCkfz. ア牽引車 本文 : キャタピラの幅と接地圧 く 197 ・ 2 月号 > 特集 : ソビエトの装甲送車イギリス第 79 機甲師団ロ絵 : 西欧側の 対空自走砲 M48 写真集 K V— I 第戦車本文 : 西ドイツの 57 第砲護 戦車 BMP 歩兵戦罌車 く 197 ・ 3 月号〉 68 円 特集 : ソビエト地上第ドイツ対空戦車ロ絵 : 60 式 106 自走無反動砲 イギリス・ライン第の演習 M 2 / M 3 / M 5 軽戦車本文 : 80 年代 戦車のめざすもの く 1979 年・ 4 月号〉 特集 : FV432 シリーズドイツ第ど機甲師団ロ絵 : XM 一 1 試作車 CLGP カッパーヘッドイギリス砲兵隊の装第 2 次大戦のアメ リカ装第装甲車本文 : 中国人民解放軍 く 1979 年・ 5 月号 > 6 特集 : ワルシャワ条約統一第ドイツ田号戦車ロ絵 : AMX30 のファ ミリーモワク社の装甲戦闘車第海兵隊の M48A 3 第 2 次大戦のイ ギリス対空戦車 く 1979 年・ 6 月号〉 6 円 特集 : 今日のアメリカ陸第 ( 1 ) ドイツ突撃砲ロ絵 : 第 12 師団創立記 念祭の車第アメリカ陸の現用車日本陸重九セ式軽装甲車ソビ 工ト戦まインアクション く 1979 年・ 7 月号〉 6 特集 : S い v .103 戦車クルスクの戦い口絵 : 第 6 師団の創立記念祭 東富士の海兵隊キャンプ公最近のスイス陸軍第 2 次大戦のイギリ ス装甲車本文 : 日本陸重の装甲列車 く 1979 年・ 8 月号 > 特集 : アメリカ陸軍 ( 2 ) 逐戦車ヤークトパンターロ絵 : 北ヨーロ ッパの雪上車齲北アフリカのイタリア第車本文 : アメリカ陸第装 催車データ表油気圧式サスペンションは ? く 1979 年・ 9 月号 > 620 円 特集 : 装甲偵察車ルクスパットンとアメリ第、力ラースペシャ ル : 陸自第 12 師団の立体演習部隊配催されたノオバルト 2 ロ絵 : 60A 1 のディテールイギリス工兵隊の装物車 く 197 ・ 10 月号〉 6 特集 : アメリカ陸戦車Ⅳ号戦車短砲身シリーズカラースペシャ ル : 最近のカナダ第 AFV 第 10 師団の夜置演習ロ絵 : LVT—7/*' LVT—öフランスの装第装甲車 く 19 / ・ 11 月号〉 6 特集 : アメリカ陸第の戦術 M 3 ハーフトラックカラースペシャル : 活躍するチーフテン戦車ロ絵 : レオノヾルト戦車の歩み世界の現用砲 車日本陸三式中戦車本文 : 74 式戦車のマーキング く 1979 年・ 12 月号 > 620 円 特集 : イギリス陸第 3 ハーフトラックカラースペシャル : 自衛隊 中央観閲式 . アリソナで訓する海兵隊ロ絵 : ドイツ A FV アルお、 フランスのシャール日 1 本文 : タイガー I の装とマーキングい ぐ 980 年・ 1 月号 >, 640 円 特集 : 戦車世界地図歩兵物マチルダカラースペシャル : 74 式戦車 第 8 師団の自衛隊記念日折込 : 74 式戦車の内部機構ロ絵 : 西ドイツ の装甲車物ベトナムにおけるアメリカ軍尖器 く 1980 年・ 2 月号 > 640 円 特集 : アメリカの M ICV クライスト機甲集団カラースペシャル : 第 12 戦車大隊の射撃訓繰西ドイツ陸軍のレオバルト 1 フ 4 式自走 105m Ⅲ 榴弾砲ロ絵 : 対空砲車ゲパルト / チータ - 一 戦う機甲集団 ここに紹介していない号は在庫しておりません。 く 197 ・ 11 月号〉 特集 : V 1 シェリ・ダン債察戦車パレンタイン歩兵戦車ドイツ N し . Fz. 