分布 - みる会図書館


検索対象: 生物事典
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1. 生物事典

すいぞ 膵臓物 * 十二指腸に開口する * 消化腺」腸 の * 盲のうとして分化する . * 結合組織で分けられた 多数の小葉からなり , これがまた多数の腺房からでき ている . 腺房は外分泌を営む腺細胞の集合で , ここ からの導管が集まって * すい管となり十二指腸に開 こからすい液が分泌される . すい臓内には , ロする . 腺房のほかに , 点在する島状に区画された細胞の集 合体があり , これをランゲルハソス島と呼ぶ . これはすい 臓全体の 1 ~ 3 %. ランゲルハソス島は * 内分泌腺細 胞で , 付近にはりめぐらされた毛細血管に * イソシュリ ンを分泌する . 膵液 , ランゲルノッス島 すいそ 水素供与体きようよたい脱水素反応で水素原 子を与える物質」このときはたらく酵素を * 脱水素 酵素 , 水素原子を受けとる役割の物質を * 水素受 容体という . 式で示すと , AH2 + B ー - ーーー→ A 十 BH2 ( 水素供与体 ) ( 水素受容体 ) ( 説水素酵素 ) となる . 細胞呼吸において呼吸基質は水素供与体 である . 水素伝達系 水素結合物をう陰性元素の原子間の水素原 子を媒介とする化学結合」塩素・酸素・窒素など の強い陰性元素の原子 X に共有結合している水素 原子に , 強い陰性元素の原子 Y が近づくと , X と Y の間に H を媒介とする静電気力がはたらき , X— H ・・・ Y の形の結合を生じる . この結合は比較的弱 い結合であるが , タンパク質の * らせんでは N—H ・・ 0 , DNA の二重らせんでは N ー H ・・・ 0 や N ー H ・・・ N の水素結合が多数形成されて , 安定な構造 をつくっている . スイソサイキン化学合成を行う細菌の 1 種 . 細菌植物門・カソ菌科」水素を酸化して水にする ときに生じるエネルギーで有機物を合成する . → 2H20 十エネルギー 2H2 十 02 水素受容体物もたい脱水素反応において 水素原子を受けとる役割の物質」生体内のもっ ともふつうの水素受容体は * NAD や * NADP などの 補酵素で , 多くの * 脱水素酵素の補酵素としてはた らく . 実験にはメチレン青が水素受容体として用いら れる . メチレン青 ( Mb ) は水素と結合し還元されると 無色の化合物 ( Mb ・ H2 ) となる . Mb 十 2H → Mb ・ H2 水素伝達系 水素伝達すいそ - 、でんたつけい酸素呼吸において , 墓質 からうばった水素を伝達し最終的には酸素と結合 させて水を生成する酸化還元酵素の反応経路」 電子伝達系・水素電子伝達系ともいう . 脱水素酵 素が基質からうばった水素はふつう NAD を還元し て NADH2 を生じ , 次にフラビン酵素がそれを酸化 した水素は FAD を還元して FADH2 を生じる . そ 185 すいち 2H A T P NAD FADH2 ATP ATP H20 チトクローム系 藐水酵素フラビン素 の水素は H + と e- に分かれ , チトクローム系のヘム 鉄の酸化還元により電子が伝達され , 最終的には 電子は分子状酸素に渡されて H + とともに水を生成 する . この経路のいわゆる * 酸化的リソ酸化で水素 1 分子についてふつう ATP 3 分子を生成するが , FA D を補酵素とするコハク酸脱水素酵素では ATP は 2 分子しか生成しない . チトクローム 錐体外路いたい * 大脳皮質以外の運動性中 枢から出される指令の中枢神経系内での伝導経 路」大脳皮質と連絡はもっているが , * 中脳・ * 延 髄などから発せられる運動性指令の伝導経路であ る . 主として無意識的運動を指令する経路である . すいたい 錐体路ろ * 大脳皮質の * 運動領から発せ られる指令の * 中枢神経系内での伝導経路」運 動領にある * 神経細胞から出た突起は , * 延髄から出 る脳神経の神経細胞と連絡したり , * せき髄から出る せき髓神経の神経細胞と連絡して , * 随意運動を起 こさせる経路となっている . 錐体路はホ乳類に発達し ている . 水中草原すいちゅう そうげん水生草原 生物の分布を標高 , 水深 ま垂直分布豊く の相違に墓づいて垂直方 向にみた分布」温帯の山では , 景観的にかなり明 確に区別しうる植物の垂直分布帯がある . これは標 高により群落を優占する種類や構成する種類の違 いがあることに原因している . * 低山帯・山地帯・ * 亜 高山帯・ * 高山帯という区分は温帯でしか通用しな いので , 気候帯の名称を用いることもある . 極帯・寒 帯・亜寒帯・冷温帯・温帯・亜熱帯・熱帯の区分が それで , 寒帯は高山帯に , 亜寒帯は亜高山帯に , 冷 温帯は山地帯に , 温帯は低地帯に相当している . れらの境界は明瞭さを欠くことも多く , 東北地方で は針葉樹林帯の * 優占種であるオオシラビソと落葉 樹林帯の優占種であるブナとがかなりの高度にわたり 混生する推移帯がみられる . 垂直分布の本質はこの ように連続的なものであり厳密に各帯を定義するこ とは困難である . たとえば高山帯と亜高山帯との境 界は森林限界または高木限界をとる考え方が知ら れているが , 森林限界は森林樹種の分布が連続性 を失う限界として重要な意味をもっ . 高木限界は実 際上には問題がある . 多くの樹種は限界に近づくと 連続的に樹高が低くなるからである . 富士山のカラマ ツなどが高木型からほふく低木型へと連続的に変化 することで知られているのはよい例である . 近年になっ て積算温度を用いた暖かさの指数値による等指数 低木林・高山草原 20 側針葉樹林 ( 亜高山帯 ) 10 ー 落葉広葉樹林山箒 : 常緑広葉樹林 :. : : 30 0 南 ( 低地帯 ) 北 NADH2 FAD b → ( → a 当 02 ・ - → 2H + H 十 H + + e ーの伝達 2 の伝達 〔水素伝達系〕 2H 町 - 〔植物の垂直分布と水平分布〕

