第五としては、自分自身の死の空想がある。小学校の四、五年から中学校一年くらいの間に、 誰しも一回は「もし私が死んだら」と空想することがある。これは死にたいという願望とは少し ちがっていて、「自分は生きているんだ」ということを考え始めることと関係が深い。この空想 には、自分以外の人が死ぬことを願う空想もある。親を激しく攻撃しようとする子どもは、親の 死を願う空想をするといわれている。これは、〃里子空想 ( にんじん空想 ) 〃とよばれるものであ る。思春期には、「自分の親は本当の親ではない、できたらもっと素晴らしい親であったらいい な」と空想する人がいる。この状態は、けっして病気ではない。多くの人たちが、子どもの頃に、 親の死を願ってみたり、他の親が自分の親だと空想してみたり、里子に出るとお金持ちの子ども になり、素晴らしい毎日を送れると空想する。 第六としては、罪責的な空想があげられる。自分が悪いことをしたのではないかと、自分自身 を責める空想である。とくに、神経質な性格、執着性の強い性格、完全主義の人に多くみられる。 このような人は、いつも完全なことをやりたいと願い、あることにこだわって、私が悪いからそ うなったのではないかなどと、ふつう以上に空想する。 最後に第七として、被害的な空想がある。自分だけが意地悪をされる、自分だけが劣等感を感 じているのではないか、自分だけが不幸なのではないかなど、非常に悲観的な空想である。実際 には、みんな同じように苦しんでいるのに、空想の世界では、自分だけが苦しんでいる、自分だ けが悲しい運命を背負っていると考えてしまうのである。

ヒステリーの 8 ヒステリーの (--«e は、セックスの反応が多くあらわれ、むしろ快感をともなわずに悲劇に終 わる傾向がある。 E-«<E-* の絵そのものも劇的なものが多いが、ヒステー患者のつくる物語は全体 がドラマティックである。あまりに感情的で、物語をつくっている途中で泣き出したり、わめい たり、叫んだりするヒステリー患者もある。性的な物語は、抑圧された性の願望が多く、秘密に かくし続けてきた性の内容などが、一気にあらわれることもまれではない。エデイプス願望とし ての親子物語が、ヒステリー には多くあらわれやすいが、意外に調子のよいなめらかな対人関係 を示す反応も少なくない。言葉の表現は素朴で、下品で、荒つばい。 ヒステリー性性格者の多くは、攻撃的で、虚栄心だけが強い。 e«<e でも自分を自分以上に見 せびらかしたいために、他人をだましたり、他人にだまされたり、暗示にかかったりという物語 の傾向が認められる。幼児期の自己万能感の強い性格からとも考えられるが、自己中心的で、勝 手な態度がテストでも観察される。そのため、物語の内容はお芝居じみてくる。 ヒステリー になる人の性格の中には、この型とはまた別に、非常に暗い感情を持ち、に おいて攻撃や性的反応がはっきりとした形では認められないこともしばしばある。また、ヒステ ) ーのようにあらわれてくるものに、器質性の病気をもった人のテスト結果があるが、詳しく調 べることによって、ヒステリーであるかど、つかを鑑別することができる。 200

分裂病の 分裂病の人の (---'<<(•-«には、分裂気質の性格の人もこの中に含まれてくる場合も考えられるが、 世界が滅亡する物語、意味の混乱、独特な関係づけ、奇妙な言語表現などがみい出される。拒否、 沈黙、歪曲など二十九項目の分裂病の E-«e 因子にもとづいて考えると、多少とも分裂病になり やすい病前性格の傾向がある人を診断することができる。 そこで、まとめて次のような六個の項目を取り上げて分析すると便利である。 第一は、物語をしゃべっている間に沈黙している時間が三十秒以上あるものをプロッキングと 法よんで、この数を数える方法。たとえば、全体の十枚の絵の中で、何回プロッキングの反応があ 診らわれてくるか、それによって分裂病かどうかをきめる。 の ら第二は、絵そのものに対して、みまちがえたり、省略したり、歪曲したりする反応を手がかり 者にするもの。 治第三は、 (--'<<E-* にあらわれてくる奇妙な了解できない反応である。後にケースとして実例を掲 、いげるように、妄想や幻覚がその物語の中にそのままあらわれていることもまれではない。こうい ④う場合には、意味付けや脈絡が、極めて非論理的で奇妙である。 第四は、 e < e の物語の内容が、まったく混乱していてまとまりがなく、意味がっかめない場 ß-* 合。なんとかわかり始めても、部分的に理解できないことがあったり、どうしてもわからない言 20 ー