多砲戦車フォックス装甲債察車カラー図 : ノヾレンタイン戦車シ リーズ く 1977 年・ 2 月号〉 5 特集 : リ 48 パットン中戦車特ニ式内火艇カラー図 : 特ニ式内火艇 ロ絵 : VI 74 : 対空自走ドイツⅡ , ーⅣ号戦車ドイツ A F V アル バム II 号突砲 く 1977 年・ 3 月号〉 特集 : レオパルト I 大転前半のイギリス巡航戦車カラー図 : イギリ ス巡航車こ絵 : 九三二軽戦車レオハルト A ドイツ田号戦車本 文 : 対空人器の発違 く 1977 年・ 6 月号 > 5 特第 : アメリカ自走砲ドイツ軽戦車ルクスカラー図 : Ⅱ号察戦車 ルクスこ絵 : 橋載車 : 世界の工兵用車日本の自走砲対 空久基の発違 く 1977 年・ 7 月号〉宿 53 眄 い ( ソー三・逐ま大戦後半のイギリス巡航戦車カラー図 : 特集 イギリス巡猷産匚竓 : 対空載車ゲハルト本文 : チェコ陸第戦車小 史世界の工兵車 く 19 ル・ 11 月号〉 55 眄 特集 : 6 ・式戦車 , : : き第まシリーズロ絵 : ビカーズく . 1 / M K. 3 VTF ーア水陸生らを 0 スイス陸の機甲部隊イギリスの特 戦ま く 19 〃年・ 12 月号〉 55 特集 : アラブの陸第ドイツ逐戦車工レファントカラー図 : アラブ の車齣ロ絵 : ガマ・ご一トトラック陸上自衛隊観閲式カン ガルーの国のレオパルト く 197 ・ 2 月号 > 55 眄 特集 : フランス AMX ー軽車ナスホルン / フンメルカラー図 : ナスホルン / フンメルロ絵 : V 60 F V 622 アルピス・ストールワー ト本文 : フランス第の題点 く 197 晦・ 3 月号 > 55 眄 特集 : A F 0 マルダーリ 3 / リう軽戦車カラーピンアップ : M60 A ・ 1 匚絵 : スコービオン戦車ベトナムにおけるアメリカ重現代の スエーデン陸第 く 197 ・ 4 月号〉 55 眄 特集 : 74 まドイツ引車カラーピンアップ : フ 4 式戦車ロ絵 : ベトナムにおけるアメリカ 61 式戦車の速彩塗装イギリスの特戦 ま本文 : べールをぬいだ 7 ー 72 く 197 ・ 5 月号 > 55 眄 特集 : な式ま大前のソビエト戦車カラー図 : 74 式戦車ロ絵 : XV ・ 1 実用化へ近すくストライカードイツ第に使われたフランス車 本文 : = 陸産、 - ソ A く 197 師・ 6 月号〉 55 特集 : センテニリ方ンまドイツⅣ号 H / 型ロ絵 : 富士教導戦 東大隊のマーキングフランスの AML パナール丁 62 戦車朝静にお けるアメリカを 57 く 197 ・ 7 月号〉 特集 : AVX—ー CP 大戦前のソビエト戦車カラー析込 : チーフテ ン、二 / センチュリオン V<. 13 ロ絵 : チームスピリット 1978 最近 のチーフテン A F V マニアのウォーゲーム く 197 ・ 8 月号〉 5 印円 特集 . 4 リ X30 の最辷の発製型ドイツⅣ号駆逐戦車ロ絵 : ソピエト の戦まドイツ F しアルバム 1940 年代のイギリス第戦車本文 : マルダー く 197 晦・ 9 月号〉 5 印円 特集 : 第 4 動争における戦車 I 号戦車の改造車ロ絵 . 第ア師団の開時祭イタリアのカルロ・ペローチェ本文 : イスラエル のメルカバを新を く 197 ・ 10 月号〉 550 円 特集 : 第 4 次中東載争における戦車丁 34 / 76 中戦車ロ絵 : イギ リスの装鶲装甲まパ、ノトンミュージアムで米独戦車戦九セ式中車 本文 : S S 第「機手立 ・上記のツツナンおトをを第盟の方は第に要望の号数を明記しを金書を定小為に 0 ド 、 = ざいは = ま物 = ゑ解円贇第妻部円すす第なおツツ十ッパ、は約購読矚いに朝なりはぜん ; ■、を ・ので . 両方 = を時に年心 = 込を五どきは海文書第・なををの、を注文卞さ、、・、 5 サンテーアート社パンツア・パックナンパー係〒川 2 東京都千代田区飯田橋 4 , 4 - ・ 5 ポンビアンハイツ 702 号