2. 生物事典

ふろひ ◆プロビタミン provitamin その物質自体に は * ビタミソとしてのはたらきはないが , 動物体内にとり 入れられたのち , ビタミソに変化する物質」 * プロビ タミソ A として植物界にひろく分布する * カロチン , * プ ロビタミソ D として * 工ルゴステリンが知られている . ◆プロビタミン A 動物体内にとり入れられた のち , ピタミソ A に変化する物質」有色植物にひろ く分布する * カロチソがこれである . ◆プロビタミン D 動物の体内にとり入れられた のち , 紫外線の照射をうけると * ビタミソ D に変わる 物質」 * 工ルゴステリンはビタミン D2 に , デヒドロステ リソはビタミン D3 に変わる . プロプリオピテクス propriopithecus ヒ トのもっとも原始的な姿として考えられる化石人 類」 * アウストラロピテクスよりさらに古い時代の化 石と考えられる . ヒトの祖先であるかどうかははっきり しない . プロモーター promoter オペロソの伝令 RN A 合成の開始点となる遺伝子」プロモーター遺伝 子ともいう . はじめ作動遺伝子とされたものが , RNA ポリメラーゼと結合して暗号の転写を開始する役を するプロモーターと , リプレッサーと結合する作動遺伝 子とに分けられた . 広義の * 調節遺伝子の 1 種でプロ モーターと作動遺伝子を合わせて , 制御遺伝子とい う . オペロソ説 , 作動遣伝子 フロラ flora 植物相 ◆プロラクチン prolactin 脳下垂体前葉から 分泌されるホルモソの 1 種」多種多様な作用をも ち , ひっ ( 泌 ) 乳刺激ホルモソ・黄体刺激ホルモソともい う . 泌乳刺激ホルモソひつにゆうしげき フロリゲン florigen 花成ホルモソ プロリン proline タソバク H2C—CH2 質中に通常みいだされる * アミノ酸ー H2C C-COOH の 1 種」ホ乳類の体内では * グル タミソ酸から合成できるので , * 必 N H 須アミノ酸ではない . フロログルシン phloroglucine ペソゼソ核 をもっ化合物」木化した細胞壁すなわち * リグニソ の染色に用い , フロログルシソ 5 % 水溶液と濃塩酸を 加えると赤色に発色する . フロログルシン液染色液の 1 種」フ ロログ ) ルンの 5 % 水溶液 , またはアルコール溶液で , 木質部にリグニソが沈着して木化した細胞壁の染 色に用いる . 組織を浸したのち , さらに濃塩酸で洗う と木化部が鮮紅色に染まる . プロントザウルス brontosaurus * 中生代 に栄えた巨大なハ虫類で , ハ虫綱・恐竜目に属する 巨大な化石動物」雷竜ともいう . 体長 20m にも 達する地球上の最大動物のひとっ . 首が長く頭部は 小さいが , じようぶなあしをもつ . 尾は長大 . 草食性で 水陸両方で生活 . 特にジュラ紀に化石が多い . 吻允動物のロ器またはその周辺にある伸縮でき る管状のもの」 ( 1 ) ヒモガタ動物ではからだの前端に ある管状構造をいう . ( 2 ) 環形動物門・ユムシ綱では からだの最前端で , ロよりさらに前部にある柔軟な突 起 . ( 3 ) コソ虫綱では管状に突出する吸収ロ . ( 4 ) ギボ シムシではからだの最前端部 . 313 ぶんし 糞え動物の食物の不消化部分がこう門より排 出されたもの」消化管からの分泌物などをも含む . ヒトなどでは大便ともいい , その色は主として胆液色 素により , においはインドール・スカトール・硫化水素・ メルカプタソなどによる . 分圧混合気体の全圧力のうち , その成分 気体だけの圧力」成分気体の分圧の合計が混合 気体の全圧になる . 誌えば 1 気圧の空気中の酸素 の分圧は約 1 / 5 気圧 160mmHg である . 粉芽まん地衣類が無性的につくる粉状の生殖 芽」粉芽体・粉状体ともいう . ソウ類のからだを菌 糸が包んでいる . ウメノキゴケやサルオガセに顕著にみ られもつばら粉芽が飛散してふえる・ ◆分化ん発生の過程で , 同質の細胞や組織から , 形態的・機能的に特殊化が起こって , 区別を生じる 過程」受精卵のもっ発生能は , 発生が進行するに つれてしだいに限定されていくが , 核移植などの実験 によって , そのような分化はまず細胞質に起こり , しだ いに核にもおよんでいくと考えられており , 核の分化の 本質は遺伝子の一部を失ったものではなく , 遺伝子 の一部に不活桂化が起こったものと考えてよい . いっ たん分化した細胞や組織が未分化の状態にもどるこ とを脱分化という・ 分解呼吸齲無気呼吸 ぶんかい ・分解者しや生物死体を多種多様な酵素作 用により分解する生物」還元者ともいう . その際 に生じるエネルギーによって生活すると同時に , 生体 をつくっていた有機化合物を無機物質に還元し , 再 び生産者が利用できる形にもどす . 多種類の土じよ う微生物と水中微生物を含み , 生態系内の物質 循環速度をはやくする重要な役割を果たしている . ぶんかい ◆分解能のう 2 点を 2 点として見分けることがで きる限界の能力」解像力ともいう . 人間の肉眼で は約 0. lmm , 光学顕微鏡では , そのとき用いた光の 波長の約 1 / 2 が限度で , 約 0.2 ″ . また , 波長の短い電 子線を用いた電子顕微鏡では光学顕微鏡の 10 ~ 1000 倍も分解能が高い . 分極鬆く① * 細胞膜の * 選択透過性のため , * 細胞の内と外とで電位差を生じている現象」細 胞が * 興奮すると脱分極し , 結局はまたもとにかえる . ② * 体液またはリンゲル液に金属電極をおいて , 直流 を通じたときに , 溶液と金属との間に生じる現象」 これを防ぐためには生体に直流を通じるとき , 不分極 電極を用いる必要がある . う分子にみられる運動」すべ 分子運動 ての分子は常に動いている . 運動の速さは温度によっ て異なり , 温度が高くなるほど大きい . 分子の運動工 ネルギーは絶対温度に比例する . つまり一 273 。 C ( 絶 対零度 ) に近づくと , 運動エネルギーは 0 に近づく . 固 体 ( 氷 ) は分子が規則正しく配列しており , わずかしか 運動していないが , 温度が上昇するにつれて , まだ分 子が引力で引きあっている状態が液体 ( 水 ) で , さらに 上昇すると分子は自由に飛びまわるようになる・このと きの状態が気体 ( 水蒸気 ) である . ぶんしかん 分子間引力いんりよく分子の間で引きあう力」 同種分子間で引きあう力を凝集カ , 異種分子間で 引きあう力を付着力という . 付着カ , 凝集カ

3. 生物事典

310 ふらな ◆部分割ま弩ん * 卵割の 1 型」局割ともいう . * 全 割の対語 . 卵の一部分だけが分裂し , 他の部分は分 裂しない . 卵黄量が多い * 端黄卵にワトリ・トカゲ・マ ス・サメ類 ) や , * 中黄卵 ( コン虫類・エビ類 ) でみられる . 部分割はさらに , ニワトリ・トカゲなどの端黄卵のよう に動物極にある細胞質のみが分割する盤割と , コン 虫の中黄卵のように卵の表層の細胞質だけが分割 する表割に分けられる . 盤割 , 表割 ◆不分離会んり * 減数分裂で * 相同染色体の接合 した * 二価染色体が , 分離しないで 2 本とも一方の極 に移行する現象」その結果 , 配偶子の一方はれ + 1 , 他方は”ー 1 の染色体をもつようになる . これが正 常な配偶子と受精すると 2 れ + 1 , 2 れ一 1 などの染色 体をもっ * 異数体を生じ , 死滅したり , いろいろな形 質の異常の原因となる . ヒトの * ターナー症候群 , * ク ライソフェルター症候群 , * ダウソ症候群はその例であ る . また , 減数分裂だけでなく , 体細胞分裂でも縦裂 した染色分体の不分離により異数体を生じることが ある . 異数体 普遍種ん しゅ広い地域にわたり分布を示す種」 はん ( 汎 ) 存種・広布種ともいう . 水中生物には普へん 種が多い . 水界は環境変化の幅が小さく , 分布の障 壁が少ないためである . 陸上生物では環境変化の幅 に耐えられるものや , 移動力の大きいもの , 繁殖力の 大きいものなどが普へん種となる . 英語ではコスモポリ タンという . 固有種 不変態 たいコソ虫が成虫になるまでに , 変態 がほとんどみられないこと」無変態ともいう . シミ・ト ビムシなど無シ ( 翅 ) 類にその例がみられる . 不変態とい っても成虫になって * 脱皮するところから , 不完全変 態に含めることがある . 変態 フマル酸クエン酸回路にあらわれる物質の ひとつ」 * コハク酸が酸化され H-C-COOH て生じ , フマル酸に 1 分子の水が HOOC-C-H 付加すると * リソゴ酸になる . またこれのカリウム塩は 植物に広く分布し , 微生物の * 発酵によっても生じ る . クエン酸回路 プユ節足動物門・コン虫綱・双シ ( 翅 ) 目・ブュ科 に属する小形のコン虫」プトともいう . 吸血性のも のもある . 体長 3 ~ 4mm. 触角は短く , 胸部の 1 対の 羽は比較的大きい . * 完全変態で , 幼虫は淡水にす み , さなぎはまゆをつくる . 朝夕に活動する . 浮遊生物ふゆう せいぶっプランクトン ・冬 . 島ふゆ どり秋から春まで日本にいて越冬し , 春に は北方へ繁殖のために移動する烏」ツル・ハクチョ ウ・ガン・カモなどはこの例である . 冬胞子しサビ菌類にみられる * 胞子の 1 種」 夏胞子から生じた閃糸体に無性的にできる厚膜の 2 核の胞子 . 越冬するものが多い . 2 核の融合後発芽 する . 夏胞子 冬芽冬芽煢 浮葉う * 水生植物の葉で , * 葉身が水面に浮 いているもの」ハスでは , 根や地下茎は水底にあり , 水深に応じた葉柄の長さになり , 葉を浮かす . サソシ ョウモでは , 個体全体が水面にただよい , 浮葉が浮い ている . ただし小葉は * 水中にたれている . 浮葉植物ふよう しよくぶっ水生維管束植物のうち根は 水底の土中にあるが , 葉は水面に浮かぶ植物」葉 柄は水深に応じかなり長く伸びるが通常 1 ~ 3m の 水深が限度である . 気孔は葉の表面にのみあり , 葉面 からの蒸散は非常に大きい . ヒシ・ヒッジグサ・オこバス などが代表的なものである . プライマー primer 高分子化合物の合成反 応が開始されるために , 生成する高分子化合物が少 量存在することが必要な場合 , その高分子化合物を いう」デソプン・グリコゲン・ DNA ・ RNA などの合 成には , 基質と合成酵素のほかに少量のプライマーが 必要である . プラウン Brown, Robert 1773 ~ 1858 イギ リスの植物学者」 1831 年に細胞核を発見し , 原 形質流動を観察した . 花粉の研究中に , 花粉粒が 水中で不規則な運動を行っているのを顕微鏡でみ て , 1827 年ブラウソ運動と名づけた . フ・ラキストン B1akiston, Thomas wrig ・ ht 1832 ~ 91 イギリスの軍人・動物学者」 1861 年函館に渡来し , 気象観察や島類採集をし た . その間 , 本州と北海道の動物相が異なることに注 目し , 津軽海峡が北アジアと中部アジアの動物分布 上の境界線をなすと発表した . この境界線はのちに , * ブラキストン線と名づけられた . ◆プラキストン線津軽海峡に設けられた 分布線」 * ブラキストンらが 1880 年に , 島類の分布 研究を土台として設けた . しかし現在の知見では , ブ ラキストン線はそれほど決定的な分布線ではない . 日 本の北部に関係した分布線はほかにもシュミット線 などがある . シュミット線 , 八田線 , 宮部線 フラクトース fructose 果糖 プラコデルマ placoderma セキツイ動物門・ 魚綱に属する化石動物の 1 群」現の軟骨魚亜 綱よりさらに原始的で , 滑皮亜綱という . * 古生代に 栄え , * デボン紀から * 二畳紀にかけて絶滅 . 体表はか たい甲りん ( 鱗 ) でおおわれ , 上下にあごがある . フラスコモフラスモ プラスチド plastid 色素体 フ。ラスマジーン plasmagene 細胞質遺伝 フラスモ淡水産で多数に枝分かれした糸状 ソウ類の 1 属 . シャジクソウ植物門・シャジクモ科」 フラスコモともいう . 日本には約 50 種のフラスモ類があ り , 大部分雌雄同株である . 池沼性で生育場所は 種類により深さが違う . 車軸状に 1 ~ 4 回分枝し長 さ 20 ~ 50cm. 中軸細胞は常に裸出し , 造卵器をつ くる冠細胞は 2 個の細胞からなる . 原形質流動の観 察に好である . 、 プラスモジウム plasmodium 多核ではだ かの原形質体」原形体・変形体ともいう . 1 個の 細胞中で核だけが分裂し細胞質が分裂しないために 生じた . プラタナススズカケノキ プラックマン反応 はんのう暗反応 ・プラナリアヘン形動物門・ウスムシ綱・プラナ リア科に含まれる淡水産の動物」体長 2 ~ 4cm.

