月刊みんなねっと 2017 年 10 月 1 日発行 2007 年 7 月 24 日第三種郵便物承認 第 10 回全国精神保健福祉家族大会 in 岡山 みんなで一緒にやろう ! ~ 地域を変える「特区」づくり ~ 白壁の屋敷、敷川添いの柳並木 歴史ロマン薰る怠敷・美観地区ての全国大会てす 月刊みんなねっと ( 毎月 1 回 1 日発行 ) 通巻 126 号 2017 年 10 月 1 日発行 2007 年 7 月 24 日第三種郵便物承認 月翡を軋の家族と家族会をつなぐ機誌 2017 みんなねっと岡山大会 倉数駅 ′ ~ ーー駅前交差点 倉数市立美術館 倉敷市芸文館 ( 地下駐車場入口 ) ・特集・ 当事者の地域生活の実現をめさす精神科病院 ( 木全義治・倉町公之・森田直子・黒川修・野村忠良 ) ・小説雀の息子をめぐる物語その 4 ( 北村昌紀 ) ・事例からみる精神障害者の障害年金の実際 ( 白石美佐子 ) 連載 7 「更新で等級が下がってしまった時 ! 」 ■知ることは生きること ( 青木聖久 ) 連載回 家族の人生を追体験することによって得られる暮らしの多 《自らの人生の主人公としての家族の暮らし特集①〉 イラスト : MY 介護の広場 日時 2017 年 10 月 19 日 ( 木 ) 20 日 ( 金 ) 場倉敷市芸文館 電話 : 086 ー 434 ー 0400 ( 岡山県怠敷市中央 1 丁目 18 ー 1 号 ) 怠敷芸文館までのアクセス http://www.kcpf.or.j p/hall/geibu/geibu -koutsu -frame. html 参加費 3 000 円障がいのある人 58 円 学生 I,OOO 円 岡山大会事務局〒 701 ー 0212 岡山県岡山市南区内尾 739 ー 1 NP 〇岡山けんかれん内 T E L 086-298 ー 1 162 F A X 086 ー 298 ー 1 168 黛倉数市民会 主催 : 公益社団法人全国精神保健福祉会連合会 ( みんなねっと ) 特定非営利活動法人岡山県精神障害者家族会連合会 公益社団法人全国精神保健福祉会連合会
いをして面倒をみる。それなら 「ええ何とかね。それより聞き民生委員に電話するのは何時頃 母屋の正治夫婦に気を使う事も無たい事があるんだよ」 力いいのだろうか、明日まで待っ い。こんなのタイミングで記 あきは自分の計画を富子に打ちて昼頃かけるほうがいいのだろう 事が載った事をあきは神のお告げ明け、どうしたらいいか聞いた。 かと思いながらも気の急いていた のように感じた。 すると富子は相変わらず開けっ広あきは、 「さあ、やる事ができた。寝てげな声で、 『まだ夜の七時だ、思い切った なんかいられない」 「行政の事だろう。難しい事はときにやらなくちゃ。今かけてし そう自ハ刀に一言って体力とともに 私も分からないけど、とりあえずまおう』 衰えた気力を奮い立たせた。あき民生委員さんに相談してみたら 震える手で受話器を取った。 の挑戦が始まった。しかし、グルー どうかね。この地区の民生委員のブッシュホンの番号を一一度押し間 プホームと言「ても、どこに話を電話番号なら分かるよ、ちょっと違えた。落ち着けと言いながら、 して何をすればいいのかさつばり待って」 ぎこちなくエ甼にもう一度押すと 分からない。迷ったあきはともか 一旦電話口から離れた富子が電話がつながった。三回目のコー く「隗より始めよ」と、片桐富子戻って来ると電話番号を教えてルで相手が出た、女の声だった。 に電話してみることにした。電話言った。 あきはしまったと思った。民生委 ロで富子の明るい大きな声が聞こ 「福岡さんていう名前の人だよ。 員が糧か女性か聞いておくのをの えた。それが頼もしかった。 ともかく頑張ってね。でも無理す忘れたのだ。向こうはただ「福岡家 と 「病気はもういいの ? 大丈夫るんじゃないよ、病み上がりなんです」と名乗る。 なの ? 」 だから」 「あの、あの、民生委員の福岡 破口 一三ロ 北村昌紀 ' その 4 それからしばらくしてあきは取りを拒まれて社会へ出ても落ち 床を離れた : すっと寝ていたせい着く先が無い人がいる。社会的入号 月 か立ち上がると壁に違和感があっ院と一『〕うのだが、そういう精神障 て頼りなく感じた。ひどい空腹害者が何人かで家を借りて共同生年 で、足一兀がふらっき体に力が入ら活を送ることで地域で暮らす、そ と ないたが、あきの頭には一つのういう仕組みがあるという事だっ っ ね 一一一一口画があった。