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検索対象: 立ち直りつつある少年たち 第3集-少年院で学ぶ若者たちの手記
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1. 立ち直りつつある少年たち 第3集-少年院で学ぶ若者たちの手記

の母の許へ帰れなくなってしまったのです。 私は打ちのめされ、信しられない気持ちで、「ちきしよう」という言葉しか出て来ません でした。しばらくの間は、放心状態で何もする気になれませんでした。 今にな 0 て思うと、自分の当時の社会生活や自分の置かれている立場をま 0 たく考えす、 っていた、あまりにも幼稚だった自分が恥すかしく すべて思いどおりになるとたかをくく なるほどですか、とにかくショックでした。 「出院したい」という気持ちから、「早く出院しても何の得もない」と考えるようになり、 ますます生活は乱れました。でも、そんな私を見ても、先生は決して見捨てはしませんで した。「頑張れば、いっか母さんに認めてもらえるかもしれない」「今のお前は頑張るしか ないんだぞ」と毎日のように励ましてくれました。 私の中に、「もしかしたら」という気持ちがわいてきて、「今のまましゃいけない」と思 たうようになりました。「頑張って、もう非行はしないということを認めてもらうぞ」と、私 学はいつも心に言い聞かせながら生活するようになりました。 院自然に、これまでの自分や現在の自分の生活にも、目が向けられるようになっていきま 私の置かれている立場、それは、がけ「ぶちです。そこから落ちてしまうのかは、私し 2

2. 立ち直りつつある少年たち 第3集-少年院で学ぶ若者たちの手記

出します。しかし、そう言われても乗りかかった船とばかり、その先生についに暴力をふ るってしまいました。 心の中で、「先生悪かった、俺が本当に悪かった」と言いたくても、私はそれと反対の行 動ばかりしていたのです。 一度目の出院の時、「必す頑張って皆に追いっきます」と心に決め、先生とも約束しまし 三年の担任 co 先生は、入学当初から迷惑を掛けてばかりいた先生でした。「先生、俺、一 からやり直すよ」と多少生意気でしたが、 はっきりと言えました。先生も、「絶対頑張るん だぞ」と励ましてくれました。しかし、時が経つにつれ、 マをかけ、ヾ ノイクに乗るよ うになると、学校の生活も乱れて来ました。先生はそんな私に初心に返ってもらうため何 度も話をしてくれました。そんな先生の目には真剣なものがあり、悲しさも多く含んでい ました。 私も先生のまなざしを真正面から見れす、うなだれて返事をすることしか出来ませんで したが、 先生の話の声までも鋭く胸に突きささってきたのです。 あれほどまでに「頑張ります」と言った自分が恥かしく情けなくもなりました。しかし、 「ごめんなさい」の一言が出てこなかったのです。反対に、もうどうでも ) しいとさ、疋田ハいま

3. 立ち直りつつある少年たち 第3集-少年院で学ぶ若者たちの手記

いくか、残された院生活でし「くりと考え、具体化して行きたいと思います。自分の将来 はここの少年院にあるとい「ても過言ではありません。厳しい社会生活に耐えられる自信 を創「て出院し、父と共に、ユ = ットバスの取り付け工事の仕事に早く復帰できるように 頑張っていきます。 教官のコメント 新入時の後半は生活全般にわたって良く頑張り丿 ーダー的な役割活動や、 全体の指揮なども立派に果たしていた。そのまま頂調こ、 丿一 = 。しくたろ、フと田 5 って いたところ、集団生活になってから本人の問題点が出てきた。 しかし、謹慎解除後は、自分の問題点を自覚し、意欲的に院生活に取り組 んでいる。今後は集団生活の中で、善悪の判断力の強化と、人に左右されな い落ち着いた生活を重点的に指導していきたい。

4. 立ち直りつつある少年たち 第3集-少年院で学ぶ若者たちの手記

7 / 9 少年院で学んだこと んばれ、かんばれ、 頑張れ′ そして、いっかしら 私自身に向かって 叫んている 私だって、負けない 負けない 負けるもんか 丸亀少女の家 . 《女子

5. 立ち直りつつある少年たち 第3集-少年院で学ぶ若者たちの手記

76 イ ルの持久走は、な い毎日でした。毎朝の駆け足や体育訓練、作業、そして一〇キロメート まりきった僕の体にはとてもつらく厳しいことでした。そんな生活から何度逃げ出そうと 思ったかわかりません。でも、そんな時、「ここで逃げ出してどうする。最後まで頑張るん だ」と自分に言い聞かせ、この苦しみに耐えてきました。そして、このつらさを一歩一歩 乗り越えたときに、本当の喜びを感することができました。今まで何をしても中途半端だ った僕が、一つのことを最後までやり終えて、喜びを感しられるようになったのです。何 そのつど両親や先生の励ましを受けて乗り越えてきまし 度もくしけそうになりましたが、 つらさを乗り越えることが、だれのためでもなく、自分自身のためだということに気 つくことかできました。 また、交通安全学習や園芸作業を通して、命の尊さを軽く考えていた自分の間違いに気 づき、命の大切さを知ることができました。 さらに、一番の問題点であった意志の弱さは、少年院生活をしていく中で大きく改善す ることかできました。 僕は、社会に出ても、この少年院で学んだことを忘れす、一日一日を大切に、何事にも 最後まで乗り越えられるように一生懸命努力していきます。そして、これから新しい人生 を歩み、今まで迷惑をかけ続けてきた両親に、少しでも親孝行できるように頑張っていき

