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検索対象: 月刊 みんなねっと 通巻第79号 2013年 11月号
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1. 月刊 みんなねっと 通巻第79号 2013年 11月号

そのうえで、医療機関だけでな 利用、調理や片づけを覚えるたます。これからの日本の精神医 く、地域の支援が必要なときは、めの訪問介護 ( ヘルバー ) を利療の方向性を示すもので、良質号 月 相談支援事業者等を紹介しても用することになり、家族との定で適切な医療の提供を目指すも 年 ら , っことになります。 期的なタ食会も行うことになりのです。ぜひ注目してください。 そこでは、主治医に意見を求ました。 いずれにしても、重要なのは と めながら、本人、家族、病院の これは例えですが、このよう この指針をどのように実現して っ ね 退院後生活環境相談員と地域のに入院中から退院後に安心して いくかです。そのためには、国、 亠な 相談支援専門員で、退院後の生生活できるように準備を始める都道府県は財源を確保して、推み 活環境を整えることになりまことになるわけです。どうぞ、進するための体制を整備したう す。 退院後生活相談員や相談支援専えで、指針の内容を反映した計 例えば、一人暮らしの < さん 門員を遠慮なく活用していただ画をつくり、進捗状況を管理し の場合ですが、「まずは、日々き、家族が抱えている重荷を少なければなりません。 の暮らしに慣れて、少しずつ社しおろしていただければと思い 精神障害者への 会に戻りたい、家族とも仲良くます。 総合的な支援 したい」と希望していることが 精神障害者の医療の提供を わかりました。 来年の 4 月に施行される精神 確保するための指針の策定 そこで、話し合いの結果、退 保健福祉法ですが、施行後 3 年 院後は、外来への通院、薬の飲 これについては、本特集の河を目途に医療保護入院の手続、 み忘れを防ぐための訪問看護の崎先生の説明に委ねたいと思い 退院の促進の在り方、精神障害 者の意思決定及び意思の表明のきる人は増えることでしよう。 支援について検討して、必要が短期で退院する人への支援と長 あるときは見直しをすると規定期入院者を地域生活に移行する ための支援として、福祉政策の しています。 また、障害者総合支援法にお充実も欠かせません。 今回の法改正は、長年の課題 いても、施行後 3 年を目途とし て精神障害者支援の在り方につであった保護者の責務は外すこ とができましたが、まだまだ課 いての検討を加えることになっ ています。私たちは、良質な医題山積です。 この国は、どうも大きな改革 療を求めるとともに、精神障害 は難しいようです。一つずつ解 者の福祉政策の充実も求めてい 決していきましよう。 く必要があります。 私は、精神障害者への保健、 現在、 6 割の人は 3 か月で、 9 割の人が 1 年以内に退院して医療、福祉の総合的な支援につ いて、論点を今一度整理してお いますが、 1 年以上入院してい く必要があると思っています。 る人は万人います。 今回の法改正で入院時から退ぜひ、家族の皆さんのお考えも 院後を見据えた支援体制を整えお聞かせください。 ( いわがみよういち ) ることが進めば、短期に退院で メリデン版家族支援 ( ファミ リーワーク ) 導入のための寄 付のお願い この度、当会では、メリデン版 家族支援 ( ファミリーワーク ) を 日本に導入するため、海外から講 師を招いたり講演会や専門職の養 成研修会を開催していきます。し かし、開催には多くの費が掛か り、当会の運営状態では困難な状 況です。そこで、研修会開催のた めの資金を集めるため、寄付金を お願いすることにいたしました。 ご支援くださいますよう、お願い いたします。詳しくは、 6 月号の 特集「イギリスの家族支援視察」 をご覧ください。 名 者金 入募 ン 座デ 便メ 郵と っ 名 ね 座 - ■銀行口座番号 三井住友銀行池袋東ロ支店 普通 8 7 2 9 7 2 4 ー郵便口座番号 0 0 1 8 0—1 ー 5 1 3 0 4 8

