生きること - みる会図書館


検索対象: 月刊 みんなねっと 通巻第129号 2018年1月号
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1. 月刊 みんなねっと 通巻第129号 2018年1月号

息子さんが目に涙を浮かべて「おすると、講座の最終日、あるグ 号 父さんは、どうして僕のことをループの発表者になった息子さ今を大切に生きていきたい 月 ここからは、岩瀬さんの歩み んが「家族会に参加して一番変 判ろうとしてくれないの」とい 年 う言葉を何度も繰り返し、岩瀬わったのはお父さんだ」と言っを振り返り、私なりに気づいた ことを述べたいと思います。 さんに迫ってきたのです。息子た途端、会場全体から、爆笑と と っ 岩瀬さんは、かって「家族会 さんのその姿から、岩瀬さんは拍手が沸き起こったのです。 ね な その言葉は、それまで息子さの人たちのことを、『自分の家族 今までにない衝撃を受けました。 ん それは、「この子は病気なんだ」んを追い詰め、自責の念に苦しのようなものです』と言われてみ いたことがありました。岩瀬さ と初めて認識すると共に、息子んできた岩瀬さんにとって、測 さんが、いつまで経っても病識り知れないほど嬉しい言葉でしんにとっては、列車運行会社で を持とうとしない岩瀬さんを目た。そして、その日の晩、息子仲間のために力を注いだことも、 覚めさせてくれた瞬間でもあっさんが「お父さん、お母さん、高校の父母会で親父の会を作っ 僕を育ててくれてありがとう」たことも、精神障がいのある人 たのです。 と言われたのです。その言葉をの家族と家族会活動を続けてい 聞くやいなや、岩瀬さんの目にることも、特段気負った活動で 家族会に参加して一番変わった は涙が溢れ、止まりませんでしはないのだと思います。むしろ、 のはお父さんだ た。今、岩瀬さんは次のように直面する課題を見過ごすことの それから 2 年後、岩瀬さんは、 語ります。「息子は、私の一番大方が、自身の生き方として、絶 地域の「こころの健康講座」に、 対に許されないことなのです。 息子さんと一緒に参加しました。切な生涯の宝物です。」 岩瀬さんは、「たった一度の人なものだったと言われます。家じようと思えます。人って、な かなかに素敵だ、と。そんなこ 生を振り返ったとき、『自分は偽族会に初めて参加し、苦しい思 りのない生き方ができたかどう いを打ち明けた時、「みんな一緒とを、岩瀬さんから追体験をさ か』を問いかけられるよう、今だよ」と優しく包んでくれた他せていただくことにより、私は を大切に生きていきたい」と話の家族からの一言は、未だに岩知ることができました。 加えて、家族会の魅力を一言う されます。そして、それらの積瀬さんの財産として残っていま み重ねが、岩瀬さんの優しくもす。 ならば、「優しく背中を押して あり、強い生き様を作っている また、「知らない不幸を無くしくれる力」です。制度を活用す のです。 たい」。これは、私が岩瀬さんかることや、人とつながることに ちゅうちょ らよく聞く言葉であり、支援者躊躇している家族に対して、岩 知らない不幸を無くしたい として大切にしている一一一一口葉です。瀬さんなら、声のトーンを落と とはいえ、なんです。最愛の「知らない」とは、障害年金や医して、次のように語りかけるで 息子さんが発症後、岩瀬さんは療費助成という制度やサ 1 ビス、しよう。「私たちも通ってきた道 しったげきれい 当初、叱咤激励をすることによっ専門職や家族という人的な資源 : ・」。岩瀬さんは、人が人につな がり、「ほっ」とした笑顔に出会 て、出口を見出そうと必死でしだけを指しません。人は、いく た。でも、状況は変わらなかつら状況が混とんとしていたとしえることに優る楽しみや趣味は たのです。 ても、自分を信じてくれる人が無いと言います。 ( あおききょひさ ) そのような折、岩瀬さんにとっ いると安心するし、力をもらえ て家族会との出会いは、運命的ます。そして、もう一度人を信 あふ 33 知ることは生きること

