色が見えるのはなぜ にわか雨が降っている時、雲のあいだ から太陽の光がさしこむと、虹が見える ことがあります。虹は、なぜ見えるので しよう。それは、太陽の光が空気中の雨 っぷの中を通って、赤、橙、黄、緑、 あいむらさき 月、監、紫の 7 色にわかれるためです。 わたしたちのまわりのものは、みな同 じ太陽の光に照らされています。それな のになぜ、ひとつひとっちがう色に見え るのでしよう。それは、太陽の光がさま ざまな色からできているためです。木の 葉が緑色に見えるのは、木の葉が、太陽 の光のうち緑色の光だけをはね返すから です。そのほかの色は、葉の中に吸いこ まれます。赤いテントウムシは、赤い光 だけをはね返します。だから、赤く見え るのです。白いものは、光を全部はね返 だいだい せんぶ しますし、反対に、黒いものは太陽の光 と熱を全部吸いこみます。みなさんは、 あたたかい日に外ではだしになったこと はありませんか。その時、黒っぱいアス ファルトの道が、とてもあたたかいのに 気づいたのではないでしようか。 のはら 春になると、野原には色とりどりの花 が咲き、きれいなチョウが飛びまわりま す。けれども、花やチョウの色は、わた したちを楽しませるためについているの ではありません。色は、動物や植物にと って、もっと大切な意味を持っているの です。たとえば、イチゴがあざやかな赤 い色をしているのは、鳥に見つけてもら うためです。タンポポの黄色やスミレの むらさきいろ 紫色は、虫をさそう役わりをします。 緑色のアマガ工ルは、緑の葉の上にいれ ば目立ちません。これは、敵に見つから ないようにするためです。 てき
太陽の光について 毎朝、部屋にさしこむ太陽の光は、い ったいどのようにして、わたしたちのも とにやってくるのでしようか。 しゆっぱっ 太陽の光は、太陽を出発してから地 なんびやくまん 球に着くまでに、何百万キロもの遠い 旅をします。ずいぶん遠い旅ですが、時 間はたった 8 分 30 秒しか、かかりませ ん。それは、光が信じられないくらいの 速さで宇宙①を飛ぶからです。 地球にとどく光は、太陽を出発した時 とはちがうものになっています。それは、 たいき 地球が大気とよばれる空気の層②につつ まれているからです。太陽の光は大気に ぶつかってはね返り、ほとんどが宇宙に もどっていきます。そして、わずかな光 だけが大気と雲の層④を通りぬけて、地 上⑤にとどきますもし、地球に大気 がなかったら、光力強すぎて、生きもの ③ は生きていることができません。 暗い夜がすぎて、太陽が部屋にさしこ んでくると、部屋は明るくなり、まわり のものが見えてきます。太陽の光は、ろ うそくや電球をどんなにたくさん集め たよりも、ずっと明るいのです。ですか ら、太陽をじかに見ると、目をいためて しまいます。 ④ 太陽の光がさすと、明るくなるだけで なく、あたたかくなります。さっき、太 陽の光が大気にあたってはね返る、とい う話をしましたね。その時、太陽の熱も いっしょにはね返って、のこりのわずか な熱だけが地上にとどきます。もし、そ うみ うでなかったら、暑すぎて、海がにえた ってしまうことでしよう。大気は、いっ ばうで、熱をはね返すだけでなく、地上 やく の熱を宇宙ににがさない役わりもしてい ます。車をひなたにおいておくと、車の 外より中の方があたたかくなりますね。 それと同じしくみです。 太陽の光の中には、わたしたちの体に しがいせん よくないものもまざっています。紫外線 もそのひとつです。ただ、紫外線は、大 気の中にオゾン層という特別な空気の層 ③があるおかげで、地上には少ししかは いってきません。紫外線は目には見えま せんが、紫外線があると、わたしたちの ひふは日やけをします。日やけをするの は、ひふが紫外線から体をまもろうとし ているためです。ひふが日にやけること で、もっと大きな害から体をまもってい るのです。 宇宙と太陽、地球とそのまわりの大気 おも は、どれもわたしたちには思いもつかな ひろ いほどの大きさと広がりを持っています。 そこで、このページの絵は、わかりやす くするために、かんたんにかきました。 まいあさへや あっ ① はや からだ くうき ② かえ カ { し、 でんきゅう あっ ⑤
