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検索対象: 月刊 みんなねっと 通巻第80号 2013年 12月号
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1. 月刊 みんなねっと 通巻第80号 2013年 12月号

すが、当事者や家族が構成メンわらないと忠告してくれたことたちならではの運動が大切で ーの過半数を占めています。がありました。 す。私は、音楽構成劇から始め ここにも「私たち抜きに、私た 周りに駐輪場はないし、放置ました。豆電球を灯すような各 ちのことを決めないで」という 禁止の立て札も警備員もいな地での運動が、大きな運動の裏 理念が現れています。 その人に注意をしても、そ打ちとなるのです。 最近では、障害者差別解消法の人との関係だけで終わってし 運動をしようにも、「仲間が が成立となりました。 " 差男 まいます。まず制度を作って、 いない」「知識が不十分」など、 は意識の間題なので、法律には放置自転車をなくすことが近道消極的な人もいます。体験から 馴染まないのではないかというです。 言えるのですが、私はそうは思 意見もありました。しかし、ヨー これは、他の法律にも言えるわないのです。運動が仲間や知 ロッパでは先に法律を作り、こでしよう。まずは法律を作り、識を造ってくれるのです。運動 れに関係しながら意識が変化し内容や意識は後から作っていくというのは実に誠実で、決して 大 ていくという考え方、手法をことも、時には必要なのです。 その努力を裏切りません。 阪 大 取ってきました。 「今の時代に生まれて良かっ と 運動は決して裏切らない っ 私は視覚障がいになってか た」と思える障害者施策に近づ ね ら、放置自転車につまずくこと法律や条約を日本で求めてい けるのは、今なのです。「運動 み があります。自転車の持ち主に く時に必要なのは、やはり " 運は裏切らない」、この言葉を是非 集 注意しようとした私に、イギリ動 ~ です。大きな運動でなくて忘れないで欲しいと思います。 特 ス人の友人が、それでは何も変構いません。小さくても、自分 ( 編集・飯塚友紀 ) る国際協定のことです。 や福祉事務所を含む、関係者みません。そこで、しつかりと中 年に出来た障害者権んなに問われているテーマです。身を伴うように、法律を整えて号 月 利条約はの条文から成ってい から批准するよう障がい者団体 条約を批准するためには ? 年 ますが、その中でも特に優れた から訴えたのでした。 点が一一つあります。 日本で障害者権利条約に効力 障害者権利条約の批准は、千 一つ目は、他の者との平等性を持たせるには、衆議院での過載一遇のチャンスです。これをつ が徹底している点です。障がい半数の可決が必要です。これを見逃さないためにも、今の日本な 者の特別な権利を主張するので " 批准する ~ と言います。批准に何が足りないのかを考えてみみ はなく、障がいによって生じるされれば、そっくりそのまま日て下さい マイナスを埋めるための方向が本の法律に生まれ変わります。 障害者全体の法律を 明記されています。 効力としては憲法の下、一般法 変えるための仕組みづくリ 一一つ目は、「私たち抜きに、私 ( 障害者基本法や精神保健福祉 たちのことを決めないで」とい法等 ) よりも上位に位置する法 また日本国内では、個別の う意思決定について述べられて律となります。 法律を個々に変えるのではな いる点です。これは法律や制度 この障害者権利条約は、 く、まずは法律を変える仕組み を決める時に限ったことではあ年に批准の動きが出まを変えよう、ということで障害 りません。日常生活の中で、本したが、中身の伴わない形式的者制度改革推進会議が発足しま 当に当事者や家族の声が尊重さな批准になってしまっては、日した。現在では、名前を変えて れているでしようか。医療機関本の障害者施策はなにも変わり障害者政策委員会となっていま

