ンプレッグスや不安の防衛があるとみて特別に取り扱う。 * 反応領域の分析ーーーカードのどの部分に反応したか この三つの分析の方法について、第一の反応領域から少し詳しく説明することにしよう。 図版のどの領域に反応したかを次のような記号に分ける。全体反応は w 、部分反応は D 。正常 な小部分反応は d 、異常部分反応は Dd0 そして、この異常部分反応は dr ・ de ・ di の三つに分 けられる。さらに間隙反応 S という領域がもうけられている。 正常反応としての全体反応が多い場合は、知的水準が高く全体を見渡す力があることを示して 法いる。 診部分反応 D は、常識性が高く平均的で、平凡な現実に対してうまくふれ合う傾向を一小す。また、 ら異常部分反応 Dd が一ないし二あたりにとどまっている場合には、常識にとらわれない自由さを 者示し、いい性格や行動がとれることが読み取れる。しかし、多くなり過ぎると独断的・個性的過 治ぎる異常な性格の偏りをもっているとも考えられる。 dr ・ de ・ di という三つの異常な微少部分 の 反応は、極めて細かい性格の側面をあらわす。とりわけ、 dr 希有反応が三個以上出ると、それ ④は余りにもまれな反応であって、その人の深層心理の中に深く病理がひそんでいると解釈する。 また、 W 対 D の比をみて、一方の極端な出現は、異常な性格偏倚と考えたり、知能の異常を予想 したりする。

* 夢の自己分析 夢は、無意識の心理的な現象として、重要な意義をもっと考えられている。空想では、空想し つつあることを自覚している。しかし夢は睡眠中にあらわれるために、どこまでが本当でどこか らがそうではないか、はっきりしない部分を残している。そこで、ほんとうは、覚えていない夢、 忘れてしまった夢の内容も問題になってくるのである。 夢の分析においては、夢の内容をできるだけ詳しく書かせるか、しゃべらせるかする。そして まず、その夢から四十八時間ほど前におこったこと、いわゆる〃昼の残物〃とよばれているもの を明らかにする。それから、それ以外の夢の部分を問題にすると、今まで述べてきたような象徴 的な意味をもっ夢の内容を、興味深く判断することができる。夢の内容とその人の心理的な状態 との関係を明らかにするためには、その人の願望、期待、コンプレッグスなどをさぐり出して、 順次夢と関連づけて解釈しなければならない。 自分のみた夢を分析した経験があると、比較的かんたんに相手の人の夢を分析することができ る。その際に注意すべきことは、その人のみた夢の中のあい昧な部分を言い忘れたり、矛盾した 部分をうまく合理化しすぎたり、ちがう意味に変えたりすることがままあることである。これを 〃二次工作〃という。夢の内容は、できるだけ早い時間に、書きとめておくか他の人に伝えてお くことがよセ ー 68

・人間完成度総合診断ーーーあなたはどんな人間か・ 〈大きな五角形の場合〉どのテストの結果もか CQ という場合、大きな正五角形 かそれに近い形ができます。このパターンになった人は、さまざまな能力を ハランスよくもち合わせていて、どんな職業、環境の中でも、十分に自分の 才能を生かすことのできるハイプリッドな高知能の持ち主です。 〈どこか一か所が小さい〉どこか一か所のテストの結果が極端に悪く、良いテス トの結果と二ランク以上の差がある場合 (< と 0 、とのように ) 。全体 の能力が高いので、表面だった問題点は出にくいが、得点の低い部分につい てのコンプレックスがあります。 〈どこか一か所だけ大きい〉どこか一か所だけがあるいはで、他の部門の結 果が O 以下の場合のパターンです。きわだって良い能力が一つしかないのは、 他の人よりも効果的に一つのことに打ちこめる長所があることです。適性を つかめば、能力以上の才能を発揮することもできます。 〈小さな五角形の場合〉すべてのテストの結果が O あるいはというパターン。 ハランスはとれていますが、人間的な魅力の幅にとばしく、人をひきつける 輝きがありません。仕事や恋愛など、あらゆることに対して、積極的に行動 して、能力の開発につとめてください。 236

