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検索対象: ハジマリノオト
8件見つかりました。

1. ハジマリノオト

しい ? 人るわよ海未・・・・ : 」 「覚悟は出来ています。行きましよう : : : 」 私達が映画の次に来たのは「カップル限定メニュー」があるという映画館からさほど遠 くないレストランです。お店の外装は西洋風の赤レンガ造りのお店ではあるものの、都会 のビル群にうまく調和した落ち着いた雰囲気です。お店の扉を開けて店内に入るとお客さ んは若い人を中心で賑やかではありますが、外装と同じく落ち着いた雰囲気の内装です。 ちょうどお昼頃で、お店もほぼ満席状態でしたが、幸いほとんど待たずに私と真姫が体面 で座る形の席に通されました。私は早速メニューを見て例のメニューを探します。 「それで噂の『カップル限定メニュー』というのは : : : あっ、ありましたよ、真姫。「ラブ ラブな恋人に送る愛のスペシャルコース ! 」ですか。少し恥ずかしいですが裏メニューで はなくちゃんとメニュ ーに書いてありますし、これなら注文しやすそうです。プラン通り これで大丈夫ですよね、真姫 ? 」 私はそういって真姫の返事も待たずに店員さんを呼ぼうとしたところ真姫が突然 「ま、待って海未。その下をよく読んで ! 」 真姫が大きな声を出しながら私の持っていたメニュー表をさっと引き抜いたので私は驚 「ええ、そうね」 少し不安になりながらも、私たちは映画館を後にしてレストランへ向かいました

2. ハジマリノオト

いて、真姫の手から見開きのメニュー表を取り戻して、真姫に言われたメニュー表の一番 下にハートマークで強調された「カップル限定メニュー」というメニュー名のさらに下へ 目線を移します。そこには「※ご注文されたお客様が恋人であることを確認するために、 お互いに愛の囁きをしていただきます」と書いてあって : 「あ、愛の囁きだなんて : : : そんなこと : ・ : は、破廉恥です ! 」 気付かなかったとはいえ、自分から積極的に頼もうとしていたあの勇気はどこへやら、 思わずそう言って、顔を真っ赤にしながら真姫の様子を見ます。 「わ、私だって : : : そりや、海未のことは嫌いではないけど : : : その : : : 恥ずかしいし : ・ : やつばり普通のメニューを頼む : : : ? 」 どうやら真姫も私と同じく恥ずかしい様です。 「しかし、今日は新曲のイメージづくりのためにこうして″デート〃しているのですから 勇気を出して頼んでみましようか : そうです。今日は新曲をつくるためにこうしているのですから、恥ずかしくてもせめて イメージだけは手に入れないといけません。 詩「海未・ : : ・あなた : : : 本気 : : : ? 」 恋「『旅の恥はかき捨て』ともいいますし、ここはひとっ : 「わ、わかったわよ。でも海未が先に言ってよね : : : 」 紡 真姫もしぶしぶ了承してくれたみたいなので、改めて店員さんを呼んで、「カップル限定 と 君メニュー」を 1 っ注文します。そして店員さんから「それでは、お二人の愛の言葉をどう ぞ」と言われた途端先ほどまでの決意はどこかへ行ってしまい、また恥ずかしくなってお

3. ハジマリノオト

「そ、そんなことはありません。ただ : : いいえなんでもありません。ここまできたから にはしつかり″恋人〃になりましよう」 真姫がまさかの提案をしてきて、一緒に飲むという心の準備ができていなかったため、 返答するのに少しだけ時間がかかりましたが、私は真姫の提案を承諾しました。 「それじゃあ、いくわよ海未」 そういってお互いに同じグラスに入ったジュースからハート型にのびるストローに口を つけて飲み始めます。私は最初、真姫と顔がとても近く、恥ずかしくて目を閉じて飲んで いましたが真姫の様子が気になったので、途中、少し目を開けてみると目の前に思った以 上に真姫の顔が近くにあってーーー余計に恥ずかしくなって結局私はジュースを飲み終える までずっと目を閉じていました。 色々ありましたが何とか「カップル限定メニュー」を食べ終えて私と真姫はお店を出ま した。 「それにしてもあのメニュー。私たちが注文できたのだから頼むのはカップルでなくても できるみたいだけれど、食べるのはカップルでないと辛いわね : : : 」 真姫が言います。 「そうですね。でも随分と″恋人″っぽいことが出来たと思いませんか ? ところで真姫、 曲のイメージは浮かびましたか ? 」

4. ハジマリノオト

互いに顔を真っ赤にして黙り込んでしまいました。 少しの間私と真姫の間に沈黙が続いていましたが、その沈黙を破ったのは店員さんで「失 礼ですが、お二人は本当に恋人なのですか ? 」と疑われ始めてしまいました。このままで はいけないと私は勇気を出して 「ま、真姫 : : : 私はあなたのことを : : : お慕いしています。真姫の作る曲はいつも私の心 に響いて : : : その : : : 不束者ですが、これからも末永くよろしくお願いいたします : : : 」 と私はまるで真姫にプロポーズするかのような自分でもありえないくらいの言葉を 真姫に言って、余計に恥ずかしくなってしまい真姫の顔を見ることができません。 「ええ ! ? そ、その : : : 私も・ : ・ : 海未が紡いだ詩はとても素敵で : : : その : : : だから : 私も : : : 海未のこと : : 好きょ : : : 」 恥ずかしくて真姫を直接見てはいないものの、真姫も私の言葉に驚いたような声を出し、 それに観念したのか小さな声ではありましたが、言葉をつぶやきました。 そしてなんとか店員さんに私と真姫が″恋人″であるとみなしてもらえたようで「カッ プル限定メニュー」を頼むことができました。 私と真姫は自分で言った一一一一口葉を思い出し、恥ずかしくなってしばらく顔を真っ赤にして お互いを見ることができず下を向いていて時々相手の様子を伺っては、視線が合って恥ず かしくなるということを繰り返していましたが、しばらくすると料理が運ばれてきました。 「えっ ! ? こ、これは : : : 」 店員さんが、私達の座っているテープルに「カップル限定メニューです」と料理を置い ていった後、顔を上げてその料理を見た私と真姫が思わず驚いてしまいました。