2. 月刊 みんなねっと 通巻第79号 2013年 11月号

質の障害が症状に関わっているうつ病の人ならばだれでも不安り合いになっているのでしよう 障害の症状は持っているのが現か ( 図 5 ) 。 ことになります。 統合失調症の中に躁うつ病は 実です。これはどのような重な 合併率から考える 合併率についてもう一 度考えてみます ( 図 4 ) 。 強迫性障害の人は実に る変 % もの人がうつ病を合 けの 併します。パニックの人お常 に異 も実に約 8 % もの人がう 前走 つ病を合併します。しか療の 治維 し、うつ病の側からみるの繊 害経 と、うつ病の人でパニッ障神 性の クや強迫性障害を合併す迫質 強白 る人はそこまで多くはあ っ 0 りません。全般性不安障図 害の人は約 % がうつ病 を合併します。しかし、 うつ病の側からみると、 含まれる。躁うつ病で脳体積減ずしも強迫性障害やパニック障の 3 次元空間上で考える必要が 少がみられる場所はそこは必ず害ではないので、強迫性障害とあります ( 図 6 ) 。その人の症状、 パニック障害は、躁うつ病とうその人の経過からその人の脳の 統合失調症でも減っている。し かし、統合失調症で脳体積減少つ病の中間あたりに位置するとどこがどうなっているのかを考 がみられる場所は必ずしも躁う考えられます。これは 2 次元平える必要があるのです。 面で考えていますが、これを脳 つ病では減っていないから。 躁うつ病の中にうつ病は含ま れる。躁うつ病ならばうつ病工 ピソードが必ずあるが、うつ病 には必ずしも躁病エピソ 1 ドは ないから。 うつ病の中に不安障害は含ま れる。うつ病ならばだれでも不連 安障害の症状は持っている。し神 かし、不安障害の人は必ずしも うつ病ではないから。 図 強迫性障害 、パニック障害の 人はかなり高率にうつ病を合併 するけれども、うつ病の人は必 0.82 0.80 筋 078 0 , 7 の 074 072 07 0.660 0- 0 0 0- 0 0 0 》一 s コ P 0 ~ 一 ~ s コにも一 2 一 pe 区 0.640 Right midbrain 健常者 0.6 0.5 tg ml 「創 n 0 3 旧 um ロ強迫性障害の治療前 0 強迫性障害の治療後 a p く 0.001 , ANOVA with least significant difference post hoc test. b p く 0.05 , ANOVA with least significant difference post hoc test. Fan, Q. , Yan, X. , Wang, J. , et al.:PLoS One, 7 : e35889 , 2012. 図 4 不安障害患者におけるうつ病の併存率 ( 生涯 ) 50 ~ 65 % 2 ) パニック障害 (PI)) 全般性不安障害 (GAD) 8 ~ 39 % 3 ) 48 % D 「 - 、外傷後ストレス障害 (PTSD) ( きくやまひろき ) うつ病 社会不安障害 (SAD) 強迫性障害 (OCD) 34 ~ 70 % 5 , 6 ) 67 % 4 ) 1) Kessler ・ , R. C. et al. :Arch. Gen. psychiatry 52 : 1048 , 1995. 2 ) DSM-IV. 3 ) Brawman- Mintzer. et al. :J. CIin. Psychiatry 57 (suppl. 7 ) : 3 , 1996. 4 ) Rasmussen, S. A. et al. : Psych 叩 harmacol. Bull. 24 : 466 , 1988. 5 ) Van Ameringen, M. et al. : 」 . Affect. Disord. 21 : 93 , 1991. 6)Stein, MB. et al. :Am. 」 . Psychiatry 157 : 1606 , 2000 みんなねっと 2013 年 1 1 月号 32 33 統合失調症はどこまでわかったか