2. 月刊 みんなねっと 通巻第80号 2013年 12月号

服申請書を提出しました。自治 科医は、「Ⅳ歳以上の成人の精何の役にも立たないどころか、 体の主任公務員は不服申請した 神病者に対しては多くのサービ希望が全くない場所でした。 私たち親にとっても、この時ことに対し怒り、「メアリーに スがあるので、それまで自分た ちで対処するように」という助期は人生において最もストレスは病院入院というサービスを提 供している。不服申請しても無 言をしただけでした。そのため、の強い経験をした時期でした。 駄である」と説教するだけでし 妻のアンは仕事を辞めか月も私たちは、娘のケアに疲れただ の間メアリーの世話をしなけれけでなく、社会の偏見や、自分た。 私たちの絶望は怒りとなりま ばなりませんでした。私は家庭自身が恥ずかしいという思いか 医として仕事を続けることさえら、近隣の人々との接触を避けした。さらに広域の地方自治体 ました。私たちはメアリーの将に手紙を書きました。担当者 罪悪感を覚えるのでした。 ハン教授の対応は全く異 か月たってメアリーはます来について底つき体験をし、絶シー なったものでした。シーハン教 ます悪化し、成人の急性期病棟望的になりました。 授は、私たちの話に共感し地元 に入院させられました。成人の 患者のケアについての でより良いケアを受けられるよ 急性期病棟のため、メアリーは 不服申請そして運動へ うに固く約束してくれました。 更に悪くなりました。それから、 メアリーの主治医マクミランまた、メアリーのような若い人 メアリーはリハビリテーション たちがよりよいサービスを受け 医師は、良くないサービスに対 棟に移りましたが、そこはカー テンも絨毯もない 8 つのべッドする、不服申請を勧めてくれまれるように小さなグループを作 した。私は、地元の自治体に不るように助言してくれました。 が並んでいるだけで、彼女には、 シーハン教授と連携し、建設的 幸いにも、マクミラン医師は、 た。妬人の平均年齢は歳、最 なサービス案を次々と提出しま ーミンガムでバーチウッド教年少は歳という若さでした。 授やジョー・スミス博士ととも % は家族と同居し、その大多した。 メアリーも新しい施設に移り に世界で初めて早期介入サービ数は母親のケアを受けていまし ましたが、 2S3 週間もしない スを創設する仕事に携わってい ムロ療は . — .8 、 1 カ月遅れです。うちに私たちは昔のメアリーの ました。私とマクミラン医師は こうして、 ( 統合失調そしてその治療も危機での対処面影を見始めることができるよ 症の影響を減少させる活動 ) をがほとんどで、 % が不快な入うになりました。私たちは、屈 今から年前に立ち上げたので院、その % が強制的な警察がすることなくイングランド中に 経緯を評価し公表しました。こ す。 1998 年マクミラン医師関与した入院でした。家族の心 と私は、地元の居住区域でメア配については何の対応もなされのことから当局と対決せざるを 得なくなりましたが、対決を切 リ 1 のような人々に対するケアていませんでした。調査の結 の道筋を見るよう自治体の役人果、私たち家族が決して例外でり抜けたは 1998 ないことが明らかになりまし年、確固たるものとなりました。 から依頼されました。 た。また、は精神病発このようにして、私たちの不服 精神病の発病体験を 症の初期の段階のサービスを改申請は運動へと発展したので 調査してサービス案を提出 善していく必要があると確信しす。日本の「みんなねっと」の 私たちは精神病の発病体験をました。地元の役人は相変わらような家族団体リシンク も私たちの運動に もっ人の体験を調査しましずでしたが、マクミラン博士と みんなねっと 2013 年 1 2 月号 8 9 特集みんなねっと大阪大会

3. 月刊 みんなねっと 通巻第80号 2013年 12月号

有効です。なぜ早期支援の方が病を治癒するうえで最大の間違の労を省くのです」 メアリーが精神病を発症した 号 いは身体の病気と心の病気とは 安いのでしようか ? 伝統的な 月 別れていないのに、その両者の医ときにはサービスはすべて悲観 方法のほとんどが入院費用にか 年 かるのです。統合失調症の人は師が別々にいるということだ」と的で彼女はポロボロになりまし 煙草を吸う人が多いです。一般言い、ヒボクラテスも、「疾病た。しかし、メアリーや家族の と っ 小さな革新的な回復力とわずか 的に、喫煙率は近年年間に減についてみると、援助する、あ ね 亠な な有能な専門識者は全く違った 少し、今では、喫煙率は円 % まるいは少なくとも害を与えない で低下していますが、統合失調という 2 つのことを習慣づける観点から、この陰惨な道のりをみ 拒否したのです。私も妻アンも、 ことだ」と言っています。 症の人は間 % です。喫煙は統合 もしはじめから早期介入と出 失調症の人が早死にする唯一で わずかな予防は 会っていたらどうなっていたか 最大の理由です。 万全の治療の労を省く は分かりません。統合失調症と 体重増加についても触れてみ 絶望のメッセージから希望の診断されたときに、陰鬱な雰囲 たいと思います。精神病の最初の エピソードがあったときが体重メッセージを出していくことが気でなく、希望を持って対処し の増加にとって大切な時期です。大切です。私たちが通ってきたていく、最初からその心をもっ ことが大事なのです。待ってい 家庭医は、精神病のことは分か大変な経験をこれからの人々に らないといい、精神科医は体の病同じような経験をしてもらいたるということではなく、まず一 緒に、運動していくことです。 気のことはわからないという。プくないと考えています。 ラトンは、年も前に、「疾「わずかな予防は万全の治療 精神保健福祉の ー楙條約、制度改革の論議からみえてきたもー 日本障害フォーラム ( 」 D F ) 幹事会議長・内閣府障害者政策委員会委員長代理 ー藤井克徳ー 古くから障がい福祉に関わリ、ご自身も視覚障がいのある藤 井さんに、「いま、日本の障がい福祉はどうなっているのか、 過去に光はなかったのか。そしてこれから何をするべきなの か」を講演いただきました。言葉の一つ一つに会場全体が引 き込まれ、一体となり、最後には運動の大切さを改めて実感 しました。その講演の概要をご紹介します。 精神障がいとの関わリ 私は、東京都小平市にある都 立の肢体不自由養護学校の教員 をしていました。子どもの成長 や発達にかかわるうちに、『学 校の中だけでなく、地域の支援大 を充実させなければ、本人も家大 っ 族も幸せに生活できない』と感 ね な じ、地域での実態調査に入りま ん み した。若い教員や当事者と活動 を共にする中で、精神障がいの特 人たちと出会ったのです。 ( 編集本條 )

