ガンピ に達する。ノカンゾウは山野にはえ , 葉は幅 1 享ン内外で花は単弁。暖地の海 岸にはえるハマカンゾウは葉が厚く , 花茎にしばしば葉束がっく。いすれも 一日花で , 若葉や花を食用とする。な お同属の→ニッコウキスゲや→ュウス ゲなども日本の山野に自生し , 庭に植 えられるものにヒメカンゾウもある。 また外国で種々の交雑によって作られ た多数の園芸品種は花色も豊富で , 黄・ だいだい・赤等があり , 属名のヘメロカ リス , あるいはデーリリーと呼ばれる。 カンツバキ ( 寒椿 ) ッパキ科の常緑 低木。原産地は不明で , サザンカに近 い園芸種と考えられる。庭木や鉢植に される。高さは 2 くらいになり , 11 ~ 2 月に咲く花は径 5 ~ 6 の八重咲 で , 紅色。繁殖はさし木によるが , 結 実することもあるので実生鷲もできる。 関西では「獅子頭ら」と呼ばれる。 カンナカンナ科の春植え球根植物。 原種は熱帯各地に 50 種ほどあり , その 中の数種の交雑によって , 現在栽培さ れている園芸品種ができた。矮性大輪 で種子のできるフレンチカンナ系と , 種子のできないイタリアンカンナ系が ある。花色は赤・だいだい・黄・白 絞り覆輪・斑ふ人り・等があり , 葉にも緑 色と赤銅色になるものとがある。球根 は地下茎の肥大したもので , 5 月にこ れを 1 ~ 2 芽こ、とに分球して植え付け る。夏 ~ 秋に繁茂し開花。 11 月 , 株こ、 と掘り上げ , 水はけのよい暖かい場所 に埋めて越冬させる。 カンノンチク ( 観音竹 ) 中国南部原 産のヤシ科の常緑低木で , 江戸時代以 来観葉植物として , 鉢植にして栽培さ れてきた。雌雄異株。茎は高さ 2 ほ どになり , 分枝せず , 黒褐色の古い葉 鞘の繊維で包まれ , 東生する。茎頂に 7 ~ 8 枚集まってつく葉は掌状に 5 ~ 7 裂し , 裂片には細かい縦に走るひだ がある。変種に斑ふ人り品がある。 カンバニュラ→フウリンソウ ガンピ ( 岩菲 ) 中国原産のナデシコ 科の多年生草本。観賞草花として古く カ ガンピ ( 岩菲 ) 101
アジアンタ たは羽状に裂け , 鋭い刺針があり , 裏面 にくも毛を密生するものがある。総包 や配列は種の特徴になることが多い。 0 頭花は多数の筒状花のみからなり , 多 くのものは秋に開花する。ノアザ : の 頭花は紅紫色で直立し , 春 ~ 夏に咲き , 本州以南に分布する。初夏 ~ 秋に咲く オニアザをは中部地方北部 , 東北地方 に生じ , 濃紫色の頭花はうなだれる。 海岸の砂地にはえるハマアザミは頭花 が直立し , 葉は強い光沢がある。一般 に根の食べられるものが多く , モリア ザミは栽培され , その根は粕漬にされ る。なお→カッコウアザミ→キツネア ザミ→チョウセンアザミなどはアザ とは別属。 アザレア アサレアツッジ類を総称して呼ば れるが , 園芸的にはセイヨウッツジを さす。中国産のシナサッキを母系とし て欧州で他の数種と交配改良されて作 られた園芸品種で , 150 種余がある。 鉢作りとして冬季温室で開花させ観賞 する。常緑の低木で樹高は 3 ン程度 , 八重咲が多く , 花色も各種ある。 アシ + ヨシ アジアンタムウラボシ科のシダの 一属 Adiantum で , 日本にも→クジャ クシダ , →ハコネシダ , ホウライシダ などがある。観葉植物として普通に見 アサミ左はノアザミ , 右・はハマアザミ アジアンタム A. クネアタム アサクサノリ 9
