私は受話器を置き、すぐにべットにもぐりこみました。 今日は痴漢にあって、とっても嫌だったことと、おねー さんに出会えてとっても嬉しいことがあった日でした。 明日まゝゝ 。ししことだけありますよ , つに。 夏休みに人ると、当然学校はお休みになり、電車に乗 る機会もほとんどなくなり、おねーさんに会えない日か 多くなりました。 おねーさんは、休みに人ると日中はアルバイトをする それから、私たちはよく会うようになりました。 私は、電車の中でおねーさんを見つけるたび、主人をようになりました。 電話は毎日のようにするけれど、日に日におねーさん 見つけた子大のように走り寄っていきました。 の声は眠気を帯びたようになっていきました。 「おねーさん、おはようございます」 アルバイトは大変なようです。 「ふふ、おはよう。今日も元気ね」 少しだけならきっと大丈夫。そう思いながら、今日も そうすると、おねーさんはさりげなく私を庇うように、 電話をしてみました。 立ち位置を変てくれました。 時間はまだ十時。おねーさんならまだまだ平気な時間 それが嬉しくて、私はますますおねーさんになついて のはずです。 しまうのでした。 最近ではおねーさんと放課後の約束をして、カフェで「あ 5 、優う ? 」 今日も、気だるい声が返ってきました。 お茶をしたり、買い物をしたりするようになりました。 嫌なことがあっても、おねーさんといる間だけは忘れ「あの : : : お疲れですか ? 」 、。バイトはまあ大変だけどね」 ることが出来ました。おねーさんに会うだけで慰められ「いや—大丈夫だよお 電話の向こう側で、おねーさんがべットに倒れこむ音 ました。 が聞こえました。 私はおねーさんに会うことが一番の楽しみになってい だいぶお疲れのようです。 ました。おねーさんに会えない日は落ち込みました。 「やー、立ち仕事だから、足が痛いのなんのって」 そんな風に楽しい日々は続きました。 けれど、それは長続きしなかったのです。
「わっ」 「いえ。それではまた学校で」 郁美ちゃんが指差した先で、立ち上がった時に引っ掛 笑顔で手を振りドアノブに手をかける郁美ちゃんを私 けてしまったらしく、コップが倒れてしまっていた。シは見送ろうとして、ハッと気がついた。 ミ一つなかった絨毯にお茶が吸い込まれて、黒く染めあ「郁美ちゃん、ストップ ! 」 げられていく。 私は郁美ちゃんが出て行く寸前のところで腕を掴み、 帰ろうとするのを阻止することが出来た。 「ど、ど , っしょ , つ」 「とりあえず私がティッシュで拭いておきますから、鈴 「話はまだ終わってなかったはずよね」 先輩はタオルを持ってきてください」 「鈴先輩、今日は気がつくの早かったですね」 しつもこんな調子で話をはぐらかされ 危ない危ない。 ) 「わ、わかった」 オロオロする私とは対照的に、郁美ちゃんはさっさつるんだから。 「えーと、それでなんの話だっけ・ とティッシュをまとめて取り出すと、被害が一番大きい 場所に押し付けるようにして置いていった。 本気で何の話だったか思い出せない自分が憎い。 私も見ている場合では無かった。急いでタオルを持っ 「それでは、また明日」 てくると、郁美ちゃんに習って水分を吸い出していく。 私のそんな様子を見て、郁美ちゃんが再び手を上げて 数分後にはかなりの量を吸い出せたようで、シミはそれ部屋を後にしようとする。 ほど目立たなくなっていた。 「わーん、意地悪しないでー」 これくらいなら、乾けば目立たなくなるかな。 私は、郁美ちゃんの足にしがみついた。 「あとは大丈夫だと思いますし、私はこれで失礼します「しかたないですね」 郁美ちゃんはため息をついて肩から荷物を降ろすと、 ね」 私の正面に座りなおした。 ティッシュをゴミ箱に捨て、タオルをビニール袋に放 「鈴先輩、私は今までのおでかけはデートのつもりでい り込むと、郁美ちゃんが荷物を肩にかけ立ち上がった。 たんです。だから奢っても当然。そういう話でした」 そのまま私に一礼をして出て行こうとする。 そういえばそういう話だったなあ・ 「あ、なんだかドタバタしちゃってごめんね」
