する ( 「ステップダウン」という ) ビスがなくても、通常の社会資 きく機能している。 ことを、利用開始時から意識し源サービスの利用で地域生活を号 月 可能にしていくことをめざして 3 医療と福祉の社会資源活用にて援助している。 年 対象者は重症の精神障 いるのである。 よる設立・運営 その結果、利用者も <0+ ス 私たちの相談支援事業や訪問害者なので、症状や障害のため に、当初は多様な社会資源を利タッフも、への過度の依っ 看護ステーション対象者は <0 ね E-* 利用者に限定している。なお、用することは困難なことが多存を防ぐことができる。さらに、 ん み そのため、 <0+ 利用開始地域の関係機関とかかわること グループホームは経営安定のた めに開設したので、利用当初は、チ 1 ムですべてが多くなるので、 <0+ の存在 や支援内容を広めることができ 者に限定していない。しかし、の支援を抱えることになる。 しかし、そのような状態を恒ている。これが、さらなる利用 経営的には初年度から黒字決算 久的に続けることは、 <OE-* へ者紹介につながっている。 であり、安定している。 の過度の依存を生み、その状態 ( 家族会とのつながりを重視 3 地域社会資源とつながり、スから抜け出せなくなってしま引 う。そこで、可能な限り、少し 0 ー <0+ 立ち上げの第一歩 テップダウンをめざす 私たちは、利用者が <OE-* のずつ地域の社会資源サービスのは家族からの願いである。また、 始めるにあたって、家族は大切 サービスを徐々に減らして、地併用を進め、地域と連携しなが 域の社会資源の利用を増やしてら、徐々にのサービスをな利用者紹介源であると考え た。そのため、運営体制も一工 いき、最終的には <0+ を卒業減らし、利用者がのサー 夫加え、一般社団法人ー <0 告会を開催し、意見をいただい の法人理事は福岡県家族会のている。 役員の方々になってもらった。 さらに、私たちが利用者の支援は、 2012 年 4 を引き受けることで、家族には月に福岡市に開設し、 2014 これからの人生を自分のために年 4 月に北九州市に開設した。 2017 年には久留米市に開設 楽しんでもらいたいという思い もあった。 すべく、現在準備を進めている ただし、理事の方々に経営的ところである。今後の O—<O は、人材育成と資金確保を続 責任まで押しつけるわけにはい けながら、できれば 2 年ごとに かないので、理事会組織をなく 新しいチームを増やしていくこ し、法人の象徴として位置づけ た。実質的に運営はスタッフたとを考えている。多くの家族や ちが責任を持っておこなう仕組精神障害者が私たちを待ってい ることがわかってきた。いつの みとしている。 もう一つ、法人役員には、家日か、県内のどこにでも <0+ 族目線でー <0+ の支援内容チームが存在しているという状 をチェックしてもらうという意況を必ずつくる所存である。 図もあった。毎年 2 回、理事報 ( くらちのぶあき ) 「読者の皆様へ」 読者のページ「みんなのわ」への投稿をお待ちしています。採用され た方には図書カードを差し上げています。ふるってご応募ください。 【「みんなのわ」へメールで投稿できます】読者のページ ( みんなのわ ) への投稿がメールでできるようになりました。投稿のメールアドレ スは minnanet.seishinhoken@outlook.jp です。※投稿される 方は、氏名、住所、年齢、性別、 ( 家族、本人、その他 ) をご記入ください。 なお、ペンネームで投稿される方はペンネームをお書きください。 15 特集家族の思いから立ち上がった ACT のとりくみ
ても「シェルター機能」 ( 避難所 ) ら、嵐が収まるのを待っ」「ホ てくれるからいいね」という ントに毎日が地獄です」にうな がなければ役に立たない。 でも、本人にとって「病院は 行政との懇談で高齢の元家族ずき共感する家族たち。私もそ つらい、怖いところ」。食物も ほとんど喉を通らず、 3S4 か会長はつぶやく。「相談したらの一人だ。重度かっ慢性化する 何とかなるの ? 」。社会との「関子の行く末を案じ、疲れ果て老 月もすれば我慢の限界だ。 「無理すれば人間が壊れるのわり」が切れ、現実と妄想の世残の日を迎える。 ではないか ? 」と家族が引き取界を往き来する本人は、仲間か 2 ・多職種・アウトリーチ る。主治医から「お宅は入院期ら笑われ、悔しさと怒り、絶望 の夢 み と無力感に苛まれ、「辛くて涙 間が短いから治らないんだ」と 最近、地域に精神科診療所や いわれたことも。