神奈子 - みる会図書館


検索対象: 二次創作部東方「感謝」合同(仮)
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1. 二次創作部東方「感謝」合同(仮)

「普通の女の子だったよ。友達が何十人かいて、親友が何人かいて、 しる しなかったはずだけど、何度か気になる人がいるとは、言っ 恋人は、、 風が記 ていたな。本当に普通の人生だったよ」 私達が見得るということを除いては。 守矢神社に続く長い石段、その上から二段目に腰かけて、早苗はど 神奈子は、重苦しい声音でそう付け加えて、続けた。 、、皮女の手には箒が握られてお こを見るでもなく、空を見上げてした。彳 「私たちが幻想入りするためには、私たちの記録を全て消して、世界 り、掃除の最中だったことがうかがえる。 から忘れさられる必要があった。だから早苗には、私たちの事を忘れ 「早苗、大丈夫— ? 」 て外の世界に残るか、自分が世界から忘れられて一緒に幻想郷へ行く 「手が止まっているようだが、体調でも悪いか ? 」 か、その選択を強いることになってしまった」 その二つの声に驚いたように、早苗は勢いよく立ち上がった。 早苗は、その神奈子の吐露を、黙って真摯に聞いていたが、そこま 「神奈子様、諏訪子様。いえ、少し休んでいただけです」 で聞くと、それで、私の答えは。と絞り出したような声をだした。 「またまた。何か考え事していたんでしょ ? 」 早苗はすぐに境内へ駈け出そうとしたが、諏訪子の声を聞いて、す「神奈子様と、諏訪子様の為ならって、笑顔で言ってくれたよ。積み 上げてきた人生を、全て捨てる覚悟を決めるなんてことは、普通の女 ぐに止まった。そして、恐る恐ると言う風に振り向いて言う。 の子には簡単に決められるはすもないのに」 あ、ばれていました ? 早苗はそう言って、えへへと笑顔を浮かべ 「神奈子はね、怖かったんだよ。外の世界のことを聞いて、早苗が後 ていたが、やがて諦めたように、ロを開いた をすることがね。そして、自分たちが恨まれることも」 「お二人に隠し事なんて、通じないですね」 こんなのが大和の神なんて、笑っちゃうよね。と諏訪子は言ったが、 「ああ、すっと一緒にいるからな」 本人の表情は重苦しいものだった。 神奈子のその言葉を聞いて、早苗は一つ息をすった。 「神奈子様、諏訪子様、そんな暗い顔をしないでください。私は、安 「私には、外の世界の知識はありますが、外の世界の記憶がありませ 心しているんです。私が今も昔も変わらないことに。たとえ今同じこ ん。空を見るとどうしても、偶に田 5 ってしまうんです。外の世界で、 とを言われても、私は同じ答えをだします。だから」 私はどう生きていたのかを」 ありがとうございます。その言葉は、神奈子に遮られた。 そして、意を決したように続けた。 「すっと一緒に居てくださったお二人に、お願いがあります。外の世「それは、私たちが一言うべき言葉だよ。早苗は私たちの事を信じてく れたのに、私は早苗の事を信じてやれなかった。すまなかった。そし 界の私の事を : : : 教えて頂けませんか ? 」 て、私たちについてきてくれて、本当にありがとう」 早苗の真剣なまなざしを受けた二柱は、顔を見合わせる。諏訪子は 神奈子の瞳に迷いを見出して、諦めなよ。と声をかけた。そして神奈 子は意を決したように、ロを開いた 054

2. 二次創作部東方「感謝」合同(仮)