4. 生物事典

ぐんそ 合では永続的な群生が行われる . 群叢群集 ・群体 * 分裂や * 出芽により生じた各個体 ( 個 虫 ) が離散せずに全体で 1 個体となっているもの」群 体を構成する各個体が , * サソゴのように同型で分業 のない同形群体と , カツオノエボシのように各個体の 形態に差異があり , 繁殖と栄養などの分業が行われ る異形群体とがある . 1 個の群体では全体が生理的 につながり , 生態的な意味における個体の集合体で はない . 群団種類組成のよく似た群集の集まり」 2 つ以上の群集が 1 つ以上の共通の標徴種によって まとめられたもの . 蟀群集 群度群落における植物の集合の度合いを示 す尺度」コドラート ( 一定の大きさの正方形のわく ) 内に個々の植物個体がどのように配分され生育して いるかを示すもので , 量の多少には直接関係はない . ふつう , 5 ( カーベット状に一面に分布 ) , 4 ( 大きな斑紋 状に分布 ) , 3 ( 小群の斑紋状に分布 ) , 2 ( 小群状に 分布 ) , 1 ( 単生 ) の 5 階級に分けて表現されるが , かなり 主観的なものである . 群落同一環境につくられた植物の集団」 植物群落ともいう . 群落は 1 種または 2 種以上の植 物から構成されるが , その中の優占種 ( 被度やひん度 から決める ) によって特徴づけられる . 常緑広葉樹林 , 103 けいし . 毛 生物体の表面に生える糸状の突起の総 称」動物ではホ乳類の毛をさすが , * べん毛・ * 繊 毛・ * 刺毛・ * 剛毛など無セキツイ動物にみられるもの も含むことがある . ホ乳類の毛は表皮が陥入してでき た毛のうから生じる表皮変形物で , 外にあらわれた毛 幹と毛のう中の毛根からなる . 毛根には真皮の毛乳 頭がはいり神経や血管が分布し , 毛の栄養をつかさ どる . 毛には皮脂腺や立毛筋が付属する . 植物では 表皮系起源の毛がある . 単細胞性 , 多細胞性 , 1 列 のもの , 分枝のものと種類が多い . 刺毛・星状毛・り ん毛・触毛・腺毛・根毛などが知られている . 毛をつく る細胞は液胞が発達し , 葉緑体を欠くものが多い . 戒色けいかい しよく鮮明な色彩を示すことによって , 外敵をおびやかすと思われる動物の体色」アゲハチ ョウの幼虫やカメムシのように周囲の色彩から明確に 目だつばかりか , 有毒なものや不快臭などをもつものが 多い . 一度 , 被害を受けた捕食者が経験的に捕食 を避けるものと考えられている . 頃化性か化学物質が刺激になって起こる 。傾性」モウセンゴケの捕虫葉の触糸は , タンパク 第アミノ酸・アスパラギン酸などの溶液にふれると葉 ) 中心部に向かって屈曲運動を起こす . * 卵割の面が主軸 ( 卵軸 ) に平行である 3 」れかた」縦割ともいう . * 緯割の対語 . ウニやカ : ルの卵割では , 第一・第二の卵割は経割であり , 第 三卵割は緯割である . 頁光性こう光の強さの変化が刺激になって起 ススキの原 , 石垣のコケ植物 , 池の植物ブランクトンな どこの語の示す範囲は広い . 植物群落は主に気候や 土壌条件の影響を大きく受け , それぞれの気候帯特 有の群落をつくりあげている . また群落自身が生育 環境を徐々に変えて , 時間の経過とともに * 遷移が 起こり安定した状態 ( * 極相 ) へと変化する . 群系 , 群集 ◆群落統計 3 。く、 * 群落を研究するための統計」 群落構造の定性的 , 定量的研究のために , 調査対 象となった群落の数度・密度・ * 被度・均質度・ * 頻 度・階層・活力度・恒存度・適合度・優占度を統 計学的に分析する . ベルトトランセクト ( 帯状統計法 ) は群落内に設定された線に沿って一定の幅の面積 内に存在する植物を同定し , 数度や恒存度などの 分析や優占度を決定する方法 . 立地条件の漸遷 的変化に伴う植生の変化や群落の境界決定に役 だっ . ライントランセクト ( 線状統計法 ) は群落内に直 線状に縄を張り , これと接する個体の種類を調査し 頻度・被度を知る方法 , 主として草地植生に適用 される . コドラート法 ( 方形区法 ) は , ふつう , 1m2 また は 50Cm2 の方形枠を群落内に設置し , 枠内にある 各種植物の頻度・被度などを調べ * 優占種を決定 したり , 数度・恒存度の測定にも用いられる . 長期間 枠を固定して置き , 継続的に調査する場合 ( 永久枠 法 ) は遷移の様子を知ることができる . アージが , 細菌の遺伝子の一部を他の系統の細菌へ どうにゆう細菌に寄生する * バクテリオフ ◆形質導入けいしつ 地図の作製などにも応用されている . して知られる . 大腸菌などでも行われ , 細菌の染色体 が DNA であることを直接に証明した最初の実験と を起こす物質が DNA であることをつきとめ , 遺伝子 ることが発見された . 1944 年 , アベリーらは形質転換 型の死菌抽出液を加えると , R 型が S 型に転換す 病原性の R 型の培地に , きよう膜があり病原性の s 変換ともいう . 肺炎双球菌できよう ( 莢 ) 膜がなく非 液を加え , その遺伝形質を変化させること」形質 : 形質転換鷲寬細菌に他の系統の細菌の抽出 は 1 ~ 数個の * 遺伝子が関係する . 形態的特徴や生理的性質をいう . 1 形質の発現に 遺伝学では * 表現型としてあらわされ , 遺伝性のある ◆形質生物分類の基準となる形態的特徴」 スギナの細胞壁もケイ酸を含みかたい . には必要で , その細胞壁にはケイ酸が多い . イネ科や 少ない . ケイ素はふつう不要元素であるが , ケイソウ類 からなるケイ酸塩の形で地かくに多いが , 生物体には 式 H4Si04 など . 二酸化ケイ素 Si02 と各種の塩基 ケイ酸ケイ素 Si の化合物の 1 種」化学 昼夜運動 閉じるのは昼夜運動の 1 種である . 膨圧運動 , ギ・ススビトハギの葉がタ方になると , 下向きになって るのは , 光によって成長屈曲をするからである . また , ハ こる * 傾性」タンポポの花が昼間は開き , 夕方閉じ