2. 月刊 みんなねっと 通巻第129号 2018年1月号

をかみしめて、そしてあきは家だった。 が浮かんで来るのだった。空を に帰った。 見上げると神があきを憐れんだ あきは仏壇の前に座り込むと のか、冬の薄い日の中に一カ所 声を立てずにすすり泣いた。な クレョンで描いたような黄色が ぜ私ばかりこんな目に会うのか 線路沿いの道を両手に袋を下映っていた。 と思った。涙が止まらなかった。 げて病院へ向かうあきの姿が 何気なく濡れた目で庭を見るあった。差し入れの菓子を買う と、塀の上に雀が並んでとまっ時、今日も迷った。清治は饅頭 ている。風の強い寒い日だった。 が好きなのだが、日持ちする物 雀は等間隔で並んで一羽一羽がの方が良いだろうと結局煎餅や 風に向かって体を膨らませて寒ビスケットを買ってしまう。そ さに耐えている。庇い合う姿はれも昔からある物で最近の物に 無い。人も最後は一人で世の中はあきは手が出ない。 に向かって行くしかないのかと 「やつばり、おばあさんの差 思った。心の中からどしゃーツし入れだわ」 と何かが流れ出して行き、砂糖と思いながら歩いて行く。清 細工の希望が砕けて散乱した気治は相変わらず他人事のような がした。悲しかった。正治夫婦顔をして病室に居るのだろう、 は何も言わずあきを見守るだけそう思うとあきの顔に苦い笑い 恐る恐るあきが聞いた。 もらわないと。それが清治さんき取ることに同意してくれてい 「グループホームの方に何かの場合は難しいらしいんでするし」 問題が起きたんですか ? 」 よ。一体どういう事で入院され あきは必死で食い下がる。 それに対して菊山は視線を泳たんでしようか」 「そうはおっしやっても、最 がして、 あきは清治が包丁を持って立後は役所と医者の判断ですか 「グループホームの事ではなて籠もった事、警官に対して暴ら。」 くて清治さんの事なんですが、れた事を話した。 取り乱したあきを見て菊山は 措置が取れそうにないんです 「それで退院が難しいんです続けた。 よ」 ね。最初伺った時は普通の社会 「実は私もここに勤める前、 「そち ? 何ですかそれは」 的入院かと思ったんですが」 精神病院で看護士をしていたん 「精神障害者の入院には自主 菊山は申し訳無さそうに一一一一口ですよ。いやな所ですよね。あ 入院を別にすると、保護入院とう。 んな所に居たくないですよ。お 措置入院があるんです。保護は 「措置が今でも取れないとい気持ちは分かります。ただ措置 家族の希望で入院させるんですうのは自損他損の症状がまだ完と言っても退院できない訳じゃ けど、措置は役所が法律に基づ治していないのかも知れませんない。けれど時間がかかるんで いてする、まあ強制入院ですね。ね」 すよ」 保護なら主治医と家族の話し合 「今のあの子はそりやいつも あきを気遣ってぼそぼそと話 いで何とかなるんですけど、措ニコニコして、坊主のように大す菊山の話を聞きながら『もう 置の場合は公式に措置を解いて人しいんですよ。長男夫婦も引二十年も居るのに』と情けなさ ( きたむらまさき ) 23 私と家族の手記 みんなねっと 2018 年 1 月号 22

3. 月刊 みんなねっと 通巻第129号 2018年1月号

午のごあいさっ 謹んで新春のお喜びを申し上げます。 昨年は、精神保健福祉法改正案が国会に提出されました。一昨年に 起きた相模原事件に大きな影響を与え、本来、権利擁護や非自発的入 院などで前進させる法改正であるべきなのに逆戻りするかのような議 論が出されるということもありました。しかし、前向きな変化も少な からずありました。 まず家族支援についてです。国政レベルで精神障がい分野でもいよ いよ俎上に上り、当会も意見表明する機会がありました。また、家族 による家族学習会も事業継続し実施することができました。更に、メ リデン版訪間型家族支援は、当会より引き継いでいただいた ( 一社 ) メリデンファミリージャパンが昨年 9 月にキックオフィベントを行 い、本格的に始動しています。 次に運動面においても、 J R 運賃割引運動を引き続き実施いたしま した。 2 年連続して請願を衆参両議院に行いました。採択に至りませ んでしたが、昨年 4 月から私鉄大手 16 社の一角である西鉄が精神障 害者割引としました。また、 7 月 3 1 日には、国上交通省の自動車局 長が、日本バス協会に交通運賃割引の対象に精神障害者を加えるよう 再検討を促す通達をし、それを受けてバス協会は 8 月 2 日に通知をし ました。 9 月には愛媛で JR 四国バスを含む 4 社が割引を開始するな どの具体的に実現がすすんで来ています。 本年は、昨年来の課題に取り組むとともに、改正障害者雇用促進法 の一部施行 ( 精神障害者雇用率反映 ) に当たりますので、合理的配慮 は言うまでもなく、短時間雇用の柔軟な運用、 I P S ( 援助付き個別 支援 ) など、当会ならではの提言・要望をしていきたいと思います。 障害年金、医療費助成等々課題は多いですが、皆さんとご相談しなが ら、少しでも精神保健福祉が前進するよう役職員一同精進してまいり ます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。 2018 年 1 月 公益社団法人全国精神保健福祉会連合会理事長本條義和 201 8 1 月号通巻第 129 号 月刊 。 = = , 。。【表紙の絵】織田信生 知っておきたい精神保健福祉の動き 2 お知らせしますみんなねっとの活動 4 特集 2 0 1 7 みんなねっと岡山大会記念講演より ヒアサホーターと協働した地域移行支援についての試み ( 柳 尚夫 ) 6 事例からみる精神障害者の障害年金の実際 【連載第 IO 回】これから障害年金を請求する方や、今現在、障害年金を受けている方へ ( 白石美佐子 ) 1 6 小説「雀の息子をめぐる物語」最終回 ( 北村昌紀 ) 20 街の診療所からのお便り【連載 128 】 ( 増本茂樹 ) ・・うつ病で静養している息子が心配でたまらないお母さん・・ 知ることは生きること ( 連載 25 ロ ) 列車運行会社や「親父の会」での温かみのある軌跡 《自らの人生の主人公としての家族の暮らし特集④》 ( 青木聖久 ) 28 真澄こと葉のつれつれ日記 ( 第 82 回 ) 34 みんなのれ一一読者のヘージ・地域の話題 24 36