ったわね。 : あそこ勝手に入って良いんだっけ。 「そこの紅白」 「霊夢じゃないか、珍しい」 妖怪の山の中腹にある大穴。地上からでは底を見ることすらできな 足を進めると左右から声をかけられる。 いほど深く続いている。この先に地底の妖屋たちが住まう地獄が存在 「わざわざ他の神が住むところに足を踏み入れるとはな、どうした ? する。 弾幕遊戯でも所望か ? 」 光も通さない暗闇を降りていく。どれくらい深くまで来たか分から 「あー、神奈子は何も聞かされていないから気にしなくていいよ。そ ないかそのうちたどり着くだろう れより早苗だろ ? 今出かけていてここには居ないよ。」 「暗すぎて結界で飛んでいけないのは不便よねえ。あ、そろそろ着く 「あらそうなの、それで諏訪子は一体何を聞かされてるの ? 」 わね。」 ここまで来たらどんな風に伝わっているか興味が出てきた。 ここまでくればあとは着地着地。ここの空気じめってて好きじゃな 「霊夢と弾幕ごっこすると運気が上がるって、勝っとなんとレアなセ いから早く地上に戻りたいわね。 リフが霊夢からもらえるだって。」 しばらく歩くと明かりとともに建造物が見えてくる。地底人の住居、 早苗 ? まあいいや : : : 彼女は平常運転なんだろう。それはともか 旧地獄街道だ。 く神奈子は知らなくても弾幕ごっこしようとしてたのか 近づくにつれてここに住まう鬼たちの喧騒が聞こえてくる。少しく 「まあまあ折角だから私達と遊んでいきなよ。久しぶりの弾幕遊戯だ、 しいかと思ったが、今回はそのまま通り過ぎることに らい見ていても、 楽しみたいじゃないか。」 「ああ、ゆっくりしていけ。次の主役を早苗に譲るくらいにはな ! 」する。見たところ顔見知りもいないみたいだし。 街から離れたところにひときわ目立っ洋館が建っている。地底世界 二柱が戦闘態勢に入ってしまった。ここで時間食ってる場合じゃな 。目も変わらす誰も寄り付かない の管理者の住まう館、地霊殿である不 , いんだけどなあ : 一気に片を付けて次に行きましよう。夢想 為怨霊ですら周りに居ない。中にはいるんだろうけど。 「いやーやつば敵わないねえ。さすがは博麗だわ。」 いるんでしよう ? 家探しするわよー。」 「お邪魔するわよ 5 さとり— 「私はまだ余力を残しているがな。まあ今日はこれくらいにしておい しよ、つがない適当に回るか 誰も反応してくれない。 てやろう。」 「はいはい聞こえているよ、わざわざ巫女が来るなんて。あたいたち 弾幕ごっこが終わる頃にはズタズタにされた二柱が居た。二対一は 何もしていないよ。」 厳しいと思ったがなんとかなるものね。ゃーっと次に行けるわ。 扉を開けて中へ入ろうとしたところ中から声を掛けられる。 「今日は楽しかったよ、ありがと霊夢 ! 」 「悪いけど今はさとり様は外出されていてここには居ないよ。さあ帰 ( したまには弾幕ごっこするのは楽しいわね。良ければまた った帰った。」 いっかね〇」 一一柱に背を向けて山を下る。次はどこへ行こうか。あっ、地底もあ「しようがないわね : : : 帰るわよそれで良いんでしよってあれ、さと 098

3. 二次創作部東方「感謝」合同(仮)

