原形質 - みる会図書館


検索対象: 生物事典
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1. 生物事典

さいほ う体表の陥凹部を * 囲ロ大核◎ . ◎ 在している . 細胞口に向か小核 くが , ソウリムシでは常に存 摂取のときだけ一時的に開せん毛 食物をとり入れるための開口部」アメーバでは食物 細胞ロこう原生動物の細胞器官のひとつで , さいはう ルボックスなどはその例である . と * 生殖細胞の分化のあるものがある . * パソドリナ・ボ 状などになる . 形態的に前後の別があり , 栄養細胞 連合する個体の相互関係から , 線状・球状・樹枝 合体」連結生活体・ケノビウム・連生体ともいう・ 細胞群体齦 2 個以上の * 単細胞生物の連 葉緑体・ミトコンドリアなども含めることがある・ の収縮胞・細胞こう門 , 感覚用の眼点などがある . ん毛 , 栄養用の囲ロ部・細胞いん頭・食胞 , 排出用 胞の生物に発達する . 運動用の * 偽足・ * 繊毛・ * べ ともいう . 細胞の集合でできた器官に対する語 . 単細 はたらきのために分化した構造」器官子・小器官 ・細胞器官細胞内の原形質が , いろいろな ムなどの結晶は排出物質とされている . 物細胞にみられるシュウ酸カルシウムや炭酸カルシウ にある . これらはいずれも貯蔵物質である . このほか植 * 糊粉粒としてみられる . このほか油滴は動植物細胞 貯蔵デソプンはデソプソ粒として , 貯蔵タンパク質は 蔵物質や排出物質などがある . 植物細胞にみられる の , 生命活動をしない物質」 * 後形質のひとっ . 貯 ◆細胞含有物がんゅうぶっ細胞内に含まれる有形 が多く特別に分化していてはたらき上も重要である . 類により量に多少がある . 一般に * 結合組織では量 ともいう . 細胞によって分泌された物質で , 組織の種 1 部 , 細胞ロの奥の管状部を * 細胞いん頭と呼び , 囲ロ 部の * 繊毛が水流を起こし て食物を細胞口を経て細 胞いん頭へ導き入れ , 細胞 いん頭の底部で * 食胞が形 成される・ . ? 0 、収縮胞 細胞ロ 細胞いん頭 食胞 〔ゾウリムシの細胞ロ〕 さいほう 細胞肛門こうもん原生動物の * 細胞器官の一 種で , * 食胞内で消化されない残りかすを体外にすて さる場所」常に開いているとはかぎらず , アメーバで は位置も一定していないが , ゾウリムシではからだの後 端の一定の位置を占める・ ま細胞呼吸物生物が生命活動に必要なエネ ルギーをうるために , すべての細胞で行う化学変化」 組織呼吸ともいい , また外呼吸に対して内呼吸とい うこともある . みな有機物を分解してその化学工ネル ギーをとりだすもので種々の場合があるが , 外からの酸 素を使う * 酸素呼吸と酸素を使わなに無気呼吸と に大別される . いずれもそれぞれの酵素による次のよう な化学変化の組み合わさった複雑なものである . ( 1 ) 呼吸に使われる * 基質の一部を二酸化炭素とし て分離する脱炭酸反応 . ( 2 ) 墓質に水の分子を付加 する反応 . ( 3 ) 基質から水素原子を分離することによ って酸化する脱水素反応 . この水素原子は結晶外 からの酸素と結合して水となる . ( 4 ) 墓質にリソ酸が 一時的に付加したり離れたりする反応 . これらの化学 変化に伴って生じるエネルギーは * アデノシン三リン さいほ 臓・リソバ節に送られ , 免疫反応をあらわす . 同種個 1 種である T 細胞となる . T 細胞は循環系やひ ( 脾 ) の一部が胸腺に移動して増殖・分化し , * リソバ球の 免疫と異なり , 体液中に抗体を生じない . 骨髄細胞 るリソバ系細胞によって行われる * 免疫」 * 体液性 ◆細胞性免疫せい * 抗原に特異的に作用す 期から離脱することになる . 胞の分化により細胞が増殖能力を失うと , 細胞周 部分により細胞周期の長さが異なっている . また , 細 の長さが著しく異なるために , 生物の種類やからだの 分けられ , 各細胞の S 期はほば一定であるが , 期 備期 ) ・ S 期 ( DNA 合成期 ) ・ G2 期 ( 分裂準備期 ) に ・終期に分けられる . 中間期は GI 期 ( DNA 合成準 〔細胞周期と DNA 量〕 ・中期・後期 裂期は前期 G2 時間 からなり , 分値の 0 - ー - ー s 期・静止期 ) 相 ( 間期・休止鬘あ 1 A 胞 期 ) と中間期 N 細 は分裂期 ( M の期間」細胞の生活サイクルともいう . 細胞周期 ◆細胞周期物細胞の分裂から次の分裂まで 成では , 母細胞は不均等に分割される . 物の不等黄卵 , ソテッ・シダ・コケ植物の卵細胞形 のがある . 細胞質分裂はふつう二等分割されるが , 動 し植物細胞でも花粉母細胞などにくびれのはいるも 般に動物細胞に , 後者は植物細胞にみられる・しか 合と * 細胞板が形成される形式とがある . 前者は一 が分裂するさい , 外からくびれがはいって 2 つになる場 分裂にひきつづいて起こる細胞質の分裂」細胞質 ぶんれつ ◆細胞質分裂 さいほうしつ * 細胞分裂のとき , * 核 性のタソバク質 , 運搬 RNA ( tRNA ) などを含む . 顕微鏡的には無構造な部分 . 解糖系の酵素 , 水溶 官や小粒・繊維などを除いた液状の透明な部分」 ◆細胞質基質きしっ さいほうしつ * 細胞質のうちの * 細胞器 素体遺伝 C02 感受性や異常性比などがその例である . 色 植物のふ入り , ソウリムシの * キラー , ショウジョウバエの の形質が子にあらわれ , * 相反交雑の結果が異なる . 性配偶子にくらべてはるかに少ないので , ふつう母親 る . 受精時に雄性配偶子の伴う細胞質の量は雌 ウイルスや細菌の寄生によると考えられるものまであ いうが , 細胞質遺伝の機構は単一ではなく , 明らかに 遺伝因子を仮定しプラスマジーン ( 細胞質遺伝子 ) と 因子によって伝えられる遺伝現象といってよい . その が違うと考えられるもので , 細胞質内の自己増殖性 遺伝子型が同じでも細胞質が異なるために表現型 と」核外遺伝ともいい , * 非メンテル遺伝の典型 . 係し , その細胞質の性質が安定して子孫に伝わるこ : 細胞質遺伝いでん細胞質が形質発現に関 さいはうしつ といわれる . 細胞質のまわりは細胞膜に分化している . 粒の混合物で , 前者は * 小胞体 , 後者は * リボソーム る . ミクロソームは細胞質内の膜状構造や小か ( 顆 ) * ミクロソーム・ * 色素体・ * ゴルジ体など有形体があ 細胞質体ともいう . 透明質のなかにミトコンドリア・ しっ原形質のうち , 核を除いた部分」 ◆細胞質 さいほう 素 , 脱水素酵素 酸 ( ATP ) として細胞内に貯えられる . 蛉脱炭酸酵

