「何だとエ」 いもむし こなた しず トいいながら徐かに此方を振り向いたお政の顔を見れば、何時しか額に芋燭ほどの青筋を張らせ、 くちびる かんしやくまなじり 肝癪の眥を釣り上げて唇をヒン曲げている 「イエサ何とお言いだ。できた事なら仕様が有りませんと : : : 誰れがでかした事たエ、誰れが 御免になるように仕向けたんだ工、皆自分の頑固から起こッた事じやアないか。それも傍で気を 附けぬ事か、さんざっぱら人に世話を焼かして置いて、今更御免になりながら面目ないとも思わ ないで、できた事なら仕様が有りませんとは何の事たエ。それはお前さんあんまりというもんだ、 あんまり人を踏み付けにすると言うもんだ。全体マア人を何だと思っておいでだ。そりやアお前 あたしどこ くそばばあ さんの事たから鬼老婆とか糞老婆とか言ッて他人にしておいでかも知れないが、私ア何処までも お前さんが御免になツたツてならなくッたツ 叔母の積りだョ。ナアニこれが他人で見るがいい て此方にやア痛くも痒くも何とも無い事たから、何で世話を焼くもんですか。けれども血は繋が らすとも縁あッて叔母となり甥となりして見れば、そうしたものじやア有りません。ましてお前 つまさき おんな さんは十四の春ポッと出の山出しの時から、長の年月この私が婦人の手一ツで頭から足の爪頭ま むすこ での事を世話アしたから、私はお前さんを御迷惑かは知らないが血を分けた子息同様に思ッてま かげしなた いさみ す。ああやッてお勢や勇という子供が有ッても、すこしも陰陽なくしている事がお前さんにやア 浮解らないか工。今までだッてもそうだ、どうそマア文さんも首尾よく立身して早く母親さんを此 地へお呼び申すようにして上げたいもんだと思わない事はただの一日も有りません。そんなに思 こころもち いい一」ころもち あたし ノてる所だものヲ、お前さんが御免におなりだと聞いちやア私は愴快はしないよ、愉快はし とこ こっ しと おにばばあ かたいじ こっ 別い おっか こっ
かんなん 視て、我が辛苦を嘗め艱難を忍びながら定めない浮世に存生らえていたる、自分一個の為のみで しか ない事を想い出し、我と我を叱りもし又励ましもする事時も何時も、今も今母親の写真を見て に′、に / 、 文三は日頃喰付けの感情をおこし覚えすも悄然と萎れ返ッたが、又悪々しい叔母の者面を憶い出 ひとりごと して又やっきとなり、拳を握り歯をくいしばり、「糞ッ止めても止まらぬそ」ト独語を言いながら まんま 再びまさに取りかたづけに懸からんとすると、二階の上がり口で「お飯でございますョ」ト下女 の呼ぶ声がする。ことさらに二、三度呼ばして返事にも勿体をつけ、しぶしぶ二階を降りて、気 おくざしき むすかしい苦り切ッた怖ろしい顔色をして奥坐舗の障子を開けると : : : お勢がいるお勢が : : : 今 いちず まで残念口惜しいとのみ一途に思い詰めていた事ゆえ、お勢の事は思い出したばかりで心にも止 めず忘れるともなく忘れていたが、今突然可愛らしい眼と眼を看合わせ、しおらしい口元でにつ むすぼれ こり笑われて見ると : : : 淡雪の日の眼に逢ッて解けるが如く、胸の鬱結も解けてムシャクシャも うれ むなそこ 消えぎえになり、今までの我を怪しむばかり、心の変動、心底に沈んでいた嬉しみありがたみが 心では笑い 、グッと飲み込んでしまい、 思い懸けなくもニッコリ顔へ浮かみ出し懸かッた : ながら顔ではフテテ膳に向かッた。さて食事も済む。二階へ立ち戻ッて文三が再び取りかたづけ ノッと小声で「大 に懸かろうとして見たが、何となく拍子抜けがして以前のような気力が出ない。、 丈夫ーと言ッて見たがどうも気が引き立たぬ。よって更に出直して「大丈夫」トやっきとした風 いったん 浮をして見て、歯をくいしばッて見て、「一旦思い定めた事を変がえるという事が有るものか : : : 知 らん、止めても止まらんぞ」 あれ と言ッて出て往けば、彼娘を捨てなければならぬかと落胆したおもむき。今更未練が出てお勢 と た・ヘっ こぶし おそ しようぜん もったい な ひとりため しゃッつら ふり
