植物を食べる生きもの ①いも虫とチョウ ②コロラド甲虫 ( こうちゅう ) ③ノウサギ ④ミミズ ⑤ハタネズミ 虫やほかの動物を食べる生きもの ⑥トガリネズミ ⑦シジュウカラ ⑧オオタカ ⑨キツネ 26
色が見えるのはなぜ にわか雨が降っている時、雲のあいだ から太陽の光がさしこむと、虹が見える ことがあります。虹は、なぜ見えるので しよう。それは、太陽の光が空気中の雨 っぷの中を通って、赤、橙、黄、緑、 あいむらさき 月、監、紫の 7 色にわかれるためです。 わたしたちのまわりのものは、みな同 じ太陽の光に照らされています。それな のになぜ、ひとつひとっちがう色に見え るのでしよう。それは、太陽の光がさま ざまな色からできているためです。木の 葉が緑色に見えるのは、木の葉が、太陽 の光のうち緑色の光だけをはね返すから です。そのほかの色は、葉の中に吸いこ まれます。赤いテントウムシは、赤い光 だけをはね返します。だから、赤く見え るのです。白いものは、光を全部はね返 だいだい せんぶ しますし、反対に、黒いものは太陽の光 と熱を全部吸いこみます。みなさんは、 あたたかい日に外ではだしになったこと はありませんか。その時、黒っぱいアス ファルトの道が、とてもあたたかいのに 気づいたのではないでしようか。 のはら 春になると、野原には色とりどりの花 が咲き、きれいなチョウが飛びまわりま す。けれども、花やチョウの色は、わた したちを楽しませるためについているの ではありません。色は、動物や植物にと って、もっと大切な意味を持っているの です。たとえば、イチゴがあざやかな赤 い色をしているのは、鳥に見つけてもら うためです。タンポポの黄色やスミレの むらさきいろ 紫色は、虫をさそう役わりをします。 緑色のアマガ工ルは、緑の葉の上にいれ ば目立ちません。これは、敵に見つから ないようにするためです。 てき
はそいと クモの子ども②は、細い糸にぶらさがって、風をまちま す。そして風が吹くと、クモの子どもは風にのって新し 昼と夜の長さが同じになる日がふたたびやってきまし いすみかまで飛んでいきます。時にはあらしがきて、何 キロも飛ばされることもありますし、すぐとなりの枝に た。この日をすぎると、こんどは昼より夜の方が長くな 着くこともあります。 りはじめます。いよいよ、寒い季節のはじまりです。 わたり鳥も秋に旅だちます。鳥が「体の中の時計」を 野原や畑も、だんだんさびしくなってきました。夏、 太陽の光をあびてみのった作物は、取り入れがおわりま 持っている、という話を前にしましたね。その「体の中 した。緑色の葉も、色が変わって、枯れていきます。 の時計」が、わたり鳥に出発の時がきたことをおしえま 秋になると、植物と動物は冬じたくの前に旅に出ます。 す。すると、わたり鳥は太陽の方に向かって、南へ南へ と飛んでいきます。ツバメ③は、秋の早いうちに出発し 植物の場合は、旅をするのはたねと果実です。そのため、 たねや果実には、旅をするためのしくみがそなわってい ます。それは、えさになる虫がいなくなってしまうから だいす ます。たとえば、アザミのたね①は、空を飛べるように です。ゴシキヒワ④は、冬になって、大好きなアザミの たねが雪にうまるころに出発します。 綿毛がついています。つばさのようなものがついている たねもあります。旅をしてあちこちにちらばったたねは、 みなさんは、旅をするチョウがいるのを知っています か。北ヨーロッパに住むアカタテハ⑤とヒメアカタテハ いろんなところで芽を出して、育っていきます。もし、 ⑥は、秋になると、アルプスの山をこえ、海をわたって、 たねが全部同じところに落ちたら、たがいに場所と太陽 かいがん アフリカの海岸まで飛んでいきます。そして春には、そ の光をうばいあうことになってしまいますね。 秋には、動物の子どもたちも大きくなります。そして、 のチョウの子どもたちか、ふたたび山をこえて、北にも 親のもとをはなれて、新しいすみかをさがしにゆきます。 どっていきます。 はたけ さくもつ たび おや 2 29
