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検索対象: 日本型マネジメントで大発展!
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1. 日本型マネジメントで大発展!

決定権を持った人間に会うことがポイントである。 ところで、日本の場合、若い経営者というのはなかなか信用してもらえないも のである。私は二十六歳で事業を始めたから、これでずいぶん苦労をした。当初 は、私の肩書は常務ということにしておいて、他のある程度の年齢の方に社長を お願いしていた時期もある。しかし、常務にしてもやはり世間から見れば若すぎ るよ、つだった。 歳ばかりは、面の付け替えでは誤魔化せないと思うかもしれない。しかし、猿 田彦式の知恵を使えば、この問題もやりようでクリアできるのである。取締役に 直接会う方法、そして若い私でも信用してもらえる法、商談をまとめる方法など、 幾つものやり方とノウハウがある。それだけで一冊の本になってしまうからここ では省略するが、こうした内容は菱研のセミナ 1 で話しているので、興味のある 方はせひ一度お聴きいただきたい。ともあれ、最初から無理だと決めつけず、決 して諦めずに工夫すれば、必ず道は開くものだ。 770

2. 日本型マネジメントで大発展!

あんなに弱い阪神タイガースにもファンがいて、 も、つ一つは、私もそうだが、 いや、これは 期待すれば負けるし、あきらめたら勝っという、これが阪神論 : ジョーク。 しかし、神道は決して汎神論ではないのである。多くの文化人類学者などの理 解でも、神道のアニミズムやシャ 1 マニズムの要素をとらえている。確かにそう いう要素はあるけれども決してそれだけが本質ではない というのは、日本人はたとえば実験動物のネズミを供養したりする。キリスト 想 教圏のヨ 1 ロッパなどでは出て来ない発想である。実験に役立ってくれたからと とむら 七 いうので、ネズミでもカエルでも供養してその霊を弔うわけだ。 る す それだけではない。長年使った針を供養する、針供養というのもある。白人か をら見たら考えられないことである。なぜ針まで供養しなければならないのかと悩 叡 み苦しむだろう。ゆくゆくは、入れ歯供養というのもできるだろうと私は思って る ゅ いる。あなたのおかげで私は物が食べられた、入れ歯さんありがとうという具合 あ である。そのうち、アデランス供養なんてのもできるのではないだろうか。長年 章 第 使った物でも、人間の気が宿ればやがてそれに霊が宿る、と人々が信じているか

3. 日本型マネジメントで大発展!

が、ソニーはそうは思わない、と。それを聞いて最初、アメリカ人は苦笑してい たそうだ。ところが、実際にそのように会社の運営がなされているので、彼らは 日本人以上に熱心に働くようになったという。 アメリカの労働生産力は高いと、盛田さんは考えていたと伝わっている。要は 経営者次第だということだ。ソニーは不況になると社長をはじめ役員の賞与をカ ットする。不況を社員と共に耐えていこうとする積極的な姿勢が見られるのであ る。経営者だけがお金をもらい放題ということはないわけだ。 また、経営者側が社員に自分たちの経営理念を明示する。目標が達成されれば、 「今年はこれだけ利益が上がった。これもみんなが努力してくれたおかげだ」と、 結果を報告する。そして、その分ボ 1 ナス賞与として社員に年二回支給する。 そういった姿勢で経営に臨む日本の経営者の方が、社員にとってもメリットが大 きいことは言うまでもない。このソニ 1 の企業理念が大きな成功を収めたことは、 今さら説明するまでもないだろう。 ノ 32

4. 日本型マネジメントで大発展!

いうことが表記されている。金太郎飴のようにスパンと切ると、儲かってニコニ コ笑っている顔や利益が上がらずに泣きそうになっている顔が出てくるのである。 貸借対照表では、まず流動資産がどれだけあるかということを見る。つまり、 すぐ現金に還元できる資産がどれだけあるのかということだ。それによって、 ざというときにどれだけお金を回せるかという判断ができるのである。 もっとも流動資産だけあっても、固定資産がなければ、企業体力がないという ことになる。経営者は全体のバランスを総合的に整えなければならない。 一日あれば、たいてい ハランスシ 1 トを読むのは、そう難しいことではない。 マスタ 1 できる。とは言っても、本を読んで勉強するのは大変な手間がかかる。 経営者には本を読んで勉強する暇などない。そのために顧問料を払って税理士を しのである。 雇っているのだ。分からないことは専門家に聞けばい、 「先生、一日勉強会を開いてください。是非、先生の教えを請いたいと思いまし と言って、最高級のお寿司を用意する。 だいたい専門職の人は、自分の知識を披露することに幸福を感じるものである。 ノ刀

5. 日本型マネジメントで大発展!

いうようなことを述べている。褝でもそうだが、ある文化がその発生地ではとっ くに失われていたとしても、日本に伝わっていればそれが必ず残っているという のだ。 なせ残るのかと言えば、繰り返し述べてきたように、どんな働きや役割の中に も神なる神性を見出し、大切にお祀りするからである。そういったものが、長い 年月を経て、日本文化の中に膨大な文化的な命の体系として蓄積されてきている 神 ののである。 主 国 これが神道の本質ではないかと、私は思うのだ。そうでなければ、岡倉天心が 大 る 指摘したような、今の日本文化の博物館的状態は、説明できないはずである。 え 越 これは、近代における諸外国との交流を見てもわかる。 を 明治の頃は、軍事力がなければ、外国と対等に話し合うことはできなかった。 チ 軍事力の強化には経済の力も必要だ。それで、国を挙げての富国強兵策に取り組 済んだ。 日本はヨ 1 ロッパの文化を学ぶべく、伊藤博文他の岩倉具視使節団を派遣した。 第ところがビックリしたのは彼らだ。ョ 1 ロッパの機械化文明の圧倒的な凄さに、

6. 日本型マネジメントで大発展!

