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検索対象: (財)日本自然保護協会資料集第35 NACS-J エコツーリズム・ガイドライン
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1. (財)日本自然保護協会資料集第35 NACS-J エコツーリズム・ガイドライン

旅行者が、生態系や地域文化に悪影響を及ぼすことなく、自然地域を理解 し、鑑賞し、楽しむことができるよう、環境に配慮した施設および環境教育 が提供され、地域の自然と文化の保護・地域経済に貢献することを目的とし ( 注 1 ) 5 ドラインおよび提言を以下にまとめた。 スト、企画者、ガイド、受け入れ側などの協力が必要であり ( 注 3 ) 、そのガイ れは単に旅行者の自覚や旅行業者の工夫だけで達成されるものではない。ツーリ 自然と文化の保護、地域経済に貢献する社会的しくみが作られることであり、 とは、このような形態の「エコツアー」が繰り返し行われることにより、地域の うことなく、適切な人数の参加によるツアー形式」をさす。「エコツーリズム」 べく、自然地域の中において、環境、自然 ( 景観 ) 、野生動植物、生態系を損な 生動植物、生態系を理解し、鑑賞し、加えてそれらに関する倫理観を向上させる ちなみに、「エコツアー」の定義とは、「参加者が、環境、自然 ( 景観 ) 、野 ばならない。工コツーリズムとは、それらの諸条件を含む全体像である。 護」、「旅行形態」を目指すためには周辺の諸条件が整えられ、実行されなけれ めに、また「環境に配慮した施設」、 「環境教育」、「地域の自然と文化の保 で述べている「悪影響を及ばさず」、「自然地域を理解し、鑑賞し、楽しむ」た ーリズム」が成立するための社会的条件が書かれている。つまり、この定義の中 は、まず ( 1 ) 「エコツアー」の形式が取り上げられ、続いて、 ( 2 ) 「エコツ 件、ツアーの効果、成果などを含む全体像を指すべきだと考えた。上記の定義に ツアーの形式だけをさすのではなく、 ( 2 ) ツアー形式とそれを支える周辺の条 どを広く指す。これについては異論がないが、 「ツーリズム」と呼ぶ場合、 ( 1 ) 「エコツアー」の「エコ」は、エコロジー、生態、環境、野生動植物、生態系な てそれぞれの定義と相互関係について検討した。 「エコツーリズム」あるいは 次に、「エコツーリズム」と「エコツアー」というよく似た 2 つの用語につい 護地域および観光の実態をよく反映したものであると考えたからである。 各国の政府、 N G O 関係者によってまとめられたものであり、この地域の自然保 なぜなら、この定義は、 N A C S ー J が議長団の一員として加わり、東アジア 考とした。 ジア国立公園保護地域会議ワークショップ ( 1993.9 ) における定義 ( 注 2 ) を参 ェコツーリズムの定義を考察する過程において、検討会の委員は、第 1 回東ア 2 . た旅行形態 工コツ リズムの定義

