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検索対象: 月刊 みんなねっと 通巻第119号 2017年 3月号
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1. 月刊 みんなねっと 通巻第119号 2017年 3月号

です。 は「ゼロ」で「病棟転換型居住 花万筆を集約しました。 「こころの健康基本法」の制系施設」は実質破綻した状態に ②地方議会からの意見書採択定を求める意見書のきわめて高なっています。 、采尺率よ、国民の中に、ここ 地方議会からの意見書採しおキ、一。 択は、都道府県議会 ( % のろの健康問題は誰でも身近な問①精神医療史上初めて日比谷野 題と感じる社会の変化によっ 音で大集会 採択 ) を含む 3 8 2 議会で採 2014 年 6 月日、東京の 択され、その傘下の人口は、て、精神医療に対する高い関 心・精神医療改革を求める世論日比谷野外音楽堂で「生活をす 1 億 369 万人となり国民全体 が育っていることを示していまるのは普通の場所がいい の % に当たります。 0 ! 精神科病棟転換型居住系 意見書が採択されていない議す。 施設リ 6 ・緊急集会」が行わ 会は、取り組む体制がないため ( 2 ) 「病棟転換型居住系施設」 望 れました。緊急集会の開催決定 請願も陳情も提出していない所 展 反対運動 がほとんどです。東京都に加え、 が 6 月 3 日で 3 週間という " 超 ~ 革 改 厚生労働省は、 2015 年春短期間の取り組みでしたが、当 と その県内にあるすべての議会に 請願や陳情を提出した青森・東に省令を改正し「病棟転換型居日は、沖縄から北海道まで全国塘 住系施設」 ( 連載第 9 回参照 ) 各地の人々が集まり、会場を満療 京・和歌山・岡山・鳥取・島根 には合計 191 議会がありますの実施が可能になる体制を整え杯にした名の熱気で大科 いに盛り上がりました。集会の精 が、その内意見書採択の議会数ました。しかし 2016 年月 は 154 議会で、別 % の採択率末現在、それを実施する病院メッカ、日比谷野外音楽堂での 健医療福祉政策の改革をめざし て、当事者・家族そして精神保健号 精神科医療の現状と改革の展望 第 医療福祉関係者囲名が参加して 3 昭和大学烏山病院家族会あかね会監事 年 氏家憲章 社会福祉法人うるおいの里・理事長 「こころの健康政策構想会議」 ( 構想会議 ) が発足しました。構 と っ 想会議は、提言の実現、こころの 《連載》最終回改革の展望を示す新しい動きが起きている ね 健康基本法の制定を求めて、署な み 1 年間の連載も早いもので、願う当事者や家族そして精神保名運動と地方議会から「こころ いよいよ最終回となりました。健医療福祉関係者の協働の取りの健康基本法」の制定を求める 今回は締めくくりに、精神医療組みによって、つくり出した新意見書採択の取り組みを行いま した。 改革の展望を示す新しい動きをしい動きです。 その象徴的動きであった、こ みてみます。長い間、改革に向 ころの健康政策構想会議と病棟①署名運動の取リ組み けた動きがなかった日本にも、 「こころの健康基本法」の制 年代に入って、改革に転換型居住系施設反対の取り組 みを見てみます。 定を求める署名の取り組みは、 向けた運動が起きています。 当事者・家族そして精神保健医 それは、国 ( 厚生労働省 ) や ( 1 ) 「こころの健康政策構想会 療福祉の関係者や市民、そして 精神医療関係団体が率先してつ 議」の運動 いろいろな団体が街頭をはじめ くり出したのではありません。 年 4 月 3 日、精神保全国各地で積極的に取り組み 精神医療の現状を憂い、改革を

