そこまでいかなくとも、税務署は書類だけでなく、その人の内なる波動、叫び、 あるいは目を見ているものである。不正さえなければ恐くないはすだ。思いきっ て、大いに議論闘争すれよ、、。 ( しし堂々とやるのが一番である。 税務調査を乗りきる究極の方法 ところで、税務調査のときには、鹿島神宮 ( 茨城県 ) に行くことをお勧めする。 鹿島の神様は武の神様。剣の神である。だから、自分よりも強く、賢く、知識 も理論もあり、直感力と超能力の発達している税務署が来るときには、とにかく 鹿島の神様に行くとよい 税務署の通常の調査というのは、三日から五日前に予告がある。予告があった ら、さっそく鹿島の神様に行って、お祈りする。 「税務署が来ますけれども、私はきちんとやってます。不正もありません。ただ、 見解の違いがあるかも : : : と思うところもほんの少しあります。最小限度にして いただけますように : : : できれば何事もないようにして下さい。しかし、神様の 9
話は横道に逸れるが、私の親類に大阪国税局のトップを務めた人物がいる。も う年をとっていて、昔、私が営業マンだった時分、東京で会ったときにアドバイ スをもらった。 「君、営業をやっているんなら、ふたつのことをアドバイスしよう。ひとつはね、 業界紙を読みたまえ。業界紙を読んで、業界の流れ、経済やマ 1 ケットや流通の 先を常に勉強することだ。その大きな波に合わせてやっていかないと、どんなに 営業してもだめ。努力が生きない。もうひとつ。営業というのは心理学だからね。 学問というよりも、人間の心理とはどんなものか、絶えず研究すること。営業マ ンなら、このふたつを勉強しなきゃいかんよ」と。これは、いまだにきちんと実 ガ 行している。 ン メ 私たちも税務調査をされたが、私たちのグル 1 プはこれ以上ないほどキチンと ジ ネ税務署の指導通りの経理をしていた。だから、どこをどう調べても、税務署の結 論は「シロ」だった。それこそ今度は『マルサに勝っ本』でも出そうかと思って いるほどである。では「マルサが来たらこまるさ」という人に、マルサが来たら 章 第 どうしたらいいか、税務署に勝っ究極の方法を教えよう。 9
目から見て、これは良くないと思われたら、これは、私も経営者、覚悟はできて ます : : : ただまあ最小限度でお願いします」 そうしたら息吹を与えてくださる。後は勝負である。絶対に負けないぞという 気迫が大切だ。武術と同じで、立ち会いの勝負で決まる。だからこそ、税務署が 来るときには、鹿島神宮が一番力強いのである。鹿島の神様でなければ、三宝荒 みつみね 神や三峯神社 ( 埼玉県 ) もいい。 そうやってガ 1 ドを固めれば、自分ではない何かすごいカで主張することがで きる。絶対に逃げず、引け目を感じないで、真正面からぶつかる。税務申告があ イるごとに、技を磨けばいいのだ。税務署との戦いの場合、住吉の神様は向かない。 上手な事業計画書の作り方 ネ マ ところで、銀行対策の時に、「勝負 / ーなんて深刻な顔で行ったら奇妙である。 開 銀行に気合と気迫は似合わない。やはり銀行は住吉さんである。住吉さんは荒々 章 第しい神様ではないのだ。 9
すなわち税務署に勝つには、合理的な納め方はするけれども、ごまかそうなん て思わないことである。すると目が輝いて、相手も安心するのだ。その年の決算 がちゃんとできていたら、遡って調べたりはしない。ごまかそ、つと思、つから、何 かあるぞと感じて調べに来る。何も出なくても、調べる以上、向こうも「お土 産ーがないと帰れないから強引にやられる。やはりきちんとした正攻法が一番強 、 0 我々も過去に、税務署には散々お世話になったが、その原則を貫いていたため に、結局、何も立証もできすに引き上げた。少しくらい見解の相違があっても、 不正は一切ない。結局そのほうが勝つ。大きい声で自信を持って「こうだ 1 つ」 ガ と言いきる。その迫力と目の輝きで、「も、ついいですーとなるのだ。 それでも理不尽なことを言われたら国税不服審査請求ができる。どう考えても ジ ネ きちんとしているのに税務署はおかしい。あの税金の取り方はおかしいと思うの マ なら、泣き寝入りしないで国税不服審判所に不服審査申請をする。不服審査申請 まで行った人で勝つ人は意外と多い。だから、不正もなく、おかしいと思ったら 章 第大いにやるべきである。 9
それを聞いて隣の次長が、 「何を言ってるんだ。僕なんか、毎日思ってるよ : : : 」 次長もまた涙をポロポロと流すのだ。 たたただ、家族のためにと頑張ってきた。 それを見て、私の銀行に対する長年の憎しみは消えていった。 銀行も大変だ。世に坊主と学校の先生と銀行マンはスケベだという。飲み屋で ハチャメチャに騒いでいるのを見たら、先生か銀行員か坊さんだと思えともいう。 最近は神主もそうだという話もあるようだが、それは、普段ニコニコといい顔を しなくてはならない反動なのだ。世の中という荒波は真剣勝負の場なのである。 あのマルサに勝っ方法 いかに合理的で合法的で賢明な納税をするかということも、中小企業の場合は 考えなくてはいけない。 とくに売上が上がってくると税務署に目をつけられる。 私と国税局とのささやかな思い出でも、税務署が主役であった。 9