6. 立ち直りつつある少年たち 第3集-少年院で学ぶ若者たちの手記

れたのです。指名された時は、自分でも信しられない気持ちでした。その時、僕は、今ま で以上に練習しようという気持ちになりました。また、母に報告したらとても喜んでくれ ました。その時の母の顔は、今でも忘れる事が出来ません。 それから、地区大会に備えて、今まで以上の厳しい練習が始まりました。何とか大会で 優勝して、全国大会に出場したいと思い、厳しい練習にも耐えて頑張って練習をしました。 そして、その成果も実って、地区大会で優勝し、全国大会への出場権を手に入れたのです。 優勝した瞬間の感動は、言葉では言い表せないほどのものでした。僕が投げたポールが、 キャッチャーミットに入った瞬間、田 5 わす涙が出てきました。今でもその時の事をよく思 い出します。練習のつらさや苦しかった事など、一瞬に吹き飛んでしまいました。それか ら、全国大会で好成績を残そうと思い、厳しい練習にも耐えて頑張りました。しかし、全 国大会では雰囲気にのまれて、緊張して何が何だか分からないうちに試合が終わっていま した。結果は、〇対一二で負けてしまいました。 今もよくその時の事を思い出します。でも、その時の自分と今の自分があまりに違って しまった事を思うと、気持ちが重くなってしまいます。 いつのころからか、遊び仲間との付き合いが始まり、他人の物に手を出すようになり、 悪への道へ入ってしまったのです。目的を失った船のように、その時の気分や周りの状態

7. 立ち直りつつある少年たち 第3集-少年院で学ぶ若者たちの手記

55 父・母・家庭 私が悪いことをしても、親は私を子供だと思ってくれているのだと思うと、もう絶対に 悪いことはできません。今、私の大切な宝物は家族のみんなだとはっきり分かりました。 これからは、家族に心配をかけす、楽しく明るく家族のみんなと共に頑張って生きてい きたいと思います。 教官のコメント 少年は、非行歴は浅いが、非行態様 ( 窃盗 ) がすさまじく、常習化したの で、最早、家族の手にはおえないため、施設送りにされているが、自由で勝 手気ままな生活ができないことを経験して、家族のありがたさに目を覚まし たことが、よく表現されていると思う。 特に、父が面会にきたときの情景が、リアルに描かれており、感動する手 = = ロてある

8. 立ち直りつつある少年たち 第3集-少年院で学ぶ若者たちの手記

幻 9 明日への決意 を苦しませたかもよく分かりました。これまでの私は、母にと「ては重い荷物にな「てい たと思いますが、もう一一度と母に心配はかけないように、母を大切にしていきたいと思い ます。 私が立ち直ることが、何よりも母 ~ の思いやりだとしたら、これからは精一杯頑張って 生きていきます。 そんなふうに考えると、灰色の心も、少しすっ紅型のようなあざやかな色に染まってい くような感しがしています。 教官のコメント 入園当初は、母の目が不自由になったことについては、ほとんど口にしょ うとせす、自分の思いやりのなさを認めようとしなかった。 でも、最近はやっと自分に目を向けて来たところであり、心から母を悲し ませたことに気づいてきた。 自分の悪い点を素直に「悪い」と認めることはつらいでしようが、大切な ことです。他人の苦しみ、痛みが感し取れるような女性になってはしい。

9. 立ち直りつつある少年たち 第3集-少年院で学ぶ若者たちの手記

29 父・母・家庭 きました。 なぜ家庭が必要なのか、また、私が家庭でどういう立場におかれていたのかなど、今回 の事件の中でさまざまな事が分かったと思うし、教えてもくれました。 今回で、こういう施設や鑑別所は三回目なのに、家族は、もう一度一緒に荷車を引こう と言ってくれています。今まで離れていた分、迷惑をかけた分、余計に頑張って楽をさせ てあげたいし、いい家庭を作らなければいけないと思っています。 私自身も、今まで家庭を避け、やりたい事を好き勝手にやっていたのだから、それなり に大きな努力と勇気が必要だと思います。自分のカで早く父や母と荷車を引けるよう更生 の道を歩み、家族の一員になるつもりです。 教官のコメント 家庭の一員として、今まで逃げていた少年が、父、そして継母とのかかわ り方を考え始めた少年の手記である。

10. 立ち直りつつある少年たち 第3集-少年院で学ぶ若者たちの手記

95 学校・先生・友人 だれよりも心から心配してくれ、最後まで私を見離さす、私の将来について色々な援助、 助言をしてくれた中学一二年の時の先生がいながらも、その先生を今このような形で裏切っ ていることです。 その先生も、私が一日でも早くましめに立ち直る事を願っていると思います。私にもそ ういった心のささえとなる人がいることを忘れす、院生活を頑張っていきたいと思ってい ます。 教官のコメント 現在、二級の下、導入時教育生として、毎日の規律訓練や体育訓練に汗を 流している。 この少年は、三度目の少年院生活を送ることになった。この作文を書くこ とで、自分と対峙し、今後の自分自身の在り方を模索しながら、更生への糸 口を見出そうとしている。 " 作中の女の先生。にかわる新しい心の師を、きっとこの少年院の中でも探 し出すことだろう。