4. 月刊 みんなねっと 通巻第80号 2013年 12月号

加わり、「車が壊れたら助けが なる最初の政策で、地域に根付期精神病ニュ 1 キャッスル宣一言 いた早期介入サービスに資金のを作成しました。その 2 年後 来るのが 8 分後、こころが壊れ 号 月 たら助けが来るのにか月後」提供を公約したものでした。こ ( 年 ) に、この宣言は 年 というカードを作って広めたのの早期介入は凵年後の今日におと国際早期精神病学会が です。 いても、継続して優先的に取り このコンセンサスを承認したこ と メアリーはもはや古びた収容上げられています。また、保健とで国際的な支持が取り付けら っ 所 ( 療養所 ) にはいません。ア省の政策実施ガイドも、全て— れ、 2 oo 4 年国際早期精神病な ん ンと私は、悲観的な考えから楽から取り上げられたもの宣一言がなされたのです。 み 観的な考えになってきました。でした。 家族に対する支援で また、は、家族 2 0 0 2 年ニューキャッスル 有効な早期介入 ートナー の声を尊重する強いパ でシーハン教授が新たなイング であり、運動から協働へと進化ランド国立精神保健研究所をた ウスタ 1 シャーの精神保健早 していきました。 ち上げました。そのイベントの期支援サービスの臨床上の指導 際、——がイニシアチプを者であるジョー・スミス教授と 運動のさらなる前進 とってやイング私は協働指導者として指名され 英国政府は 1999 年に早期ランド国立精神保健研究所ととました。臨床医のジョーと家族 支援政策の政府関与をはじめまもに会議を開催しました。会議のサポーターとしての私はプロ した。この政策は英国におけるにはイングランド全土から上級グラムを遂行するようリーダー 精神保健サービスの中でも鍵と公務員を含む人が参加し、早シップをとり、ケアを提供する 人と臨床的な見通しとを結びつ効、その効果は最低でも 2 年間兄弟姉妹、子供たちといった家 けました。早期精神病宣言は私 は持続可能でした。また、国立族に必要な態度や技能はトレー たちのプログラムペースに則っ 最適医療評価機構の再調査チー ニングによって磨かなければな たものでした。 ムが早期介入サービスの特質をりません。 また、私たちはイングランド調べると、伝統的なサービスと 優れたトレーニング企画が開 の 9 地区のリーダーたちとも連は、際立って異なっていました。発されています。そのよい例が 携し、ネットワークの輪はさら医療に、心理学的介入を加えるメリデンプログラムといわれる に広がりました。 ことが有効でした。さらに、 z プログラムで、この年間使わ 国立最適医療評価機構 (z — が調査したあらゆる介入れてきています。このプログラ (æ) によると、早期介入は有の中で、経費がかかり、不快なムは海外でも同様なプログラム 病院ケアを減少するこを開発する場合のサポートにな とに対し最大の効果をるはずです。この新しい早期介 上げたのは家族介入を入サービスを用いると、若者や大 当事者を抱える家族に対する支大 提供する早期介入チー っ ムの能力でした。この援にとても有効でした。 ね な 事実は、家族に対する ん 早期介入は治療費の み 精神保健サ 1 ビス体制 削減にも有効 集 に大きな変革を求める 特 ことになります。両親、 早期介入は治療費の削減にも

