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検索対象: 楽しい昆虫採集
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1. 楽しい昆虫採集

。百本一六〇円くらいである。 わめて用途が広い。 ◆ピンセット ◆展翅板 標本の作製にどうしても必要なもので、用途チョウ、ガ、トンポをはじめ、いろいろな昆 に応じていろいろの種類があるが、値段は高く虫の羽をひろげるための重要な標本作製用具で ても、先が鋭く尖って、腰の柔らかい、鋼鉄製ある。傾斜型と平型とがあり、傾斜型のほうが またはステンレス製のものが抜群に使いやすい 値段も高いが、美しい標本ができる。 展翅、展脚、修理、標本・採集品の整理等々き 傾斜型展翅板チョウの標本は展翅板からは すしたあと、どうしても羽が下がる傾向がある ため、傾斜型展翅板のほうがびんと張った美し 例 い標本ができる。展翅板は一度にたくさん必要 円円円円円円となることがあり、結構高いものにつくが、半 の 段 永久的に使える。 直 3 1 1 人 11 平型展翅板羽が下がった感じの標本になる 類 製 種 鉄 ので、値段が安い割にあまり好まれないが、羽 の の裏側を見せるいわゆる「裏展」をするにはこ 先型型型型 セ 付尖尖型付平の平型かよい。また、セミ、トンボ、バッタ、 ン 段先先段先 ピ ハチなど、胴体や脚が展翅板の溝に人らないも 236

2. 楽しい昆虫採集

部分にビニールテープやセロテープを巻いておしまったりすることがあるので注意が必要であ くとよい。そうすれば万一毒ビンを石の上に落る。青酸カリは酢や水を人れるとガスがよく発 としても、ガラスが飛び散ったり、毒薬が外に生し、効き目が強くなるが、潮解 ( 結晶が解け 出たりするのを防ぐことができるからである。 て液状になる ) の原因になる。 四塩化炭素殺虫力は強いが、揮発性が非常 また、取り扱い注意の目印 ( たとえば赤いビニ ールテープを巻く ) を付けて、酢酸エチルの毒に強いために一日に何度も補充しなければなら ないので不便である。また長時間人れておくと、 ビンと一目で見分けられるようにしておくこと 虫体がポロポロになってしまう。 も必要である。 アンモニア即効性もあり、からだが固くな 青酸カリは即効性があるので、鱗粉の落ちゃ らないので、展翅を必要とするガやその他の昆 すいガ類や毛の多い昆虫などを殺すには非常に よい。しかし、虫が硬直して、展翅や展脚がや虫に使える。ただし緑色の昆虫を黄変させる欠 りにくくなることがある。この場合は虫を別の点がある。青酸カリと併用するとよい。強アン 容器に入れて半日ほど放置しておくとまた柔らモニアを入れた毒ッポを用意しておき、青酸カ かくなる。緑色系の昆虫は変色しないが、アシリで仮死状態になった昆虫をこれに移す。メイ ナガバチやスズメバチなどの黄色が暗赤色になガ等の小型ガ類は、青酸カリで仮死状態になっ たものに微針を刺しておき、これをアンモニア る傾向がある。 また、取り出すのが早すぎると、死んだと思ガスで殺して展翅する ( ↓頁 ) 。大型のガや った虫が蘇生して逃げ出したり、鱗粉が落ちて甲虫にはアンモニア液を直接注射するのもよい 227

3. 楽しい昆虫採集

本絹製鱗粉が落ちにくいという点で優れてりやすいが、空気の抵抗も大きくなるので振り にくくなる 。、犯Ⅷ程度が一般的で、小さ おり、チョウやガの採集に適する。新品は糊が いものは長いつなぎ竿に取り付けて、高い所に ついているので、水洗いしてから使うとよい いる昆虫を採るのに使う。 欠点は、枝や刺にひっかけると破れやすいこと、 ネットの色本絹製には白、黒、緑色があり、 皺になりやすいこと、虫がつくことなどである。 ナイロン製一昔前のナイロンネットは本絹ナイロン製には白、茶、赤色がある。白色が普 製に比べて鱗粉が落ちやすいという欠点があっ通だが、黒や緑や茶のほうが目立たなくてよい たが、最近の製品はやわらかくなったので問題という人もある。また赤色のネットには、ある はない。本絹製よりも丈夫で破れにくく、皺に種のチョウが寄ってくることがあるので、とく に熱帯地方の採集に持って行くと思わぬ効果を ならず、水に濡れても乾燥が早い。値段も安い ので最も普及している。予備に幾つか買ってお発揮することがある。 ②わく付き金具鋼鉄製四折式、ステンレス くとよ 四折式 ( 通称イソダモ、イソダマ ) 、スプリン テトロンメッシュ目が粗くて風切りがいし ので、トンポなどスピードのあるものを捕るのグ式 ( 差し込み式、ねじ込み式 ) などがあ に適するが、鱗粉が落ちるので、チョウやガのる。 鋼鉄四折式値段も高く、重いが、非常に頑 採集には向かない 丈である。普通木製一本柄に取り付けて使用す ネットの口径印 5 、、北 5 、部 5 、 の五種類がある。口径が大きいほど獲物は人る。通常の採集に適することはもちろん、丈夫 218