に取り入ッて卑屈を働く。固より根がお茶ッびいゆえ、その風には染まり易いか、忽ちの中に見 ようす 違えるほど容子が変わり、何時しか隣家の娘とはうとうとしくなツた。その後英学をはじめてか とうじんまげ わるあがき じゅばん らは、悪足掻もまた一段で、襦袢がシャツになれば唐人髷も東髪に化け、ハンケチで咽喉を緊め、 こら ひと うっとうしいを耐えて眼鏡を掛け、独りよがりの人笑わせ、あつばれ一個のキャッキャとなり済 ました。しかるに去年の暮れ、例の女丈夫は、教師に雇われたとかで退塾してしまい、その手に属 わがやど したお茶ッびい連も一人去り二人去りして残り少なになるにつけ、お勢も何となく我宿恋しくな ッたなれど、まさかそうとも言いかねたか、漢学はあらかたできたとこしらえて、退塾して宿所 へ帰ッたは今年の春の暮れ、桜の花の散る頃の事で。 あねさま せば しる 既に記した如く文三の出京した頃は、お勢はまだ十二の蕾、巾の狭い帯を締めて、姉様を荷厄 介にしていたなれど、こましやくれた心から、「あの人はお前の御亭主さんに貰ッたのだョ」ト坐 まことく ぎよう 興に言ッた一『ロ葉の露を実と汲んだか、初めの内ははにかんでばかり居たが、小供の馴むは早いも むつ ので間もなく菓子一ツを二ツに割ッてたべる程、睦み合ッたも今は一昔。文三が某校へ入舎して まれ からは、相逢う事すら稀なれば、まして一つに居た事は半日もなし。ただ今年の冬期休暇にお勢 が帰宅した時のみ、十日ばかりも朝夕顔を見合わしていたなれど、小供の時とは違い、年頃が年 頃だけに、文三もよろずに遠慮がちでよそよそしくもてなして、更に打ち解けて物など言ッた事 なし。その癖お勢が帰塾した当坐両三日は、百年の相識に別れた如く、何となく心さびしかッた おきふし が : : : それも日数を経るままに忘れてしまッたのに、今また思い懸けなく一ッ家に起臥して、折 げつ 節はなれなれしく物など言いかけられて見れば、うれしくもないが一月がまた来たようで、何に ひと やす たちま し
正宗白鳥我が生涯と文学 ( 昭一一一・二、新生社 ) 片山せつ在りし日の父一一葉亭四迷 ( 『明治大正文学研究 5 』昭一一六・四 ) 窪川鶴次郎近代文学と貧苦 ( 『世界』昭一一六・五 ) 清水三三恩師一一葉亭四迷の思ひ出 ( 『ソ連研究』昭二七・一一 ) 関良一一一葉亭の思想 ( 『山形大学紀要・人文科学』第一一巻三号、昭一一八・三 ) エル・カルリーナ ( 古林尚訳 ) 一一葉亭四迷論ーベリンスキーと日本文学 ( 『文学』昭二八・一〇 ) 猪野謙二日本の近代化と文学 ( 『岩波講座文学 4 』昭二九・一 ) 稲垣達郎文学革命期と一一葉亭四迷 ( 『岩波講座文学 4 』昭一一九・一 ) 柳田泉一一葉亭とその周囲 ( 『文学』昭和三〇・一一ー五 ) 木村彰一二葉亭のツルゲーネフものの翻訳について ( 『文学』昭三一・五 ) 清水茂後期の一一葉亭 ( 『日本文学』昭三三・三ー七 ) 楙原美文逍遙・二葉亭 ( 『岩波講座日本文学史Ⅱ』昭三三・ 松田道雄浮雲について ( 『文学』昭三四・一 l) 平野謙社会的適応と不適応 ( 『近代日本思想史講座 6 』昭三五・一 I) 越智治雄一一葉亭と逍遙 ( 『解釈と鑑賞』昭三五・一〇 ) 文十河信介一一葉亭四迷における正直の成立 ( 『国語国文 8 』昭三九・八 ) 考伊沢元美一一葉亭四迷と内村鱸香 ( 『島根大学論集』昭四〇・三 ) 要山本正秀明治一一十一年前後の言文一致論争 ( 『近代文体発生の史的研究』昭四〇・七 ) 北岡誠司小説総論材源考ー一一葉亭とべリンスキー ( 『国語と国文学』昭四〇・九 ) 安田保雄あひびきとめぐりあひはどちらが先に翻訳されたかー一つの仮説 ( 『鶴見女子大学紀要 3 』昭四