4. 月刊 みんなねっと 通巻第129号 2018年1月号

さ、い な判健所 ) 、家族会等で話し合ってます。私達地域の薬剤師にもこ みを。 いこ , っと思いました。 の件を提案、是非したいと考え 、の稿一 号 者投 私も少し同じような事が息子ています。スタッフの方々もお月 わ はりコ にもあったので筆をとりまし元気で草々。 年 」便る の なら紹 息子の場合は長期間でなく一 と ん 日常生活 っ んに時的な内容で私共に連絡してい み ね 亠な 〇 ただいた病院でしたが、しかし◆兵庫県ひでさん家族 ( ん 〇 された当事者はとても苦しかっ代 ) み 〇 ただろうと今でも涙が出ます。 私自身が十数年前にうつ病と 〇「みんなねっと」の感想これは本当に中世のようです。診断され、妻は乳がん後 2 年後 なくして欲しい—それだけでにひざに転移しており同じくう 〇◆宮崎県鬼束紀美子家族す。 つ病の薬を飲み、息子はの時 元代 ) に統合失調症で入院後別の病院 「精神科医療における身体拘束◆京都府古市洋家族元代 ) で拘東後に退院し、手帳をもら を考える」を読み、今の日本の精前略。やっと秋らしくなってっていますが、やはり人づきあ 神科医療の実態がまだまだ遅れ参りました。みんなねっとスタ いが苦手で、作業所になじめず ているとっくづく感じました。 ッフの方々にはお世話になりまにいます。 一人の人間としてのあっかいして感謝して拝読しています。 やはり時間をかけて一歩ずつ ではない対応に「物 ( もの ) 」 会員一同郵便物の封筒が大きく前に向かって進んでいくしかな として見ている気がしてとても なって扱いやすくて大変喜んで いと思います。 悲しく、これではいけないと私 います。Ⅱ月号テーマの「雑談 息子に「遺伝で病気になった」 も当事者の母として勉強会 ( 保薬局の薬剤師」は必要だと思い と言われた時はさすがにショッ 読者のページ クでした。でも私の生き方が彼をて親御さんの愛を感じ心暖かくを入れて胃洗浄をしたら、不思 そうさせたと思えるようになりまなっております。 議なことに今まであった「幻 した。互いに前に向かうしかない 覚」「被害妄想」が無くなりま ですね。この会は大切な " きずな ~ ◆茨城県くだもの大好き本した。やはり心と身体はつなが です。 っているんだリと実感した時で 人代 ) 統合失調症と強迫症状をもっした ( もちろん拘束は廃止され ◆埼玉県斉藤一江本人 ( 代 ) 当事者です。数年前、人間関係るべきだと思います ) 。 当事者です。統合失調症になつなどで任意入院から医療保護入辛い時もありましたが、今は 〇 て年。ご縁があって結婚し、 6 院となり、約 1 年間入院しましデイケアなどに通い始め、一歩 〇 歳になる娘の子育て中です。月 1 ずつですが回復に向かっていま わ 回メンタルクリニックにて、お薬保護室から出たら拘束でしす。 の をもらっていますが、なかなかカた。とくに拘束は 3 か月も続い ウンセリング的なことはしてもらたため、寝ているのか起きてい 地域の話題 ん えず : ・ るのかわからなくなり、とても み ⅱ・祐マル障実現都民集会大〇 精神疾患がある人の恋愛・結婚・苦痛でした。そのため、セカン◆ わ ドオピニオンを受け、転院しま成功 ! 精神障害者にも心身障害〇 の 出産 もしもアンケート調査があればした。しかし急性期の症状はま者医療費助成の実施を求める大〇 〇み ぜひ協力したいと思いますし、他だ続いていたので、入院はしなきなカリ 東京都連副会長植松和光ジ の方々がどんな工夫をされているかったものの、とても辛かった 〇一 かなど参考にしたいなあ、なんてです。 会場の新宿区にある戸山サン 〇ペ 思います。 また、拘東の影響か吐き気がライズは、開会時間の午後 1 時〇者 私の両親はすでに他界しておりとまらなくなり消化器内科に入には都民の皆様で超満員となり〇 ますが、月刊みんなねっとを通じ院しましたが、鼻からチュ 1 プました。 二二Ⅳ

