深 海 貝 ツノガイの潜入の 2 態潜入生活に適応し ら出した糸の上を , ベルトコンペアーのよ こツノガイ類は目も触角もない。ロの前か うに泥粒が運ばれ , 中の栄養分を摂取する。 ①マルツノガイ : 9cmo 紀伊半島以 には縦肋とその間を走る細かい螺状肋 南の水深 10 ~ 100m の砂泥底にすむ。殻 がある。殻ロは広く , 外唇の内壁は橙 じゅうろく は厚く , 殻表には細い縦肋が多数ある。 赤色。肉の色は赤い。 ②ツノガイ↓ 6cmo 房総半島以南の ⑦イトマキヒタチオビガイ t12cmo 本州太平洋岸 ~ 九州西岸。殻頂の膳 30 ~ 100 m の砂泥底にすむ。殻頂の方は 9 本の縦肋があり , 断面は多角形。殻 は丸くて大きい。殻表には縦肋があり , ロの方は円形。白から橙色まで色彩変 肩で少し角張る。殻表は黄橙色地に 異がある。 褐色の稲妻もようがある。殻ロはせま ③ワダチバイ : 8cmo 三陸以北の水 く , 軸唇に多数のひだがある。東中国 深 50 ~ 200 m からつぶ漁や底引網に入 海から台湾にかけてはよく似たイナズ らじようろく る。螺状肋が高い。 殻ロは広く , ふた マヒタチオビガイが分布するが , は木の葉型 方は稲妻もようよりも , むしろ縦縞に : 8cmo 房総半島以南 ④チマキボラ なるもようがあり , 殼表には細い溝か の水深 100 ~ 300m の砂泥底にすむ。殻 多数走り , 区別される。 はうすく , 肩に強い竜骨があって , 螺 ⑧ホンヒタチオビガイ t10cmo 房総 せん 旋階段を思わせる。殻ロは広く , 内面 ~ 相模湾の水深 100 ~ 500 m の泥底にす は白い。外層は薄く , 肩の上に浅い湾 む。胎殻は丸く大きく , 殻表にはむし 入がある。殻表はわら色のうすい殻皮 ろ細くて鋭い縦肋がある。殻表は光沢 をかぶっているが , 新鮮な標本ではピ に乏しく , 不規則なジグサグもようか ンク色か肌色。ふたは持っていない あり , 時には幅広い横帯状になる。殻 ⑤ウネサンゴヤドリガイ : 4 cm 。九 ロは広く外唇内壁は肌色。軸唇には 2 ~ 3 本のひだがある。動物体の肉は毒 州北部の水深 50 ~ 100 rn から , イタヤガ イ漁の時多くとれる。殻表はたてうね 々しい赤色であるが食べられる。 か多数あり , その上にちぢみ様の横す ⑨オオヒタチオビガイ t25cmo 鹿島 しが密に走る。殻ロの外唇は縦張肋の 灘以北の水深 50 ~ 400m の泥底にすみ , ように張り出す。殻ロは長円形。水管 底引網にかかる。殻は薄く大きく , 殻 は少し長い。殻の質からサンゴヤドリ 表にはホンヒタチオビカイと似たジグ ガイ科と思われていたが , 歯舌をもつ サグの斑紋をもつが , 老成すると汚灰 アクキガイ科。 色になる。縦肋は鋭い。ヒタチオビ類 ニクイロヒタチオビガイ t20cmo は日本周辺特産で , いすれも分布が限 遠州灘 ~ 四国の水深 100 ~ 200m 。殻表 られている特徴がある。 ( 119 )