2. 生物事典

きせい 寄生者きせい しや他の生物体に栄養を依存して生 活している生物 . 寄生 ◆寄生植物しっ寄生生活をする植物」狭 義には寄生生活を行う特殊な高等植物をいうが , 広 義には菌根や菌ろう ( 瘻 ) を形成する下等植物までを 総称する . 光合成をしながら寄生し , 宿主より栄養 をとる * 半寄生と , 完全に宿主に栄養源をもとめる * 全寄生とがある . ックバネ・カナビキソウ・コゴメグサ・ ヤドリギなどは半寄生で , ネナシカズラ・ハマウッポ・ツ チトリモチ・ヤッコソウ・ナソバソギセルなどは全寄生で ある . 宿主が限定されている場合が多い . 寄生 ◆寄生虫翳ぢ寄生生活をする動物」寄生動 物ともいう . ふつうは人体に寄生する動物で , 人体内 部と , 外部に寄生するものとがある . 内部寄生を行う ものにはセキリアメーパ・チットリコモナス・マラリアビョ ウゲンチュウなどの原生動物やニホンジュウケッキュウ チュウ・ハイジストマ・カソジストマ・カギサナダ・カギナシ サナダ・ミゾサナダ・カイチュウ・ジュウニシチョウチュウ・ ギョウチュウなどがある . 外部寄生虫としてはダコナ ソキソムシ・ヒル・シラミ・ノミ・カなどがある . 寄生 季節型つ季節変異 基節腺つ脚基腺 季節風林 : ん雨緑樹林 季節変異ミ同種の生物でも季節により形 態・色彩・個体群の大きさなどに差異を示す変異」 アゲハ・モソシロチョウ・サカハチチョウなど年 2 回以上 発生するチョウには , 春型・夏型・秋型などの変異が みられる . チョウの季節変異型は季節型とも呼び , 主 として幼虫期やさなぎ期の日長と気温に影響されて あらわれる . プラソクトソのミジンコにも夏型と冬型が あり , これは浮力に関係した適応である . ブランクトソ や底生生物の個体群密度が季節的に変化する現 象も季節変異と呼んでいる . 鳥類やウサギなどで同 一個体がその色彩を夏と冬とで変化させるのは換毛 現象によるもので , 夏毛・冬毛と呼ばれる . 交雑に用いた花粉親の形 ◆キセニア xenia 質が , 交雑によって生じた種 子の形質にただちに発現する遺伝現象」劣性形 質の * 純系を母株にした交雑で , 優性形質の種子を 生じる現象を古典的にキセニアと呼んだ . 【重複受精】キセニアの本質は種子の * 胚または * 胚乳の形質についての遺伝で , 重複受精の現象が 明らかにされ , 胚や胚乳は受精によって生じた次代の 組織であることがわかって , キセニアも明らかに説明さ れた . P に生じた種子はの優性形質を , FII こ生じ た種子は F2 の分離をあらわし , メソデルの法則がみか け上 1 代早くあらわれる . 【相反交雑】雌雄を反対にした相反交雑でも結 果は同じであるが , 優性系統の母株に優性形質の 種子を生じるのは , それが交雑の結果であるという印 象がないので , キセニアとはいわない . 【胚の形質】エンドウの種子仔葉 ) の色ー黄色 A > 緑色 a P— 9 aa( 緑 ) x 6 AA( 黄 ) - Aa 受精卵→胚 = 子葉 ( 黄 ) Fz—AA: 2Aa: aa( 黄 : 緑 = 3 : 1 ) 【胚乳の形質】イネの種子 ( 胚乳 ) のデソプソの性質 83 きたい - ウルチ A > モチ a P— 9 aa( モチ )x 6 AA ( ウルチ ) 一 ( 重複受精 ) 卵細胞 ( a ) + 精核 ( A ) →胚 ( Aa ) , 極核 ( a ・ a ) + 精核 ( A ) →胚乳 ( Aaa)( ウルチ ) F2 ー胚・・・ AA : 2Aa : aa, 胚乳・・・ AAA : AAa:Aaa: aaa ( ウルチ : モチ = 3 : 1 ) 現在では , かって母体の一部とみなされ た胚乳の形質の遺伝だけをキセニアという . なお , 種皮は母体の一部である珠皮の変化したもので , キセニアを示さない . メタキセニア キセルゴケスギなどに付着するセン類の 1 種 . コケ植物門・セソ綱・キセルゴケ科」雌雄異株 . 雄 株は茎を欠き , 肉眼での識別は困難 . 員状のやくを そなえ , 1 個の造精器をもつ . 雌株は小茎があり , 無 色の葉でつつまれ , 1 ~ 2 個の造卵器をもつ . 胞子体は 5 ~ 20cm に達し胞子をつくる . 日本にキセルゴケ・ク マノチョウジゴケの 2 種がある . 帰巣性う動物が産卵 , 育児のために巣やす みかに帰ってくる性質」アリやミッパチのようなコソ 虫や , サケ・マス・ハトなど多くの動物で観察されてい るが , この性質が本能だけに起因するのか , あるいは知 能がどの程度関係するのか , などの分析はまだ十分に 行われていない . ◆偽足 : く運動のための * 原形質の突起」擬足 ・仮足・虚足などともいう . * アメーバ運動のための細 胞器官で , 移動や捕食に役だっ . 典型的なものはア メーバにみられるが , タイヨウチュウやホウサソチュウのよ うに糸状・有軸・放射などの偽足もある . 根足虫類 のほか , 変形菌の * 変形体・白血球・組織培養した 組織細胞などでみられる . 偽足は原形質の * ゲルと * ゾルの変化によって説明される . ◆基礎代謝量いしや呼吸運動・心臓はく動 ・排出などの生命維持に必要な最低限度の熱量」 動物の種類により異なり , ヒトの場合に年齢・性別・ 身長・体重などによっても変化する . 日本人の成人 男子で 1 日の基礎代謝量は 1200 ~ 1400kCa し女 子では 1 割程度少ない . 擬態気、動物が他の動物や物体に似た形態・色 彩・斑紋を示す場合」シャクガの幼虫が小枝に似 ていたり , ガの羽の色が樹皮に似ていたりするのは隠ぺ い的擬態 , ハナアブ類がハチ類に似た , 目だっ色彩を もつようなものは標識的擬態という . コノハチョウの隠 ぺい的擬態は古くから好例とされているが , 1935 年に 江崎悌三がコノハチョウの擬態効果はないことを指 摘している . 擬態の効果が種族保持にどの程度利 益があるかは不明 . 擬体腔翳い原体腔晉こう ぎたいせつ 擬体節制せい 体表は * 体節を示さないが , 内臓は体節的配列をしている場合」ウズ虫類に 属する三岐腸類の腸盲のう・生殖腺・神経の連鎖 などやウドンケムシの生殖などがその例である . 期待値い確率論の用語」同じ条件で繰 り返し観測や操作が行われても , その結果は一般に 異なった数値がえられる . これらの数値の平均が理論 的に期待できる値 ( 期待値 ) である . 気体定数名ぅポイル - シャルルの法則 ( れ = ん幻の拡張で , 一定質量として 1 モルをとったときのん

