えんしんぶんりき 囘遠心分離器で精子を区別する法 * 男と女を生み分けるために これは精液を高速度の遠心分離器にかけると、うわ x 精子と精子の判別法 ずみには軽い精子、底のほうには精子より重い それでは、男女をきめる二通りの精子を、どうして精子というぐあいに、二つの層に分かれるという考え 見分ければよいか、まだ一〇〇 % 成功とまではいってを利用したものです。ウシの精液を、この方法で分離 いませんが、現在試みられているいくつかの方法をおさせ、うわずみの精子を人工受精したところ、ほとん 話ししましよう。 ど、おすが生まれたということです。 お ①電気の帯びかたで区別する法 ③人工受精を利用する法 これは、一九一一三年ごろ、ドイツのシュレダー博士 人間のばあい、人工受精をすると、男の子の生まれ でスば がウサギの精子を電場に入れて実験した方法です。 る率が高いのではないかといわれています。人工受精 ・ま じその結果、精子と >A 精子とでは、電気の帯びかたでなくても、ふつう男の子のほうがすこし多く生まれ ようきよく いんきよく ) のですが、人工受精だと、もっと差が ががちがうので、 >< 精子は陽極 ( + 極 ) 〈、精子は陰極る ( 女一 9 〇男 洋 ( 一極 ) へ引かれることがわかりました。しかし、そのついて、はるかに男の子のほうが多いのです。慶応病 に 確率は八〇 % です。 院でおこなった人工受精から生まれる比率も、はじめ 同 アメリカのゴードン博士が最近になって、同じ実験のころは、女一〇〇に対して男一六〇の割になったこ をやってみましたところ、こんどは七〇 % の確率ですとがあります。 が、ウサギのめすとおすとを生み分けさせることがで 人間のばあいにかぎって、なぜこうなるのか、その きたそうです。 原因はまだはっきりわかりません。しかし、人工受精
て、最近、発表された有名な実験があります。これきません。 二つのお母さんザルを並べておくと、赤ちゃんザル は、アメリカの心理学者ハーローが、サルの赤ちゃん は、布製のお母さんにかじりついて、首だけとなりの についておこなったものです。 生まれてすぐに、サルの赤ちゃんをお母さんから離針金ザルのほうにのばして、おつばいを飲むのです。 して、人工的に作ったお母さんザルの人形を二つ与えとっぜん大きな音がしたりして、恐ろしいときには、 ます。 赤ちゃんザルはいちもくさんに布製のお母さんのとこ 一つのお母さんザルの人形は、針金で作ってありまろにとんでいき、しがみつきます。けっして、針金ザ す。もう一つのお母さんザルは、やわらかい布で作っルのほうには行きません。 これは、サルの話ですが、あなたは赤ちゃんに対し てあり、中にはお湯を通して、あたたかい肌のような 感触を与えておきます。針金のお母さんザルのおつばて、針金製のお母さんでしようか、それとも、布製の いからは、お乳が出るようにしてあります。布製のおお母さんでしようか ? 母さんザルは、肌ざわりはよいのですが、お乳は出な * ゆっくりお乳を お乳の心理学 いのです。 サルの赤ちゃんに、この二種類のお母さんザルを与赤ちゃんが泣いたらお乳をあげてごらんなさい。ゅ つくりと、のんびりと、じゅうぶんに。 えたら、どちらのお母さんザルをより好むでしよう ただし、そのまえに、つぎのことをたしかめてから か ? 実験の結果、赤ちゃんザルは、圧倒的に布製の お母さんのほうに行くことがわかりました。針金のおにしてください。 母さんのところへは、おつばいを飲むときだけしか行①長い時間目をさましていたあとで、ねむそうではあ 142
りゅうし の粒子を通しやすく、アレルギーの下地をかんたんに赤ちゃんコンクールで、優良児としてえらばれた赤 こしらえてしまう危険があるからです。新生児期にちゃんが、人工栄養児であることを誇りに考えたの は、できるだけ牛乳をのませないで、母乳で通すことは、すでに昔のことになりました。それは、以前は人 が望ましいのです。 工栄養はむずかしいものと考えられていましたので、 * 母乳は、手間がかからす安全 人工栄養でもりつばに育てたことを、ほめたたえる意 人工栄養では、いろいろな手間がかかるし、知識も味でもあったのです。 必要ですが、母乳ではそんな手数がはぶけます。いっ たしかに、いきとどいた注意で育てた人工栄養児は でも、適当な温度で、消毒の手間も知識もいらず、ど よく太って、体重が多い傾向があります。