精神 - みる会図書館


検索対象: 月刊 みんなねっと 通巻第109号 2016年 5月号
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1. 月刊 みんなねっと 通巻第109号 2016年 5月号

背景には、病院占める最多の患者です。しかし日先進諸国が到達している精神 年 円円に支払われる入精神科医療に使用している精神科医療と処遇、そして国内の標 4 C) 3 院料は、基本的科医療費は、国民医療費の 6 ・準的レベルの医療 ( 人員 ) 体制を 7 % です ( 2012 年 ) 。精神提供できません。そのため精神 儲当 1 0 院に職員数に比例 為 8 2 艇して設定されま科医療は患者数では最多です科病院は " 病気を治し、症状や 療 っ 0 1 療 す。精神科病院が、医療費では数 % と国家財政障害を軽減し、社会生活に 1 日 医 △ム 完院の医師は一般病を圧迫せず、 " 安上がりの医療 ~ も早く復帰する。という病院の 病 なのです。 本来の役割を果たせません。 占 殳秤院の四分の一、 当舟 また、安上がりの精神医療政 神看護職員・職員総 そのため日本の政府は、先進諸 数は半分という国のように医療費 ( 医療経済 ) 上策は、当事者と家族に犠牲を強 いており、同時に、精神科病院 実態が、一般病院の三分の一の日の問題から、精神病床の大幅削減 望 当点の要因になっているのです。 の医師や看護職の犠牲の上に成 の必要性を感じていません。 展 り立っているといっても過言で革 改 " 安上かりの精神科医療 ~ ″病院本来の役割を果たせてい はありません。 と 病院に入院している全疾患ない精神科病院 ~ では、なぜ日本の精神科医療塘 の在院患者 ( 2 013 年 ) は、 このように、こころの健康問が、今でも「一一重の格差」を抱えて療 医 科 いるか、その背景を第 3 回・第 4 127 万人です。その内精神疾題に対応する精神医療政策が安 神 精 患の在院患者は万 7 千人で、上がりの状態では、精神科医療回で振り返ってみます。 ( うじいえのりあき ) 精神疾患は全在院患者の % をを利用する当事者に対して、今 では、先進諸国で " 最低 ~ であ精神科病院の職員が一般病院的に設けました。精神科病床は の半数になっている背景には、 ることを意味しています。 1958 年から、この綿科特例号 月 精神科病院がを前提にして急増しました。その 年 図国内の一般病院との格差 師人人 自隻 7 5 4 一般病院と区結果、綿科特例は決して暫定的 荏又一三ロ 別され、差別なものではなく、特に民間精神科 日本は先進諸国の精神科医療看 4 と 、イ LO っ 0 〔 0 っ 的扱いを受け病院では " 標準的な基準 ~ となっ との大きな格差と同時に、国内 年 ね 亠な の一般病院において大きな格差 師人人 % ているためでてしまいました。 ん ' Ⅱ - ) 1 ワ」 す。 精神科特例は、医療で最も重み があります。 告 ~ 楽 3 1 1958 年要な資源である人材を削減す ①精神科病院の職員は一般病院 当時の厚生省る、精神科医療の質の低下を前 の半分 ) 甲 7 1 は、局長通達提にした医療体制です。 精神科医療にとって人材 ( 職員 員 ) は最も重要です。しかし精職医 凵 3 を出して、医②精神科病院は一般病院の三分 療法 ( 一般病の一の収入 神科病院の医師は一般病院の四 た数人人 % 院 ) では認め精神科病院の収入は、その 9 分の一、薬剤師は三分の一、看当 公心 L_O 〔 / 4 床糸 員 3 ていない " 職割前後を入院料収入が占めてい 護師 ( 准看護師含む ) ・職員総 0 職 1 64 員が少なくてます。入院料収入の基礎となっ 数は半分、と深刻な人手不足で ~ 兀院 もよい″とい ている患者一人一日当たりの入 す。この状況は、年以上今も、 病 科う「精神科特院料単価 ( 日当点 ) は、一般病 基本的に変わっていません。 般 い精神科特例を設ける 精例」を暫定院の三分の一と超低額です。この

