内の平均在院日数です。 号 月 日 精神科医療の現状と改革の展望 日日日日日日日日日 年 LO 4 C) っ 0 【 0 ワ」 昭和大学烏山病院家族会あかね会監事 氏家憲章 ・ 8 社会福祉法人うるおいの里・理事長 〔 / ワ」 6 LO 4 っ 0 C-D C-O LO に 0 ワ」 1 1 1 1 と っ 数 日 ね ン ク年な 《連載》第 2 回「ニ重の格差」を抱える精神科医療院 1 アカス 在スデ、 ッタラ み 均丿 マ 平当イナト タメラ 2 日本の精神科医療は、先進諸①先進諸国の平均在院日数絽日のドカス ィアフデ本 ス 各 オ 国の精神科医療と国内の一般医前後 先進諸国の精神科医療と日本 療の両方に、「二重の格差」が 司日本は囲万人が 1 年以上の長 あり、精神科医療の基本的ありの大きな格差を端的に示してい 方が問われる深刻な問題を抱えるのが平均在院 ( 入院 ) 日数で期入院 日本の平均在院日数は 298 す。日本を除く先進諸国の平均 ています。 在院日数は日前後です。アメ日です。先進諸国並みの 1 か月 ①先進諸国の精神科医療との格差 リカやフランス・デンマークの未満は 8 ・ 7 % の 2 万 6 千人で ひとけた まず先進諸国の精神科医療と平均在院日数となると一桁です。残りの引 % の万 8 千人は、 日本との格差の状況をみてみます。一番長いイギリスでも数先進諸国では地域に移った在院 しょ , つ。 日で、ほとんどの国は 1 か月以者です。しかも在院者の 3 人に 2 人にあたる万人は 1 年以上国先進諸国で廃止されている病本が世界最大の " 精神科病床大 国 ~ になっている背景には、先 の長期入院、約 4 人に 1 人の約床をなお大量に抱える日本 日本の精神科病床が飛び抜け進諸国で廃止された精神科病 7 万人は川年以上という超長期 て多い背景には、日本の特殊事床・万 6 千床 ( % ) を今日 入院です。 になっても抱えていることがあ 情があります。先進諸国の精神 ります。 科病床は人口万対 ②世界最多の " 精神科病床大国 ~ 床 同先進諸国の数分の一の日本の 床 ( 人口 1 万人に ) 5 日本の人口は世界の 1 ・ 7 % 病 神 6 % 床前後です。この精医療従事者 です。しかし精神科病床では、 このように日本は世界最大の 世界の円 % を占め、世界最多の万 8 神科病床を日本に当 2 てはめると 6 万 4 千 " 精神科病床大国 ~ です。しか " 精神科病床大国 ~ なのです。 残 床です。しかし、日し医療従事者数でみると、日本 床 望 人人年床床 , 展 千本には万床ものにおける医療従事者全ての職種 万 4 % の 千万 4 8 図 1 万 9 は、先進諸国の数分の一です。 革 精神科病床があり 万 5 千 0 8 41 国数ロ 〉億 2 6 ( ます。万床から精神科医療の医療資源は多職と 1 3 ( 諸床人 ロ 2 億い 進病 人 7 現 種の豊富な人材で成り立ってい 6 万 4 千床を差し引 〉床床先の床 の 病病病が合病 床くと、万 6 千床がます。そのため医療従事者が多療 世ロロ神科科床場恥 いか、少ないかは医療の " 質 ~ 万残り、これは、先進 神 ののの精精神 0 精 精 3 諸国で廃止された病に直結します。日本は病床では 界本界のの精なの 世界本 世日 本み現 床に相当します。日 " 世界最多 ~ でいて、医療の質 世日日並
「みんなねっと」の ホームページをご覧ください 5 月号通巻第 109 号 もくじ 2016 ) みんなねっと相談室 ) 入会のご案内》みんなねっとについて 島し 0 よーン 0 、 0 こ , 、・、 ( ) 0 グししをの 0 みんなねっとは精神に障がいのある方のヾ、 家族が結成した団体です 公益社盟法人全国精神保健福祉会連合会 【表紙の絵】織田信生 究 研 査 研 ン ど な 望 要 知っておきたい精神保健福祉の動き 2 お知らせしますみんなねっとの活動 3 特集 『精神障がい者と家族 ~ それぞれが自立し、ささえあうために ~ 』① みんなねっとフォーラム 2015 より ( 白石弘巳 ) 6 精神科医療の現状と改革の展望 【連載第 2 回】「二重の格差」を抱える精神科医療 ( 氏家憲章 ) 1 4 私と家族の手記 母に、心からの「有り難う」 ( 野村忠良 ) 18 街の診療所からのお便り【連載 108 】 ( 増本茂樹 ) ・・人が言うことではなく自分の意見で決めなくっちゃね・・ 22 知ることは生きること ( 連載 5 回 ) 障害年金の審査における診断書の捉え方とガイドライン施行後の相違点 ( 青木聖久 ) 26 メンタル障害をサポートするための知識 - ー薬物療法を正しく理解する・連載 22 ( 姫井昭男 ) 第 3 章「精襠斗の薬」の実際く 9 〉ーー精襭寝物療法についてよく質問されること ( その 1 ) 30 真澄こと葉のつれづれ日記 ( 第 62 回 ) 34 みんなのわー一読者のページ ・地域の話題 36 〉みんなねっとについて 0 第策のうごき 月刊みんなねっと 書籍 更新情報 都道府県連合会の情報 > 各都道府連からのお知らせ > 都道県のお問い合わせ先一覧 〉書籍のご注文方法について 辷みんなねっと入会のご案内 月刊みんなねっと 2013 年 9 月号 20 : 3 年 9 月 4 日羅物 本県連イベント・研修会予定 20 年 9 戸 : お手 4 日 NEWI 山形宮 北信越プロック研修会開催 2013 年 9 月 27 日 NEW! 和歌山 長第大分高知 児島 「訪問による家族支援」普及活動 しくスタートします。 都道府県運合会黒本県 月刊みんなねっと最新号 2013 年 9 月号 【特集ー働き方いろいろー 雇用の現場から一 > 目次・詳細 > バックナンバー 都通府県運合会長野県 玉茨域 広第岡山 兵第京 都道府県合会石川県 北信越プロック研修会開催 2013 年 8 月 27 日 神奈川 北信越プロック研修会開催 201 明 27 日 ビックアップ 都道府県運合会高山県 ・新着記事のある都道府県連合会 書籍のご紹介 都道府県連合会新漢県 北信越プロック研修会開催 2013 年 8 月 27 日 NEW! 統合失調症を正しく理解 するために「わたしたち 家族からのメッセージ」 病気の知識、生活サービ ス、家族の目線でわかりや すくまとめました > 目次・詳第 うつ病を正しく理解する ま・を諸 , セーン ために「わたしたち家族 からのメッセージ」 病気の知責、生活サービ ス、家族の目線でわかりや 0 すくまとめました ) 目次を詳細 》書籍の一覧 > ご注文について 都道馬県連合会福井県 北信越プロック研修会開催 2013 年明 27 日 家族支援 相談室 神害者に対する客療の提供を確保す るための指針等に関する検討会への意見 2013 年 6 月 27 日 NEW' 障習者基計画 ( 案 ) へのバブリックコメ ントの募集 2013 年 8 26 日 NEW! 害者の地域生活の推進に関する検討会 ( 第 3 回 ) 20 ロ年 3 月 22 日 NEW' > バックナンバー 施策のうごき みんなねっと相談室 お気軽にこ相談ください。 施策のうごき サポート情報室 メンタルヘルスと福社サービス 病気のことや生活に必要な情報をわ かりやすく説明しています。 施策のうこき みんなねっと無料メルマガ購読 メールマガジンはじめました。せひ、ご 登録 ( 無料 ) ください。 メールアドし・ス 〉メールマガジンの詳細 家族相談ハンドブック 家族会の相談研修や支援機関でテキ ストとして活用できます 書籍 講読申込み ホームページのリニューアルに伴い、みんなねっとではメールマガジンを 発行しています ( 無料 ) 。当会の活動だけでなく、各都道府県連の情報な ども随時お知らせするメルマガになっています。ぜひ、ご登録ください。 詳しくはホームページをご覧ください ( 「みんなねっと」で検索ください ) 。
ね翳鬮 月刊みんなねっと ( 毎月 1 回 1 日発行 ) 通巻 109 号 2016 年 5 月 1 日発行 2007 年 7 月 24 日第三種郵便物承認 月予翡を馴の家族と家族会をなぐ機誌 月刊みんなねっと 2016 年 5 月 1 日発行 2007 年 7 月 24 日第三種郵便物承認 精神疾患がある人や家族に役立つ出版物 A 4 判・ 1 1 2 頁 定価 1 OOO 円 ー ( 別途送料 ) 「家族相談の活動は家族会の原点ですづ 本書は、全国から寄せられた家族による相談事例の中から 32 事例を掲載しま した。事例を、日常生活、医療、家族会、家族依存、地域連携、親亡き後、制度の七 : ー ) つに分類し、それにコメントを加えた初めての家族相談事例集です。同じ家族 としての立場から相談にのり、情報を伝え、家族会につなげていく活動は家族 会の原点ともいえます。みなさんの活動に役立てていただければと思います。 