地球は、太陽のまわりをまわっています。そして、月は 地球のまわりをまわっています。ですから、太陽と地球と 月のならび方は、いつも同じではなくて、少しずつ変わっ ています。そして、太陽と地球と月のならび方が変わると、 地球から見える月の形も変わります。 太陽の光があたると、どんなものにも明るい部分とかげ の部分ができます。月も、太陽の光があたっていますから、 明るい部分とかげの部分ができます。月のかげの部分が地 球の方を向いている時、地球から月が見えなくなります。 しんげつ みかっ、き これを新月といいます。新月から 3 日ほどたっと、三日月 まんげつ になり、それから半月になり、最後に満月になります。満 月のあと、月はだんだんやせてきて、半月になり、 び新月にもどります。新月からつぎの新月になるまで、 か月より少し短い日数がかかります。 なぜ月は光るのだろう おくねん 月は、何十億年も前から、地球といっしょに太陽のまわ りをまわってきました。月の光は、地球の生きものにとっ て、とくべつ大きなはたらきをしているわけではありませ ん。けれども、夜に活動する動物や、わたり鳥にとって、 月の光は大切な道しるべになります。わたしたちも、暗い 夜に月のあかりがあると、なんだかほっとしますね。 月の光は、月が自分で出している光ではありません。月 つめ は太陽とはちがって、冷たくひえた星です。生きものも住 ばうえんきよう かんさつ んでいません。大きな望遠鏡で月を観察すると、月に山 や谷や石ころだらけの地面があるのがわかります。それな のに、月か光って見えるのは、太陽の光が月にあたってい るからです。月は、太陽の光を、ちょうど鏡のようにはね 返します。その光か地球にとどくのです。 はんげつ かがみ につすう 30
たいよう ちきゅう 太陽と地球 みなさんは、夕方、太陽がしずんでいくのを見たことがあるでしよう。その時、太陽はどんなふうに見えたで しようか。地球から見る太陽は、あまり大きくありません。そして、丸い形をしているように見えます。けれど も、本当は、太陽はものすごく大きな火の玉なのです。 太陽は、休むことなく、まわりを強い光で照らしています。その光は、地球や、地球のとなりの月にもあたり ゆうがた つよ やす ねつ ちか 太陽からちょうどいい距離をはなれたところにあるので、それで、植物や動物や人間が生きていけるのです。 しよく」 : つどう」 : つにんげん また、地球が太陽からもっと遠かったら、太陽の光と熱が地球にとどかなかったことでしよう。けれども地球は、 ます。太陽の光はとても強いので、もし、地球が太陽の近くにあったら、地球はもえてしまったことでしよう。 みどりいろ きよリ とお はんたい くら 生きものが、光とかげの中を通りぬけていきます。 きて、光の中にはいっていくと、朝になります。地球がまわるのといっしょに、あなたやわたしたちやすべての あさ が、明るい部分からかげの部分にはいっていくからです。そして、みなさんの住んでいるところがかげから出て ぶぶん ているからです。ひとまわりにかかる時問は、 24 時間です。昼が夜になるのは、みなさんの住んでいるところ しかん 昼と夜はこうたいにやってきます。それは、わたしたちの住む地球が、まるでこまのようにぐるぐるとまわっ は、いま昼です。反対がわは、光があたっていないので、暗くかげになっています。 , こは、いま夜です。 ひる よる 右上の、緑色をした地球を見てみましよう。太陽の光があたっているところが、明るくなっています。 , ,
月には、地球と同じように、太陽の光があたっていま す。太陽の光は、月にあたってはね返って、それが地球 にとどきます。月の光が地球にとどくまでにかかる時問 は、一 % 秒です。 太陽の光 地球から見える月の形は、太陽と月と地球のならび方 によって変わります。新月からふたたび新月になるまで にかかる日数は、およそ 29 日半です。 地球 半月
植物の昼と夜 太陽がのほ、ると、夜が終わって、昼がはじまります。 して、太陽がしずむと、昼が終わって、夜になります。明 るい昼と暗い夜は、いつもこうたいにやってきます。 そ 16 ③コミヤマカタバミ ②オシダ ( ①スズラン ひかげに生える植物 のために、蜜がたっぷり用意されていますも 葉をのばしたりします。ひらいたばかりの花には、虫当ー ことは、ちゃんと感じています。そして、花をひらいたり、 ることはできません。けれども、朝になって明るくなった 植物は、朝になっても、わたしたちのように光を目で見 タンポポ 太陽がのばると、葉は、光がよくあたるように太陽の方 を向きます。そして、光合成をはじめます。夕方、暗くな ると、タンポポ⑥のように葉をたたむものもあります。 なかには、日かげで育つ植物もありますが、日かげで育 つ植物は、葉が大きくて、光をたくさんとりこめるように なっています。けれども、そのような植物も、深くて暗い 森の中では、光がたりなくて枯れてしまいます。 ⑥タンポポ ⑤キキョウのなかま ④工ゾオドリコソウ ひなたに生える植物
ためます。とくに、寒さがきびしい時には、えさをた くさん食べなければなりません。そうしないと、体が , , ごえてしまいます。たとえば、シジュウカラ のように小さな鳥は、えさをずっと食べないと、 24 時間くらいで死んでしまいます。 雪がつもると、えさはなかなか見つからなくなりま す。ただ、小鳥が食べる小さなたねにも、ウサギがか かわ じる木の皮にも、太陽のエネルギーはちゃんとはいっ ています。そして、動物たちの体をあたため、冬をの りきる力をあたえてくれます。 冬は、太陽の光が地上に少ししかとどきません。そ して、部屋の中がどんなにあたたかく、どんなに明る くても、太陽のかわりにはなりません。雪が降りつづ いて何日も太陽が見えないと、わたしたちは気持ちか しずんできます。それどころか、長いあいだ太陽の光 にあたらないと、病気になってしまうこともあります。 けれども、地球は太陽のまわりをまわりつづけてい ますから、寒い冬もいつかは終わります。そして、そ のあとにはかならず春がやってきて、あたたかい太陽 の光が、わたしたちのもとにとどくのです。 35
