226 ■電子メールのためのシステム設定 Linux で電子メールを利用するためのシステム環境を構築する方法にはいくつ かのやりかたが存在しています。自分の Linux が置かれているネットワーク環境 によってそれぞれ適した方法がありますので適切なものを選択してください。方 法としては次のようなものが考えられるでしよう。 ・ M H を利用する MH はメールを扱うためのプログラム群のことです。この MH はそれ自体が ネットワークにも対応しているため、 MH を適切に設定してやるだけでもメー ルのやり取りが可能になります。 ・ MH と popclient を利用する 実際に利用してみればわかるのですが、前述の MH だけの方法には mew( 後 述 ) などのインターフェイスをそのまま使えないという欠点があります。 のため、問題のあるメール取り込み部分を MH ではなく popclient コマン 0 電子メールのための環境設定ーー MH を利用する 続けてこれらの各方法のために必要な設定について解説していきます。 よってメールの交換が可能となります。 LAN や専用線接続の環境ではバックグラウンドで sendmail を動かすことに ・ sendmail を利用する ドによって行おうというのがこの方法です。 うファイルを編集するだけです。 /etc/services ファイルにはリスト 8 ー 12 の内 設定はごく簡単で /usr/local/lib/mh/mtstailor および /etc/services とい 法のイメージは図 8 ー 1 のとおりです。 えて挑戦するよりも、設定の簡単な MH を利用するほうが無難でしよう。この方 このような環境ではしろうとには難しい sendmail の設定にあ 一般的です * 24 のやり取りに POP というプロトコルと SMTP というプロトコルを利用するのが インターネットサービスプロバイダなどと PPP 接続している環境では、メール であればどこでも利用することが可能です * 24 POP も SMTP も TCP/IP 上のプロトコルですので、実際には TCP / IP 通信ができる環境 容を追加します。
12 A endix Appendix A いの印字環境 A. 1 T びの環境整備・ A. 2 印字の高品質化・ A. 3 フォントのカスタマイズ・ Appendix B AcceIerated-X B. 1 商用 X サーバー B. 2 Accelerated-X ・ Appendix C わからなくなったら C. 1 C. 2 C. 3 質問する前に 質問のしかた チェックリスト・ 293 ・・ 293 ・・ 293 ・・ 295 303 ・・ 303 ・・ 303 307 ・・ 307 ・・ 308 ・・ 309
258 9 ユ JG って何 ? 9. い JG の簡単な説明 JG とは Japanese Games and amusements の略であり、 Linux 用に移植 / 開 発された日本語環境で動くゲームやお遊びのソフトウェア * 1 を集めたもので、基 本的には SIackware + JE 環境に加えるように整理されています。 せん * 1 外国生まれのゲームは今後 Slackware に入れられる可能性が高いので、 JG では扱っていま と同じく日本語 EUC 環境で動かすことを前提としています。 ストールされていることを前提としています。また、 JG の各ソフトウェアは、 JE た、 JG に含まれる X べースのソフトウェアは Linux 上の XFree86 ー 3.1.2 がイン ます。したがって、 Linux の共有ライプラリⅱ bc ー 5.3.12 以上を必要とします。ま と、それに対応した JE ー 0.9.8a がインストールされていると仮定して作られてい せて ELF 対応のバイナリのみの配布になっています。基本的には、 Slackware-3.1 JG はまだテスト公開です。現在の最新バージョンは″ 3 で、最近の傾向に合わ 9.1.3 JG の前提とする環境 上の XFree86 ー 3.1.2 上などで遊ぶことができます。 Nemacs/Mule 上で遊ぶことができます。 X 上で動作するソフトウェアは、 Linux Nemacs/MuIe 上で動作するソフトウェアは Emacs lisp で記述されているので、 アは、 Linux 上の漢字コンソールである kon か、 kterm 上で遊ぶことができます。 もの、 X 上で動作するものの 3 種類に分類されます。 tty 上で動作するソフトウェ JG で収録されたゲームは tty 上で動作するもの、 Nemacs/Mule 上で動作する 9 工 2 JG の概要 収録されています。 す。また、個々のパッケージは Slackware や SLS などと同様に tar + gzip 形式で 不ぐあいなどがあった場合には、その場でソースコードを修正することも可能で JG は、基本的にバイナリファイルと同時にソースコードで配布されますので、