5. 生物事典

せいぶ たらきで酸化されるとき発光することが知られている . 発光する生物は , 植物では一部の細菌類とキノコ 類 , 動物では原生動物からセキツイ動物に至るまで 広い範囲にわたってみられる . 発光の意義は , 動物で は , 餌となる生物の誘い・雌雄の呼びあい・敵をおどす などが考えられるが , 植物の発光では特にそのような 意味があるとは考えられない . なお , ヒカリゴケやヒカリ モが光るのは光の反射によるものであり , 発光ではな い . ルシフェラーゼ , ルシフェリソ 生物発生原則せいよっはっせい 発生反復説 けんそく 生物発電せいぶつ はつでん生物電気 , 電気魚 ◆生物分布せいぶっ ぶんぶ地球上における生物の地理 分布と生態分布」多くの生物はその分布圏がき まっていて , 生物分布を規定する要因は気候・土じ よう・地形・地史・生物相互の関係など複雑である . 地球上の特定地域にのみ分布する種類は * 固有種 と呼び , 広い地域にわたり分布している種類は * 普へ ん種 ( 広布種 ) という . 普へん種は移動力や繁殖力の 大きなものに多い . 過去における気候変動や地学的 変動が原因となり , 過去の生活地にとり残された生 物 ( 遺留生物 ) は特殊な分布を示す . 北方系種が氷 河期の寒冷気候により南下し分布したものが , 氷河 の後退によって現在では高山帯に遺留しているのが よい例である . また , 過去の地質時代に繁栄してい たものが限定地域にのみ残存している場合 , それらを 遺存固有種と呼び , 日本・ヒマラヤのムカシトンボ , 日本・中国のイチョウ , 北米のセコイア , オーストラリ アのカモノハシ・カンガルーなどがあげられる . 生態 198 せい 分布 , 地理分布 精包 * 精子の東を生殖器の 付属腺の分泌物で包んだもの」精 きよう ( 莢 ) ともいう . 軟体動物頭足 類にもっとも発達した形のものがみら れる . * 交接腕によって雌にうけわたさ れ , 雌の生殖器内で精子がでて * 受 精が行われる . 精 包 精 包 う 精母細胞 せー可ー さいはう * 後生動物の〔イカの精包〕 * 精子形成時の * 減数分裂で , 2 回の分裂を行う前 のそれぞれの細胞」減数分裂を始める前の細胞は 一次。精母精胞で , * 精原細胞から変わってできる . 減数分裂の第 1 回目の分裂でできたものを二次精 母細胞という . 成熟分裂 ◆性ホルモン当 : 生殖腺から分泌されるホルモ ン」セキツイ動物では生殖腺以外の性的特徴の 発達や維持をつかさどる . 発生初期には生殖腺の 性分化にも関係すると考えられている . ホ乳類では精 巣から分泌される雄性ホルモソ , 卵巣から分泌される 2 種類の雌性ホルモソ ( ネ発情ホルモソと * 黄体ホルモ ン ) が知られており , いずれも * ステロイドである . 甲カク 類では生殖腺以外の部分から , 性の分化や性特徴 の発達を支配するホルモンが分泌されていることが知 られている . 雌性ホルモソ , 雄性ホルモソ 生命ま : すべての生物に共通な本質的特性」 生命とは何かについての考え方が生命観または、 * 生 命論である . 生物学の研究において研究者がどのよ うな生命観をいだいているかは , 研究の方向をきめる 上に影響するところが大きい . 生命現象 , 生物 生命現象せいめい げんしようすべての生物に共通にみ引 る現象」生命現象は無生物現象とくらべて次 ( ような特質をもっている . ( 1 ) 物質交代とエネルギー 代 ( 2 ) 反応と適応 ( 3 ) 発生と成長 ( 4 ) 生殖さ 遺伝 ( 5 ) 進化 : 生命の起源せいめい ーきげん地球上における原始生彬 を生じた過程」生命の起源については , 昔から の創造説 , * 自然発生説 , 他の天体からの胚種渡メ 説などがあった . 従来の自然発生説が * パスツールに よって否定されると , 原始生物は地球上の簡単な釤 質が複雑な物質へと進化した * 化学進化の結果 4 じたものであるとする改良された自然発生説が , * れ ーリソ・ * バナール・ホールデンらによって提唱された . 1936 年のオバーリンの名著『生命の起源』に発表 された内容は , 大すじで広く支持されている . それによ れば , 熱・紫外線・空中放電などのエネルギーにより , * 原始大気からまず有機酸・アルデヒドなどの簡単な 有機物を生成 , それからアミノ酸や塩基を生じ , さら に * 酵素作用のもとになる * タンパク質や自己増殖性 のもとになる * 核酸が合成され , これらが原始海洋中 に * コアセルべートを形成したとする . コアセルべートは 長年月の間に自然選択を受けて , 外界からの独立 , 物質交代 , 増殖といった性質を獲得 , 海洋中に蓄 積した有機物を栄養源とする嫌気的従属栄養型 生物の誕生となったと考えている . 生命表まい あるとき出生した一定数の個体 群が成長にしたがって死亡減少していく様子を統計 的に表した表」もともと人口問題において使われた ものだが , 動物個体群の研究に導入され , 特にコソ虫 類の研究に用いられるようになった . 年齢の間隔の , その区間の死亡数の , その区間の生存数 , その 区間の死亡率 4 , , 期待寿命のを表にして , のの経 過につれてそれぞれの数値の変化がわかるようにしてあ る・このような個体群の数の変化を図に表したのが 生存曲線である . 生存曲線 生命論せいめい ろん生命とは何かについての考え方」 生命は物理・化学の法則で説明できるとする機械 論と , 生命は特別なカ ( 生命力 ) の支配をうけている もので , 物理・化学の法則だけでは説明できないとす る生気論とが古くから対立している . また 19 世紀末 近くからは全体論がとなえられ , 他方弁証法的唯物 論に基づく生命論は 19 世紀後年に工ソジェルにより 基礎づけられた . 機械論 , 生気論 生毛体第いもう べん ( 鞭 ) 毛や繊毛の , 細胞のつけ ~ にある構造」基底小体・毛基体・動原核とい う・べん毛や繊毛の細胞の基部は , まわりには 3 本の / 」 管がつながったものが 9 組あり , 中心には 2 本の中心 があって , そこから各々 3 本の小管の組のうち , 2 本 つがべん毛や繊毛の先端に向かって伸びている . 生 体は中心体にある中心小体 ( 中心位 ) から発生す一 ものと考えられている . 声門せ もんこう頭の前頭 , * いん頭に面するすき の部分の名称」こう頭軟骨間にはられた 1 対のこ 頭粘膜によるひだの間のすきまをいう . 両生類以上 セキツイ動物にみられるが , 両生類とホ乳類ではこ が発音に関係している . 喉頭冒 , 声帯 精油ゅ、、いろいろな植物からえられる特有の芳