通院費公費負が止まらない」「もう死にたい」。 の 担の制度があることや、保健所家族の介助は、日常生活のす福祉事業所が増えてきた。だが、 べてにわたり夜も昼もおこなわ通所が困難な精神障害者への支 が地域における精神保健の第一 っ 線機関であること、地域家族会れ、生活能力の低下や人間的資援は皆無に近い。「多職種チー 上 ち の存在を教えられたときは、十質が失われていく様を見続けるムのアウトリ 1 チなんて夢のま しかない た夢」。疾患と障害に苦しむ家 数年が経過していた。 の そして、予測できない「衝動族の思いは専門家のサービスと 妄想、幻聴、思考混乱、対人 族 家 の嵐」がケアする家族を襲う。乖離し、治療・支援を求め医療 関係の喪失、一歩も外に出ない 引きこもり、凄まじい怒号や暴「自宅の車庫の中や近くのホテと福祉 ( 病院と地域 ) の谷間を特 ルに泊まって様子を窺いなが漂流するしかない。願いは一つ 言の頻発・ : 。「相談機関」といっ 立ち上がった <o+ のとりくみ ら 精の 5 の祉 力度福 肥重と 家族が求める地域生活支援 一歸 が医 —「 <0+ 」の設立に関わって 5 ( 家族の立場から ) o チしラ 職間グ 門訪ロ 一般社団法人ー < o 代表理事宀呂崎宀贔夫 ⅷ専をプ . 祉まな ト福住こ クとのお い薬 ) の猛烈な副作用「知覚変容 ア療堵を 矣 ・医療からも福祉からも 、が支 発作」にも年間翻弄された。 O は ~ ) 沽 漂流 < と神生 お世話になった医療機関は 9 か所、主治医川人。入院はこれ 息子の発症は年前になる。 家 多剤大量の薬物投与にも悩ままで回。それでも家族会の仲 間は「あなたのところは入院し され、非定型高カ価薬 ( 作用が強 みんなねっと 2016 年 1 1 月号 6
するために、精神科医が積極的うしても地域関係機関に活動内を開き、月ごとの収支を含めて に訪問活動をしなければならな容が理解されづらい面がある。全員で方向性を協議して決定し くなる。諸外国では精神科医はしかしー <0+ は幸いなことている。そこには雇うー雇われ 週に時間程度の勤務であるに、多くの精神科医に、その存る関係は存在しない が、わが国の場合は週に時間在や活動内容が知られている。 この長所は、出資者 ( 専務理 の勤務となる。すると必然的に これが新たな <0+ 利用者紹介事Ⅱ筆者 ) がスタッフとして 医療重視の活動になってしまう へとつながっている。 チーム内に入らず、運営に徹す のである。私たちの経験では、 ることから、チーム内に雇うー 精神科医の訪問がなくて困った図経営も含めてチーム全員で運雇われるという上下関係が存在み ケ 1 スは、未治療の対象者を除営する仕組み しないことである。 の / とほとんどない O— < O は、スタッフ全員 このことから、スタッフ同士 第五に、スタッフが利用者のが経営者という意識で運営してで自由に議論し、結果も全員で 主治医と積極的にコンタクトを いる。収支はチームごとに独立 責任を負うという仕組みとなっ 上 とり、強固な連携をとることで、採算制としており、チームの収ている。これは、経営と援助の <O+ に対する理解を地域の精益はチームで配分する方式であ質のバランスをいつも考えなが の 神科医に広めることができるとる。したがって、個々のスタッらチーム運営ができ、スタッ 家 いう点である。 フの給与も全員でチーム年間予フのモチベーションがあがり、 集 は支援のすべてをチー 想収入を元に金額を決めてい 依存体質がなくなる等がある。 特 ムで抱えることになるので、どる。毎月 1 回、チーム経営会議チームリーダー育成としても大 等な関係がつくりづらいようで 同スペース ( 1 ) とし、さらに 5 ・ a ー < O k- チーム ( ー ある。 1 部屋を事務所 ( 訪問看護ス 号 <0* モデル ) の特徴 月 わが国の多くの <0+ では精 テーションと相談支援事業所 ) とした。 ①コメディカルスタッフによる神科診療所を経営基盤とし、精年 当面の運営費を含めて、準備構成 ( 精神科医のアウトソーシ神科医が経営者を兼ねている。 と そのため、経営者と従業員とい 資金は 1 千万円で済んだ。自動ング ) っ ね う上下関係ができてしまって、 0—<0+ は、精神科医をチ 1 車も含めてーはすべて 亠な ん み 貸し物件やリースでおこなうこム内に抱えておらず、利用者のこれがさらに拍車をかけてしま ととしている。