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検索対象: 月刊 みんなねっと 通巻第95号 2015年 3月号
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1. 月刊 みんなねっと 通巻第95号 2015年 3月号

家を借りることにしました。 場所に行けるだけまだいいそう学校のスクールカウンセラーの 息子の病名は、広汎性発達障です。今は、フリースクールな先生や地域の相談員の方、病院 害です。 どもありますが、そういう場所の主治医、心理カウンセラーの 私と息子は、一一人で共に笑い さえ行けない子どもたちもたく方々と、私もたくさん話をして きました。 共に泣き、一緒にどうしたらい さんいるそうです。 いかを話しながら生きてきまし 私は、子どもの表情に気をつ 本当に、その時、出会えたい けるようにしてきました。何かろいろな方のアドバイスが私に あるときは、子どもは何らかのとっては、涙が出るくらい : 地域の適応教室に通いながら サイン (ØOØ) を出していま感謝してもしきれないくらい : 私の住んでいる伊万里市に、す。ちょっとした声かけ、ちやです。みなさん、優しく相談に 適応教室という、学校の出席にんと話を聞いてあげる時間を大のってくださり、私の心の支え になってくださいました。その なる所があり、息子は、中学一切にしました。 年生の頃は、その適応教室に通私は、それはとても大事なこ方々の支えがなかったら、私も いました。そこで出会った子どとだと思います。 息子も生きていなかったかもし もたちも、いろいろなことが れませんね。 多くの人たちに支えられて あって学校に行けず、適応教室 息子自身も、寝たきりだった に通ってきていました。 息子は、中学一一年生からい学頃もあり、どうしてあげたらい 最近は、学校に行けない不登校に戻りました。しかし、教室 いかを、私も必死で考えました。 校の子どもたちも昔の何十倍もに入ることができなくて、別の一緒に、お弁当を作って、自然 いるそうです。私の息子や、適教室で何時間しか居ることがでを見せにもいきました。学校の 応教室の子どもたちも、その居きませんでしたが、そのあいだ、先生方とも交換ノートを作り息 等 ( 彎 ( 、イノ 私と子どもの あゆみ』 ー母として朝 二人で一緒に、 泣いたり笑ったり 佐賀県坂本ひとみ ある院長先生に相談したとこ 息子とニ人の母子家庭 ろ、アドバイスとして、しばら 号 月 私は現在、貯歳、息子も今年く、学校を休ませてあげるよう 歳の成人式を無事に迎えましにと言われました。息子も、週年 た。子どもが小さい頃に離婚しに一度、病院の心理カウンセ と ラーの方のカウンセリングに通 て、母子家庭として、息子と一一 っ ね 人、共に泣いたり、笑ったりしうことになりました ? 亠な ん ながら今があります。 み 周りにわかってもらえず : 私は歳の時に、うつ病にな しかし、学校の先生や、私の りました。息子も、幼稚園の頃 より、ぜんそくがひどくて、入父や母、妺たちなどには、なか 退院も多く、小学校六年生の頃なか分ってもらえませんでし た。なぜ、息子を、心療内科に から、学校も休みがちになり、 修学旅行や卒業式にも、みんな連れて行くのか ? 学校を休ま と一緒に参加することができませろという病院の先生のほうが おかしいと、家族から言われ、 せんでした。 息子は、「死にたい・ : 」と言っ私自身もとても苦しみました。 私と息子は、病院の先生に勧 たことがあり、様子がいつもと 違うと私が感じて、私の通ってめられて、このまま実家で住む いるクリニック ( 心療内科 ) にのはよくないから、家を出るよ 受診しました。私の主治医でもうに言われ、息子と二人で住む 23 私と子どものあゆみー母として

