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検索対象: 月刊 みんなねっと 通巻第117号 2017年 1月号
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1. 月刊 みんなねっと 通巻第117号 2017年 1月号

ラスマイナス「ゼロ」にし、一と国内の一般医療に「一一重の格綻によって、 " 袋小路 ~ に陥っ 般病院の医療 ( 職員など ) 体制差」という深刻な問題を抱えてています。この状況を打開する と同じ水準にするということで います。わが国の精神科医療のためには、精神医療政策を今日 す。 問題の根幹はまさにこの「二重の精神科医療の到達点を反映し そのためには、精神科病院がの格差」です。 た政策にしなければなりませ 現在担っている二つの役割 ( 医 今日の精神科医療の到達点をん。そのためには、 2018 年 療的役割と住む場所などの福祉国民一人ひとりに提供する精神を精神医療改革の流れへ転換す 的役割 ) を解消することが不可医療政策に転換するためには、 る節目の年にすることが重要に 欠です。精神科病院は本来の医この「二重の格差」解消は喫緊なっています。 療的役割に徹し、住む場所などの課題です。 の福祉的役割は、地域の福祉の 次回の連載Ⅱ回 ( 2 月号 ) で 専門機関に任せる役割分担が必 《節目の 2018 年》 は、「日本に精神医療改革の展 要です。 来年 ( 2018 年 ) は、呉秀望はあるか」をみてみます。 三がわが国の精神障害者の「二 ( うじいえのりあき ) ( 6 ) 「ニ重の格差」解消は喫緊 重の不幸」を指摘し年目 の課題 です。また 1968 年のクラー わが国の精神科医療は、連載ク勧告から年目と、歴史の節 第 2 回 ( 5 月号 ) で取り上げま目を迎えています。わが国の精 したが、先進諸国の精神科医療神科医療は、精神医療政策の破 3 万 4 千人が年以上の超長期 施設収容へすり替えようとして 入院となっており、異常な状態 ( 4 ) 精神医療政策の破綻は明確おり、「新オレンジプラン」では、 号 月 です。そして " 安かろう・悪か 認知症の人たちを精神科病院へ 年 ろ , フの精神医療です。 隔離・収容の精神医療政策は、大量収容しようとするなど、歴 人の人生に大きな影響を与え精神科医療と精神障害者の処遇史の流れを逆戻りさせようとし と っ る医療政策で、「安かろう・悪かの中心を " 精神科病院 ~ とするています。そうした逆戻りでな ね ろう」の精神医療政策の解消は、政策です。自ずと予算は入院医ければ、今日の隔離・収容の精な み 喫緊の課題です。 療に著しく偏り、そのため " 地神医療政策が維持できないとい また精神科病院の在院患者の域 ~ にお金が回せない状況をつ うように、精神医療政策の破綻 凵人に 1 人が、医療の名の下、くっています。精神科病院へのは明らかです。 毎日 " 隔離・身体拘束 ~ が行わ入院中心の隔離・収容の精神医 れている実態は、基本的人権や療政策を継続する限り、障害者 ( 5 ) 精神医療改革とは 個人の尊厳からみても早期の解プランや新障害者プランそして 消が求められています。 改革ビジョンの失敗にもみられ精神科医療改革とは、精神科 このようにわが国の精神科医るように、新たな施策は困難と、医療を他の疾患より特別良くす 療は、基本の部分で深刻な問題精神医療政策は行き詰まってい ることではありません。精神科 を抱え、現状の放置が許されなます。 医療が他の疾患と区別され差別 い状況です。 また「病棟転換型居住施設」されている状況、精神科医療 という政策で、長期入院を長期の " マイナス状態 ~ を解消しプ 21 精神科医療の現状と改革の展望