カラタチ カラタチ果実 カラスムギ 球茎は半夏として薬 ( 鎮吐 , 悪阻第 カラスノエンドウはザートウィッケン 急性胃炎等 ) にする。 ともいい , 全体に少し大きく , 飼料 , 二年草。 カラスムギイネ科の一 緑肥用。スズメノエンドウはやや小さ 荒地や路傍にはえる , 欧州 , 西アジア , く , 長い柄の先に花が数個すつつく。 北米原産の帰化植物。高さ 50 ~ 9 時 ' に 豆果は短く , ふつう種子は 2 個。これら なり , 夏 , 茎頂に円錐状の花穂を出し , に近い別種カスマグサは種「が 3 ~ 5 個。 ややまばらに下垂する小穂をつける。 カラスビシャク日本全上 , 東アジ アの畑地にはえるサトイモ科の多年草。 小穂は大形で , 長いのぎのある 2 ~ の小花からなり , 小花は個々に落ちゃ 地下に小形の球茎がある。葉は 3 小葉 すい。→ェンバクの祖先型。 からなり , 葉柄にはむかこ、ができる。 カラダイオウ→ダイオウ 5 ~ 8 月 , 花茎の頂に仏炎包をつけ , カラタチキコクとも。中国原産で , 中には肉穂花序がっくが下部は仏炎包 本州中部以南の石灰岩地に野生化して と癒合 % し , 先は細長い付属体になる。 カラスビシャク左が花 園芸品種 2 種 カラジウム 93
ヘリオトロ 植物としてよくみられるシマアオイソ ウはプラジル原産の宿根草で , 茎はな く , 基部から多数の葉が群がり立つ。 紫紅色で長さ約 1 ンの葉柄に先のとが った広卵形の葉が楯乍状につく。葉は厚 く , 表面は金属光沢のある濃緑地に 6 ~ 9 本の脈があり , 脈間が銀白色の斑ふ となる。さし芽 , 株分けでふやす。 ペポカボチャ→カボチャ ヘラオオバコ→オオバコ ヘラシダオシダ科のシダ。本州 ~ 九州の暖地の谷川の斜面などに大群落 をつくる。葉は長さ 30 ~ 70 の単葉で 長い柄があり , 針金状の地下茎からま ばらに出てたれ下がる。胞子嚢群は線 状で , 葉縁と中軸の間に平行して並ぶ。 へ・ニ / ヾナ べラドンナ欧州 ~ 西アジア原産の レ ( 和名モンテンジクアオイ ) とその系 ナス科の多年草 , 草たけ 150 内外。全 統の雑種 P. ホルトルムのほか , った葉 草にアルカロイドを含むが , 根および 葉を薬用とする。べラドンナ根 , べラ つる性のものも含まれる。モンテンジ クアオイは江戸末期に渡来し , 単に「ア ドンナ葉はともにヒョスチアミンを主 成分とし , 鎮痛・鎮痙剤として重要 オイ」とも略称され , その葉変り品が 数百種も作られるほど大流行をした。 であり , また硫酸アトロヒ。ンなどの原 ヘリオトロープペルー原産のムラ 料とする。近年は日本でも栽培。 サキ科の小低木。高さ 50 ~ 7 時ンになり , べラドンナリリー→アマリリス ペラルゴニウム植物学上は , おも 葉の裏面には毛があって , 自つほい。 花は枝先に集まり芳香が強い。花冠は に南アフリカ原産のフウロソウ科の一 すみれ色 , 径 4 ~ 7 ミリで 5 裂し , 下部 属 pelargonium をさし , 約 250 種がある。 は筒形。園芸品種には花色が白 , 青色 園芸的にはその中の P. グランディフロ のものもある。温室内では冬から開花。 ルム等 4 種の原種を 19 世紀にヨーロッ バで交配改良してできた園芸品種の総 称であり , 和名はナッテンジクアオイ ヘラルコニウムゼラニウム ( P. ホルトルム ) と称する。茎が木質化した多年草で , 縁に鋭い鋸歯こよのある円形 ~ 腎臓形。 茎の上部の葉腋から伸びた太い柄の先 に , 径 5 ほどの 5 弁花を数個散形に つける。花色は白 , 淡紅 , 濃赤等で , 上部の 2 弁は幅広く濃い斑紋がある。 一季咲で , 花期は晩春 ~ 初夏。ふつう 鉢植にされるが , 切花用にも栽培され る。さし木でふやし , 冬は温室または フレームで保護する。またこの属の中 には園芸上ゼラニウムといわれるもの もあり , これには葉面に馬蹄を形の褐 色の斑紋があって四季咲性の P. ゾナー へ 345