2. 月刊 みんなねっと 通巻第109号 2016年 5月号

内の平均在院日数です。 号 月 日 精神科医療の現状と改革の展望 日日日日日日日日日 年 LO 4 C) っ 0 【 0 ワ」 昭和大学烏山病院家族会あかね会監事 氏家憲章 ・ 8 社会福祉法人うるおいの里・理事長 〔 / ワ」 6 LO 4 っ 0 C-D C-O LO に 0 ワ」 1 1 1 1 と っ 数 日 ね ン ク年な 《連載》第 2 回「ニ重の格差」を抱える精神科医療院 1 アカス 在スデ、 ッタラ み 均丿 マ 平当イナト タメラ 2 日本の精神科医療は、先進諸①先進諸国の平均在院日数絽日のドカス ィアフデ本 ス 各 オ 国の精神科医療と国内の一般医前後 先進諸国の精神科医療と日本 療の両方に、「二重の格差」が 司日本は囲万人が 1 年以上の長 あり、精神科医療の基本的ありの大きな格差を端的に示してい 方が問われる深刻な問題を抱えるのが平均在院 ( 入院 ) 日数で期入院 日本の平均在院日数は 298 す。日本を除く先進諸国の平均 ています。 在院日数は日前後です。アメ日です。先進諸国並みの 1 か月 ①先進諸国の精神科医療との格差 リカやフランス・デンマークの未満は 8 ・ 7 % の 2 万 6 千人で ひとけた まず先進諸国の精神科医療と平均在院日数となると一桁です。残りの引 % の万 8 千人は、 日本との格差の状況をみてみます。一番長いイギリスでも数先進諸国では地域に移った在院 しょ , つ。 日で、ほとんどの国は 1 か月以者です。しかも在院者の 3 人に 2 人にあたる万人は 1 年以上国先進諸国で廃止されている病本が世界最大の " 精神科病床大 国 ~ になっている背景には、先 の長期入院、約 4 人に 1 人の約床をなお大量に抱える日本 日本の精神科病床が飛び抜け進諸国で廃止された精神科病 7 万人は川年以上という超長期 て多い背景には、日本の特殊事床・万 6 千床 ( % ) を今日 入院です。 になっても抱えていることがあ 情があります。先進諸国の精神 ります。 科病床は人口万対 ②世界最多の " 精神科病床大国 ~ 床 同先進諸国の数分の一の日本の 床 ( 人口 1 万人に ) 5 日本の人口は世界の 1 ・ 7 % 病 神 6 % 床前後です。この精医療従事者 です。しかし精神科病床では、 このように日本は世界最大の 世界の円 % を占め、世界最多の万 8 神科病床を日本に当 2 てはめると 6 万 4 千 " 精神科病床大国 ~ です。しか " 精神科病床大国 ~ なのです。 残 床です。しかし、日し医療従事者数でみると、日本 床 望 人人年床床 , 展 千本には万床ものにおける医療従事者全ての職種 万 4 % の 千万 4 8 図 1 万 9 は、先進諸国の数分の一です。 革 精神科病床があり 万 5 千 0 8 41 国数ロ 〉億 2 6 ( ます。万床から精神科医療の医療資源は多職と 1 3 ( 諸床人 ロ 2 億い 進病 人 7 現 種の豊富な人材で成り立ってい 6 万 4 千床を差し引 〉床床先の床 の 病病病が合病 床くと、万 6 千床がます。そのため医療従事者が多療 世ロロ神科科床場恥 いか、少ないかは医療の " 質 ~ 万残り、これは、先進 神 ののの精精神 0 精 精 3 諸国で廃止された病に直結します。日本は病床では 界本界のの精なの 世界本 世日 本み現 床に相当します。日 " 世界最多 ~ でいて、医療の質 世日日並