3. 月刊 みんなねっと 通巻第79号 2013年 11月号

の意見が出されましたが、医療えています。 サービスの提供に関する事項 の立場からも医療現場に混乱が来年 4 月の法施行に向け、必③精神障害者に対する医療の提 生じることを心配しています。要な医療が迅速に提供できるよ 供に当たっての医師、看護師 たとえば家族間の意見が一致しうに実効性のある省令、通知、 その他の医療従事者と精神保 ない場合には、入院について慎ガイドライン等の発出を厚生労健福祉士その他の精神障害者 重にならなければいけません働省に要請しなければなりませ の保健及び福祉に関する専門 し、そのことによって医療へのん。 的知識を有する者との連携に 導入が遅れることがあるかもし 関する事項 精神障害者の医療提供を れません。必要な時に適切な医 る ④その他良質かっ適切な精神障 確保するための指針 療が迅速に提供されなければな 害者に対する医療の提供の確考 て りませんが、今回の法改正によ 保護者制度の廃止の他に精神保に関する重要事項 っ りその点が後退したように感じ障害者の医療の提供を確保する の 4 項目について指針にその ます。 ための指針の策定が新たに条文内容を記載し、今後の施策で具 法 一部精神科病院への入院が容 に盛り込まれました。 体化をはかることになります。 祉 福 易になったとの論評があります 具体的には、 健 保 医療の立場からは が、精神保健指定医 1 名だけの①精神病床の機能分化に関する 神 精 精神病床の機能分化に注目 判断や現在の保護者の同意によ事項 集 る入院と比較して、より入院の②精神障害者の居宅等における 現在、記載すべき内容こっ、 ノしし特 判断や決定が難しくなったと考保健医療サービスおよび福祉て厚生労働省に設置された「精 確保するための策定が条文に盛医療保護入院時の保護者の同定医 1 名の判断での入院が検討 り込まれ、精神科病院の管理者意を削除する際に、精神保健指チームとして提案されました。 号 月 に対して、医療保護入院者の退定医 1 名の診断のほかに誰かのその時の議論の中では一般医療 年 においても医師が入院の可否を 院後の生活環境に関する相談及同意が必要ではないかとの議論 び指導を行う者の設置、地域援は、検討チームやワーキング決定し、本人のみならず家族も 助事業者との連携、退院促進のチ 1 ムにおいて活発に行われま入院の必要性を理解し承諾をすっ ための体制整備が義務付けされした。精神保健指定医 2 名によるとのプロセスがあるので、精な ました。 神医療でも一般医療と同じく家み る診断や入院後一定期間内の別 の精神保健指定医や医師による族の理解と協力が大切であると 保護者制度の廃止は 診断、精神保健指定医 1 名のの意見がありました。 評価されるが課題も残った つまり精神医療での家族の役 診断のほかに地域支援関係者の 今回の保護者制度の廃止は、同意や保健所、裁判所の承認等割を特別視せず、一般医療での 長年の家族会の念願がかなった多岐にわたる議論がなされまし家族の役割と同様であるべきと の点については検討チーム内で 点では評価されると思いますた。 の意見の一致をみていたと思っ が、家族等のうちのいずれかの 入院について慎重になリ ています。その意味においても 者の同意が要件となったことに 医療の導入が遅れる心配 対しては医療の立場からも大き 今回の法改正で、家族等のうち しかしながら現実的な実効性 いずれかの者の同意が要件とさ な課題を残したと思っていま す。 のある方法として、精神保健指れたことの是非については多く

