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検索対象: 月刊 みんなねっと 通巻第87号 2014年 7月号
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1. 月刊 みんなねっと 通巻第87号 2014年 7月号

の方が社会の中で生活してい て紀樹 くために必要なことは、自己理号 1 ・はじめに い美英 月 解を深めて自分なりの対処力を 年 五横 今回は成人期の自閉症スペク高めることだと思います。 援 士士 成人になってから診断される トラム障害 ( 以下、とい 祉 と っ 、の。福 健心う ) 具体的な支援についてお伝方の多くが幼少期、思春期には ね 障害があることに気付かれず、な 床えしたいと思います。 精臨 み 昭和大学附属烏山病院におけ生きづらさを感じながら過ごし 院 ク、病 山る発達障害専門デイケアでたくています。 しかし人間関係が複雑になる さんの成人の方から教え ス 学 ていただいたことが少しでもお大学生活や社会人になると、自 大 分が関わりやすいと思う人だけ 役に立てれば幸いです。 昭 自 で人間関係を構築するのが困難 の特徴としては、 ①対人的相互作用 ( 社会性 ) のになって不適応を起こし、場合 によっては精神科を受診するこ 障圭ロ とになります。 ②コミュニケーションの障害 精神科の病院でおこなう支援 ③想像力の障害 ( 行動と興味の の方法について概観すると、本 範囲の限局 ) などが挙げられますが、人に対する生物学的な支援とし ては薬物療法、心理社会的な支薬物で対処できる面がある一 援として精神療法やデイケア等方で、経験の積み重ねでしか獲 ( 1 ) 自分の特徴を理解し、 による社会復帰リハビリテー 得できないのが他者とのコミュ 受け入れる ション、環境調整としての家族ニケ 1 ションや社会性です。 自分の特徴を受け入れること 支援などが挙げられます。 発達障害の専門プログラムは ( 障害受容 ) は、自分の特徴を知 デイケアの回に詳しくお伝えしると同時にその特徴とうまく付 2 ・支援の方法 たいと思いますが、他者との関き合えるようになることではな 係を築いたり、他者に自分のこ しでしょ , つか まず薬物療法についてみるとを適切に理解してもらったり 「障害」という言葉自体が持 と、の障害特徴に対してするためには、自分自身につい っ否定的ニュアンスに対する抵 有効な治療薬は開発されておらてよく理解できていることや、抗感から受け入れに難しさを感 ず、一一次的に生じる不安や抑う自分に自信が持てることが必要じる方もいますが、自分を障害 つがある場合には、薬物療法が になります。 者だと捉えるということではな ポ 用いられることがあります。 今回は障害受容や自己理解をく、得意不得意を理解すること サ と 同じ発達障害でもに促進するためのご本人への支援だとお伝えしています。 解 理 対しては大人にも適用できる薬と、一番近くでご本人を支える そして苦手なことを克服する の 害 物が開発され、症状を緩和させご家族への支援について考えた ために努力するのではなく、で障 ることができるようになってき いと思います。 きること、得意なことを伸ばし発 ました。 て不得意な事をカバーする方法 連載③