精神障がい者家族相談事例集 精神障かい者家族 相談事例集 2016 精神障かい者と家族 5 それぞれが自立し、ささえあうために 5 』① ( 白石弘巳 ) 障害年金の審査における診断書の捉え方とガイドライン施行後の相違点 社会資源ハンドラック 神辟かい名と室版に得朝 村会資源ハントブック を凸物凸・ ■当 B 5 判・ 1 80 頁・定価 1 4 0 0 円 ( 送料込 ) 【内容】医療に関する制度 / 地域で生活するための支援 / 日中活動の 場、就労や復学の支援 / 経済的な支援を受けたいとき / 財産の活用 や保護、法的な支援など / 家族が情報を得る、相談できるところ 家族会員・支援者のための ☆家族会運営のてびき A4 判・ 100 頁・定価 800 円 ( 送料込 ) 家族会からの注文は 1 冊 600 円に割引します 家族会の設置から運営の仕方まで家族会の活性化に役立つ「てひき」ができま した ! 会報や案内パンフなどの見本の資料ページもあり、家族会とつなかり のある支援機関でもせひこ活用を ! 【内容】精神障がい者家族会とは / 家族会 活動をおこなおう / 運営・活動費 ( 財政基盤 ) について / 家族会の組織強化をし よう / 地域にとけこむ活動への積極的参加 / 新しい家族を家族会につなげよ う / 新しく家族会を立ち上げよう / 支援者・関係者の方々へ / 資料編 ☆家族相談ハンドブック A4 判・ 76 頁・定価 700 円 ( 送料込 ) 家族相談のテキストができました ! 家族会ならの注文は 1 冊 500 円に割引 【内容】家族による家族支援 / 精神障がい者の状況 / 精神障がい者家族の状況 / 家族相談の 意義と特徴 / 家族相談の目標 / 家族相談の留歳点 / 相談実習の進め方 / 家族相談の方法 / 新しく家族相談事業を立ち上げたいときは / 家族相談員の養成 / 家目談の事例 問い合わせ先 公益社団法人全国精神保健福祉会連合会 ( みんなねっと ) tel 03 ー 6907 ー 9211 / fax03 ー 3987 ー 5466 ホームへージ http: 〃 www.seishinhoken.jp 公益社団法人全国精神保健福祉会連合会
・家族支援事業の推進 ( 新規事会請願署名活動を推進していく で、大盛況となりました。 号 ための中央行動を行ないました。 多くの方々にご来場をいただ業の展開を含む ) 月 ・ 8 プロック ( 各都道府県連 ) 午前中は衆・参議院の国会議員 きありがとうごさいました。 年 名 ( 国土交通委員を中心 ) に、 実態把握 ( 事務局鈴木 ) 5 月日提出予定の精神障害者 ・自主収益事業の開発研究 と っ この他に①精神障害者の交通の交通運賃に関する国会請願に ■平成年度第 5 回理事会 ね 亠な 3 月凵日、東京都障害者福祉運賃に関する請願運動②当会政ついての要請をいたしました。 ん 策委員会の活動③障害基礎年金また、午後には、参議院会館み 会館にて開催されました。 判定ガイドラインなどの報告がで「障害者差別解消法で明日を 平成囹年度重点課題 ( 左記 8 ひらく」をテーマに学習会を行 点 ) とした事業計画案と予算案なされました。 とりわけ、魅力ある家族会活ない、精神障害者の受ける差別 を全会一致で決めました。 ・国会請願署名提出 ( 5 / ) 動の追及やみんなねっと誌の充の当事者の声として、 4 名の体 ・政策委員会の機能化と政策的実、会員拡大が当会を支える根幹験談と「差別解消法で元気にな 検討、提起に基づくとりくみであるとの審議がされました。家ろう」との池原弁護士のミニ講 ( 特に精神保健福祉法見直し族支援事業については、しつかり演がありました。 そして、クライマックスには、 提言、精神科病院不祥事へのとした方向性とそのあり方につ 当会をはじめ精神の障害関係団 いての検討が求められました。 介入 ) 体 8 団体 ( 日本精神神経科診療 ・賛助会員拡大強化 所協会、日本精神保健福祉士協 ■国会請願署名中央行動 ・賛助会員新規程、賛助会費改 みんなねっとは、 3 月日国会、日本精神科看護協会、日本 定の実施 ( 紙面改編含む ) の力と役割」、「支え、支えられ てんかん協会、日本作業療法士橋で行なわれました。 協会、全国精神障害者地域生活 2 日間を通して約名のる、当事者の力」の 2 つの分科 会に分かれ、それぞれ家族、ピ 支援協議会の同席、日本精神科方の参加があり、「精神障がい アスタッフから報告がありまし 病院協会、全国精神障害者団体者が共に暮らせる地域づくり」 連合会より賛同 ) との合同会見—当事者と家族が安心して地域た。四国四県の取り組みを通し、 となりました。 で生活するために—というテー学び合う、実りの多い大会とな りました。 ( 香川県連 ) マを掲げ、開催されました。 