変化 - みる会図書館


検索対象: 生物事典
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1. 生物事典

べんと べんさ こわれ , 新しく発達した組織におきかわるので , 外形ば っても , 樹齢によっても違う . ブナやカエデは一般に辺 かりでなくからだの内部にも , 大きな変化が起こる . 材の幅が広い . * 心材に比較して水分も多い , 材の 【コン虫の変態】節足動物のコソ虫は , 大部分 利用上からは心材に劣る場合が多い . 幼生の時期を経て成体になる . 幼虫からさなぎを経 ペんさい 斧足類く 弁鰓類るい て成虫になるのを * 完全変態 , さなぎの時期のないも 変種①生物分類上の段階のひとつで , * 種 のを不完全変態という . さなぎはほとんど動かないもの 以下にあらわれ部分的に進化または変形しているも が多い . 食物をとらず , 体内では幼虫期の組織がこわ の」生活している場所の違い , 食物の違いや適応 れている . さなぎから成虫になることを * 羽化という . コ などが代々累積して , その部分だけ遺伝的に変わっ ソ虫の変態はホルモソ・神経によって調節されている . た集団をいう . 人為的につくり出したものは * 品種で 一般にコン虫は , 幼虫期に数回の脱皮を行い , さ ある . なぎは 1 回脱皮して成虫になる . カイコなどの前胸部 ②ある生物の種のなかで , 墓準の特徴と変わった特 の側壁には , * 前胸腺と呼ばれ引対の * 内分泌腺が 徴をもつものを俗に変種という・ あって , からだの分化を起こすホルモソを分泌する . ・変性①細胞の物質交代の機能の異常に基 れを前胸腺ホルモゾ工クジソゾといい , このホルモソの づく形態学的な変化」医学上使用されることが 分泌は脳から分泌される前胸腺刺激ホルモソによっ 多い . て制御されている . また頭部神経節の後方に 1 対の ②タソバク質の立体構造の変化によりその性質が変 * アフタ体という器官があり , それから分泌されるホル わる現象」熱・紫外線・ PH の変化などにより , タソ モソをアラタ体ホルモソという . 前胸腺ホルモンとアラ パク質の一次構造は変化しないで , 二次・三次・四 タ体ホルモソとがいっしょにはたらくと , カイコは眠りに 次構造などの立体構造が変化したものである・ ついて幼虫脱皮を行うが , 前胸腺のホルモソだけであ ③ DNA の 2 本鎖の水素結合が切れて 1 本鎖となる ると , すぐさなぎになってしまう . こと」 DNA を熱やアルカリで処当すると起 ' 、 カエルなども , オタマジャクシからカエルに変態する ④変性毒素 が , このときは , 甲状腺ホルモソが関係する . へんせい 編制原げん形成体 へんせい 変性毒素どくそ * 毒素を * 抗毒素その他の薬 脳ホルモン 神経刺激 品などによって処理し , 抗原性を変えずに毒性を減 脳 少させたもの」トキソイドともいう . 一般に細菌の毒 アラタ体 素に対して生物体に * 能動免疫を与えるのに使われ る . ジフテリア毒素をフォルマリソで処理してつくった アナトキシンはよく知られた例である . アラタ体ホルモン 前胸腺ホルモン 片節条虫類のからだを構成する同規的な 1 体節」雌雄両性の生殖器がある . ヘンゼン結節けっせっ羊膜類の初期発生に原 条の先端にあらわれるこふ状の部分」鳥類の個体 発生では , 原か ( 窩 ) ( または原口 ) から巻きこんではいっ たせき索と中胚葉の一部は , 前方に前進しないで , し 変態 ばらく入り口のところにたまるので , 胚表をこぶのよう 〔カイコの幼虫脱皮と変態〕 に押し上げる . このこぶをいう・しかしこれは一時的な ◆変態ホルモン 現象で , やがて , たまった細胞は前の方に移動する . そ 動物において , 変態やよ う ( 蛹 ) 化を促進するホルモソ」カエルなどの両生類 の結果結節前方に頭突起をつくる . 頭突起はせき の * 変態には * 甲状腺ホルモンが必要であり , カイコで 素原基である . したがってこれに裏づけされた胚表に , は * 前胸腺ホルモンが幼虫をさなぎにさせるようにはた やがて * 神経板が誘導される . 原条 鞭藻植物っ植物分類上の名称」黄ソ らく . ペんちゅう 鞭虫類るい袋形動物門・線虫綱・ペソ虫科 ウ植物門とトウソウ植物門とをあわせて 1 門としてあ の総称」からだの形は細長い円筒状で , 頭部は糸 っかうときの総称 . からだは単細胞または群体をなし , 無色のものもあるが , ふつう * クロロフィル a と c , および日 状に細くなっている . セキツイ動物の中に寄生する . べ カロチソを含み , 黄かっ色を呈している . 二分裂によっ ンチュウ・イヌべンチュウ・ヒッジべンチュウなどがある . てふえ , * 有性生殖がみられない . ヒカリモ・ツノモなど ペソチュウは雌が体長 15cm ぐらいで , 雄はやや小形 . ヒトの盲腸に寄生している . がある . ペントス benthos 水底に生活する生物」 * ふ化した幼生が成体になるまでに大 ◆変態 底生生物ともいい , 底生植物と底生動物とに分け きな形態変化をすること」コン虫な どでよく知られている . ふ化したとき , すでに成体と同 られる . 光のとどく範囲ではケイソウなどのソウ類がみ られる . 底生動物はプランクトソの死骸が堆積したも 様な形になり , その後は成長が主になっている場合 , のを栄養源としている . 細菌や菌類は分解者として これを * 直接発生と呼ぶ . 物質循環に役だっている . 底生動物には , マミズカイ 【ウニの変態】ウニでは個体発生の段階で , * のう メン・コケムシ・ヒドラ・モノアラガイ・ハマグリ・シジミ 胚期をすぎてから , ビラミッド形に変わり , まもなく * プ ミス・ユスリカ幼虫 , 底生植物には , ミズカビ・ケイソ ルテウス幼生に変わり , これが変態してウニになる . ウ ウなどがある . ニに限らず一般に変態をする場合には , 前の組織は 322 羽化 幼虫脱皮 气 0000 ・ 000 ・ よう化 成長