2. 月刊 みんなねっと 通巻第117号 2017年 1月号

ムをお願い致しました。群馬家 - 今こそ、もう一度「障がい者で、当日予約せず見えた方も 族会で行ったアンケ 1 トをつつ 〇差別解消」の原点に立ち返るべ名ほどいました。 オープニングのゴスペルも皆じ会会長が提示し、それに対す号 〇きではないだろうか。 わだからこそ、「教育」しかあ楽しそうに歌って下さり、導入るお話も伺えました。身近に少 年 しずつでも支援者を増やすこ のりえない。「大学や専門学校での雰囲気を盛り上げてください と。あまり一生懸命になりすぎ な専攻させるのではなく、小学生ました。 と んのうちから総合学習で社会福祉午前の部は、群馬ならではのず、少し楽観的なほうが良い結 っ ね みを学ばさせた方が良いと思いま「土曜学校」の発表で、主唱さ果が生まれるとも伺いました。 関東圏内から、お越しの皆様 れてきた県こころの健康センタ み 〇 その意見に拍手。 ー所長の浅見隆康先生の分りや方、ご参加ありがとうございま 〇 すい講演。そして、父親と当事した。 〇 群馬家族会では、この大会に 者の息子さんが、グループセッ 〇地域の話題 ションで [-* を使って学んだ向けてひた走って参りました 〇 その成果を、 2 人のやりとりでが、家族相談のあり方を模索し 〇◆関東プロック大会を終えて 示して下さいました。息子さんております。手始めにみんなね 〇次へのステップを考える 〇 群馬県連会長吉邑玲子の巧まざるユーモアと、お父さっと発刊の事例集を、月 1 回の 役員会で一つずつ読み始め、 4 んの息子を尊重した接し方に、 9 月日、大会日、参加数参加者からは大変好評でした。話になります。 今後共、他の県連の活動を参 が心配でしたが、お蔭様で午前 午後の部は、「家族を支援す の部は読みがびたりと当たり、 る立場から」と題し、群馬大学考にしながら、進めていきたい 会場いつばいの 333 名 ( 主催の福田正人先生、大阪大学の蔭と思っております。 者発表 ) となりました。受付の山正子先生、帝京大学の池淵恵 データ 1 では県内外がほぼ半々美先生にご講演とシンポジュウ 「賛助会員ご継続手続きに ◆みんなねっと北信越プロック 現在の情勢と今後の方向を見 新潟大会報告 据えた良い報告でした。 ついてのお知らせ」 ( 同封 ) 新潟県連理事長星眞人 のお詫びと訂正 一「記念講演 ( お知らせ裏面 ) 右記の大会が今年川月 5 ・ 6 筑波大学の斉藤環先生のオー ( 誤 ) 平成年度分のお支 日の両日、新潟県妙高市の赤倉プンダイアローグのお話でし 払いがお済みでない場合、 温泉ホテル太閤で開催されました。内容は ( 1 ) 連絡を受けて た。参加者は約 250 人でした。 から時間以内にチームで患者昨年度の会費も一緒にお納〇 〇 の所へ行く。 ( 2 ) 家族も含め めください わ 一、本條理事長の報告概略 一時間半以内で話し合いをす ← の ( 1 ) 障害者総合支援法三年る。 ( 3 ) 結論を急がない。 ( 4 ) ( 正 ) 平成年度分のお支な 後の見直し問題 ( 2 ) 家族支援危機が去るまで毎日続ける。 払いがお済みでない場合、ん といったものです。薬物中心 は家族療法であるとの理念のも と、諸外国で開発されたよい方の日本の精神医療に明るい展望昨年度の会費も一緒にお納〇 式を広めていく問題 ( 3 ) 家族を開かせてくださった講演会で めください。 〇 相談員制度に予算を付けることありました。 の必要性 ( 4 ) 差別と偏見をな 〇み ご迷惑をお掛けいたしま くすため声をあげていくことの三、その他 して大変申し訳ありません〇一 必要性 ( 5 ) 人々の意識を変え各県連の報告、分科会等では 〇ペ でした。 ていくためにも広くいろんな意 率直な意見が多くだされ、それ 〇諸 見を出し合い議論していくことぞれに有意義でした。課題も多 ※都合上、一部の方には同 の重要性等についてとても分か く感じられ、今後北信越で検討 封しておりません。 していくことにしています。 りやすくお話をされました。