費用が安く済み、主治医と強固に連携するという その分、一番大切な人件費に充方法をとっているが、始めてみ第二に、精神科医が確保でき なくても <0+ チ 1 ムを立ち上 てることができる。 ると、多くの長所があることが げることができることである。 運営法人の形態については、わかってきた。 第三に、精神科医の人件費負 第一の長所は、チームスタッ 設立に時間とお金がかからない ことや、株式会社よりも税金がフ間の対等な関係性がつくりや担という財政的な心配がないこ とである。 安いこと、特定非営利活動をせすいことである。 チーム内に精神科医が入る第四に、医療重視の援助にな ずにの活動に専念できる と、どうしても医師を頂点とすらないことである。精神科医を ことなどから、一般社団法人と した。 る伝統的な病院医療体制を引きチーム内に抱えると、給与分の ずってしまい、特に看護師は対財政負担がかかり、それを解決
続いて、一般社団法人「ー家チーム。もう家族だけで、支の回復への道は容易ではない。 < 0 」「訪問看護ステーショ えなくていい」 「リカバリー を信じることがで ン」「グループホーム・相談支「病院で死ななくていいのか。 きなければ、この仕事はやって 援事業」の設立など、準備に 3 は僕を病院から救い出し いけない」とスタッフは一言う 年、開いたスタッフミーティンてくれる」 確かな理念と科学的手法に裏 グは百数十回にもなる。 「僕の話を聞き、相手になっ打ちされ、知的な研鑽と実践を オープン直前、福岡市精神保てくれる。自分が主体の感じで積み重ね、ストレングス ( 長所、 健福祉センターは「従業者専門前向きになれる」 強み ) に依拠する本人中心の支 研修」に <0+ を取り上げ、藤「自分のことを思ってくれる援。でもは万能ではな み 田さんの講演に 150 人がつめ人がいる。人間は孤独、忘れら い住まいを含むひとり暮らし の , 刀け」 れているのが一番怖い」 を支える医療・福祉の「拠点」、 「これでー <0+ は市民権 「長い間に失ったものを教えピアを含む多職種チームのアウ を得た」と確信した。そしてってほしい。 常識が分からなく トリーチ。コラボレーション ( 合 上 いに 2012 ( 平成 ) 年 4 月なっている」 作 ) の試みを広げ、一定地域の精 に開所となった。 ー <0+ のスタッフは、毎週神保健福祉に責任と権限を持っ の 訪問して本人に寄り添い、家族「包括ケア」のシステムが要る。 3 ・リカバリーとひとり暮 家 と懇談。話が弾み心が動き、人 その核的役割を果たすのが < らしを求めて 集 や社会につながる芽生えを待つ。 だと思う。 「生活の場に来てくれる専門 しかし、地域生活を失った者 ( みやざきとみお ) 「親亡き後の不安の解消」、祈り けで開かれた、コンポ ( 地域精②医師やコメディカルスタッ にも似た思いだ。 神保健福祉機構 ) ・北九州市共フ・事務所の確保、資金の調達、号 家族会の全国大会で「 <o 催の「北九州普及啓発セ③利用者の見通し、経営の成算 年 」の分科会が設けられたのは、 ミナー」である。日本の精神医である。 ( 平成Ⅳ ) 年の千葉療福祉のパラダイム ( 認識の枠福精連は、県や県議会に対し 大会。「これだー これしかな 組み ) 転換を説く高木俊介さん「包括型訪問支援」の要望や請願っ な ! 」。私の所属する家族会はの「 <oæーの挑戦」は感動をおこない、傘下の家族会や福 ん 年「親なきあと」を学的だった。 み 祉事業所、保健所など県内各地 習テーマに据え、「 <oæ」 ( 多 同年 6 月、福岡県の家族会・ で学習・講演活動を繰り広げた。 職種チームの訪問による包括的福精連 ( 福岡県精神障害者福祉 「福岡で <0+ をやろう」と 地域生活支援 ) に関する情報収会連合会 ) のプロジェクトが始 いう倉知さんの呼びかけに、志 集を始めた。「臨床まる。「すべての保健福祉圏域を立てロマンを求めて全国から チームの実践」「マジソンモデ に <0+ を ! 」。宇和島の実践馳せ参じたスタッフ 5 名の力は ル活用事業」、「宇和島の訪問型 にもかかわった倉知さんに相談大きかった。医師の参加こそ見 個別就労支援」など。 したところ、「それならやりま送ったものの、コメディカルで 福岡県に <0+ を設立するしよう」と嬉しい返事をいただチームを結成。伊藤順一郎、高 きっかけになったのは、 2 0 0 木俊介、藤田大輔の各氏が相次 9 ( 平成幻 ) 年 3 月、九州産業 私たち家族が心配したのは、 いで来福され、家族の期待は全 大学教授倉知延章さんの呼びか① <0+ に対する誤解や中傷、県に広がった。