5. 月刊 みんなねっと 通巻第129号 2018年1月号

とさえ一言えば女房は許してくれ 息子さんの発症から 6 年後、 話情報を交換し合ったのです。 日頃の心がけとして、①親父岩瀬さんは家族会にも参加するるし、遅くなっても怒らないた ねぎら も学校に参加し女房への労いのようになりました。ところが、め、家族会に父親が参加しやす しようになりました。おまけに、 言葉と協力姿勢が伝わるよう当時の参加者は母親ばかりで、 にすること、②歳を過ぎたら夫に対する不平・不満は相当な家庭内の親子・夫婦関係も良く なり、また、地域活動において 女房に逆らうことは一切やめてもので、肩身の狭い思いをした ごま も父親に出番が回り、家族会の 胡麻をすること、③それらが豊そうです。 そこで岩瀬さんは、「親父の気存在感が増していったのです。 かな老後を保障する最善の策で 楽な一杯会」を計画し、親睦をまさに、親父万歳でした。 あることなど、妻や子どものこ さかな とを酒の肴にして楽しく語り合深め合うことにしました。みん うことで親父の成長の場にもな女房に感謝しているのに、変未だに忘れられない一一 = 0 葉 このような岩瀬さんですが、 な男の美学から言葉で伝えるこ なっていったと言います。 とができない。「分かっている最初から、息子さんのことを理 これらの親父の会で学んだこ はず 解できていたわけではありませ とが、後の家族会活動で大いに筈」「そんなこと言えない」。い 役立ったことは言うまでもありまさら言うのが照れくさいのでん。当初、働かず、だらだらし す。他方、我が子の先行きを父た生活を送っているように見え ません。 親として誰もが心を痛めていまた息子さんの顔を見るたびに、 岩瀬さんは説教をしていました。 家族会でも引き継がれる「親父した。 家族会の後、「親父同士で一杯」すると、ある日、歳になった の気楽な一杯会」 は、歳で組合の書記長、歳が高校に入学した時、学級父母こと自体、ナンセンスであるこ で委員長になり、周囲から頼り懇談会は、参加者の殆どが母親とがよくわかったと言われます。 にされ、まさに、充実した日々だったと言います。すると、始母親は、子どものこととなると を過ごされていたのです。 まる前から思い通りにならない爆発的な力を発揮し、とりわけ、 いらだ ところが、歳の時、親の介護を我が子への苛立ちゃ夫への愚痴代、代の母親は活力・元気 かたまり 余儀なくされ、組合活動の一線をが飛び交っていたそうです。 印の塊のようなもので、とても たちう 引くことになり、在宅介護に 8 年そこで、クラス幹事をしてい太刀打ちできないことを岩瀬さ 間かかわることになりました。そた岩瀬さんが「自分の子どものんは思い知らされました。 して、その頃、息子さんが精神疾一番素敵なところを一言ずつ添 患を発症されたのです。岩瀬さんえて自己紹介をしてください」 「親父の会」を結成 は、「息子の人生で最も大変なと言うと、険しかった母親の表 このようなことからも、岩瀬 時期に傍で寄り添ってやれず、情がマリア様のように母性と慈さんは父親の存在が気になって 妻ばかりに負担をかけていたこ 愛に満ちた優しい表情に変わっ いました。そこで、各学年の父 とが今でも申し訳なく思ってい ていくのです。ついでに「夫の親と連絡を取り合い、「親父の〈至 ます」と、悔やまれています。素敵なところも一言」と添えるを結成しました。子育てや家事 と、「ない」と軽くあしらわれ、 に対する、妻から夫への不満の 高校の父母懇談会での母親たちまた元の不満の形相に戻ってし声、時期が来たら手遅れになる との交流 まいます。我が子に対する思い 危険性があることなど、学級懇 一方で、岩瀬さんの末娘さんと、夫に対する思いを比較する談会における妻達のリアルな会 31 知ることは生きること みんなねっと 2018 年 1 月号 30

