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検索対象: 二次創作部東方「感謝」合同(仮)
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1. 二次創作部東方「感謝」合同(仮)

ドタバタしながらも準備を済ませ、地上へと向かう。前回の場所ま でならあまり地上の者が来ることもないだろう。 到着すると、一人の小さな人影があった。 「あつお姉ちゃんたちだ ! 」 「君はこの前の ! 」 こいしが子供の方へと駆け寄り、それに私も続こうとする。 隣ではおりんがこちらを屋訝そうな表情で見つめている。 「この子は大丈夫よおりん」 「いえ、さとり様、この子のことではなく」 子供の後ろの木の陰から出てきたのは複数の大人の人間だった。 いけない、今はこいしの方が私より前に 「お父さんたちだ ! 」 あれが噂の。心を読むらしいぞ。 あんな少女の姿で騙そうとして。 息子もあと少しで食われるところだった。 「こいし ! 見ちゃだめ ! 」 「え : : : なに : ? 私何も悪いことしてないよ ? 」 まだ悪事を働いていないのか その前に退治しなければ。 危険な妖怪から子供を遠ざけろ。 退治しろ。退治しろ。 吐き気がする。こいしの元に行きたいのに体がそれを拒否する。 「おりん、お願い : おりんがこいしの元に行き、抱きかかえて私のところに戻ってくる おりんはそのまま私の体も抱えて地底へと逃げる。後ろから聞こえて くる罵声。帰れ。二度と現れるな。ひたすらに逃げる。 「止めて、止めてよ : : 。私本当に何もしてないんだよ : : : 」 こいしは反対側のおりんの腕の中で大粒の涙を流していた。 地霊殿に帰ると、こいしはそのまま自分の部屋に閉じこもってしま った。 こいしと話すのは少し落ち着いてからにしよう。私も久々にあんな 、いを読んで疲れてしまった。 「私たちってどうして心が読めるのかな」 「それは私たちが覚妖怪だからよ」 「じゃあどうして私たちは覚妖怪なのかな」 「それは分からないわ」 「おね 1 ちゃんは辛くないの ? 同じ妖怪でも、私たちほど嫌われて ない妖怪もいるのに」 「辛いわ、でも私にはあなたたちがいるから弱音を吐いている暇がな いのよ」 「おねーちゃん、ありがとう」 「突然どうしたの ? 090

2. 二次創作部東方「感謝」合同(仮)

名無しの妖精の物語 野々宮丸久 4 の前に現れたんだ。 つまるどころ、その本を読んで実行した私の目の前の風景は、そう い、つことだ。 霧に覆われ、散乱した月明かりに幽かに映し出される夜。見慣れた はす白くほやける湖の夜景は、自然に敏感な妖精だからこそわかるが 湖畔離れた所にいる木々の並びが相当違っている。 制は相変わらす、余計なもの一切混じらす静かに佇む。けれど湖の 可処にもない 風景に馴染む気がまるでなかった目障りな紅い屋敷はイ ◇ ここは「何時」なのか 私のチルノちゃん理論によればチルノちゃんは宇宙が始まった瞬間 どうも、名無しの大妖精です。 チルノちゃんがキスを知ってるとは思わなかっ から存在していたので ( 余談たが、「字宙が始まる前からチルノちゃん は居たのか」という問題は「宇宙の始まり」という特異点に遮られて たし、ましてや経験したこともあるなんて、あり 未だ判明出来てない、いすれ解決したい ) 、時間を戻しすぎてチルノち えない〇妖精の悪戯じゃないか ? ほうぜんじしつ ゃんが存在しない時代に行ってしまった、なんて事態は絶対にありえ 茫然自失に思考が纏まらないまま、当てもなく 仂徨っていたら、ほっんと地面に落ちていた一冊ない。 事件の発生時間、或いは発生時代をチルノちゃんから聞かすに飛び の本に気付いた。 『妖精でもわかる ! 図解・瞬間移動を使った時出してきたが、まあこの時代のチルノちゃんを見つけて、片時も離れ すすっと監視し続けていればいすれわかることだ。幸い、チルノちゃ 間旅行の方法』 天啓だった。言い換えれば、チルノちゃんの導ん観測は趣味だ。千年くらい見続けても全く間題ない きだ〇 チルノちゃんは何処にいるのか。まあ、私にかかればチルノちゃん じゅんしんむく 純真無垢なチルノちゃんはキスを知るはすがな の居場所を感知するくらい造作もない。 い。けれど現にチルノちゃんはキスをしたと証一言 汁畔からちょっと離れた樹林に身を隠して、いつものように間、い している。この矛盾に隠された真相は一体なんな と目を向ける。 のか、私は知らなければならない。それこそが私 一瞬、意識が遠のいた。 の使命であると、それを気付かせるために、まる で私のために書かれたこの一冊が今この瞬間に私 「ねえ、チルノちゃん。キスって知ってる ? 」 たわいない質問だった。ただ、知らないって答 えるチルノちゃんに、じゃあ教えてやるよって一言 って、色々やってみたいという純粋な気持ちだっ た。それだけのことだったはすだ。 「したことあるよ」 かす 101 名無しの妖精の物語

