鬪ロ圄 0 ロ メ、 9 新ロ ロ圄ロ 順序で行ったり、ランダムに行ったりして、その 際のポリグラムを比較分析する。このようにして、 どのポリグラムにおいても、質問 3 に何らかの特 異反応が認められた場合に、被検査者が抜きとっ つまりうそをついたカードは 3 である とわかるのである。 * 犯罪容疑者のうそ発見の実際 実際の犯罪の容疑者については、次のような手 続きで検査が行われる。 ある宝石商で貴金属盜難事件があって、その容 疑者が犯行を全面否認している場合を想定しよう。 この場合のポリグラフ検査では、犯罪搜査機関と 被害者以外には犯人だけしか知らないような犯罪 事実を検討して、検査のための質問が準備される。 たとえば、侵入口が風呂場の窓からであり、盗難 にあった宝石が二点であったとすると、

こされる。家庭内では困り者でも、しばしば外ではおとなしい人もいる。 ⑨情性欠如型の性格異常 人間的な感情である、同情心、共感性、良心、あわれみにまったく欠けた人のことである。残 忍で残酷な殺人犯は、ほばこの型に属するといわれ、重い犯罪者や累犯者の約半数近くが、この 型の性格異常だとシトンプルが述べている。精神分裂病や知能の低い場合と合併していることも しばしばで、冷たい感情や共感性のとばしさは、まさに精神分裂病の世界によく似ている。しか し、分裂病ではない。 理 異⑩衝動型の性格異常 そ気分が変わりやすく、女性の衝動買いはここから説明される。生理前後の万引を悪いと思わな ひ もいのは、おそらく軽い気分易変型の異常によるものであろう。衝動暴行、衝動性殺人、衝動性放 火、衝動性盗は、この型の代表的な行為である。 の 誰 ①性格異常者について説明してきたが、これらは病気ではない。社会生活をしている人のなかに、 この性格異常者が潜在しているのである。アメリカにおいては、この性格異常はカ動的につくら れてくると考えられている。育てられ方や環境によって、無意識的に異常人格がつくられる側面

また、この時期に、女の子は男性の性器を見て私とちがうと感じ、無意識のうちに男性に対して 非常に羨しいという感情を抱く。そこで、男根を切りとってしまいたいという男根切除願望が生 しる。いつばう男性は、強い女性に会うと性器をとられてしまうのではないかという恐怖感をも っといわれている。これが男性の男根切除恐怖といわれているものである。最近ヨーロツ・ハでは、 女性の男性化、男性の女性化といった現象をこのことと関係させて考えることが行われている。 このように、男根期の無意識の世界は、広く社会や文化にまでも影響を及ばしている。 * ロ唇性格者と肛門性格者 無意識の欲求は、個人の人格の構造に深い関係をもっている。この欲求の充足がロ唇期に固定 旅してしまった人は、ロ唇期の精神の構造や行動の様式を多分に維持しており、ロ唇性格者といわ の へれる。肛門期についても同じことがいえて、肛門性格者というものが考えられる。 界 世ロ唇性格者の第一の特徴は依存心が強いということである。自分で努力しないで、他人をあて 深にしようとする。母親に全面的に依存して、無力な存在であったときの精神構造が維持されてい の 心るのである。また、お人好しで他人をすぐ信用してしまう。そのいつばうで、他人は自分のこと ③を考えてくれていると思っているから、他人の領域にずかずかと入りこんでしまったりする。自 8 他の区別が確立していないのである。さらに、自分を無力だと思っている反面、妙に自惚れが強 く、自分にはかくれた才能や魅力があるなどと考えている。これは、幼児期の無力感と万能感の よ 2 タ

ても同じように考えられるものである。私たちはしばしば犯罪者を、越えることのできない壁の 向こう側にいる、私たちとは無関係な無気味な存在と考えがちである。しかし、誰の心の中にも 犯罪性はひそんでいる。私たちと犯罪者との差は、この犯罪性がたまたま犯罪としてあらわれる か、あるいは、単に頭の中での空想やテレビドラマによる代償的な経験という形であらわれるか の、その差だけであるということができる。 ロンプローゾというイタリアの学者は、犯罪者は先天的な犯罪素質をもっているという考え方 をしていた。しかし、すでにみたように今日では、欲求不満の解消や自我の防衛機制などといっ た心のゆがみや人間と環境との軋れきなどの面から、犯罪者とその犯罪性について分析しなけれ ばならないと考えられている。 * 何を″犯罪行為〃というのか 犯罪を考えるうえでもう一つ大切なことがある。それは、犯罪と社会規範との関係に関するこ とである。犯罪とは、法理論的に決められたものである。すなわち、社会的な逸脱行為のうち、 反社会的であって禁止・阻止をしなければならないものについて、それを法律によって犯罪と規 定したのである。もっとわかりやすくいえば、刑法に示されているものが犯罪なのである。した がって、法律に該当していなければ、社会的な逸脱行為をしたとしても、直ちに犯罪にはならな いということもできる。社会的な逸脱行為は無数といってよいほどある。それを実行するか否か、