2. 月刊 みんなねっと 通巻第87号 2014年 7月号

さ心 から願っています。応援してい る日が来ること。許す許さない な中。 ででなく、病気だと認識してくれます。 号 月 ' 猪投ナることを待ちたいと思います」 わ ◆愛知県ペンネーム草魔龍樹年 まりコという文章がありました。 」便る の 一わおす 私はこれを読んで深く同感し本人代 ) 、をのの介 いつも「みんなねっと」を読 と ら紹ました。自分も同じようにやっ ん っ みんにと母のことを病気だと認められんで元気をもらいます。 ね み 亠な るようになってきたからです。 そして残念なことがありま 〇 私が生まれてから統失になり、す。いつも「みんなねっと」でみ 〇 〇 今も母は幻聴に苦しみ、時折私読んでいた「絵を描く人たち」 も一言葉による暴力を受けることの織田先生の話が 3 月号で終わ 〇「みんなねっと」の感想 ってしまい、とてもショックで がありますが、病気であるとい 〇◆東京都まり家族代 ) う前提を踏まえて、少しずつでした。 私も絵を描くので、読んでい 4 月号の「病者である母のこすが対応に慣れてきているよう 〇 れからのあゆみ」を読みました。 て勉強にもなりました。いつも に思います。 〇 私は代の女性で、母 ( 代 ) 時間がかかることかもしれま自分の絵はイラストばかりだけ が統合失調症で今入院していませんが、病気に対しての理解がど、織田先生の話を読んでいる す。病気の母を持っ子の立場で進めば「雨」さん自身への理解、と、それでも立派な絵であるこ 書かせていただきます。 そして、これまで大変な中、育とがわかり、今ではイラストを 「雨」さんが、これからのあててくれたことに対して感謝の描いて手紙など送っています。 ゆみの方向に挙げていた一つに気持ちも生れてくると思います。「絵を描く人たち」のような話 「子どもが大人になって『お母 は、とても好きです。 子どものことを信じつつ、ご これからも「みんなねっと」 さんは病気だったんだ』と分か自身 ( 「雨」さん ) の健康を心 読者のページ を読んで勉強したいです。織田半端な文章になりました。 頂きありがとうございます。少 先生、ありがとう、そしてお疲 ない人数でこれだけの中身の濃 れさまでした。また「みんなね◆神奈川県日比野浩久本人 い冊子を作って頂き、本当に感 っと」楽しみに読みます。 ( 如代 ) 謝しております。 親亡き後やその後の生活の備 「私と子どものあゆみ」は、 ◆京都府鬼酔本人元代 ) えとして「みんなねっと」をと毎月自分の事のように読ませて 「みんなねっと」楽しみにしっています。 頂いております。時には涙する ています。 4 月号千葉県の「雨」 非常によいことが書かれてい事も。平和な家庭に急に訪れた 〇 さんの「病者である母のこれかて、特に生活保護については、不幸。誰もが予期せぬであろう 〇 らのあゆみ」を読み、私とあま 非常に大きな影響を各制度に与出来事に、一生つらい思いをし びつくり わ りにもそっくりなので吃驚しまえるのだと思いました。病気にてあの世へ旅立つ人。また薬や した。 ついての解説も詳しく書かれて環境のおかげで再び幸福をとりな 私の場合、躁状態の時に対人 いてタメになります。 もどした人。いろいろな人生がん 関係がよくなり、抑うつ状態は精神障害者が偏見の目で見らあります。 み 年に 2 度ばかり訪れ、とてもネれなくなる日がきっと来ると思 運命とはいえ、少しでも障害〇 ガテイプになります。私も来年います。なりたくてなった病気者をもっ家族の方々が幸福な人〇の な は後期高齢者になる歳なので、 ではありません。この病気をき生を歩んで欲しいなと思いま〇 少々悟って、軽躁の時の楽しくっと治してくれる日がくることす。薬もまだまだ良くなり、障〇み 明るい毎日の生活のことを考を信じます。 害者をとりまく環境も良くなり 〇、一 え、静かに行き過ぎるのを待っ ます。きっといつの日か、この 〇ペ 事にしています。 ◆大分県福田八重子家族病気で苦しむ人がなくなる世の〇者 「雨」さん、どうか自分ばか (€代 ) 中が来ると思います。その日ま〇読 りを責めないでください。中途毎月すばらしい冊子を届けてで頑張りましよう。