る意味では安定した社会ということができる。 * テレビがこれからの夫婦生活を変える 日本のテレビが始まって三十年がたった。二十歳代から三十歳代の人たちは、テレビとともに 育ち、テレビ文化の影響をまともにうけてきた。四十歳代・五十歳代の人たちとは本質的にちが って、コマ切れの十五秒のコマーシャルのパターン、あるいは〇 x 式・一つ選べばいいといった、 視覚的・無思考的・感覚的な反応を身につけている。その反面、体系的にものごとを構成してい くことが苦手なのである。こういった人たちがオビニオンリーダーとなる未来の日本社会では、 いままでもあまり深くものごとを考えてこなかった日本人が、ますます考えなくなっていくよう に思われる。対人関係においても、心が通いあうということが少なくなってくるだろう。夫婦の 間ということを考えてみても、一人子どもが生まれて、表面は幸せそうにみえながら、ただ一緒 に一つの屋根の下にいるだけで、夫婦の共同作業はどんどん少なくなってしまい、社会的にいっ ても夫婦の役割が何だかわからなくなってくる。まさに、夫婦の間というものは絶望的な危機状 態である。これは、自由主義世界に共通の一つの象徴的な現象で、テレビ時代に育ってきた男性 と女性が、これから先家庭の中で、人間的に結びつき信頼しあった夫婦生活が可能かどうかとい うことは、おもしろい研究テーマではないかと思う。

《度診断》 ト ス①Ⅱ一点、②二点、③日三点、④四点として合計を出してください。合計点が二十八 理 ~ 二十四点の人は < タイプ、二十三 ~ 十八点の人はタイプ、十七 ~ 十二点の人は 0 タイプ、 十一点以下の人はタイプです。 いつもみんなの注目の的になっていたいタイプ。事実、不思議 ④非常にサド的てす に異性をひきつける魅力があります。強烈な独占欲から、相手を自分のとりこにするこ とに喜びを感じ、相手がおばれていくのを冷静に見下ろし、満足の笑みを浮かべる人です。 ⑧ややサド的てすー・・、ー積極的に自分がー 丿ードしてゆくタイプ。ときには数人を相手にし て快感にのたうちまわる姿を想像したりもしますが、ふつうは一人の相手にのめりこむ ことによって満足しています。相手の浮気に対して、みせつけるような行動をとります。 ◎ややマゾ的てすーーー男性の場合は、母親に甘えるように彼女に依存していくタイプで す。年上の女性に憧れます。女性の場合は、男性の欲求を母親のようにやさしく受けいれ るタイプです。彼の求めには必ず応じ、年下や童貞の男性にはいたわりをもって接します。 ⑩非常にマゾ的てす リードされて相手につくすタイプです。しかしいったん関係が まずくなると、女性の場合は他の男性に金で買われるような自虐的な欲望が頭をもちあ げたり、多くの男性との交渉に憧れたりします。男性は、酒におばれたりします。

万能感が強いため、少しでも失敗するとノイローゼのような状態におちいって、うつの状態で ノイローゼが発生してくる。この柔軟性に欠けるという点がいちばん問題であって、係長が課 長になってうつになる場合の大部分がこれにあてはまる。昇進して新しい部署に配属されて責 任が重くなり、完全にこれを実施しようとすると、柔軟性に欠けるために、きわめて細かいこ とでおちこんでいくことがしばしばある。トイレに行くと何度でも手を洗う、ドアに鍵がかカ っているかどうか必ず見直さなければ気がすまない、ポストに手紙を入れたかどうか心配で、 その周りをぐるぐる回ってみるといったことがおこってくると、この執着傾向は、かなり治り にくいノイローゼになっていくこともあり、つる。しかも、この型のノイローゼになる人は思い の外多いと考えられる。 理⑤情緒不安定型の性格ーー他のタイプと似た点もあるが、とくに感情的になりやすく、自分を自 分で抑えきれないタイプである。いつも気が変わりやすいために、周りの人からの信頼を失い、 の 信用を回復することができない。そのために、対人関係上のノイローゼがおきやすい。イライ 性ラが高まって泣いてしまったり、泣 いたかと思うとまた気分をとり戻して笑い始めたり、周り ②の人からみると実に不安定な状態を示す。 oæなどの場合にみられるが、好きな人とうまくい っていないというような理由から、情緒が不安定になって周囲にあたり散らしたり、仕事の量 p-•が減ったり雑になったり、さまざまなマイナス面があらわれてくることがある。こういう性格 ー 0 ス

