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検索対象: 立ち直りつつある少年たち 第3集-少年院で学ぶ若者たちの手記
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1. 立ち直りつつある少年たち 第3集-少年院で学ぶ若者たちの手記

799 少年院で学んだこと かできました。 私は社会でまともに働いたことがなく、それはいつも苦手な対人関係が関係していたか らと思います。人のあらばかりを見て文句ばかり言っている人間をだれも雇ってくれない のは当然です。私自身、他人と仲よく接していくことの大切さは分かっていましたし、そ うしたかったのです。社会に出たら、少年院で学んだことを踏まえ、もっともっと成長し ていきたいと思います。学校や家庭で教えてくれなかった対人問題を自分のものにして行 きたいのです。 教官のコメント 少年は母子家庭で甘やかされて育った。少年院の入院歴は、今回で三回目 であり、自分を合理化、正当化しやすい少年である。正業に従事した経験が 少ないことから、各日課場面では機敏さにやや欠け、周囲への配慮が足りな いことから、対人関係で問題を生じやすかった。しかし、最上級生となった 今は、厳しい姿勢で自分に目を向けるようになり、自己改善に真剣に取り組 んでいる。出院後は調理師を希望しており、そのために計画的な自主学習を 行っている。

2. 立ち直りつつある少年たち 第3集-少年院で学ぶ若者たちの手記

イ田じ、フ」・・ 。述げてばかりじゃもったいないし、みんなでやればできるんだから、前向きに生き 最後のチャンスを与え よう。これからつらいことも多いと思うけど、もう逃げられない。 られたと僕は田 5 う。だから一生懸命に生きる。そして本当に強い人間に生まれかわって、 ややに逢いたい。その時に本当の友達として話をしたい。だけど、今 の僕は、君たちに会えない。今の僕は、君たちに会ってはいけないのだと思う。僕が、本 当に生まれ変わったと周りの人が信じてくれるまで、僕はがんばる。それまでは、お別れ ですが、元気でがんばって下さい。何年か何十年かわからないけど、早くその日が来るよ うに、僕も一生懸命に頑張ります。 教官のコメント 少年が四歳のころ実父が交通事故で死亡し、小学校二年生のころ母親が再 義父とは仲が悪く、親への反発と対抗的態度のよりどころとして 婚したが、 不良交友を求めていったものである。この作文から、かっての不良仲間へ、 もう悪いことはやめようよ、と訴え、一生懸命生きようと書いているが、友 達しだいでは、また非行に走る可能性があるので、しつかりした強い意思を 持つよう指導して行きたい。

3. 立ち直りつつある少年たち 第3集-少年院で学ぶ若者たちの手記

の役割があり、一つでも怠ると、みんなが大迷惑をするので気が抜けません。そうした役 割活動に参加する事により「責任を果たす」という力が身について来たように思います。 また、私たちの生活は、給貸与される物、数も決まっており、生活に必要な分だけしか えられません。今まで、物を使い放題に使っていた私にとって、これは大変っらいこと でした。 この結果、物の大切さがしみじみ分かり、物を大切にし、感謝することは、私が更生す るために必要なことだと思うようになりました。 だけど、私が少年院で一番身についたことは、困難を耐え、乗り越えられる力、すなわ ち、忍耐力、気力だと思います。 今までの私は、つらい事、苦しい事は、すぐ諦めたり、逃げたりしました。また、欲し い物があればすぐ手に入れた 腹が立てばすぐ手を出したり、我慢をし、自分を抑える たということが出来ませんでした。だけど、ここで生活していくうちに、つらい事、苦しい 学事から逃げても自分のためにならないことがよく分かり、何事にも根気強く取り組めるよ 院 うになりました。そして、自分の欲望、感情を徐々にではありますがコントロール出来る 年 少ようにもなりました。これは、私の人生、また、人間として生きていく上で一番必要なカ 6 だと分かってきました。