3. 月刊 みんなねっと 通巻第87号 2014年 7月号

グループでリーダーをしたり、援も不可欠だと思います。生きらうことが大切です。その上で 大勢の前でプレゼンテーション づらさを抱えた子を支えてきた本人と同様にご家族にも発達障 をしたりと変化していく方にたご家族は、育てにくさや関わり害への理解を深めていただき、 くさんお会いしてきました。まの難しさの原因がよくわからな適切な関わり方をお伝えしたり じめで心の優しい方が多いの いまま奮闘を続けてきていまします。 で、自信を持ってもらえるようす。 本人とのかかわり方を考えて な支援をしていけたらと考えて どのように対処すればよいの いくためには、その家族が持っ います。 か途方にくれ、自分たちの育て独自の文化を知ること、またそ 自分の特徴を生かしながら社方が悪かったと考え自責的にれぞれの家族が取ってきた対処 会生活を営んでいくためには、 なっている場合も多いと思いま方法を理解し生かしながら、本 本人を理解する支援者をはじめす。発達障害に苦しめられたの人や家族の特徴に合わせた形で として、周囲にどれだけサポー は本人だけではなくご家族も同修正できるかどうかが、本人、 ターがいるかということも重要様です。 家族が持っ力を引き出すことに ポ な要素です。次にご家族への支実際には多くの家族が、日々つながると思います。 サ 援について考えます。 の生活の中でその時に持ってい また同じ経験を持っ家族の話解 る知識や対処スキルを最大限にを聞ける場を設け、支援者以外の 害 ( 3 ) ご家族への支援 障 活用して、関わりの難しい子どからも認められる経験を持っこ 自分を理解し自信が持てるよもに向きあっており、その大変とや、将来についての見通し発 うになるためには、家族への支な努力を支援者が理解し、ねぎを持っことも大切だと思いま を一緒に考えていきます。 と興味や関心が異なっているこ 精神科領域の疾患では、障害 ( 2 ) 自尊心を高める とも多く、他者との共有体験が 号 月 それ自体とその人の全人格を同 障害特徴がもたらす人間関係持ちにくいと言えます。 年 一視しやすいのですが、生きにの難しさから、いじめにあった 自尊心を高めるためには、自 くさをもたらす特徴はその人のり仲間から孤立したりする経験分のことを理解してもらえる安 と っ 一部に過ぎないことを、本人だを持つ人は少なくありません。心できる場所で、時には失敗し ね 亠な けでなく家族や周囲の人が理解その結果、自分に自信を無くしながら、これまで経験できな ん み することも大切です。 自分の特徴を否定的に捉えやすかった他者との共有体験ができ 実際に発達障害的な特徴は必くなってしまい、さらに行動がることや、自分の得意な面を経 ずしもマイナスの要素になるだ 制限されてしまうという悪循環験の中で生かすことができるこ けでなく、捉え方や周囲の理解に陥りやすくなります。 とが重要だと思いますし、個人 度、適切な関わり方によっては 人が社会の中で適切に人間関差はありますが時間がかかるこ 能力として発揮できる可能性が 係を保てるようになるために とでもあります。発達障害専門 ( 広がります。 は、いろいろな失敗を重ねて何デイケアでは個別支援だけでな 最近では、発達障害を持っ方年もかけて成長していくものでく、このような経験ができるの だけを積極的に雇用する企業がすが、発達障害の特徴を持ってではないかと思います。 海外だけでなく日本でも見られ いると、このような経験を適切デイケア開始直後は人と話を るようになってきました。 に積み重ねることが難しくなりすることさえも難しかったの ます。小さいころから周囲の子が、通所を続けたことによって

4. 月刊 みんなねっと 通巻第87号 2014年 7月号

◆滋賀県元看護師代 ) の後年、閉じこもりをしてお 〇 私は昔ナ 1 スをしていましります。お母さんは「あの時病 号 日常生活 〇 月 た。病院に勤務し、訪問看護も院へ行っていたら、こんな事に わ はならなかった」と反省してお年 していました。その後滋賀県に ◆埼玉県家族 ( 代 ) の よ初めてお便りいたします。娘長寿センターができ、そこへ勤られます。 私の言いたい事は、一人の精 と ん ( 歳 ) が発症して 6 年になり務していた頃、全国の精神障害 みます。当初はとてもとまどいま者を廻り、勉強してまいりまし神障害者のために、父母や家族「 など周りの者が、早く気づいてな 〇したが、今は覚悟ができ良い関た。 ある方が、東 〇係になって来ているのかなと思 み 大を卒業して少 〇っております。 〇当初、薬の量も多く副作用もし経ってから、 ありとても心配でした。今は食家に閉じこもり 〇 事にも気をつけて、薬も夜寝るになられまし 〇 前に眠剤と不安薬 2 錠になりまた。お母さんに 〇した。ときどき叫びたくなる事「今でしたら軽 いので、精神病 もあるようですが、自分で我慢 しなくてはと思うようになった院へ連れて行っ ようです。それでもときどき大て診察してもら いなさい」と言 きな声で呼びますが、いいかな ったら、「すぐ と思うようになりました。 これからも希望をもって生き治るから」と聞 き入れてくれま ていきたいと思っております。 せんでした。そ ほしい、という事です。 詩・その他 ◆福岡県ペンネーム双山田勉 本人 ( 代 ) ◆千葉県本人 ( 代 ) 私は統合失調症になって年 近くになります。最近やっと精おかしなお菓子 神的にも穏やかになりました。 Oh, sweet 自分を捨てて ( と言ったら語弊クッキーにチョコボール があるけど ) ある程度流れに任ポテトチップに せて、自分自身を開放したら気キャンディにカステラ が楽になりました。 今まで我が強くて自分自身を サラケ出し切れませんでした。 しかし天に任せて気を張る事が 無くなったら、本当に心身共に 楽になりました。 やはり人間「俺が、俺が」と 何時も思っていたら駄目です ね。これからはあまり気張ら ず、皆と合わせる事に思いを置 いて生活して行こうと思ってい ます。皆を大事にしようと思っ ております。 原稿募集 「私と子どものあゆみー母として」 のコーナーへお母様の体験談をお 寄せ下さい ! 昨年 6 月号からスタートした、お 母様の体験手記コーナーに、読者の 皆様からたくさんの共感、感動の言 葉をいただいております。 そこで様々な体験をお持ちのお母 様方に、お子様とのあゆみ、エピ ソードの手記を募集します。内容を 2400 ~ 2600 字程度 ( 原稿用紙・ワー こお薬う夢生だあム プロなどでも可 ) にまとめて、氏名んかなう見きんれシ なしんんて返だ、ヤ ( ペンネームも可 ) ・住所・電話番号 を記入の上、みんなねっと事務局 ( 巻のなか願るつんあム つおじ望のた病れシ 末住所 ) までご送付ください。 く菓やさかよ気れャ 編集会議で検討し、掲載の方にはれ子ななう治 ご連絡致します。また、内容等につ つおポ な いてのお問い合わせは、事務局 (03- ていリ きしポ 6907 ー 9211 ) までご連絡いただけれか な たくリ ば幸いです。 よっ あ 皆様の貴重な体験をお待ちしてい て ます。 - 〇〇〇〇〇〇〇〇〇みんなのわ〇〇 39 読者のページ ( みんなのわ ) ◆福井県野村明子本人 ( 60 代 )