4. 月刊 みんなねっと 通巻第79号 2013年 11月号

的家族療法 ( 家族支援 ) が有効人への医療の質の後退、また病 知っておきたい、 である。次回検討会で、家族支状が良くないにもかかわらず無 精神保健福祉の動き、 援も検討するよう発言しました。 理に家庭に帰すことが起きない また、地域移行支援の対象を矯かといった問題点と退院後の相 ■社会保障審議会障害者部会 正施設からの出所者も含めるよ談体制の必要性。②医療の中断 うにすることは賛成であるが、等家族が困ったときの居宅での 【第引回・ 9 月日】 相談支援の必要性。③医療だけ 議題は、①障害者部会の今後矯正処遇は刑期終了までという の進め方②重度訪問介護の対時間的制約があるので、早い時でなく、生活支援が必要である 象拡大③ケアホームとグルー期からの施設と地域の連携が必こと、そのために多職種による 訪問サービスが必要であり、家 プホ 1 ムの一元化について④要との意見を出しました。 族支援や生活支援など、医療に 地域移行支援の対象拡大につい て⑤障害支援区分への見直し 0 精神障害者に対する医療の提結び付くといったすぐに結果の 供を確保するための指針等に関出ないサービスも評価し診療報 について⑥その他でした。 重度訪問介護では、対象となする検討会【第 3 回・ 8 月日】酬に載せること。④当事者を含 む家族全体を支援するシステム らなかった難病等も加えるべき第 2 回・ 8 月 9 日】 この日は 6 団体のヒアリングが必要である。⑤当事者の高齢 だとの意見が出ました。当会は、 知的・精神等が加わることは歓が行われました。当会も今回意化に対応して、一般市民と同様 に高齢者施設を利用できる体制 迎するが、介護だけでなく訪問見表明の機会を得ました。当会 型支援においても本人を含めたの意見としては、①精神病床のを作ること、などを要望、意見 家族全体に対する認知行動療法機能分化に関し、長期になったを述べました。 他団体からは、精神科病床の月四日・ 9 月信日・ 9 月行日に調査結果や長期入院児に関する アンケート結果を資料として提 削減、その実践報告、訪問看護開催】 4 回では、盲人会・自閉症・出して、少しでも理解を深めよ ステーションの充実体制整備、 うとの熱意を感じさせました。 人材の育成推進、医療・保健・福肢体不自由児施設・ろうあ連 祉の役割の明確化と連携、居住盟・難病・疾病団体などからの厚労省から、今後の「地域にお 資源の確保などなど、多数の意ヒアリングが行われ、それぞれける障害福祉サービスなどによ 。しる支援」のイメ 1 ジ図が示され 見が出されました。それぞれのの立場から、 3 つの論点こっ、 団体がそれぞれの立場で出されての意見が述べられました。自ました。図の中で、精神科病院 閉症関係者から出された意見のや診療所から自宅・アパー た意見はなるほどと思わせる、 アウトリ 1 チ・救急医療・訪問 貴重な意見でしたが、ほとんど中で、特性として外見的に見分 の入院者が家庭に帰るという実けにくく、情報処理能力や人と看護訪問治療や支援が届くこと が必要であると意見しました。 態があるにもかかわらず、家族のコミュニケーションに障がい 結果、 5 回目、 6 回目の資料に のことに触れる団体はなく、まがある点が強調され、精神障が だまだ家族が意識化されていない者と共通する困難性であるとその意見が反映されました。 5 回では、まず厚労省の担当き いと感じました。当会としても思いました。その支援としては、 の 今後できるだけ家族の問題を発本人が心から納得できること、者から、各団体から出された論 祉 極めて高度の専門性を持っ支援点を整理した資料の説明があ福 言していきたいと思います。 保 職員が求められる事などが主張り、構成員による活発な意見交 神 換がありました。これまで重度精 ■障害者の地域生活の推進に関されました。 それぞれの団体が、あり方の肢体不自由者対象の「重度訪問 する検討会【 4 ・ 5 ・ 6 回 8 みんなねっと 2013 年 1 1 月号 2