6. 月刊 みんなねっと 通巻第129号 2018年1月号

次のようになります。 は、地域移行地域定着で活動す言っていたのに、退院させたい 号 ①ピアサポーターを養成し、 と思うようになります。 ると最低賃金の時給 850 円が 月 雇用していること。②保健所が、 支給されます。しかし、仕事は 年 連携会議等を効果的に運営して それほど多くないので、それだ◇支援の対象になる患者 いること。③精神科病院が、対 と けで暮らせるほどの収入にはな〇 1 年以上の長期入院の人 りません。▽精神保健福祉士の〇退院支援がなければ 1 年以上象患者のリストアップと事業者「 亠な の入院になる可能性がある人の院内への受け入れに協力的な ん 資格をとるピアサポ 1 タ 1 がい み こと。④病院ごとに、一人では 〇退院したいと言っている人 ます。▽再発するピアサポ 1 なく、数人以上の地域移行申請 ターもいます。▽相談支援事業〇働きかければ退院したいと言 者がいること。申請する患者が いそうな人 者は、一般にピアサポーターを 雇うことを躊躇しますが、地域〇入退院を繰り返しており、退院多いほど効率のよい支援ができ 後の支援が必要な入院中の人る。⑤アパ 1 ト等への退院が一 相談で対象者やピアサポ 1 タ 1 がいれば、給料を払っても採算〇年齢や経済的要素は関係な定できること。⑥グル 1 プホー ムや福祉施設への受け入れが可 。生活能力も関係ない。 はとれます。▽退院して地域で 能なこと。 暮らしている人に精神科病院で 講演してもらうと、その人の生◇効果的な地域移行支援の ◇まとめ き生きした顔を見て、職員の意ために必要な条件 地域移行支援を効果的に実施以上のことをまとめると、次 識が変わります。それまで「社 会の荒波に出したくない」とするための条件をまとめると、のようなことが言えると思いま います。 す。 ①地域移行を進める調整は、 0 当事者と家族との関係に イ健所が行う。②地域移行事例 ついての提案 は、全国の 1 年以上の入院患者 ろくさんまる 〇当事者を一人前の大人とし 全員である。 630 調査 ( 国が て、その能力を認めて、距離を み 毎年 1 度行う現況調査 ) による 0 家族会への提案 〇家族会は、当事者の代弁者置いて係わってください。〇精 ・ 5 万人いる。国の方針 では、年までに 3 万や肩代わりではなく、家族同士神障害者の支援のための活動の っ 中心に、当事者を参加させてく のピアサポートの組織ではない 援 人、毎年 1 万人ずつ削減する。 ③利用者は多数いるので、最初でしようか。〇平成年度の精ださい。〇ピアサポーターの活被 域 は退院しやすい事例から支援を神保健福祉法改正で、家族は保動を見守って、応援してくださ 。〇当事者との新しい関係性 し して、ピアサポ 1 ターと事業護義務者ではなくなりました。 働 協 所、精神科病院に成功体験をさ〇精神障害者の支援は、これかづくりを目指してください と これで講演を終わります。 せる。④事業者には、多数の支らは家族ではなく社会が行う時 タ ( ゃなぎひさお ) ポ 援をすると効率もよく、ピアサ代になります。精神障害者にも サ ポーターがやる気が持てるだけ対応する地域包括ケアシステム がつくられてゆきます。〇家族 でなく、障害者雇用にもなるこ 集 特 とを理解してもらう。⑤地域移同士の相互支援や学習や楽しみ 行が進むと、患者、家族、精神を中心に活動をするとよいと思 科病院、事業者、行政のみんな がハッピ 1 になる

