羞恥の為に、カンナの顔は真っ赤になっていた。 を私に頂戴」 「あるわ、おおありよ。説明したでしよ。カンナもゝ しいと「何がひと月以上だ。ついさっき飲ませてやっただろう」 言ってくれたわ」 「だって覚えていないんですもの。ね、お願いよ」 アンジェリカはせつかくあと一歩というところでおあずアンジェリカはカンナの胸に顔うずめると頬擦りをした。 けを喰らってしまい、不満げに唇を尖らせた。 「あっ、こらっ」 カンナの声にもアンジェリカの行為が止まることはない。 「それはこんなことをするとは思っていなかったらだ」 むしろさらにエスカレートしていく。 「こんなことってどんなことかしら」 「それは・ 右手だけでカンナの両手を押さえつけ、左手で胸をまさ アンジェリカはカンナの手の甲にキスをして、手の平をぐり微笑んだ。 重ね合わせた。 「ふふつ、柔らかいわ。それにちゃんと感じてくれている 「人間の血はね、快楽を覚えるほどに甘くなるのよ」 のね」 「そんなこと信じられない」 「んんつ」 「信じられなくても本当なのだから仕方ないわ。そして私胸の頂をさするとカンナは身をよじらせて甘い声を出し こ 0 は人間の甘い血が大好きなの」 アンジェリカはカンナの両手を枕の上に押し付けると、 「ねえカンナ。私も無理やりというのは嫌なの。それでは ロで胸の頂に引っかかっていたシャツを咥えた。 美味しい血にはならないの。ちゃんとカンナが素直に私の 行為を受け入れてくれれば、本当にカンナの嫌がることは 「あっ」 カンナが静止する声を上げる暇を与えず、素早くシャッしないと誓うわ」 をめくってしまう。 「だったらまず両手を離せ」 アンジェリカはあらわになったカンナの胸を見て「う「わかったわ」 アンジェリカはあっさりとすぐに両手を離し、カンナの ふつ」と笑みを浮かべた。 「ねえお願いよ。私はもうひと月以上も血を吸っていない拘束を解いた。 の。これ以上私を飢えさせないで。貴女の一番美味しい血そのまま体を起こして一番初めの馬乗りの状態へ戻り見
「仕方ないわねえ。でも両手で顔を覆ってしまっていたら、 「そ、そんなところから吸っても意味ないだろう」 「あら、そんなことないわよ。吸う場所によって随分と味私がどこを触っても止められないわよ」 が変わるものよ」 いいながらアンジェリカは、つつうと人差し指で胸の中 言いながらもアンジェリカの手は止まらず、太ももの内心からおへそへとなぞっていく。 側を這い上がり下腹部へと狙いを定める。 そして腰から再び内ももへ手を伸ばし、絶妙な手つきで 胸を舐めながらスカートの中へと手を伸ばすが、それを内股のぎりぎりのところを触れていく。 敏感に察知したカンナが慌てて進行を食い止めた。 「あっ、こらっ」 「そこはダメだ」 「ほら、開いた」 カンナが手をどかし顔を覗かせると、アンジェリカは抱 カンナが嫌だといったことはしない、それが約束だ。ア ンジェリカは残念そうに再び太ももへと触る手を戻した。 きついて頬にキスをした。 カンナの反応全てが可愛くて、アンジェリカの胸は高 「仕方ないわね。処女なんだもの抵抗あるわよね」 鳴った。 「匂いでわかるわ。誰にも汚されたことのない美しい匂い 「ねえ、ここにはキスをしてもいいのかしら」 アンジェリカは人差し指を立てて、カンナの唇を指差し 体の内からカの漏れることのない処女の血は極上の味よ」 た。触れるか触れないか、それくらいの加減でカンナの唇 にそって指を動かしていく。 「隠さなくていい、恥ずかしがらなくてもいいのよ。私だっ て処女なのだから。ねつ、安心したでしょ ? 