6. 生物事典

はっし 則で , 個体発生は系統発生の短縮された反復であ ・発生反復説はんぶくせっヘッケルが提唱した原 はっせい ば , しだいに発生能は狭くなってくる . ある . しかし胚発生が進んで , ある胚域の分化が進め 件によって , 比較的いずれにでも分化していく能力が って発生初期のある胚域は , それがおかれた周囲の条 していくことができるすべての可能性のこと」したが のう発生中の胚のある胚域が , 分化 ◆発生能 はっせい 盛んである . シュペーマン , 発生 現という分子生物学的な立場から研究する方法が 胞の分化 , 形態形成という現象を , 遺伝情報の発 しい発生生物学が主流を占めている . 特に成長 , 細 生理的・生化学的側面から追求していこうとする新 1 分科とされてきたが , 現在では , 発生という現象を 態に関するものであったことから , 発生学は形態学の 19 世紀末ごろまで , 発生学の研究は , ほとんどが形 発生学齪せい個体発生を研究する学問」 在能とがある . す発生運命と , 環境の変化ではじめてあらわれる潜 る . したがって , 発生能には , 正常に発生したときに示 生は , 細胞のもつ発生能のほんの一部を示すものであ の発生運命よりもより多くの能力をもち , 正常の発 生でたどる運命」卵または発生初期の胚域は , そ ・発生運命弩んま : 発生初期の胚域が正常な発 乳類の * 声帯などで発せられる音をいう . 蛉発音器 音」声ともいう . カコレの * 鳴のう , 島類の * 鳴管・ホ 内の一定位置にあるうすい膜を振動させて生じる 発声気道を通ってはき出される息が , 気道 個体発生 官が正しく形成されていくかである . 系統発生 , 他はいかにして細胞の分化が決定づけられ組織や器 うな過程を経て組織や器官が形成されるかであり , 生には 2 つの問題がある . ひとつは , 受精卵からどのよ 大別するが , 通常は狭義に個体発生のみをいう . 発 までの過程」発生を個体発生と系統発生の 2 つに て胚となりさらに幼生を経て幼動物から成体となる 物発生卵が受精し , その受精卵が卵割期を経 1910 年リケツツにより発見された . リケッチア チアの 1 種」シラミによって媒介される . 病原体は 病のひとつである発疹チフスを起こす病原体 . リケッ 発疹チフス病原体んたい * 法定伝染 れており , すべて * ステロイド系の物質である . トロン・エストラジオール・エストリオールなどが抽出さ 巣や尿から , このようなはたらきをもつ物質としてエス では * 発情という状態をひき起こさせる . ホ乳類の卵 を発達させ , 維持させるホルモソである . また , ホ乳類 胞ホルモソともいう . 雌の生殖腺以外の性的特徴 ら分泌される * 性ホルモソの 1 種」工ストロジェソ・ろ セキツイ動物の卵巣か ・発情ホルモン はつじよう ルモソの分泌量が多い . 発情ホルモソ 的に発情期がつづくものとがある . 発情期には発情ホ ずれるものと , 繁殖期間中 , 交尾が行われるまで連続 の時期をいう」種によって , 周期的に発情期がおと 内の * 卵胞が成熟して排卵ま近になると発情する . こ ホ乳類では繁殖期間中 , 卵巣 発情期き はつじよう によってひき起こされる . たてられる生理的状態」雌雄それぞれ * 性ホルモン 283 はでい り , この反復は , 遺伝および適応の生理的機能によ って規定されるというもの」進化再演説・生物発 生原則ともいう . ヘッケルの原則は , 個体発生を調べ ることにより , 生物の系統がっかめるという観点から 19 世紀後半の * 発生学を刺激したが , この考えを真 の意味での生物発生の基本則とみなすことには異論 がある . バッタイナゴ ハッタケアカマッ林にはえる食用キノコの 1 種 . 真菌植物門・担子菌植物亜門・マッタケ科」かさ の直径は 5 ~ 10cm でろうと状をし , 表面は同心円状 に模様がある . 全体は淡赤かっ色であるが , もろく , 傷 口が青藍色に変色するのでアイタケの名もある . はった 八田線せん 宗谷海峡を通る動物分布の境 界線」 1910 年八田三郎が両生類・ハ虫類の分 布から , カラフトのシベリア亜区と , 本州・北海道・満 州亜区の境界線であることを提唱 . * ブラキストソ線 より意義が深いことを主張した . 発電生物電気 ◆発電器はつでん * 電気魚の発電器官のこと」電 気器官ともいう . 魚類のほかには発電器官をもつ生 物はいない . 日本近海にすむシビレエイは頭の両側に , 横紋筋が変化した五 ~ 六角形のへん平な発電板が 多数積み重なってできた電気柱が , 両側にそれぞれ 400 ~ 500 個もある . それぞれの電気柱の一方の面に だけ神経が分布し , その神経の刺激により * 活動電 流を生じると神経の分布している側が電気的に負に なる . 発電板ひとつの起電力は約 0.04 ボルトだがひと つの電気柱内では発電板は結ばれているので , 全体 として 30 ボルトぐらいになる . 電気柱は , さらに並列に なっているので , 発電器内では , 全体として大きな電 力をもっことになる . 南アメリカのデソキウナギは 650 ~ 850 ボルト , 中部アフリカのデソキナマズは 400 ~ 450 ボルトの電気を発生する . このような電流の発生にも かかわらず , 電気魚自体の筋肉 , 神経などが損傷さ れない理由はまだ解明されていない . 発電魚類 はつでん ぎよるい電気魚 ◆発熱反応 はつねつ はんのうエネルギーを発生する反応」 * 吸熱反応の対語 . 反応の結果 , その分だけエネルギ ーの少ない物質を生じる . 発生したエネルギーは他の エネルギーに転換しなければ熱エネルギーとなる . 生体 内で起こる呼吸基質の分解や ATP の分解などの発 熱反応では , 発生するエネルギーの多くはそれぞれ ADP の合成などの化学的エネルギーや運動・光・電 気などのエネルギーに転換する . 八放サンゴはつばう コウ腸動物門・花虫綱に 属する根生目・海トサカ目・ヤギ目およびウミエラ目 の動物を総称する * 亜綱の名称」海底にすみ , 群 体をつくる . 個虫の胃こうはたがいに連なっている . 個 虫の * 触手は 8 本 , 体内の隔壁も 8 本 , 個虫体内およ び群体の中軸に骨片及び骨軸をもつ . 色の美しいも のが多く , ヤギ目のサソゴ類は装飾に用いられる . : ハーディーワインベルグの法則 ーほうそく * メソデル集団内の遺伝子頻度が代を重ねても一定 であるという集団遺伝学の法則」 1908 年八一ディ , 1909 年ワイソベルグが独立に発表 . この法則が成立 するためには , 十分大きな個体数があり , 集団内では

