らの長期入院患者を多く受け入あります。一直線の階段を上っ中はそれぞれの意向に合わせ た先にホームの入り口がありまて、ホームで過ごしたり、サポ 1 れてきました。 トステーションやどかりや、作 やどかりの里での多彩な活動した。中に入ると、長い廊下が の中からは、グループホ 1 ムの続いていて両サイドに居室が 8 業所で過ごしたりしています。 ここでは職員の鈴木恵さんに 一つである「みなみハウス」と部屋あります ( 1 部屋につき 6 話を聞きました。 畳 ) 。 「サポ 1 トステ 1 ションやどか 「ここも高齢化が進み、以前 ここはやどかりの里のグルー り」を見学させていただきまし た。またサポートステーションプホーム内で唯一、時間職員ホーム内で入居者の方の看取り が常駐していて、主に見守りのを行ったことがあります。ご本 やどかり内においては、やどか りの里のメンバーである、長期必要な方が入所しています。職人の意思を尊重しながら、職員 入院経験者の辰村泰治 ( 行歳 ) 員体制は日中が常勤十非常勤のが協力してみんなで看取りを行 いました」と話していました。 2 名、夜間は 1 名の職員体制と さんにインタビューしました。 また増田さんは「ここは 2 階なの なっています。 で、急な階段を登らなければなり グループホームみなみハウス ません。代中心のホ 1 ムとして 代中心のホーム は改善が必要です。もっと安心し 最初に私たちが向かった場所 て暮らせる場を整えていくこと このホームも 8 代が中心で、 は、「みなみハウス」です。み なみハウスは住宅街のなかにあ認知症や糖尿病などのさまざまが必要です」と話します。 日本において、高齢化は深刻 な理由の方が入居しており、日 り、 2 階建て家屋の 2 階部分に に、その人の年齢や時ています。共有スペースもあり、 期に合わせて必要な支この日は 2 名の方が座って話を 援を見直していました。 されていました。 この 2 階、食堂スペースをお借 サポートステーション りして、メンバーの辰村泰治さん やどかり ス にお話しをお聞きしました。 ウ やどかりの里として 要 年間の長期入院を経て 必 最初にできた施設であ り、平成年 4 月から 援 支 宿泊型自立訓練事業、 辰村泰治さんは現在行歳です。 ん ど 短期入所事業 ( ショー 笑顔が素敵で、とても穏やかな トスティ ) 、翌年 4 月方という印象を受けました。辰者 より自立訓練 ( 生活訓村さんは満州に生まれ、その後 障 練 ) 事業・生活介護事帰国。大学に入るまでは母の実 る な問題ですが、精神保健の分野業を新たにおこなっています。家がある金沢で過ごしました。 す でも同じことが言えます。 3 階建ての建物になってお両親、弟を亡くし周囲に支えら 齢 高 みなみハウスでは一人ひとり り、 1 階では作業活動や書道なれながら生きてきました ( 注 ) 。 に寄り添った関わり方をしてい どの創作活動をおこなってい 大学生 ( 歳 ) の時に統合失特 て、進む高齢化に対応するためて、 2 ・ 3 階部分が居室となっ調症を発病し、歳で胃潰瘍を みんなねっと 2014 年 10 月号 8
を立ち上げ、連携支援をおこれています。 いくか、支援のあり方を考え深 なっています。クリニックは連人は誰でも年齢を重ねていくめ、対応策をもたないといけな 号 月 携で往診もするとの事で、福祉 につれ、身体面の衰えが出てき いと思う。まさに、地域の力と と医療が密接に共同連携できてます。そこに加え長年の服薬や迎え入れる覚悟が必要。力をみ年 いると感じました。 生活状況によって、総じて皆さんなで持ち寄って、隙間を埋 と 更に国分寺の家族会であるあん、年齢よりも体力が衰えてい め、ジャンルにこだわらず連携 っ ね ゆみ会が、クリニックで講習会ると感じるそうです。今後はする。その連携を強めてセーフ 亠な ん を開いて勉強する場を設けるなもっと、介護と看護、身体面・ティーネットをつくる」 み ど、家族会ともつながりを持っ精神面どちらも兼ね備えた支援 伊澤さんの口からは「対応 ています。 イ制が必要不可欠となっていま力」、「支援力」という言葉が何 す。 度も出てきました。 対応力・支援カ しかし現状はとても厳しく、 通過型のグループホームの場 今問題となっている地域移行と合、高齢化の問題はホームから 伊澤さんは日々支援に携わる合わせて伊澤さんはこう話しま自立した後にさまざまな間題が 中で、「介護・看護の目線の必す。 出てきます。 要性を強く感じる」と話します。 「歳以上の人を地域に移行 体力の低下や病気、転倒など 以前、グループホームで暮らすすれば、すぐに介護の問題も含の事故が起きても、が出 方や支援センターの支援対象者め支援の密度を濃くしなければせる環境が必要です。