それはこういう事た 亠な だった。雀の砂浴ひを見た一一日後、 あきはこれだと思わず布団の中み 悦子が退屈でしようからと枕元にで体を起こして何度も新聞を読み 置いて行く新聞を、体を横にして直した。 ぼんやりめくっていくと、地域欄『これなら清治を引き取れる。 にその記事があった。 一緒に暮らせる』 「障害者の挑戦、地域に根づく農家だったあきの家は土地だけ グループホーム」、そういう見出は広く、敷地の中に家計の足しに しだった。 と借家を建ててそれを人に貸して 障害者という一一一口葉に引かれてあ いた。その家が今は空いている。 きが読んでいくと、その内容は、改装すれば四人くらい住めるだろ 退院できる程度に病気が回復しう。そうして一伯とあと三人の障 たのに、家族がいない、いても弓 害者を住まわせて、自分がまかな 一三ロ
が開かれることで、家族は大きな家族教室を経た家族の方々に、 2 年に一度交流会をしています。 安心感を持っことができます。 是非地域家族会に足を運んでい 全国のご家族の方々も、発症 家族教室・家族も実施ただきたいと思います。 当時から当事者の回復に向けて しておられるとのこと。今後、 ( もりたなおこ ) 頑張っておられることと思いま す。愛するご家族や我が子の回 統合失調症だけど大丈夫と 復を願う家族の気持ちは私達も 同じです。時には挫折しそうに 笑顔で集う家族仲間 なった辛い経験や、誰にも相談 愛知みすみ会前会長黒川修 院 できず不安の淵で孤立し悩んだ 私達は、精神科医・渡部和成喜んで通うようになり、明るい 時もありました。しかし、渡部 神 精 す 先生の主催する、統合失調症の会話も増え笑顔が出るようにな式を学びながら乗り越えること ざ め 「家族心理教室」を履修し、家りました。 ができた貴重な体験がありま を 現 族会「みすみ会」で統合失調症 8 年、渡部先生の転院後も、す。こうした様々な体験を語り 実 の の正しい理解と回復に効果的な毎月、家族交流・専門家学習会合いながら交流し、当事者の変活 家族対処法を学んできました。を実施し家族対処法を深めてい 化する症状に合わせた学習を重地 の 息子はあんなに嫌がっていた通ます。年に一度、名古屋で講演ね、今は毎月笑顔を交わしなが 当 院も、診療後の分のワーカー 会を開き、最新の統合失調症治ら「明日の家族の対処法」を学 集 ぶのが楽しみです。 と交わす 1 か月間の自己採点チ療法をご教示いただきます。 特 ェックシートの交流が楽しみで また、現一務中の田宮病院で ( くろかわおさむ ) 行ってきた医療機関・行政・支援 長岡市の家族会より 機関との連絡会議 ( 年 4 回実施 ) 号 月 には、田宮病院の歴代が参 法人希望の会福祉会森田直子 加し、地域との連携を図っていま年 目を見張るほどの変化を遂げ、す。本年 5 月の連絡会議では、田 長岡希望の会について 地域では福祉事業所も増えて、宮病院の取り組み「心理社会的療「 ね 長岡希望の会は「自主自立」と地域移行も徐々に進められてい法」について、説明してもらいま 亠な ん いう十年来の悲願達成のため、ます。しかし、家族が最も望んした。事業所でもリカバリー・ み 独立した事務所を構え、家族相でいるのは「必要なときにタイムスを用い、退院した当筆と定期 談を実施し、家族会から組織的 リーに受けることができる医療的に面談を継続、また、退院後、い に分かれた法人「希望のと関係者による支援」です。特に、理教育のグループに参加するな 会福祉会」とともに居場所型の訪問型支援と開かれた対話によどの事例もあります。 地域活動支援センターを開設。る対等な関係でのサービスを医長期の入院にならないよう、退 持続可能な組織にすべく、さま療機関に切に望むところです。 院へ向け、退院後の環境調整のケ ざまな課題に取り組んでいる地 ア会議にも頻回に出席させてい 田宮病院との連携 域家族会です。 ただいております。退院後の地域 長岡希望の会が立ち上げ、今生活が当事者が本当に望んでい 家族が医療に望むこと は法人化している就労継続支援るものになるよう当事者を中心 精神医療は数年前から見れば、 型事業所が作業所の時代からに支援機関が話し合うケア会議