206 は接続相手がサポートしていなければなりませんから、もしもそのあたりにも気 を使うのであれば事前に認証方式 * 14 を確認したうえで接続相手を選択してくだ さい。 なお、今回は CHAP 方式について動作を確認できる環境がなかったことと、多 くのプロバイダで PAP 方式を採用していると思われることから認証方式のうち UNIX ログイン方式と PAP 方式について解説しています。 8.2.3 PPP 接続の準備 さあそれでは実際に PPP のための設定を行ってみましよう。 こでは各種インターネットサービスプロバイダなどで提供されている PPP の 環境に接続するということを目標に設定していきます。そのため PPP の環境を提 供する側、いわばサーバー側の設定にはいっさい触れていませんし、特定の組織 間での接続などでは事情が違う場合もあると思います。そのような場合には自分 の環境に合わせて適宜読み替えてください。 ・チャットスクリプト 前述のとおり PPP で接続をする際にはシェルスクリプトを使って半自動的に サーバーと接続します。その場合の処理の流れは「 8.2.2 PPP 接続までの流れ」で 解説したとおりで、 PPP のやり取りがはじまるまでを chat というプログラムが、 PPP のやり取りがはじまってからを pppd というプログラムが担当します。 認証方式によってどの段階までをそれぞれのプログラムが担当するかは異なっ ています。 UNIX ログイン方式では第 1 段階から第 2 段階を chat が、それ以降 を pppd が担当します。一方、 PAP 方式では第 1 段階を chat が、それ以降すべ てを pppd が担当することになります。 chat はモデムとの、そして相手サーバーとのやり取りを制御するためのプログ ラムで、チャットスクリプトという引数をとります。チャットスクリプトというの はモデムを操作して電話をかけ、相手のマシンヘログインするまでの手順を書い たもので、基本的な書式は次のとおりです。 待つ文字列送る文字列待つ文字列送る文字列 * 14 セキュリティに気を使うという意味では、認証方式だけではなく接続先のセキュリティ関連 の方針や施策全般についてよく確認しておくことが必要です
ビ れ d I 339 0 工 凵 N U X 付録 CD-ROM 付録 CD ー ROM の内容 TOWNS Linux 関連のものを収録しています。 ・ TOWNS Linux 関連 に、必ずこれを見ましよう。 邦訳やオリジナルの日本語ドキュメント群です。 NetNews などに質問する前 日本語環境で動くゲームや遊びのソフトウェア集です。 ・ JG ß 3 日本語環境パッケージの最新版です。 ・ JE ー 0.9.8a SIackware の最新ディストリビューションです ( 10 / 7 版 ) 。 ・ Slackware-3.1 本書の付録 CD-ROM には、次のものが収録されています。
26 してあるわけです。 配布パッケージには、次のようなものがあり、基本的に 、カーネル、 XFree86 ( 後述 ) を含んでいます。 ・ S lac kware コマンド、 現在もっとも利用者が多いと思われるパッケージで、 フリーで配布されてい ます。基本的なコマンドから XWindowSystem まで、通常必要なものはす べて含まれています。バージョンアップもまめに行われており、動作も比較 的安定しています。 ・ RedHat 商用パッケージとして人気があるパッケージです。 GUI べースのインストーラ やシステム管理ツールを備えているなどの特徴があります。また、ネットワー クからでも取得できます。これをベースにした、 Caldera Network Desktop もあります。 ・ Debian これぞ決定版 " と期待されていたパッケージです。あまりに待ちくたびれて しまったのか、正式版がリリースされてもあまり話題に上らないような この他にも、 SLS 、 MCC 、 TAMU と呼ばれる配布パッケージがあります。 また、変わったところで次のようなものもあります。 JE (Japanese Extensions) は Linux-ML などで Linux 用に移植 / 開発され た日本語環境ソフトウェアを集めたもので、 Slackware に加えるように整理 されています。基本的にバイナリで配布されます。 ・ JG JG(Japanese Games and amusements) は Linux 用に移植 / 開発された日本 語環境で動くゲームやお遊びのソフトウェアを集めたもので、 Slackware + JE 環境に加えるように整理されています。 本書では、定番といえる SIackware 、そして JE と JG のインストールを取り上 げます。