7. 月刊 みんなねっと 通巻第129号 2018年1月号

・ : うつ病でしている息子が 心配でたまらないお母さん・ : 連載回 . 〈忌子のうつ病〉 〈休職して帰郷〉 かかり、会社を休職して帰って 都会で大企業に勤めていた息来ているんです。そのことが そうして、さんは「私もう 子が会社を休職して帰ってきてずっと気になって、一日中気分っ病になったのでしようか ? いる、というお母さんのさんが重いのです。夜は眠気が来ず、そうだとしたら、息子がうつ病 は代なかばです。初診の時に寝ても何回も目が覚めます。夫になったのは私のせいでしよう は暗い顔をして、そわそわしても居るので、食事の用意はしてか ? 」と、泣き出しそうな顔で 落ち着かない様子でした。周囲 いましたが、それもこの頃はしす。 の目を気にして、精神科への受たくありません。何を作るのか 息子さんの状況を聞いていく 診を迷っておられると思いまし思い付かないのです」 と、息子は 1 年ほど前に職場の た。診察室では切羽詰った様子 近くの精神科クリニックを受診 で話されます。 し、うつ病だから休職して自宅 で静養するように言われたらししようか ? 今病名″を付けますか ? 〉 「おいしいと感じることはあ 。 3 か月の診断書を会社に出 したのですが、アパートでの一りません。それよりも、何を作親子はいろんなところが似て いるもので、悲観的に考える傾 人暮らしだったので、狭い部屋ろうかということを考えるのが の中でじっとしているのもつらおっくうなんです。そうして、向や自分が悪いと思う癖は結構 こよ帰郷して親一兀夜寝床に入っても息子のことを似るものかも知れません。でも、 く、 1 か月後。し で静養することにしたのです。考えてしまって、なかなか寝付それが遺伝子とどう関係してい けず、夜中に目が覚めた時にもるのかは分かっていません。そ 親元で暮らし、地元の精神科に れにさんは、心配事のせいで 通院して、気持ちはだいぶ明る考えているんです」 くなっているように親からは見夜中に眠りが浅く、たびたび暗く考えてしまう " うつ状態 ~ えるのですが、まだ仕事に復帰目が覚めるのには抗うつ薬がよではありますが、脳が自然に病 気になってしまう " うつ病 ~ で く効きますね。 はできない様子で、親の心配は 「このあいだテレビのうつ病はないようですよ。今さん 尽きないのでした。 の番組を見て、自分もうつ病だは、愛する息子が仕事に行けな 〈母親の遺伝 ? 〉 いでいるという、人生の困難に と思いました。うつ病には遺伝 息子のことが心配で、そのこもあるという説明を聞いて、息出会っています。でも、人生の 困難を病気だと思う必要はあり とが頭から離れないのですね。子のうつ病は私のせいだと思い ません。さんは病気ではなく、 それで、例えば、ものを食べてました」 " 息子のことが心配でたまらな もおいしくないという感じで 街の 診療所から の便り ましもと しげき 増本クリニック院長 みんなねっと 2018 年 1 月号 24 増本茂樹 25 街の診療所からのお便り

8. 月刊 みんなねっと 通巻第129号 2018年1月号

月刊みんなねっと ( 毎月 1 回 1 日発行 ) 通巻 129 号 2018 年 1 月 1 日発行 2007 年 7 月 24 日第三種郵便物承認 月子翡を馴の家族と家族会をつなぐ機誌 月刊みんなねっと 2018 年 1 月 1 日発行 2007 年 7 月 24 日第三種郵便物承認 みんなねっとフォーラム 2 ⑦年廰 午前の部 ・特集・ ピアサポーターと協働した地域移行支援の実践 ( 柳尚夫 ) ・小説雀の忌子をめぐる物語最終回 ( 北村昌紀 ) ■事例からみる精神障害者の障害年金の実際 ( 白石美佐子 ) 連載四これから障害年金を請求する方や今現在障害年金を受けている方へ」 ■知ることは生きること ( 青木聖久 ) 連載囘 列車運行会社や「親父の会」での温かみのある軌跡 《自らの人生の主人公としての家族の暮らし特集④ 町地域の中で共に暮』 ~ それぞれの立場で出来ること ~ ロ日時 : 2018 年 ( 平成 30 年 ) 3 月 2 日金曜日午前 10 時 ~ 午後 4 時 ( 開場午前 9 時 30 分から ) ロ会場 : 帝京平成大学 : 冲永記念ホール ( J R 池袋駅 ) ロ参加費 : 無料 ( 事前申し込みは不要です ) ロ定員 : 700 名 ※定員に達した場合は入場できない場合があります。ご了承ください。 2018 09:30-10:00 開場・受付 IO : OO -10 : IO ~ 開会挨拶 〇本條義和 ( 公益社団法人全国精神保健福祉会連合会理事長 ) 10 : 15-12 : IO ー一講演 『地域で共に暮らす - 愛南町の取り組みから - 』 〇長野敏宏氏 3 愛媛県公益財団法人正光会御荘診療所所長・精神科医 ) 13 : 30-15 : OO - , = , シンポジウム & ディスカッション 『地域の中で共に暮らす ~ それそれの立場で出来ること ~ ・シンポジスト : 〇岡田久実子氏 ( 埼玉もくせい会 / 公益社団法人全国精神保健福祉会連合会理事 ) 〇高橋美久氏 ( 就労継続支援 B 型事業所 TERRA サービス管理責任者 / 千葉県障害者ピアサポート専門員 ) 〇佐野澄子氏 ( 所沢市保健センタアウトリーチ支援チーム統括責任者 / 看護師 / 精神保健福祉士 をコーディネーター 〇藤井千代氏 ( 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所社会復帰研究部長精神科医 ) 15 : OO -15 : 20 休憩 Su pported by 曰ホ : い 15 : 20-15 : 50 質疑応答 THE NIPPON 15 : 50-16 : OO 閉会挨拶 = FOUNDATION ミ 〇松沢勝 ( 公益社団法人全国精神保健福祉会連合会副理事長 ) 主催 : 公益社団法人全国精神保健福祉会連合会 ( みんなねっと ) 【後援】 ( 依頼中含 ) 内閣府 / 厚生労働省 / 高齢・障害・求職者雇用支援機構 / 全国精神保健福祉センター長会 / 全国保健所長会 / 日本てんかん協会 / 日本自翩症協会 / 全日本〒酌車盟 / 全国手をつなぐ育成会車合会 / ・日本身イ害者団体連合会 / ・日本精神保イ遮翩 b 里盟 / 日章害者リハビリテーション協会 / 日本精神衛生会 / 日本精神科病院協会 / 日本精神神経科診療所協会 / 全国精神障害者地域生活支援協議会 / きようされん / 日本社会福祉士会 / 全国精神保健福祉相談員会 / 日本精神科看護協会 / 日本精神保健福祉士協会 / 全国精神障害者就労支援事業所連合会 / 日本作業療法士協会 / NHK 厚生文化事業団 / 朝日新聞厚生文化事業団 / 読売光と愛の事業団 / 中央共同募金会 / 日本チャリティ協会 / 明治安田こころの健康財団 / 精神科臨床薬学研究会 / ACT 全国ネットワーク / 日本臨床心士会 / 日本相談支援専門員協会 / 認知症の人と家族の会 / 日本発達障害ネットワーク / D P 一日本会義 / 全国精神障害者団体連合会 . / 帝京平成大学 / 土或精神保健福祉機構 / / メリデンジャパンファミリーワークプロジェクト ( 順不同 ) 午後の部 公益社団法人全国精神保健福祉会連合会