らである。 確かに日本人は、全てのものに命が宿っていると考えて大切にし、憐れみを持 ってきた。だからといって、そういうネズミや針を、神様として崇めることはし ない。供養はしても、神様とは思わないのが現実ではないだろうか。 ということは、あらゆるものに神が宿っているとは考えていないということで ある。万物の中から、神なる性質の見出せるものだけを選び、神様として祀って いるのだ。したがって、神道を「あらゆるものに神が宿っていると見る汎神論」 ととらえることは、間違いなのである。 では、全てのものに神の御手が行き渡っているという汎神論は、どうだろうか。 日本には、最高の神様はいるが、全智全能のオ 1 ルマイティな神様はいない。 したがって、全てのものを一人でつくった神というのは想定していないのである。 日本人は神の宿る場所を選んで祈る 岡倉天心が書いた『茶の本』という有名な本の中に、茶の湯の創始者、千利休

7. 日本型マネジメントで大発展!

品質管理の方法に神性を見出して成功した日本 これまでの説明で、神道のものの考え方、そしてそれに根ざした日本文化の特 長が、だいたいおわかりいただけたかと思う。では、それが経済にどう生かされ ているのかということを、具体的に述べていこう。 製品の品質管理のやり方について、アメリカのある博士が発明した方法という のがある。ところが、その方法は、アメリカでは誰からも顧みられることがなか った。 極論すればアメリカ人の発想というのは、自分は自分の責任を果たす、人のこ とは知らない、というものだ。だから、一人ひとりは自分なりに品質管理の努力 はしているつもりなのだろうが、最後にでき上がった品質はバラバラなのである。 それを整えるにはど、つしたらいいか、とい、つわけだ。 ところが、アメリカでは顧みられなかったその方法が、日本では大歓迎された。 なぜかというと、「品質管理の方法論」という個別の物性の中に、神なるものを 見出すことが日本人はできたからである。

8. 日本型マネジメントで大発展!

「それでうまくいくならば、どんな役割でも積極的に演じてみせよう」という猿 田彦の神の働きとなる。 あるいは、仏教では衆生を救わんとする大慈大悲のために、三十三相に化身さ れる観音様がある。また、日本の伝統的な芸術である能楽師のあり方と全く同じ であると言える。つまり、現実的な経営の場面においては、一即多でなければな らない。もっとも手つ取り早くそれが出来るのは、役柄を演じ分けるという方法 なのである。 経営者は猿田彦様でなければならない。 篇 はじめに販売ありき 践 実 論 経営者が考えなくてはならない五つの課題の中で、一番大切なのは何だろうか。 型 本 会社というのは利潤を追求することを目的とするものである。企業の全ての営 みは、要は資金の流れだということができる。だから、経営に一番大切なのは資 章 第金繰りだという人が多い。しかし、私はどう考えてもそれは違うと思うのだ。

9. 日本型マネジメントで大発展!

割の中に神性を見出して尊いと感じる。それが日本人なのだ。 儒教の中にも神なる部分を見出す。しかし、神なるものに合わない部分は、ち ゃんと排除する。 仏教に対しても同じである。奈良時代に「僧尼令」という、お坊さんと尼さん に関する法律があった。これが面白いことに、お寺の中にいて布教するのはよい ばっしよう が、寺を離れ、野山を跋渉 ( 山野を歩き回ること ) して悟りを開こうとするの はダメだと禁じられているのだ。 しかし、仏教とは本来出家主義であり、出家をして悟りを開くのが本来の姿で ある。寺で定住して生活させ、離れるのを禁じるというのでは、出家の本義に反 すると言えよう。つまり出家することを否定しているのも同然で、それは本来の 仏教のあり方ではない。 だが、日本の感覚では、むしろそうでない方がよいのだ。自分の悟りがどうの こうのと言って野山をうろっくよりも、働きの中に神を見出し、きちんとミコト モチとしてコミュニテイやその代表者たるオオミコトモチの発展のために生きる べきだ、という考えなのである。

10. 日本型マネジメントで大発展!

機会に詳述することとしよう。 日本人は戦争の痛手をも水に流した 日本はかって戦争に負けた。終戦直後、国民が深い心の痛手と明日をも知れぬ 生活の不安に脅かされていたときに、昭和天皇は全国を回られて「頑張りましょ う」と励まされた。その言葉から、どれほど多くの国民が奮い立ったかわからな 。日本人の誰もが、必ずや近い将来に国を復興させようと、切実に心に誓った。 きようじゅ その結果、我が国は戦後、目覚ましい発展を遂げ、未曾有の繁栄を享受するに 至ったのである。 しかし、戦後から半世紀以上を過ぎた今日でも、韓国、中国、ヨ 1 ロッパなど で、日本人が冷遇非難されることも珍しくない。パ リのとある果物屋で「日本人 には売らないよ。ドイツと同盟を結んでいただろう。私のおじいさんはドイツ人 に殺されたよーと言われた日本人がいたそうである。 先日、ある中国の方とお会いした。この人は「日本人には負けない」「日本は みぞう 〃イ