2. 月刊 みんなねっと 通巻第95号 2015年 3月号

病院協会 ( 病院側 ) の言い分と、 も決して好ましいことじゃない。 に出られなくて困っている患者 地域になかなか適応できない患地域で暮らして周りのみんなとさんがいらして、「病院の中側 者さんたちがいて困っているこふれ合ってこそ、やつばりしあの敷地だったらいい」とおっ とはわかっていて、それをどうわせとか安心感があるんです。 しやってる方を、どうするかっ しようかと考えていて、そこで谷】それで、病棟転換は、あまていう問題はやつばり相当考え 反対意見がなければ、ズルズル りにも安直でおかしいのではな なくてはいけないでしようね。 いっちゃったと思います。やは いかと、いろいろな取り組みが場合によっては、敷地内に居住 り反対意見が出てるから、あんおこなわれたのですね。 施設をつくることもやむを得な まりそれを大々的にやることが野村】そうです。これまで行わ いのかもしれないけれど、すで できない。 れてきた昨年 6 月日の日比谷に敷地内につくって運営してい る 病棟を居住施設に転換する制野外音楽堂での反対集会やⅡ月る病院もあるわけでね、そこで 度化を検討している方々は、利 日の院内集会、月日の厚暮らしてる方たちのアンケート 地 用者の利用期限を 2 年にする、生労働省との意見交換会などは なんか取ってみたらどうかと思 制度は数年後には廃止すると一一一一口とても大切なことだったと思い うのですが 地 の いますが、私は 2 年では終わらます。私はそこに「みんなねっと」 者 家族会として代案を ないと思います。いったんつく が関わって意思表明して「反対で 障 提案していくことが必要 神 るとそれがずーっと続いていくす」って言ったことがよかったと 精 だろうし、ノーマライゼーショ 思います。 良田】病棟転換の問題は、それ黻 ン ( 普通に暮らす ) からいって しかし、病院の中には、地域は、もう私たちも根本的には反 発予防になるということが国民 いう苦境に立たされています。険点数 ) もそれなりに上げてく の意識になれば、大きく変わっ良田【病院も改築してとてもきれと言っていますね。 ていくわけです。やはりこれは、れいになっていますね。入院生良田【でも財務省は、それほど甘 粘り強く法制化を訴えていくべ活を快適にするための努力をしくはありません。 きと思います。確かにメリデンてる感じです。ずいぶん費用が 病棟転換よりも地域の方に 版家族支援・を普及していくのかかったことと思いますね。 その予算を使いたい は、ものすごく時間がかかると 松沢【病院はたくさんあって、 思いますが ものすごい設備投資をやってき野村【私は、空いた病棟にア 谷】どちらにしても、日本版のました。だから、政府がそうい ートをつくるお金があるとし 家族支援というのを作らないとう悪い償却資産を買い取るぐらたらね、そのお金をやはり地域 いけないですが、一番大きな いの施策を打ち出さないと、経に向けるべきだと思います。 ネックはやはり民間病院が 85 営上の転換はできないんですよ。 「みんなねっと」も反対の意 9 割近くを占めていることですそれはそれで別の施策ですよ。 思表示をして、とてもよかった ね。精神病院も、最近は、満床良田【病院は国に、退院して空と思うんです。病棟転換は本道 率が下がり、空きべッドが目立きべットになった分のお金を出ではないんですよ。この間、病 つようになってきています。おせと言ってますよね。 棟転換型居住系施設を考える会 まけに最近は、病棟を新しく建松沢【あるいは認知症のべッドのみなさんが厚生労働省に行っ て替えて、その改築費用も減価に切り換えるから、ちゃんとおて交渉したでしよ。 償却していかないといけないと金を出してくれと、診療報酬 ( 保 やはり厚労省も、日本精神科 みんなねっと 2015 年 3 月号 14

3. 月刊 みんなねっと 通巻第95号 2015年 3月号

起きていました」そして「妻が は、躊躇しながら、少しずつ心を責める人がいるようで、夜中 そんなに飲んでいたとは知らな配を話してくれます。 に眠れません。お酒を飲むと眠 かった。昨晩、私は新しく瓶を 「お義父さんに白菜の収穫をれますが、 2 時間もすると目が 開けて少し飲んだのですが、朝しておくように言われたのに、覚めて、また飲んでしまいます」 お酒の効き目は 2S3 時間で 起きてみるとほとんど空になっ昨日はしなかった。それを告げ ていて、妻が飲んでいたと判り口をする人があるのではない す。それに、お酒での眠りは浅 ました」と言われます。 か ? 」 いものなんですよ。充分眠れな 昨晩眠れなかったのは、どう 「家の中が片付いていないの いから追加して飲んでしまい してですか ? と聞くと、さんを見られています。家が汚いと結局、次の日も不調になってし 批判する人の声がする」などとまうのです。 でも、さんはお酒のことよ 言われます。 〈監視されている〉 自分のことがばれている」こと 何年間も心配をしながら暮らの方が悩みだったように、私は お の して来られたのですね。それ思いますが ? ら でこんなにお疲れの様子なので 所 療 〈入院治療 ? 〉 すか ? と言いますと、さんは の 街 さんは肯かれて、「ずっと 苦しかったことを重ねて話され ます。「私が仕事ができないの心配でしたから、逃げ出したい : 入院治療するか ? 家で治療するか ? ・ と も し ま 連載回 ( 樹を作っておられる農家で、最 今回は何かつらいことがあった 〈作業服で受診〉 近奥さんが大量に飲酒して困っのでしようか ? その日の午後の待合室では、ていると書かれていました。こ さんはおどおどした感じが 作業服を着た中年の夫婦が落ちの辺の農家で女性のアルコール 強く、それになにか他人事のよ 着かない様子で待って居られま依存症というのはあまり聞かな うな話し方をされますから、精 した。待ちくたびれて帰ってし いことですね。 神科医は、悩みで疲れているだ まわれないかと心配です。 いっ頃から、どのくらい飲んけではなく、他の病気の可能性 順番が来て診察室に招き入れでおられるのでしよう ? もあるように感じました。 ますと、疲れ果てた感じの奥さ 「お酒は好きで、 2 年くらい 〈心配事〉 んに心配そうな旦那さんが付き前からです。酎ハイとかです」 添っておられます。予診票には、 とさん。 旦那さんは「妻はこの 152 このさん夫婦は近くの町で果 お酒が好きなんですね。でも、 か月夜眠れないらしく、何回も 街の 診療所から のホ便り しげき 増本クリニック院長 みんなねっと 2015 年 3 月号 26 増本茂樹 二一口