5. 月刊 みんなねっと 通巻第80号 2013年 12月号

みんなねっと 大阪大会 イギリスにおける 精患△の早期 ー私たち家族の回復への道のりから一 統合失調症の娘をもつ精神科医 ディビット・シャイアーズ 家族支援の実現と精神保健福祉の向上を ! みんなね 0 と大版大会 , こんなにたくさんの方がい 私も元家庭医をしていました。 らっしやって、先ほどから緊張現在歳の長女メアリーは歳 してます。私たち夫婦をご招待の時統合失調症と診断されまし いただきありがとうございまた。メアリーは、今も、障害が す。妻のアンは、元看護師で、大きく多くのケアを必要として います。同じような障害を持っ 5 人の人たちと暮らしていま す。私たちも、家族として身近 で彼女を支援しています。 メアリーが発症したときに 受けた初期の治療体験 私たちの体験は小さなポート で大河を下るような心もとない ものでした。メアリーの病気は この思春期に現れました。極端 に元気がなくなり、学校の成績 、一も下がり自殺しようとまでした のです。往診に来てくれた精神 2013 年 9 月 9 日 5 号 月 日、大阪国際会議場に 亠 - て、約 2000 人の家族・年 本人・支援者が集い、み と 1 んなねっと大阪大会が開 っ →催されました。 1 日目は、 ね 亠な イギリスの早期支援のと ん み りくみ、日本における精神 保健福祉の運動の展望に ついて、大変示唆に富む講 演がありました。 2 日目 は、 7 つの分科会を通じ、 テーマごとに大いに学び、 意見交換を活発に行いま した。家族支援の実現と 精神保健福祉の向上をす すめようー・と今後の運 ( 」第動への思いを新たにする 大会となりました。 7 特集みんなねっと大阪大会

6. 月刊 みんなねっと 通巻第80号 2013年 12月号

第 4 分科会報告 地域の暮らし をる 「たとえ精神障害があっても、む中で、脳の処理能力が向上し、 一その人らしく、自由に、年代年仲間の励ましによる連帯感が生号 月 代にふさわしい体験をしながらまれるなどの、素晴らしい結果 年 一生きてこそ、地域で暮らすこと」が得られるそうです。 をテーマに、 4 名の方の取り組 回復していく自分への自信 と みが報告されました。 や、人間関係での向上から、デ っ ね スポーツ療法で就職につなぐ イケアから就労や進学につな 亠な ん 真庭大典氏は、看護師の立場がった例もある事に感動しまし み から、メンバーとスポーツに取た。 2013 年の全国障害者ス り組む様子を熱く語りました。 ポーツ大会では、オープン竸技 福 め大活 継続できた裏には、ガンバ大阪として初めてフットサル競技が 健 の会出府 保 の応援もあったようです。 行われました。 し 神 精 ま 精神障害者への療法には、薬わかい障害者を持っ家族の会 勿・精神・作業療法、また生活 " ほっとけやん ~ の精神でさま 志陽の山》た牛 紀歌山一立 雄合 法郷和武タ府技能訓練・社会復帰リハビリざまな支援を続ける「麦の 芳連福府 0 の < 阿一阪 》社阪麦一万 タ僻ネ伏テーションなど多数ありますの藤本綾子氏は、岩出生活支援セ 地者い大 5 ( が、競技スポーツ療法も大事な ンターでの障害種別を超えた相談 1 っとして、楽しみながら、体支援と地域活動支援の様子、また 祉野ハ野阪本支庭コ田 調を自己管理して回復に取り組特に引きこもり者のために立ち上 メンバーと関わる上で、徹 げた「創」について語りました。精神障害者の地域での暮らし作 りについて語りました。これま底した個別性を大事にし、本人が 常にニーズに合い、願いを敏感に キャッチする中で生まれた「わかでの精神障害者を取り巻く状況望むことを、必要な時に必要な支 い精神障生暑を持っ家族の〈至でについて、また特に医療におけ援をすることに徹した結果、支援 は、涙ながらに本音を語った後にる問題点を挙げながら、暮らしの心構えが見えてきたそうです。 には、食事力、生活力、人と関とりあえずありのままに受け入 生まれる笑いから、後に「ゆかい な〈至となったも述べました。わる力、地域人として暮らす力れ、過去にとらわれず、必ず成長 家族が求める活動は世代毎になどが求められること、また今し変わることを信じて、「こだわ 異なり、それをしつかり受け止後の医療と福祉の連携による地り」や「プライド」を大切にする支 める家族会でありたいと思いま域ネットワークの必要性につい援は、家族の姿勢としても参考 になると思います。 した。その中で、サポートを続ても述べていました。 コントロールではない健康管理 こだわりやプライドを大切に支援 ける保健師さんの存在は力強い 菅野治子氏は、病院のと、豊かな食事の提供に努め、どん大 と思います。 障がい者が地域で暮らす力とはと当事者運営に関わった経験をな行動障害の人も受け入れる姿勢大 っ 河野和栄氏は「ほっこりひらか生かして、平成 2 年以来 " しのは、なかなかできないことです。 ね な 地域で生きるために必要なこ た 2012 、作ろう居場所、育てのめハウス ~ の運営を続け、と ん み ようしし場所」をテーマに、枚方ことん寄り添う支援を心掛けてとは、最後は人の力だと改めて 集 市の自立支援協議会で、地域生きた方ですが、そのエネルギッ学んだ分科会でした。 特 シュな姿勢には圧倒されました。 活支援部会として取り組んだ、 やこ ( 報告・飯塚壽美 )

