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検索対象: 二次創作部東方「感謝」合同(仮)
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1. 二次創作部東方「感謝」合同(仮)

巫女感謝の日 せろり 「霊夢、今日は感謝の日にしましよう。」 かわかっているのか ? 楽しみだぜ久々に腕が鵈る。」 藪から棒に、スキマから紫が、突然そんなこ どうしたものかと悩んでいると紫がニコニコ顔でこちらを見ている とを言いながら現れた〇 私が言えってことらしい。 「何よ急に、あんたにいつもありがとうって言え 「で、どうなん「あー魔理沙今回は異変なんかじゃないわよ。」だ ばいいの ? 」 「それはそれで良いのだけれど今回は違うわ。」 目の前の適任者、魔理沙がキョトンとした顔をしてこちらを見てく ( 遅、つらしい 「そうね、とりあえす今までの異変で会った人妖「自機として呼ばれたんじゃなくてそこの不気味な笑みをしている妖 に挨巛タしてきなさい。」 屋に留守番役として呼ばれたの。」 嫌だ。面倒くさい。 「なるほど、そういうことか。」 「言わなくても顔に出ているわね : ・。たまには良「ん ? やけに物分りが良いわね。」 いじゃない、幻想郷を廻るのも。それに貴方ここし 「つまり私に後ろを預かってくれってことなんだろ ! 任せておけ ! ばらく神社から出ていなかったでしよう ? 」 直接弾幕えないのは階しいがわざわざ私をご指名とあらば仕方がない 「平和でいいじゃない、それに留守番はどうする のよ、あんたがするの ? 勝手に戸棚とかあさら 本当にこいつが適任だとは思わなかった。紫まだ笑ってるし。もう、 ないでね。」 仕方がないなあ。 「あら、乗り気になってくれたのかしら、そこは 「分かったわ行ってくれば良いんでしよ、行ってくれば。 大丈夫よ適任を呼んでおいたわ。」 「ええ、行ってらっしやし 、。少ししたらまた会いましよう。」 と言ってスキマの穴を開けたところからよく知 また会う気なのか。まあいいやサッと行ってサッと戻りましよう。 る人物が落ちてきた。 「異変と聞いて飛んできたせ ! 」 里に降りてくるのも久しぶりね。 適任という言葉を辞書で引き直してほしい。 ますは適当にぶらついて : ・あら ? 「まさかこいつが留守番で呼んだ娘 ? 」 「あ、霊夢だ」「本当だ。珍しいわね」 かんみどころ 「そうよ、これ以上無いほど適任でしよう ? 」 里の中程にある甘味処に見覚えのある人妖を見つける。 もういいや面倒くさい、そう思っていると留守 「あんたたちも結構珍しいじゃないの。どうしたの ? 主人から追い 番に適任な奴がまくし立ててきた。 出された ? 」 「なあなあ今回はどんな収なんだ ? もう場所と 「違うわよ、私はお師匠様にお使いを頼まれたの。そしたら妖夢も主 る。 093 巫女感謝の日

2. 二次創作部東方「感謝」合同(仮)