2. (財)日本自然保護協会資料集第35 NACS-J エコツーリズム・ガイドライン

3 ー 4 ) 保護地域 ( 国・地方自治体 ) のガイドライン 3 . 1 . 工コツーリズムガイドライン く提言 > 保護地域の収容力を科学的に設定し、自ら遵守するとともに、関係者にそれ を守らせる 収容力 (Carrying capacity) とは、その保護地域が受け入れることのできる施 進されるべきである。 域の自然の理解に役立つような利用はインパクトが小さい状態に保ちながら促 ションや自然へのインパクトが大きい利用は排除されるべきであるし、保護地 トロールされる必要がある。保護地域の中で行われる必然性が低いレクリエー のものが自然への接触度とインパクトの大きさを評価した上で、きちんとコン 工コツーリズム的なものであるべきであり、アウトドア・レクリエーションそ クリエーション利用が混在している。しかし、保護地域での利用は、本来全て 利用のコントロールが十分ではない多くの保護地域では、いろいろな種類のレ 大きくてインバクトが小さい利用を促進する。 3 . 自然への接触が少なくてインバクトが大きい利用を排除し、自然への接触が 措置を講じるべきである ( 注 2 ) 。 管理当局は保護地域に入れ込みのできる定員を設けて、これが守られるような る。こうした状態を過剰利用 (over us e) という。過剰利用を防止するために 荒らしなどによって生態系への影響が出るとともに、利用の快適性も損なわれ 通手段の台数などでも示される。最大入れ込み数を超えた利用があると、踏み 徒歩以外の方法で入ることが許されている場合 ( 例えば自動車 ) には、その交 「最大入れ込み数」とはある地域に一度に入ることが許される利用者数をいう。 ルする 2 . 保護地域の最大入れ込み数を設定し、過剰な利用にならないようコントロー が望まれる ( 注 1 ) 。 管理当局以外のものが行う全ての行為を審査して、これを厳正に守らせること 基づいて、収容力を定め、自ら施設の整備などにあたってこれを守るとともに の設定とその遵守が必要である。管理当局は保護地域の自然環境調査データに するこうしたマイナスの影響を防止するためには科学的な調査に基づく収容力 をもたらす。また過剰な入れ込みは快適な利用の障害にもなる。保護地域に対 は、保護地域の生態系や景観に不可逆的 ( 一度壊れたら元に戻らない ) な変化 設や利用者などの上限と定義される。収容力を超えた施設や利用者の入れ込み

3. (財)日本自然保護協会資料集第35 NACS-J エコツーリズム・ガイドライン

7 . 調査研究に基づく、保護地域の生態系管理や環境教育プログラムの提供を行 つ。 保護地域では、通常その設立や管理計画策定の基礎資料として自然環境調査が 行われるが、設立後も継続して生態系のモニタリング調査を行っている例は少 ない。調査の項目は、気象、地形、土壌、水象などの非生物的な自然要素から 植物、動物などの生物的自然要素まで多岐にわたり、とくに生物については植 物相、植物群落、哺乳類、鳥類、両生類、は虫類、魚類、昆虫類など総合的に 行われることが望ましい。また従来、こうした調査の結果は報告書にまとめら れてきたが、生態系の管理や環境教育への活用は十分とはいえなかった。調査 内容が専門的であることや、調査項目の相互の関連がうすく、その地域の生態 系をどう捉えるかという視点にやや欠けていたことが主な原因と思われる。今 後、管理当局は科学的調査を大いに活用して、生態系の保護管理を行ったり、 環境教育のプログラムの作成、あるいは提供していくことが求められる。 8 . ェコツアーの企画者やガイドの研修・学習の機会を提供する。 工コツアーの企画者やガイドに初めからエコツーリズムのエキスパートである ことを期待するのは難しい。研修や学習の機会が豊富にあって、はじめてよい 企画者やツアーガイドが育ってゆくのである。学習の機会はエコツアーを行う 民間サイドが社員研修などの形で設けるべきことはもちろんであるが、管理当 局もその持てるノウハウを充分に生かして多様な研修の機会を提供することが 求められる。研修の機会の提供は、良質なエコツーリズムの実施にとって不可 欠であり、望ましいエコツアーが実現することによって、管理当局にもプラス の成果となるであろう。 研修のプログラムにはどの保護地域にも共通する総論的な内容と、その保護地 域の自然や文化について学習するような各論とがある。総論の方は、エコツア ーに関わる全ての民間会社等の人々が受講すべきものである。また、各論の方 は、その保護地域でサービスの提供を行う人々が受講すべきものである。 した研修のプログラムは自然解説を行うレンジャー ( インタープリターともい う ) の研修内容とも共通点が多く、管理当局にとっては早急に実現すべき課題 であるといえる。 9 . 保護地域内で行われる民間の環境教育活動を援助する。 保護地域内では、民間の自然保護団体やボランティアによる環境教育活動が行 われることも非常に多い。保護地域の生態系に悪影響を与えない限り、多様な 環境教育活動の実施は、利用者にとっても保護地域にとっても望ましいことで ある。とくにパッケージツアーではないフリーの利用者にとっては、 N G O な どによる活動が環境教育を受けるよい機会となる。管理当局は、ビジターセン ターなどの施設使用の便宜提供や、プログラム作成のための資料提供などハー ド、ソフトの両面からこうした N G O などによる環境教育活動を支援すること が望まれる。