して、もっと詳しく説明していこ、フ。 クレッチメルは、長い間の病院における臨床的観察によって、次に述べるようないくつかの体 格の類型を、精神病の患者において見い出した。そしてさらに、興味深いことであるが、やせ型 の体格の患者は分裂病に多く、肥満型の患者には躁うつ病が多くみられるという事実を発見した のである。 彼は、体格型を考えるにあたって、細長型・闘士型・肥満型、そして、これらに類型されない 少数の発育不全型、以上の四つの体格型をあげている。これらの体格型の特徴をあげてみよう。 ①細長型ーーやせ型である。全体的な印象として、全身が細長く、厚みがなく、やさな感じが して、細面といった印象をうける特徴がある。部分的な特徴としては、皮下脂肪が少なく手足 が細い、青白い顔をしている、胸部もやせていて肋骨が浮きばりになっているといったような 体格をしている。 ②闘士型ーーこれは筋骨隆々とした体格である。全体的な印象としては、骨格、筋肉、皮膚が 発達して、非常にたくましい筋骨質という感じである。部分的な特徴としては、肩幅はがっし りとして筋肉が盛り上がり、手足の関節などはしつかりとしている。 ③肥満型ーーーこれは太ったタイプである。全体的な印象としては、頭、胸、腹、こうしたもの がすべて大きく、ずんぐりと太ったタイプで、脂肪によった肥満がみられる。部分的な特徴と しては、手足が柔らかくて丸味をもっている、首が短く太いといったことがみうけられる。

ロは、当然にロ唇期の固執の強さをあらわし、極端なものは、甘えや依存や性の快感と結びつ けて、未成熟な性格、退行状態だと診断する。 テスト ・ハックによって考案され、家・木・人テストともいわれる 。・ハッグは分析の形 式上の基準として、描線、背景、それぞれの部分の比率、大きさ、時間、省略部分、追加部分 をとりあげている。また、内容面の分析では、家の屋根だけが大きく描かれたときは内向的・ 空想的な傾向が強いと診断する。窓、壁、煙突もそれぞれ性格と結びつけて解釈する。木は、 次の・ハウムテストと同じように、人は人物描画法の分析の基準にしたがって診断する。 ・ハウムテスト 心の中の世界を、木に託して表現する人間の性質から生まれたテストである。 幹は、線の表現によって、その人の自我の状態や感情の世界をあらわす。地面は環境を意味し、 根は抑制や無意識を示す。描かれた木は、左右の位置を基本に分析する。絵の展開が上下左右 どのように描かれているかによって、現実の行動に意味づけて解釈する。幹のかき方が左側に ふくらんでいるときは、過去への固着を示し、右側にふくらんでいるときには、恐怖や抵抗を 考える。幹の元が広くかかれてあれば、抑制が強いことや感情があまり動かないことをあらわ している。幹が不規則な線で示されているときには、落ち着きがなくイライラして葛藤をおこ ーソナリテ しやすい状態と診断する。幹の左右に影をつけた場合、左側なら内向的で敏感なパ イとみるが、右側の影は逆に適応への意欲をあらわしている。もし幹がまっすぐに平行した線 で書かれていれば、頑固で強情で堅い性格とみることができる。 2 ー 0

ある。すべての人間は正常人であるという考え方もあるし、すべての人間は異常な部分をもって いるという考え方もある。今日、正常・異常の世界は一義的にはきめられないのである。しかし、 平均人・平凡人という考え方もあって、人間社会の平均層に属する、ごくありふれた、平均的な 条件をそなえた大多数の人間を″平均人 , とよぶこともある。この大多数の平均人からずれてい る人たちが、わずかに存在し、その人間を異常人格者とか、性格異常者とよんでいる。それをき めるには、周囲の人に迷惑をかけ、周りの人たちがそのために困ったり苦しんだりすることと、 本人自らがそのために悩むその度合いをもって行われる。たとえば、すぐ怒ったり、興奮したり して、職場や家庭の人びとが困ってしまったり、犠牲になったりすると、その人を異常性格者と 理 心よんでいる。 常 異それでは、いろいろな型の性格異常をわかりやすく説明してみよう。ただし、この性格異常者 そが、どのように形成されてくるか、ということについては、多少無意識の世界が影響をあたえる もが、大部分は、素質や素因、体質や資質のほうが優位であると考えられている。 の 誰①性的性格異常 ①あまりに強い性欲の異常亢進は、強姦的に女性にせまりがちで、多くの犯罪・非行と深い関係 がある。時代の変化とともに、変態や異常な性行為はないと考えられるようになったが、動物を 性愛の対象とする異常が程度をこえたり、異性の下着を集める行動が非行や犯罪をともなうと、

間隙反応 s が三以上の多発は、執着化傾向の強いことを示し、柔軟性のない堅い性格といえる。 これは、このごろ問題になるうつ状態やうつ病などの傾向を示すサインとされている。また別こ s が、年寄りにあらわれてくると、老化現象の激しい結果とみて取り扱う。もちろん、全体の間 隙反応 WS 、部分間隙反応 DS の場合も S のトータルとして総計を出し、詳しく分析して診断が 行われる。 * 反応決定因の分析ーー、なぜそのように反応したのか 二番目に、反応決定因を説明しよう。 どんな理由でそうみえて、反応が決定されたかを言葉にあらわしたものは、形態、色彩、運動、 陰影に分けられ記号化される。 色彩の異常な指標としての色彩命名 Cn 、色彩象徴反応 Csym 、色彩記述反応 Cdes は、三以 上出現すると病的な性格であるとみなす。一ないし二あらわれる場合には、その人の深層世界の 構造の中に、少し異常な部分があることを示している。色彩反応は外界や他者への感情的な状態 をあらわし、あまりに自己中心的に他人にかかわると、感情的に不安定になりやすいという点も 診断することもできる。抑うつ気分があるかないかをみることも可能である。 形を強く認知すること、それ自体は客観的にしかも知的に観察する態度といえる。しかし、全 体として頻度が高く、不良の形態の反応が多発した時には、感受性の乏しい敏感さの欠けた性格