ハラソルに声を掛けると返事が帰ってきた。 、 ) 麦まどまた会うだろうからな、次のところへ向かいたま よま亠めしし / イ ( 「あなたが来るのがわかっていたから準備しておいてあげたのよ。あ りがたく思いなさい霊夢。」 「何よ引き止めたり止めなかったり、それに行く先々で私の行動先読 紅魔館の主である吸血鬼、レミリアスカ 1 レットである。 みされてる感じがするんだけどあんた何か聞いてるの ? 」 「紅茶も用意したのだからありがたく飲んで行きなさい。」 「私は何も ? なんとなくわかるのだよ。 「あらそう、なら同席させていただくわ、そういえば咲夜の姿が見え 疑間をぶつけてみたがはぐらかされてしまった。まあ確かにここに ないわねいつも隣にいるのに。」 居続けても何もなさそうだし、わかってるならこっちも手間が省ける いつ見ても後ろに彼女のメイド、十六夜咲夜がいるはすなのだが今 し。 日に限っておらすレミリア一人だった。 「じゃあ私はもう行くわね。」 「そうね、咲夜には少しお使いをしてもらっているわ。しばらくした 「うむ、次の者の所でも楽しくな。」 ら帰ってくるでしようし気にしなくていいわよ。」 「ええ、そういえばなんであんた一人だけで突っ立ってたの ? 」 ところで何で私が来ることがわかっていたの ? 何か行く 「留守番〇」 先々で似たようなリアクション取られたんだけど。」 そ、つ : 紅茶を飲みながら他と同じことを聞いてみる。なんかこの紅茶変な 味がするんだけど : なんだかんだで今まで異変で相手した人妖ってたくさんいたわね。 「さあどうでしよう、私は客人が来る運命が視えただけよええ。」 廻るだけでも結構な人数だわ。次は : : : あの館でいいわね。 そう言って紅茶をすするレミリア。なんだかこっちのことチラチラ 人里から少し離れたところに存在する湖。紅霧で幻想郷が覆われた見てくる気がする。 「じゃあ私はこれで行くわね。ごちそうさま。」 異変の時真っ赤な館が中心部に引っ越してきている。 紅茶を飲み干して席から立とうとするとレミリアが慌てだした。 「あの吸血鬼も結構長いわね、あの霧を最初に出してきたのはいつの しいと思わない 「ちょっと待って霊夢もう少しお話してっても、 ことだったかしら〇」 そんなことをばやきながら紅い建物、紅魔館の門を空から跨ぐと館れにまだ感謝の言葉聞いてないし : : : 。」 ん ? ちょっと聞き捨てならない一一口葉が の前の庭にガーデンテ 1 プルが置かれているのに気づく。 「ちょっと ! 今感謝云々って言ったわよねやつばり聞いてるんじゃ 「昼間から外に出てるなんて珍しいじゃない、健康的な生活でも始め ないの ! 」 る気 ? 」 やつばり紫のやっ根回ししてたんじゃないの。まあ確かにあまり外 「そんなんじゃないわ、ただの気まぐれ、たまにはこういった趣があ に出てなかったから顔出すのは悪くないけど : しいじゃない そ 096

3. 二次創作部東方「感謝」合同(仮)

拝啓、愛しい貴女へ kiri gad whilder 拝啓木枯らし吹きすさぶ頃となりましたが、 拝啓澄み渡る夜空に瞬く星が一層美しい季節となりましたが、い しかかお過ごしでしよ、つか かかお過ごしでしよ、つか 手紙の書き方が書かれた本を片手に何度も書き直しては、こうして 月日が経つのは早いもので、あの家出騒ぎから も、つ一年となりました。 貴女に送っています。 ほとばりが冷めるのを待っていたわけではあり 実はこの手紙も、もう十枚目になります。送っていない手紙の方が こ、つして多一いと思、つと、少し情けなく思います。 ませんが、お互い頭も冷えた頃と思い 筆を取っています。 先日、初めて博麗の巫女様にお会いしました。 最近奇妙な物が森で見つかるからその調査だとおっしやっていまし 前々からお父様とは魔法の道具に関する扱いで 喧嘩はありましたが、 あそこまで大喧嘩になると は思っていませんでした。 珍しい物好きの貴女のことですから、きっと探しに向かっているの 今更何を言っても遅いのでしようが、いっか仲でしようね。 直りする日がくればと思っています。 博麗の巫女様に会うことがあれば、いつも感謝していますとお伝え ノださい その時はまた、三人で食事をしたいものです。 それでは手紙の返事、お待ちしております。 貴女にも怪我がないよう、神社でお願いをしておきます。 それでは手紙の返事、お待ちしております。 敬具 敬具 062

4. 二次創作部東方「感謝」合同(仮)