2. 生物事典

へるむ より帯状の長さ 3.5m もある子葉を左右に 2 枚伸ばす だけの植物である . 花は葉えき ( 腋 ) に小球花状につく . 雄花はポケット状の花被と 6 本のおしべがあり , 雌花 は両側につばさのある花被と 1 個の * 胚珠がある . 珍し いので , 和名は「奇想天外」と名づけられている . へ丿しムホノしツ Helmholtz, Hermann Lud ・ wig Ferdinand von 1821 ~ 94 ドイツの生理 学者・物理学者」自然科学の広い領域にわたり , すぐれた業績を残した . 1851 年に検眼鏡を発明し , 広範囲にわたって生理光学的研究を行い『生理光 学全書』を著した . 生理学的研究としては , 聴覚に 関する研究から発展した音響生理学の研究があり , 『音響感覚の理論』にその成果がまとめられている . の中でヘルムホルツの共鳴説があるが , これは内耳の 聴覚生理に関する学説である . そのほか和声理論も 明らかにしている . 筋肉活動の代謝と熱発生の問題 から , エネルギー保存の法則をたてた . 弁液体を一方にだけとおし , 逆流するときには じる装置」セキツイ動物の心臓の房室弁・動脈 弁などは , いずれも弁の 1 種である . 静脈やリンパ管に も弁がある . ◆変異ん同種の生物の個体間にみられる形質の 違い」形質は * 遺伝子によって発現するが , その過 程に環境が作用して体細胞に生じた非遺伝性変 異 ( * 個体変異 ) と , 遺伝子の変化による遺伝性変 異があり , 前者には * ほうこう ( 彷徨 ) 変異や * 一時変 異 , 後者には * 突然変異や交配変異がある . ◆変異曲線れん 長さ・重さ・種子の数など数 動かして , 巣内温度を高める . 321 へんざ 偏害生・、んがい きようせい異なる生物間において , 片方 には特に害を与えないが , もう一方の種には害となるよ うな両者の関係」偏 ( 片 ) 害作用ともいう . ラソソウ または * 赤潮をつくるプラソクトソと , 魚類の関係はこ の一例 . ラソソウの一種ミクロキスティスはアミン類を 分泌して魚類を死滅させることがある . ペンギン新鳥亜綱・ペンギン目に属する特徴 ある島の 1 群」南極大陸を中心に分布し , 南米 , アフリカ大陸南部にもくる . つばさは小さく , 飛ぶこと ができない . 後足は短く , 直立して歩行する . 背面は 黒く , 腹面は白 . 水中をうまく遊泳し , 魚類などを 食べる . * 群生する . 20 種たらずの種類があり , ティオ ウペンギンは体高約 lm , 他は 50 ~ 70cm. 変形運動へんけい うんどうアメーバ運動 ◆変形菌植物 遊走子・真正 変形閑の 2 綱」 粘菌植物とも いう . からだは * 変形体と呼ば れ , 隔壁のない 原形質塊をな し湿地・くち ( 朽 ) 木・枯葉上 などでアメーバ 運動によって へんけいきん しよくぶっ植物分類上の 1 門 . 無 胞子 ( 発芽 ) や 子実体 胞子のう 変形体 〔変形菌植物の生活史〕 量的に測定できる形質 の連続 * 変異のようすを あらわすグラフ」横軸 は測定値にもとづく階 級値 , 縦軸は各階級の 1 网 個体数 ( 変員数 ) とする ふつう * 純系のあらわす . ほうこう ( 彷徨 ) 変異曲 線をさし , 理想的な場 合は , い + 1 ) れを展開し 500 20 葉の幅 0 20 40 60 皿 〔クスノ の変異曲線〕 ミッパチは , はたらきばちがいっせいに羽を が知られている . 恒温動物 温が低下すると代謝量をふやして体温を高めること 眠をする . しかし魚類や甲カク類 , コソ虫類では , 外 り低すぎたりすると正常な活動ができず * 夏眠や * 冬 キツイ動物のすべてがこれに含まれる . 外温が高すぎた ともいう . ホ乳類と島類を除くセキツイ動物と , 無セ 界の温度により体温の変化する動物」冷血動物 ◆変温動物ぶつ一定の * 体温が保持できず , 外 両者は外見上は区別できない . 異体とがあり , それぞれの起源の違いにもかかわらず , 変異による突然変異体と , 体細胞の変異による変 変異体誌い変異のある個体」生殖細胞の ほうこう 個以上できたりすることがある . 彷徨変異 . 、ん 場合には , 中央値と平均値が大きくずれたり , 山が 2 変異係数・相関係数などを使う . 遺伝的に不純な 値 , 分散度として平均偏差・標準偏差 , 比較には う . 変異を代表する値としてモード・中央値・平均 た正規曲線と等しくなる . これをケトレーの法則とい * 従属栄養している . 世代の交代がみられる . まず * 子 実体をつくり , * 胞子を生じ越冬する . 翌春胞子は大 小 2 本の * べん毛をもった * 遊走子になり接合生殖す る . やがて接合子が集合して変形体をつくる . 世界に 約 60 属 500 種以上知られ , 日本には種類も多く研 究も進んでいる . ムラサキホコリカビ・ツノホコリカビな どがある . 変形細胞けい さいはう組織内を自由に移動できる細 胞の総称」遊泳細胞または遊走細胞ともいう . 白血球や海綿動物の間充織中にみられるアメーバ 状細胞がその例である . 変形体 へんけい たい変形菌植物におけるアメーバ状を した生活体」細胞壁がなく , 多核の巨大な原形 質塊状を示す . 10cm 以上になる種類もあり , * 原形 質流動を行って * 従属栄養をする . ◆扁形動物けい どうぶつからだがへん平な形をした下等 動物の一群の総称 . へソ形動物門という 1 門を構 成」海綿動物・コウ腸動物に次いで , 原始的な下 等動物であるが , 内・中・外の 3 胚葉をもち , 中胚葉 性の筋肉や , * 排出器官としての * 原腎管をそなえて いる・神経は * はしご状神経系 . 消化管は口から始ま る長い管となるがこう門を欠く盲管 . 循環器官はな い・体は一般に細長いが , 平たく , 体節構造はない . 雌雄同体で有性生殖を営むものが多い . ウスムシ綱 ・吸虫綱・条虫綱の 3 綱に分けられる . いずれも水中 または動物体内で生活 . 辺材樹木の * 材のうち , 周辺部の白色をして いる部分」しらた ( 白太 ) ともいう . 材で * 形成層に 近い側は生活作用が盛んであり , 内方にある生活部 分は * 貯蔵組織となる . 辺材の幅は植物の種類によ

3. 生物事典

きせい 寄生者きせい しや他の生物体に栄養を依存して生 活している生物 . 寄生 ◆寄生植物しっ寄生生活をする植物」狭 義には寄生生活を行う特殊な高等植物をいうが , 広 義には菌根や菌ろう ( 瘻 ) を形成する下等植物までを 総称する . 光合成をしながら寄生し , 宿主より栄養 をとる * 半寄生と , 完全に宿主に栄養源をもとめる * 全寄生とがある . ックバネ・カナビキソウ・コゴメグサ・ ヤドリギなどは半寄生で , ネナシカズラ・ハマウッポ・ツ チトリモチ・ヤッコソウ・ナソバソギセルなどは全寄生で ある . 宿主が限定されている場合が多い . 寄生 ◆寄生虫翳ぢ寄生生活をする動物」寄生動 物ともいう . ふつうは人体に寄生する動物で , 人体内 部と , 外部に寄生するものとがある . 内部寄生を行う ものにはセキリアメーパ・チットリコモナス・マラリアビョ ウゲンチュウなどの原生動物やニホンジュウケッキュウ チュウ・ハイジストマ・カソジストマ・カギサナダ・カギナシ サナダ・ミゾサナダ・カイチュウ・ジュウニシチョウチュウ・ ギョウチュウなどがある . 外部寄生虫としてはダコナ ソキソムシ・ヒル・シラミ・ノミ・カなどがある . 寄生 季節型つ季節変異 基節腺つ脚基腺 季節風林 : ん雨緑樹林 季節変異ミ同種の生物でも季節により形 態・色彩・個体群の大きさなどに差異を示す変異」 アゲハ・モソシロチョウ・サカハチチョウなど年 2 回以上 発生するチョウには , 春型・夏型・秋型などの変異が みられる . チョウの季節変異型は季節型とも呼び , 主 として幼虫期やさなぎ期の日長と気温に影響されて あらわれる . プラソクトソのミジンコにも夏型と冬型が あり , これは浮力に関係した適応である . ブランクトソ や底生生物の個体群密度が季節的に変化する現 象も季節変異と呼んでいる . 鳥類やウサギなどで同 一個体がその色彩を夏と冬とで変化させるのは換毛 現象によるもので , 夏毛・冬毛と呼ばれる . 交雑に用いた花粉親の形 ◆キセニア xenia 質が , 交雑によって生じた種 子の形質にただちに発現する遺伝現象」劣性形 質の * 純系を母株にした交雑で , 優性形質の種子を 生じる現象を古典的にキセニアと呼んだ . 【重複受精】キセニアの本質は種子の * 胚または * 胚乳の形質についての遺伝で , 重複受精の現象が 明らかにされ , 胚や胚乳は受精によって生じた次代の 組織であることがわかって , キセニアも明らかに説明さ れた . P に生じた種子はの優性形質を , FII こ生じ た種子は F2 の分離をあらわし , メソデルの法則がみか け上 1 代早くあらわれる . 【相反交雑】雌雄を反対にした相反交雑でも結 果は同じであるが , 優性系統の母株に優性形質の 種子を生じるのは , それが交雑の結果であるという印 象がないので , キセニアとはいわない . 【胚の形質】エンドウの種子仔葉 ) の色ー黄色 A > 緑色 a P— 9 aa( 緑 ) x 6 AA( 黄 ) - Aa 受精卵→胚 = 子葉 ( 黄 ) Fz—AA: 2Aa: aa( 黄 : 緑 = 3 : 1 ) 【胚乳の形質】イネの種子 ( 胚乳 ) のデソプソの性質 83 きたい - ウルチ A > モチ a P— 9 aa( モチ )x 6 AA ( ウルチ ) 一 ( 重複受精 ) 卵細胞 ( a ) + 精核 ( A ) →胚 ( Aa ) , 極核 ( a ・ a ) + 精核 ( A ) →胚乳 ( Aaa)( ウルチ ) F2 ー胚・・・ AA : 2Aa : aa, 胚乳・・・ AAA : AAa:Aaa: aaa ( ウルチ : モチ = 3 : 1 ) 現在では , かって母体の一部とみなされ た胚乳の形質の遺伝だけをキセニアという . なお , 種皮は母体の一部である珠皮の変化したもので , キセニアを示さない . メタキセニア キセルゴケスギなどに付着するセン類の 1 種 . コケ植物門・セソ綱・キセルゴケ科」雌雄異株 . 雄 株は茎を欠き , 肉眼での識別は困難 . 員状のやくを そなえ , 1 個の造精器をもつ . 雌株は小茎があり , 無 色の葉でつつまれ , 1 ~ 2 個の造卵器をもつ . 胞子体は 5 ~ 20cm に達し胞子をつくる . 日本にキセルゴケ・ク マノチョウジゴケの 2 種がある . 帰巣性う動物が産卵 , 育児のために巣やす みかに帰ってくる性質」アリやミッパチのようなコソ 虫や , サケ・マス・ハトなど多くの動物で観察されてい るが , この性質が本能だけに起因するのか , あるいは知 能がどの程度関係するのか , などの分析はまだ十分に 行われていない . ◆偽足 : く運動のための * 原形質の突起」擬足 ・仮足・虚足などともいう . * アメーバ運動のための細 胞器官で , 移動や捕食に役だっ . 典型的なものはア メーバにみられるが , タイヨウチュウやホウサソチュウのよ うに糸状・有軸・放射などの偽足もある . 根足虫類 のほか , 変形菌の * 変形体・白血球・組織培養した 組織細胞などでみられる . 偽足は原形質の * ゲルと * ゾルの変化によって説明される . ◆基礎代謝量いしや呼吸運動・心臓はく動 ・排出などの生命維持に必要な最低限度の熱量」 動物の種類により異なり , ヒトの場合に年齢・性別・ 身長・体重などによっても変化する . 日本人の成人 男子で 1 日の基礎代謝量は 1200 ~ 1400kCa し女 子では 1 割程度少ない . 擬態気、動物が他の動物や物体に似た形態・色 彩・斑紋を示す場合」シャクガの幼虫が小枝に似 ていたり , ガの羽の色が樹皮に似ていたりするのは隠ぺ い的擬態 , ハナアブ類がハチ類に似た , 目だっ色彩を もつようなものは標識的擬態という . コノハチョウの隠 ぺい的擬態は古くから好例とされているが , 1935 年に 江崎悌三がコノハチョウの擬態効果はないことを指 摘している . 擬態の効果が種族保持にどの程度利 益があるかは不明 . 擬体腔翳い原体腔晉こう ぎたいせつ 擬体節制せい 体表は * 体節を示さないが , 内臓は体節的配列をしている場合」ウズ虫類に 属する三岐腸類の腸盲のう・生殖腺・神経の連鎖 などやウドンケムシの生殖などがその例である . 期待値い確率論の用語」同じ条件で繰 り返し観測や操作が行われても , その結果は一般に 異なった数値がえられる . これらの数値の平均が理論 的に期待できる値 ( 期待値 ) である . 気体定数名ぅポイル - シャルルの法則 ( れ = ん幻の拡張で , 一定質量として 1 モルをとったときのん