4. 立ち直りつつある少年たち 第3集-少年院で学ぶ若者たちの手記

し 0 。 0 第一 ) 〕こ、 .0 0 0 、 0 、 0 ・ 0 0. っ 0.0 0 一 .0 0 人 ) 0 .0 . っ 0 ( ) こ ら 0 三 - ・・つ 0.0 = 0 こっ 0 0 0 ( 佐世保学園男。 . 、 ( ( 子。。。 0 、 0 0 を 今、じっくりと過去の私を振り返って見ると、「全くだらしのない人間だった」ことがわ かり、自分自身が情なく思えます。 今はやりの暴走族だったので、深夜に単車で暴走行為を繰り返し、家に帰るのは朝の三 時か四時ころだった。それで、睡眠不足で朝起きるのが大変っらい毎日でした。「仕事に行 かなくては」という気持ちはあったのですが、遅刻を繰り返しては職場の人たちに迷惑を かけていました。それでも三年間は休むこともなく仕事だけは続けました。しかし、これ 友は、自分の力だけではなかったように思えてなりません。仕事仲間は、「君は一日も休まな いから偉いね」と言ってくれていました。その時は、照れくさい反面、「俺は根性があるか らだ」というように、自分に都合の良い解釈をしていました。 学 こういう考え方、受け取り方しかできなかった私に、罰が与えられて当然でしよう。一 ル日も休まなかったことは、自分自身、今でも誇りに思っていますが、仕事仲間の優しさに 00 つ。 00 ・「 ) ( ) 0 、「 0 。 ) こ 000 ・ら ' 00.0 い 0 0 0 し第いっ 0 ・つ 0 0 0 アに 0 0 、」・ 0 - を 0 0. い 0 、」 0 こり朝 0 0 「 ~ っ 0. い 0 ' O. を . つ、 0 , 0 一 職場での私

5. 立ち直りつつある少年たち 第3集-少年院で学ぶ若者たちの手記

そして、一番僕にとって進歩したと思える事は、寮での集団生活から学んだ事です。集 団生活の中で一番難しいのが対人関係です。自分が思っているように相手は考えていない し、動いてもくれません。当然相手とのくい違いが生してきます。そこで、どちらかが一 歩引いて受身にならないと事故につながることがあります。そして、ある時、それが現実 となり、下級生に対して腹を立て暴力行為に走ったことがありました。その結果、単独室 に入り、反省の日々を過ごしました。そこで僕は、「自分がされていやな事は絶対に相手に しない」ということを、自分に誓いました。これを守れば必す社会でもやっていけると思 ったからです。 今までは相手の事を考えす、勝手な事ばかりしていました。ですから、自分のことを先 を見通して考えることなどできるわけがありません。この反省をもとに、私は、学園生活 の中でどんな時でも見通しのある行動をとり、そして社会で通用する人間になるために努 力して来ました。 ん 咩自分の信念を貫き通して、どんな事があろうと、自分を見失うまいと頑張って来ました。 院途中で挫折しそうにもなりましたが、先生方が僕の進むべき道を照らして下さったので、 少踏み間違えることなく、こうして出園できるまでになりました。 まだ完全に立ち直ったわけではありません。これから厳しい社会で荒波を乗り越えてい

6. 立ち直りつつある少年たち 第3集-少年院で学ぶ若者たちの手記

田大事とされているので、人を責めるうちは自分も改善していないということになります。 どんなに腹が立ってしまう人間が身近にいても、その腹が立っ原因は自分にもあるのだと ままで、自分のことをたなにあげて、人の欠 考えるのがあたりまえのことなのですが、い 点ばかり指摘してきた私は、結局、他人の欠点しか見えす、対人面でトラブルばかりおこ していました。 しかし、そのつど、「私にも問題があるのだ」ということを繰り返して指導を受け、はじ めは自分が正しいと思っていても、「どうしてだろう」と原因を考えるようになり、だんだ んと相手の気持ちになって問題を見つめることができるようになりました。そして、はし めて自分の内面にある非を認めることができるようになったのです。 おかげで、今の私は、生徒間で絶対トラブルを起こさない自信がっき、たいていのこと には腹を立てないと思えるようになりました。思うに、どんな嫌な人でも、その人には自 分にない良い面をもっています。相手が自分に対して腹の立つような態度を取るのは、自 分が相手にそれだけの事をしているからだ、と思います。さらに進んで考えると、自分の 言葉、態度、表情、気遣いなど、心を働かせて接していけば相手も変わってくる、という ことです。このことは、集団場面で実践することができました。私の態度によって相手の 態度が変わることを実感して知ったとき、私は本当に自分自身の成長を自分で感じること

7. 立ち直りつつある少年たち 第3集-少年院で学ぶ若者たちの手記

ノ 36 心を強く打たれ、今度こそは、と思いましたが、またこうして、二度目の少年院に収容 されていますが、今まで私は、言うだけで何ひとつも実際に実行していなかったし、自分 にいつも負けていました。別に自分の人生なので好きに使えばいいのですが、私も男なの で、このまま自分に負けて、いつまでも負け大の人生を送るのはいやです。私が、人間と して生きていくオ こめにも、自分の中の悪い虫、悪魔を、自分のこの手で退治していかなく てはいけないと思っています。私が非行に走ってから現在までの数年間、母たちにいろい ろと迷惑、心配をかけて苦しめていた罪は、一生を通しても返しきれないほどです。私は、 もう母たちに二度と迷惑をかけたくありません。そのためにも自分に勝っていかなくては いけないと思います。母の泣く姿だけは、二度と見たくありません。母を泣かさないため にも頑張ってみます。 教官のコメント 山口県出身。十九歳。広島少年院仮退院。二入。実父はギャンプル 狂で生別する。県立高校に入学したものの、中学時代の不良友人とシンナー 吸引が始まり、中退。その後、暴力団の組員となり、 覚醒剤を使用。 本件は暴力団の威を貸りての傷害事件。性格的には、根は小心気弱で一人