3. 生物事典

ぐんそ 合では永続的な群生が行われる . 群叢群集 ・群体 * 分裂や * 出芽により生じた各個体 ( 個 虫 ) が離散せずに全体で 1 個体となっているもの」群 体を構成する各個体が , * サソゴのように同型で分業 のない同形群体と , カツオノエボシのように各個体の 形態に差異があり , 繁殖と栄養などの分業が行われ る異形群体とがある . 1 個の群体では全体が生理的 につながり , 生態的な意味における個体の集合体で はない . 群団種類組成のよく似た群集の集まり」 2 つ以上の群集が 1 つ以上の共通の標徴種によって まとめられたもの . 蟀群集 群度群落における植物の集合の度合いを示 す尺度」コドラート ( 一定の大きさの正方形のわく ) 内に個々の植物個体がどのように配分され生育して いるかを示すもので , 量の多少には直接関係はない . ふつう , 5 ( カーベット状に一面に分布 ) , 4 ( 大きな斑紋 状に分布 ) , 3 ( 小群の斑紋状に分布 ) , 2 ( 小群状に 分布 ) , 1 ( 単生 ) の 5 階級に分けて表現されるが , かなり 主観的なものである . 群落同一環境につくられた植物の集団」 植物群落ともいう . 群落は 1 種または 2 種以上の植 物から構成されるが , その中の優占種 ( 被度やひん度 から決める ) によって特徴づけられる . 常緑広葉樹林 , 103 けいし . 毛 生物体の表面に生える糸状の突起の総 称」動物ではホ乳類の毛をさすが , * べん毛・ * 繊 毛・ * 刺毛・ * 剛毛など無セキツイ動物にみられるもの も含むことがある . ホ乳類の毛は表皮が陥入してでき た毛のうから生じる表皮変形物で , 外にあらわれた毛 幹と毛のう中の毛根からなる . 毛根には真皮の毛乳 頭がはいり神経や血管が分布し , 毛の栄養をつかさ どる . 毛には皮脂腺や立毛筋が付属する . 植物では 表皮系起源の毛がある . 単細胞性 , 多細胞性 , 1 列 のもの , 分枝のものと種類が多い . 刺毛・星状毛・り ん毛・触毛・腺毛・根毛などが知られている . 毛をつく る細胞は液胞が発達し , 葉緑体を欠くものが多い . 戒色けいかい しよく鮮明な色彩を示すことによって , 外敵をおびやかすと思われる動物の体色」アゲハチ ョウの幼虫やカメムシのように周囲の色彩から明確に 目だつばかりか , 有毒なものや不快臭などをもつものが 多い . 一度 , 被害を受けた捕食者が経験的に捕食 を避けるものと考えられている . 頃化性か化学物質が刺激になって起こる 。傾性」モウセンゴケの捕虫葉の触糸は , タンパク 第アミノ酸・アスパラギン酸などの溶液にふれると葉 ) 中心部に向かって屈曲運動を起こす . * 卵割の面が主軸 ( 卵軸 ) に平行である 3 」れかた」縦割ともいう . * 緯割の対語 . ウニやカ : ルの卵割では , 第一・第二の卵割は経割であり , 第 三卵割は緯割である . 頁光性こう光の強さの変化が刺激になって起 ススキの原 , 石垣のコケ植物 , 池の植物ブランクトンな どこの語の示す範囲は広い . 植物群落は主に気候や 土壌条件の影響を大きく受け , それぞれの気候帯特 有の群落をつくりあげている . また群落自身が生育 環境を徐々に変えて , 時間の経過とともに * 遷移が 起こり安定した状態 ( * 極相 ) へと変化する . 群系 , 群集 ◆群落統計 3 。く、 * 群落を研究するための統計」 群落構造の定性的 , 定量的研究のために , 調査対 象となった群落の数度・密度・ * 被度・均質度・ * 頻 度・階層・活力度・恒存度・適合度・優占度を統 計学的に分析する . ベルトトランセクト ( 帯状統計法 ) は群落内に設定された線に沿って一定の幅の面積 内に存在する植物を同定し , 数度や恒存度などの 分析や優占度を決定する方法 . 立地条件の漸遷 的変化に伴う植生の変化や群落の境界決定に役 だっ . ライントランセクト ( 線状統計法 ) は群落内に直 線状に縄を張り , これと接する個体の種類を調査し 頻度・被度を知る方法 , 主として草地植生に適用 される . コドラート法 ( 方形区法 ) は , ふつう , 1m2 また は 50Cm2 の方形枠を群落内に設置し , 枠内にある 各種植物の頻度・被度などを調べ * 優占種を決定 したり , 数度・恒存度の測定にも用いられる . 長期間 枠を固定して置き , 継続的に調査する場合 ( 永久枠 法 ) は遷移の様子を知ることができる . アージが , 細菌の遺伝子の一部を他の系統の細菌へ どうにゆう細菌に寄生する * バクテリオフ ◆形質導入けいしつ 地図の作製などにも応用されている . して知られる . 大腸菌などでも行われ , 細菌の染色体 が DNA であることを直接に証明した最初の実験と を起こす物質が DNA であることをつきとめ , 遺伝子 ることが発見された . 1944 年 , アベリーらは形質転換 型の死菌抽出液を加えると , R 型が S 型に転換す 病原性の R 型の培地に , きよう膜があり病原性の s 変換ともいう . 肺炎双球菌できよう ( 莢 ) 膜がなく非 液を加え , その遺伝形質を変化させること」形質 : 形質転換鷲寬細菌に他の系統の細菌の抽出 は 1 ~ 数個の * 遺伝子が関係する . 形態的特徴や生理的性質をいう . 1 形質の発現に 遺伝学では * 表現型としてあらわされ , 遺伝性のある ◆形質生物分類の基準となる形態的特徴」 スギナの細胞壁もケイ酸を含みかたい . には必要で , その細胞壁にはケイ酸が多い . イネ科や 少ない . ケイ素はふつう不要元素であるが , ケイソウ類 からなるケイ酸塩の形で地かくに多いが , 生物体には 式 H4Si04 など . 二酸化ケイ素 Si02 と各種の塩基 ケイ酸ケイ素 Si の化合物の 1 種」化学 昼夜運動 閉じるのは昼夜運動の 1 種である . 膨圧運動 , ギ・ススビトハギの葉がタ方になると , 下向きになって るのは , 光によって成長屈曲をするからである . また , ハ こる * 傾性」タンポポの花が昼間は開き , 夕方閉じ

4. 生物事典

さいへ さいほ 向かい , もう一度皮質へもどり , もう一度うわったのち 体・核膜なども , 電子顕微鏡でみると光学顕微鏡で ほかの細尿管と合流して太い管 ( 乳頭管 ) となって腎 はみえなかった微細構造が明らかになってきた . うに開口する . マルピーギ小体でろ過された , 血しよう ( 動物 ) ( 植物 ) の非タンパク質成分に近い最初の尿 ( 原尿 ) は , 細尿 リポソーム細胞膜ー 葉緑体 管の第一曲部でおもに水が , 第二曲部で塩類やブド ミトコンドリア 細胞壁 ウ糖が再吸収され , また細尿管より尿素が分泌され 油滴 て尿が形成される . 液胞 ゴノレジ体 砕片生殖さい ~ ん せいしよく卵片生殖 核膜 コつレジ - 体 、生物体を構成する基本単位」細胞 滑面小胞体 : 細胞 は * 細胞分裂によって生じる . 1 個の細 仁 胞が 1 個体となるものを * 単細胞生物 , 2 個以上の細 胞からなるものを * 多細胞生物という . 【細胞の研究史】 * ロバート = フック ( 1665 ) がコルク 粗面小胞体 の切片を顕微鏡で観察し , はちの巣状の小室を細 中心体 胞 (cell) と命名した . その後 , * シュライデソ ( 1838 ) が グリコゲン顧粒 植物で , * シュワゾ 1839 ) が動物で , 細胞が生物の単 〔細胞の電子顕微鏡的構造〕 【原形質と後形質】細胞の生きている部分は原 位であるという細胞説をとなえた . 電子顕微鏡の発 明は一段と細胞の研究をおし進めた . 形質で , 核・細胞質およびその中に含まれる核液・仁 【細胞の形】遊離細胞では球形またはそれに近い ・染色糸・ミトコソドリア・色素体・中心体・ゴルジ体 ・小胞体・リボソームも原形質である . これに対して細 形が多く , 組織をつくる細胞は多面体のものが多い . 胞液・細胞壁・細胞内含有物は後形質で , 生きて 植物細胞では * 細胞壁の形に支配される . 花粉管・ 根毛などは細長い . 動物では赤血球は円盤状で , 神 いる部分ではない . 経細胞は長い神経突起をもっ . 細胞咽頭ミ賢 3 * 原生動物の食物をとるための 【細胞の大きさ】小さなものは球閃の 1 種である霊 * 細胞器官」 * 細胞ロの奥部の , 細胞表面が体 菌で 0.74 , 大きなものではダチョウの卵細胞の直径 内に向かって管状にはいりこんでいる部分をいう . * 囲 75mm である . 人体の細胞は 6 ~ 2304 で平均 17 川 ロ部の * 繊毛によって起こされる強い水流にのった食 高等植物の若い細胞で平均 5 ~ 24 ″といわれる . 物は , 細胞いん頭の底部より細胞質中に押しこま 【光学顕微鏡的構造】植物細胞では細胞壁・細 れ , * 食胞を形成する . ゾウリムシなど繊毛虫類に典 胞膜に包まれた中に細胞質と 1 個の核があり , 細胞 型的なものがみられる . 細胞ロ 内には液胞が発達している . 細胞を固定染色すると , ◆細胞液さいほう えき植物細胞の * 液胞をみたす液」 核は核膜と内部で網状になっている染色糸と 1 ~ 数 無機塩類・有機酸・炭水化物・粘液・アントシアソ・ 個の仁が分布し , あいだを核液がみたしている . タンニン・アルカロイド・タソバク質などを含み , ふつう 弱酸性を示す . 塩類をもつのでふつう自然界では吸 ( 動物 ) ー ( 植物 ) 水し細胞の緊張状態を保っ . モモやカキなどの * しょ ミトコンドリア う果の果汁は大部分が細胞液で , その味や色・香な 脂肪粒 どはその中にある物質によるものである . ゴノレジ体 ミトコンドリア ◆細胞外消化 さいほうがい しようか細胞外に分必した * 消 細胞質 化酵素により , 食物を消化したのち吸収する消化の 形式」通常は , 消化管内で行われるが ( 消化管内 核液、島 消化 ) , 消化管以外で行われることもある ( 消化管外 核膜 消化 ). アリジゴク・ゲソゴロウ・クモなどはとらえた獲物 染色糸 中心体胞壁 に消化液を注入して消化する . 消化管内に共生す る * 原生動物や , * 食虫植物も消化酵素を体外に分 〔細胞の光学顕微鏡的構造〕 泌して消化する . 細胞内消化 染色糸は塩基性色素によく染まる . 細胞質中には 細胞学的染色体地図さいほうがくてき せんしよくたいちずし色本 ミトコンドリア・ゴルジ体 , 植物細胞だけにある色素 地図の 1 種」遺伝学的染色体地図の対語 . だ液 体 , 動物細胞と一部の植物細胞にみられる中心体 腺染色体地図が代表的なもので , 各染色体の横し などの粒子がある . ミトコンドリアは 0.5 ~ 24 ぐらい まの位置と対応する遺伝子の位置を図示したもの . で , 粒状または糸状 . 色素体は葉緑素をもつものを 染色体地図 , だ液腺染色体 葉緑体 , カロチノイドだけをもつものを有色体 , 色素 細胞間橋さいほう かんきよう原形質連絡 を欠くものを白色体という . 中心体は下等な植物に 細胞間隙植物体の組織中にある細胞と もみられ , 核に近く 1 個あり , 中に中心粒をもつ . 植物 細胞の間のすきま」細胞と細胞が離れて間隙に 細胞の液胞は細胞液でみたされ , この中にはタソバク 質・糖類・アソトシアン ( 色素 ) ・アルカロイド・無機塩 なった場合と , 細胞がこわれてそこが間隙になったもの 類を含む . がある . 緑葉の * 海綿状組織 , 水生植物の * 通気組 織 , マツなどの * 樹脂道などがその例である . 【電子顕微鏡的構造】光学顕微鏡でみえなかった ものが電子顕微鏡で初めてみえたのは , 小胞体やリボ ◆細胞間物質さいほうかん ぶっしっ動物組織において細胞 ソームである . その他 , ミトコソドリア・葉緑体・ゴルジ と細胞との間をみたす物質」細胞間質または基質 137 0 染色糸 ン 液胞 仁 葉緑体 0