せきはら こわいろ 声音はおろか、咳払いの様子から嚔の仕方まで真似たものだ。ャそのまた真似の巧みな事という ものは、あたかもその人が其処に居て云為するが如くでそっくりそのまま、ただ相違と言ッては、 、とお笑い遊ばすが、昇は人に依ッてエへへ笑いをするのみ。また課 課長殿は誰の前でもア ( ハ / 長殿に物など言い懸けられた時は、ます忙わしく席を離れ、仔らしく小首を傾けて謹しんで承 うやうや り、承り終わッてさてにつこり徴笑して恭しく御返答申し上げる。要するに昇は長官を敬すると けが 言ッても遠ざけるには至らず、狎れるといっても漬すには至らず、諸事万事御意のまにまに曾て かんじんかなめ 抵抗した事なく、しかのみならす : : : 此処が肝腎要 : : : 他の課長の遺行を数えて暗に盛徳を称揚 する事も折節はあるので、課長殿は「見所のある奴じゃ」ト御意遊ばして御贔屓に遊ばすが、同 ほうかいりんき 僚の者は善く言わぬ。昇の考えでは皆法界悋気で善く言わぬのだという。 ともかくも昇は才子で、毎日怠らす出勤する。事務に懸けては頗る活発で、他人の一日分たっ べんきようぶり かおっき なんじゅう ぶりの事を半日で済ましても平気孫左衛門、難渋そうな顔色もせぬが、大方は見せかけの勉強態、 きがえ す 小使給事などを叱り散らして済まして置く。退省て下宿へ帰る、衣服を着更る、直ぐ何処へか遊 ・こきげんうかが まれ びに出懸けて、落ち着いて在宿していた事は稀だという。日曜日には、御機嫌伺いと号して課長 ー」こら・ 殿の私邸へ伺候し、囲碁のお相手をもすれば御私用をも達す。先頃もお手飼いに狆が欲しいと夫 いっぴき 人の御意、聞くよりも早飲み込み、日ならすして何処で貰ッて来た事か、狆の子一疋を携えて御 くだん 覧に供える。件の狆を御覧じて課長殿が「此奴妙な貌をしているじやアないか、ウ 1 」ト御意遊 ばすと、昇も「左様でございます、チト妙な貌をして居ります」ト中し上げ、夫人が傍から「そ おくさま れでも狆はこんなに貌のしやくんだ方が好いのだと中します」トおっしやると、昇も「成程夫人 しかち ごろう な くさめ かお どこ よ かっ
かなたこなた ならろうしようきかい 上野公園の秋景色、彼方此方にむらむらとち駢ぶ老松奇檜は、柾を交じえ葉を折り重ねて鬱 そう みどり あお おうきようとうり おいぎわか 蒼として翠も深く、観る者の心までが蒼く染まりそうなに引き替え、桜杏桃李の雑木は、老木稚 おちこちこのま 木も押しなべて一様に枯葉勝ちな立姿、見るからがますみすぼらしい。遠近の木間隠れに立っ山 ざんか ひともと もみじ 茶花の一本は、枝一杯に花を持ッてはいれど、々として友欲し気に見える。楓は既に紅葉した のも有り、まだしないものも有る。鳥の音も時節に連れて哀れに聞こえる、淋しい : : ソラ風が ひとえざくら わくらば ち しばふ 吹き通る、一重桜はみぶるいをして病葉を震い落とし、芝生の上に散り布いた落葉は魂の有る如 くに立ち上がりて、友葉を追って舞い歩き、フトまた云い合わせたように一斉にバラ。ハラと伏さ しようじよう まんぼう ッてしまう。満眸の秋色蕭条としてなかなか春のきおいに似るべくも無いが、シカシさびた眺 ひとけ 望で、また一種の趣味が有る。団子坂へ行く者かえる者が処で落ち合うので、処々に人影が見 える、若い女の笑いどよめく声も聞こえる。 