7. 生物事典

ぶんし 分子間呼吸懿翳ん無気呼吸 分子式し原子の結合体で , 分子の組成をあ らわす式」その成分元素の記号に , 1 分子中に含 まれている原子数を付記して示す . たとえば , 水は H20, 工チルアルコールは C2H60 で示される . ◆分子生物学とつがく分子の構造や機能に基 づいて生命現象を研究しようとする生物学の新しい 分野」核酸の構造に基づいて , その自己複製や形 質発現の機構 , 遺伝子の変異などを対象にする分 子遺伝学 , タソバク質の構造を中心に , 酵素や抗体 の機能 , 筋収縮の機構などを対象にする分子生理 学などを分けることもある . 分子内呼吸 ぶんしない こきゅう無気呼吸 ◆分子病まタソバク質分子の異常によって起こ る遺伝病」ヒトでは * 鎌形赤血球貧血症が代表 的な例であるが , その他 * アルカプトン尿症などがある . これらはタソバク質のアミノ酸の配列が正常なものと 一部異なっているためで , その原因はタソバク質の一 次構造を決定する DNA の塩基配列の異常による . 粉状体じよう 粉芽 分子量ぶんし りよう分子をつくっている各原子の原子 量の総和」たとえば , 水 ( H20 ) の分子量は約 18 ( 2.016 十 15.999 ) であり , インシュリソというタソバク質 は約 50 個のアミノ酸がべプチド結合したもので分子 量は約 6 千にもなる . 原子量 ◆分生子 t んせい菌類に無性的に生じる * 胞子のひ 314 ぶんり とっ」分生胞子とも いう . 子ノウ菌類のアオ カビ属やコウジカビ属で は分生子は菌糸がほう き状に分枝し , その先 端でくびれてできる . 分 分生子 生子を生じる菌糸を分 生子柄という . 分生子 は * 外生胞子のひとつである . コウジカビ アオカビ 〔分生子〕 ぶんせい 分生胞子ほうし分生子 ◆分節運動よんせ * 小腸にみられる * 消化運動 のひとつで , 一定間隔をおいて腸管がくびれたように 縮む運動」 * ぜん動とは異なり , * 環状筋が収縮す るだけで , 収縮は伝導しない . * 食物と * 消化液がよく 混合され , 消化産物が腸管壁に強くおしつけられて , 吸収をうながす . ヒトでは 1 分間に約 10 回 , 半時間以上 も同じ場所で繰り返し起こる . 分体 1 個体が 2 個またはそれ以上の部分に分 かれ , それぞれが 1 個体となること」 * 無性生殖にお ける分裂と同じ意味に用いられる . ミスクラゲなどで , * スキフラの触手が縮まり , からだが横分裂して * 工フ イラを生じるのはこの例である . 分裂 プンチョウ新鳥亜綱・エソジャク目に属する 外形スズメに似た愛がん用の飼育鳥」マレーシア・ イソドネシアの原産 . 背面は青灰色 . くちばしガ太く , 桃色 . 改良品種が多く . サクラブソチョウ・シロブソチ ョウなどがあり , よく人になれる . ◆分泌細胞が生体にとって有用な生産物を 出すこと」このような腺細胞の集まったものが腺で ある . 高等動物の腺の多くは分泌物を体外または体 こうに出すための排出管をもっている . 皮ふ腺や消化 腺がその例であって , このような分泌を * 外分泌という . しかし分泌物を血液または体液に直接出す腺もあ る . このような分泌を * 内分泌といい , 分泌物を * ホル モンと呼ぶ . 外分泌 , 内分泌 分泌型びつ * s 式血液型において , 分泌物中 にその型物質を含む場合」 S 型ともいう . ぶんびつ 分泌上皮 じようひ腺上皮 ぶんびつ 分泌組織そしき分泌物をもっ植物の組織」 分泌細胞や分泌管 ( 乳管 ) などは細胞内に分泌物を 生じるが , 分泌道 ( 樹脂道 ) は空隙の部分で , そのまわ りに分泌細胞をもっ . 分泌物は結晶体・タンニン・精 油・乳液・ゴム質・粘液などがある . 傷口ができると , 樹脂・乳液・粘液などがでてくることがある . 蜜を分 泌する腺組織や水孔などの排水組織も分泌組織に 入れることがある . プンプクチャガマキョク皮動物門・ウニ綱 に属し , ほぼ球形の動物」内湾の 20m 前後の深 さの海底にすむ . とげとからにおおわれ , からの直径は 約 5cm. 全体が暗紫色 . ロは三日月形 . * タコノマ クラに近縁の動物 . 分布線ぶ生物分布の特徴の違いによって引 かれた分布境界線」有名なものに * ウォーレス線 ( 東洋区とオーストラリア区 ) , * ブラキストソ線 ( 北海道 と本州 ) などがある . フンポノしト Humboldt Alexander von 1769 ~ 1859 ドイツの自然科学者・植物地理学 者」世界をひろく旅行し , 植物を形態的に大きく 16 の型に分け , 気候と関係づけて分類し , 現在の * 生 活型による分類の先駆をなした . また群落については , 植物群系の概念を提案した . 噴門 * 胃の * 食道に続く入り口の部分」 * 幽 門部のようにかっ ( 括 ) 約筋は発達していない . 蛉胃 粉葉体た ふんよう 粉芽 分離 * 交配による子孫にいくっかの * 表現型 をもっ個体が分かれてあらわれる現象」広義には * 遺伝子型が分かれることもいい , いろいろな表現型 または遺伝子型の個体数の比を分離比という . また , 分離比には実験値と , 統計的な可能性を意味する 理論分離比がある . * 単性雑種 F2 の遺伝子型 1 : 2 : 1 , 表現型 3 : 1 , * もどし交雑の 1 : 1 が分離の墓礎 である . 分離の法則 : 分離の法則ぶんり ほうそ ~ * メンデルの法則のひとつで , * 交雑で生じた FI の有性生殖により F2 をつくると , * 優性形質をあらわす個体と * 劣性形質をあらわす 個体が 3 : 1 の比に分離する現象のしくみ」の遺 伝子型を Aa とすると , 減数分裂により配偶子が A : a=l : 1 に分離することがこの法則の本質で , その自 由な受精 ( A + a ) 2 により , F2 の遺伝子型が AA : Aa : aa = 1 : 2 : 1 , 表現型が A : a = 3 : 1 となるのは , 配偶 子における分離の結果にすぎない . この法則はメソデ ルの法則の中心をなすもので , かっ * 優性の法則・ * 独 立の法則・純粋の法則などの内容をも含み , メソデル の法則を代表するものとみることもできる . →分離 分離比まんり両親 ( p ) のもっ 1 対または 2 対以上