4. 生物事典

とちの トチノキ山地にはえる日本特産の落葉高木 の 1 種 . 双子葉綱・離弁花亜綱・トチノキ科」高 さ約 30m , 周囲約 2m で , 葉は大きなしよう ( 掌 ) 状複 葉である . 小葉は 5 ~ 7 枚に分かれる . 初夏に枝先に 白色で赤い斑点をもっ 4 花弁の花を円錐状につける . 果実は径 4cm ほどの球状でなかにデソプソを含んだ 種子ができ , 食べられる . トックリヒゲムシ原生動物門・ソウペソ毛 虫綱・ユーグレナ目に属する単細胞生物」 * クロロ フィルをもって * 独立栄養を営むので , 近縁種の * ミド リムシとともに , 植物として扱われることもある . 球形 で直径 20 熱ぐらい . べん毛は 604 ぐらいで 1 本 . ふつう 池沼にすみ , 特に鉄分を含む水を好む . ーれまでの形質と不連続的 : 突然変異 とつぜん へんし、 で , 突然にあらわれる遺伝 性の変異」 1901 年 * ド = フリースが発見し , * 突然 変異説を提唱した . 墓本的には * 遺伝子の質や量 , 配列 , 組み合わせなどの変化と考えられる . 【種類】遺伝子すなわち * DNA の構造的な変化 である * 遺伝子突然変異と , * 染色体の形や数の変 化による * 染色体異常 ( 染色体突然変異 ) に大別さ れる . 自然にもまれにあらわれる自然 ( 偶発 ) 突然変異 は放射線・宇宙線・紫外線・高温・低温などによる ものと考えられる . 1927 年マラーがショウジョウバエに X 線を照射して * 人為 ( 誘導 ) 突然変異に成功し , 突 然変異の研究や応用が盛んになった . 生殖細胞に 起こる生殖細胞突然変異は , 次代またはその次の 代であらわれ , 体細胞に起こる体細胞突然変異はた だちにあらわれるが , ふつうは遣伝しない . * 枝変わり ( 芽条突然変異 ) は後者の例である . 【遺伝子突然変異】 * 対立遺伝子や複対立遺 伝子の起源となる野生型 ( 正常型 ) に対し突然変異 型が優性の優性突然変異と , 劣性の劣性突然変 異があり , 多くは後者である . 遺伝子突然変異 【染色体異常】染色体の構造変化に , 切断・欠 失・逆位・重複・転座・数の変化として , * 異数性・ * 倍数性があり , 遺伝子の量・配列・組み合わせなど を変える . 蟀変異 , 染色体異常 : 突然変異説 とっせん いせっ突然変異が進化の要因 であるとする進化説のひとつ」 * ド = フリースにより提 唱された進化説である . 彼は野生のオオマッョイグサ の多数の個体から , 葉や花の形・色などに従来の親 の形質になかった変わりものを発見した . この変異は 突然起こった不連続な変異で , 次の代にもあらわれ , 遺伝的に固定している . この現象を突然変異といい , 進化の要因と考えた . * モーガソはショウジョウバエに よる人為突然変異の成功から , 遺伝子突然変異 説を発展させたが , 突然変異体の形質には生存上 不利なものが多く , また起こる割合が少ないなど問題 があり , この考えだけで進化を説明することはできない . 突然変異 , 進化説 - 突然変異体とっせん いたい突然変異で生じた新しい 形質をもっ個体」ミュータントともいう . トドマッ北海道以北にはえる常緑高木の 1 種 . 裸子植物亜門・球果植物綱・マッ科」樹高約 30m , 直径約 lm , 葉は線形で長さ約 3cm , 果実 は 7cm 近く , 円柱形で熟すと緑色になるアオトドと 255 とびむ かっ色になるアカトドがあり , ともにバルプの主要原料 となる . トナカイホ乳綱・偶ティ ( 蹄 ) 目・シカ科に属する 大形のシカ」北極圏を囲む寒帯に生活し , ヒト にも飼われている . 雌雄ともに分岐した大きな角をも 0 ・ 1 ・ 3 ・ 3 ち背面の高さ lm 以上になる . 歯式は 3 ・ 1 ・ 3 ・ 3 トネリコ中部以北の山地に自生する落葉高 木の 1 種 . 双子葉綱・合弁花亜綱・モクセイ科」高 さ約 6m , 雌雄異株 . 葉は奇数の羽状複葉で対生 し , 春に円錐花序に淡緑色の小花を開く . 材には弾 力があり , バットやラケットなどをつくる . 樹皮にイボタ カイガラムシが寄生し , ろうもとれる . 田のあぜに植える . トノサマガ工ル両生綱・無尾目に属する中 形のカエル」体長 6 ~ 9cm. 黄緑色に黒点を散布 し , 腹面は白色 . 水田 , 河川敷などに生活し , 産卵 期には多数の雌雄が集まる . ごく似た種類にダルマガ 工ルがある . トノサマバッタ節足動物門・コン虫綱・直 シ目に属する大形のバッタ」世界共通 , 日本各地 でもふつうにみかける . 体長は羽を含み 6 ~ 7cm. 緑 色からかっ色の色彩で , 頭部は前に突出しない . トノブラスト tonoplast 液胞膜 ド = ノヾリ De Bary, Heinrich Anton 1831 ~ 88 ドイツの植物学者」菌類・ソウ類の生活 史 , 粘菌類・地衣類の分類・形態・生理学を研究 . トビ新鳥亜綱・ワシタカ目に属する大形の鳥」 市街地でもふつうにみられる . 全体は暗かっ色 . カラス よりやや大きい . 留鳥である . 魚や小動物の主として 死骸をついばむ . ピーヒョロと鳴きながら滑空する . トビイナゴ * トノサマバッタの移住相」特殊な 環境で形や習性が変化し大集団で遠く移動する . これを飛こう ( 蝗 ) といい , 農作物に大害を与えること がある . トビバッタ トビウォ硬骨魚亜綱・トビウォ科に属する海 水魚で , 亜熱帯の海洋で群をつくって生活する」 体長 30cm ぐらい . 背面は青色 . 腹面は白色 . 胸び れが非常に大きく , 長さ 20cm 近くになり , 強大な筋 肉によって , 水面を滑走する . トビケラ毛翅類撼し トビネズミホ乳綱・ゲッ歯目に属し , もうこ ( 蒙 古 ) 付近にだけ生活している特殊化した動物の 1 種」 からだはカンガルーに似ており , 後し ( 肢 ) , 特に尾が大 きく , 直立したり , 跳躍したりする . 耳も大きい . 体長 16 ~ 17cm. 尾は 20cm ぐらい . 背面は土の色と似て いる . 夜行性 . トビバッタ群集して移動し , 農作物に全滅的 な被害をあたえるバッタの 1 種」節足動物門・コソ 虫綱・直シ ( 翅 ) 目に属する . このように大群をつくるバ ッタは , 同 1 種の中でもはわ ( 翅 ) が長く , 後たい ( 腿 ) 節 は短く , 1 匹ずつで生活しているバッタとは明らかに異 なっている . 大発生は周期的に起こることが多い . トビムシ節足動物門・コソ虫綱のもっとも下 等である * 無シ亜綱に属する . ネソカソ ( 粘管 ) 目のコソ 虫の総称」体長は 3mm 以下の微小種が多く , からだは細長く円筒形 . 体節の数は少なく , 複眼も

