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検索対象: 楽しい昆虫採集
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1. 楽しい昆虫採集

浴室、トイレなど水を使う場所の近くには置か ◆薫蒸 ないこと。一階よりも二階のほうがよい ◎二硫化炭素やパラフォルムアルデヒドを小 ◆カビ落とし 型の皿に入れて標本箱のなかに入れ、一週間ほ 標本にカビが生えてしまったときは、穂先のど密閉して滅菌する。 柔らかい乾いた筆でざっとカビを落としてから、 ◆シミ抜き・油抜き 市販のカビ落とし液を少量細い筆に付けてカビ を拭いとる。カビ落とし液が入手できないとき①食器洗いに使う中性洗剤をぬるま湯か水に は、自分でつくる。エタノール ( 薬用アルコー 少し溶かして、その中へ油の出た標本やシミ付 ル ) とフェノール ( 石炭酸 ) を 7 対 3 の割合で いた標本を浸けておくと、たいていの場合きれ 混合すればよい。 いに落ちる。これを水洗いして乾かす。 ーセントとアセトンパ ②べンジンパ 大燗 3 六五〇円 、 -0 O 四五〇円 ントの混合液を標本の入る密閉できる広ロビン に入れ、標本をその中に浸しておく。乾くと油 ◆カビ防止剤 やしみは取れている。 カメラレンズのカビ防止剤。これを標本箱の①の場合も②の場合も標本は蓋の内側にコル 中に一—二個人れておく。五個一五〇円 ( 虫友ク板を張って、そこに針を刺しておく。小型の ものは三〇分、大型のものは三時間ほど浸して 社扱い ) 。 249

2. 楽しい昆虫採集

のは、昼間だけでなく早朝や夜も見回ると、た くさん採れることがある。 誘引採集法糖蜜を使う場合は、ガの糖蜜採 の 集法 ( ↓頁 ) と同じ要領である。クワガタム タ ガ タ ワ シが樹液に集まる性質を利用して、人工的にク ワ ワガタムシが好む糖蜜をつくって、これを樹皮 ク コ に塗り付け、夜間見回って採集する。糖蜜のつ くり方の一例を示せば、黒砂糖燗、アルコー に採れることがある。オオクワガタならばクヌ ル類 ( 泡盛等匂いの強い蒸留酒がよい ) 燗 8 、 ギ、ルリクワガタの場合はブナの立ち枯れや朽 酢 3 を混合したものを水で二—四倍に薄めてちた倒木や枝を鉈やピッケルで壊して採集する。 使用する。 運よく新成虫が出てくれば問題ないが、蛹や幼 ハナナ、パイナップル等の果物をネット ( ミ虫が出てきた場合は朽木ごと持ち帰って飼育す カンなどを入れてあるものでよい ) や婦人用スる。飼育の要領はカミキリムシの場合と同じで トッキングなどに入れて樹にぶら下げておく方ある。 ( ↓ 頁 ) 朽木崩しは、成虫発生前 法もある。 の時期、秋、冬、春に行う。 朽木崩しオオクワガタやルリクワガタ等前 ◆コガネムシ ( 約三百種 ) 記の採集法ではめったに採れない種類は、発生 する場所へ行って朽木崩しをやると、案外簡単我が国最大の甲虫ャンバルテナガコガネや、

3. 楽しい昆虫採集

灯火 ( 水銀灯 ) 採集 のが最もよい。深夜遅くまで灯火の回りを活発も多い。山間の宿に泊まるときなどは、森林や に飛び回っていたものも明け方ごろにはすべて渓谷に面した部屋を取れば、居ながらにしてガ 灯火のそばの地面や塀や壁や崖などにとまっての採集を楽しむことができる。当然のことだが、 いて、労せずに採集できるからである。しかし部屋で灯火採集をする場合は、宿にあらかじめ 最近は、ガをはじめとする昆虫の飛来を嫌って、ことわって許可を得ておく必要がある。特別に 昆虫の好まない電灯に切り替えた所も多く、以電気を使ったりする場合は、その分の心付けも 前のようにたくさん採れなくなってしまった所必要である。 ◆灯火セット採集 蛍光灯または水銀灯、発電機、組み立て用パ イプ、白布、ロープ、シート等 ( ↓頁以下 ) を用意し、これらを好みの場所にセットして長 時間採集する方法が、何と言っても一番収穫も あり、またおもしろい まず、風のない、蒸し暑い、どんよりと曇っ た日、晴天ならば月の出ない日を選んで、森林 や渓谷を見下ろせるような場所に、写真のよう に組み立て用パイプをセットして ( あるいは立 126