3. 月刊 みんなねっと 通巻第109号 2016年 5月号

・家族支援事業の推進 ( 新規事会請願署名活動を推進していく で、大盛況となりました。 号 ための中央行動を行ないました。 多くの方々にご来場をいただ業の展開を含む ) 月 ・ 8 プロック ( 各都道府県連 ) 午前中は衆・参議院の国会議員 きありがとうごさいました。 年 名 ( 国土交通委員を中心 ) に、 実態把握 ( 事務局鈴木 ) 5 月日提出予定の精神障害者 ・自主収益事業の開発研究 と っ この他に①精神障害者の交通の交通運賃に関する国会請願に ■平成年度第 5 回理事会 ね 亠な 3 月凵日、東京都障害者福祉運賃に関する請願運動②当会政ついての要請をいたしました。 ん 策委員会の活動③障害基礎年金また、午後には、参議院会館み 会館にて開催されました。 判定ガイドラインなどの報告がで「障害者差別解消法で明日を 平成囹年度重点課題 ( 左記 8 ひらく」をテーマに学習会を行 点 ) とした事業計画案と予算案なされました。 とりわけ、魅力ある家族会活ない、精神障害者の受ける差別 を全会一致で決めました。 ・国会請願署名提出 ( 5 / ) 動の追及やみんなねっと誌の充の当事者の声として、 4 名の体 ・政策委員会の機能化と政策的実、会員拡大が当会を支える根幹験談と「差別解消法で元気にな 検討、提起に基づくとりくみであるとの審議がされました。家ろう」との池原弁護士のミニ講 ( 特に精神保健福祉法見直し族支援事業については、しつかり演がありました。 そして、クライマックスには、 提言、精神科病院不祥事へのとした方向性とそのあり方につ 当会をはじめ精神の障害関係団 いての検討が求められました。 介入 ) 体 8 団体 ( 日本精神神経科診療 ・賛助会員拡大強化 所協会、日本精神保健福祉士協 ■国会請願署名中央行動 ・賛助会員新規程、賛助会費改 みんなねっとは、 3 月日国会、日本精神科看護協会、日本 定の実施 ( 紙面改編含む ) の力と役割」、「支え、支えられ てんかん協会、日本作業療法士橋で行なわれました。 協会、全国精神障害者地域生活 2 日間を通して約名のる、当事者の力」の 2 つの分科 会に分かれ、それぞれ家族、ピ 支援協議会の同席、日本精神科方の参加があり、「精神障がい アスタッフから報告がありまし 病院協会、全国精神障害者団体者が共に暮らせる地域づくり」 連合会より賛同 ) との合同会見—当事者と家族が安心して地域た。四国四県の取り組みを通し、 となりました。 で生活するために—というテー学び合う、実りの多い大会とな りました。 ( 香川県連 ) マを掲げ、開催されました。 単なる割引制度の話ではな 1 日目の記念講演では、 く、精神障害者への差別解消と 生活の質の向上の面から、精神 , ・ O 岡山。の藤田大 障がい者の地域生活支援の充実輔氏による—岡山県における < と、更なる発展を遂げるための実践より—立ち上げの経 緯、そして病院から地域へとい 訴えをいたしました。 ( 事務局長小幡 ) う支援の実態を聞くことが出来 ました。次にみんなねっとの本 = ■四国プロック・みんなねっと條義和理事長から活動報告、厚 フォーラム 2015. 香川大会生労働省社会・援護局障害保健 みんなねっとフォーラム福祉部の北澤直美氏より行政報 告がありました。 15 ⅲ香川大会が、去る 2 月 2 日目は四国プロック各県家 日—円日に、香川県綾歌郡宇多 津町のホテルサンルート瀬戸大連の事業・活動報告と、「家族 5 精神保健福祉の動き

