「それにしても、四人が憧れの仕事の夢を見るのは偶然にしてはおかしくない ? 同じ部屋で寝 ていたあたしと杏子ならともかく、まどかやほむらは住んでる所が違うわけだし」 考えてみると、わたしたちが同じような夢を、それも同じ日に見るのは不自然です。何かある のではと半分疑いながら学校へ向かうのでした。 「おはようございます。皆さんは将来の夢を考えたことはあると思います。簡単になれていたら 誰もがなっています。先生は昔、憧れていたものにはなれず今こうして皆さんに教えているのが 現実です。しかし、先生は昨日その憧れたものになれた夢を見ることが出来ました。もしかした ら転職するチャンスではと思ってたりします」 朝礼の時、先生も憧れの仕事の夢を見てました。クラスの皆が不思議に思っており、何か嫌な 予感がしてきました。 「ねえまどか ? 他の皆も先生も様子がおかしいし、皆同じ夢を見てるのはナイトメアの仕業と しか思えないよ」 「さやかちゃん、ナイトメアの仕業ならばべべやマミさんがいち早く気が付くし、それに昨日の 夜は何も起きて無かったよね ? 」 「ナイトメアの仕業ではないとなると : ・う—ん : ・」 さやかちゃんは、ナイトメアの仕業であると思っているのですが、わたしは違うと思います。
「うん。ちょっと、嫌な夢を見てたのー 「もしかして、一昨日の夢に関わるもの ? 」 「うん。一昨日の時はほむらちゃんと楽しく仕事をするものだったのに、昨日はほむらちゃんは お客さんからナンパされたり、わたしはオープンを壊したり店長さんに怒られたりと・ : 」 「そんなにひどい夢を見たの ? あたしもさ、恭介のコンサ 1 トを台無しにしてしまった夢を見 たけど、夢は夢と割り切ってるからさー 普段通り笑顔で接し、夢なのだから開き直ればいいとさやかちゃんは思ってるみたいですが、 わたしは納得がいきませんでした。妙に現実つぼくてなんだか嫌な予感がします。これもナイト メアの仕業ではないかと思っています。 学校に行くと、昨日とはうって変わって皆悪い夢を見たことについて話しています。きっと何 か原因があるはずと信じ、わたしは休み時間にある所へ行くことにしました。 「マミさん、昨日見た夢のことなのですが、ナイトメアの仕業ではないかと思います」 お昼休みに、昨日の夢の件についてわたしはマミさんに相談することにしました。 「鹿目さん、昨日も行ったけどべべが察知しなかった以上、ナイトメアの仕業では無いのよ。根 拠はあるのかしら ? 」 「根拠はあります」
ナイトメアの仕業ならば、べべが一番早く察知しマミさんからわたし達に連絡が来ます。それが 無いということはナイトメアではない新たな敵の仕業ではないかと思っています。 お昼休みの時のことです。 「皆気が付いていると思うけど、昨日の夜は誰もが憧れの職業に就く夢を見ていたわ。そんな現 象が起きたのにも関わらず、ナイトメアの反応が無かった。今夜も同じ現象が起きた場合、皆ど , っするかしら ? マミさんは、昨晩のことをとても気にかけているためか、わたし達に何か対策案を出してほし いようです。しかし、皆考えるも案が出ず気が付くとお昼休みが終わってしまいました。 お昼休みの時からそのことについて考えるも、なかなかいい案が見つからず夜を迎え眠りにつ くのでした。 「お待たせしました。苺のショートケーキ、モンプラン、ジャスミンティーですー 「お姉さん可愛いねえー 「あの・ : お客様 e:
誰もが夢見る憧れの仕事、あの夢には仕事をする「楽しさ」だけでなく「厳しさ」という社会 の一面がそこにはあったのかもしれません。憧れの夢を抱いた人がその仕事に就くも、仕事から の不満や怒り等が日々募り、ナイトメアとして具現化されてわたし達が見る夢に影響を及ぼして きました。憧れの仕事に就き、やりたくても仕事が出来ないよりかは自分に向いている仕事を探 し出し、その仕事で出来ればいいのではないかとわたしは思います。 さやかちゃんが言った「夢は夢として割り切るーというのは、憧れの仕事について成功する人 はほんの一握りで、ほとんどの人はそうでない仕事で頑張って生きていくということをナイトメ アも伝えたかったのかもしれません。
今日のお仕事も終わり、わたしもほむらちゃんも頑張っていたのか仕事をしていた時よりも笑 顔であふれていました。 「ゆっ : ・夢だった・ : の ? 」 パティシェの仕事を終えた直後、あたりが一瞬真っ白になり、気が付くとわたしは自分の部屋 にいました。夢にしてはおかしく、現実に近い感じがありました。正夢かもしれないと思い、朝 ごはんを食べ学校に向かいました。 「おはようさやかちゃん ! 」 「おはようまどか ! 」 いつものようにさやかちゃんと挨拶を交わしつつ、普段通りの会話をして学校に向かうのです 「ねえまどか ? 昨日見た夢って何だった ? 」 さやかちゃんからわたしが見た夢の内容について聞いてきました。 「昨日見た夢は、パティシェになった夢でほむらちゃんと一緒にケーキ屋さんでお仕事をしてる ものだったけど、それがどうかしたの ?