単なる割引制度の話ではな 1 日目の記念講演では、 く、精神障害者への差別解消と 生活の質の向上の面から、精神 , ・ O 岡山。の藤田大 障がい者の地域生活支援の充実輔氏による—岡山県における < と、更なる発展を遂げるための実践より—立ち上げの経 緯、そして病院から地域へとい 訴えをいたしました。 ( 事務局長小幡 ) う支援の実態を聞くことが出来 ました。次にみんなねっとの本 = ■四国プロック・みんなねっと條義和理事長から活動報告、厚 フォーラム 2015. 香川大会生労働省社会・援護局障害保健 みんなねっとフォーラム福祉部の北澤直美氏より行政報 告がありました。 15 ⅲ香川大会が、去る 2 月 2 日目は四国プロック各県家 日—円日に、香川県綾歌郡宇多 津町のホテルサンルート瀬戸大連の事業・活動報告と、「家族 5 精神保健福祉の動き
背景には、病院占める最多の患者です。しかし日先進諸国が到達している精神 年 円円に支払われる入精神科医療に使用している精神科医療と処遇、そして国内の標 4 C) 3 院料は、基本的科医療費は、国民医療費の 6 ・準的レベルの医療 ( 人員 ) 体制を 7 % です ( 2012 年 ) 。精神提供できません。そのため精神 儲当 1 0 院に職員数に比例 為 8 2 艇して設定されま科医療は患者数では最多です科病院は " 病気を治し、症状や 療 っ 0 1 療 す。精神科病院が、医療費では数 % と国家財政障害を軽減し、社会生活に 1 日 医 △ム 完院の医師は一般病を圧迫せず、 " 安上がりの医療 ~ も早く復帰する。という病院の 病 なのです。 本来の役割を果たせません。 占 殳秤院の四分の一、 当舟 また、安上がりの精神医療政 神看護職員・職員総 そのため日本の政府は、先進諸 数は半分という国のように医療費 ( 医療経済 ) 上策は、当事者と家族に犠牲を強 いており、同時に、精神科病院 実態が、一般病院の三分の一の日の問題から、精神病床の大幅削減 望 当点の要因になっているのです。 の医師や看護職の犠牲の上に成 の必要性を感じていません。 展 り立っているといっても過言で革 改 " 安上かりの精神科医療 ~ ″病院本来の役割を果たせてい はありません。 と 病院に入院している全疾患ない精神科病院 ~ では、なぜ日本の精神科医療塘 の在院患者 ( 2 013 年 ) は、 このように、こころの健康問が、今でも「一一重の格差」を抱えて療 医 科 いるか、その背景を第 3 回・第 4 127 万人です。その内精神疾題に対応する精神医療政策が安 神 精 患の在院患者は万 7 千人で、上がりの状態では、精神科医療回で振り返ってみます。 ( うじいえのりあき ) 精神疾患は全在院患者の % をを利用する当事者に対して、今 では、先進諸国で " 最低 ~ であ精神科病院の職員が一般病院的に設けました。精神科病床は の半数になっている背景には、 ることを意味しています。 1958 年から、この綿科特例号 月 精神科病院がを前提にして急増しました。その 年 図国内の一般病院との格差 師人人 自隻 7 5 4 一般病院と区結果、綿科特例は決して暫定的 荏又一三ロ 別され、差別なものではなく、特に民間精神科 日本は先進諸国の精神科医療看 4 と 、イ LO っ 0 〔 0 っ 的扱いを受け病院では " 標準的な基準 ~ となっ との大きな格差と同時に、国内 年 ね 亠な の一般病院において大きな格差 師人人 % ているためでてしまいました。 ん ' Ⅱ - ) 1 ワ」 す。 精神科特例は、医療で最も重み があります。 告 ~ 楽 3 1 1958 年要な資源である人材を削減す ①精神科病院の職員は一般病院 当時の厚生省る、精神科医療の質の低下を前 の半分 ) 甲 7 1 は、局長通達提にした医療体制です。 精神科医療にとって人材 ( 職員 員 ) は最も重要です。しかし精職医 凵 3 を出して、医②精神科病院は一般病院の三分 療法 ( 一般病の一の収入 神科病院の医師は一般病院の四 た数人人 % 院 ) では認め精神科病院の収入は、その 9 分の一、薬剤師は三分の一、看当 公心 L_O 〔 / 4 床糸 員 3 ていない " 職割前後を入院料収入が占めてい 護師 ( 准看護師含む ) ・職員総 0 職 1 64 員が少なくてます。入院料収入の基礎となっ 数は半分、と深刻な人手不足で ~ 兀院 もよい″とい ている患者一人一日当たりの入 す。この状況は、年以上今も、 病 科う「精神科特院料単価 ( 日当点 ) は、一般病 基本的に変わっていません。 般 い精神科特例を設ける 精例」を暫定院の三分の一と超低額です。この