礁 潮 帯 赤い。卵嚢はナガニシと同様軍配型。 すいかんこう をしている。殼は厚く黄褐色。縦うね にいる。この仲間は体は毒々しい赤色 紀伊半島以南。サンゴ礁の岩の間など ⑥リュウキュウッノマタガイ : 7cmo でいる い縦のうねの上を , 鋭い螺肋がまたい 殼は厚く , こげたような黄褐色で , 太 ⑤ニシキニナ : 3cmo 伊豆半島以南。 は白く水管はやや長く先端の方は黒い。 島以南。太い肋は肩でとがる。殼ロ内 ④ツノマタナガニシ : 6cmo 房総半 すと淡紅色をしている。 も高くごっごっしている。殼皮をはが サツマボラはよく似ているが , 縦張肋 内は赤く , 白いひだが外唇内壁に並ぶ。 め : いしんないへき 殼皮は厚いので篠巻の名がある。殼ロ しのまき るが , 間はあまりごっごっしていない。 南。殻には 120 度ごとに太い縦張肋があ ③シノマキガイ : 7cmo 紀伊半島以 イククリボラと呼んでいた いくぶんすんぐりした個体をキ 水管溝はやや長い。古名をジョウラと のようになっている。殼ロ内は白く , 肋があり , 厚い殼皮がこの上で長い毛 島以南に分布。殼の 120 度ごとに太い縦 ②ナガスズカケボラ : 4cmo 房総半 白いひだがある。 表面は白っほ。いが , 殼ロ内は黄橙色で は厚く 120 度ごとに太い縦張肋がある。 じゅうちょうろく 南。干潮時に岩棚の下などにいる。殼 ヒメイトマキボラ ①ミッカドボラ この仲問の体は大てい : 5cmo 紀伊半島以 ミガキボラと卵嚢夜行性でイセェビの網 によくかかる。卵嚢はマンジュウホウズキ。 は黒く肩が張っている。水管は太い。 ⑦ツノマタガイモドキ : 5cmo 紀伊 ほうすいけい 半島以南。殻は厚く , 紡錘形。殻表は 白地に黒の不規則なもようがある。 ⑧ミガキボラ : 7cmo 東北地方以南 の各地。潮間帯から水深 20 m ぐらいの 所にすみ , イセェビの網にもかかる。 殼の表面は滅したように見えるが , 状態のいい標本では布目状になってい らんのう る。卵嚢は半球形のいわゆる、、マンジ ュウホウズキ〃と呼ばれる。 ⑨ナガサキニシキニナ 半島以南。殼は黒く , ている ↓ 3cmo 房総 ニシキニナに似 ⑩ヒメイトマキボラ : 10cmo 房総半 島以南。潮間帯の岩の間にたまった , 砂の間にすむばかりでなく , 少し深い 所にもすみ , イセ工ビの網にもよくか かる。殼の表面には黄褐色の殼皮をか ぶっているが , その下に糸状のもよう がある。殼ロの外唇内壁には , 細い螺 肋がある。 紀伊半島以南には , 肩がさらに張り , 味ではない。 柄がついている。肉は食べられるが美 卵嚢は小さなびんのような形で , 短い 共に分布する。この仲間の軟体は赤く , 体は , まるで堅木細工のようで本種と キガイという小形で細い種類の老成個 なイトマキボラが分布する。また , ツノ 糸状もようや外唇内壁の螺状肋の明暸 ( 33 )
ツノブエガイサンゴ礁の砂地にもぐって みるとはい跡があるのですぐ見つかる。 ①キヌシタタミ ← 1 cm 。北海道を除 く各地。殻は薄質で , 丸味が強く , 殻 表は絹布のような光沢がある。臍孔か 広い。足をくねらせながら短距離を泳 ぐことができる。 ②キサゴ : 2cm , ← 3 . 5cm 。北海道南 部以南の外洋砂浜にすむ。殻色ともよ うは変化に富む。内湾にすむイボキサ さいばん ゴより大形になり , 殻底の臍盤は直径 の半分より小さいので区別される。肉 はおいしい ③カニモリガイ : 3. 5cm 。北海道を除 く各地の外洋砂浜にすむ。売殳表には顆 粒のある螺肋が 3 本すつある。夏季 , らんかい 細長いひも状の卵塊をうむ。