4. 月刊 みんなねっと 通巻第109号 2016年 5月号

■みんなねっと事務局でと福祉をさらに改善しな 仕事をさせていただくよければなりません。生活 うになってから、早や 1 を守るためには、交通運 年半がたちました。良き賃や医療費負担の軽減を 職員の方たちに囲まれて、進めなければなりません。 充実した日々が続いてい社会の偏見をなくすため の啓発教育も必要です。 ます。 いっか、きっと、これ 社会が私たちの願いと は違う方向に進んでいるらの課題が解決すると信 ことを感じながらも、あじて、毎日、たくさんの るべき社会を目指して役仕事に追われながらも、 員の方たちとともに、心張り切って満員電車で通 を尽くして課題に取り組勤を続けています。 この 3 月で、事務局長 んでいます。 重過ぎる家族の負担をの役割を離れ、事務局付 減らすためには、社会がきの一理事になります。 責任を持って家族ととも「みんなねっと」誌の編集 に当事者を支えるあり方長として、今後も関わら 記 ( の転換を、できるだけせていただきます。 早く実現させなければな事務局長の後任は、 りません。当事者の人権幡恭弘が務めます。今後 が守られ、人間としてのも、どうぞよろしくお願 いいたします。 回復を果たせるようにな ( 野村 ) るためには、精神科医療 知っておきたい精神保健福祉の動き / 特集 / ( 投稿 ) 私と家族の手記 / 連載 ①街の診療所からのお便り / 連載②メンタル障害をサポートする知識 / 連 載③精神科医療の現状と改革の展望 / 連載④知ることは生きること / 連載 ⑤真澄こと葉のつれづれ日記 / みんなのわ ( 読者のページ ) ほか ・「月刊みんなねっと」これまでの内容紹介・ 【特集】 ■ 2014 年・ 1 月号 : 私たちが求める本当の家族支援とは何か 2 月号 : 働き続けるために一一自分に期待できる働き方 3 月号 : 薬を減らすガイドラインへの期待 4 月号 : その人のできることを実現するための就労支援 5 月号 : 本人・家族をともに支える訪問家族支援【その①】 6 月号 : 本人・家族をともに支える訪問家族支援【その②】 7 月号 : 奈良県で福祉医療制度が実現 8 月号 : いきいき家族会 9 月号 : 障害者差別をなくす地方条例をつくろう 10 月号 : 高齢化する精神障がい者にどんな支援か必要か 1 1 月号 : メンバーとスタッフが協働して運営するクラブハウス 1 2 月号 : 「あなた病気の人、私治す人」から「私も家族の一人です」となって見えてきたこと ・ 2015 年■ 1 月号 : 身体・知的障がい者と同等の交通運賃割引制度の実現を求めて 2 月号 : 精神障がい者同士で結婚して 11 年目のわたしたち 3 月号 : 精神障がい者の地域移行と地域生活を考える 4 月号 : 地域医療の発展をめさした「府中こころの診療所」を訪ねて 5 月号 : 精神障がい者の「住まい」を考える一英国の主支援から学ぶ ( 上野勝代 ) 6 月号 : 精神障がい者」にも交通運賃の割引を 7 月号 : グループホームの運営ってどうなっているの ? 8 月号 : 家族をひろげ元気にする家族相談活動ー愛知の経験から ( 木全義治 ) 9 月号 : 全科が無料になる医療費助成一地域家族会のとりくみ 1 0 月号 : 精神障がい・精神保健の正しい教育を一世界の教科書上肆交 ( 山田浩雅 ) 11 月号 : 日本でも本人と家族をともに支援する家族支援の実現を 12 月号 : 戦後 70 年と障害者権利条約 ( 藤井克徳 ) ■ 2016 年・ 1 月号 : 世界から見た我が国の精神保健医療福祉 ( 長谷川利夫 ) 2 月号 : 精神障害者と差別解消法 ( 池原毅和 ) 3 月号 : 障害者総合支援法施行 3 年後の見直し ( 本條義和 ) 4 月号 : 家族だからできる家族支援『家族による家族学習会プログラム』 ( 岡田久実子 ) ・「月刊みんなねっ」のバにナンバーのお申し込み方法・ 「 300 円 x 冊数十送料 80 円」の金額を巻末の振込用紙にてお振り込みくた さい。「通信欄」には、ご希望の号を記入してください。郵便局に備え付け の振込用紙の場合、「 () () 1 3 () ー () ー 3 3 8 3 1 7 みんなねっと」宛て にお振り込みください ( この場合、振込手数料は自己負担願います ) 。 FAX での申し込みもお受けします (FAX 番号 03-3987 ー 5466 ) 月刊みんなねっと ~ 毎月こんな内容でお届けします ~ 編集後記 【ご寄付のお願い】当会の活動は、皆さんの会費を主な財源として いますが、活動資金が不足しています。より活動を充実していくた めに、寄付を募っています。ぜひご協力ください。 * 通信欄に「寄 付」とご記入ください。寄付金控除・税額控除の対象になります。 加入者名みんなねっと ■郵便振込 00130 ー 0 ー 338317 月刊みんなねっこ通巻第 109 号 ( 2016 年 5 月号 ) 定価 300 円 発行日 2016 年 5 月 1 日 賛助会費 ( 会費に購読料含む ) 個人・年間 3 6 0 0 円 発行者公益社団法人全国精神保健福祉会連合会 団体・年間 ( お問い合わせください ) 理事長本條義和 〒 170-0013 東京都豊島区東池袋 1 ー 46 ー 1 3 ホリグチビル 602 TEL 0 3 ー 6 9 0 7 ー 9 2 1 1 FAX 0 3 ー 3 9 8 7 ー 5 4 6 6 郵便振替 0 0 1 3 0 ー O ー 3 3 8 3 1 7 ホームページ www.seishinhoken.jp 印刷・製本 / 倉敷印刷株式会社表紙の絵 / 織田信生