腰をおろした。 そして妖夢はふと、もう一つの可能性に気付いて、呟いた。 「それか、つまみ食いってことも、あるかも」 今日買ってきたのは数日分の食材なのだが、それを全部つまみ食い 「幽々子様、ただ今戻りました」 されてしまってはかなわないと、妖夢は頬を緩ませた。 そう妖夢は一言うと、主の影をいつもの縁側に認めて、ばたばたと駆 けていった。 妖夢は、幽々子が料理をしている所を見たことがない。妖夢が任さ しお肉がれている役目は、あくまで庭師と剣術指南だけなのだが、あのふわふ 「今日は、野菜が安かったんですよ。それにですね、結構い、、 手に入ったので、今日は鍋に : : : 」 わした性格を見ていると、どうしても不安になってしまって、色々と 手伝ってしまう。はたして、どんな料理が出てくるのか と、そこで妖夢は、あれっと漏らした。 一面に桜が見えるそこは、幽々子のお気に入りの場所で、いつもな 妖夢は、縁側にこしかけて、しばらくは両足を交互にぶらぶらしな ら彼女はここに座って、お茶を飲んで妖夢の帰りを待っているはすだ。 がら待っていたが、やがてこくこくと、転寝を始めてしまう。 しかし今日は、そこに幽々子の姿はなかった。 次に妖夢が覚醒したのは、鼻孔をくすぐられた時だった。 妖夢はなんとなく、幽々子がいつもそうしているように、縁側に腰「あら、おはよう」 掛ける。ちょうどその時、ふうと吹いた風が、花びらを散らして、妖「おはようございます : : : 幽々子様 ? 」 夢の視界を桜色に染めた。 「ふふ、ちょうど晩御飯が出来たところよ。妖夢の鼻は随分といいの ね。お腹が減っていたのかしら」 「あら、お帰り妖夢。遅かったわね」 奥のふすまから、ひょこっと顔をだした幽々子は、いつもの笑顔で 違います。と妖夢は強く否定しようとしたが、ぐううと腹の虫が鳴 いてしまったため、頬を赤らめて、黙って食卓について座った。 妖夢に笑いかけていた。 「幽々子様、そんなところで何しているんですか」 「今日のお鍋は随分と豪勢ですね : : : まさか全部使ったんですか ? 」 幽々子は、うふふと笑って、「内緒」と口に人差し指を当てた。 「あら、今日買ってきたのは今日の分だと思って」 「三日分の食糧です ! 今度からは、やつばり私が料理しますから」 「妖夢はそこでお花見でもして待っていてね。あ、あと今日買ってき しいじゃない。妖夢は憶えてないかもしれ た食材、いただくわよ」 「ふふ、まあ今日ぐらい、 そういって、さっきまで妖夢が持っていた食材が入った荷物を持ち ないけど、今日は妖夢がうちに始めて来た日なのよ」 上げると、幽々子は再び、ふすまの奥へと消えていった。 えっと目を丸くした妖夢は、幽々子の顔を見つめた。それに気づい 内緒、と言われても、あの襖の奥は台所で、食材を持って台所へ入た幽々子は微笑む。そして、再び風になびいた落花を背にして。 っていったのだから、料理をする気なのだろう。少し心配だったが、 「妖夢、 しつもありがと、つね」 主人が待っていてといったのだ。妖夢は大人しく、少し浮かしていた 桜の記憶 052

4. 二次創作部東方「感謝」合同(仮)

純粋な棘 サード愛 昼の食事の時間。こいしがいない。昨日は厳しくしすぎただろうか 今日の朝もこいしは不機嫌そうで、私と口をきいてくれなかった。い つか来ると思っていたが、もうこいしが地上に出たいと言い始めると 「もうやめて ! 」 は。あの子は素直な子だから、地上にいる人たちの心なんて読んでし 私は勢いよく身を起こす。胸が押しつぶされる まったら。あの子を守るために、こいしは地上に出してはいけない。 ように苦しい。暑いわけでもないのに汗が噴き出わざわざ地上になんか出なくても、あの子が求めるものは与えてあげ てくる。あれから何度目になるだろう、私はこれているのだから。 トラウマ から何度この悪夢にうなされるのだろう。私がこ の悪夢から解放される日はいっか来るのだろうか 「さとり様」 「あらおりん、こいしのこと見なーーー」 「さとりさま ! 大丈夫ですか ! 」 後ろから声が聞こえ、振り返ると立っているのは顔面蒼白のおりん 猫耳と二本の尻尾をつけた少女が心配した様子だった。 で駆け寄ってくる。 「大丈夫よおりん、少し変な夢を見ただけだから」 「本当に大丈夫なのですか あれからさとりさまはよくうなされて」 「おりん」 「その話は止めてくれるかしら。 喉が渇いたから飲み物を持ってきてくれると嬉 しいわ」 「わかりました。申し訳ありませんでした」 感謝の気持ちが私は嫌いだ 軽く発言される感謝の言葉が嫌いだ 感謝の言葉を発しながらも 本心は分からないのが嫌いだ でもそれは本当に些細なもので。 そんなものよりも私が嫌いなものは 「申し訳ありません、申し訳ありません」 私のせいだ。私のせいだ。私のせいでこいし様が。 さとり様申し訳ありません。申し訳ありません。 どんな罰でも受けます。申し訳ありません。申し訳ありません。 「おりん、あなたどうしたの ! こいしに何があったの ! 」 「こいし様が、こいし様が」 「こいし様ばかりじや分からないわ ! 何があったのか話してちょう おりんが部屋を出ていく。あの子が本当に心配してくれているのは 分かっている。でもその心が本当の、嘘偽りがないものだからこそ私 はその心に苦しめられるのだ〇 087 純枠な棘