3. 二次創作部東方「感謝」合同(仮)

チルノちゃんの顔に近づいて、ちびっ子がその小さな口をチルノち度の平凡な顔付きから、苦労が待っている未来が見える。 読めたくは無いか ゃんの唇に触れた。今度こそ、未遂ではなく。 山而的に言えば、あれは私が一回り小さくなったような姿だ。 それは紛れもなくキスだった。止める間もなく、唇と唇が重なって 「なんだてめえは」 し学 / メ本 - 男 . ちびっ子がちょっと困ったような顔で、言葉を発した。 ちびっ子の体から光を放ちはじめて、柔らかい光から、眩さが少し 「なんでしようね」 すっ増して行く。しかしそんなこと今はどうでもいいのだ。 私過去に戻れる 声まで同じだ。 「チルノちゃんの、キスが : : : あっ、あっ、あー じゃん。へへ、三分前に戻して : : : 」 大きくなったちびっ子の姿が、私とあまりにも瓜二つなことに困惑 「キス ? これがお姉さんが言ってた、あのキスなのか ? 」 しているチルノちゃんに適当に言い訳をして、ちびっ子を連れて二人 チルノちゃんが不思議そうに自分のロを触る。 「私の甘さがいけないんだ : : : あの夜に戻って最初からチルノちゃんきりで湖からちょっと離れた所に来た 聞きたいは決まっている。 っそ、もっと前に戻って木ごと との接触をなかったことにする ? 「で ? チルノちゃんのキス、どうだった ? 」 を燃やして妖精の発生自体を : : : ? 」 「よく覚えてません : : : 」 「お姉さん、これ、なにが起きてるの ? 」 「はあ ? ふざけんな」 チルノちゃんの指差す方に、光を放っちびっ子の姿が段々と大きく なって、もう「ちびっ子」ではなくて、身長は今のチルノちゃんと同「仕方ないでしよう ? ついさっきまでの記憶が全部あやふやで、自 分がなにをしていたかも覚えていないのだから」 じ程になっていた。 心底から失望した。なんだこの役立たす。ポンクラ。へつほこ。あ どうやらチルノちゃんにとって私は「物知りのお姉さん」なのだが、 。私もへつほこだもんな。しよ、つがないか 何がどうなってるが当然私もわからない。私はただの妖精なのだ。出つ、そうか 1 じゃあ本題に入るか。お前の名前は、なんだ ? 」 「まあいい 来ることなど、せいぜい今から十分前の過去に戻ってちびっ子を抹殺 「わかりません」 するくらいしかない 「なんの妖精だ ? 」 そう決心が付いた瞬間、もうちびではないちびっ子から放っ光がや 「それもわかりません」 っと弱くなり始めた。光が止んだ頃、ちびっ子の姿も目視できるよう ため息すらでない程、何もわからないか。それもそうか になった。チルノちゃんがちびっ子の新しい姿を見ると、慌てて振り 私が黙っていると、ちびっ子が恐る恐ると言葉を続けた。 向いて私を見て、そしてまたちびっ子を見る。 : 聞きたいこと、あるの」 緑の長い髪を黄色いリポンで左に留めたサイドテ 1 ル。枯れ木に薄「それより、最強の妖精さんの話 : 「さっきまでのことは何も覚えてないって言わなかったか ? 」 い膜を張ったような、なんとも一言えない妖精の羽。歪んではいない程 108