5. 月刊 みんなねっと 通巻第79号 2013年 11月号

家族間のあつれきや長期入院の権者、扶養義務者、後見人又は保 いうことは言うまでもありませ 原因ともされてきました。 佐人。該当者がいない場合等は、ん。責務はなくなったが、同意 今回の改正では、家族の負担市町村長 ) のうちのいずれかの条項は残ったということです。 が大きいこと等を理由として、同意を必要としています。該当これに伴って、退院等の請求に 保護者に関する規定が削除され者がいない場合等は、市町村長ついては、従来は入院者本人と ました。これは、家族のみなさが同意の判断を行うことになり保護者でしたが、本人と家族が んの長年の並々ならぬ活動の成ました。 できることになりました。 果だと思います。 「えー」「なに ? 」「じえじえ 精神障害者の地域生活への じえ」という皆さん家族の声が 医療保護入院における 移行を促進するために 聞こえてきます。 入院手続等の見直し ここでの同意は、一般医療で 地域生活への移行をすすめる それでは、保護者制度の廃止の家族の役割と同様であるとい ためにとい , っことで、い / つか に伴って医療保護入院の手続きう説明がなされています。つまのことが新たに法律に規定され はどのようになったのでしよう り、他の病気で緊急の手術が必ました。 カ 要な際に家族が同意するのと同 まず、医療保護入院となると、 これはとても残念なことですじという考え方です。 病院管理者は退院後生活環境相 が、医療保護入院においては、 しかし、精神保健福祉法の場 談員 ( 精神保健福祉士等 ) を一 保護者が同意することはなくな合は、同意条項を規定するわけ人ひとりの患者さんに選任しま りましたが、家族等 ( 配偶者、親ですから、今後の検証が必要とす。退院後生活環境相談員は、 ( 地域にいる ) 相談支援専門員が退 院後の地域生活の支 援や相談にのります プラス ( 病院にいる ) 退院後生活環境相談 員が退院後の生活の 相談にのります ◎◎ 退院後の生活環境について本人 や家族の相談に応じてくれるこ とになります。 退活か また、本人や家族が求めると、 お生の 力し んし必要な情報提供等を行ってくれ ( どほ る地域の相談支援事業者等を紹 か介してくれることも規定されて 麦し います。これは、入院した時点 し る から、退院後を見据えた必要な 退。、 え 考 ) 活準備を始めることを意味してい て ます。 っ 入院時、皆さんの相談窓口と 正 ど 改 なるのは、退院後生活環境相談 員です。本人は、退院後にどん 福 健 な生活をしたいかを相談するこ 保 神 とができます。家族も本人にど 精 んな生活をしてほしいのか、家 族ができることや心配なこと等特 を相談できることになります。 みんなねっと 2013 年 11 月号 16

6. 月刊 みんなねっと 通巻第79号 2013年 11月号

神障害者に対する医療の提供をきると考えていますが、これまでないといけませんし、単に入 確保するための指針等に関するでに国により示されてきた精神院期間だけではなく疾病特性や号 保健医療福祉に関する提言や施状態像に応じた急性・慢性の議 検討会」で議論されていますが、 年 9 月末には指針案の中間まとめ策を踏まえた検討が重要であ論が必要となります。そして人 がなされ月中旬に指針案のとり、わが国の精神保健医療の改材や財源を効率的に配分し、地 りまとめがなされる予定です。革を推し進める指針でなければ域移行を進めるためにも段階的「 亠な に機能分化を進めるべきと思っ ん いずれの項目も精神保健医療ならないと考えています。 み また精神科医療サービスの提ています。 福祉の現状を向上させ、精神障 害者が地域で安心して暮らせる供側がそれぞれの医療機関特性平成年に精神保健福祉施策 体制を構築するために欠かすこや地域特性を生かせるような多の改革ビジョンが出された以 彩なロードマップが示されなけ降、さまざまな提言や報告書が とのできない重要なものであり ますが、医療の立場からは特にればなりません。つまり実効性出されてきましたが、精神保健 精神病床の機能分化に注目してのある指針でなければ意味があ医療福祉の現状はいまだ十分な りません。そして最も重要なの体制が構築されたとは一一一〔えませ います。 はこれらの施策が段階的に行わん。 実現するための財源を れ、これらを実現するための財今回の法改正を契機に充実し 確保し実効性のある指針に た精神保健医療福祉が実現する 源確保であります。 精神病床の機能分化についてことを願って止みません。 基本的には、法改正で指針の ( かわさきたつひと ) 策定が定められたことは評価では、機能分化が可能になる指針 イ = 日者制度について、ちょっ とおさらいしておきましよう。 精神保健福祉法では「保護者」 の責務として「精神障害者に治 療を受けさせること」、「診断が 正しく行われるよう医師に協力 すること」、「医療を受けさせる に当たって医師の指示に従うこ る と」、「精神障害者の財産上の利 益を保護すること」、「退院請求考 等の請求をすること」、「医療保 っ 護入院の同意ができること」等 した。 正 改 今回の法改正では、精神障害を規定しています。 保護者制度の廃止って ? 多くの場合は、この保護者を 者の地域生活への移行を促進す 福 健 皆さんご存知の通り、 6 月のるために、精神障害者の医療に家族の皆さんが担ってきたわけ 国会で精神保健及び精神障害者関する指針 ( 大臣告示 ) の策定、です。親はどんなに年をとって襯 福祉に関する法律の一部を改正保護者制度の廃止、医療保護入も重い責任を負わされ、また、 集 する法律が成立して来年の 4 月院における入院手続等の見直し患者さんも家族の同意だけで強 特 制的に入院させられたことで、 1 日に施行されることになりま等を行いました。 退院後の地域移行など 精神障害者に対する 総合的な支援の充実を 特定非営利活動法人じりつ代表理事 ( 精神保健福祉士 ) 山石上洋一 福祉の立場から