4. 楽しい昆虫採集

が多いので、その採集方法もさまざまであるが、よい。貯木場ほどではないが、人家の薪が積ん 図鑑等でそれぞれの種の食樹や生態を調べて、 であるところも見て回ると結構とれることがあ 自分で採集場所を推理するのが最もよく、またる。採集用具は捕虫網、毒ビン、採集品を入れ 楽しい。狙った獲物がたくさんとれたときのうる箱または袋のほか、軍手があるとよい。 れしさは格別である。それぞれの食樹に集まる樹の花掬いこれはスウィーピング ( 掬い網 ものや、一般のビーティング・スウィーピング採集 ) の一種であるが、長いつなぎ竿を使って でとれるものや、灯火に集まるものは別として、樹の花だけを掬うという点で特殊なので紹介し カミキリムシ独特の採集法のみを簡単に紹介すておく。春ならばカエデ、夏ならばノリウッギ る。 やリョウブなど樹の花を捕虫網で掬うとハナカ 貯木場めぐり伐採した材木が積んである貯 ミキリがたくさんとれる。高いところに咲く花 木場や製材所はカミキリムシの絶好の採集場所を掬う必要があるので、できるだけ長いつなぎ である。特に山間の貯木場がよく、林業関係の竿を用意するとよい。採集する時間は午前中、 人や製材所の人に何か所か場所を聞いて、回っ 日のあたっている花を掬うとよい。午後になる て歩くといろいろの種類がたくさんとれる。時とあまり飛来しない。 期は一般的には五—九月がよいが、種類によっ材採集森や林の朽ちかけた倒木、立ち枯れ、 てはほかの時期のほうがよいこともある。特に太い枯れ枝等をピッケルや鉈で崩すと、幼虫や たくさんいるところでは、午前、午後、夕方、蛹や新成虫が出てくる。もちろんカミキリムシ 夜と一日四回ぐらい時刻を変えて回ってみると だけでなく、各種の食材性甲虫も出てくる。こ

5. 楽しい昆虫採集

◆採集旅行携行品一覧表 品名 備考 品名 捕虫網一式 ネット・金具・ 酢酸ェチル 木製一本柄 アンモニア 金具 予備スプリン 正露丸 グ枠など 予備 抗生物質 2 枚ほど つなぎ竿 またはニョイ棒 風邪薬 予備 傷薬 三角ケース 飼育する人は革 ばんそうこう 製 三角紙 整理用も含めて 注射器 多めに 採集用上着 毒ビン 採集用ズボン 毒ッポ 採集用靴・靴下 ビーティングネット 替シャッ 吸虫管 小甲虫採集に必 替下着・靴下 要 用途多い タッパーウェア 三角ケースをつ べノレト ける ーノレテープ 応急修理用 帽子 整理用具 採集箱 採集品・ 雨具 折畳み傘 小道具入れ ポンチョ 携帯用展翅板 小型チョウ・ガ 洗面用具セット 歯磨き石鹸 の展翅 髭剃 針、留針 小型チョウ・ガ 数本必要 タオル の展翅 用途多い アイシューベーノヾー 展翅テープ 小型チョウ・ガ 財布 勿論現金人り の展翅 四角紙 甲虫の整理 各種カード オチョコ直しや 各種会員証 ピンセット 整理に 運転免許証 レンタカー ハサミ 手帳 住所録 日付スタンプ 三角紙に押す サプサック スタンプ台 場所によって必 筆記用具 需品 カメラ 現地で買えない フィルム ことがある 地図 5 万分の 1 、ドラ イブマップなど 採集・旅行案内書 雨天時の退屈しのぎ文庫本、トラン プなど 備考 毒ビン補充用 殺虫用 防腐・防カビ剤 にもなる 薬品など 一衣類など 採集用具 一整理用品 採集記録用 161