7. 月刊 みんなねっと 通巻第80号 2013年 12月号

第 5 分科会報告 当事者活動 この意義は、同じ悩みを共有で ( 出前はあとのメンバー ) 依頼す。それが、対等性や主体性、 きること、情報交換、外出するを受けたりしています。病気を多様性につながると思います。 私たち障がい者は、支えられ 目的ができる、自分の病気を認発表することで、多くの人の前 めることなどがあります。当事で自分自身を承認することになるばかりでは苦しくなってしま います。仲間の支えになること 者グループであるため、世話人り、普段、自己否定的な障がい 者にとって自分を肯定的に捉えが、自己肯定感につながります。 にキカかかる、長時間のミー ティングは体力的にきつくなるられ、リカバリーと病気のコン私は一兀気になりたいから をやっています。たとえ就労し などの問題点もありますが、参トロールにつながっています。 元気になりたいからセルフヘルても、どこかのセルフヘルプグ 加した人が「あそこに行けば、 ループに参加し続けることが大 少しでも気持ちが楽になる」とプグループをやっています 感じられる場所でありたいと思渡口さんは、セルフヘルプグ切ではないかと思います。 ループのピアスタッフの活動か います。 ら見えてきたことについて発表 5 名の皆さんからの発表は非大 語ることは自己肯定になる 大 常に元気があり、笑いがあり、 谷口さんは当事者活動の取りしました。 と っ 充実した分科会になりました。 セルフヘルプグループは、リ 組みについて発表しました。 ね 出前はあとは、名前も顔もさカバリーとエンパワメントの源参加者からの質問にも丁寧に答 ん み らして自分の病気を語る活動をになっています。おたがいさまえ、活発な議論がなされました。 集 ( 報告・高村 ) の心で、みんな違ってみんなよ 特 しています。私はマネージャー いという考え方で活動していま として、大学や行政からの講師 《コーディネーター》 中田智恵海 ( 佛教大学 ) 《問題提起者》 湊高広、理恵 ( 京都府 ) 谷口弘樹 ( 出前はあと・大阪府 ) 渡ロ泰子 ( ドリームファクトリー・兵庫県 ) 《話題提供者》 岩田豊子 ( うつ病のセルフヘルプグ ループ「曇りのち晴れ」・兵庫県 ) ロム 本條義和 ( 兵庫県精神福祉家族会連 合会・兵庫県 ) 支え支えられ・お互いさま 第 5 分科会では、当事者同士 私たちが結婚できたのは、両 の結婚と、セルフヘルプグルー 親が病気に対する正しい認識と 号 月 プについて問題提起と話題提供理解があったからだと思いま 年 がありました。 す」と発言されました。 多くの支えで生きている 理恵さんは「私たちは 2 人だ と 湊ご夫妻からは、お二人の出けで生きているわけではありま っ ね 会いから結婚を決めるまで、そせん。両親や地域の人と生きて 亠な して結婚後の今の生活や今後の います。家族会の皆さん、『大阪み 希望について発表がありました。 で元気もらって帰ってきたよ』 夫の高広さんは、「妻 ( 理恵といってもらえると幸いです」。 さん ) とっきあって 3 年目に結気持ちの楽になる場所として 婚を詰め寄られたとき、自分の 岩田さんは、うつ病の人のセ 病気に負い目を感じていましルフヘルプグループの活動につ た。相手の両親にどう病気のこ いて発表しました。 とを伝えたらいいか、経済的に 8 年前にうつ病になり焦燥感 やっていける自信もありませんにんでいたときに「曇りのち でした。彼女の両親は病気のこ 晴れ」の存在を知り、思い切っ とは触れず結婚を認めてくれまて参加したところ、嫌ではな した。 かったというのが実感です。こ