「はらか のアパートでの突然死も経験さならない。どう地域で支援してらの家福祉会」ではそうした問 題に対応できる地域のネット いからハードルが高くなり、グ改善していかなければならない ワークづくりを少しずつでも進ループホームの質も量も上がらと思いました。 めて、徐々に体制を作ってきてない。グループホームにはグ精神障がい者の高齢化の問題 いることがわかりました。 ループホームとしての特化した は、地域に出れば普通の高齢者 問題と同じとは言えません。高 基準を作らないと増やしていく ことが難しい」という話もあり、齢者施設においては精神障がい グループホームづくりの現実 簡単にグループホームを増やすへの誤解や偏見があります。他 また、地域で暮らすためのグといっても、現実にはかなり難科の医療機関でも同様です。誰必 ループホームを作るにも大きなしい問題があることを知りましかがサポートしなければ、高齢援 者の制度を使うことも困難があな 問題があるとお話がありました。 ど 国の精神保健福祉に関する施るでしよう。その時では間に合 者 基本的に現在のグループホー策の中心は「地域生活支援」「街いません。「はらからの家福祉 ムの報酬単価が低く、厳しい運で暮らす応援」です。その地域会」のように今から準備をして 神 いくことがとても大事であるこ 営状況にあります。充分な運営生活を可能にする第一の課題は 精 る 体制を敷いているとは一一一口えませ住居を用意することですが、ことを感じました。 す 伊澤さん、さまざまな示唆を ん。さらにまた、「消防法、建のような状況ではとても住まい 齢 高 ありがとうございました。 築基準法、都市計画法、とそれは増えません。 集 ( 取材・長妻 / 良田 ) このグループホームのことは ぞれの法規制がある。規制がバ 特 ラバラで政策がかみ合っていなもっと多くの関係者が主張し、
もともと「はらからの家」は様々な方達との出会いや支えが名だそうです。 福祉ホームでしたが、法改正に数多くあったのではないかと思 「何かあればすぐ相談にのれ よりグループホームとの一元化 います。 る体制をとって継続的な支援関 がなされ、「はらからの家」は 係を保つようにしています」と グループホームとなりました。継続的な支援 伊澤さん。困ったことがあった 一一兀化によりグループホームに 時、自分を知ってくれている人 もホームヘルバーが入れるよう 現在ピア国分寺で暮らしてい にすぐ相談できるのはとても心 要 になりました。また社会的にもるのは、主に代半ばの方強いでしよう。特に高齢になっ 必 グループホームという名称のほ が中心となっています。病院かてさまざまな困難が起きたと 援 支 うが好ましいと伊澤さんは言わら退院して入居する人以外に家き、身近に支えてくれる人がい ん れます。 ど 庭から自立するために利用すえることはとても大切です。 さて今回は法人の理事・総合る人もいるそうです。 3 年程暮 そして 2 010 年には「国分者 カ 施設長である伊澤雄一さんにおらした後、次のステージとして寺すずかけ心療クリニック」 ( 心 障 神 話をうかがいました。伊澤さん他のグループホームに移った療内科、精神科、精神科ディ・ 精 る は、 19 81 年に築年のア り、アパートで生活を始める方ケア、ナイトケア ) が開院し、 す ートを部分借りして、福祉的が多いということです。その際医療と福祉の共同連携を目的と 齢 高 共同住居をスタ 1 トさせた開設 には支援センターに登録をするして、はらからの家福祉会から 集 当初から活動している方です。のだそうですが、現在、支援セ職員が 1 名出向してネットワー 特 地道な歩みの中で、苦労や喜び、 ンタープラツツは登録者 130 ク推進事業として自主的な活動 の独自事業のショートスティとという本で読んだ一文が頭に浮 して、退院準備のためのお試しかびました。食事は毎日の暮ら で利用できる部屋になっていましと密接に結びついています。 す。ホームの環境や雰囲気を実サポートを受けながら、地域で 際に肌で感じることができ、周生活していくことを実感できる 辺の地域情報も知ることができ場なのだと思いました。 ます。初めての場所は見えない 「はらからの家」のはじまり 不安が沢山ありますが、事前に 体験することで不安を安心に変 1981 年 ( 昭和年 ) 4 月 える第一歩となるのではないで に任意団体「はらからの家」と しょ , つか して活動を開始してから芻年、 部屋には、チェスト・テレビ・ 1998 年 ( 平成川年 ) に社会 冷蔵庫が備え付けられていて、 にもとづき、相談支援や障害者ミニキッチンもあります。もと福祉法人として認可されてから ケアマネジメント、居場所提供もと便利な所にあるので、近所年を迎えます。その間には漏 のスーパ 1 等を上手に活用しな電火災事故遭遇による福祉ホー 等をおこなっています。 がら、ほとんどの方は炊飯器をム焼失等、様々な問題に直面し そしてピア国分寺は、定員 7 名の通過型グループホ 1 ムで使ってご飯を炊いているそうでながらも確実に歩み続けてきま す。建物の中の 1 室は、東京都す。「食べることは生きること」した。 法人の理事・総合施設長の伊澤さん みんなねっと 2014 年 10 月号 14