いのは「 <0+ をしたい」とい あった。ニーズがあることに一 う意欲があることと考え、あち安心であった。 4 ・運営の仕組みを決める こちで「 <0+ を始める」と公 次に大切な哲学の共有であ 言したことが効果的であった。 る。「リカバリ 1 」、「自己決定わが国にはが制度化し 愛媛、熊本、岐阜、地元福岡の重視・パターナリズム * の排ておらず、訪問診療、訪問看護 から看護師や精神保健福祉士が除」、「対等な民主的チーム」、「医などの診療報酬 ( 医療保険 ) か、 集まった。しかし、精神科医の療や就労を含めた地域生活支援相談支援、生活訓練、就労移行 確保がなかなかできず、それがを包括的に実施」「訪間による支援、居宅介護、グループホー 開設を遅らせていた。 生活の場での支援」「 <0+ かムなどの障害福祉サービス費用み らのステップダウンをめざす」で賄わざるを得ない。 の 3 ・人材集めと哲学の共有などの理念を全員で決めた。 私たちは精神科医をチーム内 に置かないことにしたため、訪 っ 人材集めと並行して、定期的 * パターナリズムとは、父親問看護ステーション ( 看護師と 上 が子どもに対しておこなうよ に福岡でスタッフミーティング 作業療法士 ) と相談支援事業 ( 計 うな仕方で、ある人に対して ふるまうことをいうが、医療・ を開いた。 画相談、地域相談 ) およびグルー 看護においては、患者に対し 経営が心配だったが、 家族会 プホーム ( 精神保健福祉士 ) を て、その人のためになるとし 家 や保健所担当者等は異ロ同音 て医師や看護師などが、その活用しておこなうこととした。 裁量で処置 ( 介入 ) をするこ に「 <0+ を必要としている人 とをいう。 ( 編集部 ) アパートを 7 部屋借りて、グ特 はたくさんいる」ということで ループホームの個室 ( 5 ) と共 それが <0+ 立ち上げに心を号 月 動かされたというのが本音であ 家族の要望以外に何もない 年 る。 ところから < ( を立ち上げる と 2 ・メンパー集め —その実践をふりかえる— っ たまたま、元 <0+—• ( 千な 一般社団法人ー倉知延章 葉・国府台 ) にいた作業療法士み の津田さんが、私の大学研究室 に出入りしていたので、立ち上 していたことが印象的だった。 ・ a ー < O l-- 立ち上げの 同年 6 月、自分で就労移行支げの話をしたところ「ぜひやり きっかけ 援事業所を立ち上げる準備に取たい ! 」であった。 やると決めたら、早く立ち上 年 3 月に北九州市でりかかろうとしていた頃に、福 げることが重要である。まずは セミナーを開催した。こ岡県精神障害者福祉会連合会役 メンバ 1 集めを始めた。 れは、コンボから話があり、員が私の大学研究室を訪れた。 の支援は道具やツール の存在や思想を広めようと福岡での活動ができない いう思いで開催したものであかという相談である。予想だにを活用しておこなうものではな しない相談であったが、家族のく、人材がすべてである。 <0 る。多くの参加者があったが、 のスタッフとして一番相応し 家族の方々の熱気が会場を支配必死の思いが痛いほど伝わっ
割も担うということです。そのし、先進諸国はわずか人口万対医療福祉関係者は、この特例と ため入院期間は必然的に長期化 5 床となり、日本の精神科病床差別の全廃を願っています。 し、しかも長期入院者を収容すが飛び抜けて多いことが歴然と しかし万床を維持したまま では、精神科特例と精神科差別 るための大量の精神科病床が必しています。 基本的に同じ患者数なのに、 要になります。 の廃止は不可能です。その現状 先進諸国でも、隔離・収容の日本の精神科病床が先進諸国のを見てみます。 精神医療政策の時代は、入院の数倍も多い背景には、日本を除 く先進諸国の平均在院日数が絽 ①精神科特例の廃止 長期化と大量の精神科病床の間 日前後であるのに、日本は万 長い間放置されていた精神科 題が存在していました。 人が 1 年以上の長期入院という 特例ですが、年に一般 ①長期入院と精神科病床大国は異常な事実があります。これで病院における精神科病棟の精神 望 " 表裏一体 ~ 明らかなように、異常な長期入科特例が全廃され、精神科病院 展 の 院と精神科病床大国とは " 表裏での看護の「特例」部分も廃止に 精神疾患の発症率は、日本も 革 なりました。 先進諸国も、基本的に同じで患者一体 ~ なのです。 と 数も同じです。