栽培されるユリ科の多年草。本州の海 岸地帯に自生するイワトユリを主にし て ,. 江戸時代以来改良されてきた一群 の園芸品種である。比較的たけが低く , 上向きに花が咲き , 花被片の基部が細 まり間が透けて見える。花期 5 ~ 6 月。 黄透煢 , 千草 , 重代つ , 満月等の在来 種のほか , 欧米の改良品種や両者の交 配品も多い。なお植物学上のスカシュ リは母種のイワトユリをさし , これは 茎や葉はともに短く , 2 ~ 3 個の黄赤 色の花をつける。 スカンポ→スイバ スギ ( 杉 ) スギ科の常緑高木。日本 特産で本州 ~ 九州の山地に自生し , ま た重要な林木として , 広く造林され , 生産量は最も多い。幹は直立し , 枝葉 が密生。葉は針状で小さく少し曲がり , らせん状に並ぶ。雌雄同株。 3 ~ 4 月 開花。雄花は淡黄色で楕円形 , 枝端に 群生する。雌花は緑色で球形をなし , 小枝の先につく。果実は球形で木質と なり , 10 月に褐色に熟す。材は柔軟で きめがあらく建材 , 器具材 , 土木材 , 船舶材 , 酒樽をなど幅広く使われ , 樹は 庭園木 , 生垣にする。ェンコウスギな ど園芸品種も多い。なお , 屋久 : 島のス ギ原始林 , 日光杉並木 , 羽黒山杉並木 などは特別天然記念物。 スギゴケスギゴケ科のコケ。体は 緑色で茎葉の区別がはっきりしており , 直立して生育 , 葉の表面には多数のひ だがある。雌雄異株。胞子体は茎頂に っき , 長い柄の先に子嚢を生する。北 半球の亜寒 ~ 寒帯に広く分布するが , 日本には少なく , 一般にはコスギゴケ などこの仲間の総称となっている。 スギナトクサ科のシダ。北半球の 暖 ~ 寒帯に分布し , 河原 , 荒地 , 畑な どにはえる。長い地下茎からまばらに 高さ 20 ~ 40 享ンの茎が出る。茎は細い緑 色の針金状で節から小枝が輪生し , 小 枝からさらに細枝が輪生して茂る。 3 ~ 4 月 , 新しい茎が出る前に , 枝のな い褐色の胞子茎 ( ックシ ) が出 , 頭部か らたくさんの胞子を出す。ックシはひ 207 スクリ ス スグリ果実 体にとげがない。 近縁の→カランツ ( フサスグリ ) は , 全 生食のほかジャムやゼリーとされる。 をつけ , 果実は 7 月こ、ろ熟して甘く , 燥には弱い。春 , 新しい枝に小形の花 され始めた。寒さには強いが , 夏の乾 ーともいわれ , 16 世紀ころ英国で栽培 はとげのある落葉小低木でグースペリ リをさすことが多い。セイヨウスグリ の数種の総称。日本ではセイヨウスグ スグリュキノシタ科スグリ属植物 を酢茎とする。 固定したものといわれている。茎 , 葉 ( 聖護院 ) や→ナタネと原種が交雑し , 種は絶滅し , 現在のスグキナは , カプ 紡錘形で , 葉は大きい。発生当時の原 ブラナ科の野菜で , カプの一種。根は スグキナ京都上賀茂地方原産のア たし物などにして食べる。