5. 二次創作部東方「感謝」合同(仮)

「じゃあロ師ろ、つかしら」 いじわる」 幽香は死に置れているのだろうか。それともアリスをからかうこと で気を紛らわしているのか 「幽香は寂しくないの : : : ? 「どうかしらね。少なからす上海にすっと話しかけてるあなたよりは 平気ね」 ・ : なんで知ってるのよ」 顔を真っ赤にしながら、つつむくアリス。 「あら、ほんとにやってたの ? ふふ、昔のあなたみたいにかわいい わね」 「何しに来たのよ。全く : 「ん 5 ? からかいに」 「帰って」 昔馴染みのアリスと幽香にも、傷は残りそうです。 場所は戻って博麗神社。 霊夢は姿を見せていないが、萃香が忙しそうに里の人間に指示を出 し、葬式の準備を進めている。 「霊夢はいるかしら ? 」 「おや、竹林のお医者様じゃないかい、やつばり遺体はお宅のとこだ ったんだね〇」 萃香が永琳に声をかける。 「ええ、魔理沙の遺体をもってきたのだけれど。どこに運べばい ) かしら」 「そっちの本堂に安置しておくれよ」 「分かったわ。優曇華、てゐ、頼むわね」 「わ、わかりました」 「さすがに二人で運ぶのはしんどいと思わないかい ? 鈴仙 : : : 」 聞こえても知らないわよ」 「しつかり聞こえてるわよ、私には」 輝夜が後ろから声をかける。 「姫様は、まあやることやっててくださいな」 てゐが腕をプルプルさせながらも輝夜に答える。 他にも、秋姉妹やネムノ、他にも料理に腕があるものは仕出しの準 備を。 秋の姉妹ももうすぐ冬だというのによくやるものです。 他にも、少しでも手伝いたいという気持ちを持ったものは何かしら の準備をしているようだ。 みんなが準備に追われる最中。裏の方で霊夢と幽々子が対峙してい 「魔理沙と弾幕 ) 」っこをしたのは : : : 幽々子ね ? 」 霊夢がお祓い棒を突きつける。 「さあ、どうかしらね ? 」 幽々子が扇子で顔を仰ぎながら笑顔で答える。 いいけどね : : : 私も少し落ち着いたし : : : 」 : ど、つするつもり ? 」 「私がやったって言ったら : 幽々子が不敵な笑みを迎える。 「今更どうもしないわよ : : : すっと引っかかってるものはあるけどね 083 魔理沙は流れ星

6. 二次創作部東方「感謝」合同(仮)