8. 月刊 みんなねっと 通巻第80号 2013年 12月号

■第 2 回理事会を開催 批准を決定する予定です。 に、生、青春、壮年、老年の生き 2 月日に東京都障害者福祉 方について話され好評でした。 知らせレま歹 基調報告・討論の時間では、会館にて開催しました。 賛助会員の増員にむけ、各県 みんなねっとの活動、川﨑理事長が「私たち家族の 7 つの提言」と制度改革について連・単会が直接関係機関を訪ね ■北信越プロック精神保健福祉語り、各県連の会長から、そのて会員加入の働きかけをするこ 研修福井大会を開催 提言についてそれぞれ意見を述と、自治体の医療費助成無料化 の成功例を本誌や県連へのニュ 「地域で安心した生活をするたべました。 ースを通じ紹介していくこと、 めに家族支援の輪を広げよう ! 」 翌日は、 5 つの分科会を持ち をテーマに、福井県あわら市にました。特に、当事者 3 名の発障害者権利条約の早期批准への 動 て、 2 月 3 日 ( 木 ) 54 日 ( 金 ) 、言が参加者の感動を呼びました。賛同を決議しました。 活 ム覆の課題として、運賃割の 三百数十名が参加して開催しまオープニングの合唱、ハンドベ っ 引、就労と年金の問題への取り組 した。今回、福井県議会へ提出ルも大会を盛り上げました。 ね 亠な した家族支援などの請願書が、 懇親会では、福井県の「いつみ、家族が困っていることに寄り ん み 本会議で全会一致で採択されたちよらい節」の踊りが良かった添う活動の必要性を話しました。 す こともあって、来賓に県議会議と評判でした。「来年の石川県全国大会やプロック研修会、大会 ま 長、議員を迎えました。 での全国大会でまた会いましょ分担金のあり方なども審議継続し ら 講演では、福井大学大学院教う ! 」と声をかけあい閉会しまとしました。障害者政策委員会な お ど、国の各種会議の状況の報告や、 授の松木健一氏が「家族の生涯した。 意見交換もおこないました。 にわたる成長を考える」を演題 ( 福井県精神保健福祉家族会連合会 ) 者の居宅等における保健医療サ確です。また家族会支援に関しした。批准にむけて、国内法の ービス及び福祉サービスの提供ては、今まで支援をしていた保整備が課題となっていました。 この間、障害者基本法、障害者総 に関する事項、第三に精神障害健所が、その業務を行う根拠が 者に対する医療の提供にあたつなくなったという説明があり、合支援法、障害者虐待防止法、障 害者雇用促進法、障害者差別解消 ての医師、看護師その他の医療保健所の消極的姿勢を残念に思 いました。 法など、障害者団体が関わる中で 従事者と精神保健福祉士その他 名の構成員という大きな会様々な法律の改正、新設があり、 の精神障害者の保健福祉に関す る専門的知識を有する者との連議で医療関係者が多く、それぞ国内法の整備が進みました。 川月 4 日に自民党の「障害者 携に関する事項、第四にその他れの立場で発一一一一口したいことも多 い中で、なかなか発言のチャン特別委員会」、 2 月 8 日に公明 良質かっ適切な精神障害者に対 する医療の提供の確保に関するスが得られません。また家族の党の「外交・安全保障部会、障 重要事項の 5 つに分けて整理さ立場はなかなか理解してもらえがい者福祉委員会合同会議」が 一層の努力が必要だと感 開催され、障害者団体に対して、 れています。当会としては家族ない、 障害者権利条約批准にむけた準 支援の必要性と、家族会支援のじました。 備を進めていることが説明され 問題があまり書かれていないこ とから、文書提出と意見発表し■障害者権利条約批准案が閣議ました。 川月日、障害者権利条約の ました。その結果、方向性のと決定されました ! 障害者権利条約は、批准案が閣議決定されました。 ころに、家族支援が書かれるこ とになりましたが、それを誰が年月に国連で採択され、日本現在開催されている臨時国会で みんなねっと 2013 年 12 月号 4