9. 月刊 みんなねっと 通巻第129号 2018年1月号

「地域移行支援」というサービ ◇退院促進事業と大阪府で援」は、入院患者への必須サー ビスであるということです。オスは、全国であまり知られてい の取り組み 今日は、なかなか進まない精プションサービスではありませなくて、毎年件くらいし 神科入院患者の地域移行は、こん。患者には利用する権利があか使われていません。目標値の のようにしたら進みますよとい ります。その地域にこのサービ 2 分の 1 です。「地域定着支援」 う私の実践経験をお話ししたい スがなければ、障害者への権利の方は件くらいです。 み と思います。 侵害になると私は考えていま 続いて地域移行の施策の歴史 の て まず知っておいて頂きたい す。市町村と精神科病院には、 についてお話ししましよう。 っ 平成 9 年に、大阪の大和川病 のは、「地域移行・地域定着支このサービスを確実に実施する 援 責任があります。地域の相談支院で職員による患者へのリンチ技 移 援事業者で、指定を受けていな死事件が起きました。このこと 域 地 がら実質的に「地域相談支援」について翌年、大阪府の精神保 し 働 を行っていない事業者は、社会健福祉審議会の答申では、「社会 協 レ」 的責任を果たしているとは言え的入院は人権侵害である」と報 ません。精神科病院には、病院告しました。これを受けて平成一 ポ だけの努力では退院支援が難し年度から大阪府の退院促進事サ い患者に、地域援助事業者を紹業が始まり、続いて国は平成 介して地域につなげる義務があ年度からⅣ年度にかけて、改革特 ります。 ビジョンを検討し、モデル事業 今月号の特集は、 月 5 加日におこなわ れた「みんなねっと岡 山大会」での記念講演 ( 柳尚夫先生の講演 ) を 要約してお届けします。 号 月 年 ピアサポ 1 ターと協働した と っ ね 地域移行支援についての試み ん 2017 みんなねっと岡山大会記念講演より兵庫県但馬県民局・豊岡保健所所長柳尚夫み 私は、兵庫県但馬県民局豊岡て、愛媛大学医学部卒業後は地 健康福祉事務所豊岡保健所の所域ケアの仕事をしたくて、昭和 長を務めております柳尚夫と申年に大阪府の公衆衛生課に入 します。もう年以上、保健所で職しました。大阪府立中宮病院 仕事をしています。今日は、保健勤務の後、大阪府保健所勤務、平 所での精神科病院からの退院促成年に大阪府池田保健所所長 進の実践についてお話しします。 になりました。以後、平成幻年に は兵庫県洲本保健所所長に、同 ◇演者の経歴 年から現在まで同県豊岡保健 私はもともと大阪の人間でし所所長を務めております。 1 一二ロ