5. 生物事典

たいさ 段をとり , 解熱剤を与えたりすること . ば体温が高い場合は , ともかくそれを下げるための手 に応じて治療する方法」原因療法の対語 . たとえ 原因については考慮しないで , 実際に生じている病状 りようほうある病状が生じた場合 , その 対症療法たいしよう 静脈に変化する . 静脈 分では上大静脈は右のものだけが残り , 左のものは冠 つながる . ただしホ乳類のうち下等なものを除く大部 脈と 1 本の下 ( 後 ) 大静脈とに分かれ , ともに右心房に に送る . 両生類以上では一般に 1 対の上 ( 前 ) 大静 右 1 対の静脈で , からだの前・後方よりの血液を心房 送りこむ太い静脈」魚類では * キュビエ管という左 じようみやくセキツイ動物の心臓に血液を 大静脈だい ない . はたらきを増加するが , 失った腎臓そのものは再生し 臓の場合 , 一方を切除すると , 残った一方が肥大し うため , 大きさやはたらきが増大すること」ヒトの腎 残った部分あるいは一方が , 失った分のはたらきを補 は 1 対の器官のうち一方がそのはたらきを失った場合 , ある器官の一部 , あるい 代償性肥大 k ようせい 正確に知るのが目的である . 比較することによって問題とする条件の影響をより について本実験と同じ方法で実験を行い , 両実験を 調べる実験」研究すべき因子や操作以外の条件 象に対する一定の因子や , 操作の効果 , 影響などを じつけん本実験と別に , 本実験の対 対照実験たいしよう 大循環物んかん体循環 がる . 肺循環 静脈→右心房で , 次に ( 右 ) 心室から肺循環へつな →大動脈→動脈→全身の毛細血管→静脈→大 循環と体循環との区別がある . その経路は ( 左 ) 心室 環経路」大循環ともいう . 両生類成体以上に肺 ・体循環んかん肺循環を除く全身の血液循 * エネルギー代謝をも含めていう . 物質交代 代謝主として物質代謝の意味」ときには 代で , 人類の発展が著しい . 新生代 , 第三紀 物もその大部分が現存種であり , ホ乳類の全盛時 河時代 , 沖積世を後氷期時代ともいう . 動物も植 6 回の * 氷期がくり返された . したがって , 洪積世を氷 ける . 洪積世の初期に気温が下がり氷河が発達し , もっとも新しい年代 . * 洪積世と * 沖積世の 2 世に分 約 200 万年前から現在までの期間で地球の歴史で き新生代を二分した後半の時代」 ◆第四紀だいし から養分や酸素を受け , 排出物の除去も行われる . され , その中で発育する . 胎児は胎盤を通して母体 という . ホ乳類の胎児は , * 羊膜の内側に羊水が満た 合妊娠 2 か月を境にしてその前を胎芽 , 以後を胎児 胎児をいホ乳類の母体内にある胚」ヒトの場 を開く . 種子は赤く 2 個できる . 密生する . 6 月ごろ径 15cm ぐらいの香りのよい白花 革質長だ円形で互生し , 裏面には茶かっ色の毛を つ . 高さは 20m ぐらいになり , 葉は長さ 20cm もある 治初年 , 北米から輸入された樹木で関東以南で育 の 1 種 . 双子葉綱・離弁花亜綱・モクレン科」明 タイサンボク庭木として植えられる常緑高木 第三次性徴と呼ぶことが多い . 蟀性徴 219 たいせ 体色たい しよく動物体の色彩」色素の存在によ る化学色と , 体表部の構造による構造色とに大別 される . 化学色は体表部の細胞内に色素が含まれて 体色を呈する場合と , 体液に色素が含まれて体色を 呈する場合がある . 色素には , * メラニソ・ * グアニソ・ * カロチノイド系色素・ * へモグロビソなど種々の色素 が知られている . 構造色は光の干渉・屈折の結果と してあらわれる . 一般に体色は上記要因が組み合わ さって複雑になっている . 体色を生物学的意義から , * 保護色・ * 警戒色・ * 婚姻色などと分類することが ある . また , 強い紫外線から体内部を保護するための 体色も知られている . ◆体色変化たいしよく 、んか動物の * 体色が変化するこ と」 * 保護色・ * 婚姻色などのように生物学的意 義をもっている . 体色変化は , ふつう * 色素胞のはた らきで起こる . 比較的長い期間にわたって徐々に起 こる形態的体色変化と , 短い期間に起こる生理的 体色変化とに分けられる . 前者の例は , 魚類の婚 姻色やアゲハの幼虫の成長に伴って起こる体色変 化やよう化のときに起こる体色変化であり , 色素胞 内の色素量の増減に起因する . 一方 , 後者の例は 多くの動物で知られているが , 色素胞の伸縮による ( タコ・イカ ) 場合と , 色素胞内で色素顆粒が拡散あ るいは集合して起こる ( 魚類・甲カク類 ) 場合とがある . タコ・イカの場合は色素胞に筋肉が着いて伸縮が起 こり , 魚類や甲カク類の場合はホルモンが刺激する . 体色変化に関係するホルモンは , 中葉ホルモソ , x 器 官ーサイナス腺系ホルモン , その他神経分泌物が知ら れている . 主として目によってとらえられた刺激が神経 を介して内分泌腺にはたらくものと考えられる . 大進化だ ゕ * 属以上の間にみられる進化」 ゴールドシュミットの造語で , 小進化の対語 . ショウ ジョウバエはいくら * 突然変異をしても , できたものはシ ョウジョウバエであるが , ハ虫類からの鳥類の出現や古 生代における多数の門の分化などをさす . 大進化は 小進化にくらべて長年月の間に起こり , そのしくみは まだわかっていない . 小進化 , 進化 ダイズ畑に栽培される一年生作物の 1 種 . 双 子葉綱・離弁花亜綱・マメ科」高さ約 60cm にな り , 株全体に毛があって , 長柄で 3 小葉をもっ複葉を 互生する . 夏 , 紅紫色の小さいちょう形花をつける . 果実のさやには 1 ~ 4 個の種子ができる . マメはほぼ球 状で , 色は黄かっ色・緑色・黒色など品種が多い . 煮 - て食べるほか , みそ・しよう油・とうふ・なっとうなどの原 料にする . 成分は人体に必要な全アミノ酸を含むタ ソバク質 30 ~ 45 % , 炭水化物 22 ~ 29 % , 脂肪 18 ~ 22 % , 灰分 4.5 ~ 5 % で , ビタミンも多い . 連作は悪 く , 根には根粒がつき , 青刈にして緑肥や飼料にする . 対生煢 : 同じ節から 2 枚の葉が相対してでる葉 序」もっともふつうのものは , となりあう節ごとにたが いに直交するもので , これを十字対生といい , アジサイ やリンドウなどにみられる . そのほか , となりあう節も葉 が重なり , 2 列になるものは 2 列対生でシロヤマプキなど にみられ , * 互生葉の場合と同じようにある角度をな すらせん階段状対生 ( カヤなど ) もある . 葉序 体制煢 : 生物体を構成する器官の分化状態や それらの相互関係 . ◆胎生煢 : 胎児として母体内で発生をとげ , 成体