8. 立ち直りつつある少年たち 第3集-少年院で学ぶ若者たちの手記

ついたり、他人に反感を持ったりしていました。また、人の話など聞き入れる姿勢もなく、 素直さに欠けていた所もありました。こう考えて見ると、自分がなんだか人間ではないか のように思えて腹が立ち、情けないと改めて思ったりする事もあります。 このままではどうしようもないし、この少年院の生活で見つめ直し、改めていかなくて はいけないと思いました。実際、在院生活によって自分の考え方や気持ちの持ち方など、 自分は今何をしなければいけないかという事も分かってきました。日々の反省や内省を通 して、自分の可能性を見つけ出し、基礎をしつかりと勉強しなければいけない事も分かり ました。 その他、僕は社会にいた頃、仕事に対しての労苦や生活面、対人関係の面で、どうして も我慢しなければいけない事からいつも逃げてばかりの生活をしていたので、院内での作 業時には全力を出そうと頑張ってきたし、先生に、しかられた時などは、じっと我慢して 素直に受け入れ、反省するよう努力してきました。その結果、いろんな課題に対してもあ 学きらめす取り組めるようになり、我慢強さなどが出来てきたと思います。また、集会など 院を通して、自分の考えなどもはっきり言えるようになったと思います。これまでは、悪、 少誘惑に対して何も言えす、するすると流されたり、自分の進路等についても自分で積極的 に考えようとせす、親に依存していました。

9. 立ち直りつつある少年たち 第3集-少年院で学ぶ若者たちの手記

があるかもしれませんが、行動する前に、後先をよく考えれば自分にマイナスになるよう なことはないと思います。ここへ来たことを良い教訓にして、これから先、頑張って、自 分の満足できる生活をしていこうと考えています。 先生方は、自分たちの態度や行動を改めてくれているわけですから、自分が間違った行 動をとり、先生に注意を受けた時は、なぜ注意されたのか、その原因を確かめ、一一度と同 し注意を受けないようにしていかなくてはいけないと思います。 まだ入院して二か月半位しかたっていないわけですが、だいたいここでの生活の厳しさ などは、わかってきました。日課自体はそれはどっらいとは感じないのですが、自由時間 などは、社会にいた頃のことなどを思い出すと、少し気分が沈んできてしまい、何をする 気力も無くなってしまうことが、たまにあります。しかし、ここにいる間は、そんな昔の ことなどにこだわらす、これから先の将来のことについて考えることが大切であり、きち んとした生活設計を立てようと思います。 自分がここを出院する頃には、何事にも積極的に取り組み、最後までやり遂げる精神力 を身につけなければいけないと思うので、ます、改めなければならない目標を自分で立て、 毎日、改善していく努力をし、一日も早く目標を達成していこうと考えています。そうす ることが、心配ばかりかけてきた家族への恩返しになると思うので、人間として恥すかし

10. 立ち直りつつある少年たち 第3集-少年院で学ぶ若者たちの手記

R 父のそういう姿を見て、恥すかしいと思った自分自身に大変腹が立ちます。情けないので す。 家出をし、何日かたって家に帰ると、なぜか落ち着くのです。だれにも気を使わすに生 眠れます。やつばり家族というものは、他人よりとても温かいもので 活ができ、ゆっくり す。家出する前にもう少しよく考えるべきだったと思います。今まで何回も家出をし、家 族と離れてくらした日が残念でなりません。一緒に住んでいれば、思い出もたくさん作れ ただろうし、気持ちの交流も深めることが出来たはすです。 これから私たちも大人になり、やがて結婚するでしよう。そうなれば、もう父と妹と弟、 私の四人が一緒にそろって生活する事もないと思います。そんな事を考えると、寂しくな ります。今度ここを退院したら、結婚するまで絶対に家を出す、今まで作れなかった思い 出をたくさん作りたいと考えています。今まで、家族の人たちに迷惑をかけ、また、いや な思いをさせてしまいました。派手な格好をし、悪い友達とっき合ったりして、近所の人 たちに色々言われていたことでしよう。はずかしい思いをしたと思います。私のせいで家 族まで白い目で見られていたと思うと、申し訳ない気持ちでいつばいです。 私という人間は、家族にとってどんな存在なのだろうかと考えた事があります。やつば り私は、家族の一員です。どんなに悪い事をしようとも、私は家族にとって大事な存在だ