」 「今日はダメだ」 コつるさいつ」 カンナはくすぐったかったのか、ふいと顔をそらしアン カンナは真っ赤になった顔を両手で覆った。 ジェリカの指から逃れる。 「ふふつ、可愛い。ねえ顔を見せてよ」 「今日は : : : ね」 「見せないつ」 「言っておくが他の日ならいいという意味ではないぞ」 アンジェリカは楽しそうにカンナの手をどかそうとする「ええ、わかっているわ。でも、カンナならいずれさせて が、貝のようにびたりと閉じて開きそうになかった。 くれそうな気がするわ」
つめあう。 「約束はちゃんと守ってもらうぞ。私が嫌だと言った時に 「本当に私が、その : : : 気持ちよくなると甘い血になるんは」 だな」 「ええ、心配しなくても大丈夫よ」 「ええ、本当よ。私は嘘をつかないわ。それに、こんなに耳元で安心させるようにして囁き、首筋にキスをする。 も飢えた状態で嘘をついてまで血を吸うのを遅らす理由も ここは一番最後のメインディッシュ。 ないわ」 一度だけ強く吸い、赤い目印をつけてその下へと唇を這 カンナの真意を探るような視線を、アンジェリカは正面わせていく。 から受け止めた。 鎖骨から胸へと何度もキスをして、時折舐めては刺激を 「次はどうすればいいのかしら。どうすれば私の言うこと変えていく。その度にカンナは小さな喘ぎ声を出して敏感 に反応していた。 を信じてもらえるのかしら」 両手を胸の前で合わせ、アンジェリカはカンナを見つめ 必死に声を漏らすまいとしていたようだが、それがさら に欲情をそそっていることに気が付いていないようだった。 カンナがちゃんと自分を受け人れてくれているのを確認 「少し待ってくれ。覚悟を決めるから」 アンジェリカの言葉をようやく信じたのか、カンナは目して、アンジェリカの行為は全身へと移っていく。 を閉じて自分の心を納得させているようだった。 耳を軽くかじり、背中に手を回し抱きしめ体を密着させ 十秒ほどそうしていただろうか、目を開けたときにはる。 刺々しい雰囲気はなくなっていた。 右手で太ももを撫でまわし、左手で胸をもむとカンナは ししよ」 びくんと体をそらした。 恥ずかしそうにアンジェリカから視線を外してカンナは 「ふふつ、カンナの胸、張りが合ってさわり心地が良いわ。 呟いた。 さすがに鍛えているだけあるわね」 アンジェリカの手の平で弄ばれるカンナの胸は、優しく 「ええ、それではいただくわ」 両手を広げて出迎えるカンナにアンジェリカは体を寄せ触れただけでは押し戻されそうなほど弾力があった。 「今度、この胸から血をいただきたいものだわ」 こ 0
「ううん、そうじゃなくて。私今まで郁美ちゃんに、酷「あのね、鈴・ いことをしていたのかもしれない」 さやかちゃんは、相談したときと同じようにあきれた 私は郁美ちゃんの気持ちを無視し続けてきた。郁美 表情で眉間を押さえた。 ちゃんは傷ついているはずだ。 私、変なことを言っただろうか。 はか。郁美ちゃんは、そんなこと思ってないって。そ「鈴は今、郁美ちゃんを好きだと自覚した。そうで れどころか、鈴に気持ちを気づいてもらえて、ちょーハッしょ ? 」 ピーって感じよ」 「 , つん」 「そうかなワ・」 「そして、郁美ちゃんも当然鈴が好き、ここまではオー 「そうよ」 さやかちゃんが明るく言うので、私も少しだけ心が軽「うん、うん」 くなった。 私は首振り人形のように、ぶんぶんと縦に大きく首を 「さやかちゃん」 振った。 「んワ・」 「それでなんで告白されるの待ってにゃならんのよ。鈴 「私、今なら郁美ちゃんを受け入れられると思う。私も は仮にも上級生でしよ。