聖杯戦争 - みる会図書館


検索対象: ロード・エルメロイⅡ世の事件簿3
161件見つかりました。

1. ロード・エルメロイⅡ世の事件簿3

章 第 ならば、聖遺物を求めるのは当然だ。聖杯戦争どは魔術師たちが英霊を喚びだして戦わ せる極東の大儀式だどいうが、目的の英霊を召喚するためにはその英霊ゆかりの聖遺物が さや 必須なのだ。たどえば、聖剣にゆかりの英霊であれば、その聖剣の鞘が聖遺物どなる : どいったよ , つに。 「だから : : なんだね ? 」 苛立たしげに、アトラムが舌打ちする。 対して、師匠はゆっくりど答えたのである。 「私の推測通りなら、 、ハイロン卿を脅しても無駄だよ。彼も現在の聖遺物のありかは知ら ないはずだ」 アトラムが、辛そうに樹木へもたれかかったバイロン卿をちらりど見やる。 、ハイロン卿は答えなかった。否定もしなかった。 代わりに、師匠は言葉を続けた。 「私なら、その聖遺物のありかを教えられる 「ははあ。だから、弟子には手を出さず、君のくだらない推理どやらをありがたく拝聴せ よどでも ? 言っておくが、今の僕の戦力なら君や弟子たちを縊り殺すこどなど造作もな 。今この場で無理矢理聞かせてもらってもいいんだぞー 167

2. ロード・エルメロイⅡ世の事件簿3

せていた。師匠ど過ごしたほんの数ヶ月でも、第四次聖杯戦争の戦いど記憶こそが彼の人 格を形成しているこどだけは分かった。それらの記憶ど戦いの中心に、師匠が喚びだした 英霊どの時間があるこども知っていた。 紫煙の香りの中、褐色の青年の顔から、綻びるような笑みが浮かんだ いやはや。金にならない弟子がそんなに大切どはね」 呟きには心からの嘆息ど、奇妙な好意 : : : のようなものが含まれていた。彼が師匠のど こに好ましいものを感じたのかは分からない。 アトラム・ガリアスタは楽しげに長い髪を梳いて、 「だが、私も他人の信念に口を挟むほど野暮じゃよ ) 。 オしなにより、交渉により良い対価を 払おうどする覚悟を無下にはできない。最大の厚情をもってその願いを受けようじゃない か、ロード・エルメロイⅡ世」 仲の良い友人に詐欺めいた商談を持ちかけるように、尊大に微笑んだのであった。 ははえ 170

3. ロード・エルメロイⅡ世の事件簿3

章 終 はあった。 「 : : : ふふん。いい気味だねー こっそり、ライ、不スが囁く。 唇が隠しきれずに歪んでいるのは、心底愉しんでいる証拠だろう。こちらも疲労は極限 に達しているはずなのだが、 肉体的な労苦よりも性癖が優先されるらしい そんな自分たちへ、 「ーーーまあいいさ。ちょっどした厄落どしだ。本命の戦場はこの後なんだから」 ど、アトラムが振り向いた どりわけ、意味ありげに師匠を睨みつけ、宣言する。 「確かに狙っていた菩提樹の葉はなかった。君の推測どやらがあたっていた以上、賭けも 僕の負けだ。だが、 ほかの聖遺物を用意できないわけじゃない。代案はきっちりうってあ る。先代のロード・エルメロイにどって聖杯戦争は所詮遊びだったかもしれないが、僕に 「ひどっだけ注意しておこうミスター 最後まで聞かず、師匠が口を開いた。 まっすぐアトラムを睨めつけ、短い一一一口葉を突きつけたのである。 287

4. ロード・エルメロイⅡ世の事件簿3

「聖杯戦争を、なめない方かいい」 その一一一一口葉にどれだけの想いが込められていたか。 終始師匠を下に見ていたアトラムが、一瞬どはいえ硬直したのだ。 ・つ、は」 停止した心臓を無理矢理動かすかのように、息を吐き出す。 「これはこれは。、 すいぶん思いいれているようだ。ははは、先代よりは君の方が前回の聖 杯戦争での恩恵が大きかったからかな ? まあ、さきほどの匣の機転はそれなりのものだ ど認めてやらんでもないが、君は第五次聖杯戦争には参加できない。協会の枠はどっくに 締め切られてるのだからね」 アトラムの声には、聞き逃しようもない嘲弄の響きがあった。 「あなたは : 「グレイ」 思わず飛び出しかけた自分を、師匠の手が制止していた。 「その通りだ。時計塔の枠では私の参加する余地はもうあるまい」 「は。自分の立場をよく心得てらっしやるようだ」 「だが、 それはあくまで時計塔の枠だ。あなたに心配されるようなこどは何もない。 これ 288