3. 月刊 みんなねっと 通巻第117号 2017年 1月号

ら四年経った今、精神障害者や活スタイルを続ければ社会生活活中心の精神科医療は、わが国 は普通に行えます。精神科医療の精神障害者と家族にはいまだ その家族がおかれている深刻な 状況は一向に解消していませも高血圧や糖尿病と同じです。届いていないのです。 ここに、今もって「一一重の不 ん。しかも「一一重の不幸」の指「二重の不幸」が指摘された四 摘は逆の意味で、益々輝き、他年前と精神科医療の到達点は様幸」が解消できない原因があり ます。精神医療政策の大きな立 の先進諸国との格差が拡大して変わりしています。 ち後れが「二重の不幸」を継続 いるのが現状です。 《変わらない隔離・収容の精神させている大本です。 《精神疾患の罹患が最大の問題医療政策が問題》 ( 3 ) 医療機関と言い難い精神 わが国の精神医療政策は、精 ではない》 科病院の実態 今日の精神科医療の到達点神科病院への入院中心の隔離・ 望 しかも精神医療政策の " 要 ~ は、抗精神病薬によって幻覚や収容という基本政策は、数年 展 妄想を治すまでには至っていま間変わっていません。そのための精神科病院は、深刻な問題を革 せん。しかし精神病状をコントわが国は、他の先進諸国で当た抱えています。他の先進諸国に と 状 ロ 1 ルし、地域で社会生活を送り前になっている地域生活中心おいては平均在院日数が日前 現 れる時代です。高血圧や糖尿病の精神科医療が提供できないの後という今日にあって、わが国療 でも、薬だけで治癒するまでにです。 1960 年代からの抗精では、万人が 1 年以上の在院科 神 精 はなっていませんが、しかし糖神病薬の本格使用など精神科医日数です。さらにⅡ万人は 5 分や塩分を制限し、健康的な生療の進歩の " 要 ~ である地域生年以上、約 7 万人が 2 年以上、 、、 ' 一〔医療の到達点です。一方わが国 の精神医療政策は、いまだ先進号 精神科医療の現状と改革の展望 月 諸国で唯一、精神科病院への入 昭和大学烏山病院家族会あかね会監事 年 氏家憲章 社会福祉法人うるおいの里・理事長 院中心の隔離・収容の精神医療 政策を継続しています。 と っ そのため精神科医療の今日の 《連載》第回精神科医療はどうあるべきか ね 到達点と、わが国の精神医療政な み 精神科医療はどうあるべき題。 、 " 医療の到達点 ~ と " 医策は噛み合っていません。 か。この問題を私たちが考える療政策 ~ が基本的に一致してい ( 2 ) 呉秀三の「ニ重の不幸」 時、今日の精神科医療が到達しることです。しかし、わが国の が解消できない ているレベルはどこまできてい 精神医療政策は、この間の連載 るのか。そして国の精神医療政を読んで頂ければ明らかです 今から四年前 ( 1918 年 ) 策は、精神科医療の到達点を適が、精神科医療の今日の到達点東京大学教授の呉秀三は、「わ 切に反映しているのか。この現と精神医療政策は、正反対で噛が国十何万の精神病者は実にこ 状把握が大切です。 み合っていない、という初歩的の病を受けたるの不幸のほか 問題があります。他の先進諸国に、この国に生まれたるの不幸 ( 1 ) 到達点と精神医療政策が は、精神の病気や障害があってを重ぬるものというべし」と、 かみ合ってない も、 " 地域生活中心 ~ の精神科 わが国の精神障害者の「二重の 医療政策で最も重要で初歩的医療です。これが今日の精神科 不幸」を指摘しました。それか おおもと

4. 月刊 みんなねっと 通巻第117号 2017年 1月号

・特定非営利活動法人東京ソテリア 聞きました。個人のファッショ大事にしながらお互い主張を認 中島吾木香 号 ン・情熱を大事にしていて、そめ合い、音楽として形にすると 月 いうことが凄いと感銘を受けま「役割や立場を超えて」 れが生きるパッションだそうで 年 プロビドーネ協会での体験で す。ボーカルの人はそれぞれにした。 す。普段、専門職として当事者 その領域があると主張しました。 と 3 ・支援者の目線 っ やご家族と関わることが多い私 領域とは、自分が主張するとこ ね ろは主張し、主張しすぎたら他 今回の企画では、支援者も障ですが、そこには見えない境界な み の存在を感じることもありまし のメンバ ーに迷惑がかかると害をもっ当事者も対等に「一参 た。プロビドーネでの交流を通 言っていました。私のデイケア加者」として企画に参加してい ます。困ったことはお互いに共して、国籍・当事者・家族・支 はカラオケに行きますが、ボロー ニヤにはカラオケがなくコン有し、助け合う中で、はじめて援者等という社会的な役割や立 場を超えて、「一人の人として サート形式で歌っています。 各々の主体性が芽生えると考え 関わる」という、当たり前で自 ンドを組んだ当初は恥ずかしくました。名の大所帯を率いる 歌も歌えなかったそうです。最スタッフとしての責任を担いっ然なことの大切さを改めて感じ ることができました。誰しも、 近では野外でショーをしているつも、対等性を重視し接する、 みたいです。私のデイケアでは支援職としての在り方を問われ家族であり当事者であり、支援 グループになって物事を形にする、職員としても良い経験、そ者にもなり得ます。 それぞれが自身の課題を抱 ることはなかったです。個々にれ自体が良い研修となりました。 え、向き合い、受け容れていく過 領域があり、個人のスタイルを 程の中で、互いに自分の経験をじて、知ることができました。できたとき、家族のありがた 語らい、そばにいることで、孤同じ目的を持 0 て協力し合う事さ、あたたかさ、「ホームシッ が横の繋がりを強め、問題が起ク」だけでは片づけられない思 独から解放され、希望を感じら いが胸をよぎります。私たちが れる : ・その瞬間を参加者全員できても仲間と共にいる事でいっ もよりもっと笑って、もっとやポローニヤの地で学びながら、 共有できたように思いました。 さしくなって、いつもよりお互その学びを還元させたいのは、 いを心配しあいました。喜びも目の前にいる大切な「だれか」 特定非営利活動法人東京ソテリア なのだと気づかされます。 思い脳みも、もしかしたら、 横倉裕子 つもより何倍もみんなで分け合家族からは多くのメッセージ 自動販売機ひとつにしてもコ をよせていただきました。せつ インを入れて物が出てくるまでえていたかもしれません。 かくなので、少しずつですが紹 いつもと違う環境でいつもと の時間は長く、お釣りは出てき てもサンドイッチがケースの中違う仲間と新しい結びつきがで介したいと思います。 きた素敵なツアーでした。 でひっかかり、今食べたいのに ■土田ノブ子 明日の朝まで担当者は来ないの 4 ・家族の目線 2 回目のイタリアボローニヤ で手に入れることができない 今回の企画には、家族の立場で世界精神保健デーがありまし そんなちょっと不便がいつばい な国イタリアをわずかながら知での参加も多く、親子で参加した。ボロー = ヤの精神保健局長、 る機会が与えられ、交流会を通ていただいた方もいます。異国精神科医師、当事者、家族会の してお互いを興味深く見て、感の地で、少しだけ家族と距離が方達が話し合 0 ていて、とても ■ 11 特集東京ソテリアにおけるイタリア交流事業のとりくみ