4. (財)日本自然保護協会資料集第35 NACS-J エコツーリズム・ガイドライン

る。国立公園当局は資源開発の調和を保っ 回復ゾーンには最も有効なサンゴ礁を含 とともに、可能であれば、観光開発を地域 めるものとし、グラスポートやシュノー 文化や地域の生活方法にとけ込ませるメカ ケルによる観光客の魚介類観察とも組み ニズムを創設すべきである。沿岸部や島し 合わせるべきである ) ょ部のハビタートにおける観光開発におい て観光計画立案者は次のような種類の資源 ーマングローブマングロープの生態系 の問題点に直面する可能性がある。 は、商業的に重要な魚類やその他の海生 生物の採餌産卵場所として大切な役割を ー釣り特定地域における生活物資市場 果たしている。マングロープの生態系は や中小市場レベルにおける魚釣りは長年 潮間帯における淡水あるいは海水の移動 にわたり供給と需要との間のバランスを を調整するだけでなく、広範囲の生物種 作り出してきた。ところが大規模な観光 にハビタートを提供している。したがっ 開発に刺激されて需要が大幅に伸びてく て、これを保護することはサンゴ礁水域 ると、伝統的漁業によって従来保たれて における生産性の維持にとって必要不可 いたバランスが崩れてしまうことがある。 欠である。マングロープの環境の管理保 これによってたちまち過剰漁獲に陥り、 全については、適正な国家政策が確立さ 価格は高騰し、地元民へのタンパク質供 れつつあるので、観光開発計画ではこれ 給量が減少することになる。したがって、 を順守すべきである 観光開発計画の一環として漁業管理を改 善していかなければならない。そのため ー希少地域自然地域が観光客用の施設 に必要な措置としては、資源量判定のた やそれに伴う地元民の定住によって危険 めの漁獲量データの報告制度 ; ハビター にさらされている場合には、希少地域の トの破壊防止や、必要に応じた漁獲禁止 管理は緊急に行うべきである。民間資金 による生息水域の保護 ; 稚魚の保護を目 による開発は、ホテル建設予定地を大変 的とした漁網や手網のメッシュ規格の設 美しく希少性の高い海岸地帯や海浜にで 定と施行 ; 禁漁で守られる魚影回復ゾー きるだけ近接させて、選定しようとする ンの設置などが挙げられる。 ( この魚影 例が多い。したがって、海岸地帯におけ る利用目的の大半がレクリエーションで ある場合、あるいは優れた観光ポイント が観光施設密集地に近接して発見された 場合には、開発に先立って観光資源埋蔵 量の調査やゾーニング、管理計画などを 実施し、貴重な自然地域の保全や一般利 用が確実に行われるようにすべきである。 ー自然の価値がきわだって優れた地域 湿地、海中林、サンゴ礁、極相の雨林な どー自然状態で一次生産性の高い地域に ついては、保全や保護管理面において高 い優先順位を与えるべきである。破壊や を 資源の観光用利用と地域住民のための利用との間で 問題が生じないよう、入念な調査を実施しなければな らない。ネパールのチトワン国立公園では専門家が住 民と意見交換を行っている。 撮影ジェフリー・ A ・マクニ

5. (財)日本自然保護協会資料集第35 NACS-J エコツーリズム・ガイドライン

テイデ火山 ( カナリー諸島テネリフェ ) の山頂まで、ケー プルカーを敷設する計画が持ち上がったときの例に見られるよ うに、脆弱な島しょ生態系の環境収容力については、入念な判 定を行わなければならない。 ( 写真提供 : 工クトール・セバリョス・ラスクライン )