アンタから決めなさい ! 」 郁美ちゃんが好き。大好き」 さやかちゃんは、ビシッと人差し指を私に突きつけた。 ああ、やっと自分の気持ちに整理がついた。私は自分「ええええ。私からあ」 でも信じられないくらいに、郁美ちゃんが好きだったん それはなんだか、凄く恥ずかしい。 「そうよ。郁美ちゃんの気持ちを無視し続けて悪いと 「そっか。なら晴れて両思いになったわけだ。めでたい 思ってるんなら、鈴から告白して喜ばせてあげなさい」 ことじゃない。私は応援するよ」 コつうう、わ、わかったよお」 さやかちゃんが両手を叩いて、につこりと笑った。 やつばり、それくらいのことはしないとダメだよね。 「ありがとう、でも、郁美ちゃんは告白するのは、まだっ 「よしよし。そうと決まれば、郁美ちゃんから告白され て言ってたし : : : 」 る前に、さっさと行ってきなさい」
「そ、そうなんだ、ありがとう。でも、私たちはずっと 郁美ちゃんの気持ちは本物だ。 一緒にいられるわけじゃない。来年には、私は一足先に こんな表情にさせることができるのは私だけ、そう 卒業してしまう。そうしたら、嫌でも離れ離れになっちや思っていいんだよね。 うよ。郁美ちゃんは、私のことなんて忘れてしまうかも 「郁美ちゃん、私のことそんなに好き ? 」 しれない。郁美ちゃんは、私のいなくなったこの学園で、 別に好きになる人を見つけるかも : 郁美ちゃんは即答した。 「そんなことはありません ! 」 「私たちの間には大きな問題がいくつもあるけど、それ 郁美ちゃんが、大声で私の声をさえぎった。 でも私を好きでいられる ? そばに居続ける事ができ 「私が好きなのは、鈴先輩ただ一人です。たとえ離ればる ? 」 なれになったとしても、他の人に心を奪われたりするこ 「できます。鈴先輩と一緒なら、どんな問題も乗り越え とはありません。それに、鈴先輩が卒業したって会えなて見せます。私達は女同士で、こんなのいけないって思っ くなるわけじゃなし 」。令先輩が許してくれるなら毎週 たことも、何度かありました。でも、鈴先輩を諦めるこ だって、いえ、毎日だって会いに彳きます」 となんてできなかった。鈴先輩が好きなんです。どうし 「郁美ちゃん : : : 」 よ , つもないくらい。 : 鈴先輩と一生添い 私は郁美ちゃんの迫力に、ただ圧倒されていた。 遂げたい」 郁美ちゃんは普段、これほど大きな声を出すことはな 髪が短くて、スポーツが得意で、男の子のように騒 一瞬にして、顔が真っ赤に染まったのがわかった。頬 いだりするように見えるけど、とても女の子らしいとい を押さえる両手が熱い。 うことを知っている。 今、凄いことを言われてしまった。と 礼儀を重んじて誰にでもやさしく、気遣いを忘れない。 いうか、言わせてしまった。 いつも静かに私のことを見ていてくれる、そんな子だ。 告白なんて目じゃない。あれでは、プロポーズじゃな ゝ、 0 その郁美ちゃんが、普段見せることのない必死な表情 し、カ で私に迫っている。 一生添い遂げたいだなんて、ああ、顔から火が出そう。