PANZER 3 月号・目 次 フロントカバー .Ikv91 軽戦車 ( スエーデン ) カラー・スペシャル : ヨーロッ′くの AFV くチーフテン M k. 3 / 3 F V 432 M k . 2 A M X 30 A M X 汚 5 A M X マルダー M 9 G RJpz . 2> 自衛隊のヘリポーン アメリカの前線用工兵作業車 M9 絵 : ヴィカーズ MBT ロ NATO 軍の演習く解説・城島健二〉 F V 432 ス / く一タンフェレット M Ⅱ 0 トラックウェイ M Ⅱ 3 V W 田一センチ ュリオン M k. 5 / 5 ペドフォード田 t トラックー ソビエト AFV インアクション ☆ T 55 B M P P T 76 B T R 60 P K 62 A S U 85 A S U 57 T 72 ☆ ドイツ第 1 機甲集団く解説・藤山登〉 日本陸軍九ニ式重装甲車く解説・高橋昇〉 アメリカの M 3 中戦車く解説・高見吾郎〉 M 3 M 3 A 3 M 3 A 4 込 : ドイツ Sd k f z . 234 / 3 く図・神保照史〉 折 特集 : ヴィッカーズ M BT く家持晴夫〉 ドイツ第 1 機甲集団ー前一く樋口好太郎〉 ーー 44 本 文 : 戦車のスタイルは変らないか ? く野木恵 一〉ー -80 日本の軍用オートパイく高橋昇〉ー 86 アパディーン戦車博物館くキマタジロウ〉ー 90 自走砲の発達と将来 1 火砲の自走イヒく江畑謙介〉 ー - 94 戦史シリーズ N 。 .55 ワルシャワ蜂起の敗ゴヒく木俣滋郎 > ー田 0 スケールモデル・ティーガ重戦ーのマーキングく後藤仁 一〉ーヨ 06 トピックス ( 大ゆれのチーフテン売込み他 ) ーⅡ 2 くリスコーフ。ー - Ⅱ 6 ュースー - Ⅱ 4 see page 94
戦車 , 火砲 , 弾薬などを急速輸送で 近のイランにおけるアメリカ大使館 人質事件を契機に一気に実現が決ま きる輸送船が 10 隻 , 30 億ドルで新造 ったものである。 または改造して造られる予定。 12 月の下旬には , 早くも議会に対 これら輸送船は , フィリビン , デ して新部隊のために 90 億ドル ( 約 2 ィエゴ・ガルシア ( インド洋 ) など 兆 2 千億円 ) という巨費が , 5 年間 アメリカの友好国のアメリカ海軍基 で輸送機と輸送船を調達し , 兵員 10 地に永久配備され , 緊急時には降下 万人を投入するための具体的な計画 部隊への重火器の補給 , 海兵隊への として提出されたが , これは現在の 直接補給の任務を果たすことになる 海上輸送軍団洋の新編成とともにア 年間約 350 億ドルの国防費とは別枠 はずだ。輪送船には M60 や XM 1 戦 メリカ海軍の編成や艦船の構成にも という大変なもの。 車を積むための特別な装備が施され 大きな影響を与えることは避けられ まだ陸戦兵器や部隊編成の内容は るのが特徴のひとっといわれる。 ない。 公表されていないが , 60 億ドルで新 また , 現在モスポール化してけい 、戦略空輸洋の目玉商品である 型長距離輸送機 C x 調達と K C ー 10 留されている約 300 隻の貨物船の相 C x は , 1981 会計年度 ( 1980 年 10 月 空中給油機 ( 空軍は 20 機を希望 ) を 当数、を現役復帰させる計画も進め から 1981 年 9 月 ) に 8000 万ドルの研 られていて , これら一連の動きは , 購入することは決定的で , このほか 究開発費が計上されていて , ロッキ ード C ー 5 輸送機の改良型とポーイン グ 747 ジャンボの貨物輪送型が最も 有力視されている。どちらに決まっ ても 1 機約 7000 万ドル ( 約 170 億円 ) で , 1980 年代のなかごろまでに 50 ~ 100 機の購入が予定される。 アメリカ空軍は , 現在 C ー 5 を 77 機 , C ー 141 を 271 機保有しているが , これでは今回のイランのようなケー スで軍事介入を実施するには全くカ 量不足であるとされている。 カナダの新型万能車 タイナトラック カナダのカナデア社が造った、ダ イナトラック洋は , トラクターとト レーラーの両方のキャタピラをトラ クターの床下に積んだ 1 基のエンジ ンで駆動して , 沼地 , 雪上 , 砂漠 , 水上など , あらゆる地形を走破で き , 熱帯でも寒冷地でもじゅうぶん な性能を発揮できる全天候車輛。