どうやって入ってきたのかはわからないけれど、私が出るとなるとそ うはいかない 出口の扉に触れただけでひどい痛みが走るのだ。 「やってみなきやわからないんじゃないかな、ほら」 「え、ちょっとまっ・ 「わわっ、大丈夫 ? 」 急に手を引っ張られて転びそうになっては、こいしさんが支えてく れる。 冫かい。支えてくれている彼女は、見た目私と同じくらいだと いうのにしつかりと支えてくれる 「ああ、ほらおいで ? 」 私だってそれなりに力がある方だとは思ったのだけど : : 。私の腕 を掴む彼女はとても力強かった。彼女と一緒に扉へ近づくと、過去の 一「ⅱ憶かぶり返す 「やつばり無理だよ、その扉は : : : 」 しかし、彼女は止まる気もなくふいに目を瞑ってしまう。 一歩。また一歩。歩いては。来る痛みに身構える。 : おかしい。 もうとっくに扉を越えたはすなのだ。だというのに 痛みどころか部屋の中では感じられなかった風が吹く。 びくつきながらも目を開いてみると。 懐かしい風景が広がっていた。もう何十年、いや何百年も見ていな い自室以外の場所。ふと横を見ればにこやかに笑う彼女の姿があった〔 ) 「ね ? 大丈夫だったでしょ ? 」 「一体なにをしたの ? 」 「ん 1 。なんとなく ? 」 なんとなくで越えられたというのもおかしいがそれよりも、今は部 屋を抜け出せたことに興奮を隠せないでいた。 「ほら、うちへ案内するよ〇こっち」 そのまま引きつられては館の外へと飛び出して行くのだった。 「ああ、 いないのバレたら怒られちゃうな」 なんて不安もあるけれど、今は彼女に連れられて久しぶりに外へ飛 び出すのが楽しかった。 こいしさんについていくと、どうやら洞窟 ? のようなところを通 しばらくすれば、町へと出る。地下だというのにかなり広い。 「ど、つして : : : ? 」 074

5. 二次創作部東方「感謝」合同(仮)

ともする気分ではないので : : : 」 そうですか、と言いながら椛は業務に戻っていき、にとりはうっす らと涙を浮かべながら、雛はそんなにとりに寄り添うように、山を下 りて行った〇 : これでいいんですか ? 」 文がばそっと呟いた〇 「上出来じゃない」 どこからともかく亠円 . か聞こ、んる。 「なにを、企んでるんです ? 」 さっきまで自分が登っていた木に寄りかかりながら声をかける。 なにも企んでないわよ」 いつの間にか、紫が反対側にいた。 「そう、私はなにも企んではいないわ、友人との約東を守っているだけ」 「そうですか : : : その割にはあちこち根回ししてるみたいですが : ・」 「気のせいよ」 そういって紫は自分のスキマに消えていった。 「やれやれ、どうしてこうも幻想郷の賢者というのは裏で動くことが 好きなんですかねえ : 文がムマ度は北冂中に衄り掛ける。 「ねえ、摩多羅隠岐奈さん ? 」 「なんの事かな ? 」 「魔理沙さんのことも背中から覗いてたんじゃないですか ? 」 「残念ながら、彼女は死んだよ。この目で見ていたからね。やれやれ、 後継者探しをまたしないといけないか」 「 : : : 異変起こすのだけは勘弁してくださいね」 ドアをノックする音でハッとする 「お邪魔するわよ」 幽香がノックをしたと同時に家の中に入ってくる。 「ちょっと、ノックと同時に入って来ないでよ」 反対側を向きながら必死に涙を抑えるアリス。 「あら、魔理沙がいなくなって寂しいだろうと思ってきてあげたのに その言い方はひどくないかしら ? 」 風見幽香、幻想郷中の花とともに回る花の妖怪である。 「べ、別に寂しくなんか : : : 」 ねえ、どう思う ? 魔理沙が死んだなんて : きっとそんなの嘘よね : だってあんなに魔法の勉強をしていたのに : そりや、最近にしくて全く会えてなかったけどさ : あんまりにもひどすぎない ? こんなのってないよ : 上海にひたすら話しかけるアリス。 端から見れば異様な光景かもしれない しかし、アリスにとってはこれが並日通 : こちら、アリス邸 コンコン : なのかもしれない 082