8. 生物事典

すいと 線は全地球上によく通用することが指摘されている . 大洋におけるプランクトンの垂直分布は , まったく表 層のブラソクトソ量に依存した分布構造を示す . 表 層水中にプラソクトソが濃厚であればその下層水中 にも多く , 表層水中のプラソクトンが希薄であればそ の下層水中も少ない . 海のプラソクトソの垂直分布 は上層ブラソクトソ・中層プラソクトソ・深海プラソク トソの各群集に区別されている . 湖沼のプラソクトソで は表水層ブラソクトソ , 変水層ブラソクトソ , 深水層 ブラソクトソの各群集に区別されている . 地上の高度 差は温度要因が主として生物に作用するが , 水界の 深度差でも温度と光が大きく影響している . 水 平分布 膵島ラソゲルノ、ソス島 スイートピー温室栽培する切花用園芸植 物の 1 種 . 双子葉綱・離弁花亜綱・マメ科」ジャ コウレンリソウ・ジャコウ工ソドウともいう . シシリー島 原産 . 全草粉白色をおびている . 高さ約 2m. 複葉は 小葉 2 枚であとは巻きひげになる . ちょう形花の原色 は紫色であるが , 現在では白・淡紅・紅・紫・青色の 品種がある . 遺伝の実験材料として用いられる . 髄脳セキツイ動物の脳の発生において , * 後 脳より分化し , その後 * 延髄となる部分 . スイ / ヾ原野に自生する多年草 . 双子葉綱・離 弁花亜綱・タデ科」スカン木ともいう . 雌雄異株で 染色体は雌株 14 , 雄株 15 である . 茎は中空で高さは 80cm ぐらいになり赤味をおびる . 葉は広卵形で互生 . 初夏に緑色の花穂をつける . 茎や葉には酸味がある が , ゆでると食用になる . 水肺呼吸樹 水媒 : 水がなかだちとなって受粉が行われる現 象」雄花または花粉が成熟すると , 水上に浮かび , 水上に浮かんでいる雌花に達して受粉が行われる現 象でクロモなどがその例 . しかし , 中にはイバラモ・キソ ギョモのように成熟花粉が水中に沈み冰中にある雌 花に達して受粉が行われる場合もある . 、すいぶんちょうせつ ◆水分調節ホルモノ 動物体の 水分の維持に関係するホルモソ」セキツイ動物で は , これまで * 副腎皮質の無機質コルチコイドと * 脳 下垂体後葉からのパソプレッシンが知られている . パソプレッシソ 水分平衡すいぶん こう生物体の水分吸収と排出の 量的平衡関係」水分経済ともいう . 生物体の大 部分を占める水は , 蒸散・呼吸・排出により失われた 分を外界から吸収して補われており常にほば一定に 保たれている . 陸生動物では粘液分泌やクチクラおよ び表皮などである程度水分の失われるのを防ぎ , 腎 臓で水分再吸収も行われている . 植物では , 昼夜に より水分保有量が異なる . これは蒸散作用と吸水 作用の影響による . しかし長期的にみれば平衡が保 たれている . 水分平衡が破れるとしおれたり枯死した りする . 温帯植物では吸水困難な時期には落葉によ り蒸発量を少なくしたりするものがある . 砂漠などの 乾燥地では , 雨季に生育し結実する植物や強い吸 水力をもつ植物などがある . 水分要因すい“ よういん環境を構成する諸要因のう ち , 水や水蒸気のこと」生物の生活に欠くことの 186 すうせ できない水分は生物体の内外に代謝されている . 水 分要因は地形・土じよう・降雨量・温度などの影響 を受けて変化する . 湿度の高い熱帯地方の森林では * 気根をもっ着生植物が多い . 通常では裸地より群 落内の方が水分蒸発量が多く空中湿度は高い . 土 じよう水分が不足すると植物がしおれる . これは土じ ようの吸水力が大となり根からの吸水が困難となる ためである . 水分要因は群落の分布や相観に大きく 影響する . 動物は陸上生活のものは水分蒸発に対す る保護防備がなされているのがふつうである . すいへー、 ◆水平分布 ぶんぶ地球表面での水平方向にひ ろがりをみたときの生物分布」 * 温度要因・ * 水分 要因が分布限定要因として強く作用する . 温度要 因としては気温がほぼ緯度と平行して変化するため , 分布の北限や南限は緯度と平行して等温線と一 致し , 水分要因としては降水量の分布線と一致し て分布の限界線が引かれる場合が多い . 移動力の 大きな動物では生物環境がその分布に影響する . 睡眠敷動物の生理状態のひとっ」動物は 活動期と休息期を周期的に繰り返すが , 休息期が 睡眠に相当する . 睡眠の特徴は , 知覚・意識が消失 , ないし低下することである . 原因については , 間脳の視 床下部にある睡眠中枢の興奮 , 条件反射の実験で 知られた制止作用が大脳皮質などに起こって積極 的に機能を抑制する作用などさまざまな説がある . 調睡眠は , 就眠 1 時間後がもっとも深くそ の後急速に浅くなり , それがさめるまで続くか , さめ る直前に再びやや深くなるのがふつうの型である . 睡眠運動すいみん うんどう昼夜運動 ズイムシ節足動物門・コソ虫綱・リンシ目に属 するガの 1 種であるニカメイガの幼虫」体長 1 ~ 1.5 cm. イネの茎に食い入り , もっとも害の大きいイネの 害虫として知られる . ニカメイガ 水葉サソショウモにみられる根状の変形葉」 サンショウモは水面にただよっているが , 2 枚の葉は水 面に浮き , 他の 1 枚は細かく分かれて根のようになり , 根のかわりをしている . 水様液よう眼房内に含まれるリソバ液」 前眼房・後眼房内にあるので眼房水の名もある . 眼 球にはいる光の通路にあるので , 角膜などとともに光の 屈折に関係する . 、、すいようせい ◆水溶性ビタノ 水に溶解するビ タミンの総称」ビタミン B2 複合体・ビタミソ C ・ビ タミソ P などがこれに属する . 脂溶性ビタミソのように 下痢で欠乏するということはない . 体内に貯蔵されに くく , 過剰な分は * 尿中に排出されてしまうので , 常に とり入れる必要がある . いくつかの水溶性ビタミソは , * 補酵素の構成成分となっている . 脂溶性ビタ ミソ , ビタミン スイレン池沼に栽培する多年草の 1 種 . 双子 葉綱・離弁花亜綱・スイレソ科」どろの中の地下 茎から , 水面にだ円形で中央部まで深くさけた大き な浮葉と , 白・赤・黄・紫・青などの大きな美しい花を 開く . 浮葉の下面には気孔がない . 花は 4 個内外のが く片と , らせん形にならぶ数多くの花弁があり , * 昼夜 運動をする . 品種が多い . 趨性走性

9. 生物事典

しすい 神経 . 脳の一部という見方ができる . 雌 . 品れ、めしべ 歯髄与いセキツイ動物の歯の内部にある結合組 織」歯の内部は中空になっており , そこを神経と血 管の多く分布する結合組織がうめている . 歯 ◆シスチン cystine タソバク質中に通常みいださ れるアミノ酸の 1 種」イオウを含み , タンバク質中の 大部分のイオウを供給する . ホ乳類では * メチオニンか ら合成されるので , 必須アミノ酸ではない . 分子がまん 中で切れれば , 2 分子のシステイソとなる . アミノ酸 152 しぜん 、 Hz NH2 HOOC-C-CHz-S-S-CHz-C-CC)OH りようでなく , 現在はこの区分は用いられない . 化石は の前半を始生代 , 後半を原生代としたが , 境界が明 億年前までの地質時代」かっては先カソブリア代 ◆始生代い先カソブリア代の前半 , 今から約 10 があらわれるが , 成長すれば半数は雄となる . は卵巣が発達し , ャツメウナギは , はじめ生殖腺に卵 化のおそいアカガコレのある種は , オタマジャクシのとき く , 原索動物のサルバの類にみられる . また , 性の分 精巣に先だって成熟すること」この例はごく少な せんじゅく雌雄同体の動物で , 卵巣が 雌性先熟しせい をもっ . 卵細胞 , 雄性前核 するまでの間の卵細胞の核をいう . 半数国の染色体 このときから * 精子に由来する核 ( 雄性前核 ) と合一 形の核がみられるが , 減数分裂終了後は小さくなる . * 卵母細胞の成長期から減数分裂にいたるまでは大 せんかく卵細胞の核」動物では , 雌性前核しせい 有種 , 普へん種 種や普へん種と呼ばれるものがある . 帰化種 , 固 生化していても自生種に含めない . 自生種には固有 その地域の植物として存在しなかったものは , 現在野 で分化した種」野生種ともいう . 狭義には , 本来 自生種い各地に自然に分布し , その分布地 水酸基← OH ) をもっことがわかる . コールの示性式は C2H50H で , 工チル基 ( ー C2H5 ) と 的な性質をつかむのに便利である . たとえば工チルアル て分子の特性を明らかにした式」化合物の化学 示性式いひとつの分子中にある * を区別し ソは 1 本のポリべプチド鎖をつくるものとされている . 1957 年にペソザーによって提唱された . 1 つのシストロ シストロン cistron 遺伝子の機能単位」 する . 吸虫類 行い , * 中間宿主を経てヒトをはじめホ乳動物に寄生 ソゾウジストマなど多数の種類があり , 種々の変態を 10mm ぐらいの寄生虫の総称」 * ハイジストマ・ * カ ジストマヘン形動物門・吸虫綱に属する 3 ~ じめるものが多い . 度・寄生などの環境条件がよくなると , 再び活動をは 態にも , 動物の種類によっていろいろあるが , 温度・湿 胞子と間違えておばえられることも多い . シストの状 にあるもの」のう子または被のう体ともいう . 植物の 面に厚いじようふな膜を分泌し , 一時休止した状態 シスト cyst 原生動物や下等な動物が , 体表 である . ヒトの毛髪の * ケラチンの 14 % はシスチソ きわめて少なく , 細菌類やラソソウ類と思われるものが わずかに発見されている . 先カソブリア代 しせい 雌性配偶子 はいぐうし異形配偶子における大 形の配偶子」一般に運動性がない . 異形配 偶子 , 大配偶子 姿勢反射しせい はんしや高等なセキツイ動物にみられる 姿勢や運動中のからだの平衡を正しく保っ * 反射」 この反射による各種の筋肉の収縮状態を総合的に まとめる反射中枢は小脳である . 伸張反射 しせい ◆雌性ホルモン セキツイ動物の雌の性ホ ルモン」卵巣から分泌されるホルモソで , ホ乳類で は発情ホルモンと黄体ホルモソの 2 種類がある . ヒトの 場合は女性ホルモソということがある . 黄体ホル モン , 発情ホルモソ 耳石き平衡石 ◆歯舌っカタッムリなどの軟体動物のロ器中に みられるヤスリ状の部分で , 食物をかきとるはたらきを するもの」キチソ質の膜上にじようぶな微小な小歯 が多数ならび , 大根をするときの「おろしがね」のような 外観をしている . 腹足綱のイモガイ科の数種は歯舌 から有毒分を出す . 自切髯っ動物がそのからだの一部を切断して放 棄する現象」トカゲの尾やカニのあしの * 再生はよく 知られているが , これらは他動的に尾ゃあしを切りとら れるのと違い , 特定の部位からみずから脱落させるも ので , 自己防衛の意義をもっている . 自切は神経によ る反射として起こり , トカゲの自切はせき髄反射 , カ ニの反射中枢は胸部神経節中にある . ◆自然選択しせん せんたく自然界における選択のこと」 自然とう ( 淘 ) 汰ともいう . * ダーウインが * 人為選択か ら類推し * 進化説の中で用いた語である . 最近の遺 伝学ではショウジョウバエの飼育で自然選択の実証 がなされている . 自然選択説 * ダーウインが進化の要 ま自然選択説しぜん せんたくせつ因として提唱した進化 説」自然とう汰説ともいう . 彼はガラパゴス群島の 探検やノ、トの品種についての実験観察から生物の進 化を確信するにいたった . マルサスの『人口論』から自 然選択の暗示をえて , 1859 年に『種の起源』を著わ し , この中で多くの証拠から生物進化の事実を証明 し , 進化の要因を説明する自然選択説を提唱した . 彼は家畜や作物にいろいろな品種があるのは * 人為 選択の結果であり , これと同じような選択を自然が 野生の生物に行っているために , 生物は環境に適し た形質が発達し , * 種の違いができてきたと考えた . 生物は個体変異を示し , 繁殖力が強いので各個体 が生存するために * 生存競争が起こり , 自然はこの競 争をとおして , 個体変異の中からもっとも生存に適す るものを選択する . これを * 適者生存という . 生存に適 した個体変異の形質は子孫に遺伝し , 代を重ねるう ちに , 祖先とは違った形質をもっ生物が生じる . この ようにして生物の進化が起こると考えた . ダーウイソの自然選択説は多くの人に支持された が , 個体変異がすべて遺伝するという証明はえられな かった . 特に * ワイスマソが個体変異は生殖細胞に変 化が起きないかぎり , 子孫に遺伝しないことを明らかに したので , 自然選択説に疑問が残った . しかし * メソデ ルの法則が再発見され , * ド = フリースの * 突然変異説