目 下 , アメリカ陸軍で XM571 として テストをしているが , 完全武装の兵 員 10 名または 1 t のペイロードとい う能力と合わせ , たいへんュニーク な車輛である。 ちなみに , ェンジンはひと昔前 , アメリカの乗用車 , シポレー・コル べアに積まれていた空冷水平対向 6 気筒のもので , この車輛では 65 に 落として実用性を高めている。 、 1 TOPICS 当を - を
かにうまく使うかが重要とな る。陸上部隊 ( 陸軍や海兵 隊 ) が持つ火力の主力は野砲 であり , 野砲を戦車 , 兵力な どの火力と密接に連携させ , 効率よく運用しなければなら ない。これを「火力調整」と 火力調整でいちばん大切な ことは , 目標の重要度を正し く判断し , 自己の持つ火力の 特性や能力を理解し , 戦闘の 状況に応じて機を逸しないよ うに使用することである。 間をじゅうぶんに考慮すると イギリス陸軍の 105 新軽砲。牽引式火砲の特徴は , なんといっても安く数がそろえられること ともに , 戦況の進展に応じて 柔軟に運用しなければならない。野砲の機動力向上と速 ろ野砲の機動力を高めて , びんばんに陣地を移動して砲 射能力は , 運用の柔軟性を著しく向上させる。 撃戦の被害を少くするとともに , 戦況の急速な進展に追 火力支援は , 支援を要求する部隊が希望する手段で行 いつけるようにした方が得策である。 う必要がある。しかも要求された時間内に , 効率よく実 以上のようなことから , 野砲の機動力の向上は現代戦 施しなければならない。最も大切な点は迅速さである。 には非常に重要なことになった。重砲をどっかとすえて 戦闘では機動力と火力を密接に組合わせなければなら 大砲撃陣地を設ける第 1 次大戦型の方式はもはや通用し ず , 燃料や弾薬などの兵站支援力を確保することは絶対 ない。 典型的な例を , 1967 年 6 月 の第 3 次中東戦争 , いわゆる 6 日間戦争に見る。 第 . ・ 0 誉。物 このときのシナイ半島の砲 撃戦 , イスラエルの勝利とア フ・側の敗北の原因について は , すでに本誌第 5 号 ( 1976 年 1 月号 ) で詳しく述べられ ている。つまり , ソ連式の牽 引式野砲による砲撃陣地方式 イスラエルの自走砲部隊。めまぐるしく動く戦場て力を発揮した をとったアラフ・軍 ( エジプト 軍 ) は , 高速で進展する戦況と戦線の移動について行け に必要である。とくに攻撃戦闘では , 敵に対して常に火 ず , じゅうぶんな火力支援を実施することができなかっ 力の優位を保たなければならず , これが崩れると攻撃の た。これに対して , ほとんどの火砲を自走化して高い機 成功は難しい 動性を持たせたイスラエル側は , 迅速な火力支援を行え 野砲部隊の任務は直協 , 全般 , および全般と増援の双 たばかりでなく , 移動により部隊の被害を減らすことに 方を兼ねたものに大別できる。いずれの任務にせよ , 野 成功し , 間断のない砲撃で戦闘に勝っことができた。 砲は戦闘の開始から終了まで間断なく使用されるのが普 通である。火力の運用が戦闘の大原則である以上 , 敵も 命野砲自走化の意味 同じ方式をとる。相手の火力を少しでも減らした方が優 野砲の機勲性向上の利点は前に書いたが , 手段には 2 位に立つから , 正規戦の場合はまず敵の火力の中心 , つ まり野砲を撃滅することを第一とする。 つの方式がある。 したがって , 戦闘は野砲の砲撃戦で開始される。自軍 第 1 は , 砲の軽量化と , 付随的なものとして牽引車の の野砲陣地はなるべく隠さなければならないが , 機動戦 機動力の向上である。第 2 は野砲そのものの自走化であ が主となり , 戦況の進展が早くなった現代戦では , むし る。 95 、 = ドま第。 0 らい、。を第 .
