40 30 20 30 30 きおん 気温と水のはなし 空がどんよりとくもっている日は、「今日は日か 照っていない」などといったりします。でも、太陽 は、本当はいつだって照っています。ただ、 くもり あっ の日は、光と熱が厚い雲にさえぎられて、地上に少 ししかとどかないのです。 こんな日には、よく雨が降りだします。やがて雨 がやむと、太陽がふたたび出てきて、海や湖や、ぬ れた地面や草を照らします。すると水は蒸発して、 小さなしすくになって、空にのほ、ります。空にのば ったしずくは、しだいにひとつに集まって、雲をつ くります。そして、雲が大きく、重たくなってくる と、それが雨になって、また地面に落ちてくるので す。このように、水は空と地面のあいだを行ったり きたりしています。そして、そこには、太陽のカか 大きくはたらいています。 太陽の光があたるかどうかによって、気温 ( 空気 の温度 ) もいろいろ変わります。日なたは日かげよ りあたたかいですし、夏と冬では、気温がぜんぜん ちがいます。ほかにも、海の近くか山の中か、強い 風が吹いているかどうかなどで、気温はすいぶん変 化します。 はんとう みすうみ しめん じようはつ おも おんど 、日庶計の細いくだの中には、水 銀がはいっています。気温が高く なると、水銀はふくらんで、くだ の上の方にのばっていきます。 の温度計は 20 度をさしています。 12
せいかく わたしたちには、気温を正確に感じることはなか なかできません。夏でも水の中にはいっていると、 さむ 寒く感じることがありますし、冬でも走りまわった あせ あとは、暑くて汗びっしよりになります。そこで、 おんどけい 気温を正しくはかる時には、温度計をつかいます。 ところで、気温が変わると、形が変わるものがあ るのを知っていますか。それは、水です。水は気温 が 0 度より低くなると、固まって氷になり、氷は気 温が 0 度より高くなると、とけて水になります。気 ゆき 温が 0 度より低い時は、雨は雪に変わり、地面に雪 がつもります。湖や池には氷がはり、窓に氷の結 晶ができます。気温が 0 度より高くなると、雪は雨 に変わって、地面にしみこみます。小川の氷もとけ だして、さらさらと流れていきます。 わたしたちはこれまでに、太陽の光と熱について 見てきました。それから、季節によって、地上にと せつめい どく光と熱が変わることも説明しました。つぎは、 動物と植物が、暑さ寒さや昼と夜にあわせて、どの れい ように生きているかをお話ししましよう。その例は とてもたくさんあるので、この本に全部は書ききれ ません。ですから、みなさんもまわりの自然を観察 して、いろいろさがしてみてください。 わたしたち人問のカレンダーは、一月一日からは じまります。けれども、この本は太陽についてお話 しする本ですから、昼が夜より長くなる日からはじ めることにしましよう。それは春のはじまりの日で しぜんかんさつ 40 つ 0 20 間 20 30 10 。 20 30 この温度計はマイナスⅡ度を さしています。寒い時には、温度 計の中の水銀がちぢまって、くだ の下の方にさがります。 13
この本にのっていること 7 8 9 0 太陽と地球 太陽と季節のうつりかわり 北半球の黄道について 太陽の光について 色が見えるのはなぜ 気温と水のはなし 春 植物の昼と夜 動物たちの昼と夜 体の中の時計 日時計のはなし 夏 たくさんの子どもが生まれる 太陽とキツネをむすぶもの なぜ月は光るのだろう 石炭ができるまで こと 太陽と月と地球についてもうひと 4 6 8 0 0 っ乙つな つ」 4 7 つな CV つな 9 0 ワ」 っこ CO 3 34 37 36