なくしてほしいと両親にいいだした。すべての時計を一部屋に集めたり、テープルの上の花びん をすべて部屋に運ぶように両親に頼んで、毎晩親を困らせるようになってしまった。花びんは、 真夜中に落ちてきたら困るという理由からであった。 << 子にはこうした睡眠儀式が次々とあらわ れ、親は異常に神経を使うような状態においこまれた。 さらに子の寝室と両親の部屋との間のドアーを半開きにするように、しつこく要求するよう になった。そのためにドアーの下にいろいろな道具をおくようになった。また子は、枕が壁に 絶対に触れてはならないと要求したり、枕のおき方や形をうるさくいうようになり、ついに、ひ し形にしないと眠れない、どうしても気がすまないといい出した。睡眠儀式はさらに拡大し、眠 る前にふとんを足でべッドのすみに集め、ふとんのふくらみを一回っくり、それをもとにもどし 旅て平らにしないと眠れなくなってしまった。子は、このような儀式めいたことが、キチンと行 の へわれたかどうかを確認できるまでに二時間もかかるようになり、両親がっき合わないといけない 世ために、今度は、親二人までが眠れなくなってしまった。この異常といえる子の強迫行為や確 深認強迫には、はたしてどんな無意識の世界がひそんでいるのだろうか。 の 子は、精神分析を受けながら過去の思い出を追想し始めた頃から、自分で深層の世界の意味 ③に気づくようになった。子が気になって眠れなくなった時計の音は、彼女の生理に関係がある かも知れないと思うようになった。時計が規則正しく時をきざむように生理があるかどうか不安 であると思い、できるだけ時計をさけたいという深層心理が無意識にあることを認め始めた。花

死、不幸、欠乏、災害、運命、疾患、挫折、罪、心的不全、身体不全、拒否、親和、攻撃、性な明 どである。例えば、「母親にしかられ、父親に攻撃される」という反応では、圧力の源泉となる のは両親である。この場合は、どんな人から圧力を受けているかを記載する。自分が病気にかか るかもしれない、あるいは、大変な災害に遭うかもしれないというふうに田 5 っているとすれば、 それは、漠然と自然環境からの圧力となる。また、具体的にある人物から圧力を加えられている、 友達と競争して圧力が加わっているという場合は、その友達が圧力の源泉になる。 第四の環境から生ずる圧力を、その個人がいかに解決するかということが、第五番目の分析の とよんでいる。積極的に行動するか、非常に反社 基準である。これを〃アクションカテゴリ 会的な犯罪行動を通して否定的に行動するか、あるいは、現実から離れて、回避行動として空想 に逃げたり、希望だけで終わってしまうか。どのような問題解決の行動様式をとるのかという分 析が行われる。 第六の分析は、感情の言葉すべての表現を選び出すことである。恐ろしい、悲しい、怖い、不 安、泣くという言葉は、マイナスの感情としてチェッグする。うれしい、楽しい、すばらし、 愉快だ、快感、頼もしい、これらの感情の言葉は、すべてプラスの感情としてチ = ックする。こ の感情値は、十 2 、十 1 、 0 、一 1 、一 2 の五段階のレーティング・スケールにあてはめて分析 すると便利である。 + 2 には、完全な性交、満足、幸福、大きな野心、再会の喜びに類したもの が含まれる。 + 1 は、野心、対人関係上の満足、安定した感情である。 0 は、偏りのない日常行

必ず時間通りにくる ト ス o 平気であなたを待たせる ( ( ) 必ず時間前に来ていて、あなたが少しでも遅れるとイライラしている 層 深《嫉妬度診断》 ◎を二点、〇を一点として計算します。そして、、、 o 、それぞれの符号ごとに合 計点を出してください。合計点のもっとも多い符号が相手のタイプになります。 の合計点が最高なら無関心型、なら寛容型、なら横暴型、なら嫉妬型です。 " 無関心型ーーーすべてマイベースで、あなたが何をしようと他人のことにはまったく無関心 なタイプです。恋人が少しいつもとちがったところがあっても気がっかず、それどころか 浮気をしていてもぜんぜん気がっかないほう。そのため、浮気が・ハレないということで、 しい気になっていると、あなた自身がのつびきならない状態におちいってしまう危険があ ります。また、相手が疑わないということで、逆にあなた自身、罪の意識にかられること にもなるでしよ、つ。 -0 寛容型 , ーーお互い相手を束縛しないという考え方をもっていて、自分も自由に振る舞うか わりに、相手に対しても行動を拘束しないタイプです。したがって、もし浮気をしている

トテスト⑦ーー嫉妬深いか寛容か。それとも横暴か無関心か ス 《テストのやり方》 嫉妬とは、ほんとうに恐ろしいものです。女性の嫉妬・男性の嫉妬について述べたいまま 深での説明で、よくわかってもらえたことと思います。それでは、嫉妬についてのテストをし てみ工しよ、つ。 このテストは、相手 ( 恋人や夫・妻 ) の嫉妬度を調べるためにつくったものです。自分の 立場で答えれば、嫉妬度自己診断もできます。次のような ~ の五つの場合に、あなたの 相手はどんな反応を示しますか。もっともビッタリするものに◎をつけてください。次に、 ほばあてはまると思える符号に〇をつけてください 《テスト》 あなたの服装や持ち物が変わったとき、 まったく関心を示さない すぐ気がっきほめる (-) いわれるまで気がっかない 何かと詮索する 9