ツマトリソ 花弁は 5 ~ 9 枚で , その基部がヤブッ パキでは癒合して白色の花糸の雄しべ と合着しており , ユキッパキでは花弁 の癒合している部分が短く , 雄しべは 筒形にならず開き , 花糸は黄色である。 園芸品種は花色に白 ~ 濃紅 , また白 と紅のたて絞りや斑紋が人ったもの , 花型には一重・半八重・八重・千重・ 牡丹咲・獅子ヒ咲・二段咲・唐子 ! ら 咲・抱咲等があり , これらの花色と 花型の組合せで千差万別の変異がみら れる。肥後ッパキは雄しべの配列がウ メの花に似た一重咲の地方的な品種群。 半開小輪の花の「佗助」や花に芳香 のある「有楽 2 く」 ( 「太郎冠者」とも ) は , 系統のはっきりしない園芸品種である。 外国で同属の異種間交配によって作出 された品種も多い。ッパキの繁殖は実 生にもよるが , 園芸種ではさし木 , つぎ木が主。生長は遅いが土質をさほ ど選ばず , 肥沃な半日陰地がよい。観 賞用のほか , 種子からッパキ油をとり , 材は折尺や楽器 , 農具等にする。 ツバキカズラ→コヒ。ウェ ツバナ→チガヤ ツバメオモト北海道 , 本州の深山 の樹林内にはえるユリ科の多年草。葉 は短い根茎上に数個集まってつき , 長 楕円形で柔らかく , 長さ 20 享ン内外。 5 ~ 7 月 , 葉心から高さ 20 ~ 7 ンの花茎 を出し , 上方に数個の花をまばらにつ ける。花被片 6 枚 , 自色で長さ 15 ミリ内 外。後に球形黒青色の果実を結ぶ。 ツブラジイ→シイ ッポスミレスミレ科の有茎性の多 年草。日本全土の平地や丘陵地のやや 湿ったところにはえる。高さ 2 時ン内外 , 葉は互生し卵状腎臓形 , 托葉は皮針形 で縁に鋸歯こよがない。春 , 葉腋に長い 花柄のある小花を開く。花は白色で唇 弁には紫色のすじがあり , 距は短い。 ョイスミレ , コマノッメの名がある。 ツマトリソウサクラソウ科の多年 草。北海道 , 本州の深山の針葉樹林中 にはえる。茎は細長い根茎上に直立し , 高さ 7 ~ 20 享ン。葉は茎の上方に数個集 ツ ッポスミレ 249
ボタン ルい設宿 上に東生。葉は鱗片状に退化して茎の 基部に少数っく。夏 ~ 秋 , 茎頂に柄の ない長さ 8 ~ 15 ミリ , 淡緑色の小穂を数 個頭状につける。小穂の基部には茎と 同形の包葉が茎の先に続いてつき , 小 穂は茎の途中に側生するように見える。 ホタルカズラ日本全上の日当りの よい山地の草原にはえるムラサキ科の 多年草。全体に剛毛がある。前年枝は つる状にのびて地をはい , ところどこ ろから根が出る。新枝は根の腋から直 立し高さ 20 享ン内外 , 葉は長楕円形で互 生する。春 , 新枝の葉腋に径約 1.5 の るり色の花を開く。花冠は 5 裂。 ホタルサイコホタルソウとも。セ リ科の多年草。日本全上 , 樺太の山地 の日当りのよいところにはえる。高さ 1 内外。葉は互生し , 単葉で皮針状 へら形 , 基部は茎を抱き , 下面は自っ ばい。秋 , 小形の複散形花序を出し , 多数の淡黄色の小花を開く。根は柴胡 シマサイコ ) の代用とされるが 品質は悪い。 ホタルブクロキキョウ科の多年草。 日本全上 , 東アジアの山野にはえる。 茎は直立し , 高さ 5 時ン内外。葉は互生 し , 長卵形で茎とともに毛がある。 6 ~ 7 月 , 白 ~ 淡紫色の鐘形の花を下向 きに開く。 ボタン ( 牡丹 ) 中国原産のキンボウ ゲ科の落葉低木。高さ 1 ~ 3 内外に なり , 葉は大形の 2 回羽状複葉で下面 は帯白色。 5 月に新しい枝の先に径 15 ~ 2 5 享ンの大輪の美花を開く。がくは 5 枚 , 花弁は光沢のある紅紫色の薄い膜 質で , 一重咲では 7 ~ 9 枚 , 多数の雄 しべがある。園芸種では花色に赤 , 桃 , 白 , 黒紫色 , ほかし等もあり , 花弁の 多少によって花形の変化も多い。フラ ンスの改良種には黄色花もあり , また 花は小形だが冬に開花するカンボタン のような変種もある。ボタンは初め中 国で薬用として栽培されていたが , 唐 代以後観賞用となり , 8 世紀には日本 に渡来した。日本で流行したのは江戸 時代で , 43 品種の名が当時の園芸書に ホタルブクロ 351