5. 月刊 みんなねっと 通巻第109号 2016年 5月号

ね翳鬮 月刊みんなねっと ( 毎月 1 回 1 日発行 ) 通巻 109 号 2016 年 5 月 1 日発行 2007 年 7 月 24 日第三種郵便物承認 月予翡を馴の家族と家族会をなぐ機誌 月刊みんなねっと 2016 年 5 月 1 日発行 2007 年 7 月 24 日第三種郵便物承認 精神疾患がある人や家族に役立つ出版物 A 4 判・ 1 1 2 頁 定価 1 OOO 円 ー ( 別途送料 ) 「家族相談の活動は家族会の原点ですづ 本書は、全国から寄せられた家族による相談事例の中から 32 事例を掲載しま した。事例を、日常生活、医療、家族会、家族依存、地域連携、親亡き後、制度の七 : ー ) つに分類し、それにコメントを加えた初めての家族相談事例集です。同じ家族 としての立場から相談にのり、情報を伝え、家族会につなげていく活動は家族 会の原点ともいえます。みなさんの活動に役立てていただければと思います。 精神障がい者家族相談事例集 精神障かい者家族 相談事例集 2016 精神障かい者と家族 5 それぞれが自立し、ささえあうために 5 』① ( 白石弘巳 ) 障害年金の審査における診断書の捉え方とガイドライン施行後の相違点 社会資源ハンドラック 神辟かい名と室版に得朝 村会資源ハントブック を凸物凸・ ■当 B 5 判・ 1 80 頁・定価 1 4 0 0 円 ( 送料込 ) 【内容】医療に関する制度 / 地域で生活するための支援 / 日中活動の 場、就労や復学の支援 / 経済的な支援を受けたいとき / 財産の活用 や保護、法的な支援など / 家族が情報を得る、相談できるところ 家族会員・支援者のための ☆家族会運営のてびき A4 判・ 100 頁・定価 800 円 ( 送料込 ) 家族会からの注文は 1 冊 600 円に割引します 家族会の設置から運営の仕方まで家族会の活性化に役立つ「てひき」ができま した ! 会報や案内パンフなどの見本の資料ページもあり、家族会とつなかり のある支援機関でもせひこ活用を ! 【内容】精神障がい者家族会とは / 家族会 活動をおこなおう / 運営・活動費 ( 財政基盤 ) について / 家族会の組織強化をし よう / 地域にとけこむ活動への積極的参加 / 新しい家族を家族会につなげよ う / 新しく家族会を立ち上げよう / 支援者・関係者の方々へ / 資料編 ☆家族相談ハンドブック A4 判・ 76 頁・定価 700 円 ( 送料込 ) 家族相談のテキストができました ! 家族会ならの注文は 1 冊 500 円に割引 【内容】家族による家族支援 / 精神障がい者の状況 / 精神障がい者家族の状況 / 家族相談の 意義と特徴 / 家族相談の目標 / 家族相談の留歳点 / 相談実習の進め方 / 家族相談の方法 / 新しく家族相談事業を立ち上げたいときは / 家族相談員の養成 / 家目談の事例 問い合わせ先 公益社団法人全国精神保健福祉会連合会 ( みんなねっと ) tel 03 ー 6907 ー 9211 / fax03 ー 3987 ー 5466 ホームへージ http: 〃 www.seishinhoken.jp 公益社団法人全国精神保健福祉会連合会

6. 月刊 みんなねっと 通巻第109号 2016年 5月号

連載 22 す。この点について当事者は、てという条件付きでの答えとなしかし、この期間を「待っ」と ります。 妄想は存在したとしても " 気に いうことは非常に重要な意味を ならなくなった ~ 状態を、「よく 筆者の臨床経験からすれば、持ちます。最低 8 週間という期 なった」ということが多いので幻覚や妄想などを自分から悩み間を待たずに、服用している薬 る す。 受診するようなケースでは、治 が「効かないから薬を変えて欲 ~ す このようなことを前提として療意欲も高く服薬の必要性も理しい」と訴えていくことは、医 じゅんしゅ いうならば、抗精神病薬は、劇 解しており、服薬も遵守される師を追い立てることになります。 法 的に即効性を持つものや病状が 傾向があり、他覚的にも自覚的薬理学的知識に自信がない医師 安定した時にしつかり維持するにも比較的効果は早く、 2 週間や臨床経験の浅い若手精神科医薬 識 ために用いるものなど、さまざ程度で変化がみられます。概ねは、説明して納得させることが まです。また、症状には効果を 8 。 % のケ 1 スにおいて、病状ができず、薬剤の治療効果を正確の 示しても副作用が強すぎるなど、安定し、自覚他覚ともに明らか に評価できないままに、変薬やた そのケースに合った薬がみつか に効果が発現したと実感できる追加処方をしてしまいがちです。一 るまでに非常に時間がかかる場のには週間は必要であるまた、それが多剤併用へのきっ ポ サ 合もあります。 と考えます。 かけとなってしまうことがある を 「薬は飲み出してからどれくら 週間というのは、回復のです。 障 いで効くか ? 」の答えとしては、を願うご本人、家族やケアにた 当事者に病識がない場合には、 タ あくまで他覚的な判断で効果がずさわる人にとっては非常に長支援する方々が様子を観察して 出はじめる平均的な期間につい く感じられることと思います。 いただき、当事者の焦りによる メンタル障害をサポートするための知識 メンタルクリニック 薬物療法を正しく理解する 姫井昭男 第 3 章「精神科の薬」の実際〈 9 〉 ー蒋科療法についてよく質問されること ( その 1 ) ね 亠な ことはありません。このため、 ん これまで、精神科における薬明をまとめて綴ります。 症状が激しくなってから薬物療一み 物療法を正しく理解していただ き、当事者の理解を深めること質問【「薬は飲み出してからどれ法を開始したとしても、その効 やメンタル障害をサポートするくらいで効いてくるのですか ? 」果の実感は、当事者からリアル 説明】薬物療法で抗精神病薬をタイムで語られることはないた 方々が病気や治療を正しく理解 服用するような状態になるのにめ、具体的にどれくらいで効果 してもらえるように、さまざま は、さまざまな状況が存在しまがあるということを表すのは難 な角度から、できるだけ分かり やすく説明してきたつもりです。す。幻覚や妄想などの病気の症しいと一一一一〔えます。 この連載は今回と次回の 2 回状が出現したとき、それらの病さらに妄想の一部は、抗精神 で終了となります。最後の 2 回的体験に対して、当事者が批判病薬で完全に改善させきれない は、筆者が薬物療法に関連した力をもたない場合には、 " この状こともあるので、何をもって「効 セミナ 1 や講演会などで良く訊態を改善させたい、 " 症状を取果が現れた」とするかは、評価 り除きたいという意志を示すする人によって判断は異なりま かれる質問とそれに対しての説