7. 月刊 みんなねっと 通巻第79号 2013年 11月号

静円健福羂去 - - 」る 、集 ということは、本人が治療を受 けることを拒否している場合、 親権者、配偶者、後見人、保佐 人か、それ以外の扶養義務者で 保護者制度は廃止されたが 家庭裁判所で選任を受けた人が 「保護者」となります。その「保 家族支援や訪問医療福祉へ 護者」が入院の同意をすれば、 の課題は変わっていない 本人が拒否をしていても「医療 保護入院」という形態の入院をる みんなねっと理事良田かおり一 え 考 させることができます。入院に て はこれ以外に本人の同意による っ 「精神保健福祉法」という法福祉法」に書かれています。日「任意入院」、都道府県知事の命 正 律を読んだという家族は少ない 常はあまり関係がないと思われ令による「措置入院」、緊急を でしよう。医療保護入院をさせがちですが、実は非常に関係が要する場合の「応急入院」が法 福 た時に「裁判所に行って選任のある法律です。 律に定めてあります。 健 保 審判を受けてください」と言わ 神 精 れ、驚いた人も多いと思います。医療保護入院 治療を受けさせる義務 集 実はそうした手続きが必要であ 特 ることなどが、この「精神保健前述の保護者の選任を受ける さて「保護者」となった家族 家族の立場から : ( 日勿 対今年 6 月の国会で、精神保健福祉法が改正され、 の 2014 年 4 月から実施されることになりました。わ たしたち家族にとって、長年の念願であった「保護者 制度の廃止」が実現するという歴史的な改正でありま した。 しかし、一方で、「医療保護入院」に関して、「家族 亠Ⅱ等のうちいずれかの者の同意」が必要とされました。 の義務はなくなったものの、家族同意が残ったことは極 めて残念です。精神科医療の強制入院に関して、どの 医 ように患者の人権を守るか、家族に依存しない制度に するかなど、さまざまな課題が残されました。 今回は、この改正について、家族、医療、福祉のそ 日笏 亠Ⅱれぞれの立場から、どう考えるか、特集してみました の みんなねっと 2013 年 1 1 月号 6

8. 月刊 みんなねっと 通巻第79号 2013年 11月号

医療体制の構築に向けた検討 チーム」が検討し、その結果が 平成年 6 月日にとりまとめ られました。 精神障害者に対する 検討チームでのとりまとめで は、保護者制度の廃止、医療保 医療の提供など 護入院の精神保健指定医 1 名の 実効性のある財源の確保を 判断での入院、早期退院を目指 る 公益社団法人日本精神科病院協会副会長河﨑建人した手続き、代弁者の選任等が 示されていましたが、今回の法考 て 律案では保護者制度は廃止し、 っ ご存知のように今回の精神保医療保護入院における保護者の 正 強制入院や保護者制度など 健福祉法の改正は、平成年 6 同意要件は外すものの、家族等 を見直し改正された法律 月四日に閣議決定された「障害のうちのいずれかの者の同意を 福 保護者制度の廃止を柱とした者制度改革の推進のための基本要件としました。 健 精神保健福祉法の一部を改正す的な方向について」の中に示さ また代弁者については、今回神 精 る法律案が、平成年 6 月日れた強制入院や保護者制度の見の法改正での導入は見送られ今 に衆議院本会議において可決成直しについて、厚生労働省に設後の検討課題とされました。さ特 立しました。 置された「新たな地域精神保健らに精神障害者の医療の提供を わらない制度にしていきたいと 改正全体を反対してしまって 家族支援・訪問医療福祉 の内容でした。 は、せつかくの「保護者制度」 号 への課題は変わらない 月 さて、法律の改正案が一小され廃止もなくなってしまう。究極 たのは年末でした。 の選択を迫られ、苦渋の判断を法律は変わりましたが、家族 しました。 「保護者制度」は廃止する。 の生活や当事者にしていること と 医療保護入院については、後見 「保護者制度」廃止は家族をが変わるわけではありません。 っ 人、保佐人、配偶者、親権者を安心させる、—oo 年にわたっ家族の大変さは実際の制度やな ん 含め三親等内のいずれかの家族て変わらなかった制度がなくなサービスのあり方が変わらなけ み の同意を入院の要件とすると、 しることをまず選択しました。 ればなくなりません。 う内容です。 そして附則で 3 年後の見直し 訪問医療や福祉は任意入院を 「保護者制度」はなくなりまを入れることを交渉し実現しま増やすでしよう。退院後の家族 したが、「医療保護入院」の「家した。 支援は家族全体を安心させ、再 族同意」は残りました。 改正案には、他に指針の策定入院も減るでしよう。医療保護 望まない入院への家族の同意や地域移行等重要なことが入り入院も「家族同意」をなくし人 は、その後の家族関係に影響し、 ました。これらはこうした事柄権に配慮した制度が必要です。 家族が退院を不安に思うようにを、十分当事者や家族のニーズまだまだ課題山積です。着実に しました。我々は、「家族同意」 に合ったものにしていかなけれ取り組んでいきましよう。 をなくすよう交渉しましたが受ばなりません。 け入れられませんでした。 医療の立場から ( よしだかおり )