5. 月刊 みんなねっと 通巻第117号 2017年 1月号

年金 2 級が無事決定となり、 < しまうのです。 障害年金を受給し始めた まず、 < さんは障害者保健福さんのあらたな就職活動が始ま < さんの事例 祉手帳の交付を受け、気持ちのりました。自分の障害を受け入 親元で暮らす統合失調症の整理をし、障害基礎年金の申請れ、一般雇用にこだわらず、障 さん歳は、仕事に就いても短をすることを決意しました。障害者雇用でもよいのでまずは仕 期間で辞めてしまうという状況害年金の手続きは、初診日の証事を続けられるようにしたいと が続いていました。 < さんとし明書を取得するところから始ま考える心の余裕が生まれてきた ては、経済的に自立した生活をり、発病から現在までの病状やのです。障害年金を受給するこ 送りたいという強い思いがある日常生活をまとめた「病歴・就とになり、無理して働かないこ 労状況等申立書」を作成し、障とを選択できるようになりまし ものの、仕事がうまく続かない ことに大変悩んでいて、家で暴害状態を証明するための障害年た。障害年金という生活の安定 れてしまうこともありました。金用診断書など多くの書類をその柱ができたことによ「て、 さんの仕事が続かない原因ろえなければなりません。 < ささんの就労が安定化し、生活も 安定したのです。 は、仕事に行かなければ無収入んは、病院のソ 1 シャルワー 障害年金は国の福祉の制度で になってしまうという危機感でカーや社会保険労務士の支援を した。仕事を休むと、お給料が受けながら、自分のカで、障害はなく、自分の納めた保険料や 減らされてしまうため、無理し基礎年金の請求書を年金事務所権利に基づいて請求することが できるものです。前向きに生き て仕事を続け、その反動で結局に申請することができました。 仕事に行けなくな「て退職して申請から約 3 か月後に障害基礎るための制度として積極的に活 の な問題点を生み出すこともあり 用しましよう。 えます。 障害年金制度をとりまく環境 精神障害と障害年金のこれから が大きく変化しているときです 精神障害にかかる障害年金のので、当事者・支援者はその動 認定に地域差があることが問題向に注視しつつ、おかしな点な となり、その解決策として「精どについて意見交換や情報共有 神の障害に係る等級判定ガイドをしていくことが大変重要で ライン」が示され、平成年 9 す。障害年金制度がより良い制 月 1 日より運用が開始されまし度になるためには、国側による 一方的な制度改正ではなく、当 た。これによって地域差のあっ た精神障害の認定が全国で統一事者・支援者側から積極的な声 される方向に動くと思われますを上げていかなければなりませ が、今後の動きを見守っていくん。引き続きみんなで頑張って いきましよう。 必要があります。 ( たかはしやすのり ) また、平成四年 4 月からは、 障害年金の審査は東京一括審査 に移行することが決まってお り、この東京一括審査があらた みんなねっと 2017 年 1 月号 30 31 知ることは生きること

