シャーロック - みる会図書館


検索対象: シャーロック・ホウムズの冒険
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1. シャーロック・ホウムズの冒険

しようせつ しい。そこで、ひまにまかせて小説を書きはじめた。もちろん、はじめから売れるはずもなく、 しゆっぱんしゃ 出版社へ送るたびに、かならす送りかえされていたという。 きようじゅ ドイルがまだ学生のときに、大学にジョゼフ・ベルという教授がいた。この教授はたいへん正 しんだんくだ ひょうばん かんさつりよく かんしやしよくぎよう い当ら しい診断を下すことで評判がよかったばかりでなく、するどい観察力で、息者の職業や、家柄や、 性質などを言いあてることに妙を得ていた。ドイルはこういう型の人間をにして、思いきり かつやく しんく いとけんきゅう 活躍させる小説を書いてみたいと思い、「深紅の糸の研究」という物語を書きあげた。これが、シ とうしよう さいしょちょうへんしようせつ ャーロック・ホウムズの登場する最初の長編小説となったのである。 これもあいかわらす、ほうぼうの出版社からことわられはしたが、やっと一八八七年、ある雑 し ごう 誌のクリスマス号にのり、イギリス本国よりもむしろアメリカで評判が高くなった。第二作「四 人の署名」はアメリカのある出版社の侭頼で書いたほどである。 れきししようせつ その後、歴史小説もいくつか書いたが、やがて、ひとつひとつは独立していながら、そのどれ にもかならすホウムズとウォトスンの活躍する、みじかい小説をつぎつぎに書きはじめ、一八九 まうけん 二年、最初の十二編をまとめて出版した。これが「シャ 1 ロック・ホウムズの冒険」である。こ いちゃくゆうめい せいこう れでドイルは一躍有名になり、この成功に力を得て、「シャーロック・ホウムズの回想」「シャー じけんぽ たんべんしゅう ロック・ホーウムズ帰る」「最後のあいさつ」「シャーロック・ホウムズの事件簿」などの短編集 きようふ ちょうへん と、ススカーヴィルの犬」「恐怖の谷」の長編小説をあいつで発表した。合わせて短編五十六篇、 しよめい しゆっはん はっぴょう どくりつ さっ 315

2. シャーロック・ホウムズの冒険

シャーロック・ホウムズの冒険

3. シャーロック・ホウムズの冒険

シャーロック コナン・ドイル作 林克己訳 ・ホウムズの冒険 岩波少年文庫 3095

4. シャーロック・ホウムズの冒険

ホウムズはしすかに、 「失福ですが、あなたが今、鳥屋のおやじにたすねていらしたことをついきいてしまいました。 何かお力になれはしないかと思ったものですから。」 そん 「あなたが。あなたはいったいどなたですか。こんなことを、どうしてご存じなのでしよう。」 しようばい 「私はシャーロック・ホウムズと申します。ひとの知らないことを知るのが私の商売でして 「しかしあなたはこのことを、何もご存じのはずはないじゃありませんか。」 いっしよう 「失礼ですが、何でも知っているんですよ。あなたは一生けんめいガチウを追いかけていら っしやるでしよう。つまり、プリックストン街のオークショット夫人から、プレッキンリッジと べイカ いう鳥屋に売られ、それからアルフアのウインジゲイトさんに渡り、その次に〈ンリー・ にゆうかい ーさんの入会しているクラプへいった、あのガチョウのことですね。」 「ああ、そうです。あなたこそ私のお会いしたいしたいと思っていた方だ。私はもうガチ。ウ のことで夢中なんです。何と申していいかわからないくらいですよ。」 ゅび こおとこ 小男は手をさしのべ、指をふるわせながら、こうさけびました。 よりんばしゃ シャーロック・ホウムズは、そこを通りかかった四輪馬車をよびとめながら、 いちは 「それでは、こんな風の吹き通す市場などで立ち話をするよりも、居心地のいい部屋の中で、 しつれい むらゆう じん いごこち 141

5. シャーロック・ホウムズの冒険

933 シャーロック・ホウムズの冒険 コナン・ドイル作 林克己訳 岩波書店 1955 320 p. 18 cm ( 岩波少年文庫 3095 ) 中学以上 Conan Doyle : The Adventures of SherIock Holmes , 1892 シャーロック・ホウムズの冒険 岩波少年文庫 3095 ¥ 400 1955 年 9 月 20 日第 1 刷発行 0 1976 年 1 明 8 日第 23 刷発行 はやし 訳者林 克 かっ み 己 東京都千代田区ーツ橋 2 ー 5 ー 5 発行者岩波雄 〒 101 東京都千代田区ーツ橋 2 ー 5 ー 5 株式山 発行所電話 03 ー 265 ー 4111 振替東京 6 ー 26240 会社石・波 落丁本・乱丁本はお取替いたします 印刷・製本 : 法令印刷 書店