2. 月刊 みんなねっと 通巻第119号 2017年 3月号

れる地域精神医療の時代です。スコミでも、精神医療が抱える載第 2 回参照 ) の解消です。 すなわちわが国の精神医療政策「二重の格差」を積極的に報道 「二重の格差」の解消は、ほ と精神医療の今日の到達点とはしたり、こころの健康政策構想とんどの国民から支持を得られ 正反対と一一一口えます。しかも隔離・会議や病棟転換型居住系施設反る課題です。 収容の精神医療政策の " 要 ~ で、対運動などにみられるように、 精神医療の現状を憂い改革を 実行機関である精神科病院は、 2 年前には考えられない大きな願う人たちは、小異を脇におい 現在、深刻化する在院患者の減変化が始まっています。主体的て大同団結し、協働の取り組み 少のために、経営は行き詰まり、条件も確実に変化しています。を始める時期を迎えているので はないでしょ , つか 一部の病院では崩壊が始まってこれらの動きを、もうひと回り、 います ( 連載第 7 回参照 ) 。 ふた回り大きくできるなら、精 これは精神科病院の問題に止神科医療改革の本格的な動きに 連載終了にあたって 望 まらず、入院中心の隔離・収容発展させることは可能な時代と 展 の 政策の破綻でもあります。時代なっています。 一年間連載をしてきました。 革 後れとなっている隔離・収容の この連載が、わが国の精神医療 小異は脇において大同団結″ 精神政策の改革が避けられない 改革の取り組みがより確実に進現 の 客観情勢は成熟していますが、 今、何よりも最優先して取りむ契機になることを期待しま 療 医 科 改革を求める主体的条件は、ま組まなければならない課題は、す。一年間ありがとうございま 神 精 だ成熟はしていません。 先進諸国の精神医療と国内の一した。 しかし、テレビや新聞などマ 般医療との「二重の格差」 ( 連 集会は、精神医療史上初めてのえる基本問題を一斉に報道しま録しました。この高い視聴率は、 した。 出来事でした。 精神障害の問題が決して一部の 号 月 国民の問題ではなく、大勢の国 年 ②マスコミで積極的に取り上げる③大きな反響があった「クロー 民が関心を一小す社会問題に浮上 日比谷野外音楽堂での緊急集ズアップ現代」 しているという、社会の変化を と っ 会の大成功は、新聞やテレビに 2 014 年 7 月日、 Z 示しています。 ね 大きな影響を与えました。 の「クローズアップ現代」は、『精 これは、川年前には考えられな み 病棟転換型居住系施設構想神科病院「施設内退院」の波紋 ない大きな変化が起きてきたと の問題は、新聞各紙で積極的で—どうしたら精神科病床は減一一一口えるでしよう。 に取り上げられ、新聞報道はらせるのか 5 』と題して放映さ ( 3 ) 改革を進める条件が育っ 2014 年の 1 年間で、紙・れ、病棟転換型居住系施設問題、 ている 圏回 ( 内社説Ⅳ回 ) の報道がさそして諸国と比べて異 れました。 常に多い精神病床・長い入院日 わが国の精神医療政策は、戦 これらは、病棟転換型居住系数など、わが国の精神医療が抱後数年間、精神科病院への入 施設の問題に止まらず、全紙がえる深刻な問題を取り上げまし院中心の隔離・収容を基本とし 共通して「日本を除く先進諸国た。 ています。しかし今日の精神医 の平均在院日数絽日、しかし日 この視聴率は、 ・ 9 % で、療は、精神の病気や障害があっ 本は、万人が 1 年以上の長期 2014 年の「クロ 1 ズアップても、医療支援と生活支援に 入院」と、日本の精神医療が抱現代」の年間視聴率第 2 位を記よって、地域で、社会生活を送 ( うじいえのりあき )

3. 月刊 みんなねっと 通巻第119号 2017年 3月号

時期に急激に進む老化 ~ と考え歳を取った場合は、多くの人 ていいですから、認知症の人のが能力の低下を受け入れて生き 場合はさんと同じような、あていきます。病気でない場合で るいはもっと大きな、不安を抱も人の能力は限界があり、自分 かれることでしよう。患者さんの希望するほどはできないこと の中には自分の能力低下を受け が多いものですから、誰もが、 入れない人もいて、何とか自力困難なことを丁度良いところで でやっていこうとして、かえっ 諦め、方向転換しているのです。 て不適切な行動を起こしてしま精神病の患者さんの場合は、丁 うものです。 度良く考えるのは苦手なので、 いつまでも同じことを考え続け 〈何かを諦める〉 てしまいがちす。 統合失調症の人では、一人で 医学には限界があります。医 です。多くの人で代からは、生きていく能力がやはり低く学に頼り過ぎずに、病気の人に 視力や筋力は落ち、歯を何本かなっているものです。そして、もそうでない人にも、今の社会 失うものです。脳もやせてしま人生が思い通りにいかない時にがもっと安心できるものでない うのですが、どの部分のやせがは妄想や幻聴が生じやすく、そといけないのだと思います。 大きいのかで低下する能力の違れらが次第に組み合わさり、大 いがあります。認知症は " 早い きく強固になるようです。 誰かが邪魔をしていると悩むしません。 も、さんは精神病ではないで ことはなく、統合失調症と言え - ~ ■ⅱ「】 ( 、一」しよう。今のさんは、人間は 号 月 〈一人が細い〉 るような考え方の偏りもないよ 一人では生きて行けないという 年 うです。ただ、寂しくて一人 さんはつい数年前まで元気ホントの心配事を心細く考え続 ではおれないため、ご主人が仕な生活ぶりでした。今は年をけてしまい、身動きが取れなく と っ 事に出ている時間には、さん取ったせいか、以前のようには なっているのです。 ね と一緒に過ごす人を頼んでいまできない自分を感じて不安に さん、人間は元々一人では ん す。統合失調症の不安ではもっ なっておられます。ご主人は仕生きて行けない存在なんですみ と漠然とした、 " 夫が居ても止事が終われば家に帰って来て奥よ。今なんとか生きて行ける幸 まらない ~ というような大変なさんを支えておられますが、付せをかみしめて、「何もしない 不安です。 き添いに疲れてもおられる。そのもいいな」と思いましよう。 食事はおいしく食べておられれを見て、さんは「夫をもっ 「仕事しなくてはいけない」と ますし夜も眠れていますから、 と疲れさせてしまったら、私は考え続けていると、それだけで 典型的なうつ病ではありませ見捨てられてしまう」と、悪循エネルギーを使い果たしてしま いますよ。 ん。抗うつ薬が効くかも知れな環に陥ります。その悪循環を止 いと考えて、充分な量を飲んでめるために、今回は " あまり考籠 0 「 - 「」 〈認知症の人の不安〉 もらったのですが、 1 か月たっ え続けないでのんびりしましょ ても、寂しさやどうしたら良い うよ ~ という意味で抗精神病薬 知力も身体能力も年を取ると か分からないという思いは改善を少し飲んでもらいました。で落ちてくるのは仕方のないこと ノノイ 27 街の診療所からのお便り