6. 月刊 みんなねっと 通巻第117号 2017年 1月号

医療においては今までその文化者が直接現地を見て、感じ、考 愛知県より人、北海道より 1 号 人、沖縄より 1 人の参加者があが醸成されてこず、患者は医療えたことを日本に持ち帰ること 月 りました。また公募の結果としの下で結果として主体性をなくを第一の目標に据えました。 年 ここからは、実際に参加した て、みんなねっとにかかわりのし、世界に類を見ない精神科の ある方が多くいらっしやったた病床数や長期入院といった社会方からの声を引用し、紹介して と め、今回この紙面にて、本事業現象に現状が反映されているの いきたいと思います。小林さんね ~ な について報告させていただく機でしよう。地域における精神保は、ポローニヤでの視察で特に ん み 健のあり方が問われている今、 芸術活動への取り組みに親和性 会を得たところです。 入院中心主義から地域ケア中心をもち、ご自身の体験とあわ 2 ・当事者の目線 へと展開し、地域精神保健センせ、以下のような文章を寄せて 今回、本事業で大きな目的にターをはじめとする地域サービくれました。また、渡邊さんは 据えたのが、医療主導型ではなスによって支える仕組みを実践ご自身のデイケアでの体験を踏 く、地域の中で障害をもっ当事するイタリアから、そのヒントまえ、日中活動の場所でおこな 者があたりまえに暮らせる「当を学ぼうと、本事業を企画しまわれていたバンド活動に感銘を 事者主体の社会」をつくることした。これまでは、日本からイ受けたようです。 です。大きなことのように思えタリアへの視察も、イタリアか ますが、ユーザーがサービスをら日本への招聘も、これもまた■小林賢次 油絵を描くきっかけは、東京 評価し選択するのは当たり前の医療者や研究者が中心でありま ことです。しかしながら精神科した。今回は、精神障害者当事ソテリアの職員のさんが子供 の頃から好きで油絵を描いてい その前日、 CiVibo onlus 協会 学べばメンタルヘルスの問題も の会長より僕に陸橋の壁面に絵大分少なくなるのではないかと たからだ。キャンバスとか油絵 道具など一式を購入してきてくを描いてほしいというオファー 感じた。街の中心部へ行くとき れてからである。僕自体油絵をを受け、富士山がいし 、といわれ方向を教えてくれた二人の女子 描くのは中学 3 年生の時、学校たが、あまりにも典型的である学生、老夫婦、イタリアは怖い の授業で描くぐらいだったの こととボローニヤでは魚屋があという人がいるが、ボローニヤ に関してはそんなことは一つも で、それ以来全く描いたことがまり見かけられないので、あえ なかった。東京ソテリアが運てマグロの絵を描いた。 なかった。街はオレンジ色に統 営する地域活動支援センターは 一され、なぜか芸術品の中にい ボローニヤを一人で歩いた感 るえ野で油絵サークルが立ち上想だが、日本は世界第 3 位の経るようだ。イタリアで必要な言 がった。ちなみに僕がサークル済国であるが、ボローニヤには葉はグラッチ工とチャオだけ。 0 、 の部長になってしまった。そこ 幻時間のスー ーもないし、タ他にはなにもいらない。本当に までは、 ししが、サークルで描か方には定時に帰宅する様子も見ボローニヤが好きになってし れた絵がなんとイタリアのボられた。夏にはバカンスもあるまったようである。本当に楽し かった。またいきたい , ローニヤで展示されることに ようである。食料品も安いし、 なったのだ。 2 か月後 : こ、油絵それほど大きな車も乗らないよ 計五枚がボローニヤデビューすうである。それでも東京よりも ■渡邊淳 タッソデイケアセンターに行 暮らしは楽なように見えた。ボ ることになった。精神保健デー の催しで僕の絵が 2 枚売れた。 ローニヤの暮らし方を日本人がき 4 人グループのバンドの歌を 9 特集東京ソテリアにおけるイタリア交流事業のとりくみ