そのため必要とな しかし精神科病院の医師と薬塘 図差別解消に動けない万床 の 剤師については、人手不足のた る精神科病床数は、日本も先進 療 精神科特例と精神科差別は、め特例が残っています。特に医科 諸国も基本的に同じはずです。 しかし日本が人口 1 万人当た精神科病院が抱える問題の根源師が深刻です。精神科医の 1 年精 間の養成数は名前後です り床 ( 万床 ) であるのに対です。そのため多くの精神保健 に営める時代へと変わってきて います。たとえ入院になっても 精神科医療の現状と改革の展望 1 か月以内の短期入院です。 昭和大学烏山病院家族会あかね会監事 氏家憲章 社会福祉法人うるおいの里・理事長 そのため今では、以前のよう に大量の精神科病床を必要とし なくなっています。 《連載》第 8 回造リ過ぎた精神科病床 ①大量の病床を必要とする わが国の万床の精神科病床減少し、 2014 年には、芻万 隔離・収容政策 8174 床へと約 2 万 5 千床近 は、 1954 年の第 1 回「精神 衛生実態調査」による " 要収容く減少しましたが、現在でも世精神科病院への入院を中心と ( 入院 ) 者万人 ~ の結果を受界最大の " 精神科病床大国 ~ にする隔離・収容政策とは、精神 は変わりがありません。 けて国策として進められたこと 科医療と精神障害者の処遇の重 によります。国 ( 厚生省 ) が、三 点を病院に置くという政策で " 精神科医療の到達点 ~ つの優遇策 ( 第 5 回参照 ) を設 す。別な言い方をするなら、治 け、民間病院に依拠しながら精今日、世界的には、精神の病療に加えて住む場所などの精神 神科病床の増床を国策として強気や障害があっても、精神科病障害・精神疾患に関連する問題 力に推進して構築しました。 院への入院医療を中心におこなを精神科病院に任せることで その数は、 1994 年の万うのではなく、医療支援と生活す。すなわち病院が治療的役割 2962 床をピークに、その後支援によって、地域生活を普通と住む場所の提供など福祉的役 みんなねっと 2016 年 1 1 月号 16
【参考】独立行政法人福祉 医療機構 (WAM) ホームペー ジ (http ・ //hp. wam. go 」 p) の心 身障害者扶養保険事業のページ から制度案内パンフレットのダ ウンロードが可能です。 を知り、それをどのように利用 すればいいのか考えることが重 要です。 「知ることは、生きること」 では、今後、様々な制度・サー ビスを紹介していきます。皆さ んが「これだ ! 」と思えるもの を見つけることができるよう の援ワ一 に、お手伝いをしていきます。文一 用 øの 【貯金を残したい】 山川さんご夫婦は心身障害者 扶養共済制度の利用を考えてい ますが、皆さんはどう思われま したか。 心身障害者扶養共済制度は、 障害者本人を扶養するご家族た ちが互いに助け合い将来に備え るという素晴らしい制度です。 しかし、必ずしも安いとは言え ない掛金を毎月払い続けること が求められます。もっとシンプ ルに、無理のないペースで貯金 をして、それを本人に残したい ( 相続させたい ) と思われる方 もいらっしやることでしょ , つ。 一度、話を聞いてみるつもりで います。 ( かざまともこ ) 相続には相続税が発生するこ とがありますが、障害のある方 が相続をされる場合には、左記 のように、障害者控除の対象と 障害のある方の相続税については、本人 が 85 歳に達するまでの年数 1 年に付き IO 万円〔 45 歳で相続した場合は、 ( 85 ー 45 ) x 10 = 400 万円〕の控除が受け られます。 特別障害者 ( 精神障害者保健福祉手帳 1 級等 ) の場合は、 85 歳に達するまでの 年数 1 年につき 20 万円の控除が受けら れます〔 45 歳で相続した場合は、 ( 85 ー 45 ) x 20 = 800 万円〕。 なります。 【最後に】 今回は、心身障害者扶養共済 制度を主に取り上げ ました。これは、制 度やサービスをどの ように利用するのか という一例として示 したものであって、 親なき後のお金のこ とが心配なら、この 制度を利用するべき だということを主張 しているわけではあ りません。まずは、 皆さんの日々の暮ら しにあった制度や サービスは何なのか 中央法規 青木聖久編著 『精神障害者の経済的支援ガイドブック ~ 事例と Q & A から理解する支援の意義と実際』 中央法規出版 2015 年 7 月 * 本書は、青木聖久・越智あゆみ・風間朋子という、 精神保健福祉士であると共に社会福祉研究者と、加 えて、高橋裕典という障害年金をはじめ社会保障制 度に明るい社会保険労務士の 4 名で執筆しています。 33 知ることは生きること みんなねっと 2016 年 1 1 月号 32