支援体制により、当事者は安心 号 先進国の理念と田宮病院の実践して生活することができる。 月 これらの進んだ医療・福祉支 ー終わりに 年 援体制は、我が国の先端を行く みんなねっと編集長野村忠良 ものであろう。 わが国では、志の高い実践家 田宮病院の優れたところはた 今後は、各地に高い理想を求っ たちにより、先進国の精神科医くさんあるが、まずは地域でのめる次世代の精神科医療実践者な ん 療の理念が、徐々にではあるが、ふつうの暮らしに向けて、リカが次々と現れ、従来の体制を変 み あちこちの地域に根付きつつあ バリーという本人が望む回復の革してゆくことを願って止まな る。 あり方を、本人が主体となって ( のむらただよし ) その理念とは、『人権尊重』『入支援者と共にめざすあり方に 院せずに地域で支える』『本人立っているところである。医師渡部和成先生の主な著書 2 点 主体の治療』『心理社会療法優が家族会を結成して、濃厚な家『統合失調症を悩まないで 先』『家族支援』『チーム医療』族教育を行っているところも家家族がみつけた幸せへの道』 『訪間』『早期対応』などである。族に好評である。 星和書店 2016 年 4 月 これらの理念は、人類の人権尊 心理社会療法や退院促進も『専門医がホンネで語る統合 重の歴史から生まれたものであチーム医療で行なう。退院後は、失調症の気になるところ』 り、今後、世界の多くの国々に田宮病院の医療法人により地域星和書店 2015 年 2 月 広まることと思われる。 に豊かに展開された医療・福祉 白石社会保険労務士事務所 しらいしみさこ 社会保険労務士白石美佐子 その診断書を医師に記載して ガイドライン後に等級が下がっ 頂いたら、必ず、内容をチェッ たという声 障害年金を受け始めると、そクしてみて下さい 診断書に封印がされていて、 たれが、生活の柱になっている方 際 開けてはいけないと思っている がほとんどです。 ま るの し 昨年のガイドライン施行後、方がほとんどですが、等級落ち て , っ み者実 等級が下がってしまったというを防ぐには、この診断書の開封 の 下 声を耳にするようになってきまがとても重要です。 ら害 した。 患者さんが医師から受け取っ 際 実 た診断書を開封しても、違法と 今まで 2 級の障害年金を受け か障年一 の 新 金 更 ていたにもかかわらず、 3 級にして責任を問われたり、診断書 年 例神害 等級が落ちてしまった場合、そが無効となったりすることはあ障 の 事精障 者 縺の後の生活には大きな影響を及りません。 害 法的には、刑法 133 条には、 ぼしてしまいます。 障 神 信書開封罪という犯罪が規定さ 精 る み れています。 診断書の開封は重要 ら カ しかしながら、「信聿をとは、 障害年金の更新時には、障害 例 状態確認届という診断書が届き「特定の受取人に対し差出人の事 意思を表示し事実を通知する文 ます。
上の優遇措置なども挙げられまに当たっては、「医療」から「雇 進及び虐待の防止 号 7 ・行政等における配慮の充実した。これについては前回、雇用」への流れを一層促進すると 月 の 3 項目について、基本的考え用の促進だけでは窮地に追い込のことです。 年 4 ・差別の解消・権利擁護の推 が説明された後で、委員によるまれる実例を挙げて、生活実態 に応じた支援の必要性を強く訴進及び虐待の防止では、①権利 意見交換が行われました。 と っ えています。 擁護の推進・虐待の防止②障 8 ・①総合的な就労支援として、 福祉、教育、医療等から雇用へ③障害者雇用の促進では、精神害を理由とする差別の解消を図な ん るために、不当な差別の禁止や、 の推進を図るために、地域の関障害者の雇用が義務化 ( 201 み 係機関が連携して、雇入れや職 8 年 4 月施行 ) されたことから、障害者に対する合理的な配慮を 場定着・事業主の障害理解の促精神障害者への雇用促進が強調徹底すること、事業者が適切に 進・職場適応援助者 ( ジョブコされ、障害特性に応じた多様な対応を行うこと、相談・紛争解 1 チ ) の充実・地域の就労支援機会の確保や、精神障害、発達決等への体制を充実させること 機関との連携などが挙げられて障害等の特性に応じたしごとサなどが挙げられ、今後の実施を ポーターの養成が挙げられ、ど見守りたいと思います。 います。 ②経済的自立の支援では、障害のようなサポーターを想定して 7 ・行政等における配慮の充実 いるのかに関心が湧きました。では、障害者がその権利を円滑 者が地域で自立した生活を営む ために、雇用・就業 ( 自営業を他の委員からは、支援に繋がらに行使できるように、司法手続 含む。 ) の促進と共に、年金やない方も含めた包括的な支援のや選挙等における合理的配慮を 一丁い、アクセシビリテイへの配 諸手当の支給を通した経済的自必要性が述べられました。 立を支援すること、各種の税制精神障害者に対する就労支援慮、などの新たな技術の の利活用の検討、欠格条項など適用された交通機関を利用して科医療の確保」という点に着目 し、現状の問題点を明らかにし の制度の見直し、など、目指すの感想などをお寄せください。 べき目標が高く掲げられていま割引実施をした交通事業者をみていこうと考えています。当事 者だけでなく、家族にとっても すが、具体策の進め方についてんなで応援していきましよう。 また、 9 月から、愛媛県の路望ましい地域生活の実現を目指 の疑問や質問が、各委員から 線バスの伊予鉄道、宇和島自動していきたいと思います。 次々と出されました。 また、兄弟姉妺・こども・配 ( 飯塚壽美 ) 車、瀬戸内運輸の 3 社は、精神 障害者にも運賃割引を適用する偶者などの親以外の立場の状況 と発表しました。現金で支払うや統合失調症圏にとどまらない 0 交通運賃割引全国運動推進 先日の国会請願署名は審議未場合に保健福祉手帳を提示すれ対象者を想定し、重度かっ慢性 とされる方の地域生活の実態に 了となりましたが、次期臨時国ば運賃が半額となります。 き 交通運賃割引制度のとりくみも目を向けていきたいと考えて動 会にも継続して請願いたしま 祉 います。 を粘り強 / 机けてい / ことが、 す。 福 健 本調査は、みんなねっとホー 都道府県議会での割引適用の実を結ぶことにつながります。 保 ムページからもダウンロードで神 意見書採択を引き続き要請しな がら、地方運輸局に要望をして■みんなねっと家族会全国調査きます。是非、ご協力ください。 こ き ( 以上・小幡恭弘 ) 当会は、精神障害をもっ方の いく活動をすすめていきたいと お て 家族に関する調査を実施しま 思っています。 っ 知 今年 4 月から割引実施となっす。 今回の調査は、「必要な精神 た西鉄をはじめ、新たに割引が
福岡の話では、最近障害者自立と一一一口う。ひととおり話した後で、話題を変えてしばらく話してか 支援法というのが施行されて、 「私じゃ、それ以上立ち入ったら、相談の予約が取れたら電話す 精神障生暑の事務が県から市へ大事が分からないんですけど、駅のると言って福岡は帰っていった。 幅に移管されたのだと一一一口う。だか近くに精神障生暑の地域活動支援夕方にはの電話があった。三 ら、地区の民生委員も係わりが深センターっていうのがあるのよ。日後という事だった。 くなったのだと一一一一口う。あきは難しそこへ行けばもっと具体的な話が その夜、あきは茶の間でこたっ い事は分からないが自分みたいな出来ると思うんですけど。。 こ家族に入りながら正治夫婦に墾ロする 者でもグループホームが作れるのともよく話し合われないといけなと、正治はブップッと、 かと聞いた。何かとんでもなく非 いですし」そう言い、その後、 「そんなに簡単にできる事じゃ 常識な事を言っているのではない 「そこは退院促進事業もやってないさ。だけど、あいつももう か、それこそ圧可りの冷や水だと いますよ」 一一十年入っているんだな、何とか 笑われるのではないかと歪女を隠 とあきに希望を持たせるようなする時期かもしれないよな」 しきれなかった。腰がふわふわし事を付け加えた。 首をひねって天井を見上げて言 て雲の上に座っているようだっ あきはそこに連絡を取ってもらう。 た。しかし、福岡は障害者をう事にした。福岡は電話を入れ あきは便箋数枚に自分の考えて 病院でな / 、、地域で受け入れる流れておくからすぐに相談を受け付け いる事をたどたどしく箇夂杢「きに が出来ていてグループホームを作てくれるだろうと一一朝つ。私も一緒書き留めてその日に備えた。 れる可能性はあると一一一一口う。ただ、 に付いて行くからとも一言ってくれ ( 次号へ続く ) 防火設備でうるさいところがあるた。それから、清治の子供の頃に ( きたむらまさき ) * この小説は障害者自立支援法が施行された当時に書かれたものです。 さんですか。私は淵川というものた。ロの中が乾いてねばねばしてが可哀想じゃないか」 あきは意地でも引き下がらな いた。あきは自分が一歩踏み出し 号 ですけど」 月 たんだと興奮で顔を赤くしながら すると相手の話し方があらた 年 まった。 思った。