「あんたは、さっきから何うなってるのよ」 頭をピシピシ叩かれ、顔を上げると、さやかちゃんが 「あれ、さやかちゃん委員会は ? 」 「今から行くけど、その前に伝言かあってね」 「そ。郁美ちゃんから、大事な話があるので視聴覚室に 来て下さいってさ」 「大事な話ってなんだろ」 しついおうかなかなか決心 「告白なんじゃないのお ? 」 告白すると決めたものの、 がっかないまま金曜日の放課後を迎えてしまった。 「、んえ盟〕」 その間、郁美ちゃんから告白されてないのが、救いで「だとしたら、郁美ちゃんより早く鈴が言わないとだめ あり、微妙に残念でもあるのだ。告白されたら即オッケー よん」 「うう、わかってるけど、多分明日あるバスケの試合の なこの状態で待つのはなかなかつらいものだ。 しかし、郁美ちゃんから告白されてしまうと、さやか ことじゃないかなあ」 「ま、なんにせよ、二人きりなんだからチャンスよ。さ、 ちゃんに怒られてしまうし難しいところだ。 行った、行った」 「ああ、どうしよう」 「ははは : : : わかったよ・ この一週間は、今まで生きてきた中で一番悩んでいる 笑顔で手を振るさやかちゃんに、乾いた笑いを返して 気がする。 郁美ちゃんの気持ちを知って悩んで、自分の気持ちに気教室を出た。郁美ちゃんが待っているというのなら、行 かないわすこまゝ 少し早歩きで廊下を進む。 が付いて悩んで、いっ告白しようか悩んで・ いっそ、明日になったら郁美ちゃんと付き合ってる、 それにしても、なんで視聴覚室なんだろ。普段だった ら教室に来るのに。 なんてことになってないものだろうか 今から ? 」 「嫌なの ? 」 「い、嫌じゃないけど、心の準備をする時間が欲しい 「ま、いいけど、絶対に鈴から告白することね」 「 , つん」 さやかちゃんの言葉に、私は真剣な顔で頷いた。
はつ、まさかさやかちゃんが言うように、告白だったて言ったほうがいいのかな。それとも、こ、 りして。だったらどうしよう。言われる前に言わなくちゃ。ちゃったほうがいいのかな。 こ、告白 ? まだ心の準備ができてないよ。 私は視聴覚室の前で大きく深呼吸をして、勢い良く扉 あー、心臓がバクバクしてきた。 を開けた。 「あのつ、鈴先輩」 「あ、鈴先輩つ」 「は、はひっ」 入るとすぐに、郁美ちゃんが笑顔で出迎えてくれた。 突然、郁美ちゃんがアップでせまってきて、心臓がロ その笑顔を見るだけで、私の胸の鼓動は早くなってしま から飛び出そうになってしまった。 う。私はもう、郁美ちゃんの虜になってしまっていた。 「明日のことなんですけど」 「ま、待った ? 」 平静を装うとするけど、どうしても意識してあがって「明日 ? ああ、バスケの試合だよね ? 」 「はい。鈴先輩、見に来ていただけますよね」 しまう。 「うん、もちろん」 「いえ、私もさっき来たところですから」 「それでですね。私、試合頑張りますからっ」 「そ , つ」 「わわわっ」 「それで、お話というのはなんでしよう」 いきなり、郁美ちゃんは私の手を握り締めた。いつに 「ふえワ・」 なく真剣、というよりはテンパった感じで口調が早く 「さやか先輩から、鈴先輩がここで何か話があると聞い なっている。 て来たのですが」 「試合には絶対勝ちます。チームメイトの誰よりも活躍 してみせますから ! 」 さ、さやかちゃんに騙された。 「一つ、 , つん」 きっとそうだ。私がなかなか告白しようとしないから、 「そうしたら、鈴先輩に伝えたいことがあります」 お膳立てのつもりなのだろう。 郁美ちゃんの手に力がこもる。 「え、えーと」 うわっ、これはマズイ。郁美ちゃん告白するつもりだ。 どうしよう。素直に、これはさやかちゃんの陰謀だっ こ、告白し