けれども、 んな不便なところでも、昼でも夜でも、かんたんに、 ただ太っていることばかりが、健康なしるしではない しかも最高の食べものとして、赤ちゃんに安心して飲のです。むしろ、最近では、太りすぎないような育て ませることができます。 方が理想とされています。たとえ体重が多くなくて もしも、何かの災害がおこったとしても、赤ちゃんも、体が小さくても、病気をしないし、運動機能の発 じようちょ 間の食べものには、みじめな思いをしないですみます。達がよく、知恵づきや情緒の発育もよい赤ちゃんが祝 月 カ そして、経験のないはじめての母親でも、母乳をのま福される時代です。このことは、最近の赤ちゃんコン せていれば、赤ちゃんを育てるのに、なんのまちがいクールでのえらび方にもあらわれています。 の 初もおこりません。もっと現実的に考えれば、人工栄養愛育病院にいらっしやる赤ちゃんたちをしらべたこ よりすっと経済的でもあるのです。 の数年間の統計では、母乳で育てた赤ちゃんと、人工 * 目に見えない発育のちがい 栄養で育てた赤ちゃんとをくらべると、体重や身長か ほこ
」カせぎなどの経こしたことはありません。 受胎調節や避妊法に失敗したり、ヒ、、 済的な理由で、妊娠中絶の手術をうけるかたが多くな * 異常妊娠になりやすい ってきました。いまきらいうまでもなく、安易な気持人工中絶の手術は、そのほかの外科的な手術とちが って、目に見えない子宮の中のものをかき出す特殊な で人工流産をしていると、その後のお産に不利なこと が、ときどきあります。いざ、子どもがほしくなった手術ですので、その技術はかなりむずかしいのです。 ときも、流産しやすいとか、不妊症になってしまった一回だけ受けても失敗することもあるし、何回受けて も、うまくいくこともありましよう。しかし、そのと ということもまれにはあるので、はじめての妊娠はよ しきゅう ほどの理由がないかぎり、人工中絶をしないで生むにきには異常がなくても、その後のお産のときに、子宮 がいにんしんぜんちたいばんたいばんそうきはくり 外妊娠、前置胎盤、胎盤早期剥離などという異常が、 る 勦人工妊娠中絶の経験者におこりやすいといわれていま に合 因場す。 原い のな子宮外妊娠とは、胎児が子宮の中にやどらずに、お らんかん 産ら 難な もに卵管中にとどまったもので、そのまま大きくなる がば れと、卵管が破裂して、おなかの中で大出血をおこすの 一、 ) 手なで、母親の生命が危険なことがあります。 不し のを 前置胎盤とは、胎盤が子宮の入口にできてしまった 術開 手切 もので、お産が順調にすすまなかったり、出血が多く 絶王 なるので、早く発見して帝王切開などの適切な処置を
をふりかけて、消毒ガーゼを当て、包帯をするか、か国ぐにに、やっと追いついた最近では、都会の人ほど 母乳をおろそかにして、人工栄養に走っている傾向が ぶれないばんそう膏でとめておきます。 この一週間ぐらいのあいだに、おへそがジクジクしあります。 お勤めをもった母親がふえてきているということも たり、黒っぽい血がガーゼについたり、ただれたりし なくなれば、手当をやめてよいのです。 ありますが、人工栄養でもりつばに育っし、母乳を飲 まぜると、母親の容姿がおとろえるのではないか、と * 青いアザと赤いアザ お尻や、手首、足首に青いインクのような色のアザいうまちがった考え方をしていることによるのではな じはん もうこはん いかと思われます。 がありますが、これは児斑とか蒙古斑といって、五 ~ ところが、かって人工栄養隆盛の時代をきずきあげ 六歳ごろまでに消えてしまいます。まぶた、唇の上、 首すじなどにある、うす赤いアザは、お誕生日ごろまた欧米では、すでに人工栄養は否定されて、母乳栄養 でに消えます。しかし、もり上がったまっ赤なアザへとかえり咲いているのです。この、一見皮肉なリ・ハ で、お誕生日ごろまでにうすれないときは、手当をすイバルム 1 ドとも受けとれる欧米の母乳栄養への復帰 は、たんなる流行ではありません。科学の進歩にとも る必要があります。 なった、栄養学的な、また母と子をむすびつける心理 学的な立場からみた、人間尊重への、真剣な前向きの 母乳のたいせつなわけ 姿勢なのです。 * フランスの母乳主義の伝統 伝統的な育児をみずから誇っているフランスでは、 二 0 年もおくれていた日本の育児の水準が、欧米の