6. (財)日本自然保護協会資料集第35 NACS-J エコツーリズム・ガイドライン

注 1 ) N A C S ー J のエコツーリズム定義は、 N A C S ー J の名称および出典を 明記することを条件に、著者に断わりなく自由に引用することができます。 注 2 ) 第 1 回東アジア国立公園保護地域会議でのエコツーリズムの定義 : " 環境に配慮した旅行の推進または旅行者が生態系や地方文化に対する著しい 悪影響を及ばすことなく自然および文化地域を訪れ、理解し、鑑賞し、楽しむこ とができるよう施設および環境教育を提供すること " "The promotion Of environmentally sensitive D I F I N I T I ON OF E COTOUR I SM : tourism and the provision Of facilities and environmental that tourist will visit, understand and appreciate and enjOY natural and cultural areas without causing unacceptable impacts or damage tO their ecosystems or tO local culture 生態旅遊的定義 : ・・提供美好的旅遊環境 , 適当的設備和環境教育 ; 因而使旅客暦 到 , 了解 , 感受和欣賞此自然環境与文化区域 , 並且在此生態環境与当地的文化中 不受到不当的影向或者破壊 " ( 第 1 回東アジア国立公園保護地域会議 / 1 9 9 3 年 9 月、中国・北京 ) 注 3 ) 工コツーリズムにおける各分野の役割 マスツーリズム 気晴しを目的とした団体旅行 自然破壊、地域文化への悪影響 自然や文化に配慮を欠くガイド 自然を破壊する大規模な施設 自然や地域からの利益収奪 工コツーリム 保護地域や住民への利益還元 自然への悪影響をさけた施設 環境倫理を身につけたガイド 自然保護、地域文化への敬意 自然や文化を訪ねる小人数の旅 工コツーリストとしての自覚を持つ 自然と地域文化への敬意 生態系の一員としてふるまう 地域の伝統、経済に悪影響を与えない 環境愉理を身につけたガイドになる 自然と地域文化の理解と解説 自然へのローインパクトの指導 地域文化との摩擦を防く方法の指導 工コツーリズムのデザイナーとしての責任 自然と地域文化に配慮した旅行デザイン 旅行者、ガイド、地域のコーディネート 保護地域あるいは地域への利益の還元 自然と地域文化への誇りを持つ 自然の収容力、環境への影響に配慮した施設 旅行者および住民に対する環境教育の提供 保護地域や住民に対する利益速元のシステム 旅行者の役割 ( 1 コツーリスト ) ガイドの役割 ( ツアーオへ・トタ - ) 送り手の役割 ( 旅行会社 ) 受け手の役割 ( 自然公園、 宿泊施設 etc ) 6

7. (財)日本自然保護協会資料集第35 NACS-J エコツーリズム・ガイドライン

持続的成長を達成するには、地球の土地の一部を保護地域として確保すること が必要である。そのような保護地域は、人々のために自然と文化の遺産を保存す ることにより、また、人口増加に伴う生態系のバランスをとることにより人間社 会に貢献する。 しかし、保護地域を守らないことは、大きな損失であり、特に発展途上国でそ れがいえる。これらのコストを償うために多くの国が国立公園における観光事業 を推進している。そのような動きは、人々の自然と接したいという願望をかなえ るだけではなく、つぎの世代へ引き継ぐべき自然の遺産を認識する機会を与える。 国立公園や他の保護地域における観光事業は、資金調達メカニズムとしてひい ては自然保護の一手法となる。しかし、このメカニズムはツーリズムの形態や管 理、レベルがその地域に適切なものであり、地域の環境収容力が考慮されてはじ めて可能となるであろう。 各国が国立公園や関連保護区域を持続的に管理していくのを援助するため、 w T O と U N E P は協力してガイドラインを出版した。また、顧問として 1 U c N の多大な助力を受けた。 このガイドラインはつぎに上げるような国立公園や関連保護区域の管理に携わ るすべての人々に利用されることを目的とした実作業用文書である。 ー国立公園の管理者およびスタッフ ー州や郡、あるいは地方機関の設立した公園を含む関連保護区域の管理者 ーエコツーリズム事業の立案、展開、また場所決定に責任のある国立観光局の 人事担当者 ー公園や保護区域のある地方の委員会の委員 国立公園におけるツーリズム活動によって、自然保護への支持と、持続性の原 則に対する尊重を確かなものにしようと努める人々にとって、このガイドライン は現場で役立っ包括的な参考書となるであろう。

