例言 : 定石の成立と変遷 : 星の定石 小・ケイマのカカー 大ゲイマ・ヒラキ ッケ手定石・ : 二間高ガカリ : 大々ゲイマのカカリ : 大ゲイマのカカリ : 一間高ガカリ 両がカリ 目次 ( 五 ) ( 大 ) ・ : ( 四 0 ) ( 五へ )
" 大ゲイマのカカリ ~ 第 1 型 白 1 の大ゲイマガカリが多く行われるようになっ たのは最近のことである。普通に小ゲイマにカカる と、一、二、三間のうちに直接ハサマれるのが眼に みえていて、それを避けようとするときに用いられ る。大ゲイマにカカってもしかしハサミはやはり成 立する。第 2 型に示す。 ハサマすに受けるとすれば、この黒 2 のケイマと 第 1 号の 2 と、第 2 号の 2 とがある。 1 は元来三路右、すなわち三々のツケを狙ってい るので、三様の黒の受け方が、いすれもそのツケを 防いでいる点に注意する。 白 3 とヒラいて、黒のハサミを避ける目的を達し これで一段落である。こののち、黒が 1 の二路右に コスみ、更に 1 、 3 間への打込みを見る手は実質的 に大きいが、順序をかえて、そのコスミからさぎに 打ったものとすると、第 1 号と比べても、あとから 打った 2 の位置に幾分の不満が蔽われないことが指 摘されよう。 本図 2 は無事ではあるが、積性に乏しく、白に 「第〒丁下工工〒 ひびくことが少いのは、緩着のそしりを免れないようである。 第 1 号この黒 2 は、実には 0 きりと三々を守り、不抜の根拠を たしかめたが、白も 3 とヒラいて安定する。やはりこれで一段落で ーエー十ーエ亠ーー 0 ② 1 ③ 第 1 号
, 星″第 1 型 小ケイマの得失 隅の強み 星に対するカカり方はおよそ五通りある。ます小 ゲイマのカカリから出発する。 このカカリがもっとも多く行われるのは、攻守両 様の意味において、これが一ばん効果的とされるか らである。 黒 2 、かく小ゲイ「に受けるのは、堅固にすぎ萎一一ー一ー② 日 , にヒ 互先を通じてひろく行使される。一路下の一門 と、一路左の大ゲイ「に受けるのと、その中間の形一ー亠、、 であるたけに、得夫の関係においてもやはり両者の 中間にあるといえる。 ②十 どんな場合に小ゲマが選ば れるかーー・参考図 ( ) 、この一 間に高く受けると、白 3 のツメ を有力ならしめるような、或い下・ は 3 でなく、進んで 2 の二路ド まで深く受すに便宜な、そのよ うな白の配置が下辺右方にある第 1 号 時がそれである。小ゲイマに受けてのち 第 1 号白 1 とツメられても、この黒 2 と応じて隅は完全なのを 強みとする。置碁の場合など、白のツメが加わらなくても機をみて 2 と守り、次に白のカカリを挾撃する狙いを強調していい。 0 工亠ーエーエ亠ー丁下一、準亠亠亠ーエーエ 十② 亠ー ( a )
" 星。第型 古来の定型 実利と外勢 白 3 と直ぐに三々に打込む。周知のように昔から 行われている大ゲイマ定石の典型的なものである。 その意図は、隅の実利を占め、さらに黒の根拠を も奪ってこれを攻めようとするにある。黒はしかし 隅を与えても必す外勢の強大に代償を見出すことが できるので、白ひとり実質に就くということはあり 得ない。すなわち黒 4 と遮、以下白までが一つ の型である。 このうち、黒は 6 とノビて打つのが正確であって これを忘れてはいけない。 白を第 1 号 1 とヒケば、黒も同図 2 、である。 なお白 7 、白、黒Ⅱにつ いて、それぞれ参考図 ( ) 以下に注意する。 第 1 号これは白が一応先 手を取る意味である。次には " いれの点が、双方いすれか 00 13 ⑦ の② : 5 ③ 1 1 ( a ) ら打っても非常によい処となっているので、白としては先手は取っ てもそれが大きな負担でなければならない。 参考図 ( ) 白 7 とケイマする。 黒は平易に上から 8 とオシッケて打つのがいい 〇④ 1 第⑦ 6 十⑩⑩ 0 亠・ー一ーの ②亠、⑩ 0 0 ②十 0 十 1 〇十 0 〇十 0 号 十〇 00 〇十 。 8 でからオサ工るな