5. 生物事典

ゆうこ 1 340 分 , 28 。 C では 69 分を要する . 前期 181 分 , 中期 14 分 , 後期 15 分 , 終期 130 分 , 計 すと , 20 。 C のとき , ムラサキッュクサのおしべの毛では , 種類・組織 , 外界の気温によっても違うが , 1 例を示 【分裂時間】体細胞分裂に要する時間は生物の でを中間期という . つづいて分裂が行われるときは , 次の分裂が始まるま 体が二分して両極に移動し星状体をつくる . ひき 核が形成される . * 中心体をもっ細胞では , 前期中心 【終期】前期の状態の逆を示す時期 . こうして 2 娘 染色体は短くなり , かたまりをつくる . 染色体は動原体の部分から極に向かう . 極に達した 【後期】縦裂した染色体が両極にひかれる時期 . 色体は * 動原体の所を除いて完全に 2 本に縦裂して ル状になり . 紡錘体を形成する . 赤道板にならんだ染 【中期】染色体が赤道板にならぶ時期 . 核液がゲ 消失する . ときの染色体は縦裂している . このころに核膜・仁が て棒状 , またはかん ( 桿 ) 状になって染色体になる . この にしたがって , 小さなビッチのらせん糸があらわれ , やが てらせんがとけて太くなる . これを核糸という . 太くなる 染色糸はやや太くなり , らせんに巻く ( らせん期 ). やが 【前期】静止核の染色糸が染色体をつくる時期 . ( 末期 ) に分ける . がある . 分裂の経過をふつう前期・中期・後期・終期 胞分裂と生殖細胞形成時にみられる * 減数分裂と 裂ともいう . 有糸分裂には , 体細胞にみられる * 体細 成を伴う核分裂」間接分 ぶんれつ : 有糸分裂ゆうし * 染色体・ * 紡錘体などの形 大部分は海産 . 示準化石としても重要 . 古生代以前から栄えたもっとも古い動物のひとっ . ヘイセキなどはこのユウコウチュウのからの化石である . 室内に , たがいに原形質連絡をたもっ虫体がいる . カ などの共通のからをもち , からの中に規則的にならんだ 泌物によってつくられた石灰質・キチン質・ケイ酸質 ウコウチュウ目に属する単細胞の微小な動物」分 ユウコウチュウ原生動物門・根足虫綱・ユ 起こる前までの土じよう含水量をさす . ら吸収するが , 不足するとしおれ始める . この現象が 成長するには水分が必要であり , これらはすべて根か 3 浦 ゆうせ 中間期 後期 終期 前期 中期 中間期 e. 染色体 圧仁 b. 核膜。 . 染色糸 d. 紡錘糸 f. 動原体 g. 紡鉢体 h. 細胞板 〔植物の有糸分裂〕 有刺胞類ゆうし はうるい刺胞類 : 有色体しよく * クロロフィルを欠き * カロチノイ ド系色素をもっ * 色素体」雑色体ともいう . * 葉緑 体と同様にだ円体で , 円板状をしたものであるが , 色 素の結晶を生じると , 柱状・針状多角形などの形に なる . ミカソ・トウガラシ・トマトの果実 , ニソジソの根 , ヒマワリの花弁 , サフラソのやく ( 葯 ) などの細胞にみら れる . * 白色体に色素を生じたり , 葉緑体がクロロフ イルを失うと有色体になる . 有色体では * 光合成は 行われない . 有翅類し節足動物門・コソ虫綱・有シ ( 翅 ) 亜綱に属するコソ虫群の総称」無シ亜綱を除く全 コソ虫が有シ亜綱に属するから , 大部分のコソ虫はこ のなかまである . 複眼・触角が発達し , 胸部第二節 , および第三節にはそれぞれ 1 対の羽を生じるか , その痕 跡をもっ . 感覚器官・運動器官が発達 . 卵から直接 発生せず幼虫を経て変態を行う . コソ虫類 , 無 翅類 雄蕊銘おしべ ゆうすい ◆有髄神経繊維しんけいせんい * 髄しよう ( 鞘 ) をも っ神経繊維」セキツイ動物の神経は交感神経以 外は有髄神経繊維である . 有髄神経繊維は * ミエリ ソのため白くかがやいてみえる . 興奮の伝わる速度は * 無髄神経繊維にくらべてはるかにはやい . 跳躍 ちょうやく 伝導でんどう ◆優性認 * 対立形質をもっ P を交配した FII こ P の 一方の * 形質だけがあらわれるとき , その形質は P の他 方の形質に対し優性」顕性ともいう . P の交配に おいて Fi にあらわれる形質を優性形質 , その遺伝子 を優性遺伝子といい , にあらわれないほうを * 劣性 という . 優性が完全な場合 , 特に * 完全優性ともいう が , * 不完全優性の場合も少なくなく , 計量的な形 質にその例が多い . 一般に * 野生型 ( * 正常型 ) は * 突 然変異型に対して優性であるものがほとんどである . 優性の法則 優生学せい遺伝学の知識を応用して , ヒト の形質の悪化を防ぎ , 改善をはかることを目的とした 学問」イギリスの * ゴルトソにより 1883 年提唱され たもので , 今日では , 法律で規制している国も少なく ない . 悪質の遺伝子をもち , 子孫に悪影響をおよぼす 恐れのあるものは , 国の法律によって子孫を絶っ断種 法による方法と , 優良な遺伝子をもっ家系の繁殖を 促進するために , 早婚によって多くの子供をうるよう 奨励したりする方法とがある . しかし人間の場合 , 実際には難しい面が多い . 雌雄の性が分化し , 雌雄 : 有性生殖 ゆうせい せいしよく の * 配偶子がっくられ , この 2 つの配偶子の合体によって * 接合子をつくってふえ る * 生殖」生殖のもっとも基本的な形である . 性の 分化が明確でない生物でも , 特別な 2 個の細胞 ( 配 偶子 ) の合体が起これば , これを有性生殖の始まりと みなし , また , 配偶子が単独で発生を始める場合も , 性の存在が明らかであることから有性生翹に含める . したがって , 有性生殖は広く配偶子による生殖と考 えることができ , 配偶子 2 個の合体による * 両性生殖 と配偶子 1 個の単独発生による * 単性生殖とに分け ることもできる . 【両性生殖】雌雄の配偶子の合体による生殖で あることから , 生じる子孫の遺伝子構成は , 両性の 遺伝子が組み合わされたものとなり親とは異なる .