セスも良く、駅周辺には店が建 ち並んでいて暮らしやすそうな 関印象です。夏真っ盛りの暑い日 のでしたが、涼しい風が吹き始め たタ方に駅前のロータリーを進 んでいくと、住宅地の一角に 3 し 階建ての建物があります。 1 階 訪 が地域生活支援センタ 1 プラッ 必 ツ、 2 ・ 3 階部分がピア国分寺援 支 亠な ( グループホーム ) です。 ん ど 者 暮らしを実感できる 住宅地の一角に 共同作業所 ( 多機能型事業所 ) ・ 神 グループホ 1 ム 4 か所・ネット法人本部にもなっている地域 精 る 「社会福祉法人はらからの家ワーク推進事業 ( 医療連携 ) を生活支援センタープラツツは、 す 福祉会」は、精神障害者の街で運営しています。 「みんなが社会参加できる・あ 齢 高 の暮らしを総合的に支援してい 今回は国分寺駅から徒歩 5 分るがままに生きがいを持った生 集 くことを目的に、プラツツ ( 地の場所にあるプラツツ、ピア国活ができる・プラツツには誰か 特 域生活支援センター ) ・さっき分寺を訪ねました。電車のアク いる」という三つのコンセプト はありますか、という質問に対話や訪問をしてくれ、辰村さんなどを勧めています。医療面で は保健師、食事面では栄養士と、 し「将来の自分の生活。以前、 たちの生活を見守ってくれてい 号 月 老後のことを考えたら不安で、るそうです。そうしたこともあ複数の専門職が関わることで、 体調が悪くなったことがある」り辰村さん自身も「毎日見に来病気の早期発見や、健康な身体年 と言っていました。 たり、電話をくれるから、あまを維持できるように生活の場だ と けでなく、様々な面からサポー やどかりの里ではグル 1 プり将来について深刻に考えない っ ね な ホームの利用者に毎日職員が電ようになった」と話していましトしています。 ん 一」 0 増田さんは「その人にあった み 支援を考えながら、その都度必 要なもの ( グループホ 1 ムなど ) その人にあった支援を が出てきたらみんなで考え、や ん 最後に増田さんに話しを聞きどかりの里として必要な環境を 村 辰 ました。 作っています」と言っていまし と 佐やどかりの里では進む高齢化た。進む高齢化において、ニーズ さのなかで精神疾患に併せて身体に合わせながら支援方法を考え 増疾患のある人が増加傾向にありていくこと、これは精神保健の ます。そのため「高齢になって分野だけではありませんが、と も元気でいられるように」と、ても重要なことだと感じました。 ( 取材・齋藤 / 川﨑 ) 法人職員に保健師を迎え、健診 住居の確保と S 0 S が出せるネットワー クづくリが必要 はらからの家 ( 東京都国分寺市 )
下を脇で見られていて、ショッい 」担当のケアマネーンヤーから連 〈経済的虐待 ? 〉 クを受けられたようです。 絡が入っていますおそらく市号 月 記憶力を戻すことは、私たち この日は 1 年前夫を亡くされ役所から連絡があったのでしょ にはできません。でも、家族は、て一人暮らしをされている > さう。他の脳外科から " 認知症 ~ 年 性格などは昔と変わらない今のん ( 歳、女性 ) も、娘さんととの意見書が出ていること、薬 お母さんと、楽しい時を過ごす一緒に受診されました。 を飲み忘れていたりたくさん飲っ ね ことができるはずです。それを 彼女は、夫の看病をされてんでいたりがあったこと、お金 亠な ん 写真に撮ったりして語り合いまいた頃、憂うつな気持ちになを使い過ぎたことがあったこ み しよう。お母さんは歳を取っり、私の所へ通っておられましと、を知らせてくれています。 て、記憶力や判断力が幼稚園児たが、前回の受診の時には「娘 私は、 > さんの認知症に気付 くらいになられました。今度はが私の年金の通帳を持って行っ かないで、家族の介護を混乱さ あなたがお母さんを守ってあげて、お金を少ししかくれない。 せてしまったのでしようか ? る番です。これは親から子につ困っている」と訴えられました。 〈家族による保佐〉 ながって行く決まりごとですか この時私は、無理やりに通帳 ら、そんなに悲しがってはいけを持って行って、お金を少しし この日の診察室での > さん ません。