6. 二次創作部東方「感謝」合同(仮)

可より弾の量が違った。 しいらしい。 曲も背景も全然違うかったが、イ をかわせば、 何あれ。 なんか赤いのがもう 1 人 ? 出てきた。あーちょっとまってそれはす 避けれると思えないようなのをギリギリで避けてかわしていく。 、。いつばい出すんじゃねってまた当たったよはーほ るいするいするし っと映るので、これがポムなのだろう。そうする 時折顔写真がバ 1 んと意味わからんってこれ反則だろおいおいおい画面全部弾みたいな と、ピンクのタオルみたいな人 ? が出てきた。 もんじゃんはーするって死ぬ死ぬ死ぬ。は ? は ? は ? お前そのヒラヒ ロイヤルフレアって出てる時に動きすらしないと思ったら下がった ラするのアカンってマジでこれ一般人が避けれるものじゃないって口 りくるくる回ったりしてたりとよくもまあそんな動きが出来ると少し ポじゃないんだぞ俺 俺は感、いした。 ってあー : 再び消えたと思ったら、き、来た。こ、これが最終鬼畜道化師の元 「お疲れ様。あれを避けて避けて一番奥にいるのが最終鬼畜道化師の の曲・ : なんて」 曲なんだよ。僕も倒したのはあんまりない , なんか感動した。音もなんか古つほいし、特別うるさいわけでもな 「お、おう : : : お前のプレイも見せてくれよ。最終鬼畜道化師が聞け い。メロディアスな曲。なのに聞き入ってしまった。 る方で」 画面では忙しなく剣みたいなのを虹みたいなのがプンプン振り回し 「わかったよ : : : でも倒せる自信はないからね ? 」 ている 「いいよ。どうせ俺より上手いだろ」 ー画面になった。 その、っち俺と同じゲームオー 「それは : 「ごめん : : : クリア出来なかった : : : 」 「否定しないのかよ」 可よりあんな しいよ ! 最終鬼畜 : : : じゃなかった・ Z ・オーエンは彼女 少し得意げな顔をしているのに若十苛ついていたが、イ なのか ? が聞けたんだから。もう俺満足だわ」 難しいゲームでクリア出来ると思わなかった。意気揚々と日陰者はデ 「そう ? この 2 つは布教用サ 1 ビスってことであげるよ」 イスクを入れ替え、今度は紅いソフトからディスクを取り出し、あっ 「マジで ? もらっていいの ? 」 という間にゲ 1 ムを起動させた。 「うん。クリアしたら教えてね」 「やつばりこの赤いのが出てくるんだな」 と、言い残し日陰者は俺の家から去っていった。 「それは博霊霊夢っていうんだよ。幽霊の霊が 2 っ並んでる」 クリアしてね、とは言われたものの俺にはあれをクリア出来るとは 「ほーん : : : って違うじゃん。見たぞ ? 俺見たぞ ? 幽霊の霊じゃ 奄よオーエンは彼女なのか ? を聞けたことに満足 底田 5 えなかった。ー ( なくて綺麗とかの麗だっただろ」 して、 O ラックに仕舞って中学生の間それを取り出すことはなかっ いやああはは : : : 」 そうはいいながらも俺が始めたのと違う場所からキャラクターを選た。日陰者ともそれつきりだった。 択し、やつばりれいむを使って始めた。 067 青春

7. 二次創作部東方「感謝」合同(仮)