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そんなこんなで私と真姫は「カップル限定メニュー」を食べ進めましたが、最後に二人 ともまだ手をつけていない、あの大きなグラスに入ったジュースが残りました。 「このジュースどうする ? 」 真姫が私に問いかけます。 「私は大丈夫なので、よければ真姫が一人で飲んで下さい」 「いやいや、それじゃあ海未になんだか申し訳ないし、それにこれ二人分の量だから一人 で飲むにはちょっと多いかも : : : 」 詩 言われてみれば、一人で飲むには少し多い量のジュースがグラスに入っています。 の 恋「そうですね : : : それなら順番に飲むというのはどうでしようか ? 私は色々考えて「順番に飲む」という意見を出してみます。 紡 「それは名案かもしれないけど、やつばりここは″恋人〃らしく一緒に飲みましよう ? 」 と 君「えっ ! ? 」 「それとも : ・・ : 私と飲むのはいや : ・・ : ? 」 そういって真姫も恥ずかしがりながら時間はかかったものの私がフォークに巻いたパスタ を食べました。 「どう : : : ですか : 「おいしい

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私も思わず感想を言います。 「でも海未、最後のキスシーンのところで急に下を向いちゃって : : : やつばり刺激が強か ったんじゃない ? 」 上手く目を逸らして周りに迷惑をかけないようにしたつもりだったのですが、どうやら 真姫には見られていたようです。 「み : : : 見ていたのですか : : : 」 「そりや、途中まで涙を浮かべてた隣の人がいきなり下を向くんだもの、気付かないわけ ないでしよ」 「お : : : お恥ずかしい所をお見せしてすみませんでした」 そんなこんなで映画も終わって、真姫と映画館で映画の話をしながら、ふと映画館にあ った時計を見ると時間は時を指しています。 「そろそろお昼の時間 ? 」 真姫も時間に気づいたようで、そのように尋ねてきました。 「ええ、そうですね。えっと : : : お昼は : : : 」 詩そういって先ほども出したメモを出して「プラン、を確認します。 の 「えっと、お昼は近くのレストランですね。なんでもそのお店には『カップル限定メニュ 恋 ー』なるものがあるようです、 紡 「わかったわ。でも : : : 私達カップルではないけれど、それって注文できるのかしら ? そ と もそも私達女の子同士だし : : : 」 君 : 言われてみればそうですね。取りあえずお店まで行ってみましようか ? 」

7. ハジマリノオト

その後も基本ステップの練習などいくつかのメニューをしていた私たち。今日予定して いた全ての練習を終える頃には太陽は傾きを強め、もうすぐ沈んでしまいそうな位になっ でていました。 僕 練習が終わった私たちは学校の下校時間を過ぎないように素早く着替えて、学校を出ま 9 人揃っての下校途中、穂乃果が突然「そういえば、さあーー」と前置きをして あ 「今日の海未ちゃん、なんかおかしかったけど気のせいかな ? 」 で と、突然尋ねてきます。それを聞いた″私〃こと真姫はとっさに、足を止めて慌てます。 「そういえば、真姫ちゃんもいつもと違った気が : あ と穂乃果に続くように凛が指摘し、私も思わず足を止め、真姫と顔を合わせます。 僕「どこがおかしかったの ? 」 しつもと一ったというか : : : 」 「うーん、それはよくわからないけど : 感しか感じません。 そんな私とは裏腹に真姫はリズムを取りながら、ダンスのタイミングが遅れたメンバー いえ、そ に適切にアドバイスを出しています。真姫はこの状況に慣れたのでしようか んなことはないようです。顔を見ると真姫の表情には余裕が感じられません。真姫の必死 さが伝わってきました。

8. ハジマリノオト

「そうね」 真姫も賛同します。しかし真姫は「でもーー」と付け足して 「でも、今日の放課後は練習があるでしよ。今度はそれが不安だわ」 そうでした。今日の放課後はの活動があります。今日の練習メニューはダンスの基礎 練中心で、真姫がピアノを弾いて歌を練習したりはしないことになっているので、真姫に なっている私として助かりましたが : : : 真姫は一体何が不安なのでしようか。私が頭に疑 問符を浮かべるようにあれこれ考えていると、それを察したのか真姫は話を続けました。 「だって、みんないるのよ。特に勘のいい希だったらもしかして私たちのことに気づく可 能性が : : : 」 それを聞いて私は「あっ」と声を漏らしました。確かに真姫の言うとおり、授業と違っ でて放課後の練習はみんなと密接にコミュニケーションをとるタイミングがいくつもありま 僕す。というかコミュニケーションをとらないわけにはいきません。普段は当たり前のよう に行っていた事なのですっかり忘れていました。 よ 「そういえば、そうでしたね : ・・ : どうしましようか : あ 「ひとまず、普段の基礎練の日の海未と私の役割を考えてみましよう。それで、その役割 たをきちんとこなせば大丈夫じゃない ? たぶん : : : 」 「そうですね : : : 」 あ 真姫に言われて普段の私の基礎練での役割を考えます。 僕「 : : : 私は、ダンス練習でリズムを取ったりしてますね : : : 」 四真っ先に思い浮かぶのは手を叩いてリズムを取ることです。他に何をやっているか考え