10. 月刊 みんなねっと 通巻第129号 2018年1月号

面談の時に、お金がなくて虫 で 示人で 意断 歯があるのに病院に行けない、 る 1 レし 要 指他は の判 必要 ノよ。 あ と との 必 血圧が高いのに病院代が払えな 必 で たるこ な 人か 助が で 要 る き お金がないから今日はパンめなる 援助 助 他る 必 き で 援 求にす で て の 1 枚で過ごした、 3 食のご飯ををク動 一丁、刀 助 冂反一」 時 ねゴ動 援 食べたい、お金のことを考える援一、一 と切 常 概 ~ / 一丁 の っ 院適 と常に不安が付きまとう、診断 め 人と従 わ切 多 他るに れ 3 適 書代も高くて払えない、生きる あ 1 刀 な示 物っ もし る る な で 望みも失ってしまう等、人生に 状 っ き き な態。、 で で と性 絶望する悲痛な叫びを、今までき事いり るも。囲あ でるなた きたいが 理会 がなきめ どれだけ聞いてきたことでしょ でれな残導 き通活われん 銭・ で普生まきと 方異で求動さき守指 とがを行化で には常ので 使。常と助 にがレ一一一口 . 対通活日身まも 持機普生をな ると 働けない状態で長い年月を経なる通こ援切と『助 切あ。るに適てこ 呆危は常純けナこ れば、誰しもが経済的に困窮す適がいす人 き び活日。、単いおの に時な動他 てっす要な 及生の 合、、多。カ ることは容易に推測できるはず時いい行 しに応必き 、の持会で 昜てが活助わど がなててい 解用対がで 社内和内合生援まん です。 るきしつな理利に導は と 庭す庭場常なの いで識従き をの正指用 . 安が家と家る日 , 身 患者の訴えに耳を傾け、そし てが認にで きど適や利 事の 要、す、的、も しと・示が続なと言の て 食辺めを必と常 て、治療だけでなく生活全般に 識こ解指識手関る助関 な身認 っ き認を一読要一一 = 。経 読る理り認 な機すな機 あ をでを援を必を ( を ついても配慮してくれる医師 ノ害害 ・すにた こ支を的が 要通り切通度適係害害 が、本当の名医だと私は感じま解動分め解必交た常交程関障堋障。こ障援障期障 理行十求理 の目人。神適神曝神を支神定神 す。多くの方が、身近な名医に をてををの。活設わ設面動項対す精、 . 精で . 、精あ . 精 . 精 あ・ 性っ性助性い会生施変的施裏活 7 びで 出〈ムうことを心から願ってやみ険従険援険な上会共が期共の活及 危に危に危きネ社公ル定公書生ま達要 ません。 断常矚伝重 ロロロ ( ロロロロ診日 . 思が 障害年金の審査は、書類審査 、こ である以上、学生の試験と同じ 援欠 々 だと思います。 は時 号 月 国が等級目安表で障害年金をす」 要 う慮な 必 合配ど 支給するという合格ラインを示 な きのんる年 き 助 付へと来 している以上、合格圏内での診 の囲 で 援 に囲ほ出 で 亠な 的周もが 断書でないと厳しい状況と言わ以お 人う ど 。的 と る る期 継る合な っ ざるを得ません。 て度 がしあ定 き用ね て 患者を想い、 懸命に治療に当 たて付使な つの っ 管つれる っしのなん し に活 亠な 銭使忘あ たっていても、障害年金という 作立と切 み 目生 る貧 みば 金に を孤人適 し , 刀 どぐ飲し 雑 と等級表なども全く知らない医項常 人も友 断日 て容 工自し なすのば る 友ら 来内要要 がな うを薬し 師も多く、認定を取るには程遠 らかる 出事必必 屋き 示 添金のが か所 て い診断書に仕上がる場合もあり 、か , 食一が気か 部で てか きお上薬い 分近てし と。ど一一一口る 自 以服な ます。 こかな助えか除 回量し ず立認 こ労 行要掃るる物て 2 大薬的き孤 患者の病気を治そう、患者の っ 摂なけ時に必や Ⅲ生 、服、務で 解 をい掛常的。がけ 0 凱持。週薬 。事ど ために、という気持ちを、障害項厚 、す事て声り主要ど付ききて る、拒い人るやんれ応を しま食し ( よ自必な片ででしい来り、な寸き拶とき性 年金にも落とし込める診断書に てり一一一口に にか一一一口の ががしな出たいきで挨ほでヒ険 的を思 えた助どめど助屋りり渡きがっ違でくががが。危 変えていく必要性もあると思い 体性と考「ななたなな部物くく手で薬か間院 . なンンンの をな , 食寺っ言 ます。 ョ寺ど ) 。、りり、で服な、通、ム題ョ す重 、かやも 3 問シ。シるシ才な スに的不腓保助的要し 示のき 医師が負担に思わない書きや すい診断書の内容に、そして公省年て なノな過、 平な判断がされる様な判断基準労障立ト切 2 生にン適栄不定偏年週定常 1 1 3 金、規時薬常イ人コ助コいコ道 厚師にイ ) などを設ける必要があると思い 医とポ ( ロロロロ ( ロロロロ ( ロロロロ ( ロロロロ ( ロロロロ ( ロ ます。 軽度 19 事例からみる精神障害者の障害年金の実際