6. 生物事典

けんき けんけ 別できない . 原形質体にはさらに核と細胞質体とが 光合成によるものが多いが , 中には酸素があれば酸素 ある . →細胞 呼吸もあわせて行う * 大腸菌のような細菌もある . げんけいしつ 原形質吐出としゆっ 植物細胞を水や著しく 嫌気性培養法よぅ嫌気性菌の培養法 低張な溶液に入れたとき , 細胞がふくらんで破裂し , のひとっ」無気培養法ともいう . 嫌気性菌は胞子 内容がいっ ( 溢 ) 出する現象」細胞を * 低張液にい をつくるものが多いので試料を 70 ~ 80 。 C で 15 ~ 30 れると , 細胞は吸水してふくらむが , * 細胞壁のうすい 分間加熱して雑菌をとうた ( 淘汰 ) しておき , 次に合 発芽孔をもつ花粉や , 高い浸透圧をもつ海藻を水に 器中の酸素を追い出して培養する . 簡単な方法は , 入れると , 細胞壁が * 膨圧に耐えられず破裂すること 培地に 0.5 ~ 2 % ブドウ糖 , 0.3 ~ 0.5 % ギ酸ナトリウ がある . ム , 0.05 % 硫化ナトリウム , 0.3 % シスチン塩酸塩など げんけいしつ * 原形質分離した細胞 ◆原形質復帰ふつき を加え , 使用する前に 15 分間煮沸し , 冷却してから がもとの正常な状態にもどること」原形質分離回 用いる . 重ソウ法・酸素吸収法などがある . 復ともいう . 原形質分離を起こしている細胞を低張 原型それぞれの動植物群に共通する体制の 液または水の中に入れた場合 , または比較的透過し 抽象化ないし様式化された模型」 18 世紀後半か やすい溶質 ( 尿素など ) をもつ溶液で原形質分離を起 ら発達した比較解剖学によってつくられた概念 . こさせて長時間おいた場合 , 原形質復帰をする . 原 細胞のおもな構成要素で , 生 : 原形質し げんけい 形質復帰は物質の透過性の測定に用いられる . 命活動をいとなんでいる物質」 げんけいしつ ◆原形質分離 ぶんり植物細胞を * 高張液に * 後形質の対語 . * 核質と * 細胞質とからなる . 原形 浸したときに , 原形質が収縮 質は生物体内に起こるはたらきの基礎物質である . し細胞壁から離れる現象」、一ノ 細胞壁 【原形質の成分】細胞内には原形質だけでなく * 細胞膜や * 液胞膜は * 半透 後形質も含まれるので , その化学成分は正確に示し 膜であるから植物細胞を高 にくいが , * 変形菌植物の変形体 , 白血球などを分 張液に入れると , * 浸透によっ 液胞 析したものによると , 構成元素は C ・ H ・ O ・ N ・ Ca ・ て細胞内の水分が外に出る . 細 P ・ K ・ S ・ 0 ・ Na ・ Mg ・ I : Fe がおもなもので約 95 % 胞 細胞壁はじようぶな膜でしか を占め , 他に微量元素として , Si ・ B ・ Br•Zn ・ Cu ・ も * 全透性であるから , 原形 Mn ・ Ni ・ Co などがある . 化合物としては * タソバク質 質は収縮すると細胞壁から〔原形質分離〕 ・ * 脂質・ * 炭水化物・ * 核酸などと無機塩類・水よ 離れてしまう . 原形質分離を起こして平衡した状態 りなり , 水が約 85 % , タソバク質川 0 % , 脂質 2 % , そ にあるとき , 細胞質・細胞液と外液とは等張である . の他の有機物 1.5 % , 無機塩類 1.5 % となっている . 細胞膜は完全な半透膜ではなく選択透過性を示す 水とタソバク質で大部分を占めており , 生命活動 ので , 透過しにくいショ糖・ブドウ糖・硝酸カリウムなど をいとなんでいる原形質では水と無機塩類の割合は の溶液を用いる . 原形質分離を起こした細胞を水の あまり変動しない . 水は重要な成分であるとともに溶 中に入れると , * 原形質復帰が起こる . これは植物細 媒として重要な物質である . タソバク質は原形質のお 胞の生死の判断に用いられる . なおヒョウタンゴケは , もな構成材料となり , * 酵素としてはたらくものが多い . ブドウ糖の高張液では原 * 脂質は脂肪と類脂質 ( リポイド ) を総称したもので , 形質分離を起こすが , ショ 原形質には類脂質が重要であり , C ・ H ・ 0 のほかに 糖の高張液では細胞壁が N や P を含む . * 炭水化物はエネルギー源として後形 ショ糖を透過させないので〔ヒョウタンゴケ〕 質的な成分となっているものが多い . * 核酸には * DN 原形質分離が起こらず , 細胞壁が波状に収縮する . A と * RNA があり , * 核タソバク質として存在する . 無 げんけいしつ * 原形質分離液ぶんりえき原形質分離を起こ 機物質は塩類として存在し , 量は多くないが , 原形 させるために用いる溶液」細胞膜は完全な半透膜 質のはたらきの上で重要なものである . ではなく , 物質の種類・イオン・刺激などの状態によっ 【原形質の状態】原形質は水と有機物とで * コロ て透過性を変えるため , 原形質分離溶液は限られて イドをつくっている . コロイドには流動状態の * ゾルと くる . ショ糖・ブドウ糖がもっとも適し , ついで塩化カリ 固まった状態の * ゲルがあるが , 原形質ではゾルにゲル ウム・硝酸カリウム・塩化カルシウム・硝酸カルシウム の変化を絶えずくり返している . アメーバの偽足運動 などの中性塩が比較的よく用いられる . ・細胞分裂時の * 紡すい糸の出現と消失などはその 原形質膜を費細胞膜 例である . げんけいしっ ◆原形質流動りゅうどう細胞の外形は変わらず げんけいしつ ト原形質運動うんどう細胞内の * 原形質流動 に内部の細胞質が流れるように動く現象」原形 ゃべん毛などの細胞器官を使った運動」植物細 質運動のひとっ . 典型的なものは液胞の発達した植 胞や原生動物にみられる原形質流動は細胞質にお 物細胞 , たとえばムラサキッュクサのおしべの毛・シャジ ける原形質の流れである . べん毛 ( ミドリムシ ) や繊毛 クモの節間細胞・カナダモの葉の細胞などにみられる . ( ゾウリムシ ) ・偽足 ( アメーバ ) によるものは移動運動に アメーバの偽足運動も含めることがある . 流速は種類 よく使われる . 細胞分裂のときの細胞内の変化は原 や条件で変わるが , ふつう秒速 5 ~ 554 ぐらい・ 形質運動とはいわない . 原形質連絡しつ組織をつくっている細 原形質体げんけい しったい原形質の塊を構造上からみ 胞と細胞の間にみられる原形質の連絡」細胞間 た場合の呼び名」プロトプフストともいう . 植物細 橋ともいう . 糸状の原形質 ( * 原形質連絡糸 ) が細胞 胞では細胞壁をのぞいた全細胞の内容をいい , 動物 間物質のすき間や細胞壁にある小さな孔 ( * タングル 細胞では細胞壁がないので , 細胞と原形質体とは区 孔 ) を通して連絡している . 動物では上皮組織・結 111