4. 楽しい昆虫採集

場所に左右されるが、うまく行くと大量の収穫 ◆捜索採集法 がある。この採集法についてはガの夜間採集の これはそれぞれの昆虫の生態を調べて、どの項 ( ↓頁以下 ) で詳述する。 昆虫がどういうところにいるかを知って、その ◆誘引採集法 場所へ行って探して採る採集法で、たとえば雑 木林で樹液の出る木を探して、そこに集まるク昆虫の中には、樹液や腐った果実や腐敗物や ワガタやカナプン等を採集したり、目当ての昆糞尿等に好んで集まるものがある。この性質を 利用して、糖蜜 ( 黒砂糖をアルコ 1 ル、酢、水 虫の食草を頼りにその卵や幼虫や蛹を採集した りするのがこれに当たる。この採集法についてなどで溶いたもの ) や果物や乳酸菌飲料や粉末 酢 ( すしの素 ) や腐肉などで昆虫を呼び寄せ、 の詳細は種類別採集法のところを参照されたい。 採集する方法である。糖蜜を雑木林のクヌギや ◆灯火採集法 コナラ等の樹皮に塗れば、クワガタムシ、カプ 灯火に集まるガ類や甲虫類などを、捕虫網やトムシ、カナプン、ケシキスイ、チョウ、ガ、 ハチ、ハエなどが集まってくる。チョウ、ハチ、 毒ビンを使って採集する方法であるが、あらか じめ灯火のついているところを回って採集する ハエ以外は夜集まることが多いので、懐中電灯 場合と、水銀灯・蛍光灯や発電機等の光源や白を点けて見回る。糖蜜を塗る樹は、太い樹で、 布などを車に積んで行って、野外にセットして林の中よりも、林縁にあるもののほうがよい 採集する場合とがある。後者は、時期や天候やアリやクモがたくさん集まる樹は、他の昆虫が

5. 楽しい昆虫採集

ない。食草・食樹の多寡が棲息分布調査の決め なぎ竿で叩いて回り、飛び立って再び止まった ところを採集するほうがよい。午前中早い時間手となるし、食草・食樹の周辺から離れないチ ならば、低い枝や下草に止まっていることもあョウも少なくないからである。 る。 ゼフィルスと呼ばれている二五種のシジミチ ョウを初めとして、シジミチョウの仲間には、 アオバセセリは日の出前から活動し、夕方に も活動する。ギフチョウ、ヒメギフチョウなど食草・食樹の回りで活動するものが多い。特に ンノキとミドリシジミ、オニグルミとオナガ は日が当たってから二 5 三時間が最も採集しゃ シジミ、クロウメモドキとミャマカラスシジミ、 オオヒカゲ、ヒカゲチョウ、シロオビヒカゲ、エゾノウワミズザクラまたはスモモとリンゴシ クロコノマチョウ、ウスイロコノマチョウなどジミ、ナンテンハギ ( 場所によってェビラフジ やタイツリオウギ ) とアサマシジミ、コマツナ は夕方活発に飛び回るが、非常に採りにくい。 これらは樹液や汚物や腐熟果に来たときが採りギとミャマシジミ、ツメレンゲとクロッパメシ ジミ、キリンソウとジョウザンシジミなどにこ やすい の傾向がある。 ◆食草・食樹 また、は吸水しているときなどたくさん採 卵・幼虫・蛹を採集する場合ほどではないが、れるが早がなかなか採れない種類は、食樹・食 成虫を採集する場合にも、そのチョウの食草・草のたくさんある所で待機していると、案外採 食樹を知っていたほうが良いことは言うまでもれるものである。

6. 楽しい昆虫採集

ように、袋のロはしつかり閉じておかねばなら オし 旅先などで終齢幼虫がたくさん採れたときは、 段ボール箱や紙箱で飼育することもできる。 食草の保管食草は新鮮なものほどよいが、 たびたび取りに行けない場合は、ビニール袋に 育 育 食草を入れてできるだけ空気を抜いて冷蔵庫に 紙 袋 保管する。袋の中に水滴がたまると腐り易い植 もよいが、気温に注意して、暖かくなったらや 物もあるので、その場合は新聞紙に包んでから ビニール袋に入れる。二—三週間もつものもあはり冷蔵庫に保管する。そしてちょうど食樹が る。 芽吹くときに孵化するように冷蔵庫から取り出 冬期の保管方法越冬する卵や幼虫や蛹の保す。冷蔵庫から出してもなかなか孵化しないと きは、ぬるま湯に浸けると早く孵化する。幼虫 管場所は、冷蔵庫がよいが、乾燥しないように 注意しなければならない。ゼフィルス類の卵はで越冬するものは、素焼きの植木鉢に水苔を人 水分を含んだ綿などと一緒にタッパーウェアやれてその上に枯れ葉などと共に幼虫を人れて、 ビニール袋に入れておくが、カビが生えることストッキングをかけ、外の日の当たらない所に があるので、ときどき様子を見る。婦人用のス置いておく。暖かくなったら冷蔵庫に入れて、 トッキングなどに入れて外につるしておく方法食草の手にはいる時期まで保管する。蛹の管理