「なぜか最強さんの話 : : と、あの夜のチルノさんのダンスだけ、鮮 元々キスのこと以外でこの時代に干渉するつもりなかったし、これ 明に覚えてるの。その時の私の気持ちも」 にて一件落着で、この時代に属さない私はこの時代のチルノちゃんの 私はロを噤んで、ちびっ子の話を促した。 前から姿を消すべき時だと判断した。 「最強さんのことすっと追いかけていたって言ったよね。振り返って と言っても、別に元の時代に帰る訳ではない。なにせ光速を超えた ほしいって、待ってほしいって、思ったことある ? 」 テレポートに過去に戻る力があっても、未来に飛ぶ力はない、 「じゃあ聞くけど、ここ数日、チルノちゃんがお前のことを案じたこ幸い、チルノちゃんを遠くから身を隠しながら見ているだけで幾らで とが一度でもあったのか ? 」 も段を潰せるので、ざっと三百か四百年待っくらいは苦にはならない もっとも、この時間に属さない私が一回休みしたらどうなるのかは見 「よく覚えてないですが、たぶん : : : 一度もありませんね」 「そういうことだ。つまるどころ、私たちの想いは一方的。あの子は当もっかないので、今は大人しくしている。 時間だけがいつばいあるから、暇をしている時間で私なりにあの瞬 あくまで一人で自分の道を歩いてるつもりで、私たちは勝手に付いて 間のこと、そしてあれからのことを理解しようとしていた。 行くだけ。振り返ってほしいって言っても、待ってほしいって言って も、あの子の耳には入らないんだよ」 結局、あの瞬間になにが起きたかというと。 ます、あのちびつこは、間違いなく、過去の私だろう。私が危うく 「思うだけなら勝手じゃん。思ったことすらないの ? 」 「そうね。 : 思わないよ。たぶん、あの子が振り向かないからこそ、何度も自分殺しをやらかす所だが、考えてみれば確かに、完璧で最強 すっと前だけを向いて進むからこそ、私はあの姿を見ていたいと、思 な妖精であるチルノちゃんの隣に、私みたいな凡庸極まりない雑魚妖 、つから」 精がいること、客観的に見ればかなりムカつく。 「苦しそう」 あのキスは、つまりなんらかの植物の妖精だった私が、この生気が 「苦しいよ、とーても。あの子は決して振り向いてはくれない。だか薄い霧の湖では生活出来ないはすだが、チルノちゃんとのキスはそれ ら、後ろからじゃなくて、横からでもなくて、見てもらいたいならあを可能にする奇跡だった。 の子の前に出るしかない」 その奇跡とは、ちびっ子だった私の「チルノちゃんに付いて行きた 「それでも追いかけるの ? 」 い」という一念で、元々普通の妖精だった私はあのキスで別の何かに 「ほら、あれだ〇妖精は自分のテリトリから、離れられないんだろ なった。不自然な冷気、自然の具現であるはすが自然から大きく離れ、 う ? そういうこと。ここからはお前の時間だ、ゆっくり苦しめよ」 もう一つの自然を形成したチルノちゃん。私はその現象、すばり「氷 精のチルノ」という自然現象の妖精になったんだ。 ◇ しかし「妖精の妖精」という、妖精として歪んでいる形の所為で、私 にはあるべき名前がなかった。名前と引き換えに、チルノちゃんとの あの後、私は断腸の思いで、チルノちゃんに別れを告げた。 絆を手に入れたと考えれば、安いものだ。 109 名無しの妖精の物語

8. 二次創作部東方「感謝」合同(仮)