5. 月刊 みんなねっと 通巻第87号 2014年 7月号

樹 茂 ・ : る薬は " と 話し合って決める ~ ・・ 本 連載時回 組織 ~ というタイプの妄想では 〈噂話をされている〉 「通勤の時にも、つけてくるないようです。世の中がそんな に布いのは大変なことですが、 「職場の同僚が自分の噂話を人がいるようで、怖いです」 あなたはそんな風に感じるの統合失調症の妄想としては軽症 している」と O さん ( 歳代後 ね。相手は 1 人ですか ? 何人です。 半の女性 ) は言われます。 「仕事中もひそひそ声がして。かが連絡し合っているの ? 〈困っています〉 しいえ。高校生の男子が固 私の身体は固くなり、作業の手ス 0 さんは経理係で、今の会社 まって通ると怖いです」 が動きません」 そうですか。男性の集団を『怖に長く勤めておられますが、受 そんな時にはどうするの ? 「じっとしています。とてもい』と感じる女性は結構おられ診のたびに「周囲から見張られ ている」と訴えられます。 ますよ。 辛いです」 前回は「会社で、新入社員の どうやら " 連絡し合っている それは困りましたね、と私も 歓迎会の幹事が当たった。、 とう去年の幹事に教えてもらいま科医は統合失調症と診断するの したらよいか分からない」と一 = 〕しよう。案外、簡単かも知れまですが、職場では " 精神病を持っ われ、「くじが細工されていたせん。 ている ~ と思われていないのか らしい」と訴えられました。 2 週間後の今回の受診では、 も知れません。それとも " 精神 妄想が悪化したと私は思い、 歓迎会はもう済んだらしく、言病であっても、必要な仕事がで 薬をどうしたものかと考え始めわれませんでした。これは『最きれば良い ~ という考えでしょ たところ、「いえ、今の薬で大悪』と言って人をあわてさせ、 丈夫です」と言われます。 〈薬を変えたくない〉 方に回って落ち着くというやり 方ですかね。 精神科医は、目の前の患者さ 〈病気を隠している ? 〉 く生きて人生に自信を持てるよ O さんは、自分の行動を説明うになるために、薬を使って患 する声や制止する声が今もあり者さんの悩みを減らそうとしま お の ますし、 " 自分のものではない す。そして、最も少量で効果が ら カ 考えが吹き込まれる ~ と感じた出て、不快な作用は少なくなる 所 療 こともありました。最近も一日ように、工夫します。でも、 o 中、周囲の " 危険かも知れない さんは今のリスバダール 3 と街 ことが頭から離れません。精神睡眠薬 3 錠を変えるのを嫌がり 街の 診療所から のホ便り しげき 増本クリニック院長 みんなねっと 2014 年 7 月号 26 ましもと