独とともに言い知れぬ寂寥感に 母の愛 加害行為と転居 襲われ、家に着くなり激しく泣 き続けたことがあった。 降り続く雨の日に、ほんの一 突然に、ふだんは床に伏して 病の母は、話し相手が誰もな いる母が思い立ち、家から出て瞬、雨が止んで空が明るくなる く、まるで捕らわれの身である行って何かをし遂げて帰って来ように、母には稀にではあるが かのように、恐ろしい世界に独ると、私たちの心は凍りつい 健康的な行動も見られた。私の りで住んでいた。まわりに家族た。なぜなら、それはいつも凶幼少の頃、お風呂に一緒に入っ はいたが、誰も口をきかなかつ事の始まりであったから。恐れてくれた母が、歌を歌ってくれ た。言うことがあまりにこの世ていた通り、しばらくすると近たのだ。楽しいインディアンの からかけ離れていて、返す一一一口葉所の住人が血相を変えて玄関に歌、相思相愛の明るい若夫婦の が出ないのだ。凶悪な人物から、現れる。オロオロと応対する父歌。なんと健康的な母だろう。 私たち家族の命や財産が狙われに、「お宅の女がガラスを割っその場がこの世ならぬ天国のよ ていて、片時も安心できない。 た。この土地から出て行ってほ うに感じられた。もしかすると、 次第に病気が治るのかもしれな そんなことを、一日中ひとりでしい」。父は平身低頭して謝り、 幼い心にも淡い希望が芽生 つぶやいているから、私たちは身支度して転居先を探しに出か うんざりし、常に気が滅入ってける。こうして幾たび転居を繰えた。しかし、ぬか喜びだった。 いた。実際、一家は、母から絶り返したことか。その苦痛に耐すぐに空笑が始まり、怪しげな え間なく伝わってくる破滅の予えて、父は歳で亡くなるまで、空気が支配した。 あるとき、私は行きたくない 感に、心底、悩まされていた。 母と私たちを養ってくれた。 私と、 を寘の、、 手記、 母に、心からの「有り難う」 ( 東京都 ) 野村忠良 の年月を治療を受けず家で過ご 母の発病 した。 号 月 最愛の 7 歳の次女を急病で亡 会話のない家族 年 くして以来、母は精神を病んだ。 形見の服を抱きしめ、毎日泣い 父と母とは会話をしなかっ と っ てばかりいたという。そのときた。いや、家族の間に対話が無 ね S 歳。私はまだ生まれていな かったと言った方が分かりやすな み かった。母は家事ができなくな い。姉、妺、長男の私と両親の り、父は叱ってばかりで、とき 5 人暮らし。母は、病のために には家から追い出されたことも子供たちと話そうとせず、どの あったと、後年母から聞いた。 子も愛情に飢えていた。父は、 やがて父は、母が精神の疾患毎日の会社勤務に加え、家事を にかかったことを悟り、母を精担っていたから、いつも疲れて 神病院に預けた。しかし、その いた。疲れていないときには私 頃はまだ向精神薬はなく、病室の話し相手をしてくれたが、そ に収容されるだけの治療。それれはめったにないことだった。 に我慢できなくなった母は脱走寂しさと不安が、家族全体を包 し、家に帰ってきた。それからんでいた。後年、私が高校生で 歳で亡くなるまで、ほとんどあったころ、下校途中に深い孤 19 私と家族の手記
かがそっと寄り添って、母の気 学校に行き、給食費の封筒を持教会に行くから、献金用の たされて帰宅したことがあっ円を貸してほしいと一言う。母の持ちを聴いてくれていたら、母号 月 た。寝ている母に黙って渡すと、異様な姿を級友たちに見られては孤立せず、元の生活に戻れて 年 いたのかもしれない。ハ 乂と母と いる恥ずかしさに混乱しながら 母はやがて着替えをはじめ、私 を連れて外に出た。町はずれのも、母の願いに応えようと更衣に健康的な人間同士の親しい対 と 黒い板塀の店に入ると、着てい室に財布を取りに走った。母は話の習慣があったなら、我が家っ 亠な 男の日は精神疾患の試練を受けなかっ たカーディガンを脱いでお金に救いを求めていたのだ。リ ん み 換えた。家に帰り、それを封筒に、母の布団の側に、新興宗教たのかもしれない。 に入れて渡されたとき、私は泣の冊子が置いてあったこともあ 心の奥底に残る いた。母への感謝と切なさで、る。どの宗教も、長くは続かな 母の愛の記憶 かったようだ。 心かいつばいだった。 子供のころから、筆者は無限 助かりたかった母の願いに、 救いを求めていた母 私は今、痛いほどの共感を覚えとも感じられる孤独と寂しさの なかで生きて来たつもりでい また他の日に、小学校の校庭ている。 た。しかし、実はその寂しさは 本育の授業を受けてい で、私はイ もし話を聴いてくれる人が 底無しではなかったことを、 た。