ざ点を打ってあることからも , 氏がこれを戦車の本質と 考えておられることが分かる。 なぜこのように改めて戦車の定義に話を戻したかとい えば , 革新的な技術を追うあまり , とぎとしてこの戦車 の本質が忘れ去られ , 戦車でもないものが堂々と戦車と してまかりとおることがあるからだ。とくにこれは平和 時に多く , 戦車の本道を外れていることが逆に画期的と して称賛の的になったりすることさえある。 近藤清秀氏は戦車の本質をズスリ「格闘兵器」と , 氏 らしく直截に表現されている。筆者自身以前どこかで , 「格闘戦兵器」という言葉を発明して使ったことがあっ た。当時は例の猪木とアリの「格闘技世界 1 決定戦」と やらで , この表現はかなりイカガワシク響いたが。 それはともかく , これから各種の可能な戦車の形態を みて行くときにも , 戦車の本質が近接戦闘にあることを 忘れずにいよう。格闘戦に耐えないものは , いくら画期 的でも戦車とは別のジャンルに入る兵器と考えるべきだ ろう。 履帯は本質的てはない 82 行方法を使う戦車が出現してもよいわけだ。装輪戦車は 履帯が戦車にとって本質的でないのなら , その他の走 ただろうか ? ) 。 た ( 砲塔のない BMD の発達型が出ていたのに気づかれ 連軍の戦車」として , BMD が大きな顔をして写ってい のアフガニスタン侵攻の報道をみても , 「市内を走るソ A p C でも「戦車」にされてしまうのだが。最近のソ連 づけるものであり , 履帯さえついていれば自走砲でも , これが戦車を特徴 ては決して用いられないはずだが にはこの語は某社の登録商標だから , 軍事技術用語とし ろうか。素人 ( 一般人 ) にとってはキャタヒ。ラーー実際 て走行する」という表現のなかったことに気づかれただ これまで出てきた戦車の定義のどこにも「履帯によっ どうか ? いっそホパークラフト戦車はどうだろうか。 実際問題として , 現在の MBT 級の重量を前提とすれ ば , これを車輪で支えるには 10 数コから 20 数コが必要と なるだろう。こんなムカデのような戦車が非実用的であ ることはいうまでもない。またホスークラフトなら縦横 10 数川以上の大きさになり , これも問題外だ。 重量を 10t 台にまで減らせれば , 装輪戦車は不可能で はない。しかし例え画期的主砲 ( 小口径高初速砲 , 前進 砲など ) を採用したとしても , 重量をこの水準にまで下 げるのには防禦力を落とさなければならない。しかも何 度もいうように , 戦車は「格闘戦兵器」であって , いく ら火力 , 機動力が優れていても , 防禦力をともなわない ものは戦車に値しない。 ミサイルを主武装にすれば重量を格段に軽減できるか もしれないが , ミサイルは近距離戦闘には適さず , これ を武装とする車輛もやはり戦車の本質を外れている。そ のような車輛はタンク・デストロイヤー ( これを駆逐戦 戦車専門の車輛 の砲架を持っ対 ネ。限定旋回式 西ドイツ陸軍の 車と訳しては不適当だ ) として戦車と併用はできるが , 戦車に代わるものではない。 世上火力のアウトレンジ用法で , あるいは高い機動力 ( 敏捷性 ) で防禦力の不足を補いうるかのごとき主張が あるが , 机上の空論 , 平和時の迷妄といってよい。戦争 というのは , 常にこちらの望む条件で行われるとは限ら ず , 特定の条件でのみ力を発揮する兵器は真に頼れる兵 器ではない。 砲を武装とする限り , 多少の技術革新は必ずしも形態 の革新にはつながらない。主砲の自動装填はすでに T64 / 72 で実用化されているが , この戦車も形態上は全くオ ーソドックスだ。 テレスコビック弾薬 , 液体装薬なども同様だ。前進砲 ( アウト・オフ・・パッテリー原理 ) は , 少くとも砲塔の 形状をかなり変えなければならず , 多少の変化にはつな がるかもしれない。