4. 月刊 みんなねっと 通巻第95号 2015年 3月号

いて厚生労働省は、どう述べて後、長期入院者を出さないとい と思うんですね。最初に入った いますか ? う方策が、とても大事だという時に 3 か月で追い出されてしま 良田】それは、日本の精神医療ことをしつかり主張していかな うので、家族は困ってしまいま が民間病院中心であったためとくてはいけません。 す。治ってないのに退院してき かという文書は出てますが、反 て、次の 3 か月が経つまで病院 3 か月で退院させられる に入れないので、家族が大変な 省して今後はこのように変えて 回転ドア現象が始まった いきましようというものではな 思いで支えているわけです。ま いですね。 川﨑】私が参加した厚生労働省さに回転ドア現象が始まってい ですから民間病院中心にしての「精神科医療の機能分化と質るのです。家族自身がうつ病に しまったいうボタンのかけ違い の向上等に関する検討会」でなっちゃったりして追い詰めら が、現在もずーっと尾を引い は、 1 年以上の入院患者を作られています。 ているんだなあと思いますし、 ない、長期入院患者をこれ以上佐藤【これもずっと言われてき じゃあそのかけ違いをどう直し増やさないということが決めらていることですが、地域の資源 。しまた ていくかっていうことになるれましたが、地域の基盤整備がやマンパワーの不足よ、、 と、非常に難しいのですね。 できていないから、また再発しに解消されていません。国は長 現在、病院にいる長期入院者て入院するということが起こっ期入院を減らすというふれ込み の地域移行を考えていますが、ているわけです。要は地域の基で、地域移行、退院促進といっ これから入院する人たちも長期盤づくりが必要なのですね。 たさまざまな事業を打ち出して になる可能性はあるわけで、今野村【入院医療の改革も必要だきましたが、地域で思ったよう い。なぜかと言ったら病院が手 な成果は上げていないように思資源やマンパワーを増やしてい います。現場の地域活動支援セける、もっと具体的な提案をし放さないからです。病院は、医 者も含め看護師および専門職の ンターなどでは計画相談が取りていきたいですね。 方々をかかえて手放さないまま、 入れられて、個々の利用者の意 病院から地域に 「障がい者のみなさん、地域でど 向に沿えるように個別面接や他 専門スタッフを移す うぞ生活してください」と言っ 機関のコ 1 ディネートが増え、 連絡調整やケア会議、書類作成松沢【病棟転換の問題を放置してるわけで、それは不可能に近 いわけです。やはり社会資源が た政策というのは、とてつもな に多くの時間が割かれるように い国際的なルール違反だというあって、医者を含めた専門職の なっています。一人の利用者に ふうには思いますが、今、良田助けがあって初めて、地域で生 関わる時間が長くなるのは良い え 考 ですが、それをおこなう相談員さんのお話を伺って、反対する活できるんだという考え方にし を 活 ないといけないと思います。 や相談を受けるセンターの数はだけでなくて、じゃあどうした 地 増えない。そういうことには予らいいんだという点で申し上げ良田【当事者団体はアウトリー チに大反対なんです。なぜなら訪 算をつけようとはしません。本たいのですが。 地 の 結局、病院にいる病気の方々問に来て、すぐ入院になってしま 腰を入れてその問題に取り組も 者 うという姿勢は感じられないのが地域で生きていくためには専うような、いわゆる入院中心体制 障 神 精 です。家族会としては、法律や門家の力が必要なわけですよね。が変わらないからです。その根っ 施策を小手先で変えるような漠ところが社会資源がない。施設 こには、不信感があるんですよね。黻 然としたことではなく、地域のもないし、特にスタッフがいな職員がくれば、すぐ再入院させら みんなねっと 2015 年 3 月号 10