6. 月刊 みんなねっと 通巻第87号 2014年 7月号

私と子どもの ~ あゆみ ー母として、 す。さらに支援者が感じる本人 の変化を定期的にお伝えするこ 3 ・まとめ とは、長いあいだ試行錯誤しな がら本人に接してきたご家族に 成人期の < Q 支援として とって喜んでいただけることでは、薬物療法やデイケアでのリ はないでしようか。 ハビリテーションがあり、ディ 昭和大学附属烏山病院では、ケアプログラムの詳細について ご家族を対象として講演会と懇 は別の機会とさせていただきま 談会を組み合わせた「家族のっすが、自分の特徴を理解するこ どい」を年 3 回実施しています。と、自信を持っこと、本人を一 実施に当たっては発達障害家番近くで支えるご家族を支援すソ こち 族会「烏山東風の会」のご協力ることが大切だと思います。 も得ながら、毎回—oo 家族以解明されていないことも多い・、、、 ) , 上が集まる会になっています。発達障害ですが、治療法、支援 今後も家族会と共に、成人の発方法の開発を本人、ご家族と共 達障害支援をおこなっていきた におこなっていければと考えて いと思います。 います。 ( いがらしみき、よこいひでき ) 家族として① 京都府北村よしゑ です。拭いても拭いても、泪が 一、発病の頃 後から後から流れました。 私は、息子が発病したことを これは、かの有 ドクターからお聞きした時は余名なシェイクスピアの『ハム りのショックに二、三日寝込んレット』のせりふですが、若く でしまいました。主人は一度もして発病した人々の切実な心か 息子に面会に行きませんでしらの叫びでもあります。 た。そして、ある夜遅くお酒に 私の息子も妹の縁談がつぶれ 酔って帰って来て言いました。 た時、自分のせいと思い込み、 「お前の血筋やろ。俺の家には夜中午前一一時、高速道路の陸橋 そんな病人はいない」と。私は から飛び込み自殺を図りまし その時、この人は他人だと思い た。神の恩寵か ? 長距離トラッ ました。「私は聖母マリアで、クの運転手さんがみつけ、直前族 家 息子はキリストなのでしよう」 にプレーキをかけて一命はとり 、カ す と言いました。ひとりになってとめました。ハイウェイバト で 気 台所に立っと、急に泪があふれロールで外科病院に運ばれて命 お ました。次から次へと泪が流れ、を助けていただきました。 瀧のように一日中止まらないの 息子は、昭和四七年四月、 みんなねっと 2014 年 7 月号 20

7. 月刊 みんなねっと 通巻第87号 2014年 7月号

一一一歳で入院しました。世間は しかし息子は、だんだんと奇これは教授の温かな思いやりの 連合赤軍の事件で騒然としてい 異な行動をとるようになってい お言葉だったのでしようね。病号 月 ました。若者にとって先のみえました。それでも病気とは考え棟に行き、手続きに来られた若 年 ない不安な時代でした。息子はられず、不安な日々を過ごしてい先生から私は本当のことを教 一一度の大学受験に失敗し、大き いました。私は、息子の悩みをえられました。 と く自信を失い、長い浪人生活に解決する方法として、息子に地 「息子さんは分裂病です。家っ 亠な 疲れきっていました。一日中部方の大学へ推薦で入学すること庭環境、育ち方などは関係あり 屋に閉じこもったまま、食事もを勧め、息子も不本意ながら入ません。これは青春期に発病すみ とらない、眠らない 学しました。息子は大学の入学る精神の病気です」 私は、こんな息子の姿も病気式から帰ってから「どうも僕は 私は足が震え、目の前が真っ というより、人間として自立しおかしい。神経科で診てもらう」暗になり、自分がどこに立って て行くための試練であり、苦悩と言い出しました。私も心配し いるのかさえ分からなくなりま の姿と受け止めていました。私ていましたので、とうとうそのした。その日、どうして帰宅し もまた一般社会の人々と同じく気になり、親子で府立病院に行 たのか今でも覚えていません。 精神病に対して、何の知識もな くと、即入院となりました。 私が平静を取り戻すのに、長く く、偏見を持っていました。「我診察して下さった教授は息子つらい時間がかかりました。兄 が子がまさか」「そんなはずな に「あなたは強度のノイローゼ弟、親類に誰もそんな人がいな い」、精神病などは特殊な世界ですね。三か月の入院を要しま 凶みまし いのに何故 ? 私は悩 のことと思っていました。 す」と話されました。しかし、 た。心の病は遺伝だと私も考え 洋 ていました。 鉄格子の部屋でひとり治療を受 村 一週間後、息子けなければならないのかと、私 は心の底から深い悲しみがこみ 掩に面会行きました が、お薬の副作用上げてきて泪があふれました。 なのか、息子はも 普通の病気と違う悲しい病気 うろうとして看護でした。看護人さんだけが頼り 人さんにつきそわの不安と苦悩の日々でした。 れて現れました。 面会の度に息子の様子が変わ 私は息子を安心さりがないか、いつも心配ばかり せようと努めて明の入院生活でした。それでも、 るく話しかけまし一か月、一一か月とたっ内に息子 たが、息子は、「僕は少しずつ元気になってきまし がこんなところに た。ある日、若い担当の先生 入ってしまって心 が、「お母さん、北村君よくな 配かけてすいませりますよ。復学できるかもしれ ない。入院以来、日記をつけて こんな重い状態で いて、最後に必ず、僕は治ると も家族がっきそっ 書いてあります。自分から書き てやれない、暗い 始め、治そうという意欲がある