こともあり、全力ードの拒否もまれではない。 強迫性性格の 強迫観念をもった人は、予想以上に多いといわれる。強迫性性格の人は空想が豊かで、 (-•«e の物語が比較的長い。しかし、 e e< e 全体はあいまいで、アンビ・ハレントな反応が多い。そのた : かもしれない。おそらくそうかもしれない。そうではないかもし め、言語の特徴として、「 : れない」といった表現が目立つ。 e e< e では、細かい部分が何枚かの絵にしかけられているが、 ・テストのインデックス記号の それが気になった形で物語が発展する。これは、ロールシャッハ 法 K 、 k 反応に準ずるもので、絵の部分にとらわれやすい傾向は、不安の防衛や不安のあらわれで 診あると考えられる。不安の背後には、攻撃と葛藤がうごめいており、しばしば物語の中にそれが の らあらわれてくる。 者空想しているものを合理化するために、防衛機制が作用している時には、非常に細かい念入り 治な物語があらわれてくる。しかも全体は。へダンティックで、内容に反比例してきざな言葉がしば 心しば用いられたりする。まわりくどい長い物語の割には内容に意味がない。強迫性格者のある者 ④は、一枚の絵に幾つもの物語をつくる。アメリカでは、絵そのものを批判し、批評する強迫神経 症の症例が報告されている。また、絵をみないで絵の後ろ側をすぐ最初にみてしまう人もおり、 これも強迫傾向のあらわれだと説明されている。

あとがき 夢や白昼夢や無意識が心のなかでどんな意味をもち、どうして心理的に体験されるのかという ことは、若い女性がおどろくほど興味をもっています。誰の心の奥底にも自分では知ることがで きない深層心理が絶え間なくうごめいています。現代人は目にみえる部分としては秩序だてられ て整然と行動しているかのようにみえますが、実は一人一人の心のなかは、目にみえない深層世 界によって動かされているのです。目にみえない心のなかにメスをいれようとしたのが、この深 層心理テストです。 しくつかの実 マンや 0 »--Äの方にもわかっていただきたいために、、 年代を問わずに広くサラリー 際例もとりあげておきました。そこでまず、現代社会の複雑な状況と、現代人がいかに苦悩して いるかということをプロローグで解説し、精神の健康がいかに重要であるかということを各所で のべてみました。眠られない夜がつづき、イライラして不安がおさまらないようなときには、ど うしたらいいのか、自分で自己分析をしたりする方法も説明してあります。そのとき深層心理テ ストの結果から得られた自分についての情報が重要な役割をはたすのです。 本書では、章の終りの部分や途中で、それぞれあなたがすぐできるテストを用意しておきまし た。自分を知りしかも相手との相性を是非知りたいようなときには相性テストを、嫉妬の度合い を知りたい場合には嫉妬度診断テストを積極的にしてみて下さい、さらにより詳しく精査してみち

とができる。 ロールシャッハとちがう点は、このは、、い理療法として用いることも少なくないという ことである。検査の次の週に、一緒に先週の物語をテープで聴いて、そのうちの重要な部分を中 、いにもう一度お互いに解釈し合う。 わが国では、まったく黙ってしまって心理療法がすすまない場合に、絵をみせたことによって、 その人がしゃべり始めたというケースもある。 * 物語の主人公とそれをめぐる環境の分析 法それでは、の分析方法とその解釈に関して、まず内容分析について、次に形式分析につ 診いて説明しよう。 ら内容分析では、その物語の主人公から生ずる反応と、それをめぐる環境から生ずる反応を手が 者かりとする。主人公とはその個人が自分と同一視している人物のことであるが、主人公を決定し 療 い物語も数多く出現する。その人の感情的動機が主人公にうまく投影されている時には、主 の 人公中心の分析を行う。 ④絵の中に登場する人物が主人公になりやすいが、物語の展開によっては、第二、第三の主人公 があらわれ複数となり、しかもわき役が登場して、そのわき役がまた、重要な意味をもっ反応を 示す場合が少なくない。その個人独特の物語の中に、絵の人物とは無関係な主人公が設定される