い紅色が乗る。日頃の行いを鑑みても美人というのだろう。 やや天然が入った残念美人だ。それに今回は想いの伝え方も下手と い、つステータス 「本当貴女達似たもの同士ね : : : 正直呆れるわ」 「え ? 「なんでもないわよ しかし、レミイへの贈り物ねえ。珍しいものならなんでも受け取り 八月十五日。この日は人里から妖怪の山まで騒がしい そうなものだけど実際あの子何が好きなんだろう。 中秋の名月、十五夜の日。夜になれど暑苦しい八月の宵を明るく照 「苦い食べ物以外でいつもと違うものならなんでも喜ぶんじゃない ? 」らす満月は人も妖怪もざわめくのだろう。 ましてや我が娘か孫のように接してる咲夜からの物だ。あの子若干 ここ紅魔館も例外ではなく、屋敷全体を使った月見夜会を開いてい 親バカみたいなところあるものね。 「珍しいものですか ? う 1 ん : : : 」 「結構集まったわね」 犬をばら撒いたとはいえまさかこのよう 「ま、そうそう出てくるものじゃないわよね。何も珍しい物にこだわら 顔見知りやそれ以外に招待 なくても咲夜からのならなんでも受け取ると思うわよ ? あの子」 な日に早くから紅魔館へ訪れる者がこうも多いとは思わなかった〇 こんなに人が集まったのは月面侵略以来だろうか ? 「 : : : そうだ、新しいプローチをあげたいです。お喜びになられます でしよ、つか : : : 」 いや、開会の時間書いていたはずなんだけど早すぎないかしら : 「いいんじゃないかしら。なんなら設計図みたいなものを描いてきて 「やあレミリア。飯食いにきたせ」 くれたら私が作ってもいいわよ ? 」 いつもの面々その一魔理沙が堂々とたかり発言をしにきた。 「え、えっとそれなら : : : 作ってくれます : : : ? 」 「ええ、こんな蒸し暑い夜にわざわざ来たんだもの。その無礼極まり 見るからに嬉しそうである。機械的だと思えばこういう人間らしさ ない発言は聞かなかったことにしてあげるわ。寛大な王に感謝しなさ もある。この子はよくわからないな。 「ええ、構わないわよ」 やれやれといった表情を見せた後、簡単な挨拶を済ませた魔理沙は 「わかりました ! すぐにでも用意してきます ! 」 人混みに紛れていった。 「作りがいがあるものを期待しているわ」 「お嬢様、そろそろ主催の挨拶を」 。それでは失礼します」 「そうね、じゃあちょっと着替えようかしら」 銀色の天然奇術師はそうして私の部屋を出た。 純白のヘッドドレスとパーテイドレスを紅色の装飾品で飾り付ける〔 ) もっともシンプルで私らしい衣装だと思う。 月は人を狂わすというけれど十五夜の月夜にうちの問題児その 1 と その 2 がこうしてドタバタしてるのだから本当なのかもしれない そういえば、問題児その 3 は大人しいな。暴れられても困るけど姉 なんだからレミイも少しは気遣ってあげればいいのに。 113 純白のダリアを授けましよう

9. 二次創作部東方「感謝」合同(仮)

「では、そうですね。お酒でも用意しましようか。ワインと日本酒、 昨夜のお話です。とても寂しい夜でした どちらにいたしましよう ? 」 咲夜は、付き合いますよ、と続けてほほ笑んだ。 紅魔館二階のテラス。そこは、レミリアのお気に入りの場所で、昼 「 : : : そうね、じゃあ日本酒にするわ」 は騒がしい幻想郷が寝静まった頃、彼女はそこで夜風にあたって物思 「あら、珍しいですね。いつもはワインなのに」 いにふけるのが日課だった。 「だって、貴女は好きでしよう ? 日本酒」 しかし、普段なら心が落ち着くその月明かりが、今日はやけに寂し ふふっと笑うと、咲夜はその場に消える。数瞬、お待たせしました。 く感じて、なかなか落ち着かない。あまりの静寂に思わず、咲夜と、 と再び現れた。その右手には日本酒が、そして左手にのせていた盆の 従者の名前を呟いて、レミリアは、はっとした。時刻はとっくに深夜上には。 を回っており、人間である咲夜は今日の激務を終え、明日に備えて眠「なんでワイングラス ? 」 っている時間帯である。レミリアの、少し震えていた声音は、誰にも 「あら、うつかり。普段と違うから間違えてしまいましたわ」 届かすに夜の闇に静かに溶けていった。 冗談か、それとも寝ばけていて本当にうつかりしていたのか。咲夜 いつも、自分の呼び声に、誰よりも早く応えてくれる彼女の存在の のどちらとも判断がっかない表情に、レミリアは苦笑いをした〇 大きさに、レミリアは改めて気づく。明日会ったら、ありがとうと伝 「さて、では頂きましようか」 、んよ、つ。絶対に、明日、んよ、つ。そ、つ、レミリアが、いに決めたところ そ、つい、つと、 " 峡 ~ 攸はおもむろに、ワイングラスに日・不酒を【ぐ。 で。 「え、本当にそれで飲むの ? 」 「遅くなりました、ご用件はなんでしよう ? 」 「あら、別にワイングラスで日本酒を飲んではいけないなんてルール レミリアの右後ろに、当たり前のように立っていた彼女は、いつも はありませんよ。お嬢様も頑固ですね」 より少し乱れた髪で、そう応えていた。 二人は静かに笑った。寝ている皆を起こさないように。 「咲夜 : : : なんで ? 」 「懐かしいわ。貴女と出会った夜も、こんな月だったわね」 「流石にこの時間に呼び出されると、少し準備に時間がかかってしま 「そうでしたか ? 憶えていないです」 います。なんて言ったって、ぐっすり寝ていましたから」 そろそろ時計の針がてつべんを回ったころだろう。昨日、「明日一言 「そうじゃなくて、なんで起きているの ? 」 おう」と、いに決めたことも、今日なら言える。頑固なレミリアは一つ 息を吸って。 「そりゃあ、お嬢様が私を呼ぶ声が聞こえたら、飛び起きますわ」 そ、つ、とレミリアは一一「ロ、つと、観念したよ、つに続けた。 「咲夜、いつもありがとう」 「少し寂しくてね、話し相手が欲しくて、つい貴女の名前をこばして しまったのよ。まさか、聞こえていたとは思わなかったけれど」 051 東方一葉集 ~ 感謝異変十話