9. 月刊 みんなねっと 通巻第80号 2013年 12月号

「みんなねっと」のホームページを リ二ューアルしましたので、ご覧ください 12 月号通巻第 80 号 ねつ ( 、みんな勲っと相談室 : , 入会のご内ゝみんなねっとについて 2013 物 ま みんなねっとは精神に障がいのある方の : ゞ当、 家族が結成した団体です 公益社団法人全国精神保健福祉会連合会 イベント・研修会調査・研究 等て、第プてつながって 第神第がい者家族の会 0 都道府県連合会の情報 > 各都道府運からのお知らせ 》都道府県連のお問い合わせ先一覧 20 ー 3 年 9 月号 20 ロ年 9 月 4 日 NEW! 熊本県連イベント・研修会予定 20 ロ年 9 月 : 岩手 山形宮城 北信越プロック研修会開催 20 ロ年 8 月 27 日 NEW! 北信越プロック研修会聞催 2013 年明 27 日 製を W ! 北信越プロック研修会開催 2013 年明 27 日 動問による家族支援」普及活動 しくスタートします。 知っておきたい精神保健福祉の動き 2 お知らせしますみんなねっとの活動 4 特集 みんなねっと大阪大会 6 特別講演イギリスにおける精神疾患への早期介入 ーー私たち家族の回復への道のりから ( ディビット・シャイヤー ス ) 7 基調講演精神保健福祉の現在・過去・未来 ーー権利条約、制度改革の論議からみえてきたもの ( 藤井克徳 ) 1 3 家族のカ、家族会のカーー経験と思いから生み出される活動の魅力と可能性 第 1 分科会 20 第 2 分科会 私たちが求める家族支援ーー 22 第 3 分科会 地域の暮らしを考える一一「豊かに生きる」を当たり前にするために 24 第 4 分科会 地域の暮らしを考える -- 「豊かに生きる」を当たり前にするために 26 当事者活動ー - 支え支えられ・お互いさま 28 第 5 分科会 第 6 分科会 就労を考える一一働くことはリハビリテーション ! ! 30 第 7 分科会 単一精神病論ー統合失調症と躁うつ病と再発を繰リ返すうつ病は同じ病気 ? 32 「みんなねっと」電話相談 真澄こと葉のつれづれ日記 ( 第 33 回 ) 34 TEL03-6907-9212 みんなのわーー一読者のページ 36 受付時間 : 月水金 10 時 ~ 15 時 【表紙の絵と作者の言葉】ネコの居る山 ( 植田正美・熊本県・油彩 ) ネコのモデルは、友人の F さん宅にかってあるネコだ。 二回おじゃましてスケッチし た。他にもコアラや魚等を描いた作品がある。ウチの実家に犬が来たのは 9 年前。それか ら犬やネコが好きになった。 ) みんなねっとについて 0 施策のうごき 書籍 意見・要望書など 月刊みんなねっと 更新情報 - ゝ書籍のこ注文方法について : みんなねっと入会のご案内 月刊みんなねっと 都道府県合会勲本県 月刊みんなねっと最新号 2013 年 9 月号 ー特集ー働き方いろいろー 雇用の現場から一 > 目次・詳第 〉バックナンバー 都道府県連合会長野県 広第山 長人分高知 ビックアップ / 山口 和載山 都道府県合会石川県 第児島 都道府県連合会第山県 第新着 2 事のある都道府県達合会 北信越プロック研鶩会開催 2m3 年 8 月 27 日 北信越プロック研修会開催 2013 年 27 日 NEW! 精神害者に対する医療の提供を確保す るための指針等に関する検討会への意見 2013 年 8 月 27 日ト圧 W ! 愛害者基本計画 ( 案 ) へのバブリックコメ ントの募集 13 年日月 26 NEW! 障害者の地域生活の推進に関する検討会 ( 第 3 回 ) 20 沼年 8 月 22 日 》バックナンバー 書籍のご紹介い メッに一ジ 都道府県合会新湯第 統合失調症を正しく理解 するために「わたしたち 家族からのメッセージ」 病気の知識、生活サービ ス、家族の目線でわかりや すくまとめました 〉目次・詳第 うつ病を正しく理解する 、第物ら・レ、セ - レ ために「わたしたち家族 からのメッセージ」 病気の知識、生活サービ ス、家族の目線でわかりや 0 すくまとめました > 目次・詳第 都道府県連合会掲井県 による 家族支援 相談室 施策のうごき みんなねっと相談室 お気軽にご相談ください。 > 詳第 第策のうごき サポート情報室 メンタルヘルスと福社サービス 病気のことや生活に必要な情報をわ かりやすく説明しています。 第策のうごき ン書物の一覧 > こ注文について みんなねっと無料メルマガ講読 メールマガジンはじめました。せひ、ご 登録 ( 無料 ) ください。 メーールアドしス 〉メールマガジンの詳編 家族相談ハンドブック 家族会の相談研修や支覆機関でテキ ストとして活用できます 〉詳紙 書籍 4 、 購読申込み ホームページのリニューアルに伴い、みんなねっとではメールマガジンを 発行しています ( 無料 ) 。当会の活動だけでなく、各都道府県連の情報な ども随時お知らせするメルマガになっています。ぜひ、ご登録ください。 詳しくはホームページをご覧ください ( 「みんなねっと」で検索ください ) 。