月刊みんなれっと ( 毎月 1 回 1 日発行 ) 通巻 115 号 2016 年 11 月 1 日発行 2007 年 7 月 24 日第三種郵便物承認 月子翡を馴の家族と家族会をなぐ機誌 0 月刊みんなねっと 2016 年 11 月 1 日発行 2007 年 7 月 24 日第三種郵便物承認 精神疾患がある人や家族に役立つ出版物 A 4 判・ 1 1 2 頁 定価 1 OOO 円 ( 別途送料 ) ( 家族相談の活動は家族会の原点です 好評発売中 ! ! 本書は、全国から寄せられた家族による相談事例の中から 32 事例を掲載しま した。事例を、日常生活、医療、家族会、家族依存、地域連携、親亡き後、制度の七 つに分類し、それにコメントを加えた初めての家族相談事例集です。同じ家族 としての立場から相談にのり、情報を伝え、家族会につなげていく活動は家族 会の原点ともいえます。みなさんの活動に役立てていただければと思います。 精神障がい者家族相談事例集 精神かい者家族 相談事例集 2016 ・特集・ 家族の思いから立ち上かったのとりくみ ( 宮崎富夫・倉知延章 ) ・私と家族の手記私たち家族か引っ越した先の家族会 ・精神科医療の現状と改革の展望 ( 氏家憲章 ) 連載第 8 回「造り過ぎた精神科病床」 ■知ることは生きること ( 風間朋子 ) 連載回 子を扶養する親に対してや、親亡きあとの制度 社会資源ハンドラック 精神がい者と家族に役立つ 社会資源ハンドブック を凸物凸 全凸凸 B 5 判・ 1 8 0 頁・定価 1 4 0 0 円 ( 送料込 ) 【内容】医療に関する制度 / 地域で生活するための支援 / 日中活動の 場、就労や復学の支援 / 経済的な支援を受けたいとき / 財産の活用 や保護、法的な支援など / 家族が情報を得る、相談できるところ 家族会員・支援者のための 喜運営。☆家族会運営のてびき A4 判・ 100 頁・定価円 ( 送料込 ) 家族会からの注文は 1 冊 600 円に割引します 家族会の設置から運営の仕方まて家族会の活性化に役立つ「てひき」ができま した ! 会報や案内パンフなとの見本の資料ページもあり、家族会とつなかり のある支援機関でもせひこ活用を ! 【内容】精神障がい者家族会とは / 家族会 活動をおこなおう / 運営・活動費 ( 財政基盤 ) について / 家族会の組織強化をし よう / 地域にとけこむ活動への積極的参加 / 新しい家族を家族会につなげよ う / 新しく家族会を立ち上げよう / 支援者・関係者の方々へ / 資料編 ☆家族相談ハンドブック A4 判・ 76 頁・定価 700 円 ( 送料込 ) 家族相談のテキストができました ! 家族会らの注文は 1 冊 500 円に割引 【内容】家族による家族支援 / 精神障がい者の状況 / / 精神障がい者家族窈帰レ家族相談の 意義と特徴 / / 家族相談の目標 / 家族相談の留意点 / 相談実習の進め方 / 家族相談の方法 / 新しく家桝目談事業を立ち上げたいときは / 家族相談員の養成 / 家槲目談の事例 問い合わせ先 っ第ノ アクト 公益社団法人全国精神保健福祉会連合会 ま施物談 ′レトブック 公益社団法人全国精神保健福祉会連合会 ( みんなねっと ) te103 ー 6907 ー 9211 fax 03 ー 3987 ー 5466 ホームへージ http://www.seishinhoken.jp
さ、い な中。 会のネクストステージ」を読んて生きていくということを教え す みをでで、未来も見えてきました。「家てもらいました。 の - 古同 号 赭擲ナ族会」にしろ、「ネクストステ いっかは親は亡くなって一人川 わ 1 ジ」にしろ、すべてこれは人になるけど、それまでに自立を 年 の 、わすがつながっていくということでめざし、家事手伝いをします。 9 の介 ら紹はないかと感じました。共に生親が生きているうちに、楽しい ん と 「んに活しながら家族が人や組織につ 思い出づくりをして、「一人で っ み ね ながっていくのは容易ではない もやっていけるよ ! 」という気 〇 亠な ん 〇 と思います。 持ちを強くしていきたいと思い み 〇 まだつながれていない家族のます。