4. 二次創作部東方「感謝」合同(仮)

「なぜか最強さんの話 : : と、あの夜のチルノさんのダンスだけ、鮮 元々キスのこと以外でこの時代に干渉するつもりなかったし、これ 明に覚えてるの。その時の私の気持ちも」 にて一件落着で、この時代に属さない私はこの時代のチルノちゃんの 私はロを噤んで、ちびっ子の話を促した。 前から姿を消すべき時だと判断した。 「最強さんのことすっと追いかけていたって言ったよね。振り返って と言っても、別に元の時代に帰る訳ではない。なにせ光速を超えた ほしいって、待ってほしいって、思ったことある ? 」 テレポートに過去に戻る力があっても、未来に飛ぶ力はない、 「じゃあ聞くけど、ここ数日、チルノちゃんがお前のことを案じたこ幸い、チルノちゃんを遠くから身を隠しながら見ているだけで幾らで とが一度でもあったのか ? 」 も段を潰せるので、ざっと三百か四百年待っくらいは苦にはならない もっとも、この時間に属さない私が一回休みしたらどうなるのかは見 「よく覚えてないですが、たぶん : : : 一度もありませんね」 「そういうことだ。つまるどころ、私たちの想いは一方的。あの子は当もっかないので、今は大人しくしている。 時間だけがいつばいあるから、暇をしている時間で私なりにあの瞬 あくまで一人で自分の道を歩いてるつもりで、私たちは勝手に付いて 間のこと、そしてあれからのことを理解しようとしていた。 行くだけ。振り返ってほしいって言っても、待ってほしいって言って も、あの子の耳には入らないんだよ」 結局、あの瞬間になにが起きたかというと。 ます、あのちびつこは、間違いなく、過去の私だろう。私が危うく 「思うだけなら勝手じゃん。思ったことすらないの ? 」 「そうね。 : 思わないよ。たぶん、あの子が振り向かないからこそ、何度も自分殺しをやらかす所だが、考えてみれば確かに、完璧で最強 すっと前だけを向いて進むからこそ、私はあの姿を見ていたいと、思 な妖精であるチルノちゃんの隣に、私みたいな凡庸極まりない雑魚妖 、つから」 精がいること、客観的に見ればかなりムカつく。 「苦しそう」 あのキスは、つまりなんらかの植物の妖精だった私が、この生気が 「苦しいよ、とーても。あの子は決して振り向いてはくれない。だか薄い霧の湖では生活出来ないはすだが、チルノちゃんとのキスはそれ ら、後ろからじゃなくて、横からでもなくて、見てもらいたいならあを可能にする奇跡だった。 の子の前に出るしかない」 その奇跡とは、ちびっ子だった私の「チルノちゃんに付いて行きた 「それでも追いかけるの ? 」 い」という一念で、元々普通の妖精だった私はあのキスで別の何かに 「ほら、あれだ〇妖精は自分のテリトリから、離れられないんだろ なった。不自然な冷気、自然の具現であるはすが自然から大きく離れ、 う ? そういうこと。ここからはお前の時間だ、ゆっくり苦しめよ」 もう一つの自然を形成したチルノちゃん。私はその現象、すばり「氷 精のチルノ」という自然現象の妖精になったんだ。 ◇ しかし「妖精の妖精」という、妖精として歪んでいる形の所為で、私 にはあるべき名前がなかった。名前と引き換えに、チルノちゃんとの あの後、私は断腸の思いで、チルノちゃんに別れを告げた。 絆を手に入れたと考えれば、安いものだ。 109 名無しの妖精の物語

5. 二次創作部東方「感謝」合同(仮)