空殻にヤ ドカリの入っている様をみて名付けら れた名前であろう。 ④カサリカニモリガイ : 3. 5cm 。奄美 諸島以南。答下に顆粒列がある。水 管は後に反って長い。 ⑤コオニノッノガイ : 4cmo 紀伊半 島以南。螺状肋が強く , 縦肋も角ばる。 殻口外唇はぎざぎざ。水管は長い。 ⑥ホソウミニナ : 3cmo 北海道 ~ 九 州の潮間帯砂泥上には、らまいたように すんでいる。内湾にすむウミニナとよ く似た , 細かい石畳状の彫刻をもって いるが , 殻は細くとがり , 体層だけ丸 時には縦肋のある個 くふくれている。 体も見られる。 : 1 . 5cm 。房総半島以 ⑦オタマキガイ 砂浜ー潮間帯 1 キサゴ長い触手が水管の縁についている。 敵に襲われると足ではねて逃げる。 南。殻は細く , 螺層にはふつう 3 本の 黒褐色の帯があり , 縦肋の幅や間隔は 不規則で , 上下の螺層では連続しない。 ふたは黒い ⑧セキモリガイ : 2cmo 房総半島以 南。殻は太くふくれ , 螺層には 0 ~ 2 本の褐色帯がある。縦月カ・は細く , 密で やや規則的に並ぶのでクレハガイやオ ダマキガイと区別できる。 ⑨ナガタケノコカニモリガイ : 6cm 高知県以南。上方の螺層に縦肋がある が , 下の方に行くに従って消失。個体 によっては数本の褐色帯がある。 ⑩タケノコカニモリガイ : 5 cm 。奄 美諸島以南。上方の螺層には縦肋があ るが , すぐ消失し , 下方の螺層はふく れる。ナガタケノコカニモリガイのよ うな色帯は現われす象牙色。殻口外唇 は肥厚し , 水管はやや短い。 ⑩ツノブエガイ : 5cmo 奄美諸島以 南。螺層の表面は平滑で , 肩にはこぶ があり , 特有の褐色斑がある。サンゴ 礁の間にたまった砂地にすむ。 ①メオニノッノガイ : 5cmo 奄美諸 島以南。コオニノッノガイに似るか , 太く水管は後にそる。サンゴ礁の間の 砂地にすむ。 ⑩オニノッノガイ : 9cmo 紀伊半島 以南。サンゴ礁の間にたまった砂地に がれれきち すむが , 岩礫地にはい上がっているこ ともある。殻は厚くごっごっしている。 あまみ ( 59 )
岩礁ー潮間帯 ャッデヒトデヤドリニナ : 7 mmo ャッデ ヒトデのロの付近に雌雄で寄生する。 ①ナッモモガイ : 1 . 2cm 。房総半島以南。 め・りゆう 殻は厚くビーズを連わたような顆粒列があ り、全体赤褐色だが所々に黒点がある。軸 唇に歯のような突起があり , 外唇も厚い。 ②工ビスガイ : 2cmo 房総半島以南。干 れき 潮時には礫の下などに多い。体は赤燈色。 食べられる。 ③チグサガイ : 1 . 5cm 。北海道南部以南。 海藻の上に極めて普通。はっている時は上 足触手が長い。大きさ , 色彩は変化に富ん でいて、特に小形で暗緑色地に褐色のすし のあるのをミドリチグサガイという。 ④工ソチクサガイ : 1 . 5 cm 。東北地方以 北。海藻の上に極めて普通。チグサガイよ りよくふくれていて、殻も厚手。 ⑤ヒメクボガイ : 3 cm 。紀伊半島以南に ふつう。十潮時には石の下にいる。売殳色は じゅうろく 黒く , 殻表の縦肋は細かい。殻底のまわり はかなり鋭く角立つ。臍孔周辺は白い。食 べられる。美味。 ⑥クホガイ : 3 . 5 cm 。北海道以南。殻は黒 褐色で , 斜の縦肋はやや太い。