しかし、正治夫婦にどう 「話を聞くだけならいいけれど 「私がそうですけど、ご相談事話を切り出そうかと思っているも、内容によってはおれが表に出 と、正治が話しかけてきた。 なきゃいけないんだから、一人決っ ですか」 ね 亠な 「ばあさん、今頃どこに電話しめでどんどんやられちゃ困るよ」 高いが落ち着いた、気遣うよう ん み 家族会議は気まずい沈黙で終 ているんだ」 な声で一一 = ロった。 あきはつつかえつつかえグルー あきは自分の計画を必死で話しわった。 福岡は翌日の午後一一一時にやって た。正は、 プホームの話、清治の話をした。 「勝手にそんな事決めたって、来た。曇り空で三時なのにタ方 相手にされないのではないかと思 のような気のする日だった。小太 いながらおどおど話した。しかし、そもそも普通の家がグループホー 福岡は相槌を打ちながら聞いて、ムになるのか。もしなったとしりの福岡は富子と同じような押し あきが話し終わると、ともかく一たって幾ら金が掛かるか分からなの強い世話好きな四十代の女たっ いし、そんな障害者を敷地内に住た。とつつきにくい公務員のよう 回お会いして話しましよう、明日 な人を想像していたあきだった まわすなんて」 お伺いしてもいいかと一一一口う。 「出来るかどうかを明日聞くんが、自分の思い違いを笑う余裕 「何時でも結構ですから、宜し だよ。お前は忘れてしまったかもは無かった。修の後すぐ本題に くお願いします」 そう言ってあきは電話を切っしれないけど、このままじゃ清治入った。 23 私と家族の手記
「みんなねっと」の ホームページをご覧ください ☆メルマガ会員募集中 ( 無料 ) ☆ 「みんなねっと」で検索 ! http://seishinhoken.jp/ LINE 公式アカウント【@ minnanet 】 公式ツィッター【@ minnanet 】 、月 2017 10 月号通巻第 126 号 【表紙の絵】織田信生 LINE@ 知っておきたい精神保健福祉の動き 2 みんなねっと @n131 い日 ! 晴神障害者家族会の全国事務局スタッフー同 東京都豊島区東池袋 メティア 0 ~ メ / レなキ 3 っと「い 0 日 ne : ー綴 ! 社会保障審議会障轡者部会 ( 第 85 回 ) 障害者総合支援法の一部改正に伴う検討や障 害福祉サービス等報静改定について 特集 当事者の地域生活の実現をめざす精神科病院 ( 木全義治・倉町公之・森田直子・黒川修・野村忠良 ) 5 事例からみる精神障害者の障害年金の実際 【連載第 7 回】更新で等級が下がってしまった時 ! ( 白石美佐子 ) 15 小説「雀の息子をめぐる物語」その 4 ( 北村昌紀 ) 20 街の診療所からのお便り【連載 125 】 ( 増本茂樹 ) ・・妊娠・出産の時にも一神病薬は必要です・・・ 24 知ることは生きること ( 連載 22 回 ) 家族の人生を追体験することによって得られる暮らしの多様性 《自らの人生の主人公としての家族の暮らし特集①》 ( 青木聖久 ) 28 真澄こと葉のつれづれ日記 ( 第 79 回 ) 34 みんなのわー - 読者のページ・地域の話題 36 96 いいね 詳細情報ー営第時間 . 定休日 . 電話番 , 住所なと みんなねっと 県連イベント情報 ( の ■友だち追加の方法 ① Q R コードから LINE アプリを起動し 「その他」→ 「友だち追加」→ 「 QR コード」から QR コードを 読み取り「追加」をタップ ② ID 検索から LINE アプリを起動し こ登録 ! 「公式アカウント」→虫眼鏡マーク お待ちしています →みんなねっとと検索し「追加」 をタップ 「みんなねっと」電話相談のこ案内 TEL : 03-6907-9212 受付時間 : 水曜日 IO 時 ~ 15 時 ※祝日と重なった場合はお休みです。※お昼 ( 12 時 ~ 13 時 ) はお休みをいただきます。 みんなねっとのホームページではメールマガジンを発行しています ( 無 料 ) 。当会の活動だけでなく、各都道府県連の情報なども随時お知らせす るメルマガになっています。ぜひ、ご登録ください。詳しくはホームペー ジをご覧ください ( 「みんなねっと」で検索ください ) 。 ・フォローの方法 Twitter ヘージより 「@minnanet」で検索 →プロフィールページへ行き、 プロフィール画像のすぐ下に ある「フォローする」をタップ