9. 月刊 みんなねっと 通巻第79号 2013年 11月号

した。 2 日間の様子は、本誌 た。また、精神障がい者が雇用 卩い合わせ日本障害フォーラム 月号に、みんなねっと大阪大会率の対象にはいりました。今後ー 5273 ー oco— 特集としてお伝えします。 の課題はありながらも、批准へ ooo ーー 5292 ーー 7630 また、次回の全国大会は、石の条件が整いつつあるといえま 川県金沢市にて、 2014 年川す。では、障害者権利条☆ zzy ハートフォーラムのお 月日 ( 木 ) 日 ( 金 ) に開約の批准を推進するための全国 知らせ 催します。ご期待ください。 フォーラムを開催します。 うつ病は誰もがかかる可能性 テーマ「障害者権利条約の批准のある病気です。うつ病とっき と完全実施—国内法制の課題とあっていくために知っておきた 取り組み—」 い事柄をわかりやすく解き明か 基調講演「障害者権利条約批准します。 ☆日本障害フォーラム ( ¯)OI-L ) 後の国際的な義務や関わりにつ テーマ「うつ病と向き合う」 全国フォーラムの開催 いて」 ( 国連障害者権利条約委日時平成年Ⅱ月日 ( 土 ) 障害者基本法の改正や、障害 員会関係者を予定 ) 午後 1 時時 S 分 者総合支援法、障害者差別解消 パネルディスカッション「国内場所ニッショーホール ( 東京 法の成立など、障害者権利条約法制の課題と取り組み」 都港区虎ノ門 2 ・ o- ) 批准に向けた国内法整備が行わ日時平成年月 4 日 主催厚生文化事業団 れています。精神障がい分野に 1 時 5 時分 O っ 0 ーーっ 04 「 / ( ーー〔 OC ) 【 0 〔 0 おいても、精神保健福祉法にお場所全社協・灘尾ホール ( 東 oco ー 3476 ー 5956 いて保護者制度が廃止されまし京都千代田区霞が関 3 ー 3 ー 2 ) 介護の規定」を見直して、精神必要性が増す事や、都市部での思います。今後 <0+ のさらな 障害者や高齢の障害者に対する増設が進まない事への対策が熱る推進を期待すると述べたとこ 、いに討議されています。 ろ、精神科病院からは、アウト 支援の在り方を検討すること、 6 回では、前回十分に説明でリーチや <0+ 等のカタカナ語 行動障害者への支援内容を整理 して、重度訪問介護へ位置づけきなかった反省と、構成員の中ではなく、従来の訪問治療や訪 問看護などの言葉がふさわしい ること、現状では行動援護事業には在宅引きこもり精神障がい 者が居宅内での評価や環境調整者への理解が薄いことへの懸念という発一一一一口がありました。 などが行えないため、行動援護から、実態を整理した意見を提 お知らせします ) 〔 事業者と他のサービス事業者と出しました。今回の資料の中で、 の役割分担を明確にして、全体相談支援事業者が行動障害の特 ~ 一んなねっとの一活動 の連携体制を構築すること、等性を踏まえた計画作成に努める 事や、精神障害者について、「診・みんなねっと大阪大会に NO が提示されました。 OO 人集まる ! グループホームとケアホーム療所中心の <OE* やアウトリー の一元化におけるサービス提供チ等による身近な生活の場の支 9 月 9 日—川日に開催された について、事業者からは、これ援チームによる支援が有効とのみんなねっと大阪大会は、 2 日 までのサービスが低下すること意見があり、今後、医療と福祉間とも好天に恵まれ、スタッフ の連携による地域における支援や演者も含め約人が参 なくまた報酬単価が下がらない 日し、「家族支援の実現と精神 ことと、大規模化への懸念が出について検討が必要」と明記さカ されました。グループホームにれ、これまで各種会議で主張し保健福祉の向上を ! 」のテーマ 住む人の高齢化に伴い、介護のてきたことが反映されたものとのもと、盛況のうちに終了しま お知らせ & こ案内コーナー みんなねっと 2013 年 1 1 月号 4 5 お知らせしますみんなねっとの活動