6. 生物事典

がらす 分にみられるだけである . 軟骨組織 ガラス体竈レンスと網膜間の空所を満たす無 色透明なにかわ状の物質」薄い透明なガラス体膜 でつつまれ , 眼球内圧を保つはたらきをもっている . 90 % 以上が水 . ・カラスムギ家畜の飼料になるムギの 1 種 . 単子 葉綱・イネ科」チャヒキともいう . 工ンバクに似た一 年草であるが , 小穂に長い * のぎのある小花が 2 ~ 3 個 たれさがる . 植物成長ホルモソの実験材料になる . ・カラタチ生垣などに植えられる落葉低木の 1 種 . 双子葉綱・離弁花亜綱・ミカン科」高さ 2 ~ 3m , 枝に茎の変化したとげを互生する . 春 , 白花が 咲き , 3cm ほどの球形果実になる . 黄色に熟しても 美味でない . ミカンの台木にもなり , 葉はアゲハチョウ の食草になる . ガラパゴス群島 ぐんとう南米エクアドル海岸 から西へ千キロ , 東太平洋の赤道直下に点在する 群島」大小 13 の島よりなり , ダーウインによって世 界に紹介された . 溶岩の島々には巨大なゾウガメ・ト カゲ・サポテンなどがみられ , 島ごとに特殊な生物相が みられる . ダーウイソの進化思想を育てた島でもあり , * 進化論と生態学の実験場でもあるとされている . ダーウイン カラマッ山地にはえる落葉性の針葉樹 . 裸子 植物亜門・球果植物綱・マッ科」高さ約 30m. 短枝に 20 ~ 30 本の葉を群生するが , 芽立ちの新緑 時は美しい . 陽樹で成長がはやく , 建築用・土木用 など用途が広い . カラムクロマトグラフィー colum-chr- omatogr 叩 hy 混合物の分離や精製などに用い られる方法のひとつ」ペーパークロマトグラフィーで はろ紙を用いるが , そのかわりに粉末状の吸着剤をつ めて試料を展開分離する方法 . 吸着剤としては乾 燥した活性アルミナ・炭酸カルシウム・乳糖・ショ糖な どが用いられる . これをガラス管につめ吸着柱にする . カラムシ山野に自生する多年草の 1 種 . 双子 葉綱・離弁花亜綱・イフクサ科」マオともいい , 高 さ約 2m. 全体が毛におおわれる . じん ( 靱 ) 皮繊維で 織物をつくる . たとえば越後縮・越後上布がある . 夏卵誓ん * 単為生殖と * 両性生殖とを * 生活史 の中で繰り返す動物が , 春から夏に単為生殖により 産む染色体数 2 れの卵」ワムシ・ミジンコ・アリマキ などにみられ , この卵は単為発生して雌となるので雌 卵とも呼ばれる . これらの動物の増殖は , おもにこの単 為生殖による . カリウドバチコン虫やクモを毒針で麻酔し , これを巣に運びその中に産卵し , ふ化した幼虫の発 育する期間中の餌とする習性をもっコン虫綱・膜シ 目に属するハチ類の総称」餌となる小動物は神経 系をおかされるだけで , ハチが成虫になるまで生き続け る . この習性をもつなかまにはジガバチ科・べッコウバチ 科・アナバチ科・トックリバチ科などがいる . カリウム kalium 高等植物の生育に必要な 10 元素のひとつ」元素記号は K. 炭水化物・タソ バク質の合成に必要な元素で , 根や茎の発育を良く する・細胞内に多く含まれ浸透圧調節に関与する . 動物でも体液中より細胞内に多く , 浸透圧調節の 71 かるび ほか , 筋収縮や神経の刺激伝導などにも重要である . カリウムボンプ * 細胞膜が細胞外からカリウ ムイオソ ( K + ) を積極的にとりこむ * 能動輸送のしく み」ナトリウムボソプと一体のものであることが明ら かとなった . ナトリウムボソプ カリ肥料 ひりようカリウムを供給するための肥 料」一般に用いられるのは , 硫酸カリ ( カリウムの含 量は K20 として 48 ~ 50 % ) , 塩化カリ ( 50 ~ 60 % ) , 雲母・長石・草木の灰などである . 植物の灰は材料・ 時期により異なるが , 2 ~ 15 % のカリウム ( K20 ) を含 むほか , 18 ~ 51 % のカルシウム , 0.3 ~ 4.0 % のリン酸 を含む . カリフラワーハボタソの 1 変種 . 双子葉綱・離 弁花亜綱・アブラナ科」ハナャサイとも呼ばれる . 花軸が肥厚し , かっ多数に分岐して短く , その頂端 に無数の不成花を肉質塊状につくる . 色は白黄色 , 甘味があり軟質で , この花軸を食用とする . ◆夏緑樹林留冬期に落葉する樹木よりなる 樹林」落葉広葉樹林ともいう . 季節変化の多い 温帯地方にみられる . 一般に陽樹性の低木・ササ類・ 草本植物よりなる層状構造が発達している . 降水 量が少ない土地や寒冷地では低木林となる . ケヤキ・ クリ・ブナ・ミズナラ・シラカソバ・ダケカソバ・ヤマハソノ キなどが多くみられる . カルシウム calcium 高等植物の生育に必要 な 10 元素のひとつ」元素記号は Ca. いろいろなイ オソがカルシウムの存在のもとでよく吸収されることか ら , 塩類吸収促進のはたらきがあると考えられている . 動物体では非常に多く含まれ , セキツイ動物の骨格 の 99 % はカルシウムである . 血液中に存在するカルシ ウムイオソは血液凝固に関係する . ◆カルス callus 植物体の傷口にできる組織分化 の能力を失った組織」傷ホルモソやオーキシソの作 用によってできる . カルスは組織分化の能力を失って いるので , 切り出して組織培養を行うと , いつまでも 分化しない細胞塊として培養できる . ◆カルノア液アルコールを含む * 固定液の 1 種」無水工チルアルコール 6cc , クロロホルム 3cc , 氷酢酸 lcc の混合液で , 浸透力が強く , 凝固作用 も強い . 固定時間はふつう 5 ~ 15 分から 2 時間ぐらい で , 固定後はすぐに 95 % アルコールで数回 , 酢酸のに おいのなくなるまで洗い , 脱水・包埋する . 水洗いの必 要はない . 動・植物の核分裂や染色体の観察に適 し , 花粉母細胞の固定に用いられる . ガルノヾー GaIvani, Luigi 1737 ~ 98 イタ リアの医学者 . 動物電気の発見者」カエルのあしが 起電器の近くでけいれんするのをみて , 筋肉中の * 生 物電気が原因であると考えた . この考えは誤っていた が , これがきっかけとなり生体電気現象の研究が芽ば えた . カルビン Calvin,Melvin 1911 ~ アメ リカの生化学者」光合成のしくみのうち , 特に暗 反応のしくみについて , 放射性同位元素“ C や 32P お よびオートラジオグラフを用いべンソンらとともに研究 し二酸化炭素から炭水化物形成の過程を明らか にした . この過程は * カルビン回路と呼ばれている . 1961 年ノーベル化学賞を受賞 .