7. 生物事典

がく 重要な研究方法のひとっといえる . をたどることができる . したがって , * ゲノム分析とともに 型を比較することによって分類の上で , その類縁関係 に数字を加えてその順をあらわす方法などもある . 核 あらわす . このほかに , 大中小を ABC であらわし , これ 小により L,I, M , m , P , p であらわし , ′で付随体を イセンの 1 種の核型を示したもので , うでの長さを大中 2 ” = 14 = 6LP 十 m 十 2mP 十 2PP 十 2PP ′はス 置でいろいろな形を区別することができる . たとえば , 置やその他のくびれ , つまり二次狭さくや付随体の位 示したもの」染色体は紡錘糸のつく * 動原体の位 ま核型各生物がもっ 1 組の染色体の数と形を る少量の * DNA がその本体である . 細胞質遺伝 胞質の色素体・ミトコソドリア・ゴルジ体などに含まれ れメソデルの法則にしたがう核内遺伝子の対語 . 細 胞質遺伝子・ブラスマジーソともいう・染色体に含ま 核外遺伝子纓細胞質中の遺伝子」細 蟀細胞 パク質や脂質などを含み , * 核酸はないといわれている . のときにゲル化して紡錘体を形成する . 低分子のタン える部分」ゾル状の * コロイドであるが , * 細胞分裂 ◆核液核の墓質で , 生細胞で透明均一にみ えられている . うな真に不可逆的なものではないことを示すものと考 となり , 核の分化が遺伝子や染色体の一部を失うよ えられる幼生の小腸上皮細胞の核でも正常な幼生 し , * アフリカツメガ工ルでは十分に分化した細胞と考 でしか発生できないことは , 核の分化を物語る . しか 幼生にまで発生するが , 神経胚期の核では胞胚期ま の核では約半数 , のう胚期の核では約 10 % が正常な 胞質との関係を調べるのに使われる . カエルの胞胚期 ットで移植し , 発生・分化における核の役割りや細 ふつう , 除核卵細胞に , 各期の胚の核をマイクロピペ 核を移植して , 核と細胞質との関係を調べる実験」 ◆核移植よく核を除去した細胞に他の細胞の 置を調べなければ区別できない . が , ュリ・チューリップなどでは花冠と同色で , っく位 冠とともに * 花被を形成する . ふつう緑色葉状である の集まりで , 構成葉のひとつひとつをがく片という . 花 要素のひとっ」花のいちばん下 ( 外 ) に発生する花葉 ◆萼 * 花冠・ * おしべ・ * 心皮とともに花を構成する によってつけられたい 831 ). 核という名称はブラウソい〃 3 ~ 1858 ) 出するともいわれる . 関係する . また形質を支配する物質を細胞質へ放 される . 核は細胞内の呼吸・成長・タソバク質合成に 生じる . 2 娘核を生じると , 核膜と仁はふたたび形成 中期には核膜や仁は消失し , 核液からは * 紡錘体を 分裂の際は染色糸が染色体の骨組みになる . 分裂 をつくっている . 染色糸はこの物質で構成される . * 核 A は核だけにあり , ヒストソと結合して * 核タンバク質 ( RNA ) ・脂質・無機物 ( K ・ Ca ・ Mg など ) である . DN A ) ・ヒストソ・その他のタソバク質・少量の * リボ核酸 核のおもな化学成分は , 水・ * デオキシリボ核酸 (DN ンバナの粘液内 ) ・環状 ( ソラマメの内乳 ) などがある . 等動物の白血球 ) ・らせん状 ( 筋肉繊維 ) ・糸状 ( ヒガ のにはいろいろな形がある . すなわち , ソーセージ状 ( 高 がくし 回数を重ねるにしたがって短い時間でえさにたどりつ っくまでの時間と試行回数との関係をみると , 試行 と」たとえば , 動物を迷路に送りこみ , えさにたどり 行錯誤の繰り返しにより新しい型の行動ができるこ ◆学習う目的をもった動物の行動において , 試 表面に近いものからはげて脱落する . 平細胞からなる . この細胞は核がなくなり死ぬので , 動物の表皮の最外層がこれに属し , 角質化したへん 角質層しつ * 角質化した細胞層」セキツイ て * 角質層をつくる . なる . なおセキツイ動物の表皮の最外層も角質化し 沈着する現象」角質化すると細胞は死んで堅く つめ・ひずめなどにタソバク質成分の * ケラチゾ角質 ) が うろこ・くちばし・羽毛・毛・つの・ ◆角質化か かくしつ NA はヒストソと結合して * 核タソバク質となっている . A ) ・脂質・無機物 ( K ・ Ca ・ Mg ・ Zn など ) からなる . D ストソ・その他のタンバク質・少量の * リボ核酸 (RN してみるときは核 . 水・ * デオキシリボ核酸 (DNA) ・ヒ ◆核質 * 核を構成する * 原形質」有形体と もので , さらに太くなり * 染色体を形成するようになる . 糸状構造」核糸は染色糸が縮んでやや太くなった 核糸む細胞分裂前期に , * 核にみられる細長い オチド タソバク質の合成を営む . DNA, RNA, ヌクレ 主体であり , RNA は DNA の遺伝情報にづいて ソバク質となっていることが多い . DNA は遺伝子の ( リボ核酸 ) とに大別され , タソバク質と結合して核タ ある DNA ( デオキシリボ核酸 ) と , リボースである RNA ヌクレイソ酸ともいう . ペソトースがデオキシリボースで の部分で多数つながって長くなったリヌクレオチド」 炭糖 ) リソ酸が結合したヌクレオチドが , 糖とリソ酸 : 核酸窒素を含む有機塩基と , * ペソトース ( 五 などをつつみこんでいく場合がその例である . のひとっ」細胞層が表面積をまし内部の卵黄塊 ②動物の初期発生のときにみられる形態形成運動 きに起こる . 隔膜をとおして行われる拡散を * 浸透と は混合溶液になること」 2 つの間に濃度差があると いた場合 , やがて入り混じって , 均一の混合気体また 拡散① 2 種の気体または水溶液を接してお で , 細胞質はふつうの細胞とあまり違いはない . きな細胞はニワトリの卵細胞のように卵黄が多いため 細胞分裂をして , その比を極大値以下に下げる . 大 較的一定の核細胞質比を保ち , 細胞が成長すると がら , 細胞のはたらきを調節する . したがって細胞は比 と細胞質の容量との比」核は細胞質と協調しな ひとつの細胞の核の容量 核細胞質比しつひ かくさいほう することができる . 過程で染色体がどのような異常を起こしたかを推定 考えれば納得できる . このように核型分析で , 進化の 棒型の 2 本が末端で融合してヒッジの V 型になったと 棒状であり , ヒッジでは 3 対が V 型となっていて , ヤギの 2 ” = 54 , ヤギ 2 れ = 60 であるが , ヤギの染色体はすべて ジとヤギの核型を分析してみると , 数の上ではヒッジ 関係を知る重要な研究方法のひとつ . たとえば , ヒッ 類縁関係を知る方法」 * ゲノム分析とともに類縁 ぶんせき核型をもとにして分類学上の : 核型分析 かくがた *