と上から卞シて黒 4 とッキアタれば、白 5 、黒 6 で簡明である。そ の代り先手は白に帰し、白 1 の二間高ガカリの意図を通すこととな る。この意味において、黒 2 は 5 の点をオスのが、石の行き方とし て本当の姿であろうという所から、次のナダレ型に人るのである。 黒 2 と下にケイマする。 これも元来は先手を得ようか、そうでなければ実 質の大を収め後手に寸んじようかというのである。 但しこの 2 は、第 5 型のいわゆる " なだれ型。に 突人する可能性をも 0 ている点、黒としては左上隅第丁 , 一ー②④ に自軍の配置があるのを便宜とする。それは必すし も絶対の条件ではないが、白も黒も、その点の用意 がなくてはならない。 白 3 とオサえれば、黒 4 、白 5 で一段落であって 黒は先手にまわり、白は 5 までの勢力をもって将来 成す所あろうとする。 5 ののち、黒は参考図 ( ) 0 の 1 ( 又は一路下の大ゲイマ 或いは、一路右下の二間ビラ き ) を、機を得て打って、白 からのこの隅に対する手段を 根絶せしめることを要する。 第 1 号黒 2 に対し、白 3 ″二間高ガカリ第 4 型 十十 ③② 6 」 0 第 1 号 202
参考図 ( ) 前頁第 6 号白 5 をもってかく 1 とノ・ヒ、黒 6 までとなるのは、白に重 複の跡が否定されない。 第 7 号 . 大ゲイマから更 に一路遠く、この白 1 も考 えられる趣向である。 黒 2 、 4 は無事を主とし堅実といえる。 白 3 がやはり形であって、 5 と側辺から迫ることとなり、 全たいに白が軽く、しゃれた姿である。なお黒が 4 の一路左 上にハ坏てくれば、白はその一路左に オサ工て受けるこというまでもない。 0 第 8 号白 1 に、黒 2 とコス ミッケを先にす 3 れば、白 3 が恰 好である。この・ 3 を、参考図 ( •-c ) における 3 は、黒も同図 4 03 0 第 7 号 ・ 020 6 っ ) ス ) ( a ) 第 8 号 0 0 ③〇② 0 0 十・ 十 参考図 ( ) 左 上隅に黒のシ マリなど強力な配置のある場合だと、 白 1 、黒 2 と受け、白 3 、 5 につづい て黒 6 以下、このような手法も成立す 2 が一路下のケイマであっても同様 である。これはしかし当初白 1 が間題 ということになるので、事実、この 置において基・型の 4 、 6 のごときは 黒として考えられない。 とハネて満足し得よう。 以上、要するに第 5 号において黒 2 とコスンで受けた能一度が重く、消極的 なので、そのためこれら諸図のごとく 白に軽く打たれる理と僻していい。 目を■ 00 豆 000 ■■ 0 ■■ ③⑤ 1 006 朝一 3 7 ⑩⑨ 130
″星〃味 1 呷 守勢のみてない 第ニ段の使命 黒 2 と大ゲイマにヒライて受ける。周知のごとく 昔から行われている定石であって、今日どうかする とこれを古いというだけの理由で、用いたがらない 人があるのは行きすぎであろう。 これまでに掲けた一間トビその他に比し隅を守り 易いところから、単にこれを消極的たけの手法であ るかのように考えるならば、それは誤りである。守 備に重きをおいたものであることはそれに違いない が、守りに強いということはまた第二段の構えとし て、きびしい攻めを含むのでなくてはならことを 思うべきである。要するに大イマは、もっと多く 行使されていいと考えるのである。 第 1 号黒 6 まで、典型的である。白 3 のツメに 応じた黒 4 のシマリは、これにより大ゲイマの使命 である隅の守りを全からしめる所以であって、次に 白 1 の挾撃を含む。白 3 が加わらなくても、黒は機 とみて早くシマって大ゲイマは初めて完全である。 ーー第 15 型一一 白 5 、黒の挾撃をさけた正着である。に 22 一路左への打込み もしくは 2 の一路左のツケを狙う。それらをゆるしても、この隅全 体が動するということはあり得ないのが大ゲイマの強みであ、るが 打込まれては実質上の損失が大きいので、この 6 によって、・この隅 十②十 ト④ 0 第 1 号・