日本では、いま、一〇〇人に二 ~ 三人の割合で、奇形や精薄やてんかん などの「異常児」が生まれています。これは恐ろしいことです。この問題 の重要なカギをにぎるのは、じつは、お母さんのおなかにいる間の赤ちゃ んの環境であることが、最近の研究によって、はっきりしてきました。 この本で、出産前育児法に力を入れたのも、そんな悲しい不幸をふせぎ たい、私たちの願いからです。しかも、出産前育児ということは、あなた の大事な分身を、あなたの期待どおりのよい子にするためにも、ぜひ必要 なのです。 あなたは、母乳栄養と人工栄養とは、同じようなものだと思ってはいま ぜんか ? 人工栄養のための乳製品は、母乳化をめざして、たしかに改良 をかさねています。しかしなお、母乳にはどうしてもおよばないのです。 人工栄養の赤ちゃんが受けるさまざまな不利益を、私は毎日、目にしてい ます。この本では、母乳栄養に成功する方法をくわしく書きました。授乳 は美容上のマイナスになる、などというとんでもない迷信は、一年以上も ダラダラお乳を飲ませつづけていた、昔の育児法のなごりでしよう。 赤ちゃんが生まれてしまうと、とかく、毎日の世話に追いまわされて、 お母さんは、身体的な発育・発達だけに夢中になりがちです。生まれたと きから、赤ちゃんの人格形成ははじまっていることを忘れていませんか ? ・ 4
いろいろ不都合なことがあります。それで、牛乳を赤クの濃さ、砂糖、穀粉の加え方、などがちがいます。 ちゃんの食べものとして、適当な状態に近づけなけれおおよその基準は、粉ミルクのかんに説明があり、牛 ばなりません。それには手を加え、調合してからあた 乳やエバ乳についてはこのあとに書いてあります。ふ ちょうにゆう えますが、その操作を調乳といいます。 つうは一般的な基準に合っていれば、たいしたまちが ところで、あなたは、実際に調乳したミルクを飲まいはおこりませんが、あまりかけはなれた調合の仕方 をようとするとき、い 0 たいどの乳製品をつか 0 たらたと、赤ちゃんが順調に発育しません。もし発育が順 よいか、迷うことがありましよう。乳製品によって、調でないばあいは、医師の指示をうけましよう。 それぞれに特徴があり、調乳の仕方も違いますので、 正しい人工栄養をすすめるには、健康相談をうけな つぎの。ヘージの表を参考になさってください。 がら、その赤ちゃんの発育状態に応じて、医師に調乳 * じよらずな人工栄養のすすめ方 の指導をうけることが望ましいのです。 母乳にはおよばない人工栄養の欠点を、なんとかカ図 消毒、清潔が調乳の第一歩 ・ハーしてじようずに育てるためには、ひととおりの知調乳はどれでもくさりやすいし、ばい菌が繁殖しゃ 識と注意がいります。最近では、乳製品も改良されてすいので、ちょっとでもゆだんすると、赤ちゃんに消 いますので、人工栄養の赤ちゃんもりつばに育ちま 化不良をおこしてしまいます。調乳のとき、手をセッ す。しかし、ぜひとも、つぎの事がらを心得ていただケンとプラシで洗うこと、器具はきれいに洗って消毒 きたいのです。 すること、乳製品の保存にくれぐれも注意することで 月齢によって調合の仕方が違う す。また、台所にハエやゴキプリがはいりこまないよ 赤ちゃんの月齢によって、牛乳のうすめ方、粉ミルうな対策も必要です。 154
ん、未熟児などに母乳がとうとばれるのは、母乳の中方にかけて熱をだし、午後になるとさがるというぐあ に、病気にかからないための免疫体がふくまれているいに、暑いあいだじゅう、熱が上がったりさがったり からです。 する一種の夏まけの状態があります。これも人工栄養 しんしっせい やたらと体重が多くて、ぶくぶく太りの、滲出性体児に多くて、母乳栄養児ではすくないのです。 質の赤ちゃんは、そのほとんどが人工栄養児で、とき こんなふうに、病気や、なにかにつけて、私たち小 には医者泣かせのことがあります。それは、仮性コレ児科医は人工栄養の赤ちゃんの不利な面に接している ラともよばれている白色便下痢症という赤ちゃん特有ので、やつばり母乳で育てるほうが赤ちゃんのために の病気です。晩秋から初冬にかけておこりやすく、白も、ひいてはお母さんがたのためにも有利だという考 い下痢便を出し、はげしい吐き気をともな 0 てきまえを、せつじつに持たざるをえないのです。 おうと す。重いときは、一日に一〇回以上の下痢や嘔吐をく * 生後六週間はどうしても母乳を りかえして、脱水症状のためにぐったりしてしまい、 すくなくとも、生後五 ~ 六週間は、赤ちゃんにとっ シック状態をおこします。