7. 月刊 みんなねっと 通巻第109号 2016年 5月号

野菜を上手く作れなくなって、あなたには治せまい ? 治せな 頭をうまく回すためには、お 畑がほったらかしになりまし いなら、早く死ねる薬をくれ」しし 、し、ものを食べて、夜は良く た。そのうち食事の用意ができと、挑戦的です。 寝て、日中は何か楽しいことを なくなったので、介護保険の施 やって行く、というものだと思 設に入所することになったので いますよ。 す。近年は、子供は成人すると 「やつばり、馬鹿につける薬 仕事を持って独立し、年老いた は無いんじやろう ? それなら、 親と同居することは少なくなっ 死ぬる薬の方が良い」 ていますから、介護保険が始ま 確かに、認知症を直接治す薬 り、特に認知症の場合に介護付 はありません。進行を遅らすと きのホームに入所するのも社会 いう薬や " あんまり考え続けん 清勢に合ったことでした。 ようにしよう ~ という抗精神病 薬、 " 暗く考えるのは止めて、 〈認知症を治す薬〉 何とかなるだろうと思おう ~ と お の 最初に出会った時、精神科医 いう抗うつ薬になります。 ら が往診してきたことを告げる 所 〈することがない〉 療 と、さんは、 一ごロ の 「私はどこが悪いんですか ? 次に訪問した時にはさんは 街 頭が悪いことは判っているが、 新聞を読んでおられましたが、 : 人が一一一一リっことではなく 自分の意見で決めなく 0 ちゃね = 連載回 〈早く死にたい〉 〈認知症になった〉 として、話を聞いて、薬を処方 「なーんも楽しいことはありしています。どの人も少なから さんは、子供たちが都会に ません」と歳のおばあさんのず精神的な症状を出したことが出て行った後に夫を亡くし、畑 さんのいつもの口癖です。こあった人ですが、今では落ち着を作ったりして一人暮らしをし の会話は、近くのグループホー かれて抗精神病薬を中止してい ておられましたが、認知症と なって記憶力と生活能力が低下 ムを定期的に訪問した時に繰りる人もあります。 さんはホームに入所した当し、一人では日常生活ができな 返されます。このグループホー 初、「早く死にたい」と毎日繰くなりました。年金を受給し、 ムは介護保険で入所できる認知 症の人のための施設で、 9 人のり返し言われたので、診察を依子供たちの金銭的な援助もあっ たのですが、いっとはなしに毎 入所者が自分の部屋と大きな居頼されました。 年育てていた大根や人参などの 間とで暮らしておられます。私 ロ ましもと しげき 増本クリニック院長 みんなねっと 2016 年 5 月号 22 増本茂樹

8. 月刊 みんなねっと 通巻第109号 2016年 5月号

特集。 号 月 年 「精神障がい者と家族、毳 " 昱」、 = = ゑえ。」 5 』① と っ みんなねっとフォーラム 2015 より東洋大学ライフデザイン学部教授白石弘巳 ね な ん み 「親あるうち」に自立するために 今月号と来月号に掲載す る特集は、「みんなねっと 何が必要なのか フォーラム 2 015 」にお できることは自分でやって、で ける白石弘巳先生の講演を 自ら立ち上がること きないことは人に頼むことがで お届けいたしますが、誌面 「自立」とは、どういうこときる力を持っているということ の関係で講演の後半部分の かということですが、私の考えではないかと思っています。 " 「親あるうち」に自立する ですから、どんなに障がいが では、「自立」というのは、一人 ために何が必要なのか。に で住むことでも、自分の食べる重くても、どんなに症状があっ 絞ってご紹介いたします。 ものを十分に稼ぐことでもなく、ても「自立」した生き方をする ことはできるのではないかと思ますか ? 」とうかがうと「いや、 やればできるのか ? います。その都度やれることのそんなものはない」、「わからな それでは、すぐに本人が、希 い」という人が結構いますが、 範囲は違いますが、できないこ とを周りの人が助けるようにすそういうものを持てるというこ望を述べて、その希望が実現で ることができれば、その人は「自とが、それだけで、その人の強きるように他の人にリクエスト ができるかというと、なかなか 立」した生き方をしていくことみではないかと思います。 それから、コミュニケーショできないという人が多いのでは ができるのではないかと考えた め いのです。 ンがとれる人間関係が必要です。ないかと思うのです。どうして あ 一人で勝手によくなるというこそうなるのかということですえ 自立のための前提 とはなかなか難しいわけです。が、まず統合失調症などの精神 そうなると、そのために何がやはり誰かと一緒にやっていく科の病気で起こってくる障がい れ 必要なのかということですが、中で、回復・改善・リカバリーがおというものがどういうものかと いうことについての理解が必要そ やはり一番基本になるのは、本こなわれてくるのですから、コ 族 ミュニケーションをとる相手とではないかと思います。 人が生きようとする姿勢です。 家 つまり、前向きの姿勢、それしての人間が必要だと思います。 例えば目が見えない人とか手堵 から何かに対して希望を持ってそれに加えて、制度と社会資源が動かない人と比べた場合、精 しるということです。 の裏打ちがあれば、今考えたよ神の病気の人の障がいというの精 集 ある程度状態がいい患者さんうな「自立」が、すぐにできるのでは他の人から見えないというこ 特 とが特徴としてあります。精神 でも、「何かやりたいことあり はないかと思われます。