7. 生物事典

しんか 新界南アメリカ大陸を主とする地域」中 生代以後は他の大陸とは隔離されてきたために , 特 異な動物相をもっている . 深海魚しんかい ぎよおよそ水深 200m 以上の深海にす む魚類の総称」深海は暗黒で , 高水圧・低温の 安定した環境である . 発光器をもっ * 発光魚 , 退化 した眼 , 異常に発達した触角 , 大きな口 , 黒や灰色 の単純な体色などを特徴とする . チョウチンアソコウ・ ハダカイワシ・ホウネンエソ・ミツマタヤリウオなど . 深海動物しんカ : い どうふつ大陸だなより沖で水深 200m 以上の海底に生活する動物」海底動物とも呼ぶ . 遠洋の下層部ともいえる深海では水温の変化はほと んどなく , 波もない安定した環境条件ではあるが , 光 が達せず暗黒のため海そうも繁茂しない . 水圧が大き いために体形もそれに適した特異なものがみられる . タ 力アシガニ・カイロウドウケツ・アソコウなどが例である . 真核細胞核膜につつまれた核をもっ細 胞」 DNA はヒストソなどのタソバク質と結合して 染色体をつくり , 有糸分裂を行う . 細胞質にミトコ ソドリア・色素体・ゴルジ体などが分化し * 原核細胞 とはリボソームの成分も異なる . 真核細胞からなる生 物を * 真核生物という . ◆真核生物 * 静止期には核膜におおわれた 核があり , 細胞分裂のときに染色体ができる生物」 細菌やラソソウのような原核生物に対する対語 . 原 核生物と異なり , 核と細胞質とが区別できる . また , ミトコンドリア・葉緑体・ゴルジ体などの構造が細胞 内に分化していることも原核生物とは異なる点であ る . 原核生物 しんか 進化再演説さいえんせっ発生反復説 生物が進化をするという考えを説 ま進化説か 明するために提唱された説」歴 史的には * ラマルクの * 用不用説が体系的なものであ り , ついで * ダーウインの * 自然選択説が発表されるに および進化の概念が確立された . その後 * ワイズマンの 新ダーウイソ説 , 新ラマルク説 , * ド = フリースの * 突然 変異説 , * 定向進化説 , * 隔離説などがあらわれた . 現代の進化説は突然変異に自然選択がはたらき , 新種が形成され , それが隔離によって固定されるとい う自然選択を中心にした総合的なみ方をする学者 が多い . しかし , 定向進化説や獲得形質の遺伝の 主張もある . 現代の進化説は * 集団遺伝学でうらづ けられており , * 小進化の説明もでき実験を通しての 研究も可能である . いつばう * 大進化のしくみは時間 という制約から説明することはできない . 進化 : 腎管環形動物・軟体動物・甲カク類・ナメク 177 しんけ ジウオにみられる排出 器」体こうへろうと状 に開口する * 腎ロと , 体腸 外へ開口する * 排出孔隔 をもった , 複雑に屈曲す る管からなる . 典型的な覆 ものは環形動物にみら れ , 1 体節ごとに 1 対ずつ血 あるので体節器とも呼管横血管 ラ ス 皮 じ 体管 皮筋層 ばれる . 軟体動物の * 腎〔環形動物の腎管〕 のうや * ボヤヌス器 , 節足動物の * 触角腺 , * 小あご 腺 , * 脚基腺などは腎管の変化したもの . 腎臓 唇脚類しんきやく るい節足動物門・シソ脚綱に属する 動物の総称」倍脚類とあわせて多足類と呼ばれた こともある . からだは細長い棒状であるが , ややヘソ平 . 頭部・胴部に分かれ , ともに体節構造で , 各体節に 1 対のあしがある . 頭部のあしは触角ゃあごに変化し , 胴部のものは歩脚となる . あごには毒腺をもち , 目は 頭部の単眼のみである . 陸上に生活し変態しない . ゲジ・オオゲジ・アカズムカデ・アオズムカデなど . ◆心筋心臓をつくっている筋肉」心臓筋と もいう . 内臓筋で不随意筋でありながら横紋筋であ る . 心筋の * 筋繊維は枝分かれしていて , となりのもの とつながり , 心筋全体がひとつの網のような構造をし ている . 心筋の収縮の速さは * 骨格筋よりおそく , * 平 滑筋よりはやい . 筋繊維の核の数は骨格筋繊維にく らべて著しく少なく , その位置は常に繊維の中軸を 占める . 横紋筋 , 筋肉 , 内臓筋 , 不随意筋 伸筋セキツイ動物の骨格筋の 1 種で , 収縮す ると関節が伸びる筋肉」屈筋とは対抗的なはたら きをもっ . ホ乳類の伸筋として上腕三頭筋やひじ筋 などがある . しかし , すべての骨格筋が伸筋または屈筋 として分類されるわけではない . 筋肉 , 屈筋 心筋梗塞匕 * 冠状動脈がつまるなどして , 心 筋の細胞が死ぬ病気」胸をしめつけられるような痛 みがある . 発作時には絶対安静が必要である . ◆真菌植物しんきん しよくぶっ植物分類上の 1 門」担子 菌類・子ノウ菌類・不完全菌類の 3 亜門よりなる . か らだは隔膜のある * 菌糸で , 各細胞には 1 ~ 2 核があ り , 細胞壁はキチン質 . 一般に菌糸が一定に配列し た子実体 ( キノコ ) ができる . クロロフィルがなく従属栄 養 . 担子菌類 ( マッタケ・シイタケなど ) は担子胞子 . 子ノウ菌類 ( コウジカビ・アオカビなど ) は子のう胞子を っくり , 世代交代がみられる . 菌類 [ ー不完全菌類は , 菌糸をつくらず , 出芽 法や内生胞子をつくってふえる . 狭義には独立し た類とするが広義には子ノウ菌類に含められる . ◆伸筋反射四し ( 肢 ) を刺激すると , 刺激した のと反対側のあし ( 肢 ) の関節を伸ばす * せき髄反射」 伸張反射 , 伸展反射ともいい , * 交さ ( 叉 ) 反射の代 表例 . * 姿勢反射の一要素となる . ◆神経 * 神経繊維の束」 * 脳神経・ * せき髄神 経・ * 交感神経の別があり , これらは神経繊維が束に なっており , 乳白色を呈する . これを組織学的にいう と , 神経繊維の東は血管を含む結合組織性の皮膜 でつつまれている . 神経は末端にいくほど分岐して細 くなり , 個々の繊維の末端は受容器 , あるいは実行 器に達している . 神経系 しんけい 神経炎 えん神経が炎症を起こす病気」単 ーの神経に起こる場合と , 多くの神経で起こる場合 がある . 後者を多発性神経炎といい , ビタミソ BI の欠 乏による . 痛み・感覚異常・麻ひなどを伴う . : 神経管しんけい かん中枢神経系の発生初期のもの」 セキツイ動物および原索動物の発生初期にせき索の 背側に , 神経板より形成され , のちに中枢神経系を 形成し , 目・耳などを誘導する . 神経板を囲むもり 上がりの部分を神経しゅうと呼ぶが , 神経胚の神経 しゅうがさらに発達し , 左右の部分がしだいに接近し ,