こんなとき、静脈に点滴て母乳が必要です。この期間を最低の必要期間と考え 注射をするのがたいせつな治療法ですが、ぶくぶくふてほしいのです。これならお勤めのかたでも産後の休 月 とりの赤ちゃんには、静脈注射がむずかしいうえに、 カ 暇を利用すればできますし、またどんなに母乳分泌の ショック症状も重くなりやすいのです。 の よくないかたでも、このくらいのあいだなら、多少と 初この病気にかかる赤ちゃんのほとんどが、人工栄養も出るはずです。 児ですし、母乳栄養児では、かかっても軽いのです。 さらに理想をいえば、生後三カ月間、つまり離乳食 かきねっ 夏季熱といって、あつい夏のあいだ、夜中から明けをあたえはじめるまでのあいだ、母乳で育てることが めんえきたい てんてき
と調乳とを一回おきに交互にのませてもよいのです。出したいこともあるし、このころから、そろそろ調乳 調乳の量は、赤ちゃんまかせにして、飲むだけ与えにもならしておいたほうが、あとになって、母乳をは ればよいのですが、調乳を飲んだあとは、つぎの授乳なすときにもうまくいく、という意味で、一日に一 まで、できるだけ三時間以上あけてください。 二回、調乳を飲ませはじめるのも、よいことです。 生後五 ~ 六週間以上たって、お母さんだけが外出し * 混合栄養がうまくいかないとき たいときなどは、この母乳と調乳とを、交互に飲ませ赤ちゃんが三 ~ 四カ月になると、調乳をいやがっ るやり方をすれば、五 ~ 六時間ぐらいは体があくわけて、たりない母乳ばかりほしがることがあります。四 です。 カ月近くであれば、早めに離乳食を与えはじめて、母 ③一日に一 ~ 二回調乳をたす 乳の不足分をおぎなうこともあります。そして、母乳 また母乳はよく出ているけれども、ほんの少したり が少ししかでないときは、思いきって、人工栄養にし ん ゃないかもしれないと思うときは、この方法で調乳をおてしまわねばなりません。反対に出のわるい母乳をい 赤ぎなってみましよう。夕方の、母乳のでかたの悪い時やがるときも、人工栄養になってしうことになりま の 月間に、一回だけ調乳を飲ませるとか、三カ月になってす。 も夜中におなかがすくようなときは、夜一〇時ごろに ~ 一回調乳をたつぶり飲ませてみる、ということもいい カ でしよう。 また、とくに母乳がたりないわけではないけれど、 生後一 ~ 二カ月たったころには、あなたもときには外 - 物人工栄養の「ツ 牛乳をそのまま小さい赤ちゃんに飲まをることは、 153
まれたばかりの赤ちゃんに、たやすく消化吸収されるうしても補正できない間題がのこるのは、しぜんの真 ようにできています。 理だといえます。 ですから、ちょっと前まで、子宮の中で母親の血液 その一つのたとえとして、乳糖をひきあいにだして で養われていた新生児にとっては、この初乳にまさるみましよう。母乳には乳糖がたくさんふくまれていま 食べものはないのです。 すが、牛乳にはその半分ぐらいしかふくまれていませ せい お産のあと、一 ~ 二週間たっと、初乳につづいて成ん。そこで人工栄養のときには、牛乳に乳糖をくわえ たいこう じゅくにゆう 熟乳がでますが、これは、六カ月すぎになると、退行て、量的に補正することはできますが、乳糖の質の面 にゆう から見ると、それでよいとはいえないのです。つまり 乳にかわっていきます。このように、母乳の成分は、 赤ちゃんの発育にしなかって変化していきますが、こ母乳の中にふくまれている乳糖は、抗クル病作用とい れは、牛乳で育てる赤ちゃんにはどうしてもえられなって、赤ちゃんのクル病を予防する要素がふくまれて 利点です。 いますが、牛乳の中の乳糖や、またあとから加えた乳 * 母乳と牛乳はどこがちがうか 糖には、そういう要素はふくまれていないのです。 間それにひきかえ、人工栄養の材料である牛乳は、な事実、私たちの経験でも、母乳で育っている赤ちゃ カんといっても、ウシの子どもを育てるために、つごうんは、クル病の傾向をもっていることはほとんどない よくできあがっています。その牛乳を、人間の知恵のにくらべ、人工栄養児ではひじように多いのです。 の そのほか、たんばく質、脂肪、ミネラル、消化酵素 判で、いくら母乳に近づけようと努力してみても、どう にもならない不都合さがのこります。科学が進歩すれなどについても、母乳と牛乳とでは、乳糖のばあいと ばするほど、母乳のよさがわかり、牛乳を科学的にど同じような、質的、量的なちがいがあって、牛乳をど にゆうとう