知っておきたい精神保健福祉の動き / 特集 ( 各号にタイムリーなテーマで 掲載します ) / ( 投稿 ) 私と家族の手記 / 連載①街の診療所からのお便り 連載②精神科医療の現状と改革の展望 / 連載③知ることは生きること / 連 載④真澄こと葉のつれづれ日記 / みんなのわ ( 読者のヘージ ) ほか ・「月刊みんなねっと」これまでの特集の紹介・ ■ 2015 年■ 6 月号 : 精神障がい者にも交通運賃の割引を 7 月号 : グループホームの運営ってどうなっているの ? 8 月号 : 家族をひろげ元気にする家族相談活動ー愛知の経験から ( 木全義治 ) 【品切れ】 9 月号 : 全科が無料になる医療費助成一地域家族会のとリくみ 1 0 月号 : 精神障がい・精ネ呆健の正しい教育を一世界の教科書上交 ( 山田浩雅 ) 【品切れ】 11 月号 : 日本でも本人と家族をともに支援する家族支援の実現を 12 月号 : 戦後 70 年と障害者権利条約 ( 藤井克徳 ) ー 2016 年・ 1 月号 : 世界から見た我が国の精神保健医療福祉 ( 長谷川利夫 ) 2 月号 : 精神障害者と差別解消法 ( 池原毅和 ) 3 月号 : 障害者総合支援法施行 3 年後の見直し ( 本條義和 ) 【品切れ】 4 月号 : 家族だからできる家族支援『家族による家族学習会プログラム』 ( 岡田久実子 ) 【品切れ】 5 月号 : 精神障がい者と家族ーそれぞれが自立し、ささえあうために① ( 白石弘巳 ) 【品切れ】 6 月号 : 精神障がい者と家族ーそれぞれが自立し、ささえあうために① ( 白石弘巳 ) 【品切れ】 7 月号 : みんなねっと「政策委員会」の取リ組み① ( 野村忠良 ) 8 月号 : みんなねっと「政策委員会」の取リ組み① ( 野村忠良 ) 9 月号 : メンタルヘルスと福祉教育をめざして ( 松本すみ子 ) 10 月号 : 訪問看護が家庭内暴力とどう向き合うか ( 原子英樹 ) 11 月号 : 家族の思いから立ち上がった ACT のとりくみ ( 宮崎富夫・倉知延章 ) 12 月号 : 家族か求めていた訪問支援が実現するまで ( 岡田久実子・吉澤美樹 ) ■ 2017 年■ 1 月号 : 東京ソテリアにおけるイタリア交流事業のとリくみ ( 塚本さやか他 ) 2 月号 : 精神科においてアウトリーチはなぜ大切か、どう進めたらいいか① ( 渡邉博幸 ) 3 月号 : 精神科においてアウトリーチはなぜ大切か、どう進めたらいいか① ( 渡邉博幸 ) 4 月号 : オープンダイアローグ ( 開かれた対話 ) の話 ( 飯塚壽美・野村忠良 ) 5 月号 : イタリア精神保健見聞記 ( トレントの或精襯呆健医療 ) その 1 ( 野村忠良 ) 6 月号 : イタリア精神保健見聞記 ( トレントの地域精神保健医療 ) その 2 ( 野村忠良 ) 7 月号 : それぞれの自立をめざしてその 1 ( 夏苅郁子 ) 8 月号 : それぞれの自立をめざしてその 2 ( 夏苅郁子 ) 9 月号 : それぞれの自立をめざしてその 3 ( 夏苅郁子 ) ・「月刊みんなねっと」の / ヾックナンハーのお中し込み方法 0 ) 電話、 FAX 、みんなねっとのホームペジよりお申込みいただけます。 代金は「 300 円 x 冊数 + 送料 80 円」となリます。 バックナンバー発送時に振込用紙 ( 郵便振込 ) を同封させていただきます。 公益社団法人全国精神保健福祉会連合会 ( みんなねっと ) 〒 170 ー 0013 東京都豊島区東池袋 1 ー 46 ー 13 ホリグチビル 602 電話 : 03 ー 6907 ー 921 1 FAX : 03 ー 3987 ー 5466 月刊みんなねっと ~ 毎月こんな内容でお届けします ~ ■最近、何十年に一回あインターネットでいろい るかないかの、記録的豪ろ調べてみて分かったこ 雨が増えている。テレビとは、雷サージにあった の報道でも、「この場所のではないかということ に何十年と住んでいるが、である。 こんな大雨は初めて」と近くに雷が落ちて、電 いう声をよく耳にする。線を通して雷の電流が過 もはや全国どこで起こつ大に流れた影響で、プレ ても不思議ではないと言イカーが作動したという ことらし、。、 ししままで っていいだろう。 現に、私の住んでいる年以上住んでいて初めて 地域でも、突然の雷雲にの経験であった。 雷サージが原因で、家 襲われ、集中的な大雨に 見舞われたことがあった。