ツナソ ツノゴマキバナノッノ ゴマ右は果実 広く開き , 左右相称のレンゲッツジ群 ツノナス北米原産のナス科の低木。 高さ約 1 になり , 茎にはとげがあり , がある。 b には葉が春に出て冬を越さ 葉は大きなハート形。葉腋に紫色の小 す , 3 ~ 5 個やや輪生するミッパッツ 花を 3 ~ 4 個群出する。果実は黄色 ジ群と , 葉が春と秋に出て , 秋葉が冬 卵形で先がややとがり , 基部には乳鬚 を越し , 幅の広い毛のあるヤマツッジ 群がある。以上は花序が散形 , 散房状 状の突起を数個つけ , フォックスフェ ースの名で生花材料とされる。日本で をなすが , 総状花序をなすものにェゾ は春まき一年草として栽培。 ツッジ群がある。しかしこれは他の性 ツノマタ紅藻類スギノリ科の海藻。 質も多少違うので別属とする説もある。 以上は広義のツッジであるが , 庭な 日本各地沿岸の潮間帯の岩上に生育す る。体は扁平で幅広く , 叉状に分岐す どに植えられる狭義のツッジはヤマッ る。高さ 5 ~ 20 享ン。暗紅 ~ 緑色で , 緑 ッジ群で , →ヤマツッジ , キリシマッ 藻類のように見えることがある。近縁 ッジ , →ミヤマキリシマ , →サッキ , にオオバッノマタ , トチャカ , コブッ コメッツジ , モチッツジ , キシッツジ などがある。園芸品種もクルメッツジ , ノマタなどがあり , いすれも壁土用糊 料とされる。 オオムラサキ , シロリュウキュウッツ ツバキ ( 椿 ) 北海道を除く日本全土 ジ , ムラサキリュウキュウッツジ , セ キデラなど 5()0 種以上といわれるが , 特 と朝鮮の一部に分布するツバキ科の常 にサッキとミヤマキリシマからは多く 緑高木。日本の代表的な花木で , 500 余 の品種が作られている。また→アザレ りの園芸品種があり , 庭木として世界 アは外国種として著名。なおツッジ類 各地でも栽植されている。日本に自生 の材は緻密ゑつで細工物などにもされる。 するのは , 海岸地方に分布するヤブッ パキ ( ヤマッパキとも ) と , 積雪地帯の ツナソ→コウマ ツノゴマ北米原産のツノゴマ科の 山中にはえるユキッパキの 2 系統と , 一年草。観賞用に栽培。全草に粘毛が 両者の交雑によって生じたとみられる ありべたっく。茎は横に広がり , 葉は ユキバタッパキで , ユキバタッパキは 厚くキリの葉に似る。夏 , 淡紫紅色の 特に八重化しやすく , これから多くの 先の 5 裂した筒状の花を開く。ともえ 園芸品種が生じた。 樹形は一般に円錐形になり , 樹皮は 形をした果実は , 後に木質化し先が二 なめらかで灰自色 , 枝は太く多い。葉 つに分裂しとがった角 3 状となる。この 角が歩行者の裾 ! にからまるためタビ は柄が短く楕円形 , 濃緑色で光沢があ ビトナカセの別名もある。類品のキバ り鋸歯こよは細かい。花期は普通 2 ~ 4 ナノッノゴマは前種より小柄で , 濃黄 月だが , 早咲は 11 月から , おそ咲は 5 色の花をつける。両種の交配品もある。 月に至る。野生種の花は紅色で半開し , 248
サゼンソウ サザンカ左は明月 , 右は昭和栄 には一重咲の御美衣翳い緋の袴ま サッキ ( 早月 ) 関東以西の川岸の岩ー 月の笠い明月 , 八重咲・千重咲の富士 上に自生するツッジ科の常緑低木。高 峰の・昭和栄被等。ッパキと相違す さ 1 以内。古くから園芸化されて品 る点は一般・にサザンカのほうが , 葉が 種が多く , 盆栽や庭木として栽培され 小さく , 小枝から葉柄 , 主脈に毛があ ている。