5. 月刊 みんなねっと 通巻第95号 2015年 3月号

対なんですが、じゃあどうするなんですよ。本当にズルズルとじゃなくて、長い目でみて、医 かっていうことです。 いっちゃいますよ。 療費なりの費用を抑えていくと 号 月 病棟転換に反対して、代わり谷【ですから病院側にも受け入 いうやり方を提案していく必要 年 に私達はどんな方法を提案してれてもらえるような提案、財政があるかなと思います。 いくのか、できるできないは別的な面でも説得力のある提案を野村【病院から地域に移行する と っ にして、入院患者や地域で暮らしていく必要があると思います。にしても一度に移すことはでき ね 亠な す人の高齢化も含めてどうした あと、治療効果の面でも、アませんから、長期的で計画的な ん いか私たちは考えなくちゃいけウトリーチで在宅に行って、生ビジョンを持たないといけませみ ガし 活の状態を理解した上で治療しんね。 佐藤】地域移行についても、家たほうが早く改善するとか、家 地域に出るスタッフへの 族に同居などの負担がかからな族を含めて支援をしたほうが効 研修体制も大切 いことが前提ですが、精神科に果が出るとか、治療効果・医療 1 年以上入院している人は約費費という面からいっても、や良田【さっきも病床が少なく 万人、そのうちの半数は歳はりこちらのほうがトータルでなって、いわゆるコ・メディカル 以上の高齢者といわれています見れば有効だという提案が必要がどんどん余裕が出てくるとい う話でしたね。そういう人たち から、そういう人も含めて、どですね。今のように回転ドアで、 うするかという提案をね・ 結局 3 か月入院してまた 3 か月を、単に地域に行かせて仕事さ 地域に行ってまた 3 か月入院 : ・せればいいっていう問題でもな 松沢【野村さんの言うように、 病棟転換を認めちゃ絶対にダメというお金の使い方をするんくて、やつばりそういう人たち に地域医療について学んでも体で人ぐらい増やしましてくれるんじゃないでしようか。 川﨑】じゃ、看護師の教育カリ らわなくてはいけないんです。 た。日本でも、こ , つい , っことか 谷】べテラン看護師が、職場移できないはずはないと思います。キュラムに、地域生活支援を入 動で訪問看護ステ 1 ションなど日本の人口からいえば地域で活れるとか。そこのところをもっ と強力に家族の大変さとか、こ に移って、訪問してみると、今躍できる看護師を、 14005 人増やすということとういう支援が欲しいとか訴えて までの病院での看護技術が通用 いけばいいんでしようね しないことがわかったという話か、例えばライシャワー事件の を聞きました。病院の中にいる時に保健師を全国で増やしたと野村】最後に、私としては、当 事者の方の権利擁護の問題や成 いう、あのやり方です。 患者さんをみる場合と患者さん る の住まいに出向いて支援する場良田【私ね、今看護学校がいっ年後見制度、処遇改善、虐待防 え 合とでは、対応がかなりが違う ばい増えてますでしよ。そこに止についても議論したかったの齶 活 ため、支援が難しいと言われて地域の教育の分野を入れ込んだですが、時間がないので、また 地 います。ですから、研修などでらどうかと思います。若い看護の機会に譲りたいと思います。 「みんなねっと」としては、 バックアップするような形を取師さんたちはね、夜勤がないか 地 らないと、治療効果が出てこなら結構地域の仕事に行くと思う精神障害者の地域移行・地域生 んですよ。やはり病棟辞めちや活についての総合的で長期的な いかもしれません。 障 神 こ 精 、冫【例えば、英国のプレア首うのは夜勤がつらくて辞めちゃなビジョンがもてるように、 集 うんですよ。だから、地域だつれからもみなさんといっしょに 相の時の精神医療改革で、 25 3 年のあいだに専門職を英国全たら皆さん元気があるからやっ考えていきたいと思います。