試合に勝って格好いいところを見せて告白するつもり 扉から手を離し、郁美ちゃんは素直に私の前まで歩い に違いない。 てきた。いざ目の前にすると、緊張の度合いが一気に高 「だから、先輩。明日は絶対見に来てください。それでまる。 「郁美ちゃん、私も大事な話があるの」 郁美ちゃんは手を離すと、扉に向かってダッシュして 私は、真っ直ぐ郁美ちゃんの目を見つめた。 いった。 「郁美ちゃん、わ、私のこと好き : : : だよね ? 」 ハツ。今ここで別れちゃうと、次に会って話せるのは 自分で言ってて、これほど恥ずかしい台詞もない。だ 明日の試合の後 ? そ、それはマズイ。 けど、ちゃんと確かめないと。郁美ちゃんの口から聞き たいことがある。 「郁美ちゃん、待って ! 」 ニプちんな私にしては、珍しく郁美ちゃんが出て行く 「好きです、大好きです」 前に呼び止められた。 郁美ちゃんは、私の突然の問いかけに少し驚いていた 「ま、まいつ」 ようだけど、しつかりと答えてくれた。 扉に手をかけたまま、郁美ちゃんは背筋をピンと張っ 「郁美ちゃんは、私なんかのどこが好きになったの ? 」 て、こちらを振り向いた。 「先輩の全てが好きです。でも一番好きなのは、先輩の 「わ、私の話がまだだよ」 持っている空気です」 「あっ、すいません。先輩に呼ばれたんでしたね。その、 「空気 ? 」 緊張しちゃって」 思わず、自分の周りの匂いを嗅いでしまう。いや、自 私が呼んだわけじゃないけど、それはもうどうでもい 分でもこれは違うなと、わかってはいる。 い。さやかちゃんの思い通りになってしまうけれど、仕 「ええと、言葉で言うのは難しいんですけど、先輩の近 方ない。 くにいるとやすらげるというか、ほんわかするという 今だ、今言わないと・ か。先輩の近くにいられるだけで、私は幸せな気分になっ 「郁美ちゃん、私の前まで来て」 てしまうんです」 郁美ちゃんの言葉に顔が赤くなってしまう。
ただのイタズラ電話になってしまいます。 私のあわてふためいている様子が伝わっているので おねーさんには申し訳ないのですが、一度切って、心しよう。 を落ち着けてからもう一度と思っていたら。 とても恥ずかしいです。 「もしかして優 ? 」 けれど、自分のダメな部分を初めに見せてしまったお おねーさんに名前を当てられてしまいました。 かげで、逆に開き直ることができました。 「十 6 、 6 ゝ。 。しそうです」 それからは、もう普通に喋ることができるようになり あまりの恥ずかしさに、顔から火が出てしまいそうでました。 す。 電話の中で、おねーさんが大学生であることや、好き おねーさんは私のことを、電話の一つも満足に出来な な食べ物や、テレビの話、高校生時代の話などを聞くこ い情けない子と思ったに違いありません。 とができました。 なんとかして、ここから挽回しないといけません。 おねーさんと喋っているのは楽しくて、ついつい時間 私は必死になって、お礼の言葉を頭から引き出そうとを忘れて話しに没頭してしまいました。 しました。 気が付けば、時刻は十二時近くになっていました。 「えっと、その : : : 朝はありがとうございました。おか 「すみません、こんな遅くまで」 げで助かりました」 「いいのよ、この時間くらいだったらいつも起きてるし」 言ってから落ち込みました。本当は、こんな簡単な言 「そうなんですか」 葉ではなかったのです。 やつばりおねーさんは大人です。私は十時にはべッド もっと色々あったんです。どれだけおねーさんのおかの中にいることが多いのに。 げで救われたかを伝えたかったのに、出てきた言葉がこ 今もかなり眠たくてしかたありません。 れでは・ 「優、また明日会いましよう」 「ふふ、 いいのよ。それから少し落ち着いて話しなさい」 「おやすみ」 おねーさんは電話ロの向こうで笑っていました。 「おやすみなさい」