それは何か。それは、税金を納めるということである。 「なんだ」と思った人は気をつけたほうがいい。私が言っているのは、ごまかさ ないということである。これを簡単に説明すると、入りをごまかすと脱税、出費 をどうするかというのは見解の相違であって、違法ではない。 税務署というのは超能力者である。あなたがどんなに上手にごまかそうとして も、あちらのほうが上なのだ。これは間違いない。中途半端に隠し事をしても、 たちまち見破られる。ます目でわかる。それならばと、「安全な目」というのを 研究しても、今度は耳の動きでわかったりする。ごまかそうとか、してやったり しくら帳簿がきちんとできていて と思うと、その時のム 1 ドでもわかるらしい。、 も、電話帳だとかメモだとか印鑑だとか、原始資料というのがある。それを見て いくと、必す矛盾が出てくる。税務署というのは超能力者、霊能者の集団なので ある。 霊能者に勝つには何も思わないで対するのが一番だ。霊能者に会うときに、霊 能者に勝っために何かしてやろうと思うと、その思いが霊能者のアンテナにピッ とかかるものだ。何も思わなければ霊能者にもわからない。 9
銀行は税務署とは違う。税務署というのは、税金を納めていない相手には隠し てるんじゃないかと疑い、納め過ぎても、もっと隠してるんじゃないかと疑う。 性悪説で仕事をするところである。銀行というのはそこまではいかない。結局、 ししところには貸したいと思っている。 一定の要件さえ満たせば、、、 さて、その要件は何かというと、事業計画書である。 もちろん、計画書どおりにいく事業なんてない。しかしながら、少なくとも経 営者のビジョンを出さなくては信用してくれない。これくらいの資金、これくら いの規模でやれば初年度はこれくらいの上がりで、これくらいの利益が出るとい う事業計画書を出さないと、無計画にロで言うだけでは信用してもらえない。そ もそも、事業計画書さえ出せないような経営者に融資したら、回収に不安を感じ てしまうだろう。だから事業計画書だけは、ピシッと書いたほうかいし ところが中小企業経営者というのは、ほとんどの場合、大学で経営の勉強をし たわけではない。 よしんば大学を出たとしても、大半は大学で遊んでいた人だろ う。事業計画書なんてどう書いていいのかわからない だから銀行に提出するもっともらしい事業計画書を、すぐに作ってくれる事業 ノ 00
があってはじめて実現しうるものなのだ。 私は、経営コンサルタントであり、国内と海外合わせて十数社の経営に携わる と同時に、神道人であり宗教者である。現代の資本主義社会において、ビジネス の問題を宗教的にどのように捉えていくのかということは、大変重要なテ 1 マで あり、多くの解説を要する事柄である。 そのため本書では、現代ビジネス社会で悩める経営者のために、なるべく平易 に、わかりやすくこの問題を解説したつもりである。 さらに、私の数多くの実践体験を踏まえ、経営者として判断に窮した時、どの ようにそれを乗り越えるかについても具体的に記述した。そして、一の経営努力 を十倍、二十倍に発展させるための正しく有効な「成功経営」のノウハウについ ても、ごく基本的なことから詳説した。 資金繰りに窮した時、銀行から借金をする時、支店を出すべきかどうか迷 った時、あるいは税務署がやって来た時には、一体どうしたらよいのだろうか 経営者はどのように考え、判断すべきか。そのような時の答えが本書にはあるは ずである。
てい納得するものではない。「仕方ないなあ。誠意に免じて長く待ちましよう」 と言う人も中にはいるだろう。その誠意もなければ、本当に怨み骨髄となるだろ う。振り出した手形が回ってしまえば、今度はヤッチャンがいらっしやる。右傾 向の方もいらっしやる。家族がどれほど苦しむことか 販売先も同じことだ。税務署が売り掛け金を差し押さえに来たり、債権者がダ ダダーツと押しかけて来て、「私たちの商品ですーと、関係ない商品まで全部持 っていくだろ、つ。 つまり経営者の責任というのは、まず何より、会社を潰さないように収益を上 げていくことなのである。そして、従業員を幸せにし、従業員の家族を幸せにす る。仕入れ先、販売先の幸せを考え、自分の家族を幸せにする。少なくとも、経 済的に負担をかけない、危機をもたらさないということが、経営者にとっての 「世のため人のため」の第一歩なのである。 採算が取れること。利益が上がること。それが第一義。 そして、会社の構造上、最終的には株主への配当を考えなければいけない。こ だまあ、利益処分のやり方はアメリカと日本ではだいぶん違う。アメリカは高配 2
第三章『開運マネジメント』ガイド・ さるたひこ 先陣を切る猿田彦の神 ことひらごんげん プルドーザーのような金刀比羅権現の道開き別 海路を開く知恵。住吉の神様 神様はオールマイティー 銀行から借金するのが上手な「あの神様」 銀行は敵か味方か メモと涙は重要な武器である あのマルサに勝っ方法 税務調査を乗りきる究極の方法 上手な事業計画書の作り方 資金調達の本当の意味 ダイレクトメールの真髄 107