「級ではなく , 最新型の戦車 を望むようになっている。 イギリスもクウェー「トやイ ランにチ = フテンを輸出す るようになった。 しかし最新型の戦車がど んどん大きく , 重くなる一 方 , まだまだ軽く , 小さな 戦車 ( 比較の問題だが ) の 需要はなくならない。西ド イツ製の T A M 戦車 ( アル ゼンチン向け ) や各国の装 輪戦車など , さまざまな要 求に対する具体的な解答も ・バラエティを増している。 こんな中で , チーーフテン で証明される最新技術を常 にとり人れ , 時代の最先端のすぐうしろ洋を行くビッ の違った戦車になりそうである。 カ - ーズ M B T は , イギリスの強力な輸出商品として , 今 プロトタイフ。は昨年春に完成し , すでに数カ国の引合 いがあったといわれる。ギリシア陸軍の場合 , 採用が決 後も次々と新型が開発されて行くに違いない。 定すれば行く行くは同国内でライセンス生産に入る予定 ( ビッカズ Mk. 1 , ビジャヤンタについてはあまり触 だが , 当面はイギリス国内で製造し , 完成品を輸出する れなかった。本誌 N 。 . 8 , 76 年 4 月号の特集に詳しいの で , そちらを参照することをおすすめする。筆者 ) という形になる、。 ビッカーズ BT は 1963 年に Mk. 1 が誕生して以来 , 最近の Mk. 4 まで , 目標を輪出一本に絞って成功してき た。 70 年代後半以降 , 第 3 世界へ輪出される戦車のレベ ルはどんどんあが , 各国ともこれまでのような第 2 線 ヒッカース M B T M k. 3 データ (Mk. 1 は 12. 7mm 測距機銃 ) Q F 105 L 7 A 1 同軸機銃 7.62mL37A 1 砲操作 , 安定装置 78 車長用機銃 7.62 L37A 1 全電気 , ソリッドステート 9. 56 発煙弾発射器 動力系統 7. 6 x 2 16 弾薬搭載量 ュ・ンジン 3. GM12V—71T 50 発 ( 44 ) テ、イーーピノレ 2.87 7.62m 機銃 3000 発 ( 2400 ) 750 Ⅳ ( 720 B Ⅳ ) 2.48 測距機銃 (Mk. 1 は 2.44 ) ( レイランド L 60 6 気筒 600 発 射撃統制装置など ディーゼル 600 Ⅳ ) 2. 53 車長サイト 倍率切換式照 4. 28 トランスミッション TN12 半または全自動 準ペリスコ . 406 行動能力 X 1 50 / h ( 48 ) レザ測遠 最大速度 機組込照準ペ 超堤能力 0.9 川 リスコープ 超壕能力 2.4 川 30 。 レーザー測遠機 登坂能力 ー & ストラウド製 行動距離 483 1.1 川 ( 準備なし ) L F 2 ( No. 1 Mk. 2 ) 渡渉能力 ク / 、ツ V800 パワ 乗員 寸法 ( 川 ) 全長 車体長 全幅 全高 砲塔上面高 轍距 接地長 地上高 重量 (t) 戦闘重量 車輛重量 接地圧 出力重量比 武装 4 砲手用サイト 38.09 ( 36.9 ) 35. 53 0.83 ん 9 / c 加 19.2 Ⅳ / t ( 16.3 Ⅳ / t ) 30
完成直後の M k. 1 戦車。ヴィカーズ 37 t 戦車とも呼ばれ、インド陸軍やクウェートが採用して幸先のよいスタートを切った ヴィッカーズ M BT 家持晴夫 の輸出では最も古い歴史と実績を持つイギリスが、輸出向け戦車としてさか んに P R しているのがヴィカース Mk. 1 ~ 3 である。チーフテンの開発とセンチ ュリオンの近代化の経験をもとにまとめられた M BT だが、さてその特徴は・ Vickers