10. 二次創作部東方「感謝」合同(仮)

「そうね、急よね。でも人間なんていっ死ぬかわかったものじゃない もの。案外簡単にほっくり逝くものよ」 「 : : : 妖屋ね。どこの妖屋よ。退治しに行くわ」 : 言えないわね」 「なんでよ ! 魔理沙が殺されるくらいカのある妖怪を野放しになん 「弾幕ごっこでの事故、だそうよ」 「だからそれを誰か言いなさいって : : : 」 「ただの事故、殺意があってやったわけではないわ。キチンとル 1 ル し力な にのっとってやっていた。それを退治させに行かせるわけには、 「それなら私の得意分野だわ、私が : : : 」 「あなたの個人的な感情で動けると思って ? 」 「 : : : 何が言いたいのよ」 紫の言いたいことは霊夢にもわかっている。左手に持ったお祓い棒 を、ぎゅっと握りしめながら : 「あなたは博麗の巫女なのよ ? それが個人的な感情で動いてごらん なさいな。幻想郷のバランスが崩れるわ」 思わす悔し涙を浮かべながら、顔を背ける霊夢。 「しばらくおとなしくしていなさい」 「 : : : 分かったわよ」 あんた、そんな簡単に死ぬやつじゃな ( ど、つい、つことよ魔理沙 : いでしよ、つ : ・ ) 霊夢の背中はわなわなと震えていた。それが怒りなのか、悔しさな のか、哀しみなのか : 「魔理沙が死んだって本当かい、慧音 : 妹紅が慧音の家を訪ね、開口一番に慧音に聞いた。 「ああ、どうやら本当らしい」 慧音が寺子屋の子供たちのテストを採点しながら答える。 「随分とあっさりなんだな、意外だよ」 : そ、つだな : いまいち実感が湧かなくてね」 「そ、つか ? 「私もだよ」 「妹紅は置れてしまっているからだろう」 「いや、そういう訳でもないと思うんだ、不思議と今回は穏やかな気 持ちになってるんだよ」 妹紅が首をかしげながらそう呟く。 「妹紅がそういうならもしかしたら生きているのかもしれないな」 「ど、つかな。確伝旧も何もないからなあ : : : 」 「とりあえす葬式には行くだろう ? 」 「もちろんさ : : : 最後の顔を見に行かなきゃな : 妹紅と慧音は何かが引っかかっているようですね。 紅魔館 「フランお嬢様、そろそろお部屋からでてきてはどうですか : 咲夜が地下室の前のドアでそう声をかけている。 「嫌よ ! 絶対に出ないわ ! 魔理沙がいない世界なんて信じられな いもの ! 」 「フランお嬢様・ : 」 「どうしたのよ、咲夜」 079 魔理沙は流れ星