北半球が春のとき 太陽 北半球が冬のとき 北半球が夏のとき 北半球が秋のとき きせつ たちは北半球に住んでいますから、北半球に光が多くあた っている時が夏です。それから半年たっと、こんどは南半 球に光が多くあたるようになります。この時は、南半球が 夏です。南半球が夏の時、北半球では太陽の光が少ししか あたらないので、冬になります。 もし、宇宙から太陽と地球をながめることができたなら、 きっと、地球が太陽のまわりをまわっているようすがよく わかることでしよう。けれども、地球にいるわたしたちに は、地球が動いているのではなく、まるで太陽か東からの ほ、り、西にしずんでいくように見えるのです 地球から見える太陽の道すじのことを、黄ーと 0 、 0 、ます。 黄道はいつも同じではなく、毎日少しずつずれていきます。 北半球では黄道がどのようにずれていくのか、右のページ の絵でたしかめてこ。らんなさい。 太陽と季節のうつりかわり ちきゅうぎ みなさんは、地球儀を見たことがありますか。地球儀の まん中には、棒がささっていますね。地球儀は、この棒を ちゅうしん 中心にしてまわります。地球には、もちろん棒はささっ ていませんが、ちょうどこの棒のあるところを中心にして、 まわっています。ところで、地球儀を見ると、棒が少しな なめにかたむいています。これは、とても大切なことです。 というのは、地球に季節があるのは、地球の中心がかたむ いているおかげだからです。 地球は一年かけて、太陽のまわりをひとまわりします。 地球の中心は、いつも同じようにかたむいていますから、 きたはんきゅう 太陽の光は、ある時は北半球 ( 地球の北半分 ) に、ある おお 時は南半球 ( 地球の南半分 ) に多くあたります。わたし はんとし ふゆ うちゅう みなみはんきゅう
春 あたたかい春の日ざしに、雪がすっかりとけました。 固くこおっていた地面もとけて、ぬかるんできましオ 春の草花が、土と落ち葉のあいだから芽を出し、光に向 かってぐんぐん育っていきます。 フキタンポポは、春早くから花をひらきます。黄色い 花のまわりを、ミッパチやチョウも飛びはじめましオ そだ ・一 0 14 ず太陽のエネルギーがはいっています。 っくります。ですから、植物がつくる栄養には、かなら 土の中にある水をつかって、でんぶんや糖などの栄養を えいよう して、太陽のエネルギーと、空気の中のニ酸化炭素と、 にさんかたんそ 物は、このエネルギーを緑色の葉からとりこみます。そ エネルギーは、太陽の光と熱の中にはいっています。植 って、育ったり、花を咲かせたりするからです。太陽の ものです。というのは、植物は太陽のエネルギーをつか 太陽は、植物が生きていくために、なくてはならない の光に向かってのびていきます。 花がしほ、んだあとは、かさのような形の葉が出て、太陽 、うごう・迂い 植物が栄養をつくるいとなみのことを、光合成といい ます。この時、大きなはたらきをするのが、緑色の葉の ようりよくそ 中にある葉緑素です。緑色の葉が生えている植物は、 太陽の光かあれば、いつでもどこでも光合成をおこなっ せかい ています。世界じゅうのどこの野原でも、どこの森でも、 それは同じです。 植物は、つくった栄養を、まず自分が育っためにつか い、のこりを体のどこかにためておきます。たとえば、 フキタンポポは、あまった栄養を根にためます。そして、 その栄養をつかって、春早くから花を咲かせます。また、 あまった栄養をたねにたくわえる植物もあります。これ は、つぎの年の春、たねが芽を出す時に、ためておいた 栄養をつかうためです。
夏は、太陽の光が、空の高いところからさしこみま す。それで、地上にたくさんの熱がとどいて、暑くな ります。夏の暑い日は、だれでものどがかわいて、水 がほしくなりますね。植物も、わたしたちと同じよう に、水がほしくなります。けれども、暑い日は、土か かわいていて、水はなかなか見つかりません。すると、 植物の葉はたれて、だんだんとしおれてきます①。 植物は、自分が生えている場所で、生きていかなけ ればなりません。ですから、暑くて、かんそうしてい る時は、たったひとっぷの水でも大切です。そのため、 植物は、水をせつやくするくふうをしています。葉に しようはつ ある小さなあなをとじて、水が蒸発しないようにし あっ たり、ヨーロッパマンネングサ②のように、厚みのあ る葉に水をためておいたり。また、コンバス植物とよ ばれる植物③は、暑い時は葉を立てて、太陽の光があ まりあたらないようにしています。