8. 月刊 みんなねっと 通巻第87号 2014年 7月号

たいような気がする」とも言わ もう一つの理由に、副作用が 「急にそんなに減らしていし あります。さんも月経が止れます。そうして「どうしたら んですか ? 」 と本人が不安がります。迷うまってしまいました。それで、良いのか分からない」と立ち往 人ですね。でも、その気持ちをジプレキサに変えようとした生です。 どっちが良いのか分からない 取り入れて、 1 日 9 で始めてら、「太る薬はイヤ」と言われ ます。ジプレキサは無理矢理太時には " どっちもしない ~ のが います。 日日第Ⅱ ~ ~ 一。らす薬ではないんですけどね。良いのよ。自分で " これでいし 〈効果はあるか ? 〉 食べ過ぎなければ太りはしないのだ ~ と思えるまで待ちましょ 最初はすぐに明るい気持ちがのです。 統合失調症では " ちょうど良 〈『両価性』の病気〉 し ~ がよく分からないのも症状 は自分で薬を減らす人でした。 さんは「ほんとは仕事に行です。でも、それは " 病気でな 怠薬するとすぐに表情が暗くな い人。でも似たようなことで り、考え事をしている様子です。きたくない」と言われたり、「会 社が大好きです」と言われたりす。精神科医にしても、ちょう 薬を拒否する理由の一つは お する。 ど合った薬をスッキリ決められら 「精神病でありたくない」とい う思いです。でも、抗精神病薬今は家事を手伝ったらどうでるのではありません。そこを話 療 し合って決めるのです。 を飲んで調子が少しは良くなっしよう、と伝えますと、 の 街 「ほんとは家事をしたくない」 たんだから、さんはその部分 と言われます。「私は家事をし は精神病ですよね。 ます。実は、 0 さんは、リスパ 〈薬量は結構多いね〉 ダールの副作用で、月経がずつ搬送されましたが、病室では行 号 月 さんの持って来られた薬 とお休みしています。この副作動を指示する声がして動き回っ 年 用を避けるために、他の薬に少てしまい、精神科病院に転院さは、 1 日量でリスバダール 9 量ほど置き換えて試したことがせられて、 1 週間の入院をしてジプレキサェビリファイ っ あります。ロナセンやエビリ います。この時、さんは入院 とアキネトン 6 鴫でした。 ね 亠な ファイ、セレネ 1 スに置き換えを大変嫌がられました。両親さらに入院中は筋肉注射があっ ん み てみたのですが、いろんな不具も、手が震えたり、表情がトロたようです。はじめの 3 種類は 合を言われ、結局、元の薬に戻っ ンとして涎が垂れたりしたのを抗精神病薬です。合計で大量に ています。 見て、家に連れ帰られています。なります。アキネトンは手足の 統合失調症の人では、今の状でも、家では「私は病気ではな震えの副作用を止めるためで 態を変えたくない気持ちも強い い」と言い出し、拒薬したのでしようし、涎が垂れたのは筋肉 のです。 す。食事も取らずに自室に閉じ注射で筋肉の動きにプレーキが こもり、うつむいて小声でつぶ掛かっていたからでしよう。 〈仕事中に固まった〉 ゃいているのを見ておれず、「入私は「ゆっくり一兀気を取り戻 さん ( 歳代の女性 ) は、院はさせないから」と約束して、そう、と思いましよう。リスパ 仕事中に「ああしろ。こうしろ」 少し遠かったのですが、予約のダ 1 ルを 6 でやってみましょ 「やってはいけない」などと言要らないうちのクリニックへ連う」と提案しています。そうす ると、 う声に立ちすくみ、倒れてしまれて来られました。 一ごロ