9. 月刊 みんなねっと 通巻第109号 2016年 5月号

さ心 なります。 が、として勤務されたこ な中。 みをでとや電話相談員として活躍され精神関係のニュースがさかん 号 の - 古同 月 に報道されています。ちょっと 朝擲ナたことなど身近に感じました。 わ 立ち止まって考え方を正しい方年 ま則コ表題の「家族は家族である前に の に考えられたら、事件は防げた 自らの人生の主人公」を励みに のにと思いました。自殺、殺人、 と なら紹します。 ん また、「精神科の薬の実際」も麻薬、野球とばく等精神の問題っ み 亠な は隠されがちで意見を言いづら 次月号を楽しみにしています。 〇 いですが、国を上げて取り組むみ 〇 ◆熊本県・家族代 ) べきではないでしようか。それ には予算が必要です。 誰でもわかる認知行動療法が 〇「みんなねっと」の感想 最終回とは残念。 家族 ( 代 ) 〇◆愛知県門 精神疾患は考え方の誤りと日常生活 3 月号の青木聖久先生のお話「みんなねっと」の記事に出て 〇 はとても家族に勇気と元気を与いました ( 当事者の会長さまも◆東京都桜野はな子家族 〇 4 イ えてくれました。ともすれば、 言われました ) 。 2 数年間、うつ病で通院して 自分の不幸な境遇に希望が見え 私は「みんなねっと」で意見 なくなりがちですが、孤立せずに 3 回ほど投稿させていただきいた夫に改めて双極性 2 型の診 断が出てから 1 年。 2 度の休職 ①②に書かれているように社会ました。 とのつながり、家族も自分をい 誰でもわかる認知行動療法が ( 一時は入院 ) を経て職場復帰ト たわるようにする。本当にそう為になりました。もっと具体的ライアル中です。社内の診療所 だと思いました。 な例が欲しかったと思いましで産業医にかかっているため、 いつもは難しい年金の話ですた。これは一般の方にもために家族は医師と面談することがで 読者のページ きない規則があるそうで、質問しかし、これも全くの嘘。ただしかし、私たちの方がもっと辛い 私の一番の悩みはずっと同居 も相談もすることができません。仕事を辞めて引きこもっていた。 家には幼児もおり、なかなか母親はそれになんとなく気づきしているのにもかかわらず、父 身動きが取れない中、水曜日のながらも追及しなかったため月親という存在が分からないこと。 何を考え、何を目標に生きて みの電話相談もかけづらく、少日が流れてしまった。つまり彼 しでも正確な情報を得て、相談が病気だと正式に診断されたのるのかも分からない彼とずっと は私が大学に進学してからの話。同居している事実。はっきり言 できる場が欲しく、貴会にめぐ 何故、母はここまで父親が精って「父親」だなと感じたこと り合いました。近郊の家族会に 〇 は一度もない。 も是非一度伺いたいと思ってお神疾患だと気づかなかった ? 〇 むしろ首を絞められたり、トラ 私の家系は一一世帯住宅で、父 ります。 わ 親方の親と共に住んでいた。私ウマになるようなことをされてき ◆神奈川県ぼちこ家族 が小学生の頃には祖父が闘病をたので父親に対して可哀想な感情な 私の父がおかしくなったのは患ったために母親が働きながらより憎しみや怒りの方が強い。 ん 誰も悪くない み 今から約 2 年ほど前のこと。私介護をしていた。だから父親の 彼も精神疾患に苦しめられて〇 ことを考える余裕がなかったの が小学校の低学年の頃、父親は いるうちの一人。 である。 突然、仕事へ行かなくなった。 な だけど、私たち家族もまた、〇 今思えば小学生の頃、父と母 その時の私はよく理解してい なか「たが今思えばあの時からが喧嘩ばかりしていたり父親が彼の症状に悩まされ苦しんでい〇み 彼の病気は始まっていた。仕事よく分からない発言をして私たるうちの一人。 〇、一 へ行かなくなった父親はその後、ちが変な気持ちになっていたの 家族だからとい「て全てなん〇ペ 何をしていたかというと在宅ワを思い出す。 か理解できない。ましてや将来〇者 ーク、自営業をしていた。そう彼も長い間、綿疾患に苦しめのある子どもにその苦しみで埋〇読 られてきた。辛かったであろう。め尽くしてはいけないのである。 やって母に伝えていたらしい