6. 月刊 みんなねっと 通巻第95号 2015年 3月号

小さいと思いますが、すでに介 英国のバーミンガム地方から広まった家族支援の技法。その家族の住ま いに個別に訪問し、本人を含め家族全体を支援するもので、メリデン版ファ 護保険のほうは家族支援を言っ ミリーワークと呼ばれている ( 本誌 2014 年 5 ・ 6 月号の特集参照 ) 。 ていますからね。そこと連携し て、障害のある人、高齢者、認 たわけですからね。家族支援の方を入れた法律を日本で作れる かどうかというのは大きな問題 知症の人などは、家族支援をし必要性を浸透させるのは時間は ないと本人の回復にもつながらかかりますが、法律を作るのは、です。日本の場合、家族法 ( 民 ないとい , っことを粘り強 / : そんなに時間がかかりませんか法 ) との関係があるから、家族 谷】今、地域で暮らす精神障がらね。国会議員が採決したら終の機能とは何かという議論をし ないといけないわけですよ。そ わりですから。 い者の 7 割は家族と同居してい る るわけですから、本人と家族を松沢【英国のケアラーズアクトれは時間がかかりますよ。 含めた「まるごと支援」が望まは毎年改定されています。一番本條】以前の障害者施策は、障齶 れますよね。 新しいケアラ 1 、の定義では、害のある人に責任があるとまで駐 本條】ですから、家族支援の先本人と同居してる、あるいは関は言いませんが、個人因子が中と 駆けの英国も、まず一番最初に、係する人たちは全部ケアラー 心だったわけです。ところが、 地 の やつばり環境も大事で、環境の ケアラーズアクト ( 障がい者な ( 家族 ) という範疇に入ってい どをケアしている家族を支援するのです。そういう意味では広影響が大きいというのは今や常 障 神 精 る法律 ) を作って、変わっていつく捉えています。そういう考え識になってるわけです。だから 集 家族を支え、支援することに 特 英国では、ケアをする人をケアラーと呼びます。その範囲に家 族はもちろん含まれますが、かなり広い範囲で捉えられています。 よって本人の病状も回復して再 れるという。その信頼感を取り戻第一日本の精神科病院のほと谷【そうですね。精神科で一番 足りないのは、精神科の医師で号 すような訪問医療をやっていかんどが民間だということが大問 月 すからね。 ないと、簡里にアウトリーチをや題なんですね。 年 ればいいというだけの話じゃな良田二方で、例えば公立病院 家族支援こそが なんかで精神科を併設してたり いと思います。 と 本人の回復につながる っ するところありますが、そうい ね 上 亠な うところはやめる所があるんで谷【総合的なビジョンが必要だ よ例以 、 1 ノーノ ん 特名 み % よ す。それはなぜかというと、精と良田さんも言われましたが、 っ ) 査く月 入 神科の医療費が安いんですよ。ひとつは、松沢さんが言われた の調な 収 名 ように、スタッフを外に出すと 儲からないからです。 か料病 一了病 し院殳彳 いうか、地域に出していく、そ 入 まロ 療数褂患谷【精神科の病院は、一般病院 3 の で、 ういう仕組みを作るということ のた円円医讎 上治療というより収容という面がですね。具体的には、医師・ス 院当図 9 会 以 病日 0 隊・ ル又 名 強くなり、しかも、少ないスタッタッフ等に支払われる診療報酬 舟 1 省よ フでたくさんの患者さんをみるも含めて、地域に重点を置くと 医 院生例病一 いう仕組みが必要です。 という状態で、安上がりな医療 院院病厚特般 病病年は一 几又・本 本條【やつばり私が思うのは、 に抑えられていますよね。 科者 神患 精 川﨑【だから、みなさん精神科家族支援ですね。もちろん精神 精 入 だけだったらそういう声はまだ 医になりたがらないですよね。