「あ、レミリアお嬢様 : 「なにかしら ? 」 んです」 真っ暗な図書館に蝋燭の火だけが灯る。そこに動かない大図書館が たたす 「フラン : ひっそりと佇む。 部屋の前で少し寂しそうな顔を一瞬だけ見せるレミリア。 「魔理沙さんに貸していた本 : : : 取りに行かないんですか ? 」 「フラン、落ち着いたらでいいわ。私の部屋に来なさい。それから咲 ( 日国しカけ・る〇 小悪魔が恐る恐るパチュ 1 夜 : : : 。あなたも休みなさい。疲れているでしよ」 「 : : : まだしばらくはいいわ」 「いえ、私は : : : 」 「体調優れないんですか : せんそく 「目の下にクマ作りながら言ってるんじゃないわよ」 「 : : : そうね。喘息も少し出ているし、おとなしくしているわ」 ( まったく : ・うちの連中は少し魔理沙に毒され過ぎだわ : 「そうですか : : なにかお持ちしますか ? 」 ュリーもなんだか暗いし、美鈴もほーっとしてるわ : : : ) 「大丈夫よ。ありがとう小悪魔」 「お姉様 : : : 」 ・ : 図書館がまた静寂 ( こ包まれる。 「あら、フラン。お部屋から出てきたのね : : : 」 レミリアは少しだけほっとした表情を見せて続ける。 : そ、ついえば、魔理沙かここに来るよ、つになってからは、いつも 「少しは落ち着いたかしら : 誰かしら来てたわね。魔理沙が連れてくるせいで。そこからまた誰か 「少しはね・ : 。でもね、いまだ魔理沙がいなくなったなんて信じられが誰かを連れてきて。 ないの。いくら人間だからって : : : 早過ぎよ : : : 」 氷精、緑のいたずらっ子の妖精、暗いところからひょっこり現れる 目を真っ ~ 亦に腫らし、今にでも ~ 世きそ、つになっているフラン。 闇の妖怪、本を読んでると鳥目にしてくる屋台の女将、薄暗い図書館 「あたしも信じられないわよ」 の中をばんやり照らす蛍の妖屋。 フランがびつくりした表情でレミリアを見る 「お姉ちゃんには運命が見れるんじゃないの ? 」 : 読んでいた本を閉じ、周りを見渡してみる。 「あたしの能力は万能じゃないってことかしらね。そもそも遠く離れ そこには、魔理沙が来る前の静けさがあった。 た人間の運命まで気にしていないわ。 ・ : 寂しいのは違いないけどね」 シーンとしすぎていて、逆に耳がざわざわする。 : 紅魔の館の夜は長い。 おかしなものね、人ひとりいなくなっただけでこんなにも変わって しまうなんて。 「あのう・ ュリー様 ? ・」 : フランお嬢様がお部屋から出てこられない ろうそく 080

6. 二次創作部東方「感謝」合同(仮)

「いえ、風神録の最初の紅いやつに殺されてそれからやってないですのだが、緑の妖精みたいな子に 1 回当たってしまった。 「ドンマイドンマイ」 「ふつふふふうふ : いや、ごめん。悪気はないんだよ。ホント」 「しゃーないって。ワープは初見じやきつつい」 : ごめん。いやまさか静葉で詰むと思ってなくて」 「あざっす」 「 : : : すいません」 そのうち先輩達がティッシュティッシュ言、つ地帯 ( 自分もティッシ 「あーじゃああれ ? チルノも動画でしか見たことないんだ ? 」 ュにしか見えなくなってきた ) が終わり、チルノが出てきた。 ーカってやっとかチルミルーみたいなやっとかで結 「見たこと有ります ! 聞いたことも」 構見ますけどゲームの方は : : : 」 「そうだろな」 「紅魔郷にチルノいるからやってみようぜ。 Normal ならチルノには 「紅魔館からーバスが出てー」 会えるよ。うん」 「笑うからやめい 「はあ : : : 」 脳の中だとやつばりその歌詞が出てきながら、チルノと対する。 久し振りに東方を触ることになった。あの時と同じ難易度なのは自 結構厳しい。ポムって一言うので銃弾みたいなのを消してみる〇 分の話を聞いた先輩達なりの気遣いなのだろう。やつばり唯一知って アイシクルフォ 1 ルってい、つのは知っている。 ーカって煽れるんですよね ? コメント いる霊夢さんとアリスなら、自分は霊夢さんを選んだ。霊夢さんは東「あーこれ真ん中でバ 1 カバ 方で一番最初に知ったキャラで個人的に勝手に愛着があるのだ。 で見ましたよ」 「おーおうやってみると良いぞ」 「夢幻夜行絵巻 5 Mystic Flier 」 ゲームが始まった。記應より弾が少ない。一番簡単っていうのもあ 「そうそう。体験したらいいよ るのだろうが、こんなゆっくりしたのに自分は無理だとっていたの 結構お墨付きも出たので前に出る。すると前からも弾が出てきた。 か。当時の自分がまた嫌いになった。 逃げようとするも左右からの壁に阻まれて敢え無く当たってしまう。 みるみる、っちにル 1 ミアとい、つ見たことだけはある人、じゃなかっ 「おー初見らしいプレイングだあ」 た妖屋に出会った。 「あれ出来るのは Easy だけなんだよな。騙されやすいよな」 ルーミアもそんなに難しい動きはしないようだ。 1 回も当たらすに 「それなら早く言ってくださいよ 1 」 フェクトフリ 突破することも出来た。 ーズで 2 回死ん それでも気合でチルノを倒した。パ だが、ギリギリ 1 回残っていた。自分の霊夢さんも心なしか満身創痍 2 「制上の魔精— Water Magus 」 後ろで先輩達がやるやん ! とテンション高めに自分のプレイを見守だった。 っている。 — 3 「紅色の境 5 Scarlet Land 」 害りと出来るのではないだろうかと心持ちテンションを上げていた どうやら縦にたくさん落ちてくるらしい。動かなければ良さそうな 069 青春

