から衣類の入った段ボール箱を取不機嫌な顔をしただけだ。他の患れに対して佐藤がとげのある声を り出しその中を引っ掻き回し始め者は病棟に一一台ある洗濯機で下着かけた。 。どの服を着て行くかという事類などを洗濯して部屋の隅に干す「淵川さん、あんた何も買って なのだが、いったいいっ洗濯したのだが、注仙はそんな事は頓着しこなかったのか ? 外に出られる のか分からないしみだらけの同じない。注の下着もいったいいっチャンスなんてめったに無いんだ ような服が血 3 作にしわくちゃに洗濯した物か分からない。そうい から、菓子でもどっさり買い込ん なって入っていて、ゴミに出すぼ う所はあきは統合失調症というもでくるものだよ。それが手ぶらか ろきれの集まりのようだった。緑のを甘く考えていたというかあくよ、だらしないな」 や茶色系の地味なものが多かったまで常識の前提で考えていた。そ それに対して清治は少し恐縮し が、その中で少しでも汚れのましの常識にかからないのが統合失調たような顔で、 な物を清治は探した。あきがこれ症なのだが。 「うん、うん」 を見たら驚くというより恥すかし病院の車に乗せられて出かけて とうなずいただけだった。そし くなり目を疑っただろう。あきの行った清治が戻って来た。詳しくてまた自分一人の世界にこもって 考えではそういった日常の生活の調べないとはっきりした事は一『〔え行った。 事は、当然病院でケアしてくれるないがどうやら悪性の物ではない ( 次号へ続く ) ものと思っていたからだ。しかし、 という診断たった。清治は相変わ ( きたむらまさき ) 病院はそこまではしてくれない。 らず何事にも無関心な様子で、普 というより清治の服を見てもう少段着ているもっと汚い服に数日え しましな物はないのかと看護婦がると布団に潜り込もうとした。そ し遠慮した小さな声でしゃべって喧嘩しちゃってね。ロだけにしてるその腫物を見て話し合ってい いる。佐藤が一一一一口う。 おけばよかったんだけど足が出た。そのうち主治医の高田が来て号 月 「森谷さん、あんたこの病院でちゃってね、それで逆戻りさ。こ注射針の先で突っついたりして首 年 幾つめだい ? 俺は転院を四回しの先どうなるか分からないけどをかしげていたが、結局よく分か たよ」 ね」 らず専門の医師に診てもらおうと と 森谷が答えて一朝つ。 森谷はあきらめたように言い、 いう事になった。注の入院して っ ね 「もう忘れてしまったな、だけ佐藤がそれを引き取って言った。 いる病院は綿科の単科の病院な 亠な どここへ来る前は都内の病院に居「お互い十年選手だものな、気ので同じ市内の総合病院に行く事み たんだけどそこはもっと厳しかつが付けば五十を過きているし」 になった。閉鎖病棟の串署が病院 たよ。食事の時は患者はみんな整慣れない環境に疲れた椎野はもの外に出られるのは、症状が良く 列させられてさ。ここみたいにうとっくに眠っており、清治は会なって外出を認められた串以外 ルームの扉が開くまで廊下で思い 話には加わらず目尻に涙を浮かべはこのように他の病院あるいは歯 思いに座り込んでいるなんて事はて天井を薄目でじっと見ている。 科医にかかる場合くらいに限られ 出来なかったよ。それを考えたら注の首に腫物ができたことがる。悪性の物ではないかと周りが この病院はいい方だと思うな。」 あった。首の右側の後ろにピンポ心配するのに対して清治は他人事 「森谷さんは退院したことは無 ン球くらいの半球状の盛り上がりのようなキョトンとした顔をして いのかい ? そんなに具合が悪そができたのだ。周りに比べてそこ うにも見えないけど」 だけが白っぽく膨らんでいる。看看護婦に付き添われて出かける 「退院してた事もあるんだけど、護婦が何人も集まり代わる代わ段になって、清治は自分用の天袋 23 私と家族の手記