ディフェンスも跳び、シュートを防ごうと手を伸ばす。 郁美ちゃんの嬉しそうな笑顔に釣られて、私も顔がほ ディフェンスの手がボールに触れようとしたその時、 ころぶ。 郁美ちゃんは空中で体勢を変え、ディフェンスのわきの 「ふふつ、そんなことないよ」 下から手を伸ばしシュートを放った。ポールが、音を立 「あっ、私練習に戻りますね。あまり抜け出してると、 てずにゴールに吸い込まれた。 怒られちゃいますから」 「キャーツ 「 , つん」 周りで見ていた生徒から、歓声が沸き起こった。 「鈴先輩、試合見に来てくださいね」 私も一人で手を叩きその場で飛び跳ね、郁美ちゃんの コつん。絶対見に行くよ」 プレイに感動していた。 「それでは失礼します」 ああ、郁美ちゃんは格好良すぎる。 郁美ちゃんは、来たときと同様、勢い良く戻っていっ 「鈴先輩つ、やりました ! 」 すぐに郁美ちゃんが駆け寄ってきて、フェンスを握っ 郁美ちゃんが戻ってからも、私はしばらくその場に居 ている私の手を握りしめた。 続けた。さっきまで郁美ちゃんに握られていた手の熱が 「あっ・ 冷めない。それどころか、全身に熱が広まってしまった ようだ。 郁美ちゃんの汗ばんだ手の平から、熱い体温が伝わっ てくる。 胸も、締め付けられたように苦しくなってくる。この 「止められるかと思ったけど、なんとかシュート決めら感覚はなんなのだろう。郁美ちゃんを見ていると、余計 れました」 酷くなってしまう。きっと病気だ。病気に違いない 「う、うん。凄かったよ」 明日また、さやかちゃんに相談してみよう。 郁美ちゃんに握られた手が、火傷しそうなほどに熱を その夜、私はなかなか寝付けなかった。 帯びてくる。 「決められなかったら、鈴先輩に合わす顔がなかったで 「うーん、なんちゅーかねえ」
付かずのまま散乱していた。 這い出て伸びをした。 柚子のこともなんとかしたいが、 とりあえずは後回し どうにも体がだるかった。微妙に頭も痛いし、もしか にするしかない したら風邪を引いたかもしれなかった。生憎と体温計を 無理やり仕事モードに切り替えると、黙々と作業に没置いていないので、実際のところはどうかわからなかっ 頭していった。 どれくらい時間が経ったのか、私は頭ががくんと下体温計を見たがために自分が病気である事を認識して がったところで目を覚ました。 しまい、余計悪化するということもあるので、動けるう 知らずのうちに寝ていたらしい ちは大丈夫と思うことにした。 時計を見ればすでに夜中の二時を過ぎていた。 そうやって自分に暗示をかければ意外と平気なものだ。 仕事はある程度進んでいたが、意識が朦朧としていた 病は気から。今日一日を乗り切って週末に治せばいし と思われる頃に書いた書類は見事にミミズが這っていて、のだ。 とてもじゃないか提出できるような代物じゃなかった。 急いで身支度を整えると、七時十五分きっかりにに家 修正しなくてはと思う気持ちと、もう限界と諦める気を出た。 持ちがせめぎあい、しばらく互角の戦いをした後、私の ハス停では今日も柚子が私より早く来ているはずだ。 意識は不意に途絶えた。 彼女に会えることが私の一番の楽しみなのだ。ちょっ と体調が悪いくらいでその貴重な時間をフィにするわけ 。。し力なかった。 グッモーニーンツ今日も一日頑張ろうー 少し重い体を引きずるようにしてバス停に到着すると、 モーニーンツ今日も一日頑張ろうー いつものように柚子が立っていた。 しいたろうと けたたましく鳴り響く目覚ましに、反射的に体を起こ ここで気軽に挨拶でもできたらどれほどゝ した。昨夜のことはあまり覚えていないが、どうやらコ思いながら、私はそんな勇気もなく柚子の隣にそっと立 タッでそのまま寝てしまっていたようだった。 やってしまったと思いながら、のろのろとコタッから そのとき、柚子が一瞬私の方へ顔を向けた気がした。 こ 0