7. 二次創作部東方「感謝」合同(仮)

人から同じくってわけ。」 「せいっ ! ( 凵立 0 ) はあっ ! ( 凵立さ ) 」 今なお轟音を起こし空気を振動させている張本人、聖白蓮が拳で鐘 「そう・ : 、で、ここでサポってるってわけ ? 」 を突いている。 少しくらい。で ? 霊夢は何しに来たの ? 」 「いいじゃない、 「何やっているのよあなたは : : : 」 「紫の気まぐれで色々なとこ廻るのよ。あんたたちのところも行こう 声をかけるとこちらに気づいたのか鐘を突く手を止め振り向いてく と田 5 ってたけどちょうどいいわ」 「あら霊夢さん、いらっしやっていたのですか。」 二人がよくわからない表情をしている。 「ええ、少し前からね。それで、あなたは一体何をしていたのかし 「主人にいつも郷の保持に貢献してくれてありがとうって伝えて頂 .4 乂 0 「見ての通り、感謝の 1 万回正拳突きですよ。」 さっきにも増して変な顔になった。ああもう最初から説明するか : 問いかけると鐘をベタベタ触れながら答えてくれた。 「わかったわ。」「ええ、伝えておくわね。」 「正拳突きって : : : また唐突な話ね。一体何があったのよ。」 あれ、あっさり受け入れられた。 「私もよくわかっていないのですが、なんでも今日は感謝を伝えると 「まあいいわ、よろしく頼むわね。」 良いと聞いたので、私なりに考えてみた結果です。」 で、それでねその時姫様が・ : 」「えつほんとに厚こ そう言いつつ拳を鐘に叩きつける。近くで聞くとなおうるさい。 こんなんでもいいでしよ、次はどこへ行こ、つかしら。 「まあその話が伝わっているのなら話は早いわ。異宗派のあなたに伝 えるのも癪だけど。 そういえばこの近くには命蓮寺もあったわね。丁度いいわ、次はそ こにしましよ、つ 「どうしました ? もしかして私に感謝の正拳突きですか ? もちろ 宝船が寺にトランスフォームし人里に居を構えた仏教の本陣、命蓮んそれなら抵抗しますよ、拳で。」 寺へと向かう。敷地もそこそこ広く寺だけに物静かな雰囲気を醸し出「違うわよ ! 言葉よ ! 言葉 ! とりあえす里のバランスの一角を 担ってくれてありがとう〇以上よ ! 」 している。では早速。 「あらあらまあ、お気持ちはありがたく受け取っておきますね。」 「お邪魔しま 1 す : ・ツ ゴーン、丁寧に鐘を突いて答えられた。 敷地の中に入った瞬間謎の衝撃が飛んでくる。弾、光、そして物理、 : ところで他の奴らの姿が見えないけどどこに 「確かに伝えたわよ : そのどれでもないそれは。 ごうおん 行ったのかしら ? 」 「ものすごい轟音ね : ・誰か戦っているのかしら。」 「星たちなら用事で出払っていますよ。」 結界で音を遮断していて気づかなかったが人 3 人分の大きさの鐘と 「ああ、なるほどそうだったのね。」 こ宀丁んでいる人物が目に入った。 それを前 : イ る。 094