4. 月刊 みんなねっと 通巻第119号 2017年 3月号

ませんでした。そういう中で長なぜ隔離になっていたかとい きます。心理士さんは、「服薬 期入院になっていましたが、最 うと、「べッドから看護師さんへの不安を解消します」、作業号 月 初お会いした時は、お薬の副作がによきによき生えてきてうつ療法士さんは、服薬カレンダー 年 を一緒につくって、少しでもグ 用で立っことができず、四つんとうしい」といって本当に働い 這いで挨拶されたのです。僕もている看護師さんを蹴っ飛ばしループホームに行った時に、ご と っ 立ったままでは失礼なので、四たりするのです。そういった重本人が自己管理ができるよう ね つん這いになって挨拶したとい篤な精神の症状をもっておられに練習をする、という具合でな み うのが印象深いですが、そんなる方でしたが、この熱心なす。一人のメンバーが投げかけ 感じで治療が始まりました。 の方が、こういう方でも入居たテーマに関して、それぞれの この方の退院はちょっと難しできるグループホームを探して治療チームのメンバーが、自分 きました。だけど、この男性は いのではと思っていましたが、 たちのスキルに応じて能力に応 がリーダーになって個別 1 日 4 回も薬を飲んでいたのにじて協力をしていくというよう チームを作りました。この は 1 日 1 回しかお薬を飲な働き方をするチームなのです がすごい熱心な方で、ご本人むお手伝いができないので、こね。この方は、このような方法 は退院する家がなくて薬も多過のが「先生、薬をがんばつでグループホームに退院するこ ぎて飲めないということもあるて簡単にしてください」と提案とができました。それは一例な のですが、このだけは、するわけです。「じゃあ、やつんですが、こういう取り組みの 「彼はいい人なんです」と言い てみようか」ということになり、 結果、多職種アウトリーチチー 続けるのですね。 医者のほうはそういうふうに動ムを導入したこと、それから入 院での多職種チームを導入した外科とかもある大きな病院なのできません。私が、これまでの ことによって、病床を 180 床で、精神科単独で見た場合は、旭中央病院の取り組みをいろい から ( 私が常勤でかかわった時当然その病院収益は下がりますろなところでお話しさせていた まで ) 田床にし、現在は床まが、それを他の医療収益でカだくと、たくさんの病院の管理 1 することができたのです。者の先生方、院長先生方から「こ で減って 1 病棟になっていま す。そして、月訪問看護件数は病棟が減ってしまうと看護師れはうちではできない、民間病 140 件から件までこのも余ってくるわけですが、配置院としてはとてもできない」と うお話を受けました。病床をめ 転換で対応することができまい 時点で増えましたが、現在は 一つ減らすと、年間約万 450 件。平均在院も 320 日す。それから公立病院ですので、 だったのが現在は日をきって税金面の優遇とか、あと旭中央円の減収になるんです。 切 大 病院はもう、単独独立会計で十床減らすということは、簡単に いるという状態です。 分やっていけている病院なんで言うと 4 億円の減収になるんで甜 3 ・学而会木村病院での すが、他の公立病院の場合ですす。民間病院で、いろいろ公的 取り組み と一般会計からの補てんもあるなサポートを受けないでやって乃 いて、—00 床減らすというこ お 次は、現在働いている民間のので、いろいろな規模縮小やア 単科精神科病院、学而会木村病ウトリーチ移行をしやすい面はとは、考えられないことなんで 神 精 すね。でも、それならば、民間 あるのです。 院での話です。 集 しかし、民間の単科精神科病病院の立場でどこまでできるだ 特 公立の総合病院の精神科での 院では、同じゃり方ではとてもろうかというのが私たちの出発 取り組みにおいては、内科とか