ことにしました。 た瞬間、全身の力が抜けその場に崩れ落ちてしまいまし 宿題をするために図書館へ出向き、塾の夏期講習にい 「おねーさんっ・ ・私のこと話もしたくないくらい嫌い くようになりました。 になっちゃったの ? おねーさん、うつく : : : おねーさ 二日に一回は、おねーさんに電話をしました。 少しだけしか話せなくても、おねーさんの声を聞けばん、会いたいです。おねーさんっ ! 」 元気になれたから。 でも、その電話すらもある日繋がらなくなりました。 一週間も経った頃、私は抜け轂のようになっていまし おかけになった電話番号は、現在電波の届かない ところにいるか、電源が人っておりません。 きっと、大好きな人に失恋したときはこんな気分に 電話の向こうから、無機質な応答の声だけが聞こえま なってしまうのでしよう。 した。 何も手がっかず、夏期講習へ出ても、内容がまったく 「あれ、おかしいな : 頭の中に人ってきません。 そのときは、今日はたまたま繋がらないだけかなと思 このまま夏休みも終わってしまうのかな。新学期が始 いましたが、盟日かけても、盟々日かけても繋がりませ まっても、おねーさんはいつものように電車に乗ってき んでした。 もしかしておねーさんに嫌われてしまったのでしようてはくれないのかな。そう思いながら今日の講習も終わ りました。 荷物を片付け席を立ち、帰ろうとしたところで突然携 それとも、電話を変えた ? おねーさんの身に何か 帯電話が鳴りました。 あった ? この携帯電話は夏休みに人る直前、おねーさんに付き どれも悪いことばかり 色々な可能性を考えましたが、 合ってもらって買ったものです。 考えてしまいます。 今はまだ電話番号を知っているのは、家族とおねーさ 頭の中が真っ白になりました。 私は、おねーさんに拒絶されてしまったのではと思っんだけ。 、 0 こ 0
「仕方ないわねえ。でも両手で顔を覆ってしまっていたら、 「そ、そんなところから吸っても意味ないだろう」 「あら、そんなことないわよ。吸う場所によって随分と味私がどこを触っても止められないわよ」 が変わるものよ」 いいながらアンジェリカは、つつうと人差し指で胸の中 言いながらもアンジェリカの手は止まらず、太ももの内心からおへそへとなぞっていく。 側を這い上がり下腹部へと狙いを定める。 そして腰から再び内ももへ手を伸ばし、絶妙な手つきで 胸を舐めながらスカートの中へと手を伸ばすが、それを内股のぎりぎりのところを触れていく。 敏感に察知したカンナが慌てて進行を食い止めた。 「あっ、こらっ」 「そこはダメだ」 「ほら、開いた」 カンナが手をどかし顔を覗かせると、アンジェリカは抱 カンナが嫌だといったことはしない、それが約束だ。ア ンジェリカは残念そうに再び太ももへと触る手を戻した。 きついて頬にキスをした。 カンナの反応全てが可愛くて、アンジェリカの胸は高 「仕方ないわね。処女なんだもの抵抗あるわよね」 鳴った。 「匂いでわかるわ。誰にも汚されたことのない美しい匂い 「ねえ、ここにはキスをしてもいいのかしら」 アンジェリカは人差し指を立てて、カンナの唇を指差し 体の内からカの漏れることのない処女の血は極上の味よ」 た。触れるか触れないか、それくらいの加減でカンナの唇 にそって指を動かしていく。 「隠さなくていい、恥ずかしがらなくてもいいのよ。私だっ て処女なのだから。ねつ、安心したでしょ ? 」 「今日はダメだ」 コつるさいつ」 カンナはくすぐったかったのか、ふいと顔をそらしアン カンナは真っ赤になった顔を両手で覆った。 ジェリカの指から逃れる。 「ふふつ、可愛い。ねえ顔を見せてよ」 「今日は : : : ね」 「見せないつ」 「言っておくが他の日ならいいという意味ではないぞ」 アンジェリカは楽しそうにカンナの手をどかそうとする「ええ、わかっているわ。でも、カンナならいずれさせて が、貝のようにびたりと閉じて開きそうになかった。 くれそうな気がするわ」