8. 生物事典

かんし どがその例 . 道管は上下の隔膜がとれて長管となった もので , 原形質は消失し , 細胞壁に多くの模様 ( 環 紋・らせん紋・孔紋・階紋など ) をもっ . 師管は管状で 細胞壁は薄く , 師板という多数の小孔をもつ . 乳管 は簡単な乳細胞と多くの細胞からなる複雑な乳道 管とがある . これらは機能上からは * 通道組織である . かんしよう 桿晶体 品体 かんじよう 桿状体た 棒細胞 かんじよう 管状中心柱ちゅうしんちゅう * 原生中心柱につい で原始的な * 中心柱」中心柱の 1 形式で , 中央に * 髄 , 次に木部 , さらにその外側を師部がおおう中心 柱 . 木部の内外に師部がみられるものもある . シダ類 によくみられる . 葉跡のため , 管状の一部が欠ける . 葉 が多い時は網状にみえるのでこれを網状中心柱とい うが , 本質的には管状中心柱と同じものである . 中心柱 かんじよう 両端のリソ酸基の間が結 ◆環状 DNA 合して環状となっている * DNA ( デオキシリボ核酸 ) 」 はじめは大腸菌の染色体の両端にあると考えられた 遺伝子間の * 組みかえ率が隣接する遺伝子間のよう な低い値を示したことを説明するために考えられ , その 後電子顕微鏡による観察で実証された . 多くの細 菌やウイルスの DNA が環状であることが知られてい る . かんじよう 冠状動脈どうみやく * 心臓自身に分布する * 動 脈」動脈弓の基部から分かれ心臓外壁を心房と 心室の間で取り囲んで分布し , 心臓に栄養等を補 給する . この血管は他の動脈管と異なり交感神経の 刺激により拡張する . かんじよう 環状剥皮 環状除皮 はくひ 肝静脈うみやく * 肝臓から血液を送りだす * 静 脈」セキツイ動物において , * 肝動脈と * 肝門脈よ り肝臓にはいった血液は毛細管に分かれたのち肝静 脈に集まり , * 大静脈を経て心臓にかえる . 環水管すい コウ腸動物・有刺胞類 ( クラゲ ) の かさのふちに沿って環状にある水管」クラゲでは胃 こうから放射状に伸びた放射水管と , これを環状に つなぐ環水管とがあって , 消化・循環系の役目をする . かんすい 中腸腺 肝膵臓ぞう 含水炭素い炭水化物 ◆間性 * 雌雄異体の生物で雌と雄との中間の 形態を示す個体」発生途上に起こった * 性の転 換が不完全な場合に生じる . からだを構成する細胞 の染色体構成は一様である . ボネリアでは , 雌個体の 口さきにつき雄として発生をはじめた * 幼生を途中で 離した場合 , オタマジャクシなどでは性ホルモソを与え ることにより , ある種のカこでは寄生虫の寄生により間 性が生じる . また , マイマイガでは異なる種族間の交 雑により , ショウジョウバエでは * 常染色体と * 性染色 体との比により間性が生じる . ◆乾生形態けい心吸水が困難な乾燥地に生育 する植物の形態」貯水組織がよく発達し , 表皮 の * クチクラ層と * コルク形成層も発達し , * 気孔は陥 没して蒸散を抑制している . ネさく状組織ど道管も 発達し , 細胞は小形化して細胞間隙が少ない . 根の 発達がよく地下水に達する場合と地表下に浅く広 くはり , 雨季に十分吸水したり , 浸透価の高いものな かんせ どがみられる . * 乾生植物は乾生形態を示し , このよ うな植物を乾生型という . また砂漠・海岸・高地など の乾燥した土地の生物とその環境を乾生態という . かんせい ◆乾生植物しよくぶっ乾燥地に生育する耐乾性の 強い植物」土じようの乾燥のみならず空気の乾燥 や低温 , 塩分過多などの条件で吸水困難な環境に 生育する . サポテンのような多肉植物は * 貯水組織が 発達し体表はクチクラの厚い層よりなり , 極度に蒸 散量を小さくするように含水量に対する表面積の割 合が少なくなっている . 火山の噴出物などにより一時 かんせい ◆乾性遷移せんい 的に生物が死滅した乾燥地に始まる遷移」水分 や栄養塩類に乏しい裸岩の区域には長い間植物は はいりこめないが , やがて下等植物の胞子などの侵入 が起こり遷移が始まる . 固着・葉状地衣時代→セソ タイ ( 蘚苔 ) 時代→草本時代→低木時代→森林時 代 ( 陽樹林 ) →極相森林時代 ( 陰樹林 ) の順に移行 するのが模式的な遷移系列であるが , 実際はもっと不 規則である . 湿性遷移 , 遷移 関節骨と骨の結合部分で運動が可能にな っている構造」セキツイ動物のような内骨格をもつ ものでは , とつ形とおう形の骨の末端が接して , これを じようぶな結合組織で包み , 内部にリソバを満たす構 造になっている . 相接する骨の末端は軟骨になってい る . 節足動物のような外骨格をもつものでも , 相接す る外骨格の間を節間膜でつなぎ , 内部に筋肉をもっ 関節がある . 環節ヒル類の体表にみられる多数の環状の 横溝」体環ともいう . からだの構造上の体節とは 関係なく , 環節 3 ~ 14 で 1 つの体節になる . 同種のもの でも , からだの部分によって 1 体節中の環節の数は同 じであるとはかぎらない・ かんせつ 卵から成体になる間に変態の ◆間接発生 はっせー、 過程を通る * 発生」直接発生の対語 . ミズクラゲ・ ジストマ・ゴカイ・二枚員・節足動物などは幼生を生 じ , やがて変態して成体になるのでこの例である . 直接発生 , 変態 ◆間接肥料直接植物の養分とはならない が , 間接に土じようの理化学的性質や微生物的関 係を改良し , 作物の生育を良好にするもの」たとえ ば , カルシウムは植物に必要な元素ではあるが , 通常 土じよう中には不足することがない . 石灰を * 肥料と して用いるのは土じようの酸性の中和など理化学的 性質を改良し , 間接的な効果があるからである・ 方 , 窒素同化する根粒細菌などもこれに属する . 間接分裂毀有糸分裂 ◆汗腺ホ乳類にある * 皮ふ腺で汗を分泌するも の」表皮から深く陥入した * 管状腺で , らせん状の 管部に続いて糸球状に曲がりくねった分泌部があり , 後者は毛細血管の網でつつまれている . ヒトの汗腺に はアボクリソ腺と工クリソ腺の 2 種があり , 前者はわき の下や下腹だけにあり , 後者は一般の皮ふ面に広く 分布する . ヒト以外のホ乳類では , ほとんどすべての汗 腺がア木クリン腺である . 汗の大部分は水であるが , 固形成分 ( 約 2 % ) は 3 / 4 までが食塩を主とする無機塩 類で , その他に尿素・尿酸・クレアチニソ・アンモニア・ 脂肪酸などが含まれている . アボクリソ腺・エクリ

9. 生物事典

たいほ 子であり , シダ植物では発芽して造卵器をつける雌 性前葉体となる . 種子植物の * 胚のうは , シダ植物の 雌性前葉体に相当するものであり , 胚のうをつくる * 胚のう細胞は大胞子と考えられる . 異形胞子 大胞子嚢だいほうし のう大小 2 形の胞子を生じる場 合に大胞子を生じる袋」水生シダのデソジソウ・サ ソショウモは大胞子のう中に 1 個の大胞子を , ヒカゲ ノカズラ類のクラマゴケでは 2 ~ 8 個の大胞子を生じ る . 大胞子は発芽すると雌性の * 配偶体となる . 種 子植物の * 胚珠は大胞子のうに , * 胚のう細胞は大 胞子に相当する . 大胞子 , 胞子嚢引し 大胞子葉ほうし * 大胞子をつくって生殖にあず かる葉」小胞子葉・栄養葉の対語 . * 異形胞子を つくる植物で , 大胞子 ( 雌性前葉体になる ) をつくる 葉をいい , イワヒパ・クラマゴケにみられる . 種子植物の * 心皮に相当する . 小胞子葉 , 胞子葉 ◆太陽コン / ヾスたいよう 動物が移動するとき , 太 陽の位置を目安にして方向を決めること」伝書バ トの帰巣 , ミッパチの帰巣 , 鳥の * 渡りなどのとき , これ らの動物は太陽コソバスで定位する ( 移動方向を定 める ) ことが知られている . ハトや渡り鳥は , 定住地での 太陽の軌跡を覚え , 移動先ではその地の太陽の軌跡 と * 体内時計からわかる時差とを組み合わせて帰巣 の方向を決めるという . ミッパチは , 直接太陽が見えな くても , 青空の一部を見ただけでそこからくる偏光を 利用して太陽の位置を認識しえさのある方向を * 円 形ダソスや * 8 字ダソスで仲間に知らせる・ タイヨウチュウ原生動物門・根足虫綱・タ イヨウチュウ目に属する単細胞生物の総称」多数 の * 偽足を放射状に出す . 生殖は分裂または出芽に よる . ときに群体をつくることもある . 淡水産で池沼に すむ . 偽足を含まない大きさは 504 ~ 200 ″ . タイヨウ チュウ・オオタイヨウチュウ・ハリタイヨウチュウなど . 大陸棚隨りく陸地につづく海で , 海岸線から海 底 200m くらいまでの比較的浅い部分」陸地から 運ばれる浮泥もここでほとんど沈殿してしまう . 陸地 からの影響があり , 有機物や栄養塩類は多い . 水温・ 塩分・光などの条件に周期的変化が見られ , 場所に よっても環境条件が異なる . 多数の動植物の生息 場所となり , 魚場として重要である . たいりつ ◆対立遺伝子 いでんしそれぞれ * 対立形質の発現 に関係する 1 対の遺伝子」野生型 ( 正常型 ) 遺伝 子の * 突然変異で生じたと考えられる . 相同染色体 の対応する位置 ( 座 ) にあり , 1 本の染色体については , そのどちらか一方だけをもつ . 対立遺伝子の間には , * 完全優性や * 不完全優性などの関係がある . なお , 複対立形質は * 複対立遺伝子によって発現される . 遺伝子 , 相同染色体 たいりつ ◆対立形質 けいしっ同時にあらわれることのないよう な関係の 1 対になった * 形質」ある形質に野生型 ( 正常型 ) と突然変異型がある場合 , これらを対立形 質という . また , たとえば , 工ソドウのたけが高い形質と 低い形質 , 花の色が白と紫などはそれぞれ対立形質 で , 対立形質を発見することが遺伝子をとらえる第 1 歩となる . 突然変異型が 2 個以上ある場合は複対 立形質という . なお , 対立形質は * 対立遺伝子によ ってあらわされる . 222 だうん ◆苔類コケ植物門の 1 綱」からだは葉状体で 仮根はあるが , 茎と葉の別が不明瞭 , 雌雄異株で無 性芽でふえるほか胞子でふえる . 胞子に混じって * さく ( 中には弾糸があり , * 原糸体の発達が悪い . 世代 交代は明瞭 . 日本に約 600 種 , 世界に約 8500 種あ る . ゼニゴケ・ジャゴケなど . コケ植物 , 蘚類 タイロード液夕イロードによって考案され た * 生理的塩類溶液」その性質 , 利用面は * リソ ガー液と同様であるが処方のしかたが異なる . 成 分 塩化ナトリウム 塩化カリウム 塩化カルシウム 塩化マグネシウム リン酸水素ナトリウム 炭酸水素ナトリウム ブドウ糖 水 0.8g 0.02g 0.02g 0.01 g 0.85g 1 m / : ダーウイン Darwin, Charles 1809 ~ 82 イギリスの博物学者・進化論者 . 自然選択 説を提唱」エジソバラ大学医学部在学中に博物 学に興味をもち , 海軍の測量船「ビーグル号」に乗 船 , 1831 ~ 36 年まで南半球を周航し , 地質・動植 物を調査した . 化石動物と現存種の類似 , ガラパゴ ス群島における動植物の変異の事実から進化の考 えをかためた . 1859 年多数の資料を参考に進化の要 因として自然選択をもとに『種の起源』を出版 , 自 然科学・人文社会科学に大きな影響を与えた . 自然選択説 , 種の起源 ダーウインフィンチチャールズ = ダーウイソの 発見したガラパゴス群島のフイソチ ( ヒワの 1 種 ) 」 の鳥は , 島によってくちばしの形がちがうが , それは島に よって食物がちがうためであるとダーウイソは考えた . そ れぞれの地域で , 長い年月の間に異なった環境に適 応した種類が発達した例とされる . コン虫を食べる フィンチ おもにコン虫を食べ , 植物もいくらか食べる おもに植物を食べ , 植物を食べる コン虫もいくらか食べる フィンチ 〔ダーウインフィンチのくちばし〕 ダウン症候群しようこうぐんヒトの染色体数の異 常による先天性の疾患」蒙古症ともいう . 22 対の 常染色体のうち 21 番目の染色体が 3 個あるので , 染 色体数は正常のヒトの 46 に対し 47 となる . 眼じりがつ り上がるなど , 顔に特徴があり , 精神薄弱であることが 多い . 新生児 1000 人に対し , 1.5 人の割合で発生す る . この原因は二価染色体の不分離により 21 番目 の染色体を 2 個もつ卵が受精してできるものと考えら