昭和 54 年 7 月ロ日国鉄首都特別扱承認雑誌第 4489 号昭和引年 8 月に日第三種郵便物認可 ( 毎月一回一日発行 ) 昭和 55 年 3 月一日発行 3 月号 / 第 57 号 89 ア 日本陸軍のオーバイ , 、 M3 リー中戦、車 ドイツ第 1 機申集団 ヴンツガーズ MBT - ー Ma 「 ch / 1980 / No. 57 MEDIUM TANK ・ AUTO BICYCLE OF JAPANESE ARMY VICKERS MBT ・ GERMAN lst PANZER GROUP ・ M3
は戦車の全高を決める要素であり , 操縦手に寝そべった とするソ連の戦車と , 砲塔をいくつかの面の組合わせで 姿勢をとらせることも多い。もうひとつ操縦席を低くす 構成しようとする M60A 1 との間には , 顕著な思想的な る方法は , ソ連式に乗員の身長を制限することだ ! 違いがみられる。 砲塔はリング状のべアリングを介して , 車体の上面に 砲塔前半の形状を大きく左右するものに , 光学式測遠 組みつけられている。砲の口径が大きいほど発射時の後 機がある。 AMX30 と 74 式戦車の砲塔は , ともに亀の甲 座は大きく , これが砲塔リングの直径を規定する。リン を理想とする同じ思想にもとづくが , AMX30 の場合は グ径は戦車の幅を決めるが , 車体の幅は道路の幅員 , 鉄 測遠機の出張りがスムーズなラインをぶち壊している。 道のゲージ , 輸送用トラックの荷台幅などによっても影 砲塔に位置する 3 人の乗員のなかでは , 車長が最も見 響される。操縦性の観点からは全幅と接地長の比はあま 晴らしのよい位置に坐り , 砲手はその前の低い位置に坐 る。装填手は車長 , 砲手とは砲尾をはきんで反対側に位 り大きくはできず , 全幅が決まれば全長も大体決まって くる。 置する。一般に , 装填手は右手で弾薬を薬室に押込めら 戦車の主砲は , 砲塔に砲耳とよばれる水平方向の軸を れるよう , 砲塔の左側に位置するが , ソ連戦車の場合は 介してマウントされている。砲は砲耳を中心として垂直 なぜか伝統的にこの逆である。 方向に運動し , 上下の照準 ( 俯仰 ) を行う。砲を最大俯 戦車の本質は何か 角で発射しても後座した砲尾が砲塔の天井に当たらない ようにしなければならず , これが砲塔の高さを決め , 全 こうしてみてくると , 現代の戦車の形態はおおむね合 高を決める。 理的で , 機能的であるといってよい。車体は 3 つの「箱」 砲の左右の照準 , すなわち旋回は砲塔を回転させて行 に分かれ , 前の箱には操縦手が , うしろの箱には動力系 う。砲塔は左右どちらにも無制限に回転し , 砲の射界は 統が収められている。中央の箱は戦闘室で , その上に砲 一般に全方向にわたって確保されている。どの方向の敵 塔がかぶさっている。砲塔側からみると , 戦闘室がその とも砲火を交えることができる点が , ここ 40 年以上も続 下にぶら下がっている。 この配置は戦車の本質に合致したものといえる。戦車 いている砲塔式戦車の最大の長所であることはいうまで とは何かを短い言葉で定義するのは意外に難かしいが , もない。しかし戦車の車体側面や後面の防禦力は前面に とくに戦車と隣り合った領域の戦闘車輛 , 例えば突撃 比べてはるかに弱く , 可能な限り車体を敵方向に向けて 砲 , 自走砲 , 装甲偵察車輛などと区別しようとすると , 戦闘を行うのが定石だ。また砲の反動を考えても , 砲を フランスの試作 戦車 AMX50 。 揺動式の砲塔に 120 明砲を積ん でいた 横に向けて射撃するのは得策ではない。ここに砲塔式戦 厳密な定義が必要になる。 車の矛盾があるといえばいえる。 ダンカン・クロウ氏とロノく一ト・ J . アイクス氏は著 砲塔の前面にあって , 砲とともに上下する部分の装甲 書〔 1 〕のなかで , 「第 1 の機能は敵を遠くから攻撃する を防楯とよぶ。防楯の形状は砲の駐退機の形式 , 照準眼 ことであり , かっ装甲でかなりのていどまで守られつつ 鏡や同軸火器の配置などによって変わってくる。 