殻底のまわ りは丸味があり , イこはくは、んでいて , 多 くは緑色。、、いそもの〃や、、いそ玉〃と呼 ばれる員の一つで美味。 ⑦ニシキエビスガイ : 1 . 8cm 。三陸以北と 日本海側に分布。工ビスガイとよく似てい らじよう るがやや低く , 螺状彫刻が強く、色も濃い。 ⑧カネコチクサガイ : 2cmo 房総半島以 南。小石の間などにすむ。殻表には螺肋が 強く , 単色の個体もあるが , 紫色斑が市松 もようになった個体も多い。 ⑨クマノコガイ : 4 cm 。房総半島以南。 アカヒトデヤドリニナ : 5 mmo アカヒトデ ぷを作る。 の腕の内部に寄生し、そこに 殻表は黒く , 縦肋も螺状彫刻もない。臍孔 は / 、 はくは、み , 鮮かな緑の斑がある。、、いそもの〃 とか、、いそ玉〃と呼ばれ食用にする。 ⑩コシタカガンカラ : 3 . 5cm 。全国。殻表 の斜めの縦肋は高い。淡黄褐色地に汚れた ような黒斑がある。殼底のまわりはやや角 立つ。臍孔は開いていて , 特に色はつかな 北海道以北の型はやや平低で , ヒラガ ンガラという亜種。 ⑩へソアキクホガイ : 2 . 8cm 。北海道南部 以南。クポガイに似ているが , やや平低で , 殼色も紫黒色。外唇の後隅が特にひさし状 に長い点がクポガイと一見して異なる。多 くのものは臍孔か開くが , 閉している個体 、、いそもの〃の一つで美味。 もある。 ⑩イチモンジウスガイ : 3 cm 。房総半島 以南 , かなり深い所までいる。殻底のまわ りが歯車状になっているので , ウラウズガ イと間違われるが , ふたは角質 , 臍孔もあ いている。食べられる。 ⑩ニシキウスガイ : 5 cm 。紀伊半島以南。 殻表は顆粒列があり , 複雑な色が混ざり合 っている。殻底は平らで , へそ孔は深い。 ⑩オオコシタカガンガラ : 5 cm 。日本海 に分布。殻の上には斜めの縦肋があり れを成長線が切ってあらい。殻底には螺状 肋がある。臍孔は開く。食用とされる。 ⑩バテイラ : 5 cm 。房総半島以南に分布。 殻表には弱い斜めの縦肋がある個体もある。 割合整った円錐形で , 殻底のまわりは鋭く 角立つ。臍孔は広く開く。 、、いそもの〃とい ばていら われるものの主力で美味。馬蹄螺の字をあ てる。地方名シッタカとも呼ばれる。 ( 13 )
潮 ニナ干潮時に泥の上をはいまわって アラムシロガイ大群をなして死肉にたか 微小な餌をなめまわる。 り , 海底を掃除する重要な働きをする。 のイボキサゴ +2cmo 北海道南部以 南の湾奥の干潟にすむ。殼表は黒褐色 の各地に分布。干潟に大群をなして で四角いタイルをしきつめたようであ 、ることもある。縫合下のいは、列はあ る。 7 ~ 8 月ごろ長さ 5 ~ 9 cm, 幅 3 ~ らとは限らない。カニなどに襲われ食 4 mm のゼリー状のひも型の卵塊をうむ。 ヾられる。ヒトデに襲われると足を長 ⑦アラムシロガイ↑ 1 . 7 cm 。北海道 く出して跳びはねてのがれる。外洋に 南部以南に分布し , 殼表は縦肋が螺溝 ナ布するキサゴに似ているが , 殼底の で切られてあらいかごめ状。殼ロ内唇 ーいばん 齊盤が広くなめらかなので区別できる。 の滑層はあまり広がらない。足のうし 勾は食べられる。美味。 ろは二乂にならない。 のカワザンショウガイ↑ 0.8cm 。