7. 月刊 みんなねっと 通巻第117号 2017年 1月号

新年のこあいさつ 謹んで新春のお喜びを申し上げます 昨年はみんなねっと設立 10 周年に当たる節目の年でしたが、精神 保健福祉分野でも大きな動きがありました。反面、相模原事件が多く の人に衝撃を与えたことも記憶に新しいところです。 政策面では、一昨年から続いていた総合支援法施行 3 年の見直し、 また昨年始まった改正精神保健福祉法の施行 3 年の見直し、第 4 次障 害福祉計画の策定等が議論されました。当会でも、医療保護入院にお ける家族同意要件の廃止をはじめ、精神保健福祉における諸課題を社 保審障害者部会、内閣府政策委員会等で意見表明しました。 また、交通運賃割引格差是正の国会請願署名を全国的に展開し、集 約した 62 万筆余に及ぶ署名簿を携え衆参両議院に請願しました。採 択には至らなかったものの、各地で精神障害者も割引の対象となると ころが出てくるなど成果も生まれております。本年度も引き続き国会 請願を行うなど運動を継続していきたいと思います。家族支援 ( メリ デン版訪問による家族全体支援 ) では昨年末に事業活動をさらに発展 継承させる新たな準備組織が誕生しました。 本年は、引き続き精神保健福祉法の 3 年後の見直し及び障害福祉計 画の策定が行われています。また内閣府政策委員会にも飯塚理事が委 員として新たに参画することになりました。そのほか各種委員会等で 積極的に意見を述べてまいります。 族の同意要件い他科診療の医療費助成を障害年金を障害種別間格差を を数え当 E げればきグか しながら 0 解込に向し殳職員を回、々を洋いでまいる決意です・、本年 ( 公益社団畆ツぐ全精神保健福祉会連谷会理に本條義和 月刊 新年のごあいさつ 1 知っておきたい精神保健福祉の動き 特集 2017 1 月号通巻第 117 号 【表紙の絵】織田信生 2 東京ソテリアにおけるイタリア交流事業のとリくみ ( 塚本さやか・増川ねてる・栗原和美 ) 精神科医療の現状と改革の展望 【連載第 10 回】精神科医療はどうあるヘきか ( 氏家憲章 ) 18 街の診療所からのお便り【連載 116 】 ( 増本茂樹 ) ・・人の悩みは、人それそれですから、聞いてみないと分からないです・・ 37 みんなのわー一読者のページ・地域の話題 私と家族の手記「私の家庭」 (N 子 ) 34 真澄こと葉のつれづれ日記 ( 第 70 回 ) 32 ( 連載 1 3 回 ) 障害年金《経済的支援特集⑦》 ( 高橋裕典 ) 26 知ることは生きること 6 22

8. 月刊 みんなねっと 通巻第117号 2017年 1月号

さ心 状態はかえって病状を悪化させくのことが掲示板に書き込ま な中。 みをで今も深い傷となっています。今れ、マスコミや各局の情報番組 の - ~ 0 同 、堵擲ナは転院し、通院で徐々に回復にでもプロバガンダ的に配慮なし わ まりコ向かっています。 で容疑者の生い立ちや言い分 」便る わおす が、そのまま流れてしまった。 「みんなねっと 7 月号」を読 のの介 ある当事者からは「障がいに ら紹み、年々「保護室」「拘東」が ん 増えていると知り、とても驚き対する差別意識を生んでいる人 み ました。自分の経験を踏まえ「保の心や社会の問題にこそスポッ 〇 護室」と「拘束」は廃止されてトを当てなければならない。そ 〇 〇 こを本気で議論する番組がない いく方向に向かって欲しいと思 ことが本当に残念」などと挙が います。 〇「みんなねっと」の感想 った。 その一方で、別の当事者は「事 〇◆茨城県くだもの大好き本日常生活 人 ( 加代 ) 件は起こるべくして起こったん 〇 じゃないかと。多くのネットの 私は統合失調症と強迫性障害◆新潟県匿名 〇 をもっ当事者です。私も約 1 年「 7 月日未明、神奈川県相書き込みを見ていると、この容 半前、 1 年間ほど「任意」から模原市の障害者施設『津久井や疑者と同じ考え方の人間は多数 「保護入院」になり、「保護室」、 いると思います」「殺人は当然 まゆり園』で、多くの利用者が 「拘東」を経験しました。とくその命を奪われたり、負傷した最も悪な行為だ。しかし『障害 に「拘束」は苦痛で、トイレに りする痛ましい事件が起きまし者なんていなきや良い』という 言葉に妙に納得。障害って社会 もあまり行かせてもらえず「オた」 ムツ」でした。 3 か月間の「拘東」 この事件で、障がい者に対しが作り出していると思うから」 と「オムツ」という人権無視のて、あるいは容疑者に対して多と。 読者のページ 気のせいであったことを教えら会の方のところで、私の体験にした。子どもを受け入れてやり れました。 ついてお話しをする機会があります。そして、子どもを医者に ました。その相手は、大変困っ連れていきます」とおっしやっ 娘も入院してからは、次第にているというご夫婦でしたのるので、私の話を素直に受け入 落ち着いた状態になり、退院しで、私は、自分の家のことをあれてくださったのではないかと い , っことがわかりました。 て日常生活を取り戻すことがでりのままに話すことにしまし きるようになりました。 私としては、あと 2 回くらい そして「お母さん、ありがと 苦しかった時、夜眠れなかっ話ができたらという思いもあり う」「おはようございます」「ご たつらさ、毎日、何も手につかましたが、よい経験をすること めんなさい」などというあいさずにんだ時の様子など、私が ができたと思います。 つもできる生活がもどってきま体験したことをそのまま話しま した。 した。 家族は皆、いろいろ悩んでい 私は、家族同士、同じ悩みを ます。苦しんでいます。ですか 持った者同士の支え合いがどん 私の話を聴いてくださったごら、このように、自分の体験を なに大切なことかを知りまし夫婦は、泣きながら「ありがと話すだけで解決の方向が見いだ う、ありがとう」とおっしやっせるなら、こんな簡単なことは てくれました。 ありません。これこそが、私た 娘のことが解決してから、会 私は「また、話しに来ますよ」ちにできる「喜ばしいはたらき」 員といっしょに、〇〇市の家族と言ったのですが、「わかりまであると思っています。 みんなねっと 2017 年 1 月号 36 37 読者のページ ( みんなのわ )