8. 生物事典

せいし せいげ イプがある . イネ科型では , 葉が地面に対し立っている ことが明らかになる . ものが多く葉は中間または塾部に近い方に重量の極 せいげん 制限要因よういん限定要因 大がくる . 光は群落の内部にまでよく透過する . これ ◆生合成せい ごうせい生物体により行われる合成的な に対して , 広葉型では , 葉は地面に対し水平につく 化学反応」生合成の経路は最近生化学におい 傾向にあり , 重量の極大は上部にくる . 光は群落上 て盛んに研究されているテーマのひとつである . 生合成 部で急速に減衰し基部の方へはあまり届かない . した において , ある特定の物質の合成に使用される素材 がって下の方には葉がつかなくなる . イネ科型の方が になる物質を先駆物質という . 近年 * アイソトーブを 受光量も大きく物質生産には有利である . 森林では 用いる実験によって思いがけない物質が複雑な有機 針葉樹型と広葉樹型とがある . 水界では植物ブラソ 化合物の合成にさいしてその中にとりこまれているこ クトソ量 ( クロロフィル量 ) の垂直分布で示す . 層 とが明らかになった . たとえば , コノ、ク酸とグリシソから 別刈取法 プロトボルフィリソができたり , 酢酸からコレステリソが ◆生産者しや生態系における基礎生産者」 せいさん できたりするなどである . このようにかなり簡単な有機 無機化合物だけを栄養として生活し複雑な有機 化合物から複雑な有機化合物が合成されるような 化合物としての原形質をつくることのできる生物をさ 場合と , きわめて類縁の先駆物質から比較的簡単 す . 緑色植物は光合成を営む重要な基礎生産者で な化学変化によって合成されるような場合とがあり , ある . 独立栄養 ( 自栄養 ) バクテリアをも含む . 生態系 これを区別することがある . たとえば核酸の生合成に 内での消費者段階にある動物も , 原形質の再生産 おいて , これを構成するブリソやピリミジソなどの塩基 をしているが , これを生産者とは呼ばない . 生態系での は食物としてとり入れられた核酸の消化吸収によっ てまかなわれるほかに , 一方で生体はギ酸・アンモニア・ 生物生産の基礎である生産者の存在は重要な価 値をもっ . 消費者 , 生物生産 グリシソおよび C02 などの簡単な物質から合成するこ ◆生産量穹ん生物が一定期間に合成した有機 とも証明されている . この過程では高エネルギーリン酸 化合物 ( ATP ) が重要な役割を果たすことが多い . 物の総量」土地面積あたりの重量としてあらわす . 緑色植物が光合成でつくりだした有機物の総量を ◆精細胞ほう精子に変化する前の細胞」動 総生産量にれから植物体の呼吸で消費した量を差 物では * 精巣における減数分裂によって , 1 個の第一 し引いたものを純生産量という . この用語はおもに植 * 精母細胞が 2 個の第二精母細胞となり , この 2 細 物に使うが , 動物に対しても使われる . 生物生産 胞は引き続いて分裂して 4 個の精細胞ができる . 精 細胞は細胞質のかなりの部分を放出し構造の変化 生産力言ん一定時間 , 一定面積あたりの生 が起こり , ペん毛をそなえた精子に変わる . 精子 産量」生産量という語が , 生産された有機物の絶 対量が問題なのに対し , この語は生産速度に力点が 性細胞ほう生殖細胞 おかれている . 熱帯多雨林 1000 ~ 5000g / m2 ノ年 , 温 青酸塩 せいさん えんシアン化物 帯林 600 ~ 3000g / m2 / 年というように , 土地の生産 ◆生産構造植物において物質生産に関係 性を比較するときに使う . 生産量 する葉や茎の垂直的群落分布構造」この生産構 ◆精子芒、運動性のある小形の雄性配偶子」 造を明らかにするには , * 層別刈取法によって一定間 * 異形配偶子において , 雌雄の配偶子に形態的に 隔ごとに同化器官の葉と , 非同化器官の茎の量を 著しい差があり , 雌性配偶子が * 卵と呼ばれる場合 求めて生産構造図をつくる . 植物群落において , 植 にこれに対応する雄性の配偶子を精子という . 植物 物体の葉のつき方 , 入射光の減衰変化が物質生産 ではカッソウ植物・緑ソウ植物の大部分 , シャジクモ に大きく影響を与えている . 生産構造図 , 層別 植物・コケ植物・シダ植物の全部 , 種子植物の一部 刈取法 ( イチョウ・ソテッ ) にみられ , べん毛または繊毛を備えて せいさん : 生産構造図こうぞうず 植物群落の同化器官 いる . 紅ソウ植物の精子は運動性がなく * 不動精子 ( 葉 ) , 非同化器官 ( 茎 ) の分布量を一定間隔ごとに といわれる . 動物では後生動物全体にみられ , 典型 垂直にあらわしたグラフ」縦軸に植物の高さまたは 的な精子は頭部・ * 中片・尾部の 3 部からなる . 頭部 面積をとり一定間隔い 0 ~ 20cm にとに左側に葉の 先端は突起状をなし * 先体と呼ばれる . 精子はほとん 重量 , 右側に茎 ( 花・果実も含む ) の重量を棒グラフ ど細胞質をもたず , その大部分は中片を形づくり , のように示す . またこれに重ねて , 群落上の照度を 100 先体 とした群落内部の相対照度を曲線で示す . 図に示 頭 すように草本群落では , イネ科型と広葉型の 2 つのタ 部 中 中片 イネ科型 広葉型 0 相対照度 18 % 0 相対照度 0 % ト コ ド アヒト ウニの精子 ( 模式図 ) ワラビ ソテッ 〔精子の構造と種類〕 192 核 (cm) 同化器官 ( 葉 ) 0 非同化器官感同化器官の 0 非同化器官 ・第納など ) の の重量 ( g ) 重量 ( g ) の重量 ( g ) 破線は群落内での光の減衰の様子をあらわす。 〔生産構造図〕 た (cm) ネズミ 部

9. 生物事典

ようげ 葉隙茎の * 維管東の面に葉維管束 る . このほか , 組織の反応性の欠如による例もある . できるので , 甲状腺ホルモソの不足によると考えられ 状腺ホルモソを与えることにより変態を起こすことが ショウウオは原産地では幼生形のまま成熟するが , 甲 態成熟ともいう . 両生類などにみられる . メキシコサソ 形のままで生殖巣が成熟すること」ネオテニー・幼 がでているためにできた維管東の欠 けている所」 * 真正中心柱や包囲 中心柱では葉にいく維管東 , つまり * 葉跡のために葉げきができるが , * 放 射中心柱ではできない . 単子葉類の 葉 跡 葉 き * 不斉中心柱では葉げきのようにみえ〔葉げき〕 るが , 真の葉げきはない . ◆溶血 * 赤血球から , 中の * へモグロビソが流出 する現象」血液を蒸留水に入れると , 赤血球がふ くらんで破裂し , へモグロビンは外液とまざってしまう . そのほか強くふったり , 加熱・凍結などや酸・アルカリ などでも溶血を起こすことがある . ヘビ毒・細菌毒素 によることもある . * 抗原抗体反応のひとっとして起こ る免疫溶血反応がある . ヒトの体内で溶血が起こる と , 貧血や黄だんがあらわれる . 溶血素寺 3 そ * 抗体の 1 種」 * 抗原をもつものが 他の動物の * 赤血球である場合 , * 抗原抗体反応の 結果その赤血球を破壊してへモグロビンを流出させ る . つまり溶血反応を起こす抗体である . 溶血反応 には自己の血液中に存在する * 補体と呼ぶ物質が 溶血素とともにはたらく . 幼根 * 胚の 1 部をつくっている根」被子植 物では , 受精卵が第 1 回の分裂をした場合に , その 珠孔側の細胞からっくられる . 発芽後は主根として 成長し , 根となる . 根 ◆葉酸サルの血球欠乏症を治療する因子と して , ホウレソソウの葉から発見された物質」ビタミ ン M とも呼ばれる . ビタミン B2 複合体の 1 種 . * グリシ ソからセリソの合成 , プリソの合成 , チミソの合成に必 要な物質 . 緑色植物の葉 , * 肝臓に含まれる . 不足 すると成長阻害・悪性貧血・白血球減少が起こる・ ようじゃく コソ虫類のアラタ体から ◆幼若ホルモン 分泌されるホルモソ」アラタ体ホルモソ・幼虫ホルモ ンともいう . 幼虫形質の発現や , 成虫では卵巣の成 熟を促進する . アラタ体 ・陽樹日なたで生育する樹木」 * 陰樹の対 語 . 陽樹林では林冠がうすく , 光をかなり透過させる ので , 低木層や草本層がよく発達する . 例としてアカ マツ・シラカソバ・クリなど . 陽生植物 ◆葉序葉が茎につくときの配列状態」茎の 1 節に 1 枚ずつ葉をつけ 互 るものを * 互生葉序 , 2 枚ずっ向かいあった葉を つけるものを * 対生葉 序 , 3 枚以上ずつつける ものを * 輪生葉序とい う . 一般に互生葉序が 多く , その位置関係を * 開度であらわす . 葉序 は , ひとつの植物の低出 葉と高出葉で異なる葉 〔葉 序〕 ようせ 序をもつものもあるが , 種類によって決まっており . 外 的条件では容易に変化しない・ そう ( 叢 ) 生といわれるのは , 茎の節間が 著しく短縮されたもので , よく調べてみると互生の ものが多い . 葉鞘ぅ茎をさや状に包むような形に発達した 葉の基部」イネ科植物にみられ , 茎を保護する . 葉しようは * 托葉が変わったものという説もある . 葉条ぅ苗条 3 ようじよう 茎が葉のようにへん平になり , 同 葉状茎けい 化作用を営むもの」へん茎ともいう . ウチワサポテソ のように多肉質のもの , ナギイカダのようにほとんど葉 状でその上に花をつけるもの , アスパラガスのように針 状のものなどがある . ようじよう * 葉状体をなしている植物の ◆葉状植物しよくふっ 総称」 * 茎葉植物の対語 . コケ類・ソウ類・地衣 類・および菌類を含み , 真の根・茎・葉の分化がない . ようじよう 茎と葉の別がない植物体」 葉状体た * 茎葉体の対語 . 内部的には維管東の分化がみられ ない . 例として , ウキクサ , シダ類の * 前葉体 , タイ ( 苔 ) 類 , 海そう類などがあげられる . 葉状植物 葉身 * 葉の * 光合成のはたらきをする主要部 分」葉片ともいう . へん平な構造で , ふつう背腹性 がある . * 葉脈の走り方で平行脈と網状脈の区別を 生じ , 葉縁の欠刻もさまざまで , 欠刻も中ろく ( 肋 ) に 達すれば小葉となり複葉を生じる . * 葉身は表裏の * 表皮と葉肉と * 維管束からなる . 葉肉は * さく状組 こに * 葉緑体が多数 織と * 海綿状組織からなり , 分布し , 光合成をする場所となる . 裏の表皮には * 気 孔が分化する . 維管東は * 葉柄を経てはいったもので , 水分や養分の移動経路になる . 葉針 * 葉または葉の一部がとげ状に変わった もの」変形葉の 1 種 . サ木テンのとげは * 葉身が変 化してできたものであり , ニセアカシアやサンショウのと げは * 托葉が変化したものである・ 羊水羊膜こうをみたして胚の保護にあたる 液」 * 羊膜の上皮の分泌物で , 母体・胎児の両 方の血管からの浸出液が混ざっている・ 腰髄腰つい部分を通る * せき髄 . ◆幼生後生動物の個体発生で , 胚と成体の 中間に , 成体とは形態が非常に異なり , 違った独立 の生活をする時期があるとき , その時期のものをいう」 幼生の体制や形態は属種により , ほぼ決まっており , 祖先型を示すことが多いので , 生物の系統的位置を 知るうえで重要である . コソ虫などの幼生は特に * 幼 虫ともいう . 幼生器官 ようせい 幼生期き幼生の時期 . 幼生 ′ようせい 幼生器目きかん動物の幼生期のみにあらわれ , 変態後は消失する器官」オタマジャクシの尾やえ ら , ホヤの幼生の尾 , 環形動物の * トロコフォラ幼生 の繊毛環 , コソ虫の * 幼虫の腹脚 , 気管えらなど . ◆陽生植物つ日あたりのよい環境でなけれ ば生育できない植物」 * 陰生植物の対語 . 陽生 植物は補償点が高く , * 光合成は強い光でないと光 飽和に達しないから , 光合成速度が光の強さに依存 する度合いが陰生植物よりも著しい . 農作物の大部 分は陽生植物であり , 光の強さによって光合成速度 38