「なぜか最強さんの話 : : と、あの夜のチルノさんのダンスだけ、鮮 元々キスのこと以外でこの時代に干渉するつもりなかったし、これ 明に覚えてるの。その時の私の気持ちも」 にて一件落着で、この時代に属さない私はこの時代のチルノちゃんの 私はロを噤んで、ちびっ子の話を促した。 前から姿を消すべき時だと判断した。 「最強さんのことすっと追いかけていたって言ったよね。振り返って と言っても、別に元の時代に帰る訳ではない。なにせ光速を超えた ほしいって、待ってほしいって、思ったことある ? 」 テレポートに過去に戻る力があっても、未来に飛ぶ力はない、 「じゃあ聞くけど、ここ数日、チルノちゃんがお前のことを案じたこ幸い、チルノちゃんを遠くから身を隠しながら見ているだけで幾らで とが一度でもあったのか ? 」 も段を潰せるので、ざっと三百か四百年待っくらいは苦にはならない もっとも、この時間に属さない私が一回休みしたらどうなるのかは見 「よく覚えてないですが、たぶん : : : 一度もありませんね」 「そういうことだ。つまるどころ、私たちの想いは一方的。あの子は当もっかないので、今は大人しくしている。 時間だけがいつばいあるから、暇をしている時間で私なりにあの瞬 あくまで一人で自分の道を歩いてるつもりで、私たちは勝手に付いて 間のこと、そしてあれからのことを理解しようとしていた。 行くだけ。振り返ってほしいって言っても、待ってほしいって言って も、あの子の耳には入らないんだよ」 結局、あの瞬間になにが起きたかというと。 ます、あのちびつこは、間違いなく、過去の私だろう。私が危うく 「思うだけなら勝手じゃん。思ったことすらないの ? 」 「そうね。 : 思わないよ。たぶん、あの子が振り向かないからこそ、何度も自分殺しをやらかす所だが、考えてみれば確かに、完璧で最強 すっと前だけを向いて進むからこそ、私はあの姿を見ていたいと、思 な妖精であるチルノちゃんの隣に、私みたいな凡庸極まりない雑魚妖 、つから」 精がいること、客観的に見ればかなりムカつく。 「苦しそう」 あのキスは、つまりなんらかの植物の妖精だった私が、この生気が 「苦しいよ、とーても。あの子は決して振り向いてはくれない。だか薄い霧の湖では生活出来ないはすだが、チルノちゃんとのキスはそれ ら、後ろからじゃなくて、横からでもなくて、見てもらいたいならあを可能にする奇跡だった。 の子の前に出るしかない」 その奇跡とは、ちびっ子だった私の「チルノちゃんに付いて行きた 「それでも追いかけるの ? 」 い」という一念で、元々普通の妖精だった私はあのキスで別の何かに 「ほら、あれだ〇妖精は自分のテリトリから、離れられないんだろ なった。不自然な冷気、自然の具現であるはすが自然から大きく離れ、 う ? そういうこと。ここからはお前の時間だ、ゆっくり苦しめよ」 もう一つの自然を形成したチルノちゃん。私はその現象、すばり「氷 精のチルノ」という自然現象の妖精になったんだ。 ◇ しかし「妖精の妖精」という、妖精として歪んでいる形の所為で、私 にはあるべき名前がなかった。名前と引き換えに、チルノちゃんとの あの後、私は断腸の思いで、チルノちゃんに別れを告げた。 絆を手に入れたと考えれば、安いものだ。 109 名無しの妖精の物語

7. 二次創作部東方「感謝」合同(仮)

十六夜ってそんな意味だったのか。初めて知った。 ハチェに何個か候補を出してもらってその中から気に入ったのをつ けたから意味なんて聞いてなかったわ。 「十六日かあ。そうね、あの子には少なからす、いえ大いに感謝をし ているわ」 あの馬鹿でかい館の掃除や食事やと咲夜にはずっと世話になってる から何かしてあげるのも構わないわね。よく私の我が儘にも付き合っ てくれるし。 でも、今更私が何かしたところであの子は喜んでくれるかしら ? な んでも自分でできるのだから他人の施しを受け取っても微妙な気持ち になりそ、つだけど : 「普通に感謝パーティでもなんでもすればいいんじゃない ? 」 「 : : : そんなもんかしら。うん、そうね。十五日と十六日は咲夜への 日頃の感謝を込めて私直々にもてなしてあげるとするわ」 あ、館が馬鹿でかいのは元はと言えばあの子が自分でやったことじ ゃない 「ということがあったのよ」 「ふーん。だったらレミイ、貴女が自分で考えなさいよ」 「だって今までそんなことしたことないからわかんないんだもん」 周りにもてなされることやもてなさせることはあったけど自分から 自分以外の生き物をもてなすことはしたことがなかった。 なので他人、ましてや人間が喜ぶような事はわからない 1 ティ開いて今まで咲夜がしてたことをレミイか 「はあ : : : 普通にパ すればそれでいいのよ。あとは花でも贈りなさいな」 0 「そんなもんでいいのかしら。もっとこう : : : 」 しいのよそんなんで。あの子か 「貴女、変なところでチキンよね : らしたらレミイが自分のためにしてくれたっていうことだけで十分だ と思うわよ ? だって我が儘お嬢様が誰かのために何かをしたって天 変地異が起きるわよ」 確かに一理あるが、喧嘩売ってるのかしらこの魔女は。私だってた まには他人の為に行動するわよ。 しかし、花か。人間は事あるごとに花を贈る習性があるって聞いた しし力もしれない しそれは、、、 「そうね、難しく考える必要はないかもしれないわね。で、その花っ ておすすめはあるの ? 」 「それなら : : : 」 「何 ? ・レミイにり・物 ? ・」 「はい。お嬢様に贈るなら何が喜ばれるでしよう ? 」 何かデジャヴを感じる質問だ。何故こうもうちには自分の気持ちを 素直に伝えることのできない輩ばかりなのだろうとっくづく思う。 人間でも妖怪でもその変なところは変わらないようだ。私もいっか こうなってしまうのだろうか ? そう、五百年ほどすれば。 「・ : ・ : それまたど、つして ? 」 ためら 彼女は少し躊躇いながら答える。 「それは : ・私はお嬢様に拾われた身。名前を頂き使用人ではなく家族 のように接してもらっています。なので日頃の感謝を込めてですね 白い頬が少し紅潮する。透き通るような肌と悪魔を祓う銀の髪に薄 112