10. 生物事典

いしつ のあとに触角が , また失われた触角 のあとに歩脚が再生する場合や , コ ソ虫類のカマキリで触角の基部を 切断するとつめのはえた歩脚が再生 する場合 , カナヘビの後あしを切断し たあとに尾が再生する場合などがあ る . 異質染色質よくしっ細胞 周期の静止期や前期にも異常凝 縮を起こしているために塩基性色 素によって濃く染色される染色質」 22 いせえ 生 角た 〔異質再成〕 目 へテロクロマチ ンともいう . 性染色体や一部の染色体のように大部 分が異質染色質からなるものと , 動原体付近や仁の 付着部分のように , 染色体の一部分だけが異質染 色質からなるものとがある . 異質染色質にも DNA は 含まれているが , ふつうの遺伝子はほとんど含まれてい ないと考えられている . これに対し , 正常凝縮によって 中期に濃く染色されるものを真正染色質という . →染色質 ◆異質倍数体いしつ ばいすうたい異なる * ゲノムが組み合 わさった * 倍数体」たとえば , 近縁種間の交雑で生 じた FI に倍加が起こったり (AAXBB → AB?AA (B), あらかじめ倍加した同質 4 倍体間の交雑 ( AA AAx BBBB → AABB) で , 異質 4 倍体を生じる . 両親の中間形質を示すほか , 新形質をあらわすこと があり , 稔性も高く , 新種形成の一因と考えられる . 同質倍数体 イシモチソウ原野にはえる * 食虫植物の 1 種 . 双子葉綱・離弁花亜綱・モウセソゴケ科」高さ 10 —30cm の多年草で丸い塊茎がある . 葉は幅 lcm 以下の三日月形で互生 , 上面に腺毛がはえる . 同 属で湿生のナガバノイシモチソウは一年生で葉の長さ 3 ~ 6cm もある . 移出し こゆっあるすみ場から個体や個体群が出て 行くこと」その場所の環境条件の変化 , 食料の不 足などがその原因と考えられている . レミング・イチモン ジセセリ・ヒメアカタテハなどの例がある . 移入 いじよう 異常肥大成長 ひだいせいちょう根・茎・葉など植 物器官が本来の大きさにくらべて異常に肥大する現 象」 * 形成層の異常 ( 形成層環の部分的活動 , 他の形成層の出現 , 木部と師部の不規則な配列な ど ) が原因となったり , 合成 * オーキシソによるものや , 虫こぶや菌こぶなどによるものなどがある . 変形器官 ( 塊根・塊茎など ) も 1 種の異常肥大成長である . 肥大成長 ◆移植く①植物を別の場所に移し植えること」 農業上の栽培技術として育成した苗の移植が行わ れるほか , 移植によって遺伝と環境の関係を調べるこ ともある . ②細菌・ウイルスや培養細胞などを 1 つの培地から他 の培地へ移すこと」系統の保存や培地との関係を 調べるために行われる . ③からだの一部を切りとって , 同じ個体または他の個 体の別の場所へ移すこと」植物の * 接木もこの例 . 動物では治療のために皮膚移植や * 臓器移植が行 われるが * 移植免疫が問題となる . そのほか , 内分泌 腺の機能を調べたり , 発生における * 予定胚域 , * 発 生能 , * 誘導 , 自律的分化を調べるのに利用される . また , * 核移植のような細胞内構造体の移植も行わ れる . 核移植 ◆移植免疫いしよく めんえき動物体に他の個体から組織や 臓器を移植したときにみられる免疫現象」 * 細胞 性免疫の代表例 . 皮膚移植についてよく研究され , 移植片の細胞膜表面にある特異的な * 組織適合 性抗原に対し , 胸腺由来のリソバ球の 1 種 ( T 細胞 ) が免疫反応を起こすために , 移植片は 10 日ぐらいで 脱落してしまう . これを移植片 * 拒絶 ( 拒否 ) 反応とい い , 体液中に遊離の抗体を生じない点で * 体液性免 疫と異なっている . 組織適合性抗原は遺伝的に決 定されるので , 同一個体内の自家移植は成功するほ か , 一卵性双生児間や同一純系個体間でも拒絶 反応が起こらない . 細胞性免疫 囲心腟いしん、 こう心、臟の周辺にあるこう所で , 軟体 動物門・節足動物門に属する動物では重要な役割 をする」心臓を直接包む心外膜と , その心外膜が 伸びて折り返り , さらにその外側を包む第二の膜とな った囲心のうとの間のこう所で , 体液で満たされてい る . 節足動物門の動物では呼吸器官からきた血液 は囲心こうを経て心臓にはいり , 軟体動物門では腎 管が囲心こうに開いている . 囲心嚢劦心嚢 胃水管系、コウ腸動物の * こう腸 ( 胃こう ) とそれに連なる水管とよりなる器官系」内こうに 外界からはいった水を満たしている . もっとも簡単なヒ ドラでは , 口に連なる単一の袋状の胃こうのみである が , 群体をつくるものでは各個虫の胃こう間を管で 連絡している . クラゲでは胃こうに連なる放射状・環 状の水管系が発達している . 胃こうにおける消化作 用のほかに , 体内での養分の運搬 , 呼吸・排出のはた らきも行う . 異数性算う異数体 ◆異数体うふつうの体細胞にくらべて , 染色体 数が 1 ~ 数個多かったり , 少なかったりする現象を異 数性 , その個体を異数体という」広義には * 倍数 体の 1 種 . 体細胞を 2 れとすると , 2 れ士 1 , 2 れ士 2 など であらわされ , 相同染色体が 2 個ずつあるのに , 一部の 染色体が 3 個あったり , 1 個だけだったりする . 減数分 裂で , 一部の * 二価染色体の不分離により , れ上 1 , れ土 2 などの配偶子を生じ , これが正常なれの配偶 子と受精して異数体となる場合が多い . * 有性生殖 が困難で , 固定できないが , 栄養生殖でふやすキクや サトウキビでは , 品種改良にも利用されている . ィーストコウボキン 異性体い分子式は同じであるが , 分子を構 成している原子の結合の順序が異なるために , 異なっ た性質を示す化合物」メチルエーテルとエチルアル コールは物理的にも , 化学的にも異なった性質をもっ 物質であるが , 分子式はともに C2H60 である . しかし 示性式は前者は CH3 ー 0 ー CH3 , 後者は CHs-CH2 ー OH であり , この両者をたがいに異性体であるという . イセ工ビ節足動物門・甲カク綱・十脚目に属 し日本近海で捕獲数が多く , 食用として重要な大 形の工ビ」体長 20 ~ 30cm. 岩しようの多い外洋 に面した海岸にすみ , 夏期に産卵する . 地色は赤味