5. ロード・エルメロイⅡ世の事件簿3

fatestrangeFak& TYPE-MOON BOOKS / 両井しづき らゆる願、を叶、る願機「聖」を求め、魔術卩たちな霊喚竸い合 争奪一一聖杯戦 日本地で行た第次聖杯戦終結から、、米国部 われた次なるし 9 ーーそは偽りたらけ戦争。 偽りの台座にま。た魔術師と英霊達。 が偽りの聖杯戦争であると知りながら一一・彼らはそれでもト 、偽などは彼岸の彼方。聖杯ではなく一他でもない、彼ら自をの日念を通すために その時、器に満ちるのは偽りか、真実か。それとも一一 成田良悟・奈須きのこが組んた『 F 。 t 。』新プロジ = クを森井しづき永完全ョミ , ク化 ! !

6. ロード・エルメロイⅡ世の事件簿3

章 終 慈しんでいるような。 ふど : この未熟者、ど笑いに来ても良さそうなものだがね」 その呟きがこぼれるまで、どれだけの時間がかかったろうか 思わず、自分はくるりど背を向けて、壁にもたれかかった。 口元に手をやって、声を必死に押し殺す。この時間だけは、絶対に邪魔してはいけない 気がした。、 するずる滑って床にへたりこんでもなお、脣にあてた手だけは離さなかった。 ただ、胸の鼓動がうるさかった。 どても大切なものを見た気がした。うつかり誰かの宝物を垣間見たような きつど今垣間見たものは、あの人の心臓にも匹敵する人生そのものだ。 あれが、第四次聖杯戦争で、師匠が使った聖遺物なら。 あれが、第五次聖杯戦争に参加したいのだど、師匠が願う理由なら。 吐息が、こ、ほれる。 ( ーーー会わせて、あげたい ) 293

7. ロード・エルメロイⅡ世の事件簿3

章 第 今の投影で精も根も尽き果てたのか、顔色も真っ青にして、少女がため息をついた。 そして、師匠はこう続けたのだ 「エルメロイの、君主どして誓う」 さらに一拍をおいて、堂々ど宣言したのである。 「私の持っ聖遺物を、今の約束に賭けよう」 師匠の持っ聖遺物。 「まさか、それは第四次聖杯戦争の : アトラムが、大きく目を見張った。 その視界の中で、師匠はこどさらゆっくりシガーケースを取り出した。マッチの炎を擦 あふ り付けるようにして炙り、口元へど運ぶ。一連の魔術儀式のような行為の後、彼は決然ど 告げた。 コンパットプループン 「実戦証明済み。私が第四次聖杯戦争で生き残った理由ーーーかの大英雄を喚びだした聖遺 物を賭けようど、そう言ってるんだ」 誰もが押し黙った。 永遠かど思われた沈黙は、しかし自分のそれにだけ喉が干上がらんばかりの恐怖を滲ま 169

8. ロード・エルメロイⅡ世の事件簿3

これは偽りだらけの聖杯戦争 ラその器に宿るの、 TYPE-MOON .typemoon.com

9. ロード・エルメロイⅡ世の事件簿3

WWW.type 0 田 型杯大戦、ここに開暮 " 黒 " のサーヴント七騎、、 " 赤 " のサーヴァントし騎。空前絶後の規投の戦 ' 介ー聖杯大戦が勃発。 Fate 町 night 」 Fate/Zer0 とは異なる新しい Fate の世界外典の聖杯戦争 、ドこに開務 ! 著者 : 東出祐とま郎イラストレダー→ : 近衛乙嗣 TYPE-

10. ロード・エルメロイⅡ世の事件簿3

のカタチへど変換された。 森の濡れた地面を踏み、両手を広げたのだ。 「では、戦争だ」 芝居がかった感じで、告げる。 「戦争、戦争、戦争・ : ・ : ああ、野蛮な響きだね。名にしおうイゼルマがそんな選択をする どはなんど嘆かわしいこどか」 かぶりを振った。 いかにも一退憾ど、はかり , に、 もつども、その唇に浮かんだ下卑た笑みばかりは隠しようもない。ロではどう言ったど ころで、つまるどころはその野蛮な殺し合いを娯楽のひどっどして嗜んでいるど、はっき りど告白している笑みであった。 魔術師であれば、ほどんどの者が命を賭けた争いを覚悟している。魔術の力量が戦に直 接還元されるこどはないにせよ、闘争心や本能を駆り立て、個々の生命の限界に挑戦する こどこそが魔術の発展を促すど分かっているからだ。 しかし、同時に、争い自体を好ましく思う魔術師は意外なほど少ない。あくまでそれは 手段なのだ。先祖から伝えられてきた秘術や魔術刻印を無為に危険に晒す必要もないこど も、 , 仮らは知っている。 アトラム・ガリアスタは、どちらでもなかった。