欠点といわれている。の場合には、精神病質尺度と精神分裂病尺度が加算されてしまう 傾向があることも、性格診断を行う上で問題となる。 作業検査法 作業検査法の代表は、内田・グレベリン精神作業検査である。ドイツの精神病理学者クレベリ ンは、単純な一桁の加算作業を行わせ、その過程を観察することによって、健常者や異常者のさ まざまな精神活動の特徴がみてとれることを指摘した。この方法はわが国にもいち早く導入され、 内田勇三郎を中心として、加算作業の時間の長短、全体の作業量など、いろいろな角度から検討 がなされた。今日では、一桁の加算作業を一分ずつ連続に十五分間行い、その後五分間の休憩を はさんで、再び十五分間行うという方法ができあがっている。 この検査の結果の加算作業の量の変化を曲線で示したものが、作業曲線といわれるものである。 十数万といったたくさんの人々について調べて、健常者の平均的な曲線の形を求めたものが、健 常者定型曲線である ( いつばんには定型曲線とよばれている ) 。そして、その定型曲線からの偏 りの度合いによって、異常曲線の分析が試みられる。 2 ーイ

ある。すべての人間は正常人であるという考え方もあるし、すべての人間は異常な部分をもって いるという考え方もある。今日、正常・異常の世界は一義的にはきめられないのである。しかし、 平均人・平凡人という考え方もあって、人間社会の平均層に属する、ごくありふれた、平均的な 条件をそなえた大多数の人間を″平均人 , とよぶこともある。この大多数の平均人からずれてい る人たちが、わずかに存在し、その人間を異常人格者とか、性格異常者とよんでいる。それをき めるには、周囲の人に迷惑をかけ、周りの人たちがそのために困ったり苦しんだりすることと、 本人自らがそのために悩むその度合いをもって行われる。たとえば、すぐ怒ったり、興奮したり して、職場や家庭の人びとが困ってしまったり、犠牲になったりすると、その人を異常性格者と 理 心よんでいる。 常 異それでは、いろいろな型の性格異常をわかりやすく説明してみよう。ただし、この性格異常者 そが、どのように形成されてくるか、ということについては、多少無意識の世界が影響をあたえる もが、大部分は、素質や素因、体質や資質のほうが優位であると考えられている。 の 誰①性的性格異常 ①あまりに強い性欲の異常亢進は、強姦的に女性にせまりがちで、多くの犯罪・非行と深い関係 がある。時代の変化とともに、変態や異常な性行為はないと考えられるようになったが、動物を 性愛の対象とする異常が程度をこえたり、異性の下着を集める行動が非行や犯罪をともなうと、

感をたえずもっている。まさにおちこみ型のひどい人をいう。疑い深く、不平不満が絶えなくて 反抗的でいつも不機嫌である。校内暴力や家庭内暴力にもこの型の性格異常者が多い。とりわけ 現代の社会変化は、この抑うつ者を多発させるメカニズムをもっているといえる。無力となるよ うなうつよりも、攻撃や暴力をともなう抑うつ者の激増が特徴的である。 ⑦発揚情性型の性格異常 平均をこえて活発すぎ、楽天家で深刻さがない。軽率で興奮しやすく、けんかずきですぐ怨み をもつ。暴走族の少年には、この型にヒステリー性性格が加わったものがもっとも多いと考えら れる。恐喝、窃盗、暴力犯、傷害などの犯罪をみると、この型の性格異常に他の型が合併した場 合がもっとも多いようである。ほがらかすぎて無分別となると、意外な異常心理〈とかんたんに 発展する。 ⑧爆発型の性格異常 この型は、興奮人とクレベリンによって記載された。まさに爆発的に興奮し、暴力をふるう、 アルコール酩酊と合併するといっそうはげしくなり、そのために刑法犯を犯すことはよく知られ ている。程度がさらにはげしくなるような場合には、責任能力さえもおかされていることもまれ ではない。暴力、傷害、殺人、反抗、破壊は、この型の性格異常者によってもっとも多くひきお