6. シャーロック・ホウムズの冒険

じようしき では、ウイルスンさん。さっそくお話し 「これはちょっと常識では考えられない話だね。 じしん かぞく こうこく ねがいましよう か。あなたご自身のこと、ご家族のこと、それからこの広告をごらんになって、 それから、ウ あなたの身の上にどんなことが起ったか、ということなども、みんなどうぞ。 オトスン。ます君は、新聞や、その日附などを書きとめておいてくれないか。」 ( 4 ) 「これは、一八九〇年四月二十七日、ちょうど二カ月前のモーニング・クロニクルだ。」 「ああ、けっこう。 では、ウイルスンさん、どうぞ。」 ジェイベズ・ウイルスン氏はひたいをふきながら、話しはじめました。 「はい シャーロック・ホウムズさん。ただいまもあなたにお話しておりましたように、私は ( 5 ) しちゃ シティに近いコウヾ ノーグ・スクエアで、小さな質屋をやっておりますが、手広くやっているわけ むかしてんいん ではございませんで、ことに近年は、やっとその日暮らしという有様でございます。昔は店員を ふたりも使っておりましたが、今はそれもひとりになってしまいました。もっとも、ひとり分の きゅうきん 給金をはらうくらいの仕事はありますが、その男も、仕事をおほえるのだから、給金は半分でい いといって、よろこんで来てくれております。」 かんしん 「感心な青年ですな。名まえは何というんですか。」 と、シャーロック・ホウムズはたずねました。 「ヴィンセント・スボウルディングと申します。青年というほどでもありません。としははっ ひづけ

7. シャーロック・ホウムズの冒険

もくじ シャーロック・ホウムズのことば : あかげれんめ、 赤毛連盟 : ・ ロのまがった男 : こうぎよく 青い紅玉 : まだらのひも : おやゅび 技師の親指 : 名馬シルヴァー 訳注 : ・ あとがき さし絵向井潤吉 ・プレイズ : 冖 /

8. シャーロック・ホウムズの冒険

シャーロック・ホウムズの ロンドン地図 / グロス駅 ペントン匕ル街 地下鉄 0 オルダイト駅 リケフ勺隲駅 っリート物 ウオタ司い橋 ウォ ロンドン・ドック キヤノン衝駅 ロンドン橋 ロンドン橋駅 ユチ , グレイづゼンド 0 ッタストン術

9. シャーロック・ホウムズの冒険

ステリーでもございませんし、卒倒もいたしません。ただあなたさまのご意見の、かくしだての ない、本当のところがうかがいたいのでございます。」 「どんなことでしようか。」 「あなたさまのお考えでは、本当に主人は生きているとお思いでございますか。」 こま とういナせ シャーロック・ホウムズは、この間いに困ったような顔をしました。そうして籐椅子の背によ りかかりますと、夫人はしゅうたんの上に立って、じっとホウムズのほうをみつめたまま、 「どうぞ、おかくしなさらず。」 と、くりかえして言いました。 「では、かくさすに申しあげますが、生きてはいらっしやるまいと存じます。」 「死んだ、とお思いなのですね。」 「さようです。」 ころ 「殺されたのでございましようか。」 「わかりませんが、あるいはそうかも知れません。」 「では、いっ殺されたのでございましようか。」 「月曜日、あの日に。」 せつめい 「では、ホウムズさん。今日、主人から手紙がとどきましたが、そのわけをご説明ねがえます 方じん そっとう ぞん けん

10. シャーロック・ホウムズの冒険

きのう でしようね。」 「え、何ですって ! 」 シャーロック・ホウムズは電気にでも打たれたように、椅子からとび上って、こうさけびまし 夫人は小さな紙きれを高くふりあげて、にこにこ笑いながら、 「今日まいりましたのよ。」 はい - けん 「拝見してもよろしいでしようか。」 「どうそ、どうぞ。」 ホウムズは待ちかねて、いきなり引ったくるように手紙を受けとりました。そうして、テープ いっしんしら ルの上でしわをのばすと、ランプを引きよせて、一心に調べはじめました。私も椅子から立ちあ ふうとう きよくけしいん がって、肩ごしにのぞきこみました。封筒はたいへんそまつなもので、グレイヴゼンド局の消印 まよなか がおしてあり、今日の日づけになっていました。いや、もう真夜中をだいぶすぎていますから、 昨日といったほうがいいでしよう、。 おく 「ずいぶんそんざいな字ですね、奥さん。これはご主人のお書きになったものじゃないでしょ なかみ 「はあ、でも中味は主人の字でございますわ。」 こ 0 じん