とになります。森のはずれに住むキツネ④の家族にも、子 どもが 5 匹生まれました。 こんなに子どもがたくさん生まれるのに、空がチョウで いつばいになることはありません。それに、森や野原が、 タンポポやウサギやキツネであふれることもありません。 では、あんなにたくさん生まれた子どもたちは、いったい どこにいったのでしようか。 植物と動物は、子どもをたくさんつくります。そして、 なかまをふやしていきます。けれども、生まれた子どもが みな、ぶじに育っていくわけではありません。たとえば、 タンポポのたねは、飛んでいく場所を自分でえらぶことが できません。なかには、石だらけの場所に落ちて、芽を出 さずに死んでしまうものもあるでしよう。けれども、たね をたくさんつくれば、いくつかはいい場所にたどりついて、 芽を出して、育っことができます。 動物も、寒さでこごえたり、食べものがなかったり、病 気になったりします。けれども、植物や動物が子どもをこ んなにたくさんつくるのには、もうひとつ深いわけがあり ます。そのわけを、次のページで話していきましよう。 びよう
たくさんの子どもが生まれる 春から夏にかけて、植物は太陽の光と熱をたくさん受け て、すくすくと育っていきます。あちこちで、木の枝がの び、葉がしげり、花が咲き、たくさんのたねがみのります。 みなさんがよく知っているタンポポにも、たくさんのたね ができました①。タンポポのたねは、らっかさんのような わたげ 綿毛がついていて、風が吹くと、風にのって空を飛んでい きます。やがて、たねが地面におりると、そのたねのひと つひとつから新しいタンポポが生えてきます。 春と夏には、動物にも子どもがたくさん生まれます。た とえば、一匹のモンシロチョウ②のたまこ、から生まれる青 虫の数は、およそ 600 匹です。青虫はキャベツの葉を食べ て育ち、 600 匹のチョウになります。ウサギ③は、春から 秋までに 5 回くらい子どもを生みます。一回に生まれる子 どもの数は 6 匹くらいですから、一匹のおかあさんウサキ から、一年のあいだに、子ウサギが 30 匹ほど生まれるこ えだ 力、し、
春 あたたかい春の日ざしに、雪がすっかりとけました。 固くこおっていた地面もとけて、ぬかるんできましオ 春の草花が、土と落ち葉のあいだから芽を出し、光に向 かってぐんぐん育っていきます。 フキタンポポは、春早くから花をひらきます。黄色い 花のまわりを、ミッパチやチョウも飛びはじめましオ そだ ・一 0 14 ず太陽のエネルギーがはいっています。 っくります。ですから、植物がつくる栄養には、かなら 土の中にある水をつかって、でんぶんや糖などの栄養を えいよう して、太陽のエネルギーと、空気の中のニ酸化炭素と、 にさんかたんそ 物は、このエネルギーを緑色の葉からとりこみます。そ エネルギーは、太陽の光と熱の中にはいっています。植 って、育ったり、花を咲かせたりするからです。太陽の ものです。というのは、植物は太陽のエネルギーをつか 太陽は、植物が生きていくために、なくてはならない の光に向かってのびていきます。 花がしほ、んだあとは、かさのような形の葉が出て、太陽 、うごう・迂い 植物が栄養をつくるいとなみのことを、光合成といい ます。この時、大きなはたらきをするのが、緑色の葉の ようりよくそ 中にある葉緑素です。緑色の葉が生えている植物は、 太陽の光かあれば、いつでもどこでも光合成をおこなっ せかい ています。世界じゅうのどこの野原でも、どこの森でも、 それは同じです。 植物は、つくった栄養を、まず自分が育っためにつか い、のこりを体のどこかにためておきます。たとえば、 フキタンポポは、あまった栄養を根にためます。そして、 その栄養をつかって、春早くから花を咲かせます。また、 あまった栄養をたねにたくわえる植物もあります。これ は、つぎの年の春、たねが芽を出す時に、ためておいた 栄養をつかうためです。