4 月号の「国への意見や要望の人にも障害年金を認定して戴 7 月幻日 ( 金 ) 午前Ⅱ時から都 庁第一一庁舎会議室において、先 〇をみんなねっとへ提示し、それきたい。 号 を国へ要望していくことが家族もう一つは公平性の向上を図に本年 3 月日に開催された平明 わ 会の役割であり、それらの活動るために認定基準を明示して戴成四年第 1 回都議会本会議で全 年 きたい。税制では国民が税額を会一致で採択された請願に基づ なが制度の改善につながる」とい 算出できる程に具体的な算出基き、心身障害者医療費助成制度 んう考えに全く同感です。 み現在の生活費を確保する仕組準を明示している。また、障害年を精神障害者も対象にするため「 〇みは次のとおりです。主な収入金は保険料と税によっているのの予算要望書を東京都福祉保健 な 〇源は、基盤としての障害年金、でしようから認定基準を国民に局医療助成課の菱田彰医療助成ん 課課長代理 ( 医療調整担当 ) に 〇親の援助 ( 死後は遺産相続 ) 、明示するのは当然のことと思い 〇可能な場合の僅かな就労収入なます。なお、厚生省発表の「精神手渡しました ( 写真 ) 。 どであり、障害年金がないなど障害者が安心して暮らせる地域当日は、真夏の蒸し暑い中、 〇 加藤真規子東京マル障の会会 収入不足の場合には生活保護が包括ケアシステムの構築」には、 〇 ある。しかし、障害年金があれ生活費の確保は不可欠でしよう。長、東京つくし会眞壁博美会長 など名が参加しました。 〇ば親の援助等を含めて生活費を この際、同時に提出したのが、 確保する計画を立案し、その計 地域の話題 「東京に暮らす精神障害者の医 画の中に達成できそうな就労収 入目標を設定することが可能と◆「東京に暮らす精神障がい者療費の負担度に関する調査」報 なり、前向きな気持ちや集中力の医療費の負担度に関する調告書 ( 頁 ) です。 当日は、本田副会長より、報 を育んでいくことが期待でき査」報告書について 告書の概要を説明し、都側に提 る。また障害年金と生活保護の東京都精神保健福祉家族会連合会 副会長松沢勝出しました。 公費負担額に顕著な差異がある 当会では、来年の平成年 4 とは考えにくい。従って神経症東京都連は、今夏の暑い中、 月に創立周年記念を迎えます健康調査をみて愕然とし が、この間この種の調査は初めました。 ての試みでした。今回のマル障 以下その一部を紹介し の要望を行うにあたり、実感とます。 してはわかっていましたが、具◎精神障害者の平均収入 イ的数字で精神障害者の心身の 月額 71 、 3 91 円 ◎経済的事情で受診でき ない主な理由 家族に負担・ 9 % 生活苦・ 9 % わ ◎日中活動の場所 ページでご案内の通り、有料 ( 1 ・行き場所なしが ・ 4 % と一部円 ) で配布させて頂きな 番多く、次いで就労継続支援ます。申し込み用紙も掲載してん 型事業所・ 3 % を凌いでいまおります。 み す。 ◎収入状況 「読者の皆様へ」 亠な 当会では本誌内容について、執筆〇 ・障害年金・ 6 % と一番多く 者への直接のお取り次ぎは致してお〇み 年金に頼らざる得ない生活とな りません。内容についてのご意見ご〇 っています。 感想等は、投稿としてお寄せいただ 〇、一 調査報告の詳細につきましてければ幸いです。また、「みんなのわ」 〇ペ コーナーにお送りいただいた各種文 は、当会が発行しました、報告 書、作品等は原則としてお返し致し〇諸 書をご覧下さい ませんので、ご了承ください なお、東京つくし会のホーム