開花は 6 ~ 7 月 , 花色は深紅 る点 , 晩秋から咲き始め , 花に芳香が ~ 白 , 咲き分け , 絞り等があり , 八重 あり , 花弁が薄く波うち , ばらばらに 咲種もある。ツッジとの違いは , 花期 散る点 , 子房 , 果実に毛がある点であ が遅く , 葉が細く鋭頭 , 雄しべが 5 本 る。観賞以外の用途としては材が楽器 で葯 ! が暗紫色な点。さし木でふやし , や折尺にされ , 種子からは油をとる。 品種改良には実生鷲を行なう。陰暦の 実生でふえるが , 園芸種はさし木 , 5 月 ( さっき ) に咲くのでこの名がある。 つぎ木で繁殖させる。 雑草耕作地や林野に生育する草 サゼンソウ本州 , 北海道 , アジア 本で人間の生産の目的に沿わない無用 北東部の湿地にはえるサトイモ科の多 または有害なもの。日本に約 500 種。 年草。全体に不快な臭気がある。根茎 耕地に栽培する草本でも , 他の耕地に は太く , 葉は根出し , 卵状心臓形で , 侵人してそこで有用性がないときはこ 長さ 20 ~ 30 。 4 ~ 5 月 , 紫褐色の卵 れも雑草という。また , 湿潤な田畑に 形の仏炎包の中に , 楕円形の肉穂花序 はえるものを特に→湿生雑草という。 をつける。花は両性。花被片 4 個 , 雄 れらの雑草はその地に固有な種類は少 しべ 4 本 , 雌しべ 1 本。花序と仏炎包 なく , ふつう広い地域に分市。帰化植 の形が , 僧が座禅をしているように見 物も多い。近年 , 優秀な除草剤が普及 え , この名がある。 している。なお , 一般に見ばえのしな サッキ園芸品種 3 種。左から秋月 , 日傘 , 紫宝 162
シュンラン の毛があるのでこの名がある。 シュロチク中国南部原産のヤシ科 の常緑低木。日本には琉球を経て渡来 し , 観賞用に 300 年前から栽培されて きた。茎は高さ 3 ほどになり , 枝を 出さす , 頂部に 6 ~ 9 枚の葉をつける。 葉柄は長く , 葉身は半円扇形で 10 ~ 18 片に深裂する。雌雄異株。斑ふ人りの園 芸種もある。株分けでふやす。 春化処理しより しゅんか ノヾーナリゼーション とも。植物の種子を一定期間低温ある いは高温にさらして花芽の分化時期を 早めること。たとえば秋まきコムギを 春まいて出穂させるために , 発芽後に 一定期間低温に合わせる。ルイセンコ により提唱され , ソ連では実用化され ているといわれるが , 日本ではほとん ど行なわれていない。コムギのほかオ オムギ , ナタネ , ダイコンなどにも春 化処理をしないと花芽分化の起こらな い品種がある。 シュンギクキクナとも。地中海沿 岸原産のキク科の一 二年生の野菜。 日本へは中国から導人。高さ 30 ~ 60 葉は羽状に裂ける。頭花は径 3 享ン内外 , 淡黄色。春まき , 夏まき , 秋まきと年 3 季に栽培される。葉にはかおりがあ り , ひたし物 , 汁の実などとする。花 を観賞する品種もある。 ジュンサイ日本全上 , アジア , 豪 州 , 北米 , アフリカに分布するスイレ ン科の多年生水草。若い茎や葉は寒天 のような粘質物に包まれる。楕円形の 葉は楯を形で水面に浮かぶ。 5 ~ 7 月 開花。がく片 , 花弁ともに 3 枚で同じ長 さ。雄しべは 12 ~ 18 本ある。若い茎葉 を三杯酢 , 塩漬などとして食用とする。 シュンランホクロとも。日本全土 の山地の雑木林などにはえるラン科の 常緑多年草。葉は線形で堅い。早春 , 膜状の鱗片のある肉質の花茎を出し , 1 個の花をつける。花は径 3 ~ 4 享ンで 緑を帯び , 唇弁は白く , 濃紫色の斑 点がある。東洋ランの一種として栽培 され , 多数の園芸品種がある。また , 花を刺身のつまなどとする。 シュンサイ 189