電が故障する被害もある その日、仕事から帰っということなので、点検 て部屋の灯りをつけようしたところ、卓上のラジ としたが、電気が点かなカセがダメになっていた。 、。ど一つしたことかと、 加えて、雷サージを防ぐ あわててプレーカーのあ雷ガード用品が市販され るところにたどり着いてているということも知る ことができた。 みると、やはり、プレー ラジカセ 1 台で済んだ カーが落ちてしまってい た。何があったんだろうのは、幸いだったという と、プレーカーを上げて、ことか。 ( 谷 ) 編集後記 【「みんなのわ」へメールで投稿できます】読者のページ ( みんなのわ ) への投稿がメールでできるようになりました。投稿のメールアドレ スは minnanet.seishinhoken@outlook.jp です。※投稿される 方は、氏名、住所、年齢、性別、 ( 家族、本人、その他 ) をご記入ください。 なお、ペンネームで投稿される方はペンネームをお書きください。 月刊みんなねっこ通巻第 126 号 ( 2017 年 10 月号 ) 定価 300 円 発行日 2017 年 1 () 月 1 日 賛助会費 ( 会費に購読料含む ) 発行者公益社団法人全国精神保健福祉会連合会個人・年間 3 6 0 0 円 団体・年間 ( お問い合わせください ) 理事長本條義和 〒 170-0013 東京都豊島区東池袋 1 ー 46 ー 1 3 ホリグチビル 602 TEL () 3 ー 6 9 0 7 ー 9 2 1 1 FAX 0 3 ー 3 9 8 7 ー 5 4 6 6 郵便振替 0 0 1 3 () ー O ー 3 3 8 3 1 7 ホームページ www.seishinhoken.jp 印刷・製本 / 倉敷印刷株式会社表紙の絵 / 織田信生
会的入院者 ( 受け皿があれば退医療保護入院者および家族から定めています。 院できる人 ) を 7 万人の相談に応じさせ、およびこれ 田宮病院は、このことを国に 退院させるという目標を掲げまらの者を指導させなければなら先駆け実施していることを感じ したが 2 年たってもほとんどでない」となっている法の解説、ました。そして、退院した後ま きませんでした。 指針を詳しく書いています。さでフォローをしつかりやってい そしていま、「精神保健およびらに芻条の 5 、条の 6 に退院ることがわかりました。 精神障害者福祉に関する法律のを促進するための病院の責務を ( きまたよしはる ) 一部を改正する法律等の施行事 院 項の詳細について」という文書 統合失調症の治療で大切なこと を各都道府県に出しています。 神 ーー渡部和成先生の講座を開催しました 精 この中で法条の 4 に、「医 ざ 公益社団法人大阪府精神障害者家族会連合会倉町公之 め 療保護入院者を入院させている を 現 精神科病院の管理者は精神保健 5 月絽日、大阪府精神障害者の笑顔、家族の幸せ 5 」です。 実 の 福祉士その他厚生労働省令で定家族会連合会 ( 略称【大家連 ) 大阪市内の名の会場に約活 める資格を有する者のうちかでは、渡部和成先生をお招きし 130 名が参加され、当初は立地 ら、厚生労働省令で定める所にて、第 1 回大家連精神保健福祉ち見の状態もありましたが、途 当 より、退院後生活環境相談員を講座を開催しました。 中で立席の方は退室されまし 選任し、その者に医療保護入院 講座のタイトルは、「統合失た。渡部先生の本を読んだとい特 者の退院後の生活環境に関し、調症の治療で大切なこと 5 患者う方も多く、愛知県の「愛知み ハス」、「リカバリー・パス」、「あ に います。入院中から退院後生活 た ま う き りに よ なたの治療パス—」、「あなた に対する病院側の思いが表れて号 て 出 れつ を れを の台療パスⅡ」、「リカバリー・ いるように感じました。 たガ向すら室 。し光こまめ 年 しス たまらりば ハスⅡ」、「あなたの治療パス 退院後の医療福祉が別の所に しみガ、あり、 まていれもちもく丿 ス みてまさでがらてい Ⅲ」、「あなたのくらしパス」で移る場合は本人、家族と看護師 てたす配様のがみ ( と しみるこののなで居 っ ン 定にあ』日天えん住す。スタッフの役割紹介としてと精神福祉士が同行して説明に 想宅の 1 。れ ( 者呼の ね を住トチす漏星をも な 間のフがま木、族と 。医師、看護師、介護福祉士、精行くそうです。 空戸口りどし家棟我 0 ん の各にあうたのス よわっ。