10. 月刊 みんなねっと 通巻第109号 2016年 5月号

関に『連れてこなければ診ない』をめざして」と題し、当会主した。 と一言われ、無理をして連れていく催でみんなねっとフォーラム シンポジストには、「家族会」 ことから生じる。また、家族と本人 2015 を開催いたしました。 そ , っこく の現場から当会理事長の本條義 の相克が生じる」と述べました。 当日は、精神障がい者家族、 和、「英国メリデン版訪問家族 さらに、退院促進については、当事者、行政機関や支援者の精支援」の現場から五稜会病院看 「地域援助事業の紹介は重要な神保健関係者等約名の護部長の吉野賀寿美氏、「訪問 視点である。退院間際になって方々にご参加いただきました。 看護ステーション」の現場から からではなく、入院直後から相 午前は、「精神障がい者と家株式会社ウイズュー代表取締役 談支援事業者の関与を義務付け族 5 それぞれが自立し、ささえの與那覇五重氏、「生活支援」 る等をする必要がある」と意見あうために—」と題して、東洋の現場から全国精神障害者地域 表明しました。 ( 理事長本條 ) 大学ライフデザイン学部教授生活支援協議会あみ代表の伊澤 白石弘巳氏にご講演をいただき雄一氏の 4 名にお越しいただ お知らせします ました。参加者より、とても分き、それぞれの現場での事例や みんなねっとの活動 かりやすいという声が多く寄せ実践の報告を交えながら、家族き の られました ( この講演について支援についてお話をいただきま ■みんなねっとフォーラム 20 は、今月号の特集に掲載しておした。 福 15 を開催いたしました りますので、ご覧下さい ) 。 今回は、例年とは別の会場で保 圭目 3 月 1 日 ( 火 ) に東京の池袋午後は、「自立のための支援行い、定員も名と増員い にある帝京平成大学冲永記念ホ 5 さまざまな支援のかたち 5 」たしましたが、会場はほぼ満員 神・障害保健課 ) は、「医療保 いと同時に留保あるいは拒否能 知っておきたい 護入院は、障害によって任意入力もないということになるが、 精神保健福祉の動き 院を行える状態でないときにの本人の意思に反する入院である み行うので、人権侵害に当たら医療保護入院は本人に留保ない ・これからの精神保健医療福祉 ない」と回答しました。 し拒否能力があるということで のあり方に関する検討会・医療 この任意入院が行なえる状態あり整理を要する間題である」 保護入院等の在り方分科会 ( 第でないとは、障害があるため、 家族の同意要件については 1 回・ 3 月日 ) 判断能力を欠く、非自発的状態「反対である。しかし、家族に 分科会では①医療保護入院のを指します。そこで、次のよう 対する説明と同意に反対してい 手続きと移送②退院促進措置③な意見表明をしました。 るのではなくむしろ、入院時だ 入退院時及び入院中の意思決定 「一般医療や、権利条約でい けでなく入院中も十分行ってほ 支援及び意思表明支援の各論点う非自発的状態と、医療保護入しい。本人抜きにということに を整理することが求められてお院における非自発的というの反対しているのである」と意見 り、今回はそのうちの①と②に は、少し違うのではないか。確表明しました。 関することが議論されました。 かに一般医療においても意識不 移送については、「何らかの ①の医療保護入院の手続きと明等で、意思表明能力も判断能 公的な規制を設け民間の移送を 移送では「医療保護入院そのも力も欠く場合は、本人のインフ認めないと、数十万、数百万円 のが障害者権利条約に違反してオームドコンセントを要せず家を民間業者に払って依頼すると いる」との意見が出されました。族の代諾もありうる。しかし、 いう、あってはならない状龜カ おうだく それに対し、事務局 ( 厚労省精その場合は本人に応諾能力がな なくならない」 みんなねっと 2016 年 5 月号 2