ふと見ると、遠くで何かが いたら まになって筆者の心全体が感じ 動いている。よく見ると母だ。 もし母が、次女の死を受け止ている。劣等感との長い付き合 手招きしている。先生に断って いから解放されたいま、お腹の 母の処に走っていく。これからめられずに泣いていたとき、誰 最近の先進国の精神保健医療は 底から自分自身に対する温かい に対面したときにも同じように 全面肯定と安心感が沸き上がっ相手のすべてを快く肯定し、敬伝えている。筆者はその実践の てくる。この深い安心感は、母意をもってきずなを深めようと末端に携われていることを心か ら有り難く感じ、いっそうの貢 が生まれたての筆者を愛情をこする。 献をしたいと願っている。 めて抱擁し、授乳してくれたこ 家族会相談に生きる母の愛 筆者をこの世に生み出し愛撫 とを抜きにしては考えられな してくれた母に、万感を込めて 。それは筆者が一度だけ会っ 家族会の相談員を務めてい たことのある伯父から、母は筆て、筆者が相手のすべてを納得「有り難う」と言いたい ( のむらただよし ) 者が 3 歳を超えても授乳してい して受け入れることができ、人 たと聞いたこととも一致する。 生を一緒に歩んでいく確かなっ 加えて、この安心感は、人生ながりができた時には本当にう 途上で出会い今日に至るまで筆れしい。命の道程を、親しく語 者を理解し親愛を込めて心を通り合いながら共に歩んでゆく喜 わせてくださった多くの方々にび。相談者が切実な課題に向き 負うていることを、筆者は深く合い、真剣に求めているときに 感じている。終生、感謝したい。 は、お互いにいっそう充実した 対話となる。 自己肯定は人をも肯定する こよ、人を支える 傾聴と対話しし この自己肯定の安心感は、人うえで重要な働きがあることを 21 私と家族の手記
連載 5 回 富ても過言ではないのです。 号 月 診断書による書面審査が意味す 年 障害年金の審査における診断書の捉 ること え方とガイドライン施行後の相違占 私たちが他者の日常生活を正 と しく理解するためには、対面す っ 日本福祉大学 青木聖久 みんなっと理事 ることが不可欠となります。そね の際、非言語の表情にも気をん 前月号では、障害年金の審査それは、 1 回目の連載から話題配ってコミュニケーションをと の流れについて、概要を説明しに挙がっている「精神・知的障れば、さらに他者の日常生活へ ました。ですが、普段障害年金害に係る障害年金の地域差に関の理解が深まります。また、そ の実務に関わった経験の無い人する専門家検討会」 ( 以下、検のコミュニケーションが、診察 室等の特別な空間ではなく、自 討会 ) ですが、私は委員を担っ にとっては、難しく感じられた と思います。そのような中、今ていた、ということです。また、宅であれば、より他者の日常の 障害年金に着眼した精神障がい暮らしぶりが伝わりやすくなり 月号では、前月号の続編という 性質の部分もありますが、障害のある本人 ( 以下、本人 ) や家ます。ただし、人は案外自分自 年金の審査のしくみについて、族のよりよい暮らしの追究は、身のことを客観視できていると は限りません。ですので、他者 私がずっとこだわってきたテー 極力シンプルに、かっ、別の視 点も含めて伝えることにします。マでもあります。ある意味、障の身近な人から直接話を聞くこ 害年金への実践的な取り組みとができれば、多様な、かっ多 一方で、この連載において伝 えていなかったことがあります。は、私のライフワークだと言っ角的な側面から、日常生活の様 された診断書が、日常生活の様年金機構の事務センター等から 子を知ることができるのです。 ここで、障害年金に話を戻し子が反映されないものになって障害状態確認届が誕生月の少し ます。障害年金は、「診断書」しまえば、審査に齟齬が生じて前、あるいは、 6 月ごろに本人 という書面を介して審査が行わしまうのです。だからこそ、支の自宅に郵送で届きます。そう れるのです。本人の暮らしの基援者が生きづらさを抱える本人しますと、本人や家族は、診断 書や障害状態確認届 ( 以下、診 礎部分を左右する重要な所得保の日常生活をどのように捉え、 いかにして診断書作成医に伝断書等 ) を医師に作成依頼する 障の審査が、対面ではなく書面 によって左右されることになりえ、理解をいただくかは、本当ことになります。ここまでは、 現在の流れと同じです。 ます。診断書では、「一人暮らに大切なことだと言えます。 その一方で、本誌 2016 年 しを想定し、 1 年 3 6 5 日の アップダウンの波も含めて、日審査における入口は医師が作成 2 月号の頁において、診断書 等の日常生活能力を見る視点を 常生活を測ることが重要です」した診断書 「障害年金を新規に申請した掲載しました。