②、、 ど、無要の抵抗である。に示される。 Ⅱの次に、白がの一路左にオョゲば、黒 は勿論Ⅱの一路左にノビていい。 参考図 ( ) 白 6 、 8 の出ギリに対し、部分 的には黒″、 〃と受ける形であるが、第 1 号の簡潔に及ばぬのは自明であろう。 参考図 ( ) 基本型白でかく 1 と / ゾいて 来たとき、多くの場合、黒は 2 とハネて、 この方で受けるべきことを忘れてはならな い。そして白 3 のキリをゆるしても、黒 4 と構え、左右独立し て根拠がたしかでありさえすれば、 1 、 3 は白の負担となるに すぎない 白″ろ〃を交換することができる なお 4 に先だって黒″い″ し、また 4 は一路左上の二間ビラキが好もしい場合もあろう。 いずれにせよ、切断を恐れて 2 の手で 3 にツギ、参考図 (Z) の愚形となることは 0 ゆるされない もしまた本図 4 ( 或いは二間ビラキ ) が 町ちにくいような、換言すれば上辺左方に 白の配置があるものとすると、白に三々の 打込みをゆるしたこと、否、さかのぼって はじめ黒が大ゲイマにヒライて受けた手か 十 らしてそもそも疑間とならざるを得ない。 い 03 大ゲイマ・ヒラキに際しては当初この点に 考慮を愛するので、め「て、これは半ば以上 布石の間題でもあるが、大ゲイマの代りに 例えば、第 1 型の小ゲイマに受けるのが選 ばれる、というようなことになって来るわ けである。 大ゲイマ定石における根木の態度として 重ねて注意を要求する。 参考図 ( ) 上辺左方の白の配置はこのほか にも種《考えられるが、とにかくこのように黒が攻められる姿一 となっては忍びない不利である。 参考図 ( ) 基本型の黒Ⅱを怠って、この白 1 、 3 となるような ことは、あり得べからざるものである。 黒は隅の実質を失ったうえに、代償としての外勢の伸張もないど ころか、全体が逆に攻め立てられるという不 安に至っている。よほど多く置いた碁でも、 このような形があらわれると、その不利は全 局におよんで、回復できないものである。 根本は、黒とツイで姿勢がくずれたところ にあるので、要は / ゾカれないように、また ノゾカれても、ツガずに抵抗することを考え るのである。 0
小目定石 小ゲイマのカカリ : 一間バサ ~ 一間高バサ ~ 二間高バサ 三間バサ 一間高ガカリ : 二間高ガカリ 大ゲイマのカカリ 高目定石 小目のカカリ 三々人り : 目外し定石 小目のカカリ 高ガカリ : 三々人り・ : 三々定石
ト十十十 6 0 ⑤ 7 03 ) 急ぐことが可能である。隅 十ー を黒がハネて来ても、そこ 第 6 号黒 2 と一路すすんで大ゲイ 1 の二路上に は軽くみて、 マに打っ型がある。ッケ越しを狙って 白の行動を促す意味は、小ゲイマとひ十 ・号トプか或いは " い】の一路 としい。 下に打って封鎖を期するか 状勢に従って取捨する。 白 7 としてッケ越しに備え、 9 とサ 第 もしまた 1 に応じて黒が ガって治まれば一段落である。 十い・ー 00 " い″とヒラケば、そのと き隅をサ・カって治まること 第 7 号右下方との関係で白 1 と一ト となるが、要は、 1 とトプ 路遠い際にも 2 は成立する。いなこれ は、一路逮いから大ゲイマ、近ければ場合には、第 6 号の 7 のごときは打ってない方が、黒を堅め 第 5 号までの小ゲイマ、ということもないたけに白として合理的だというのである。 できよう。 参考図 ( ) 最後に大ゲイマに ッケ . 越しを避けるのに 7 も勿論ある おけるツケ越しにもふれておく。 が、次に単にⅡにサガると、黒から 9 白 1 と単にサガリ、黒 2 ないし のノゾきを利かされる形が、 2 が大ゲ十 で、二間・ハサミの一子が飆立するが イマであるだけに黒が働くことを嫌っ 何よりもこの黒の厚みが大きい点を て 9 を先にする。このとき黒間が、前十一・ e ⑨⑦⑩十 やはり重視し、左上方の条件にもよ ・ 36 ・ 3 図 8 よりも選ばれるのは、やはり白 1 るけれど一般に白不利とする。白Ⅱ 十 2 を 03 〇十 トトトトト , トー一が一路遠い関係からと理解する。 を 7 の一路右に曲がり、その一路右 を黒に二段にナサ工られては論外で ある。 第 8 号白 1 とここでトンで進出を 第 6 号 第 7 号 0 0