7. 月刊 みんなねっと 通巻第95号 2015年 3月号

子の様子を書きました。 校も休まずに行けるようになりウンセラーの方や、相談員の 私も息子も、本当に一一人で一ました。そして、高校三年生の方々の声かけ、それに、病院の 号 月 緒に、泣いたり笑ったり、あり頃は、生徒会長もやって、修学主治医、スタッフの方々、恩師 のままの姿で、学校の教室にも旅行や卒業式のお別れの言葉、の先生、大事な友達に本当に助年 漢字検定、車の免許などを経験けていただきました。 走りましたネー と ちょっとした声かけ、優しさ し、それから、就職も介護の仕 っ 特別支援学校で自信が戻る が本当に心に響きました。それね 事につくことができました。 ん 高校は、特別支援学校に行き介護の仕事も一一年になろうとがなかったら、私も心がめちゃ み ました。私は、特別支援学校でしています。彼なりにがんばっくちやで、のりこえられなかっ たでしようね・ : きっと ! ? 良かったと、今は思っています。ているようです。 高校三年生の頃から、ヒップ そこで、出会えた子どもたち : 実家を継ぐことになった息子 本当に、素直でキラキラ輝いてホップのダンス教室に通うよう 家族には、病気を分ってもら になり、今も好きな、そのヒッ おり、私のほうが一兀気をもらい ました。 えず本当に苦しかったです。 プホップを、仕事に行きながら、 いま、私は、病院の主治医に 特別支援学校は、自立にむけ踊っているようです。彼にとっ て、厳しかったかもしれませんてもヒップホップは、とてもプ言われ、一人暮らしをしていま す。息子は、実家の父が何年か が、私の息子は、特別支援学校ラスになったように思えます。 私自身も、障害者になりまし前に亡くなったり、実家の母が で、とても大切なことを学んだ 一人でいるのが淋しいと言った と思います。そこで、自信を取た。何度も何度もズッコケて : 心がこわれそうになりましたので、実家を継ぐことになり、 り戻し、うそのようにリーダー シップをとれるようになり、学が、そのたびに、いろいろなカ母が勝手に決めて、私も悔しい 障害者になったけれど、息子 ですが、実家で、母と息子と一一す。私も息子も病気をしました。 人で住んでいます。 でもね。今は、書いていてもも歳の成人式を迎えたから、 私も今は、息子にもほとんど自然に涙が出てきてしまいます私も、これからの人生を感謝と が : ・みんな生きていきましょありがとうって思いながら生き 会えません。でも、きっと、息 うね。お天気のようにね・ : 晴れ、ていこうと思います。 子と二人でのりこえたことは、 わかってくれている人たちは、時々、くもり、そして雨・ : あり 5 大切な息子へ 5 お母さんの子どもに生まれて ちゃんとわってくれているからのままの自分で : ・ありのまま きてくれて、ありがとう。あな の自分で : ・自然体でネー たがいてくれたから、お母さん 泣いていいんだョ ! おこっ 私は思います。出会い・ご縁・ ちょっとした優しさ、大切な友ていいんだョ ! 笑いたいときものりこえられたんだョ。あり かレ」 , っⅡ 達 : ・本当に、ありがとう ! 本には、いつばい笑ってネー 上手くできなくてもいいの : 私が今回ペンネーム ( エン 当に感謝してるって : ・私は思い ます。 ジェル ) で書かず、実名で書い 楽しんでやれたらいいんだと思 て います。 たのは、本当に少しでも、読んと 何度も、何度もズッコケて : 心がこわれそうになった時も、 心がっかれたら、みなさんもで下さるみなさまの参考になれ み 誰かが上手にリードしてくれた休憩を入れて、一歩、一歩、ゆっぱと思い、実名で書きました。 ゅ から : くり、ゆっくり、たまにはス上手には書けなかったかもしれあ も ピ 1 ドあげて、プレーキもふんませんが、少しでも、みなさま ど 子 の心に少しでも響いてくれた 「みんなねっと」の読者の皆でネー と いろいろあったから、でも、 ら、私はとても嬉しいなあ : 様も、たくさんいろいろなこと ( さかもとひとみ ) をのりこえられてきたと思いま私も今、生きているから。