8. (財)日本自然保護協会資料集第35 NACS-J エコツーリズム・ガイドライン

インターナショナル・エクスペディション 工コツーリズムの原則 9 . 1 0 . 1 1 . 1 . 2 . 3 . 4 . 5 . 6 . 7 . 買物で買いたたくということは、製作者の賃金が少なくなることだと心得 よ 自分の国においでというときは、すべての費用を負担できるときだけ 毎日の行動を振り返り、理解を深める時間をもとう。昔から、「自分が豊 かになるとき、誰かが盗まれ冒される」と言われてきた 旅行者、地元居住者の両方が自然生態系を敬い、理解し、最終的に保護す るようになること 交通、宿泊、ガイドなど、ホストカントリーから提供されたサービスが、 自然資源の保護に対する経済的インセンテイプを高めるように働くこと 旅行者が、地球的な視野のもとに、その土地の自然の役割を理解すること によって、周囲の環境に対する悪影響を防ぐ 旅行者の土地の慣習や伝統に対する敬意をはぐくみ、その国の人々のプラ イバシーと尊厳に注意をはらうよう実践する その国の自然と文化の美しさに敬意を払うことによって、その国の人々自 身が自然に誇りを持って保護することができるようにする 旅行者と土地の人々が、交流を通じて、互いに豊かになること。個人的な ものの交換を通じてでさえ、土地の伝統や工芸技術のすばらしさを知るこ とにつながる 自然生態系の複雑さデリケートな相互関係に気づき、汚染源を出さず、動 植物を脅かしたり傷つけたりしないようにする * ェコツーリズムは、それを計画しコーディネートする旅行会社、旅先で実際の 行動をコーディネートしている土地のガイド、そして旅行者自身の共通理解、相 互協力の上になりたっており、旅行者の経済的貢献と自然に対するたゆまぬ興味 が、この地球のすばらしい自然を守るための強力なインセンテイプとなっている。

9. (財)日本自然保護協会資料集第35 NACS-J エコツーリズム・ガイドライン

資料 1 ; 国立公園と保護地域における 観光推進ガイドライン ( N A C S ー J 仮訳 ) 世界観光機構 W T 0 C/ CAPITAN HAYA, 42 28020 MADRID SPAI N 国連環境計画 U N E P 地球生態系部門 産業環境計画活動センター TOUR M I RABEAU 39 ー 43 , QUAI ANDRE CITROEN 75739 PARIS CEDEX 15 FRANCE 執筆 国際自然保護連合 い IJ C N ) ジェフリー・ A ・マクニ ジェームズ・ W ・トーセル 工クトール・セバリョス・ラスクライン