9. 月刊 みんなねっと 通巻第87号 2014年 7月号

ました。 た。取り組んだ主な活動を報告ト調査は、地域の施設の通所 者と合わせて人、うち 名古屋を参考に、議会に請願します。 手帳を持つ人 691 名 ( 1 級 して理解を得る議員対策と、精 困窮事例の調査 名、 2 級 5 9 8 名、 3 級簡名 ) 神障害者の実態を広く知っても らうための困窮事例調査、実施結成と同時に「生活と医療・の回答を得ました。 主体である県内市町村への健康の実態調査」の準備を始め 首長・議員へ公開質問 キャラバン ( 巡回要望 ) 、他府ました。入・通院者へのアンケー トのため、奈良県精神科病院協奈良市長・市議会議員選挙な 県の実施状況の調査、資料づく 会 ( 奈精協 ) に実現会議への参ど、市町村の首長、議員選挙の り、組織内外への情報発信、マ 候補者に公開質問状を送って、 加と実態調査の協力をお願い スコミ対策など、具体的な実施 計画を立てて活動を開始しましし、了解を得ました。アンケー精神障害者の福祉医療制度につ 1 % るかも 員 1 3 査 \ 精神障害者の訴えが掲載された『毎日新聞』 はいらえ んで ・は合及て明訴 態済者 2 。割引きがの ′辛 0 障害を越えてつきまとう大病〈の不安第 共持 ( たので状窮 悩まされたり、 年以上患う橿原市の栃担となる。 医療費の自己負担分 ) 康・所人し業衣労現困 を自治体が助成する福用 保帳 0 で営就いよ 祉医療制度を適用して【適ら、んきな病気にな 0 たらど一ら精神安定剤など複数まく築けずに職 健社手 1 , 自、な ほしいと、県内の精神、驢者訴しようと大きな不寥の薬が手放せない。集を転々とし、 障害者や家族らが訴え 害力ある」と話す。中力が持続しにくく、用保険で食いっ ので級 % ・級り少たら 制←な 療 精神障害者保健福祉一のどが渇くなどの副作ないできた。 ている。精神障害者は。、障 険」 2 5 労 2 おてしかた 就労が困難なため、経 ン制島 医 療 ~ 神痛手帳を持つ人は、通院用に苦しむ。障害を隠現在は 1 人暮、 保人、 ( 就、てめま人し と療本人人般 % っ極リま 患以外の治療は自己負】るような妄想や幻覚にの作業所を運営第笠をを 5 いう。統合失調症を福 ′医「 0 3 一 3 なはな 8 り 生 ・の級級・級と人に・あ ますが、精神障害者は多くの場 名家連の堀場洋一一会長から福祉 今回の運動のきっかけ 合対象になっていません。 医療を実現した名古屋の経験を号 福祉医療制度を県に要望した 聞き、本格的な取り組みを始め 年 5 年前バス運賃 のは、年Ⅱ月が最初でました。 割引運動を経験 ワ」 す。その後も毎年要望しました と 「実現会議」がスタート っ 奈良県連は、年奈良が、的外れの回答ばかりでした。 ね 交通バスに、運賃割引を精神障年には精神科の入院医 「精神障害者の福祉医療を実 み 害者にも適用するよう運動をし療費に絞って要望しましたが、 現する奈良県会議」 ( 実現会議 ) ました。手帳の写真添付がきっ同じ結果でした。 は、 2012 年 9 月日に発足 かけです。そして 2 0 0 8 年 4 そんな時、県内の障害者団しました。構成は三つの当事者 月、身体・知的障害者と同じ割体で組織する「福祉連合」が、会と県家族会連合会 ( まほろば 引を実現しました。このとき当年の予算要望で「福祉会 ) 、支援協、県協会、 事者会、県家族会連合会、県精医療制度の窓口負担解消・委任日本精神科病院協会奈良県支部 神障害者地域生活支援団体協議払い」を決めました。「精神障 ( 奈精協 ) です。共同代表は当 会 ( 以下、支援協という ) がプ害者はますます取り残される」事者の栃本一弥氏と家族会の奥 ロジェクトチ 1 ムを作って、街「自分たちで動かなければ」家田和男、事務局を支援協の刀根 頭署名や奈良交通への要望活動族会はこのとき腹をくくりまし治久事務局長が担当し、毎月の をしました。関係者には成功体た。そして 2012 年 5 月、県本会議と支援協・協会有 験の余熱が残っていました。 連合会結成周年記念式典で、志で構成する事務局会議ができ 9 特集奈良県で福祉医療制度が実現