P A R T ①誰の心にもひそむ異常心理 ル I.MJIM. 民・れ NW ャレれ / 1 呼吸運動 である。呼吸運動、皮膚電気反応、血圧脈搏波は、いずれも人体の自律神経系の交感神経や副交 感神経の活動と深いかかわりをもった生理現象であって、感情・情緒の複雑な変化を反映してい る。うそをついたときの心理的な変化を、これらの生理現象の変化で観察・判定できるのである。 うそ発見法としてのポリグラフ検査は、ふつう次のようにして行われる。 たとえば、一 ~ 五までの数字を書いたカードを用意して、被検査者にそのうちの一枚を抜きと らせ、そのカードの数字を記銘させる。その後に、被検査者がどの数字のカードを抜きとったか を、「あなたがとったカードは一ですか」「二ですか」というふうに質問する。そのとき、被検査 波者には、あらかじめ、このような質問に対しては、すべて「いい 搏え」と否定の返答をするように教示しておく。そうすれば、被検査 圧者は、自分が抜きとり記銘したカードの数を質問されたときにうそ 血をつくことになるわけである。こうして検査をしたポリグラムが上 図のようになったとする。質問 3 についてのポリグラムを注目して 1 ー . し 。呼吸運動曲線に抑制が認められ、皮膚電気反応はもっとも 大きくあらわれ、血圧脈搏波には一時的な上昇が認められる。他の 質問時のポリグラムと比較した場合に、質問 3 のポリグラムは特異 であることがわかる。そこでさらに、 この特異現象が何らかの偶然 によってひきおこされたものか否かを確かめるために、質間を逆の 皮膚電気反応 1 2 3 4 5

グラムに、特異反応が検出されたか否かによって行われる。もちろん、この検査は、専門の検査 官が、被検査者の同意をえて行っている。 このポリグラフ検査は、犯罪関係以外にも当然利用が可能である。アメリカでは、機密保持と か適格審査、忠誠心の確認、親子鑑別事件での私生児認知など、広範囲に利用されている。実施 機関も公的機関にとどまらず、民間のコマーシャルべースにおいても行われている。しかし、こ のような検査では、人間の言動の真偽が、ひとつの科学技術によって判断されてしまうため、人 間関係ほんらいの信頼を脅かしたり阻害したりするおそれがないとはいえない。ポリグラフ検査 は、人間性の根本にかかわる以上、犯罪捜査上の必要範囲に限定されていることが妥当であると 田 5 、フ 0 3 性格異常者の世界 性格異常は、異常人格ともいわれ、犯罪者の性格の型とも深いかかわりがある。 し 人間の精神が、正常か異常かということは、そんなにはっきりと区別できるものではない。 かも、正常の範囲から一時的に異常心理の範囲になることもあるし、その境界はきわめて微妙で

性的性格異常としてとりあっかわれやすい。サド・マゾや露出は、夫婦の性生活や性のよろこび を味わう方法である限りは異常ではないが、のそきや露出をヒキガネにして、さまざまな異常行 動が犯罪につながるとすれば、異常人格者の性の異常ときめつけられるかもしれなしメ 、。殺人を犯 したサディストが、死体を切り刻み、快感をおばえるような場合には、その残忍さの背後に性の 異常さがあると考えられる。 ②自己顕示型の性格異常 この性格は、自分を自分以上にみせびらかしたい傾向が普通以上に強く、虚栄的で見栄坊で、 暗示にかかりやすくだまされやすい。派手でわがままで自分勝手なところがつねに平均以上で、 ヒステリー性性格ともよばれている。うそっきでホラ吹きで欺瞞者であるところから、軽犯罪と 結びつきやすく、万引を続ける少女や暴走族少年のなかにもっとも多いといわれている。家出、 アルコール依存などがキッカケで不良仲間に誘われてしまうひとたちにも、この性格異常者が多 いと考えられる。 ③狂信型の性格異常 日本の政治家の中にみられるタイプで、信念や思想に狂信的にとりつかれ、誇大に言いふらし たり、好訴的によく訴えたりする。客観的に正しくないことでも自己主張がはげしく、意見が合