お勢が散歩したいと云い出したので、三人の者は教育博物館の前で車を降りて、、フラブラ行き あたり ながら、石橋を渡りて動物園の前へ出で、車夫には「先へ往ッて観音堂の下辺に待ッていろ」 ちくりゅうせんせき 命じて其処から車に離れ、真っ直ぐに行ッて、矗立千尺、空を摩でそうな杉の樹立ちの間を通り 抜けて、東照宮の側面へ出た。 レットアスゴー 折しも其処の裏門より Let us go on ( 行こう ) ト「日本の」と冠詞の付く英語を叫びながら らしゃ きんめつきぎしよう ソコリ飛び出した者が有る。と見れば軍艦羅紗の洋服を着て、金鍍金の徽章を附けた大黒帽 子を仰向けざまに被った、年の頃十四歳ばかりの、栗虫のように肥った少年で、同遊と見える同 じ服装の少年を顧みて、 め でたち み し
抄 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 こころもちまへ 献第三、浮雲は能く運命を解釈せり。運命とは何そや、日く、都て人の意思と気質とに出づる行 さいはひ おこなひ わざはひ なひできばえ 文為の結果にして禍に罹るも福を招くも、一々其の人の行為之が因をなすもの也。著者は運命を此 ときあかし 解釈に由ッて筆を立てし故、共動力と反動力との窮所を描きて一点の非難す可きなし、彼の数多 ときあかし の著者の如く、運命を以て天の命する所人力の得て如何ともする能はざるが如くに解釈するか、 ことよおもはく 濫用して併せて其言語と所思とをも一致併行せしむる者鮮からす。人凡そ此活動せる塵界に寄生 ~ 「 1 ゅんー、さまん . 、 こころのうち する以上は、其心裡に懐ふ所は千種万類奇々怪々、劣情あり利欲ありて、一々之れをさらけ出 す時は、世間恐くは尊厳を保つの人はあらざる可し。司馬温公独り鼻を天狗にして日く、「吾は未 だ曾て人に語る可からざるのことを思はず」と。予は此手前味噌を以て容易に信する者に非ず。 4 れ・もな / 、 よしゃ之を信なりとするも即ち例外にして、千人が九百九十九人までは皆な所思は言語の如く奇 こと 麗雅純なる者にあらざる也。浮雲は此二者の相関を描く妙技を尽せり。例へば篇中昇、文三の言 たておやま よみてあく げおもはく 語所思の如きは再三披読飽を知らず、四読五読其巧妙に驚かすんばあらす。殊に篇中の達小山な ことばおもはく るお勢の言語所思の如きは最も穿ち得て妙なり。例へば三十三頁の「彼様な事を云ッて虚言です よ、慈母さんが小遣ひをやりたがるのよ。オホ : : : 」と言ふが如き、又百五十頁に「慈母さんま で共様な事を云ッて、そんなら、モウ是から本田さんが来たツて、ロもきかないから宜い、イ、 工モウロも利かないど、」とすねるが如きは其適例にして、一句千金君実さんの外は誰れでも成 ほめたて る程と称歎せざる者はあらざる可し。
234 おもちゃ 或は西班牙学者の如く、運命を一種の怪異となすが如きは、即ち人物を以て運命の一玩具と做し よむひと 木偶雛人形と一般ならしめ、読者の感情を惹起すこと能はず。是れ馬琴為永等の著作が共達筆な るにも係らす、共欠点非難多き所以なり。之を反言すれば、即ち浮雲が無類抜群近世の一大傑作 たる褒誉を専有する所以なり。 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 第四、浮雲の材料とせる人物は選定其宜しきを得たり。語を反へて言へば、至善に非らす至悪 いざなひな いやしき に非らす、外物の刺劇、耳目の誘導に就り、或は善に趨き或は悪に染、或は高尚に移り或は卑猥 に化し、自己の情慾に克っ能はざるの人物を選びしは浮雲著者が達眼なる所以なり。之を以て能 よむもの くりかへしかんがヘ く人情の真味を穿つを得たり、美術の微妙を顕すを得たり。