押し当てた瞬間、郁美ちゃんの体が、小さく跳ねたの 「鈴先輩つ。私にここまで言わせたんですから、先輩の かわかった。 気持ちを聞かせてください」 戸惑う姿が可愛い 郁美ちゃんは、私に負けず劣らず顔を真っ赤に染めあ 「もう、この気持ちを鎮めることなんて、出来そうにな げていた。郁美ちゃんが、返事を催促するように右手を ゆっくりとこちらに伸ばす。 い。私はこの一週間、郁美ちゃんのことだけを考えてた。 心臓も、郁美ちゃんが近くにいるだけで、ほらこんなに 「あ , つつ」 郁美ちゃんが、あそこまで考えていたなんて思わな ドキドキしてるの」 かった。 唇から、今度は胸に手を当てさせる。 さやかちゃんが、郁美ちゃんのことを見くびっちゃい 「鈴先輩 : : : 」 けないと言ってはいたけど、まさにその通り。私はまだ 「私をこんな風にしてしまった責任を、郁美ちゃんに 郁美ちゃんの気持ちを見くびっていたようだ。 取って欲しい」 郁美ちゃんはどこまでも真剣で、私のことだけを考え 胸にあてがった郁美ちゃんの手に、もう片方の手を重 ていて。郁美ちゃんとなら、本当に一生添い遂げることねた。 だってできるのかもしれない。 「郁美ちゃん、好きよ。私と付き合って欲しい。許され 「郁美ちゃん : : : 」 る限り、私もあなたと一緒にいたい」 私は、覚悟を決め、郁美ちゃんの手に自分の手を重ね「鈴先輩っー 私でよければ、いつまでも一緒にいま こ 0 「私も、郁美ちゃんのことが好きだよ。一週間前のあの 郁美ちゃんに、強く抱きしめられた。 日から、郁美ちゃんのことが好きだと、気が付いてしまっ 拒む必要は無い。私も郁美ちゃんの背中に両手を回し、 しつかりと抱きしめた。 郁美ちゃんの手を自分の口元に引き寄せ、そっと手の このまま二人で、溶けあってしまいたいとさえ思った。 甲に唇を押し当てた。 「郁美ちゃん。これからよろしくね」 「あっ・ 「こちらこそ」
どうも私たちの関係は変わっているようだ。少なくと も、クラスメイト達と遊ぶような感覚ではない。薄々感 じていたことだけど、最近になってそれがハッキリとわ かるようになった。 今日こそはちゃんと話をしておかないとダメだと思い、 帰りに私を家まで送ってくれた郁美ちゃんを、少し強引 このままじゃいけよい。 に部屋まで上がらせた。 ている、一つ年下の郁美ちゃんとのお出かけ。 最近続い 部屋に案内してクッションに座ってもらい、お茶を出 今回は水族館。その前は遊園地。さらに前は美味しい その間私はほとんどお金を使っしながら私は早速用件を切り出した。 ものを食べ歩いて・ 「あのね、今までにどれくらいお金を使った ? 」 しつも郁美ちゃんが知らない間に会計を済ま ていない。ゝ 「お金ってなんのです ? 」 せて、私にお財布を出す隙も与えず手を引っ張っていっ 郁美ちゃんは、キョトンとした表情でこちらを見返し てしまうのだ。 毎回毎回奢ってもらって悪いと思いつつ、その話をした。短めの髪が、動きに合わせて微かに揺れ動く。 「私と郁美ちゃんがお出かけしたときに使ったお金よ。 ようとすると巧みにかわされてしまう。 私、毎回出してもらっちゃってるでしよ。今まではうま 親友のさやかちゃんに相談すると、「鈴、あんた鈍い く切り出せなかったけど、やつばり悪いし自分の分は自 ねえ」と言われてしまった。 ゝと思 , つの」 そりゃあ自分でもちょっとトロいところがあるとは思分で出した方がいし 「そんなの気にしないでください。私がやりたくてやっ うけど、私が悪いんじゃなくて、相手が一枚上手なんだ ているだけですから」 と思一つ。 郁美ちゃんは気にしないでと手を振ったが、そうはい しかし、さすがに何回もこんなことが続くと、相手の かないからこうして話しをしているのだ。 出費も相当なものだろう。アルバイトをしているのは 知っているけれど、だからといって全部奢ってもらうわ「気にするよ。それに私たちの関係ちょっと変だよね。 先輩の私が奢るならともかく。ううん。それ以前に友達 しに。いかない。しかも郁美ちゃんは年下だし。 少すは赤 2 をする