太陽は、わたしたち地球の生きものの、いのちのみなもとです。わたしたちはみな、太陽のめぐ みを受けて生きています。この本は、太陽の光と熱とエネルギーや、季節のうつりかわり、そして、 植物や動物が太陽のエネルキーを、どのように取りこみ、気温の変化や季節にあわせてどのように生 きているかをおしえてくれます。 ・既刊 地球のいとなみ 植物。動物とともに わたしたちの地球の 1 年 文と絵ウナ・ヤーコプス 訳坏原真里子 花のいとなみ 花と虫たちの一年 文と絵ウナ・ヤーコプス 訳塚原真里子 たねと果実のいとなみ 植物・動物とともに 文と絵ウナ・ヤーコプス 訳塚原真里子 I S B N 4 ー 9 0 0 6 2 1 ー 0 5 ー 6 C 8 0 9 7 \ 1 8 0 0 E あむすく / 定価 ( 本体 1800 円 + 税 )
、を、 = を年、を 0 を、を ねん たころ、地球は森におおわれ、大きなトンポが空を飛んだ 大昔、気候が今よりずっとあたたかくて、しめってい おおむかし からきたのか、これから石炭の例で見てみましよう。 がはいっています。では、そのエネルギーがいったいどこ くっています。それらの燃料にはどれも、中にエネルギー 料をつかって、部屋をあたためたり、電気やガソリンをつ でんき わたしたちは、まきや石炭や石油や天然ガスなど、燃 てんわん せきゅ の中から外に出てきて、わたしたちをあたためてくれます。 ています。まきをもやすと、その太陽エネルギーが、まき た。ですから、まきには、太陽エネルギーがたくわえられ 葉は太陽エネルギーをとりこんで、枝や幹にたくわえまし みき よう。まきが、まだまきになる前の、木だったころ、木の それでは、だんろでまきをもやす時のことを考えてみまし いま ある 物が生まれました。そして、地面の下の深いところでは、 ると、新しい森ができて、こんどは前とはちがう動物と植 上に岩や山がくずれて、つみかさなりました。 やがて、森の木はたおれて、泥の中にしずみました。その り、恐竜が沼地をばしやばしや歩いていたりしました。 きようりゅうぬまち しばらくす 33 ろ考えられています。 の光から直接、エネルギーを取りこむくふうが、いろい ちよくせつ 料はどんどんへってきています。そこで、近ごろは、太陽 わたしたち人間がエネルギーをたくさんつかうため、燃 た太陽のエネルギーが、今もとじこめられています。 たのです。ですから、石炭の中には、大昔にたくわえられ れてかさなったりしながら、長い年月をかけて石炭になっ わんげつ うもれた植物が、土の中の石や岩におしっぷされたり、ず
北半球の黄道について 春分の日 ( 3 月 21 日ごろ ) 春分の日は、太陽がのほ、ってからしずむまでに 時間かかります。一日は 24 時間ですから、 昼と夜がちょうど同じ長さですね。春分の日を すぎると、昼が夜より長くなります。というの は、この季節は太陽が毎朝少しずっ早くのばり、 少しずつおそくしずむからです。昼が長くなり、 太陽が空の高いところまでのほ、るので、地上に 太陽の光と熱がたくさんとどきます。 しゅんぶん 夕方 正午 夏至 ( 6 月 21 日ごろ ) この日は、昼が一年でいちばん長い日です。日 本では、この日、昼の長さはだいたい図時間 半くらいです。昼のに時に、太陽は一年でい ちばん高いところまでのほ、ります。けれども、 夏至をすぎると、こんどは黄道は低い方へずれ ていき、昼がだんだん短くなっていきます。 夕方 正午 しゅうぶん 秋分の日 ( 9 月 23 日ごろ ) 秋分の日には、昼と夜の長さがふたたび同じに なります。けれども、この日をすぎると、こん どは夜が昼より長くなっていきます。それは、 太陽が毎朝少しずつおそくのばり、夕方早くし すむためです。昼が短くなり、太陽が高くのば らなくなるため、気候はすすしくなります。 夕方 正午 冬至 ( 12 月 21 日ごろ ) 冬至は、昼の長さが一年でいちばん短い日です。 朝はなかなか明るくなりませんし、夕方はすぐ 暗くなってしまいます。この日、太陽の黄道は 一年でいちばん低くなります。けれども、冬至 をすぎると、少しずつ昼が長くなり、地上にと どく太陽の光と熱もふえてきます。 正午 夕方