それは例えば、 という旨の発言を、私は検討会 の場において、何度となくしまい」という場合は、年金事務所診断書等のなかの項目の「適切 した。とは言うものの、障害年や市区町村役場の年金係で診断な食事ができる」とは、どのよ と こ 金の審査では、あくまでも診断書の用紙を求めることになりまうな基準をもって判断するのか、 る す。また、「既に障害年金を受というものです。仮に、その基き 書が基になるのです。 そのようなことからも、より給しているけど、再認定の手続準が個々の医師によってバラバ と こ ①客観性をもった、②具体性にきをどのようにすればいいのでラであれば、結果的に本人の障 る 富む診断書作成が求められるこすか」という場合は、本人や家害状態が反映されない診断書等知 とになります。ところが、作成族から依頼をしなくても、日本によって、審査が行われること
野菜を上手く作れなくなって、あなたには治せまい ? 治せな 頭をうまく回すためには、お 畑がほったらかしになりまし いなら、早く死ねる薬をくれ」しし 、し、ものを食べて、夜は良く た。そのうち食事の用意ができと、挑戦的です。 寝て、日中は何か楽しいことを なくなったので、介護保険の施 やって行く、というものだと思 設に入所することになったので いますよ。 す。近年は、子供は成人すると 「やつばり、馬鹿につける薬 仕事を持って独立し、年老いた は無いんじやろう ? それなら、 親と同居することは少なくなっ 死ぬる薬の方が良い」 ていますから、介護保険が始ま 確かに、認知症を直接治す薬 り、特に認知症の場合に介護付 はありません。進行を遅らすと きのホームに入所するのも社会 いう薬や " あんまり考え続けん 清勢に合ったことでした。 ようにしよう ~ という抗精神病 薬、 " 暗く考えるのは止めて、 〈認知症を治す薬〉 何とかなるだろうと思おう ~ と お の 最初に出会った時、精神科医 いう抗うつ薬になります。 ら が往診してきたことを告げる 所 〈することがない〉 療 と、さんは、 一ごロ の 「私はどこが悪いんですか ? 次に訪問した時にはさんは 街 頭が悪いことは判っているが、 新聞を読んでおられましたが、 : 人が一一一一リっことではなく 自分の意見で決めなく 0 ちゃね = 連載回 〈早く死にたい〉 〈認知症になった〉 として、話を聞いて、薬を処方 「なーんも楽しいことはありしています。どの人も少なから さんは、子供たちが都会に ません」と歳のおばあさんのず精神的な症状を出したことが出て行った後に夫を亡くし、畑 さんのいつもの口癖です。こあった人ですが、今では落ち着を作ったりして一人暮らしをし の会話は、近くのグループホー かれて抗精神病薬を中止してい ておられましたが、認知症と なって記憶力と生活能力が低下 ムを定期的に訪問した時に繰りる人もあります。 さんはホームに入所した当し、一人では日常生活ができな 返されます。このグループホー 初、「早く死にたい」と毎日繰くなりました。年金を受給し、 ムは介護保険で入所できる認知 症の人のための施設で、 9 人のり返し言われたので、診察を依子供たちの金銭的な援助もあっ たのですが、いっとはなしに毎 入所者が自分の部屋と大きな居頼されました。 年育てていた大根や人参などの 間とで暮らしておられます。私 ロ ましもと しげき 増本クリニック院長 みんなねっと 2016 年 5 月号 22 増本茂樹
■みんなねっと事務局でと福祉をさらに改善しな 仕事をさせていただくよければなりません。生活 うになってから、早や 1 を守るためには、交通運 年半がたちました。良き賃や医療費負担の軽減を 職員の方たちに囲まれて、進めなければなりません。 充実した日々が続いてい社会の偏見をなくすため の啓発教育も必要です。 ます。 いっか、きっと、これ 社会が私たちの願いと は違う方向に進んでいるらの課題が解決すると信 ことを感じながらも、あじて、毎日、たくさんの るべき社会を目指して役仕事に追われながらも、 員の方たちとともに、心張り切って満員電車で通 を尽くして課題に取り組勤を続けています。 この 3 月で、事務局長 んでいます。 重過ぎる家族の負担をの役割を離れ、事務局付 減らすためには、社会がきの一理事になります。 責任を持って家族ととも「みんなねっと」誌の編集 に当事者を支えるあり方長として、今後も関わら 記 ( の転換を、できるだけせていただきます。 早く実現させなければな事務局長の後任は、 りません。