又読者をして反復猛省膾炙の情に切 よむもの おもひやり ならしむるを得たり。若し著者が極悪非道の人物を写せしとせんか、決して読者をして同感 ( シ あやまち すぐれしうつくしき ン。ハチ 1 ) を起さしむること能はざるなり。之に反して失徳失行なき高傑優美の人物を載せしと ひやゝかにあぢなく せんか、冷淡無味、素豆腐を肴に清水を飲が如きを奈何せん。之決して小説家の取らざる所也。 じんぶつをえらぶ 予は幾重にも著者が人物選定の達眼あるに敬服せすんばあらず ( 此段第一篇の批評を参考せよ ) 。 ひとことば かみわけ かぎりなきあちはひ 之れを要するに浮雲は真小説中の真小説、一言一句と雖も是を阻嚼する時は無限の味あり。 うきぐもいちぎゃうあたひせんきんかみにらんくわうありふでにおとあり みすご 浮雲を読む者軽々に看過する勿れ。今其中に就て「浮雲一行値千金、紙有爛光筆有音」とも あなが いふことをか ぬきだし 称すべき絶妙なる句を摘挙せんに、十二頁に「強ち昇の言事が可笑しいからではなく、黙ってゐ ても自然と可笑しいから、それで笑ふのでー云々、二十九頁に「ト昇は歎息した、お勢は眼を地 ひとことば 、、、、、もくねん 上に注いで黙然として一語をも吐かなかった」云々、五十頁に「暫く黙然として何歟考へてゐた が、また思出し笑をして、ホントに失敬な人だよ」云々、百十頁に「 ( 、お勢さんが心配す イス・ ( ニア ほまれ
長塚節恩讐の彼方に菊池寛青春をいかに生きるか倉田百三 鸞全二冊吉川英治 カインの末裔有島武郎生きとし生けるもの山本有三親 生まれ出づる悩み有島武郎真実一路山本有三あるぶす大将吉川英治 小さき者へ・星座有島武郎学生時代久米正雄青空士官吉川英治 月 或る女有島武郎真知子野上彌生子忘れ残りの記吉川英治 眸一房の葡萄有島武郎迷路全三冊野上彌生子戯曲新・平家物語吉川英治 惜しみなく愛は奪う有島武郎注文の多い料理店宮沢賢治赤穂浪士全一一冊大佛次郎 鶴見祐輔 和 解志賀直哉セロ弾きのゴーシ = 宮沢賢治母 9 城の崎にて志賀直哉銀河鉄道の夜宮沢賢治暗黒星江戸川乱歩 学暗夜行路志賀直哉宮沢賢治詩集中村稔編黒蜥蜴江戸川乱歩 文羅生門・鼻・芋粥芥川龍之介若き日の悩み藤森成吉一寸法師江戸川乱歩 日杜子春・南京の基督芥川龍之介小説智恵子抄佐藤春夫陰 獣江戸川乱歩 代蜘蛛の糸・地獄変芥川龍之介性に眼覚める頃室生犀星伊豆の踊子・禽獣川端康成 国川端康成 舞踏会・蜜柑芥川龍之介愛の詩集室生犀星雪 録藪の中・将軍芥川龍之介かげろふの日記遺文室生犀星千羽鶴川端康成 少年・大導寺信輔の半生芥川龍之介出家とその弟子倉田百三山の音川端康成 対 くたび川端康成 偸盗・戯作三味芥川龍之介青春の息の痕倉田百三虹 姫川端康成 角河童・玄鶴山房芥川龍之介愛と認識との出発倉田百三舞 トロッコ・一塊の土芥川龍之介超 克倉田百三名 人川端康成 の或阿呆の一生・侏の言葉芥川龍之介絶対的生活倉田百三日も月も川端康成 端康成 父帰る・藤十郎の恋菊池寛絶対の恋愛倉田百三川のある下町の話ー
浮雲 浮雲 主人公内海文三の生活と姿態を通して , 明治 20 年代に生きるインテリゲンチア の悲哀と苦悩をリアルに描いている。 その心理分析の確かさと思想の深さは , 同時代の文学者達のなしえなかった程 近代を自覚したものであり , よい意味 の時代錯誤と評されるゆえんとなった。 近代日本文学の発程として小説史を飾 る名作。 角川文庫 ニ葉亭四迷作品集 浮 平凡・其面影 角川文庫 四 二、冫 角川書店 一一葉亭四迷 カ 角川文庫緑六 7 栃折久美子 角川書店 Y220 0193 ー 100601 ー 0946 ( 2 ) ¥ 220 カバー旭印刷