8. 二次創作部東方「感謝」合同(仮)

りの妹じゃない〇、 しつの間に後ろにいたのよ。」 「えっ ? 私すっとあなたの後ろにいたよ ? 気づかなかった ? 気づか 「はー疲れたわー。こんなに動いたの異変の時ぶりかしらね。」 なかったよね ? わー 大成功 ! 」 「おう、おかえりだ霊夢。どうだ ? 楽しかったか ? 」 黒の丸帽に青色の第三の眼が特徴的な覚妖怪が後ろに立っていた。 神社に戻ると魔理沙が出迎えてくれた。しかもお茶まで淹れてくれ ている、ありかたし 「お姉ちゃんがね ? ク私みたいな嫌われ者には無縁の日ですクって 一「ロって部屋に閉じこもっているのよ。」 「そうね、何か当初の目的から外れた気がするけれど概ね満足した 「ちょっ、こいし様そこにいらっしやるんですかしかも隠してい たことまでどうして : 「それは良かった。後で私にも話を聞かせてくれよな。 なんだか聞かなくてよかった事を聞いてしまった気がする。 そういえばこいつも随分長い付き合いよね。私がこの服を着る前か 「ま、まああの異変の時も別にあんた達が原因じゃないしそれにここ らだったかしら。あまり昔だから覚えてないけど。そうね、魔理沙に の管理もしつかりしてるわけだしそこのところは助かってるわよ。だ も一一一口くらい言ってあげても良いわね。 から出ておいで 5 。」 「そういえば紫から聞いたけど今日はなんかめでたい日らしいな ? 感 冗談を言った所でそろそろ神社に戻りましようかね。一通り周った 謝が 5 とか。霊夢、お前が居てくれるおかげで今の私があるくらいだ、 ような気がするし。 ありがとな。そしてこれからもよろしく : : なんてな ! お、どうし 「私もついていこうかな 5 こっちのほうがなんか楽しそうだし。」 た ? 目がまんまるだぞ。」 「あんたは姉のところに行ってあげなさいどうせしばらく帰ってな 「な、なんでもないわよ ! 」 いんでしよう。」 びつくりした : : まさかそんな一言葉がスラスラと出てくるなんて、 「えーしようがないなあ、じゃあまた後でね ! 」 構えてなかったからドキッとしちゃったわ。言ってもらったからには また後で。はて何人かにそんなことを言われたような。まあいいカ 私も返さないとね。 地上に戻ろう。 「魔理沙、私もーーー。」 その時である〇 なんだかんだで色んな所に行ったわね。幻想郷も結構広いものね。 いるよなー 「たのもー 霊夢いるかー 多分まだ行ってないところもあるしそのうち行きましようかね。 「チルノちゃん ! 待ってー ! 」 「ふう、あとは神社に帰るだけ : : : あら、何か来る前と景色が違うよ 「はしゃぎすぎると転ぶわよールナみたいに。 、つな。」 元気いつばいの妖精が。 出てきた時はこんなに桜が咲いていなかった気がする。とりあえす「やっと着いた 1 、荷物多すぎますよ幽々子様。わざわざ素材を持っ 戻ってから考えよう〇 てこなくても : : : 。」 おおむ 099 巫女感謝の日

9. 二次創作部東方「感謝」合同(仮)