8. 月刊 みんなねっと 通巻第95号 2015年 3月号

気持ちです。病院で休みたいでり、妻の看病を加えることはでています。 す」と言われます。 きません」と言われます。 1 年前に躁状態になり、その 号 月 お話を聞いて、この 2 年間の統合失調症を地域で治療でき後少し落ち着いた軽い躁状態 年 悩み方が微妙にずれていて、そると考える精神科医は、薬なしで、上司の悪口を言いながら勤 こは統合失調症の悩みのようにで 2 年間頑張って来られたさめておられましたが、この 1 か と っ 思います。 んなら、自宅療養で良くなると月うつ状態だったのです。 ね さんは、見られていると感思うのですが、それを押しつけ このたび 1 週間仕事を休んでな み じて、ずっと監視されているとることはできません。特に、症受診され、「ご飯を作れない。 思い込み、長期間悩み続けられ状が落ち着くまでの数週間は人入浴したくない」「何もしたく ました。これまでは薬を飲まな手をかけて見守る必要がありまない」と言って、入院を強く希 いで頑張って来られたけれど、すからね。 望されました。家で待っておこ =-Q さんにはリスバダ 1 ル液 1 これからは薬に応援してもらい う、と説得しましたが、この 1 を飲んでもらい、精神科病院年間の生活に疲れ果てて、逃げ ましよう。一日中考えて悩むと いうことは少なくなりますし、 るように入院されました。 に入院をお願いしました。 精神科医は、さんが辛い境 〈うつ状態で入院〉 遇にありながらも自分の考え通 の分だけ元気が出ています。 この時旦那さんは、「自分一 この前日には店員のさんりに生きておられるのを応援し 人で今忙しい時期の果樹園の仕 ( 歳、女性、離婚して一人暮て来たつもりでしたが、 " 自由 事と子供たちの世話をしておらし ) が精神科病院に入院されは辛いものでもあり、時にはそ れを捨ててでも保護をして欲し円ですから、自宅で療養する場を受診しないで、職場や家庭で 存在しない疑いを長期間持ち続 合でも、症状が重い時期には 1 いものでしよう。 日 1 万 nooo 円の費用と職員け、苦しく生活している人もお 〈地域に人とお金を〉 を使えるような体制を用意できられるでしよう。 また、一般の人にも精神病的 ひと月前に 2 数年ぶりに統合るはず。 失調症の症状が悪化した歳そうは言っても、お金と人材な部分が相当あって、変なスト に限界があるわけですから、地レスがかかると妄想を発症して 代の女性患者さんがありました が、週 2 回の通院と両親のケア域で精神科治療をやって行こうしまうこともあるようです。 つまり、重症の障害を持つ人 の元で、入院しないで落ち着きとすれば、今は入院医療に使っ ている医療費と職員を分けてもが健康に暮らせるような世の中 を取り戻しておられます。 になっていくと、一般の人も暮 でも、一人暮らしでは、体調らう必要があります。 らしやすい社会になるはずなん が悪くて、食事の用意や入浴、 〈暮らしやすい社会〉 です。その逆も一言えるでしよう。 洗濯などの日常生活が保てない それには、これからの日本を 時があるでしよう。これをホー ムヘルプや往診、訪問看護で助どんな国にしたいかを話し合う ことが必要です。 けることができれば、入院しな 実は、さんやさんは " 精 くても自宅で病状を良くするこ 神病ではない ~ と思って生きて とはできるはずです。 入院の費用は 1 か月で約万きた人たちです。他にも精神科 29 街の診療所からのお便り

9. 月刊 みんなねっと 通巻第95号 2015年 3月号

的な内容が多く占めていたと思住施設是非が中心になり、最終すか ? どんな福祉を求めてい います。当事者たちの多くが自的こよ、、、 。。ししカ悪いかだけの話にるんですか ? どんな体制をあ 由でないからいやだと答えてい なって終わってしまいました。 なたたちは希望しているんです たと記憶します。検討会の前半私たちは本当は日本の精神医療か ? というのは、断片的に言っ は病床転換型施設には否定的なというのはどうあるべきなのか、てたんじやダメです。総合的にど 空気でした。私も当事者がいやどうしたら長期入院者をこれか ういうものを望んでいるのかと だという結果が出ている、施設ら先つくらないですむような医 いうことを私たちは求められて の実施は不適切だと反対意見を療ができるのか、ちゃんと時間 いて、それを我々の中で確認し合 一一一口いました。 をかけて議論すべきでした。 うことが必要なんじゃないかな 家族会もどんな医療を求めてというふうに思いました。 る いろいろな施策がおこなわ 考 いるのか、福祉を求めているの を れたが結果が出ていない 活 ボタンをかけ違え、民間病 か、そ , つい , っことについて、公心 院中心になってしまった 地 良田【国は、これまでもいろ合的なビジョンを持つべきじゃ いろな施策をおこなってきたけ ないかなと思います。 谷【今から 2 年前の年 地 の れど、ちっとも結果が出ていま そのビジョンにもとづいてみに、厚生労働省は改革ビジョン 者 せん。それで、これからの精神んなで主張していかなければとを出して、地域に移行させる施 障 神 科医療をどうしたらいいかとい 思います。関係者の方々に私たち策をおこなってきましたが、結 精 集 う議論になりました。ところがも聞かれるわけですよね。家族局、ほとんど変わってないとい 終盤になってまた病棟転換型居はどんな医療を求めているんでう現状があります。その点につ ると、日本の場合、 7 万床ぐらい しまいます。今、そのツケが回っ して雇うということではなく 号 で済みますから、万 5 万人ぐてきていると私は思っていまて、アウトリーチとかアクトと 月 らいの方たちは、みんな地域です。ですから、退院したら地域かの訪問支援の体制を、家族は 年 生活していることになります。 で丁寧にお世話をする体制を、望んでいるのではないかと思い しかも、では、入院して一日も早く作らなければいけなます。 と っ も、その期間は平均で 2 週間程 いと思います。 良田【それは、私も大事なこと ね 度、長くても 1 か月半くらいで そして、地域でお世話をするだと思います。私は「長期入院 み すから、地域の支援体制が整っのは家族ではなくて、家族以外精神障害者の地域移行に向けた ているからこそ可能になることの人が責任を持って支援できる具体的方策に係る検討会」とい なのでしようね。ちなみに、日体制が、今日本ではとても不明う厚生労働省の検討会に委員と 本の平均は 301 日と、これま確です。家族がいない人はずっして出ました。この検討会は長 たダントツです。 と長期になるし、家族がいたと期入院の人を地域移行させる方 しても高齢だったり倒れたりす策について検討する会でしたが、 日本は地域に支援体制が ると家に引き取れないというこ昨年の 3 月から 6 月頃までの短 整っていない とで長期入院になります。 期間でおこなわれ、前半は関係 野村【日本の場合、地域に支援 公的な責任で、退院して地域者のヒアリングでした。そのヒ 体制が整っていないから、みんに出てこられた方をしつかり包アリングの中での話や当事者を なが悪くなってから病院に入っ括的に支援する体制を整えなけ対象とする調査結果も、病院内 てしまい、退院できなくなってればいけない。家族がお金を出あるいは病棟内居住施設に否定