6. 楽しい昆虫採集

生品展翅小型のシジミやセセリは死ぬとすが、チョウは展翅板からはすすと、どうしても ぐに体が硬くなってしまうので、採集したその羽が下がる傾向があるため、傾斜型のほうが美 日のうちに展翅しなければならない。中型以上しい標本ができる。平型は主として裏面展翅 は翌日でも大丈夫である。ただし、体が柔らか ( 後述 ) に使う。展翅をするときの机は斜面机 いうちにタッパーウェアなどの密封容器に人れ、がよいが、なければ辞書などを枕にして、展翅 カビよけに正露丸を数粒人れて冷蔵庫に保存す板と目の角度を直角に近づけるとやりやすい れば、一週間位は大丈夫である。また冷凍庫で②展翅テープ用紙 ( ワックスペー ーやトレー 凍らせ、これを解凍すれば半年後でも体が固まシングペー ー ) を展翅板の溝に当てて、板幅 らず、生品展翅ができる。 に合わせて縁のところで折り畳み、カッターで 準備するものは、傾斜型展翅板、展翅テープカットする。これを展翅板一本につき二枚ずつ 用紙、カッター、両面テープまたはセロテープ、作る ( もちろん既製品の展翅テープを使っても 昆虫針、柄付き針、留針、ピンセット、脱脂綿、よいが、幅の狭いものはいろいろ問題がある。 など ( ↓鸚頁以下参照 ) 。 市販のものでは透明なテープが最もよい。展翅 ①ます展翅するチョウの大きさに合った展翅板中でも羽の表面を観賞できるからである ) 。 を選ぶ。つまり展翅板の溝がチョウの胴体より③展翅板の上端木ロ部に両面テープを貼ってお も少し幅広く、チョウの羽を広げたとき展翅板き、展翅テープを展翅板の板幅とびったり重ね から羽がはみたさないものがよいわけである。 合わせて上端を折り曲け、木ロ部の両面テープ 展翅板には傾斜型展翅板と平型展翅板とがあるにしつかり貼り付ける ( これはセロテープで留 182

7. 楽しい昆虫採集

白馬のギフチョウ ハンド型ー 長野県の白馬村には、「イエロー といって、翅に黄色い縁取りのある、独特の美 しいギフチョウかいた ここに採集に行くと、腕章を巻いた監視員た ちが来て、「村の天然記念物なので採集禁止で す」などと言ったものである。 ところが、ナガノに冬季オリンピックを招致 するとかいうことになって、まだ来るか来ない かわからないオリンピックのために、大規模な ゲレンデが造成された。そしてその場所がまさ にイエロ 1 ハンドの産地だったのである。プル トーザーが入って無残に削られてしまえば、そ の産地のギフは全滅である。かくして天然記念 物指定は残り、蝶は消えた。 「なんだ、。 キフもカネを払えば採らせてくれた んじゃないか」と言う人もいる。しかし、オリ ンピックと違って何百億、何千億というカネは こっちにはい。 ( 奥本 ) 216

8. 楽しい昆虫採集

胸を押さえる 虫の中では蝶がやつばり、一番デリケートなのかも知れない。すぐ鱗粉が剥 がれ、痛んでしまうし、殺すときも、胸をつまんで押せばそれで済んでしまう ものが多い 冬が過ぎて、春先に出るコッパメ、ギフチョウなどという蝶を殺すとき、ち よっと嫌な気のすることがある。第一にこんなに綺麗な生きものを殺して動か なくするのは借しいという感じがする。しかし、だからといって生かしたまま 持って帰っても、室内で飛ばしたりしたら、たちまちポロになってしまう。そ : などと一言うのはしかし、もうすでにその れに胸を押すときの感触がどうも : 蝶を何度も採ったことがあって、感激が薄れているのである。永い間採りたい と思っていた蝶に会い、 それを首尾よく採ったときには、そんな感傷なんかの 入るスキはない。愛すればこそ殺す、欲しいからこそ殺すのである。人にとや かく言われても、ただ憧れを知るもののみ、と虫屋はつぶやいていればいいの である。

9. 楽しい昆虫採集

らしい標本箱に、翅がたれ下がった蝶や、肢があちこち勝手な方向を向いて、 チャールストンを踊っているような甲虫に、ただ針を刺し、しかしラベルはい っしようけんめい記人して、一夏の努力のあとを示すような、ひたむきな印象 を与える標本を差し出すのがよいのである。 要は国語の時間に書かされる詩や作文とコツは同じで、慣れて来るといい成 績をとる要領というものが飲みこめるのだが、生まれつき昆虫の好きなマニア 風の子供の中には、本気で宿題の標本ならぬコレクションを作り上げてしまう のがいる。そうして、無邪気にもそれを学校に持って行き、級友どころか先生 の嫉妬までも買って、デパート疑惑を招いたり、冷たく無視されたりするので 0 に はね A 南米産の蝶の標本 △世界のハナムグリの仲間の標本 △オサムシの標本 -6

10. 楽しい昆虫採集

昆虫は全動物の中でも、もっとも種類の多い、繁栄している生物である。海 の中にこそあんまりいないけれど、それ以外のありとあらゆる場所に適応して 住んでいる。 その数は、現在知られているだけでも百八十万種はあるだろうという。むか し、私などが子供の頃に読んだ本には動物全部で百万種類、そのうち六十パ セントが昆虫である、などと書いてあったように思うけれど、最近の本では、 知らない間にその数がずっと増えている。おまけに毎年、全世界で新種が七、 八千も発見され続けていて、最終的な実数については、昆虫学者によって意見 が違うけれど、現在の既知種の五倍とも五十倍とも考えられているというので ある。百八十万の五倍としても九百万種、五十倍なら九千万種ということにな る。これはまことに驚くべき数であって、十人十色とはいうものの、もとをた だせばただ一種類の人間が、昆虫を研究し、その全容を解明することは容易な ことではない。 虫の掴まえ方