なければならない。特に昆虫採集家はなおさら所 ( 北海道 ) である。違反すれば、本人が「密猟者、のレツォガサワラシジミ指昭和四四年四月一二日 テルを貼られて処罰されるだけでは済まず、結所 ( 小笠原村 ) 果的に昆虫採集を趣味として楽しんでいる多く ヒメチャマダラセセリ指昭和五〇年一一月一三 の人たちに肩身の狭い思いをさせ、新たな採集日所 ( 北海道 ) 禁止の法律や条例制定の原因にもなりかねない ゴイシッパメシジミ指昭和五〇年二月一三日 からである。 所 ( 熊本県 ) 国の天然記念物に指定された昆虫は、次の通 ◆天然記念物の昆虫 ( チョウ以外 ) りである。 ◆天然記念物のチョウ ( 指Ⅱ指定日、所Ⅱ場所、 シマアカネ指昭和四四年四月一二日所 ( 小 置Ⅱ管理者、以下同じ ) 笠原村 ) ウスパキチョウ指昭和四〇年五月一二日 オガサワライトトンポ指昭和四四年四月一二 所 ( 北海道 ) 日所 ( 小笠原村 ) ダイセッタカネヒカゲ指昭和四〇年五月一二オガサワラトンポ指昭和四四年四月一二日 日所 ( 北海道 ) 所 ( 小笠原村 ) アサヒヒョウモン指昭和四〇年五月一二日 ハナダカトンポ指昭和四四年四月一二日 所 ( 北海道 ) 所 ( 小笠原村 ) カラフトルリシジミ指昭和四二年五月二日オガサワラタマムシ指昭和四四年四月一二日 166

3 標津湿原指昭和五四年八月七日所北海五日所群馬県多野郡上野村箇農林水産省 道標津郡標津町 鳥島指昭和四〇年五月一〇日所東京都 鳥島 4 松前小島指昭和四七年一二月一二日 所北海道松前郡松前町 南硫黄島指昭和四七年一一月二四日 5 沙流川源流原始林指昭和四五年一一一月四所東京都小笠原村 日所北海道沙流郡日高町置農林水産省黒部峡谷附猿飛ならびに奥鐘山 ( 特別 十和田湖および奥人瀬渓流 ( 特別名勝 ) 天然記念物 ) 指昭和三一年九月七日 ( 天 ) 指昭和三年四月一二日 ( 天 ) 昭和二七年三月昭和三九年七月一〇日 ( 特天 ) 所富山県下 一一九日 ( 特名 ) 所青森県上北郡十和田湖町新川郡宇奈月町・中新川郡立山町置農林水 秋田県鹿角郡小坂町 産省 7 月山指昭和四七年一二月九日所山形県上高地 ( 特別天然記念物 ) 指昭和三年三 東田川郡羽黒町・立川町箇農林水産省・出 月二四日 ( 天 ) 昭和二七年三月二九日 ( 特 羽三山神社 天 ) 所長野県南安曇郡安曇村箇農林水産 8 尾瀬 ( 特別天然記念物 ) 指昭和三一年八省・環境庁 月九日 ( 天 ) 昭和三五年六月一日 ( 特天 ) 黒岩山指昭和四六年七月五日所長野県 所福島県南会津郡桧枝岐村群馬県利根郡片飯山市寿 品村農林水産省・東京電力 ( 株 ) 大杉谷脂昭和四七年一二月一三日所三 上野楢原のシオジ林指昭和四四年七月一一 重県多気郡宮川村 170

記念物 ) 指昭和一八年八月二四日 ( 天 ) 昭 所 ( 小笠原村 ) オガサワラクマバチ指昭和四五年一一月一二 和二七年三月二九日 ( 特天 ) 所高知県高知 市天神町・筆山町・塩屋崎町置高知県 日所 ( 小笠原村 ) 能生ヒメハルゼミ発生地指昭和一七年一〇月 オガサワラゼミ指昭和四五年一一月一二日 一四日所新潟県西頚城郡能生町置白山神 所 ( 小笠原村 ) 社 オガサワラセスジゲンゴロウ指昭和四五年一 鶴枝ヒメハルゼミ発生地指昭和一六年一二月 一月一二日所 ( 小笠原村 ) 一三日所千葉県茂原市上永吉置茂原市 オガサワラアメンポ指昭和四五年一一月一二 片庭ヒメハルゼミ発生地指昭和九年一二月二 日所 ( 小笠原村 ) 八日所茨城県笠間市片庭置農林水産省 ◆生息地・発生地 和琴ミンミンゼミ発生地指昭和二六年六月九 日所北海道川上郡弟子屈町北海道 春日山のルーミスシジミ生息地指昭和七年三 月二五日所奈良県奈良市春日野町箇奈良清滝川のゲンジボタルおよびその生息地指昭 和五四年一一月一四日所京都市右京区 県・春日大社 鳥取市のキマダラルリッパメ生息地指昭和九沢辺ゲンジボタル発生地指昭和一五年二月一 〇日所宮城県栗原郡金成町金成町 年五月一日所鳥取県鳥取市東町・栗谷町・ 木屋川・音信川ゲンジボタル発生地指昭和三 上町置因伯神社 二年一〇月一六日所山口県長門市・豊浦郡 高知市のミカドアゲハとその生息地 ( 特別天然 168