倉町さん、手記を書いて 〇「みんなねっと」の感想人々に必要な「助け」が届くよくださり、ありがとうございま う、みんなねっとに期待してい す。両親を大切にします。 〇◆大阪府」家族 ( 代 ) ます。 息子が統合失調症と診断され 日常生活 〇 一年が過ぎました。発症前の意◆愛知県草魔龍樹本人 ( 〇 味不明の行動にうろたえ、入院代 ) ◆広島県グリーン本人代 ) 3 か月↓退院後もハラハラドキ 「私と家族の手記」 ( 9 月号 ) ドキの毎日です。 の長男の病気と家族会活動を売 一三ロ さやさやと田んぼを渡る夏の風 家族にとって一番の精神安定みました。 剤は「家族会」の存在でした。「家私も病気になり、閉じこもっ 息をのむ雨の田んぼの美しさ 族会」の日を指折り数えて参加 たりしてから、周りの人々に助 しています。 けてもらいました。特に親にー あせらない田んぼの泥も美しい みんなねっと 9 月号の「家族読んでいて、親子で支えあっ 読者のページ 行人に笑われます。で、余計に 青い稲の葉を風がかきならしえるようになりました。 引き込もる。主治医は被害妄想 てゆく様は、もう本当に聞きほ 障害者の家族であっても、一 れるばかりです。 人の人間になると弱いもので、だと言いました。そりや普通の スタイルしている主治医にはそ また雨の日の田んぼほど美し何もできませんでした。 う思えるのでしよう。 いものはないと思います。水面親は歳を取って行く、完治な ネットの 2 チャンネルで、精 にノ紋が次々に生まれては消えき障害者は、一人では、生きて てゆくことの繰り返しは見てい 行くこともできなく、他人様の神科の薬は食欲増進体重増加だ と書き込みがしてありました。 て飽きることがありません。 お世話になることが目に見え、 〇 つやつやと光る水の中の泥す親としての責任を、今後どのよそれが本当なら、なんて薬出し 〇 てるんだ ! と思いました。ただ ら美しい景色にしてしまう力をうにして行くべきか、考えると、 わ でさえ年中食いたくてたまらな 田んぼは持っています。 つらいものです。 現在はまず、私本人の体調を いのに、それが精神科の薬のせな ◆神奈川県佐藤茂子家族ととのえ、娘と一日一日楽しく いだとしたら、とんでもない。ん 元代 ) 生活し最後まで親として見て行 製薬会社さん、自分の利益だみ Ⅱ崎にて「みんなねっと」に くことが最善かと思っておりまけ考えずに、もっとちゃんとし〇 めぐり合い、現在横浜に引越し、す。娘の幸福が最後まで続くよた薬を作ってください。食欲増〇の な 1 年前に主人が亡くなり、私が うに心から祈っており、神様に進体重増加なら、ますます太っ〇 て、赤の他人にまで笑われ、ま〇み その後、精神的にて、 3 回の入お願いしている一家族です。 すます心閉ざしていく一方でし 院となったりと、 1 年間いろい 〇一 よ , っ ろなことがあり、皆々様にご迷◆宮城県・ >- 本人 ( 代 ) 〇ペ 惑かけて本当に申し訳ありませ 私は今、体重 135 瓸ありま 心の病気、ますます治らない〇者 んでしたが、やっと気持ちも落す。さすがにこの体重だとかなよ ? 世の中にはやせる薬はな〇 ち着き、娘のこともキチッと見り目立つみたいで外出すると通 いと言われているのなら、やせ -
■生産性や速さが価値あえられるところのこと。 ある研究によれば、孤 るものとされることが、 立がトラウマとなり、と 普通になってしまってい きに依存症や犯罪加害者 る日常があります。 にもつながっていくとの そこには「インクルー こと。依存症とは依存で シ。フ ( 包み込んだ ) 」とい う言葉と考え方はまだ根きる人、居場所がないか づいていません。排除しらこそ起こるといってい ない多様性を認め合えるます。 関係性が体感的に築かれ自分が認識していなく 一ていれば「価値がある命ても、その笑顔が他人を か」という問いは成り立幸せにすることもあるの っていないことが分かるです。自分の存在が人と は違う存在だからこそ誰 一はずです。 「命があるから価値が生かの役に立てることがあ ります。 一まれる」のですからね。 インクルーシプを根づ私がよいと思うこと、 かせるひとつに、自分が大切と思うことを他人は 思えるそんな居場所が必れば、他人がそう思える 一要だと思います。単なるように表現していきたい。 空間のことではなく、人そもそも、みんな違うと いうことに気づいていな を信頼でき、心底頼りに いのですから。 ( 小幡 ) でき、素直な気持ちを伝 知っておきたい精神保健福祉の動き / 特集 / ( 投稿 ) 私と家族の手記 / 連載 ①街の診療所からのお便り / 連載②精神科医療の現状と改革の展望 / 連載 ③知ることは生きること / 連載④真澄こと葉のつれづれ日記 / みんなのわ ( 読者のヘージ ) ほか ・「月刊みんなねらとれまでの特集の紹丿・ ■ 2014 年・ 6 月号 : 本人・家族をともに支える訪問家族支援【その②】 7 月号 : 奈良県で福祉医療制度が実現 8 月号 : いきいき家族会 9 月号 : 障害者差別をなくす地方条例をつくろう 10 月号 : 高齢化する精神障がい者にどんな支援が必要か 11 月号 : メンバーとスタッフが協働して運営するクラブハウス 1 2 月号 : 「あなた病気の人、私治す人」から「私も家族の一人です」となって見えてきたこと ■ 2015 年■ 1 月号 : 身体・知的障がい者と同等の交通運賃割引制度の実現を求めて 2 月号 : 精神障がい者同士で結婚して 11 年目のわたしたち 3 月号 : 精神障がい者の地域移行と地域生活を考える 4 月号 : 地域医療の発展をめざした「府中こころの診療所」を訪ねて 5 月号 : 精神障がい者の「住まい」を考える一英国の主支援から学ぶ ( 上野勝代 ) 6 月号 : 精神障がい者」にも交通運賃の割引を 7 月号 : グループホームの運営ってどうなっているの ? 8 月号 : 家族をひろげ元気にする家族相談活動ー愛知の経験から ( 木全義治 ) 【品切れ】 9 月号 : 全科が無料になる医療費助成一地域家族会のとりくみ 1 0 月号 : 精神障がい・精神保健の正しい教育を一世界の教科書比較 ( 山田浩雅 ) 11 月号 : 日本でも本人と家族をともに支援する家族支援の実現を 12 月号 : 戦後 70 年と障害者権利条約 ( 藤井克徳 ) ・ 2016 年・ 1 月号 : 世界から見た我が国の精神保健医療福祉 ( 長谷川利夫 ) 2 月号 : 精神障害者と差別解消法 ( 池原毅和 ) 3 月号 : 障害者総合支援法施行 3 年後の見直し ( 本條義和 ) 【品切れ】 4 月号 : 家族だからできる家族支援『家族による家族学習会プログラム』 ( 岡田久実子 ) 5 月号 : 精神障がい者と家族ーそれぞれが自立し、ささえあうために① ( 白石弘巳 ) 【品切れ】 6 月号 : 精神障がい者と家族ーそれぞれが自立し、ささえあうために① ( 白石弘巳 ) 7 月号 : みんなねっと「政策委員会」の取リ組み① ( 野村忠良 ) 8 月号 : みんなねっと「政策委員会」の取り組み① ( 野村忠良 ) 9 月号 : メンタルヘルスと福祉教育をめざして ( 松本すみ子 ) 10 月号 : 訪問看護が家庭内暴力とどう向き合うか ( 原子英樹 ) ・「月刊みんなねっ」のパッンハーのお申し込み方法・ 「 300 円 x 冊数十送料 80 円」の金額を巻末の振込用紙にてお振り込みくた さい。「通信欄」には、ご希望の号を記入してください。郵便局に備え付け の振込用紙の場合、「 () () 1 3 () ー () ー 3 3 8 3 1 7 みんなねっと」宛て にお振り込みください ( この場合、振込手数料は自己負担願います ) 。 FAX での申し込みもお受けします (FAX 番号 03 ー 3987 ー 5466 ) 月刊みんなねっと ~ 毎月こんな内容でお届けします ~ 編集後記 【「みんなのわ」へメールで投稿できます】読者のページ ( みんなのわ ) への投稿がメールでできるようになりました。投稿のメールアドレ スは minnanet.seishinhoken@outlook.jp です。※投稿される 方は、氏名、住所、年齢、性別、 ( 家族、本人、その他 ) をご記入ください。 なお、ペンネームで投稿される方はペンネームをお書きください。 月刊みんなねっこ通巻第 115 号 ( 2016 年 11 月号 ) 定価 300 円 発行日 2016 年 1 1 月 1 日 賛助会費 ( 会費に購読料含む ) 個人・年間 3 6 () 0 円 発行者公益社団法人全国精神保健福祉会連合会 団体・年間 ( お問い合わせください ) 理事長本條義和 〒 170 ー 0013 東京都豊島区東池袋 1 ー 46 ー 1 3 ホリグチビル 602 TEL () 3 ー 6 9 () 7 ー 9 2 1 1 FAX () 3 ー 3 9 8 7 ー 5 4 6 6 郵便振替 0 0 1 3 0 ー O ー 3 3 8 3 1 7 ホームページ www.seishinhoken.jp 印刷・製本 / 倉敷印刷株式会社表紙の絵 / 織田信生