ン釟一神保健福祉士、作業療法士、管教育入院という言葉も印象的み く室所のれちけ一すテが 病、 O 拡、かなまピな のり 5 をはをきりスり 理栄養士、薬剤師、臨床心理士、でした。治療だけなら入院の必 ま々か樹の光空大おホあ 地域支援者ケアマネのことが書要は無いのだが、これから長く 卞。嶄当入。 0 。。 し 、あ屋ャ まで、に ( 、 かれています。本当に「皆で支病気と付き合って行くには病名 、りはスま 道は協葉天引はく棟卞れ 病はに両な、テ棟づ病 0 さ 8 下々のきマ堂病間 8 院画 えます」という気持ちが伝わっの理解など基本的なことを学ぶ 第家道大所食当空第病計 てきます。また、精神福祉相談必要がある。それは入院してみ として、「日常生活の中で困っんなで学んでいくのが良いとい 入院から日常生活まで ていることはありませんか ( 入うことなのでしよう。 病院スタッフと患者のために院中の不安、家族関係、経済問 病院から地域へ 使われている << 判ページの題など ) 」の問いかしにカ ( 国の方針について ) 小冊子と 6 種類の文書をもらっ 「退院に向けての不安や問題、 てきました。「クライエント・課題は何ですか」と問いかけて 国はかって精神疾患患者の社
知るごこは生キ ) るごと 連載盟回 多様性」という今月号のタイト彼女は、「これまで属していた「娘が自分を本当の意味での人 ルに迫ることにします。 集団は、どこも人と人との駆け 間にしてくれた」 引きのような人間関係があっ 家族の方々から聞いた て、いつも気が抜けなかったの」 山本さん ( 仮名、歳、男性 ) 忘れられない言葉 と言い、その上で、次のように は、猛烈会社員で、夜明けから 「一番好きなのは、そこ ( 家族会 ) 」 語られました。 深夜、さらには、休日までも仕 「家族会は、みんな、他の人事漬けの日々を送っていまし 伊藤さん ( 仮名、歳、女性 ) のことを自分のことのように受た。家庭のことは、奥さん任せ は、学校の、地域自治会、け止める人間らしさがあるの。 でしたが、自分が働くことで上 職場、同窓会をはじめ、何事に こんな人たちが世の中には、い 手く回っていると思っていたそ も、常にエネルギッシュに活動るんですね。自分はこのような うです。ところが、娘さんが発 しておられました。彼女は、ど人たちに出会えて、本当に幸せ症したことをきっかけに、残業 の集団においても、必ずと言っだと思います。私は、気の許せを一切止め、会社での肩書を全 ていいほど、笑顔で輪の中心にる人たちと食事をしながら、夢て降ろす決断をされました。そ 居るような方でしたが、「一番中になって時間を忘れ、喋ってのため彼は、娘さんのことをは 好きなのは、そこ ( 家族会 ) 」い る時間が一番幸せです」。 じめ、家庭での状況を包み隠さ だと言います。伊藤さんは、息 ず、部下をはじめ、社員の前で 子さんが発症し、情報をたどり、 話したのです。 家族会につながったそうです。 すると、会社側は、これまで 公としての家族の暮らし」につ いて、約 1 年間にわたって特集 を組むことにします。ただし、 よって得られる暮らしの多様性 本誌には、これまでも多くの家 ( 自らの人生の主人公としての家族の暮らし特集① ) 族の方々の手記が紹介されてい ます。それに対して、本特集で みんなね。と理事青木聖久 は、以下の一一つの特徴を出して、 掲載することにいたします。 を通して、想定外の景色を観る 一つ目は、家族自身を人生の 想定外の景色を観ることが ことができる、というものです。主人公として位置づける、とい できる 私たちは、周囲の人たちの生きうことです。一一つ目は、個々の 「知ることは生きること」の様や考え方を通して、「そうか」家族が自らの人生について話し 本コーナーは、これまで、障害 「なるほど」と、自身の目の前 てくださったことを、私がお聞 年金の動向、経済的支援特集、の霧が晴れ、あるいは、薄くなっきして掲載させていただく、と というように版を重ねてきました時、「自分らしく生きていこ い , っことです % た。人は知ることを通して、視う」、という想いにたどり着け 以降は、新企画を意識しなが 点の変更につながります。それるのではないでしようか。 ら、「家族の人生を追体験する は、一つの情報や新たな価値観さて、これらのことをふまえ、 ことによって得られる暮らしの 29 知ることは生きること みんなねっと 2017 年 IO 月号 28