10. 月刊 みんなねっと 通巻第79号 2013年 11月号

月 の・ : たびたび受診して、 を繰り返して・ : っ 連載四 ね 亠な という勢いでしたから、それは押み 〈再々診〉 その日に統合失調症と診断し留めて、薬の量を半分にして やってみることにしていました。 し、薬を 4 日分だけ処方してい その火曜日は、受診者が多い 日で待合室は少し混雑していまます。急性期に外来で病状を落それなのに、 4 日目の火曜日 にお母さんが来られたのはどう した。 1 人の受診が終わって、ち着かせるには家族の見守りと 次の患者さんを待合室に呼びに短期間での受診が必要ですからしてでしよう ? 行くたびに、さんのお母さんね。迷う時には早めに受診する 〈親の意見〉 ( が何となく心配そうな顔つきでように伝えています。 診察室でお母さんが遠慮がち そうすると 3 日目の月曜日に 待っておられるのが気になりま した。さんは歳の 1 人暮らさんが受診され、「幻聴はなくに話されるには、その前の晩に しの女性です。その前の金曜日なった。気持ちが楽になった」単身赴任中のお父さんが帰って にお母さんと初診されています。と言われます。もう薬は止める来られて、 3 人で病気のことを 私が「午前の診療が終わったら方が、薬を飲まないで闇雲に頑 話し合ったそうでした。 書きましよう」と言いますと、お張るよりも楽に上手にいくこと お父さんの意見は「医者は統 合失調症と言うらしいが、自分母さんはほ「とされたようでしは、本人には分かるはずです。 4S5 日た にはそう思えない 〈親の気持ち〉 〈子どもの気持ち〉 親にしても、自分の子どもが 変なところはない。病気であっ 精神病の症状を持っ子どもに精神病であって欲しくないと思 たとしても他の病気ではない か ? 一度、大きな病院で見てすれば、症状が出た時、精神病うのは当然のことです。精神病 もらえ」ということらしい。そにな「たら自分の将来の夢がかと言われた時には、可愛か「た なわないのではないかと思うで幼い頃の思い出や思い描いてい れでお母さんは紹介状を取りに しよう。この時、親が精神病でた将来の夢がなくなってしまう 私のところへ来られたのです。 統合失調症は大変な病気ですはないことを願い過ぎてしまうように感じるでしよう。少し病 と、子どもの方も、病気を から、 1 人の精神科医が突っ 張っても良い結果は出ません。治すために薬に頼るとい 時間がかかっても家族が自分でう考えを持ちにくく 行動して、納得するのが早道でなってしまいます。そ すし、また、他の医者は違ったの人に合った薬を飲 見方をして、良いことを言ってめば、薬を飲んだ上 で日々の努力をする くれるかも知れません。 1 27 街の診療所からのお便り