八月一一九日所徳島県麻植郡美郷村 豊田町管長門市・豊田町 東和町ゲンジボタル生息地指昭和五四年四月船小屋ゲンジボタル発生地指昭和一六年三月 一一七日所福岡県山門郡瀬高町・筑後市 一一六日所宮城県登米郡東和町置鱒淵源氏 ボタル保存会 置農林水産省 岡崎市ゲンジボタル発生地指昭和一〇年一二 「天然保護区域 月二四日昭和四七年八月二五日 ( 追加指 種類別の天然記念物指定、生息地・発生地指 定 ) 所愛知県岡崎市須淵町ほか管岡崎市 長岡のゲンジボタルおよびその発生地指昭和定のほかに、以下に列挙する天然保護区域が定 一九年三月七日名称変更昭和二七年三月められており、この区域でのすべての動物・植 二九日特別天然記念物所滋賀県坂田郡山物の採集が禁止されている。 東町箇山東町 大雪山 ( 特別天然記念物 ) 指昭和四六年 息長ゲンジボタル発生地指昭和一九年三月七 四月一一三日 ( 天 ) 昭和五二年三月一五日 ( 特 日名称変更昭和二七年三月二九日特別 天 ) 所北海道上川郡上川町・東川町・美瑛 天然記念物所滋賀県坂田郡近江町置近江 町 町・新得町 山口市ゲンジボタル発生地指昭和一〇年一二 2 釧路湿原指昭和四一一年七月六日所北海 道釧路郡釧路町・川上郡標茶町・阿寒郡鶴居 月二四日所山口県山口市山口市 美郷のホタルおよびその発生地指昭和四五年村 169

男女群島指昭和四四年八月一八日所長五日沖縄県八重山郡竹富町 崎県福江市置農林水産省 「国立公園と国定公園凵 葺阿値賀島指昭和五一年九月一七日所長 崎県平戸市早福町置平戸市 国立公園は国が指定し、国が管理する公園で 燔双石山指昭和四四年八月一三日所宮崎ある。現在次の二八公園がある。 県宮崎市管農林水産省 利尻礼文サロべツ、知床、阿寒、大雪山、釧 四稲尾山指昭和四一一年七月六日所鹿児島路湿原、支笏洞爺、十和田八幡平、陸中海岸、 県肝属郡佐多町・田代町・内之浦町箇農林磐梯朝日、日光、上信越高原、秩父多摩、小笠 水産省 原、富士箱根伊豆、中部山岳、南アルプス、白 神屋・湯湾岳指昭和四三年一一月八日山、伊勢志摩、吉野熊野、山陰海岸、大山隠岐、 所鹿児島県大島郡住用村・宇検村・大和村瀬戸内海、足摺宇和海、阿蘇九重、雲仙天草、 農林水産省 西海、霧島屋久、西表。 与那覇岳天然保護区域指昭和四七年五月 国立公園は特別地域と普通地域に区分けされ、 一五日昭和五一年一二月二三日 ( 追加指特別地域の中にさらに特別保護地区が設けられ 定 ) 所沖縄県国頭郡国頭村 ている。そしてこの特別保護地区では、一切の 星立天然保護区域指昭和四七年五月一五動物・植物の採集・採取が禁じられている。 国定公園は国が指定した国立公園に準じる公 日所沖縄県八重山郡竹富町 仲間川天然保護区域指昭和四七年五月一園で、地方自治体が管理する。現在次の五四公 171

初出誌 第 1 章人はなぜ虫を捕るか 『トランヴェール』 ( 東日本発行 ) 一九八八年五月号より一九八九年四月号まで

ガサワラセセリがあるが、前者は国の天然記念ウキュウミスジ、オキナワビロウドセセリなど 物に指定されており、後者も小笠原諸島全体が ここを北限とする亜熱帯のチョウも多い 特別保護地区に指定されているために採集が禁 ◆発生時期 止されている。 対馬タイワンモンシロチョウ、ツシマウラ どのチョウが年に何回、いっ頃発生するかを ポシシジミが特産種。ゴマダラチョウの白化型、図鑑等で調べて採集計画を立てる。年に五—六 キリシマミドリシジミなどが有名。 回発生するナミアゲハ、モンシロチョウ、ルリ 屋久島特産種はいないが、キリシマミドリシジミ、ヤマトシジミ等は春から晩秋までほと シジミが有名。 んどいつでも採集できるが、年に二回とか一回 奄美大島アカボシゴマダラが特産種。そのしか発生しないものは、その発生時期にしか採 ほか、シロオビアゲハ、イワカワシジミ、リュ集できない。一般に寒冷地や山地では平地に比 べて発生時期が遅れる。また年によって発生時 期が一—二週間ずれることもあるので、好採集 地には何度か足を運んでみたほうがよい 春型、夏型、秋型など季節型のあるチョウは ダ マ ぜひそれぞれの時期のものを採集したいもので ゴ シ ある。 カ ア 北海道の特産種を採集するには、六月中旬か 105