当事者の人権幡恭弘が務めます。今後 が守られ、人間としてのも、どうぞよろしくお願 いいたします。 回復を果たせるようにな ( 野村 ) るためには、精神科医療 知っておきたい精神保健福祉の動き / 特集 / ( 投稿 ) 私と家族の手記 / 連載 ①街の診療所からのお便り / 連載②メンタル障害をサポートする知識 / 連 載③精神科医療の現状と改革の展望 / 連載④知ることは生きること / 連載 ⑤真澄こと葉のつれづれ日記 / みんなのわ ( 読者のページ ) ほか ・「月刊みんなねっと」これまでの内容紹介・ 【特集】 ■ 2014 年・ 1 月号 : 私たちが求める本当の家族支援とは何か 2 月号 : 働き続けるために一一自分に期待できる働き方 3 月号 : 薬を減らすガイドラインへの期待 4 月号 : その人のできることを実現するための就労支援 5 月号 : 本人・家族をともに支える訪問家族支援【その①】 6 月号 : 本人・家族をともに支える訪問家族支援【その②】 7 月号 : 奈良県で福祉医療制度が実現 8 月号 : いきいき家族会 9 月号 : 障害者差別をなくす地方条例をつくろう 10 月号 : 高齢化する精神障がい者にどんな支援か必要か 1 1 月号 : メンバーとスタッフが協働して運営するクラブハウス 1 2 月号 : 「あなた病気の人、私治す人」から「私も家族の一人です」となって見えてきたこと ・ 2015 年■ 1 月号 : 身体・知的障がい者と同等の交通運賃割引制度の実現を求めて 2 月号 : 精神障がい者同士で結婚して 11 年目のわたしたち 3 月号 : 精神障がい者の地域移行と地域生活を考える 4 月号 : 地域医療の発展をめさした「府中こころの診療所」を訪ねて 5 月号 : 精神障がい者の「住まい」を考える一英国の主支援から学ぶ ( 上野勝代 ) 6 月号 : 精神障がい者」にも交通運賃の割引を 7 月号 : グループホームの運営ってどうなっているの ? 8 月号 : 家族をひろげ元気にする家族相談活動ー愛知の経験から ( 木全義治 ) 9 月号 : 全科が無料になる医療費助成一地域家族会のとりくみ 1 0 月号 : 精神障がい・精神保健の正しい教育を一世界の教科書上肆交 ( 山田浩雅 ) 11 月号 : 日本でも本人と家族をともに支援する家族支援の実現を 12 月号 : 戦後 70 年と障害者権利条約 ( 藤井克徳 ) ■ 2016 年・ 1 月号 : 世界から見た我が国の精神保健医療福祉 ( 長谷川利夫 ) 2 月号 : 精神障害者と差別解消法 ( 池原毅和 ) 3 月号 : 障害者総合支援法施行 3 年後の見直し ( 本條義和 ) 4 月号 : 家族だからできる家族支援『家族による家族学習会プログラム』 ( 岡田久実子 ) ・「月刊みんなねっ」のバにナンバーのお申し込み方法・ 「 300 円 x 冊数十送料 80 円」の金額を巻末の振込用紙にてお振り込みくた さい。「通信欄」には、ご希望の号を記入してください。郵便局に備え付け の振込用紙の場合、「 () () 1 3 () ー () ー 3 3 8 3 1 7 みんなねっと」宛て にお振り込みください ( この場合、振込手数料は自己負担願います ) 。 FAX での申し込みもお受けします (FAX 番号 03-3987 ー 5466 ) 月刊みんなねっと ~ 毎月こんな内容でお届けします ~ 編集後記 【ご寄付のお願い】当会の活動は、皆さんの会費を主な財源として いますが、活動資金が不足しています。より活動を充実していくた めに、寄付を募っています。ぜひご協力ください。 * 通信欄に「寄 付」とご記入ください。寄付金控除・税額控除の対象になります。 加入者名みんなねっと ■郵便振込 00130 ー 0 ー 338317 月刊みんなねっこ通巻第 109 号 ( 2016 年 5 月号 ) 定価 300 円 発行日 2016 年 5 月 1 日 賛助会費 ( 会費に購読料含む ) 個人・年間 3 6 0 0 円 発行者公益社団法人全国精神保健福祉会連合会 団体・年間 ( お問い合わせください ) 理事長本條義和 〒 170-0013 東京都豊島区東池袋 1 ー 46 ー 1 3 ホリグチビル 602 TEL 0 3 ー 6 9 0 7 ー 9 2 1 1 FAX 0 3 ー 3 9 8 7 ー 5 4 6 6 郵便振替 0 0 1 3 0 ー O ー 3 3 8 3 1 7 ホームページ www.seishinhoken.jp 印刷・製本 / 倉敷印刷株式会社表紙の絵 / 織田信生