今の日本では親子が近か渡さないのは " 経済的虐待 ~ は、娘さんに叱られたのか、し くで暮らしているのは珍しいこ にあたる、と伝え、市役所に相おらしい様子でした。 とで、それだけでハッピーだと談に行くように言っています。 認知症であることを確かめて 思いますよ。 その後、介護保険の > さんのくれという娘さんの依頼があ 欲しい」という感覚でしよう。 りましたが、長谷川式スケールやり方はないのでしようか ? は、記慮力は少し低下している 今の日本では、社会の在り方 〈統合失調症でも〉 として、多くの人は大人になる のみで、点満点の点でした。 判断力などは保てている程度で歳を取って生活力の落ちた人と勤め人として生き、親とは同 す。認知症を理由にお金の管理の一番の願い事は家族と暮らす居しないで核家族を形成すると を代行するには、もう少し精密ことだと思って、たいていは間 いう生涯プランでしようか ? 違いありません。 > さんも、一それなら、一人暮らしが難しく な鑑定が必要に思いました。 私はこのテストを見ておられ人暮らしが寂しいのが、元々のなった時には、老人ホームでの た娘さんに、お金の管理を代行気持ちだと思います。「お金のケアに安心を求めるのも選択の するにしても、お母さんが納得面倒を見るよりも、一緒に居て一つかも知れません。 日本では最近は、認知症のケ できるように説明しなければい アについてたくさんの施策がな けません、と伝えています。そ されてきました。精神障がいの れに、老齢年金は、将来のため ケアについても同じような考え と言って、残しておくものでも お ないでしよう。 方と予算が必要と思います。そら そんな話の時にも > さんは の時には、問題点も同じように 所 「ごめんなさい。私が余計なこ回 発生して来るでしようから、そ診 とを言ったから」とつぶやいて れも勉強しておかなければなり街 おられました。もう少し明るい ません。 ミ
- って供 集高齢化する精神障がい者に なせ提 特どんな支援が必要か もわをの前 と合援り にに支か、 我が国が今一直線に超高齢化 化スなど にもかかわず、このことはあ一 社会に向かっていることは、誰まり議論されません。一人で暮 齢一々 もが認識していることだと思いらす人には身体的に介護が必要一 高ニ様 ます。精神障がい者も例外ではになった時どう対処ができるの なく、精神科病院での長期在院か、家族と暮らす人はまず親の 者の高齢化は最近の国の会議で高齢化、介護の問題があり、次 「やどかりの里」は、精神障 も問題になり、早期の地域移行には自分の問題が出てきます。 一 ( がいのある人たちが、地域の中 の必要性が強く言われたことで支援をする人や関係者は今から す。しかしこのことは、入院中このことを念頭において準備し で生き生きと暮らし、働くこと の精神障がい者だけでなく、現ていく必要があると思います。 。一を目的に設立されました。 在地域に一人で暮らす、あるい 今回は、独り住まいをめざす 1970 年に " ごく当たり前 は家族と暮らす精神障がい者に人々が暮らすグループホームの一 一の生活 ~ を求めて始まった活動 ついても実は深刻な問題である関係者に、この問題を中心に取、一 と言えます。 材しました。 は、精神障がい分野において先 駆的な役割を果たしながら、現 者生活支援センター と地域活動支援セン高齢化の現状 ター、宿泊型生活訓練 事業やショートステ やどかりの里全体での利用者 かイ、日中活動として生の年齢構成を見ると、代 5 間 ど や活訓練事業や生活介護代までと幅広く、そのなかでも ン ョ 事業を行うサポートス歳代が最も多くなっています。 シ 要 テーションやどかり グループホーム入居者のなか 必 以 ( 旧援護寮 ) 、地域に点には長期入院経験者が多く、す瓰 支 亠な 。〔在するグループホー でに高齢になってからやどかり ん ど サム、就労支援 ( 就労継の里を利用することになった場 者 続支援 < 、型、就労合もあるため、ホーム入居者の カ 移行支援事業 ) をおこ年齢は 8 代が最も多く、高齢化 障 神 が進んでいます。 なう事業所 6 か所など 精 る を運営して、多彩な活サポートステーションやどか す 在は公益法人 ( 社団法人 ) とし動をおこなっています。 りのような精神障がいのある人 齢 高 て、さまざまな活動に広がって 今回の取材では、やどかりの里が宿泊や入所できる施設は、さ います。 の常務理事である増田一世さん いたま市に 1 か所しかなく、市特 さいたま市に、 3 か所の障害が全面的に男してくれました。 内にある 6 か所の精神科病院か い 7 みんなねっと 2014 年 10 月号 6