8. 二次創作部東方「感謝」合同(仮)

私あの子のこと 産んでたかも しれない : 落ち着いて 子供出来たなんて お母さん聞いてないわよ 帰って , 3

9. 二次創作部東方「感謝」合同(仮)

い紅色が乗る。日頃の行いを鑑みても美人というのだろう。 やや天然が入った残念美人だ。それに今回は想いの伝え方も下手と い、つステータス 「本当貴女達似たもの同士ね : : : 正直呆れるわ」 「え ? 「なんでもないわよ しかし、レミイへの贈り物ねえ。珍しいものならなんでも受け取り 八月十五日。この日は人里から妖怪の山まで騒がしい そうなものだけど実際あの子何が好きなんだろう。 中秋の名月、十五夜の日。夜になれど暑苦しい八月の宵を明るく照 「苦い食べ物以外でいつもと違うものならなんでも喜ぶんじゃない ? 」らす満月は人も妖怪もざわめくのだろう。 ましてや我が娘か孫のように接してる咲夜からの物だ。あの子若干 ここ紅魔館も例外ではなく、屋敷全体を使った月見夜会を開いてい 親バカみたいなところあるものね。 「珍しいものですか ? う 1 ん : : : 」 「結構集まったわね」 犬をばら撒いたとはいえまさかこのよう 「ま、そうそう出てくるものじゃないわよね。何も珍しい物にこだわら 顔見知りやそれ以外に招待 なくても咲夜からのならなんでも受け取ると思うわよ ? あの子」 な日に早くから紅魔館へ訪れる者がこうも多いとは思わなかった〇 こんなに人が集まったのは月面侵略以来だろうか ? 「 : : : そうだ、新しいプローチをあげたいです。お喜びになられます でしよ、つか : : : 」 いや、開会の時間書いていたはずなんだけど早すぎないかしら : 「いいんじゃないかしら。なんなら設計図みたいなものを描いてきて 「やあレミリア。飯食いにきたせ」 くれたら私が作ってもいいわよ ? 」 いつもの面々その一魔理沙が堂々とたかり発言をしにきた。 「え、えっとそれなら : : : 作ってくれます : : : ? 」 「ええ、こんな蒸し暑い夜にわざわざ来たんだもの。その無礼極まり 見るからに嬉しそうである。機械的だと思えばこういう人間らしさ ない発言は聞かなかったことにしてあげるわ。寛大な王に感謝しなさ もある。この子はよくわからないな。 「ええ、構わないわよ」 やれやれといった表情を見せた後、簡単な挨拶を済ませた魔理沙は 「わかりました ! すぐにでも用意してきます ! 」 人混みに紛れていった。 「作りがいがあるものを期待しているわ」 「お嬢様、そろそろ主催の挨拶を」 。それでは失礼します」 「そうね、じゃあちょっと着替えようかしら」 銀色の天然奇術師はそうして私の部屋を出た。 純白のヘッドドレスとパーテイドレスを紅色の装飾品で飾り付ける〔 ) もっともシンプルで私らしい衣装だと思う。 月は人を狂わすというけれど十五夜の月夜にうちの問題児その 1 と その 2 がこうしてドタバタしてるのだから本当なのかもしれない そういえば、問題児その 3 は大人しいな。暴れられても困るけど姉 なんだからレミイも少しは気遣ってあげればいいのに。 113 純白のダリアを授けましよう

10. 二次創作部東方「感謝」合同(仮)

ねえ、本当にこれでいいの ? あの一一人はきっと絶望するわ 構わないわ、それに ~ 私たちの目的は既に果たれた ええ、あの・子は今での代の中で (. 1 3