自身の砲と目標との距離を急速に詰められるもの」との 設計によっては , 通常の意味の防楯に当たるものを持 定義を下している。これは MBT について述べたものだ が , 広く戦車一般に当てはめてもよいだろう。少し表現 たない形式も可能だ。チーフテンやソ連戦車の砲塔がそ はまわりくどいが , 戦車の火力 , 防禦カ , 機動力 , それ うで , この場合も砲塔前面の砲の上下するすき間を塞ぐ ため , 砲塔内面に防楯に相当する装甲板は必要だ。 に近接戦闘も可能という特性がよく表わされている。 防楯を含めた砲塔の形状は , 現代の戦車のなかでは最 ほぼ同じ趣旨を小埜降氏はもっと簡潔に , 「火力と踏 も各車の特徴が出るところといえる。砲塔を一体とみ 破力をもって近接戦闘を行うことを主目的とする装甲戦 て , 極力最少投影面積 , 最少表面積の半球に近づけよう 闘車輛」と述べておられる。「近接戦闘」の話にわざわ
ビッカーズ社版 , セノチュリオン 近代化案。車体後部に大型ファン っき V 800 パワー・パックを積ん ている な戦場でも満足の行く機動力が発揮できる。渡河にあた いか , 装甲が薄いかを表わしている。ビッカーズ M B T って橋の問題もほとんどない」 は自由市場へ向けた商品だけに . めずらしく装甲の厚さ と , ビッカーズ社発行のパンフレットのいちばん頭に がわかっている。 も書いてあるとおり , ビッカーズ M B T は第 3 世界 , 発 車体前面下部 80E / 35 。 車体前面上部 60E / 58.5 。 展途上国への輸出を主目的に開発されてきた。 車体側面 車体後面 20 簡 / 5 。 30m こでは , 「途上国向け」といわれるビッカ - ーズ MB 車体上面 車体底面 25 17E T の特徴を具体的にみて行くことにしよう。 砲塔防楯 砲塔前面 80E / 16 。 ( 1 ) 全体の特徴 砲塔側面 40E / 15 。砲塔後面 40E / 15 。 ビッカーズ M B T Mk. 1 ~ 3 をざっとみてまず気が はたしてこれで薄いのか厚いのか , 邸断はできないが , つくのは , 120 簡砲 , 54 t のチーフテンと同じェンジン 重量 40 t のレオパルト 1 でも車イ本の前面下部で 70E / 30 を積むが , こちらは 38t しがないという点だろう。先の だから , 車体そのものは極端に 、とはいえないよう パンフレットでも , 重量のことはまっ先に述べられてい だ。しわ寄せは砲塔や車体の側面 , 下面にあると思われ るが , 砲塔側面にしろ車体側面にしろ , 工具箱やスカー 軽い車体に比較的強力なエンジンを積めば , 最高速度 ト・プレートをつけて , ともかく H E A T 弾の攻撃には や加速力がよくなることは簡単にわかる。足まわりさえ 対処しようとしているのはさすがである。参考までに がんじようにできていれば , 路外の走行性能はそれだけ 同じ重量 38 t の日本の 74 式戦車との車体寸法の比較を載 高くなる。ビッカーズ MBT の最高速力は Mk. 3 で 50 せておく。 川 , Mk. 1 で 48 / h で , チーフテンの 48 / h とほとんど ビッカーズ M B T 74 式 変わらない。ということは , おおまかにいって , 最咼速 車体長 7.56 川 6. 7 川 力をおさえた分だけ低速時のトルクのアッフ。や加速力の 全幅 3. 16 川 3. 18 川 増加に力を注いでいるとみてよい。山地や荒地での走行 砲塔上面高 2.44 川 2.25 川 性能はこれだけでは決まらないが , 「途上国向け」とい ( 2 ) 武装 うビッカーズ社の宣伝にひとつの根拠はあるようだ。 ビッカーズ M B T Mk. 1 ~ 3 の主武装は , 105E 砲 L さて , 重量が軽いということは , 車体のサイズが小さ 7 A 1 である。ご存知のように , 60 ~ 70 年代の西側の代 25