9. 月刊 みんなねっと 通巻第117号 2017年 1月号

し 回家族の声愛家連あきら・・ ず て助けを受けるまで回復させて 手 います。精神保健局のリハビリ「レムスで交流」 どえりゃあ体験です。 4 日目 で作られた素敵な陶器はプロの こ の触法行為を行った方が入居す 人が教えていました。粘土をこ ねることで自分の感情が出せるるグループホーム「レムス」で 交 ようになる。陶器を通じて物はの交流です。朝川時過ぎにレム 事 食 スへ着きグループホームへ鉄の 必ず壊れる、そして直せるとい で ス 網で囲われ鍵のかかった扉を開 うことを学ぶそうです。 ム レ 視察で強く感じたのは、本人のけてもらって入りました。男性 意思を大切にする。作業を通じて 3 人女性 3 人の訪問です。入っす。一時間ほどで中断して、昼 自分を受け入れ他人を受け入れ人てすぐカメラ危険物ケータイ等食の準備です。ホーム側からは とつながり、社会の中に居場所を注意事項の説明がありほとんどボローニヤ風のパスタ料理が、 の荷物をロッカーに預け、パス私たちは日本から持ち込んだご 持っことで回復するという強い信 はんと現地の野菜などを使って 念でした。私が今まで受けてきたポートもあずけました。その後 支援は、支援者の考えに強く左右ホーム関係者・精神科医・精神手まり寿司・海苔巻き等で、一 されてしまっていました。これか保健局員・入居者など私達含め緒に食事です。ホームの住人の 間に座って交流です。終わりに て十数名での懇談です。まずお らは自分の意思を支援者に伝え、 みやげを渡しました。私どものはアイスクリームのデザートも やっていきたいです。 質問にも詳しく説明してくれま出て不思議な一時間ほどの昼食 交流です。 へ出て地域の人と生活して社会て学んだものは多くありまし 再び懇談です。今度はホーム へ戻って行くそうです。パスた。イタリアの協同組合やディ の住人はいません。管理する看ポートを返して頂き鍵で扉を開ケア、センターや医療の視察で 共通する大切なものがありまし 護師・医師・コーディネーター けてもらい外へ出ました。 た。「家族の繋がり」と「食事」 などと私たち 4 人です。入居者 6 ・交流事業について です。人が人と関わる大事さは の年齢は— 5 6 歳とのことで、 レムスはこの州には 2 か所あり 全体をとおし、視察だけで日本にもあります。ですが、イ ます。施設の中 ( コンクリート なく、「交流すること」を大切タリアでの「繋がろうとする心」 み 造りの三階建て地下一階 ) を案に各機関を訪れました。共通のはどこの場所でも、どの場面で の 内して頂きました。 1 人部屋・課題に取り組んでいる者同士、も強く感じると共に「愛」を感 業 2 人部屋と事務室・洗濯室など国は違えど目指しているものがじました。どこに行っても家庭流 交 すべてを見せて戴けました。危同じだということを感じること的な雰囲気がある。交流を心か 険物は持ち込めない住人の部屋ができ、交流のきっかけとなるら楽しめたことは美味しい食事イ お と愛があったから、と感じてい はそんなに大きくないですが住話題には困ることは一度もあり ます。 みやすそうでした。 2015 年ませんでした。 に司法精神病院が廃止されてで ~ 泉 7 ・世界精神保健デーにおけ 東 ■特定非営利活動法人東京ソテリア きた施設で、まだ 1 年余りだそ るワークショップについて 集 うです。将来的には全員が退所 海老名直也 特 出来ることと考えています。外 イタリアと日本の交流を通し本事業の大きなイベントとし みんなねっと 2017 年 1 月号 14