各地 ⑧へナタリ↑ 3cmo 本州以南に分布。 つ河口から内湾の干潟の泥の上に群ら カワアイやウミニナと共に河口から湾 いってすむ。殼表には 0 ~ 4 本の赤褐 奥の干潟に多い。体層には縦張肋があ 彑のおびがある。 って幅広くなり , 殼ロ底唇もひろがり 後へそる。へナタリとは昔の否合わせ のヒロクチカノコガイ↓ 2. 5cmo 紀 の材料で、、甲香 " の字をあてる。 半島以南の汽水域にすみ , 干潟にあ ⑨イボウミニナ① 4cmo 北海道南部 5 石の上などについている。殼ロは三 ヨ月型で , 広がっている。石灰質のふ 以南。ウミニナに似るが , 殼ロは菱形 で , 殼表にとがった低いいは、がある。 にをもつ。殻頂部は殼皮がはげている ⑩オリイレポラ : 2.5 cm 。本州中部 しのが多い のクロへナタリ↓ 3.5 cmo アシの生 以南。殼は厚く , 太い縦肋は肩で角立 邑ている所にいるが , 現在は東京湾 , つ。臍孔は開かない。 頼戸内海 , 有明海のそれぞれごく一部 ⑩ウネハナムシロガイ↑ 2cmo 瀬戸 じゅうろく 内海と有明海にいる。殼はハナムシロ こすんでいるにすぎない。縦肋が密に ガイを細くしたようであるが , 所所に あって , 螺条は少ない。 フトへナタリ↓ 4cmo 本州東北地 縦張肋ができる。 ⑩ウミニナ↓ 4cmo 北海道南部以南。 な以南のアシのはえた泥底の上をはっ ている。殼頂は欠けていて , 残った螺 殼表は細かい石畳状。縫合下に低いい は丸味があって表面はかごめ状。殼 は、列がある。個体変異は非常に大きい。 コは丸い。夏季 , 泥底に穴をほって寒 ⑩トウガタカニモリガイ↓ 4 cm 。房 らんのう 尺質のひも状の卵嚢をうむ。 総半島以南。水管は強く後へ曲がる。 ③カワアイガイ↓ 4cmo 房総半島以 別名シャチホコガイ。 はうごう ( 93 )
腐肉を好むらしく , 海底にか ナサバイ に同類と共に入る。 、、ばいかー けた 以南の水深 50 ~ 200m ぐらいの砂底に すむ。殻の形はアラレナガニシに似て いるが , 褐色は無く白く , 螺肋は細い。 殻皮は黄色つばい。水管溝はいく分曲 がる。 ⑦リュウクウボタルガイ : 8 cm 。遠 州灘以南の水深 50 ~ 200m ぐらいの砂 底にすむ。殻は砲弾型で褐色。肩と殻 底のまわりに濃い褐色の帯がある。殻 ロは広い。殻頂部は白っほ。いエナメル をかけたように滑層でおおわれ , 螺塔 の螺層は見えない。ふたは角質で殻ロ に比べて小さい ⑧キサミタマツメタガイ : 2 cmo 相 模湾以南。殻は白く縫合には刻み目の ようなしわがある。ふたは角質。 ⑨チチワバイ : 4cmo 銚子以北の水 深 200 ~ 1000m にすむ。殻は短紡錘形で 強い螺肋がある。 ⑩キヌガサガイ← 10cm 。房総半島以 南の水深 20 ~ 100m の細砂底にすむ。若 いうちは殻表に小さい貝殻などをつけ るが , 老成すると殻の側面は殻底縁を こえてのびる。この様子を、、衣笠〃と 形容したもの。ふたは角質。 ⑩クマサカガイ← 12cm 。房総半島以 南の水深 50 ~ 200m の砂泥底にすむ。殻 表にタマキガイなどの貝の死殻をつけ ている。殻底はややヘこみ , 布目とな り , 臍扎はせまい。礫底にすむのは小 形でホンクマサカガイという別種。 深海の貝 ヌガサガイ長い触角の基部に小さい眼 戸あり , 間に吻が伸びている様子がわかる。 