151 C 4 t ビ 凵 N U X 日本語環境の構築 (JE) 7.1 JE って何 ? JE とは 7 ュ .1 * 1 RedHat や debian についても対応されています に初期設定まで行うことができます。 また、専用のインストーラ ( ezinst ) があり、これを利用することにより簡単 ウェアの種類ごとに分類されています。 それぞれのパッケージは Slackware と同様に tar + gzip で圧縮され、各ソフト います。 ます * 1 。基本的にバイナリで配布されますが、ソースコードも一緒に配布されて 日本語環境ソフトウェアを集めたもので、 Slackware に加えるように作られてい JE (Japanese Extensions) は Linux-ML などで Linux 用に移植、開発された
ス〃卩ビれ 293 0 凵 N U X そのものに関する説明は行いませんので注意してください。 してプリンタで印字するまでを説明します * 1 こでは、応用として ' I のフォントをカスタマイズし、 Ghostscript を使用 A. 1 T の環境整備 TI さの印字環境 I しで文章を作る場合、基本的に次の順序で作成することが多いでしよう。 A. 2 印字の高品質化 1. 2. 3. 4. * 1 ソースファイル ( * . tex ) の作成 jlatex により *. tex を *. dvi ファイルに変換 xdvi コマンドによるプレビュー あとで説明しますが、ほとんどのプリンタが使用できます jdvi2kps コマンドで *. dvi を PostScript 形式に変換
176 echo "Usage : exit 1 esac exit 0 canna {startl stop}" 7.5.3 kterm 上の漢字入力 サーバーが起動できたので、こんどは実際に漢字変換をしましよう。 こでは、 kterm 上からの漢字入力を説明します。入力を行うには、 kinput2 と c Ⅱの 2 種類のクライアントが使用できますので、順番に説明します * 6 ・共通設定 まず、 kinput2 と canuum で、共通の設定から説明します。 ・環境変数 LANG の設定 環境変数 LANG を、 ja-JP. ujis に設定します。 export LANG=ja—JP. ujis bash の場合 setenv LANG ja—JP. ujis tcsh の場合 ・日本語対応シェルの使用 tcsh であれば、環境変数 LANG の設定だけで OK ですが * 7 、 bash の場合に は、リスト 4 ー 1 の " 8 bit characters を使用可能に " の設定が必要です。 ■ kinput2 1. 起動キーの設定 * 6 * 7 ます、 ~ /. Xresources ファイルか /usr/1ib/X11/app-defau1ts/KTerm フ リスト 7 ー 3 を追加してください。ただし、「 6.32 ~/. xinitrc ファ ァイルに イルの設定」で説明したように、〔蜜〕を設定した場合は必要ありません。 kinput2 の使用をおすすめします。 c u では、 kterm のサイズ変更に追従してくれない ようです。追従させる方法があったら教えてください 一番楽なのは JE の jtcsh を使ってください
Chapter 1 ・ X Window System UNIX って何 ? 19 現在の UNIX の地位を築いたともいえる X Window System が使用できま す。このウインドウシステムは、外見でも、 X Window Sysytem 上のアプリ ケーションの実行でもすばらしい柔軟性があります。 ・開発環境の充実 Emacs に代表される GNU の各種ツールや、各種言語などが使用できます。 また実験的に作成されたおもしろそうなものもたくさんあります。 ・多数のフリーソフトウェア 前述の X Window System も開発環境も、ほとんどはフリーソフトウェアで す。さらには OS そのものまでフリーで入手できます。 ・コンピュータ教育に最適 フリーソフトウェアにも関連しますが、ソースを入手できますから、それを 参考にすることができます。前述の開発環境のよさも、このことに有利に働 くでしよう。 ・障害に強い 異論のある人がいるかもしれませんが、 UNIX は障害に強いです。 Windows では、 1 つのプログラムが異常終了した場合、 Windows そのものが不安定に なったり、 Windows そのものを道連れにしたりしますが、 UNIX ではそのよ うなことはあまりありません。 さて、こまではメリットを述べましたが、デメリットはないのでしようか。 今まで使用していて、次のようなことが・・困った " 思った点です。 ・システム管理がたいへん こうだったらいいのにな " と DOS や Windows に比べて、システムの定義ファイルが多いです。また、 Win dows のように GUI で設定できるわけではなく、エデイタで定義ファイルを 編集するのでキータイプが苦手な人には少々辛いようです。また、マルチュー ザーであるため、ファイルにオーナーなどの概念があります。ただ、メモリ を確保するために CONFIG. SYS や AUTOEXEC. BAT をいじるよりは簡単かもし れません。