◆ゼフィルス 25 種の主食樹と産卵位置 主食樹 産卵位置 クヌギ、アベマキ 小枝上 小枝上 カシワ クヌギ、アベマキ 小枝上 コバノトネリコ 幹のしわ、裂け目 トネリコ 幹上 イボタノキ 枝、幹の表面 ( コナラ、クヌギ ) 半肉食太い枝・幹のしわ、裂け目 小枝等 樹皮の裂け目 休眠芽周辺 頂芽基部 休眠芽の基部 休眠芽付近、細枝上 ひこ生えの枝上 頂芽の基部 太い枝・幹のしわ、裂け目 一年枝、二年枝上 頂芽の基部 一年枝、二年枝上 太い枝・幹のしわ、裂け目 頂芽の基部 枝上、枝の分岐部 小枝、幹上 頂芽の基部 休眠芽の基部 ジ シ ジジミジ ジ シジミシシ ミシミカシジガガ 、リノ一リノ ジミジジドジシジリリシリ ジカジアラシナナミシジシシミシリシドドリドミドド ミシアシンダカオオジジシリリンリドリミ ジカミンセマアロロシスロドドザドミドロビミカシマッ シアナキウゴンイイガミクミ リシマ 名カタララョラモズスナララジオョゾャロラロイスドリ サ 種アキウウチウムミウオウウフォジェ クウヒアメミキヒ クヌギ、コナラ カシワ、ミズナラ オニグルミ コナラ、カシワ マンサク ブナ、イヌブナ コナラ ミズナラ ミズナラ カシワ クヌギ カシワ、ナラガシワ ナラガシワ ミズナラ、クヌギ サクラ類 ハンノキ アカガシ ウラジロガシ

少し用語にこだわってみよう。「人は : と一言一つけれど、ヒトはいっから ヒトなのであるか。八万年ほど前のクロマニョン人からか、それとも四十万年 前のネアンデルタール人からか。それよりすっと前、一七五万年前のアウスト ビテクス ラロピテクスなど、「猿 , とついているところを見ると、とてもわれわれと 話の通じる相手ではあるまい 一応、われわれの系図の始祖はネアンデルタール人程度ということにして、 彼等が何のために虫を捕ったか、といえば、それは食うためにきまっている。 彼等がマンモスや鹿や野馬を狩る絵はよく見るけれど、そういう景気のいいこ とを毎日やっているわけがない。第一、そんなことをしていたら、たちまち獲 物を狩り尽くしてしまう。 日常の食生活は木の実、草の根、それに虫、というところであろう。 原始人が石を起こし、朽木を掘り崩して虫を探し、毛むくじゃらの太い指で 掴まえて、ばっと口にほうり込む。彼等が虫の定義にこだわるわけはあるまい 人はなぜ虫を捕るか

日本特産種九州以北 食樹クロウメモドキ ミャマカラスシジミ 本四 食樹クロウメモドキ等 べニモンカラスシジミ リンゴシジミ 食樹工ゾノウワミズザクラスモモ トラフシジミ 草木の花蕾を食す春 ( 四月 ) 夏 ( 七月 ) 九州以北 奄沖八 イワカワシジミ 食樹クチナシ ( 実 ) 三—十一月 キマダラルリッパメ 囚 ( 鳥取市 ) アリと共棲六—七月本 九州以北 食草スイバ等春型夏型 べニシジミ 九州以北 早春 ( 三—四月 ) に出現 コッパメ 九州以北 タケノアプラムシ等動物食 ゴイシシジミ 本四九 クロシジミ クロオオアリと共棲 秋は全国 南方系夏秋は北方へ移動 ウラナミシジミ 奄沖八 食草タヌキマメ等 オジロシジミ ウスアオオナガウラナミシジミ迷蝶一九七三年に記録一時的に発生沖八 ムラサキオナガウラナミシジミ迷蝶一九七三—七四年に記録あり 奄沖八 迷蝶↓土着九 ( 南部に記録 ) アマミウラナミシジミ ヒメウラナミシジミ 食草モダマ等 小笠原諸島に発生 一九七二年より記録あり マルバネウラナミシジミ 食草クロヨナ等二—十一月 ルリウラナミシジミ カクモンシジミ 一九七八年波照間島に発生 シロウラナミシジミ 迷蝶 本州 ( 岩手 ) 以南 食草カタバミ ヤマトシジミ 260