重なり合い - みる会図書館


検索対象: 月刊 みんなねっと 通巻第76号 2013年 8月号
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1. 月刊 みんなねっと 通巻第76号 2013年 8月号

図 1 アスペルガー障害の双生児の脳体積減少部位 アスペルガー障害健常者 アスペルガー障害健常者 図 2 躁うつ病の遺伝子として見いだされた CACNAIC は 再発を繰り返すうつ病や統合失調症にも関係する 1 .2 1 .18 1 .14 8 1 .12 1 .06 1 .04 1 .02 1 0 6 2 ^ ′〔 6 0 4 あるとは一一一一口えないこと価することが大切で、改善があ になります。 れば続ける、改善が見られない 号 月 マー 1 里宀 9 発達障害に薬を処方のにどんどん薬が増量すること 年 するかどうかは議論が は避けるのがいいでしよう。 ありますが、おそら 統合失調症と、発達障害には っ く、全く出してはいけ重なり合いがある。でも、以前 ね ない、何か飲まされてに統合失調症と躁うつ病と、再ーな み いるのなら止めなさい 発性のうつ病には重なり合いが 4 0 、トつも 2 6 0 4 8 という意見は間違いであるというお話もしましたね。 すが、効果もないのに 統合失調症と躁うつ病と再発性 うつ病の遺伝子を調べると同じ 処方し続けるのも間違 いです。 タイプの CACNAIC 遺伝子が関 、冫 わっていることがわかっていま 発達障害の人への 具お す ( 図 2 ) 。 薬の処方 左 精神医学の進歩と 発達障害の人に何か 精神病の垣根 薬を処方する場合には それで何か改善がある精神医学が進歩すればする程、 かどうかをきちんと評それぞれの精神病の垣根はそれ ほどなく、むしろす。これらは本当に原因の異な 重なり合いがこれる違う病気なのでしようか。 次回からは精神病と強迫性障 までに思われてい 害、パ一一ック障害、不安障害の た以上に大きいこ とに気づかされま重なり合いについて考えていき たいと思います。精神疾患には す。 また、強迫性障それほど多くの種類はないのか 害やパニック障もしれません。重なり合う病気 害、全般性不安障に関しては一つの病気の異なる 害も発達障害の人側面をみているだけなのかもし によくみられますれません。 カ こ こうした考え方は「単一精 し、統合失調症や っ 躁うつ病、再発性神病仮説」と呼ばれています。ーカ わ で 2013 年 9 月 9 日—川日に開 のうつ病の方に ま 匚も、強迫性障害、催されるみんなねっと大阪大会 ど パニック障害、全で、この単一精神病仮説につい 症 調 失 般性不安障害と同て解説します。 じ症状がみられる ことがよくありま 0 ( きくやまひろき )

2. 月刊 みんなねっと 通巻第76号 2013年 8月号

統合失調症は 新科室 号 どこまでわかったか 所医教 月 究阪学貴 研大医 年 学・神裕 神病経山 統合失調症と発達障害の 精山菊 阪武学 っ 過去と現在 大阿大 ね 亠な ん み もよくならなかったという経験も、それ以外は統合失調症と同 単純型統合失調症 を持っ方がいらっしやり、そのじ症状を持っという診断です。 という診断名 ようなことが再び起こらないよ確かに、統合失調症と発達障害 は幻覚妄想以外は症状が似てい うにしなければなりません。 前回、統合失調症と発達障害 ます。「過去には発達障害は幻 の遺伝子には重なり合いがある過去に「単純型分裂病」とい ことをお話しましたね。 う診断名がありました。ほんの覚妄想のない統合失調症と考え ただ、過去に日本の精神科医川年前位までは「単純型統合失られていた」ということになり 療の現場において発達障害の人調症」と発達障害の方が診断さます。 統合失調症の一種だと考えた が統合失調症と診断され、第 1 れることはよくあったのです。 から抗精神病薬が処方されてい 世代抗精神病薬の多剤大量投与「単純型統合失調症」という を受け、副作用ばかりでて、何のは幻覚や妄想はないけれどたのですが、しかし、発達障害 の人に統合失調症の治療薬を投 発達障害と統合失調症 アスペルガー障害と 与しても特に何も症状はよくな の関連性 統合失調症の場合 らないということも往々にして あったと思います。 発達障害と統合失調症は別の 先月の遺伝子的な関連だけで 発達障害の概念がこの川年で病気なのでしようか、それともはなく、発達障害の一種である 普及し、最近では「単純型統合やはり関連のある病気なのでアスペルガー障害と統合失調症 失調症」と診断されることはほしようか。 の脳体積減少部位はやはりオー とんどなく、発達障害の人に理発達障害の概念が提唱された ーラップが見られます。 由もなく抗精神病薬を処方され時には発達障害は統合失調症の 統合失調症は左上側頭回や右 ることも少なくなっています。 一部、あるいは関連のある疾患前頭前野の脳体積が減少するこ ただ、発達障害の人の中にはと考えられていました。それとにより幻聴や陰性症状が起こ カ 躁うつ病のような症状を持ち合が、その後にやはり別の疾患でるのですが、同じような場所の っ カ わせる人、強迫性障害の症状をあるとされるようになったので脳体積減少がアスペルガー障害 持ち合わせることがあり、そうすが、この数年間の研究の進歩の方でもみられるのです ( 図で した併存する症状がある場合に により再び発達障害と統合失調 1 ) 。統合失調症と発達障害の ど は薬剤が投与されることがあり症は関連性があることが示され人の症状に重なり合いがみられ。 ます。 るようになっています。 るのはやはり、統合失調症と発ー知 達障害の原因に重なり合いがあー統 るからであり、全く別の疾患で 連載⑩