時 : ・ ガタガタガタガタッー 昨日と同じ音が起きました。まさかと思いオープンへ向かってみると : 「オープンをまた壊しちゃった : ・」 同じミスをしてしまい今の仕事を辞めざるを得ない状態になってしまいました。 「鹿目さん、今日で仕事は辞めてもらうようにするからね 店長さんから、今日付けでパティシェのお仕事を辞めさせられることになり、気分は大きく落 ち込んだまま家に帰ることになりました。 どうしてかな ? どうしてわたしだけこんな目に遭うのかな ? 罰なのかな ? 「何とかなりそうです」 「それならいいけど : わたしはほむらちゃんの側に寄り、心配そうに声を掛けましたが、何とかなる感じです。その
「店長さん、一度だけチャンスを与えてくれませんか ? 」 わたしとほむらちゃんは今の仕事を続けたい一心で店長さんに頭を下げました。 「鹿目さん、暁美さん、一度だけチャンスをあげます。ただし、昨日と同じミスをしたらその時 点で終わりということでいいですね ? 」 「はい」 店長さんから、最後のチャンスを貰いわたしとほむらちゃんは必死に与えられた仕事をやりま 「よっ、昨日はごめんな」 昨日の変なお客さんがやってきました。 「きつ、昨日のお客様 : ・冷やかしは困ります」 ほむらちゃんは昨日のこともあり、素直に断る旨を伝えてます。 「冷やかしで来たんじゃないよ。今日はケーキを買いに来ただけさ。苺のショートケーキとアッ プルバイをいいかな ? 」 「はつ、はい 昨日の出来事があったとはいえ、お客さんはお客さんです。与えられた仕事をこなそうとほむ らちゃんは頑張っています。 「ほむらちゃん、大丈夫 ? 」 す。
厨房から普段は聞かない音がしました。何が起きたのか駆けつけてみると、オープンが壊れて しまいました。調理中に、ほむらちゃんとお客さんのトラブルに対応するため、そっちに気をと られてしまったのです。 「鹿目さん、暁美さん、あなた達はうちの大事なオープンをダメにしてしまってどうするの ? ケーキが作れなくなっちゃうちは商売あがったりだよ ! どうするの ? お店が終わる直前だ からまだ良かったけど : ・」 店長さんが物凄く恐い顔をしてわたしとほむらちゃんに怒っています。二人がやらかしたこと に対して店長には何も言い返せない状態が長く続きました。 「もういい。明日から君たちに任せられる仕事は無いからねー そう言われ、この日のお仕事は終わり、わたしとほむらちゃんはお店を後にするのでした。 「夢 : ・だよね・ : 一昨日見た夢は楽しい内容だったのに・ : なんで : 一昨日と同じようにパティシェの仕事をした夢を見たのですが、その時とは違いわたしもほむ らちゃんも辛いことを経験する内容でした。 「おはようまどかー・今日はいつもと元気無いけどどうしたん ?
のかなと思いました。 「さあ、皆そろそろ寝る時間よ」 「皆と同じ枕、果たして同じ夢を見られるのかな ? 」 「見られるさきっと 「同じ夢を見てナイトメアをやつつけましよう」 タご飯の時と違い、ナイトメアを退治するため皆準備万端のようです。わたしも皆と同じ夢を 見ながらナイトメアを倒せるよう寝ます。 しい夢になりますように : おやすみなさい。 「あなたたち、昨日はあれだけやらかしたというのに・ : 任せられる仕事は無いのにどうするの ? 」 昨日のこともあり店長さんから早速怒られました。任せられる仕事も無くなり、わたしとほむ らちゃんは何をすればいいのかわかりません。
ね」 わたしやほむらちゃんのことは言ったあの夢ですが、マミさんはどんな内容だったのか何も言っ て来なかったのでせつかくなので二人だけのナイショということで話すことになりました。 「私ね。芸能マネージャーからスカウトされてアイドルとして働くものだったの」 「アイドルですか e: 「アイドルになった私は皆から応援されて『恋のテイロ・フィナーレ』という曲を歌ってたりす るの。魔法少女は縁の下のカ持ちのような存在とは裏腹に表舞台でしつかり活躍しているのよ」 「マミさん、すごいですよ」 「でも夢の中のことだから終わりの内容からにして正夢にはなって欲しくないわね」 「そこはわたしも同感です」 「そんな最後にならないためにもわたしも、鹿目さんも憧れの仕事に就けるよう頑張りましよう 「はい ! 」 あの夢が正夢にならないためにもわたしも、マミさんも皆これからを大切に頑張り憧れの仕事 に就けるよう努力するのでした。