10. (財)日本自然保護協会資料集第35 NACS-J エコツーリズム・ガイドライン

いるが、公園の自然的な価値を落とす でとても人気のある国となっている。 を決意するということもあった。 生物管理のために重要である。 、ヾールのサガルマタ国立公園クーン しかし、普通そういうものは、「観光」ことになり、結局、自然保護や自然と護 保護地域への観光やエコツーリズム、イノ の促進は、特に第三世界の国々に有益プ地区では、観光産業はこの地域の収とは呼べない「計画不足の観光」であ親しく交わる機会を作るよりも、団体 り、有害な影響の責任を問われるべき旅行がその主目的となってしまう。こ自 な結果を生み出す。ます、観光とエコ人の九〇 % にのばる。 ツーリズムは自然と文化の遺産の保全開発途上国のほとんどは、一般的なである。それとは逆にエコツーリズムのような理由から、公園管理者は地域 は計画的であり、そこで行われる活動や国の観光産業の専門家と密に調整を に対する関心をより一層高め、生態学観光開発の方式に期待をかけており、 は、開発の開始以前に影響と利益が注とりながら、観光活動と生態学的保全 これは四つの基本的要素からなってい 的悪化や汚染の防止を助ける。また、 開発に対して選択の余地のない地域でる。価格競争、適切な基本施設、交通意深く評価されるべきである。エコとの適切なバランスを捜す必要がある も旅行者たちの賢明な利用がさらに高の便、積極的な市場への売り出しであツーリズムは、文化的な豊かさも増すのである。 ことができる。それは、十分計画され まり、地域住民に対しても経済的な潤る。しかし、この四つがそろっても、 開発途上国の中でも、ケニアは、野 た解説プログラムがあることによっ いをもたらすことにもなる。 観光産業の発展の本当の成功に必要な のは、旅行者を引き付ける魅力や環境て、地域の人々の知識と技術とライフ生生物は狩猟などよりもエコツーリズ スタイルに焦点を合わせて公園づくりムのほうが高い経済的利益を生み出す 状態なのである。 観光産業の本当の成功に と奨励する政策を続行している数少な をするようになってくるからである。 必要なものは・ : い国の一つである。 Western ロ 904 ) エコツーリズムの成功は、もう一つ しかし、すべての場合において、観の研究は、アンポセリ国立公園の乾燥 エコツーリズムが外貨獲得に大きなの重要な問題に依存している。つまり、 こ地域において、牛の飼育や、観光によ 可能性を持っことも重要な点である。 保護地域への観光旅行が集団殺りくの光産業のマイナスの付随効果を除くオ これまで、それに気づいていた国は少 ごとく行われれば、保護されるべき資めにも、人念な計画は必要である。特る野生生物を傷つけない利用など、さ に保護地域を考慮するとき、その土地まざまな土地利用を行った場合の経済 なかったが、保護地域における観光と源も破壊し得る。厳しい規制とガイド エコツーリズムの発展の奨励をした結ライン、適切な管理を通してのみ、重の人々の意見も聞くことが必要であ的な可能性を評価している。これによ 果、その国に素晴らしい経済的潤いを大な環境破壊を引き起こさずに保護地る。なぜなら、保護地域は土地の人々れば、一九七一一年におけるエコツーリ ストからの収人は、牛飼育によるもの というより、よその人々に都合の良い もたらしてきた。たとえばケニアでは、域への旅行は可能となる。 これはもちろん、エコツーリズムのように作られてきているものであるかより一六二倍も多かったという。 観光産業が一番外貨を稼いでいる。一 らだ。また、もし政府の役人や政策決 Th 「 eshe 「ロ 98 この古典的な研究 九八四年の観光からの収人は、二億四基本哲学である。自然地域への旅行は、 千万ドルであり、この三分の一は七つ これまで重大な環境破壊の一因であっ定者が、公園は元来経済的利益のためによれば、一頭のオスライオンは一生 のうちに、観光対象として五一万五〇 の国立公園からの収入である。コスタ オ不パールの山道は、侵食が進みトのものと信じその期待が満たされない リカでは、自然の生態と良く調和した イレットペ ーパーが散乱していた。まとなれば、いずれもっと儲けになる別〇〇ドルの外貨収人得ることができる 観光産業が、外貨収人源として過去一 、野生生物の移動を妨害し、不適切の土地利用を考えるだろう。また、政が、狩猟対象としては八五〇〇ドル、 〇年間安定して二、三位の位置につけ なゴミ処理で水中には藻類が異常繁殖府は、不適切な開発によって、公園かその他の宣伝目的で使われるとしても ている。コスタリカでは公園制度にし、狩猟や植物採集により生物が減少ら最大限の利益を得ようと努力する危九六〇 5 一三二五ドルと計算されてい くつかの土険性を持っている。大規模なホテルやる。またこの研究によれば、アンボセ z よって、公園がほとんど自然の生息地してきた。観光はまた、い リでは、観光事業によって二〇〇〇以 ハイウェイ、ゴルフコースは、多くの のまま、変化に富んだまま保護されて地文化を踏みつけにした。ひどいとき いることから、自然旅行グループの中は、観光の侵略によって村全体が移動旅行者を引き付けるように企画されて上もの職が生み出されたという。これ