沢外ア 山来ン ののタ 人電が 思前と波通 いに話塔信 出流せし しれるよ た着式う のいな てん使 たでつ 俺は外の世界で奴らに 叩かれながらも楽しい 毎日を過ごしていたんだ そんな毎日も いきなり終わった 「俺は忘れられる」 ここに来たときそれを 察して絶望したんだ 4 ノノ 一霧タ / 第ん もう一度思い出して もらおうと幻想郷に 呼び出した : たカ , り 、 C こーソんいエ・ ここの結界は電波なんて力も あんな変態集団も通さない それでもアレを使えたのは 小さな神様が宿っていたから 知っていたのか・ 同情した神様がおカ添え してくれていたのよ 後でお礼しときなさい 誰があんな神様考えたのかしら : 新三月精第十話 アンタは忘れられたの ! 一私に倒されてその事を 受け入れなさいⅢ・ 目が : でも結局忘れられたまま : 無駄な足掻きだった みたいね

10. 二次創作部東方「感謝」合同(仮)

「あたいも、あたいも最強の妖精になれるのか ? 」 跡稀な湖で静かに暮らす。 チルノちゃんのあんまりにもチルノちゃん的な質問に、思わす手を 何処までも突き進むチルノちゃんに置いて行かれる心配もない。死 に物狂いで強くなろうとして、頑張ってチルノちゃんが苦手な炎を使チルノちゃんの頭に乗せていた。 いちべっ 「きっとなれるよ。はじめに、そこらにいる蛙を凍らせたり融かせた っても、一瞥もくれて貰えす蹴散らされる苦しみを味わう必要もない。 じゃない ? 」 り、そんな冷気を使う練習でもしたらいい 何もしなくても、追いかけなくても、チルノちゃんの側に居られる。 たたただ、普通の妖精らしく、この湖で。 / ハよ。 私の話が終わると、チルノちゃんは練習用の蛙を探すためにさっそ 「最強の妖精 = = = 最強さんの口癖は勿論『最強』だ 0 た。どんな遊びく飛び出していた。ちび 0 子もついて行こうとするが、今度は私の手 を避けられすあっさり捕まった。 でも勝っことを目指していた。でも所詮は妖精だから、当然負けるこ とも、逃げることもある。そして勝つまで何度も挑む。あの子は必す「お前はこっちだ」 生気がない淀んだ湖の空気は、並の妖精にとっては決して気持ちい ほしいものを手に入れる。そうしてわき目も振らすに歩き進んでいる ましてや発生して間もない幼い妖精だと、この空気 いものではない。 うち、気付けばあいつは妖精のくせに、妖怪や人間みたいな格上の相 はもはや毒にも等しいだろう。その上、冷気渦巻くチルノちゃんの隣 手とも対等に戦っていたよ」 に何時間もやせ我漫で突っ立っていたのだ。ちびっ子の体は既に芯ま 私は、最強のチルノちゃんが好きなんだ。 で冷え切っていた。 思えば、この話を一番聞いて貰いって欲しいのは他でもないチルノ くせに、それでも側にいるために無茶をしやがる。私に擱まれ ちゃんだった。でもチルノちゃんの前で最強の妖精の話をする、そん たちびっ子は逃げるどころか、もう身をよじる程の力すら残ってない、 な告白まがいな話、チルノちゃんに聞かせるなんて出来る訳がない。 ただぶるぶる震えていた〇 それを過去のチルノちゃんに聞いて貰えることが出来て、これでよか この様子ならどうせもう長くはない。私の手でわざわざ排除する必 ったかもしれない。 要もないだろう。 それから、今から遠い未来に起きる数々の異変の話。 「火を起こすから温まっていろ。今から服、作ってやるから」 チルノちゃんが初めて異変解決者の前に立ちはだかった話。 えんま チルノちゃんが閻魔から説教を喰らった話。 夜。湖の白い靄を遠目に、パチパチと薪が爆ぜ、焚き火が揺れ動く。 。こいだらばっちを探す冒険に出た話。 里から貰ったマフラーを分解して、人形サイズの簡素な防寒服に作り 私を含めた色んな妖精と戦争していた話。 変えた。その服を着たちびっ子は、焚き火の暖かさで静かに寝ていた。 そして気付けば、異変を解決する側に回っていた話。 畔でチルノちゃんに膝枕してあげるのは至福のひとときだが、今隣 「そんな最強の妖精のことを、私はずっと、すっと : : : すっと追いか にこいっしかないのは残念という他ない。 けていたんだ」 106