10. 月刊 みんなねっと 通巻第117号 2017年 1月号

2016 みんなねっとフォーラム ■昨年Ⅱ月末、五十数年活支援・保健・医療・教 育分野において、いかに ぶりという季節外れの雪 が降って、関東地域の皆施策が遅れたままである さまも驚かれたことでしかに改めて気づきまし よ一つ 日本特有の精神科病院 その日はゴミ出しの日 で、大きなパックを片手の存在は、身近な診療所 に、もう一方の手で傘をの医療と福祉を連携させ さしながら外階段を降りた複合型医療を図る上で た私は、 3S4 段足を滑障壁になっていると思い らせてしまいました。幸ます。また中・高の早期 い大事には至りませんで教育の充実は、こじらせ したが、 今年もケガや病ずに学業や就労復帰を可 気をしないように、十分能にさせるのではない に気を付けて進みたいとか。偏見と差別をなくす には全国民向けの疾患研 思います。 昨年から 2 年間、内閣修と福祉教育が欠かせな 府の政策委員として会議いと思います。 に参加し、第 4 期障害者切実な問題の一つ一つ 福祉計画に関わる基本指を、解決に向けて提言し 続けたいと強く思いまし 針を検討しています。 家族会の視点をどう伝た。 えればよいのか、約 1 か 月検討してみた結果、生 2017 年 3 月 3 日 ( 金 ) 10 : 00 ~ 16 : 00 ( 受付 9 時 30 分 ~ ) 帝京平成大学冲永記念ホールの地図 ( 3 ) 左側に交番のある交差 点まで進んでください。 0 ) ビックカメラの前 の通リを道なリに進 んでください。 六ツ又交差点 池袋キャンバス・本館 六つ又交番 ビック カメラ 東池袋三丁目 ①池袋駅東口を出 たら、出口を左に 進んでください。 ヤマタ電機 4 ローソンの方向に 進んでください。 ※」 R 池袋東口から徒歩 12 分 - 東ロ 0 、 ( 、編集後記 幡 ・事前申込締切・フォーラムへの参加は、事前にお申し込みください ! ! 2 月 1 4 日締切 事前にお申し込みされる方は、下記の申込書に必要事項を記入し、 FAX ( 03-3987-5466 ) または郵送でお申し込みください ( 当日参加も可能ですが、事前申込を優先します ) 。 * 昼食は各自ご用意ください ( 大学内に昼食場所は用意しております ) 。周辺の飲食店もご利用いただけます。 * 先着順のため定員に達した場合はお断りすることがあります。連絡先もご記入ください。 0 事前参加申し込み票 0 【「みんなのわ」へメールで投稿できます】読者のページ ( みんなのわ ) への投稿がメールでできるようになりました。投稿のメールアドレ スは minnanet.seishinhoken@outlook.jp です。※投稿される 方は、氏名、住所、年齢、性別、 ( 家族、本人、その他 ) をご記入ください。 なお、ペンネームで投稿される方はペンネームをお書きください。 月刊みんなねっこ通巻第 117 号 ( 2017 年 1 月号 ) 定価 300 円 賛助会費 ( 会費に購読料含む ) 発行日 2017 年 1 月 1 日 発行者公益社団法人全国精神保健福祉会連合会個人・年間 3 6 0 () 円 団体・年間 ( お問い合わせください ) 理事長本條義和 〒 170-0013 東京都豊島区東池袋 1 ー 4 6 ー 1 3 ホリグチビル 602 TEL 0 3 ー 6 9 0 7 ー 9 2 1 1 FAX 0 3 ー 3 9 8 7 ー 5 4 6 6 郵便振替 () 0 1 3 0 ー O ー 3 3 8 3 1 7 ホームページ www.seishinhoken•jp 印刷・製本 / 倉敷印刷株式会社表紙の絵 / 織田信生 申込者氏名 所属 連絡先 TEL ( 主催・問合せ先 : 公益社団法人全国精神保健福祉会連合会 ( みんなねっと ) tel 03 ー 6907 ー 9211 / fax 03 ー 3987 ー 5466 / http://www.seishinhoken.jp の 170 ー 0013 東京都豊島区東池袋 1 ー 46 ー 13 ホリグチビル 602