10. 月刊 みんなねっと 通巻第80号 2013年 12月号

第 1 分科会報告 家族のカ、 家族会のガ : 、 よ」とそっけない返事をしてし姿勢ができると、親子のコミュ県下の家族会の人が立ち上がっ まい、娘さんが不機嫌になりまニケーションがとれるようになた成果です。 した。「ああ、しまった」と思っります。そして、大切なことは、 名古屋市精神障害者家族会で たそうです。 仲間との交流を通じて自分に は、 2 年前、家族相談員の活動予 家族交流会では、相手あった対処の仕方に気づくこと算化を実現しました。はじめは の気持ちによりそって共感するです。川辺さんは、「家族民間の助成金を使って開始し、 こと、聞き上手になることなどで気づきの力を得て元気になり実績をつみあげて市に予算要望 を 2 人組で対話したり、みんなませんか」と呼びかけました。 をした結果です。堀場さんは、「孤 で話したりして学びます。聞く家族の力を引き出す活動を 立し苦しんでいる家族をなくし 堀場さんは「みんなで歩けば道たい、手帳のこと、障害年金のこ になる」「やればできる」という一一一一口となどを知らない人を一人でも 葉を大切にしていると話し、こ なくしたい」と熱く語りました。 大 れまでの実践を語りました。 家族の強み、家族の本気さ 阪 愛知県では、家族の訴えが行 青木先生からは、家族の長所大 っ 政・議会を動かし、人口の 6 割や強み ( ストレングス ) として、 ね 亠な にあたる市町村で障害者医療お互いのみに我がことのよう ん み 費助成制度の適用を勝ち取ってに関われることが掲げられ、家 います。これは、他の障がいと族会のつながりの大切さが語ら特 同等でないものはおかしい、とれました。 ( 報告・鈴木 ) ロム 小椋芳子 ( 大阪府精神障害者家族会 連合会相談役 ) 《コーディネーター》 青木聖久 ( 日本福祉大学教授 ) 《問題提起者》 河上紀子 ( 兵庫県精神福ネ止家族会連合会 ) 川辺慶子 ( 家族 s s T 交流会 < 大阪府〉 ) 堀場洋二 ( 名古屋市精神障害者家族 会連合会 ) 経験と思いから生み出さ れる活動の魅力と可能性 家族相談のよさ 語りました。 河上さんから家族の電話相談 兵家連は、長年家族相談員の 月 員の体験が話されました。 必要性を訴え続け、平成Ⅳ年に 兵庫県精神福祉家族会連合会は、県独自の精神障害者相談員 ( 兵家連 ) の相談の歴史は古く、 制度ができました。身体や知的 と 年以上前、病院事務室での電の相談員制度は制度化されてい っ ね 二ⅱ本談から始まりました。現在、ますが、精神の場合は制度化さ な 障害者 110 番の事業として、れていません。河上さんは、「国み 電話相談を実施しています。相の制度として実現するよう県に 談員が人おり、月平均—oo 請願をしていること、この動き 件以上の相談があります。 を全国に広げてほしい」と力強 河上さんは、「私も同じ体験く話しました。 をしましたよ」「私は家族とし聞き上手になり元気になる てこう思いますよ」と言える、 川辺さんは、まず最近の失敗 そこが家族相談員のよさだと話 談を話しました。娘さんが「お します。「自分も最初は子ども母さんしんどいんだよね」と訴 の病気を受け入れられなかっ えてきたとき、余裕がなく、つ た。同じ体験を持っ家族だから い「たいへんなときは、どれを 深いところで支えられる」と、優先するか決めていったらいい