7. 楽しい昆虫採集

る。水銀灯には、安定器が必要で、発電器も出 ◆シート 力の大きいものがよいので、電器店に相談して 白布を張った手前に敷いておくと、作業がや みるとよい 。また、水銀灯や蛍光灯は雨に濡れ りやすいし、寝て待っこともできるなど、いろ ないように、ビニール傘などをセットするとよ いろ便利である。虫がよく目立つように、色の 淡いものがよい ◆発電機 ◆懐中電灯 出力の大きいものがよいのは当然だが、手に いうまでもないが夜間採集には必需品である。 持って移動できる程度の軽いものが望ましい ヘッドランプを使用すると、手がふさがらなく ◆その他の光源 て便利である。 プタンガスランプ、アセチレン灯などを使用 する場合もある。とくに電気を使えない場所で の採集には必要。 231

8. 楽しい昆虫採集

器におが屑を詰めたものを持参するとよい。お 「夜間採集用且凵 が屑に酢酸エチルをたらして混ぜ合わせ、その 中へ甲虫を入れておくと、固くならず、傷も付 ( 夜間採集については頁以下参照 ) かず、腐敗する心配もない。あとで取り出して夜灯火を慕って集まるガ類、甲虫類等を採集 するのに、あらかしめ電灯や水銀灯の点いてい 整形するときに、ちょうどよい状態になってい る。たたし密閉容器に直接虫を人れてはいけなる所を回って歩く場合は、特別な器具は必要と しないが、好みの場所に灯火を点けて採集する カビが出たり、腐敗したりする。 場合は、一般の採集用具のほかに、白布とロー ◆幼虫採集管 プ、白布を張るための組立てパイプ、水銀灯ま チョウやガの幼虫を生かしたまま持って帰るたは蛍光灯・発電機等の光源、シート、懐中電 ための、ガラス管の底が網になっている器具で灯などが必要である。また夜間採集では大量の あるが、手製のもので十分。ポール箱または密収穫が見込めるので、毒ビン、毒ッポ、三角紙 などはできるだけたくさん用意するほうがよい 封できる容器に穴 ( 通気ロ ) を開けて、内側に 。また、いちいち蓋を開 布を張ったものでよい ◆白布とロープ けなくてすむように、幼虫を人れる穴を開けて 次頁写真のように上部と下部にロープを通し おいて、ガムテープでとめておくと便利である。 た縦、横くらいの大きさの白い布を用 意して、立木や枝などを利用して野外にセット 229

9. 楽しい昆虫採集

しかし今では、そんなガラスの広ロ瓶など、誰も使ってはいないようである。 そのかわりに紙コップを重ねたものを持って行く。これなら百や二百持ち運ぶ のは何でもない。そうしてオサムシのいそうな場所を選んでそれを埋め、中に 虫の好む餌を人れるのである。餌の調合は魚釣りの場合と同じく各人の秘密に 属するが、単にカルピスかいし ) という人もいる。 中国大陸にはオサムシ類の王侯貴族ともいうべき、背中にコプコプの素晴ら あかかね しい " 彫刻のある、金や銅でこしらえたようなカプリモドキの仲間がいるけ れど、ある採集家は中国に行くとき、紙コップを千個も持って行って税関で怪 しまれたそうである。そうしてそのうちの一個か二個にカプリモドキが人れば しいというのだから、これもまた千に三つの話なのである。

10. 楽しい昆虫採集

あるのではないかと思われる。ガの羽の色彩や今後ますます愛好家が増えて、一層研究が盛ん 模様には、人間がつくったどんな織物や陶器のになることであろう。 それもかなわないほど素晴らしいものがある。 派手な色彩のチョウは毎日見ていると飽きるこ 一、夜間採集 とがあるが、地味なガの色彩は飽きることがな 大多数のガがタ方から夜に活動し、灯火に集 我が国の四千種を超えるガを図示・解説した まる性質があるので、ガの採集は夜間や早朝に 『日本産蛾類大図鑑』が出版されて、ガの研究行われることが多い。灯火採集と糖蜜採集がそ も非常にやりやすくなった。最近はチョウの研の代表的な採集法である。 究からガの研究に転向する人も増えてきている。 ◆灯火巡回採集 あらかじめ電灯や水銀灯が点いているところ を巡回して採集する場合は、何と言っても車で 回るのが便利である。高速道路のサービスエリ アやパーキング、山間の駅やドライプインやガ ソリンスタンド、会社の広告灯、温泉場の街灯、 ッス 発電所の水銀灯等が絶好の採集場所である。こ れらの場所では、明け方近い時刻に回ってみる 12 5