10. 生物事典

まろに マロニエトチノキに似た落葉高木の 1 種 . 双子 葉綱・離弁花亜綱・トチノキ科」バルカン半島原 産でパリの街路樹として有名 . トチノキと違う点は小 葉の先の幅が広くてあらいきょ ( 鋸 ) 歯があり , 果実は 径 5cm 内外で , とげのような突起がある点である . マングースホ乳綱・食肉目・ジャコウネコ科に 属する小形のけもの」体形はイタチに似ているが , や や太く , 四し ( 肢 ) は短く , 口がやや突出する . 体長 40 cm 内外 , 尾は 10cm 内外で太い . 雑食性であるが , ヘビをよく食べ , 毒蛇の駆除用に飼われる . 西部アジ アの亜熱帯・熱帯に産する . 近似種にカニクイマソグ ースがあって , 東アジア亜熱帯の山地にすみ , カニ・カ 工ルを食う . マングロープ mangrove 紅樹林 マンゴー東南アジア原産の常緑高木の 1 種 . 双 子葉綱・離弁花亜綱・ウルシ科」樹高約 30m , 径 約 lm , 葉は革質披針形で長さ約 20cm で互生 . 2 ~ 3 月枝先に帯赤色・白色小花の円錐花序をつけ る . 果実は長だ円形 , 熟すと黄色になり , 食べられる . マンゴスチンマレイ半島原産の常緑高木の 1 種 . 双子葉綱・離弁花亜綱・オトギリソウ科」樹 高約 10m. 径約 lm. 葉は草質で長だ円形 , 長さ 25 cm で対生する . 単性花であるが雄花は知られていな い . 3 ~ 4 月に径約 5cm の淡紅色の雌花が開き , 8 ~ 9 月に径 5 ~ 7cm の球形で赤紫色の果実をつくる . 種子のまわりの白い仮種皮の部分はアイスクリームの ようで果実の女王として賞味される . マンサク落葉高木の 1 種 . 双子葉綱・離弁花 亜綱・マンサク科」全国の山地に自生または庭に 植えられる . 高さ 3m ぐらい , 葉は互生し , 有柄でだ円 形 . 早春葉に先だって黄色花を開く . 花員は 4. 葉の しばり液はうがい薬になる . 336 みかく マンノース mannose * 単糖類 , * へキソースの 茎頂に長さ 2 ~ 3cm の黄かっ色の胞子穂をつける . cm, 多数枝分かれする . 葉はりん片状で密生し , 夏 , ラ科」茎は針金状の根茎から出て , 高さ 10 ~ 15 ダの 1 種 . シダ植物門・ヒカゲノカズラ綱・ヒカゲノカズ マンネンスギ高山の針葉樹林内にはえるシ る消化酵素はないため , 栄養に利用されない . * 木部繊維にも含まれる . 動物にはマンナンを分解す ニヤクマンナンに分けられる . マソナンは他に針葉樹の ゾウゲヤシマンナンと , かなりグルコースなどを含むコン る * 多糖類の総称」ほとんどマンノースだけからなる 1 種」分子式は C6H1206. 還元性 をもち , * 銀鏡反応や * フェーリソグ溶 液の反応を示す . 自然界には遊離の 状態では存在せず , マンナソと呼ばれ る * 多糖類の結合単位として針葉 樹の木部やコソニヤクの中に含まれて CHO HOCH HOCH HCOH HCOH CH20H マンナン mannan ◆ミエリン myelin * マソノースを主な成分とす * 有髄神経繊維の髄しよう マンボウ硬骨魚亜綱・マンホウ科に属する大 形の海産魚」特異な形をしている . 体長 1.5 ~ 3m に達する . からだは卵形で , 尾びれがなく , 背びれ・尻び れは , ほとんどからだに垂直で , 後端近くで上下に伸 びる . 暗灰色 . 雌は 1 びきで 2 億から 3 億の卵を産む . マンモス mammoth ホ乳綱・長鼻目に属する 化石動物」外形はゾウに似るが体表には長毛が 密生し , きばは大きくわん曲している . 北極圏の陸地 の氷雪中に生活し , 洪積世の末まで生存していた . 化石や凍結した遺体がシベリアなどで発見される . 万葉植物っ万葉集になんらかの形で表 現されている実在の植物」ある学者は約 260 種あ げているが , 解釈に異説があるもの ( * 秋の七草のアサ ガオなど ) や , ばく然とした植物 ( マメ・ウリ・タケ・コケな ど ) も少なくない . 原繊維の * アクトミオシンに , * アクチン 1 に対しミオシ 起こる感覚」化学物質がにが味 ◆味覚薇おもに水に溶解した化学物質の刺激で てはたらく . 分子量 50 万 . すべり説 シソは ATP アーゼとして , ATP を分解する触媒とし ン 2.5 ~ 4 の割合にはいっている . 筋収縮のさいに , ミオ を構成する物質」おもにリソ脂質からできている . 髄鞘豊ぅ ミオグラフ myograph 速度の比較的速い 運動を描画する装置」金属円筒と回転装置をも ち怪いテコで描画することは * カイモグラフと同じであ るが , ばわじかけで , 急速に 1 回転だけ回転運動が行 われ , 同時に被検体に電気的刺激が与えられ運動 が起こる . 回転の速さや , 被検体への刺激時期は自 由に調節できる . 筋肉のれん縮の記録に利用される . ミオグロビン myoglobin 筋肉細胞中にあ るヘモグロビソに似た仏タソバク質」分子量は約 1 万 7 千で , 153 個のアミノ酸が 1 本の鎖に結合したも のである . この分子の一次構造についてはまだ十分明 らかにされていない間に , この単結晶の X 線解析が開 始され , X 線解析と化学分析の協力によってその構 造が決定された . ミオグロビソの役割は筋組織中に 酸素を確保することにある . ◆ミオシン myosin 筋肉タソバク質の 1 種」筋 刺激になる感覚は * 臭覚と 味覚であるが , 他の感覚にく らべて分化の低いものであり , 動物の種類によっては両者 の区別が明らかでないものも 塩から味 酸味 甘味 ある . ヒトの味覚では甘味・〔舌の味覚の分布〕 酸味・にが味・塩から味の 4 種の味覚だけで , これらが さまざまな割合に混じりあってしぶ味やから味の味覚 を生じる . 実際には , さらに , におい・濃度・温度・触覚 などの感覚も組み合わせられている . 味覚器 , 味盲 ◆味覚芽かくセキツイ動物の * 味覚器」味ら い ( 蕾 ) または味のつばみともいう . 両生類以上のセキッ