10. 月刊 みんなねっと 通巻第87号 2014年 7月号

知っておきたい精神保健福祉の動き / 特集 / 私と子どものあゆみ / 連載① 街の診療所からのお便り / 連載②統合失調症はどこまでわかったか / 連載 ③絵を描く人たち / 連載④真澄こと葉のつれづれ日記 / わかりやすい制度 のはなし / みんなのわ ( 読者のヘージ ) ほか 【特集】 ・ 2012 年・ 1 月号 : 2012 年を障がい者制度改革の年に 2 月号 : 本人・家族の体験 3 月号 : 認知行動療法ってどんなもの ? ( 上 ) 【在庫なし】 4 月号 : 認知行動療法ってどんなもの ? ( 下 ) 5 月号 : こころの健康基本法 ( 仮称 ) 制定に向けて 6 月号 : 「働きたい」を実現するための支援ーー就労移行支援事業 7 月号 : 日本で家族支援をどのように実現していくか 8 月号 : 引きこもリの支援と居場所づくリ 9 月号 : 楽しむことで元気になれる一一フットサルを通して 10 月号 : 保護者制度がなくなる ? ! ーー新しい家族のあり方へ 1 1 月号 : 家族相談ーー静岡県連の取り組みと家族会活性への期待 12 月号 : 絵を描く楽しさーー原画の選考会をとおして ■ 2013 年一 1 月号 : 夢と希望を語ろうーーそれぞれの立場から 2 月号 : みんなねっと茨城大会 3 月号 : 生活を支えるケアホーム・グループホーム 4 月号 : オームヘル / ヾーを知っていますか ? 5 月号 : 現在の精神科医療の動向 6 月号 : イギリスの家族支援視察 7 月号 : 精神障がい者へのアウトリーチのとリくみ 8 月号 : 家族が望む家族支援とは ? 9 月号 : 働きかたいろいろーー雇用の現場から 10 月号 : つながリをもとめて一一病気の親をもっ子どもの集い・交流会 11 月号 : 「精神保健福祉法」改正について考える 12 月号 : みんなねっと大阪大会 ・ 2014 年・ 1 月号 : 私たちが求める本当の家族支援とは何か 2 月号 : 働き続けるために一一自分に期待できる働き方 3 月号 : 薬を減らすガイドラインへの期待 ・「月刊みんなねっと」のパックナンバーのお申し込み法・ 「 300 円 x 冊数 + 送料 80 円」の金額を巻末の振込用紙にてお振り込みくた さい。「通信欄」には、ご希望の号を記入してください。郵便局に備え付け の振込用紙の場合、「 0 0 1 3 0 ー 0 ー 3 3 8 3 1 7 みんなねっと」宛て にお振り込みください ( この場合、振込手数料は自己負担願います ) 。 FAX での申し込みもお受けします (FAX 番号 03-3987 ー 5466 ) 月刊みんなねっと ~ 毎月こんな内容でお届けします ~ 上 円 0 金てさ ・ 7 月に入り、いよいよ本これからよろしくお願いい 資つだ 0 含 料数 0 動募く たします。 格的な夏がやってきました。 価譴人 6 6 活を入と 年々暑さが厳しくなってお 定購円円ビ 4 こ り、毎年「去年より暑くな・はじめまして。 5 月から O O ノ【 0 が寄ごね 費 o o グ一 らないと いいな : ・」と願う入りました長妻知美です。 会 5 0 す、とな リ 7 一生 これからみんなねっとを通 ばかりです。 まに」 ん 33 ホ 8 べ」信 費間間 しめ付 さてこの度、わたくしごしてわたし自身もいろいろ み 3 9 ム田 号会年年 てた寄 1 3 ホ織 とではありますが、みんなと学ばせていただきなが しく「す 月助人一一 ' / 名 ねっと事務局に入職いたしら、丁寧に働けたらと思っ 7 賛個団 といにま 4 0 ・ 1 の一 ましたことをご報告させてています。どうぞよろしく し源て欄り入 願 4 会 一 3 紙 いただきます。 お願いします。 財し信な口 お 8 表 な実通にカ これから暑い日々がやっ 以前は障がいのある方を 連袋 3 の 会池 1 3 寸主充 * 象 対象とした就労支援の現場てきますね。うちには犬が イをを。対 号祉東 1 一社 で働いておりました。事務二匹いるのですが、あの毛寄 7 福区会 。費動いの 1 健島 9 一式 局に入職して約 1 か月経ち皮はすごく暑いのではない 【会活さ除田 第保豊一 o 株 のりだ控 ましたが、事務処理など基かと思います。私も暑さは 巻神都 73 刷 んよく額 6 本的なことも含め、学ぶこ苦手なので、大共々夏バテ さ。カ税 とが多い毎日です。慣れなしないように気をつけて過 皆す協・ 全條 3 6 0 倉 こ月 いことが多く、家族会のみごしたいと思います。 、まご除 8 っ 7 人本田一 / 法 9 3 替本 なさんをはじめ、多くの方そして夏を無事に乗り越 年 はいひ控 ね 4 長間 o 振製 動てぜ金込 にご迷惑をおかけすることえて、秋の全国大会等で皆 巐事 1 便 活し。付振 もあると思いますが、「日々さまにお会いできる日を楽 2 公理〒旺郵刷 印 の足す寄便み 勉強Ⅱ」と思い一生懸命勤しみにしたいな、と思って 」日者 会不ま。郵 います。 めさせていただきますので、 ョ、力しし 月発発 編集後記