10. 月刊 みんなねっと 通巻第95号 2015年 3月号

ケアを運営してきました。当初ています。デイケアに通う発達 昌は、職員はもちろんですが、提障害当事者の登録者数は 号 月 ポ望進 唱した私すら今から考えると名を超えます。 2 年前から晴和 展藤 終 の加「大人の発達障害って ? 」とい病院にいわば「支店」を出して、 最 とへ 、ー第解後病うレベルに近かったと言わざるそちらも累積初診は名弱 と 4 一理今を得ません。 になりました。電話予約でお断っ 私もそれなりに勉強して、そりせざるを得ない患者さんの数 障åの概念をまとめて、いくつものもま「たく減りません。それだ けのニーズがあることを改めて 達解発ま作業仮説を頭の中で作「て〔た のこ和のですが、実際に始めてみると認識しています。 昭公 発 . 理人 ~ 「これは違うなあ」という連続私も相当数の患者さんと接し でした。それくらいにこの領域てきて、それなりに整理されて は未開拓であったということもきました。振り返ってみると最 はじめに できます。 初からデイケアと並行して外来 成人期の発達障害について、 を続けてきたことが大きな力に 発達障害外来ことはじめ これまで連載形式で概説してき なったと感じます。本シリーズ ました。 年以来約 7 年を経過に寄稿してくれた皆さんが築い 昭和大学附属烏山病院ではして、烏山病院の外来は累積初てくれた集団のカです。試行錯 年から専門外来とディ診患者が名に近くなっ誤の連続で数限りなく修正を重 * はアメリカ精神医学会による精神障害の 診断基準。—c-)Q は世界保健機関による診断基準 1943 年に記載して以来すでのものに不確実性が内在してい ねてきましたが、最初に設定し た大前提は間違っていませんでに半世紀を超える蓄積がありまるのです。 した。 国際的な診断基準として す。しかし、多くは重い知的障 それは、自閉症スペクトラム害を伴うために、その精神内界や * が良く知られてい (<coQ) の場合は、薬は現状は不明のままでした。そこで観ます。しかし、そこに書いてあ では頼りにならない、外来を維察者である医師や研究者が憶測る症状はかなり一般的なもの によって、その症状の由来を解で、それだけを見ても典型的な 持するにはデイケアでのサポー 病像が浮かんできません。 釈するしかなかったのです。 トが鍵になるだろ , っとい , っこと よく患者さんが主張する症状 それは一方でカ動的な解釈に でした。今でも過半数の通院患 者さんは無投薬です。そして、流れてしまい、母原病 ( 自閉症に「感覚過敏」があります。し かし、よく聞くと音に敏感、嫌 デイケアで経過を長く見ていく は母親の養育の失敗によるとい う決めつけ ) などという忌まわな音になると耳をふさいでしま 中で、診断の精度も上がってい きました。 しい過去にもつながりました。 うというもので、その内容は敏一 ポ 感な人ならだれもが持ちそうな 行動観察だけで診断するとい サ なぜ診断が難しいのか う手法は、一方で多くの「似て症状にすぎません。複数の指一小解 <coQ は、本質的には子ども 非なる」状態も自閉症のスペクに混乱するという症状も外来での 害 障 トラム ( 連続体 ) に入ってしまよく聞かれます。これも単に能 の自閉症が大人になった状態に 達 発 う傾向になることも見逃せませ力が追い付いていないだけとい 近いはずです。 子どもの自閉症はカナーがん。根っこにある自閉症概念そうこともよくあります。