10. 生物事典

とくさ が , コルアミルチソやッチソという猛毒が含まれる . トクサ中部以北の川や沼のほとりにはえるシダ の 1 種 . シダ植物門・トクサ綱・トクサ科」茎は中空 で高さ約 lm , 直径約 5mm の円筒状をなす . 夏 , 茎 頂にだ円体の胞子のう穂をつける . 葉はさや状でめだ たず , 濃緑色の茎の表面には多数のたてみぞがあり , ケイ酸質が含まれるので , 物をみがくのに用いる . 毒腺他動物に対して有毒な作用を有する 物質を分泌する腺」毒ヘビの毒腺 , ドクトカゲの 毒腺 , また両生類・魚類には , 皮ふ腺として毒腺を 有するものなどがある . ◆毒素煢生物体起原の高い毒性をもつ物質」 ふつうは主として高分子の物質で温血動物の血中 にはいって有毒なものをさし , 特に抗原性をもつものに 限ることが多い . 種々の細菌毒素・植物毒素・動物 毒素 ( ヘビ・サソリ・クモ・ハチ ) が知られている . 植物ア ルカロイドは一般に毒素といわない . 毒素を種々の方 法で処理して , 抗原性を変化させずに毒性を弱めた ものを * 変性毒素 ( トキソイド ) という . ドクダミ林下や日かげに群生する多年草 . 双 子葉綱・離弁花亜綱・ドクダミ科」白色の地下 茎から , 悪臭ある約 30cm の茎をだす . 葉は暗緑色の 心臓形で互生 . 初夏に 4 枚の白色花弁状のほう ( 苞 ) をもっ花を穂状に開く . 利尿などの薬用になる . 毒つほ 採集したコソ虫を殺すときに用いる 254 とちか ガラス容器」毒ビソともいう . 殺虫 剤には四塩化炭素を用いる . ま独立栄養外界から無機 物をとり入れ , 必要なすべての有機 物を合成する栄養の様式」自家 栄養・自給栄養・自養などともいう・ * 従属栄養の対語 . * 炭酸同化の様 式によって光独立栄養 , 化学独立 〔毒つば〕 栄養の 2 つに分ける . 独立栄養と従属栄養とは厳密 に区別しえない場合もあり , 両者を同時に行うものに ヤドリギなどの * 半寄生植物や * 食虫植物があり , 緑 ソウ類の一部や * 光合成細菌 , 化学合成細菌のよ うに条件によって従属栄養に転換するものもある・ : 独立の法則 2 つの * メソデルの法則のひとっ で 2 対以上の対立形質の遺伝を組み合わせて調べる とたがいに独立憮関係 ) し , * 優性の法則や * 分離の 法則にしたがって遣伝するという法則」一般に , A -a,B-b, ・・・の〃対の対立形質 ( 対立遺伝子 ) がある とき , * 交雑による F すべて遺伝子型 AaBb ・・・ ( へテ ロ ) , 表現型 AB ・・・となり , その配偶子は 2 れ種類に分 離する . F2 の遺伝子型は 3 れ種類 , 表現型は 2 れ種類 に分離し , 表現型の分離比は ( 3 + を展開したも のとなる . この法則は各対立遺伝子が別の染色体 上にあることが必要で , * 連鎖があるとなりたたない . ま た , 各対立遺伝子の機能に関連性がある場合も , 表現型についてはこの法則がなりたたない . 両性 雑種 , 三性雑種 とげ茎または葉 , ときには組織が変形してとがった 突起になったものの総称」サイカチ・サクロなどは茎 が変形して茎針となり , ハリエソジュは葉の托葉が , サ ボテソは葉がそれぞれ葉針となる . バラのとげは表皮が 変形したもの . そのほか , イラクサの刺毛も 1 種のとげ で , もとは石灰化してかたく , 先端部はケイ酸化して いる . その中に毒物質をもっている . ◆トゲウォ硬骨魚亜綱に属する淡水魚のうち , 背びれがとげ状に変化しているもの」イトヨ・トミョ などをトゲウオと呼ぶ、水草中に巣をつくって雌雄で 生活し , 幼魚を保護する習性がある . トゲコケムシ触手動物門・コケカタ綱に属す る浅海性の動物」群体は樹枝状でかっ色 , 海そ うの根や岩しように着生する . 鶏冠まさ ニワトリなどの頭部背面にある肉質の 隆起」皮ふが厚くなったもので羽毛がない . 雄でよ く発達し ( * 第二次性徴 ) , 去勢したニワトリを使って 雄性ホルモソの検定に利用される . ニワトリではクルミ 冠・バラ冠・エソドウ冠・単冠などに区別され , * 補足 遺伝子の代表例である . ドジョウ硬骨魚亜綱・ドジョウ科に属する著 名な淡水魚」からだは円筒状で細長く , 体長約 15cm. 背びれ・尾びれが小さい . ロの周辺に 10 本の ひげがある . 田や池沼のでい土中に生活 . 食用となる . ◆土壌ぎよう地かく ( 殻 ) の最表層部」大気・水と 並んで生物の生活する生物圏を構成する . 岩石の 風化物や生物の遺体などの有機物から成る . 十分 発達した土壌では , 上から A 層 ( 表層 ) , B 層 ( 下層 ) , C 層 ( 基層 ) に分けられる . A 層の上には Ao 層 ( 堆積 層 ) があって , 落ち葉や少し分解の進んだ生物の遺体 などがある . これら土壌の発達は * 植物群落の * 遷移 と密接な関係にあり , 遷移が進行するにしたがって A 層が発達し厚くなる . また , その地域の気候とも関係 が深く , 各気候帯特有の土壌を形成している . 土壌 形成には , ミミス・トビムシ・ダニなどの土壌動物と , 細 菌類・菌類・原生動物などの微生物の役割が大き どじよう 土壌微生物 土じよう中に生活する微 びせいぶつ 生物」化学合成細菌は独立栄養生活を行うが , ほかの微生物はすべて * 従属栄養生活を営む . 動植 物の死体を分解するもの , * 窒素固定をするもの , 抗 生物質をつくるもの , 根に * 寄生するものなどがある . 原生動物・細菌類・菌類・ソウ類などがある・ どじよう 土壌要因よういん環境を構成する諸要素のうち 土じよう的要素」土じようの粒度と腐植質量と は土じようの通気・保水力などを決定する . 土じよう 水分の化学的性質は土じようの pH, 栄養塩類の 濃度を決定する . 一般に過湿な土じようでは酸性 , 海岸や乾燥地ではアルカリ性となっている . 群落の分 布・相観あるいは土じよう微生物の生活に , 土じよう の pH など化学的性質が影響する . トダシバ広く原野にはえる多年草の 1 種 . 単 子葉綱・イネ科」茎の高さ lm ぐらいで , 葉は広線 形 , 基部にまるく毛がある . 初秋に長さ約 30cm もあ る大きい円錐花序をつける . 小穂は長さ約 4mm で , 白緑色を示す . トチカガミ池沼にはえる浮水植物の 1 種 . 単 子葉綱・トチカガミ科」水中茎から径約 6cm の 円形葉をだし水面をおおう . 葉の下面中央部は海 綿状の気室が発達している . 初秋に白色 3 花弁の単 性花を開く . このなかまにはミズオオバコその他水生 植物が多い .