D シャジクガイ : 6 cm 。房総以南の k 深 50 ~ 200 m の砂泥底にすむ。殻は整 った紡錘形で薄質。白と褐色の色帯が らる。肩にはいば列がある。殻ロはや ぐ広く外唇に浅い切れ込みがある。 のナサバイ : 5cmo 遠州灘以南の水 繼 50 ~ 200 m の砂底にすむ。殻は塔型で じゅうろく ぐや高くいは、列からなる縦肋が多くあ 。殻ロは丸みがあり , 水管溝は短い ) 、曲がる。 トウイトガイ : 4. 5cm 。全国の浅海 ミクリガイ類としては殻 ) 、らとれる。 ま薄手で , 肩にいは、はなく , 全体に細 、螺条が密に走って多少かすりもよう - ' なっている。水管はまっすぐ。 マッカワガイ : 6 cm 。房総半島以 に分布 , 水深 50 ~ 200m ぐらいの砂底 、らとれる。殻は背腹方向に偏圧され いて , しかも側面には翼状の縦張肋 { あり , それらは上下に連なる。縦張 と縦張肋の間は成長が速やかなので , 中の成長段階のものはなかなかとれ 、。殻は白く , 褐彩し , わら色の殻皮 かぶっている。殻ロは丸く , ふたは 質。 アラレナガニシ : 5 cm 。房総以南 水深 50 ~ 200 m ぐらいの砂底にすむ。 ルは細い紡錘形。殻の上には縦肋があ ) , その上を走る螺肋はその上でとげ になる。 ワタソコナガニシ : 5 cm 。遠州灘 しゅうらようろく れきてい ( 113 )
礁 場 ボウシュウボラと卵嚢体は赤く触角の先 こ黒いノヾンドがある。本種もヒトデを好む。 ①コシタカフジッガイ↓ 7cmo 伊豆 じゅうちょうろく 半島以南。殼表には太い縦張肋があり , この上に太い褐色帯がある。殼ロ内唇 から体層に向かって白い滑層が広がる。 水管溝はやや長い。 ②フジッガイ↓ 10cm 。紀伊半島以南。 コシダカフジッガイと共に , イセ工ビを 目的にした底刺網にかかる。殼は特別 享く重い。殼は赤褐色で , 120 度ごとに 太い縦張肋があり , この上にだんだら こ太い黒帯がある。殼口外唇内壁に白 い歯状突起がある。水管は太く , くの に曲がる。 キは堅い木のことで , 殼色やタッチを ような外形で , 体はやはり赤い。ツノ にすむ。ヒメイトマキボラを細くした ④ツノキガイ↓ 8cmo 伊豆半島以南 どを食べる肉食性。肉はおいしい。 あり , ヒョウを連想させる。二枚貝な 助物体はオレンジ色で , 灰褐色の斑か ん型の卵嚢を円筒状にまとめてうむ。 らんのう のような突起が対になって並ぶ。夏、び は黒いこぶが並び , その上に白い歯 ころに太い縦張肋がある。殼口外唇内 これをはがすと , 褐色でところど くに厚くこのためミノボラの別名があ イセ工ビの網に多数かかる。殼皮はと ③カコホラ↓ 7cmo 房総半島以南。 よくあらわしている。 以南にすみ , イセ工ビの網によくかか ⑤オオナルトボラ : 15cmo 房総半島 第を第、宀詹 伊半島以南。殼ロ内は紫色。 ⑨ムラサキッノマタモドキ : 4cmo 紀 ホウズキ。肉は食べられる。 同様ヒトデ類を好む。卵嚢はトックリ 突起が並ぶ。殼ロ内は白い。ホラガイ イよりやや小さく , 螺層の肩にこぶ状 以南。イセ工ビの網にかかる。ホラガ ⑧ボウシュウボラ↓ 20cm 。房総半島 食う。肉は食べられる。 オニヒトデをはじめヒトデ類を好んで 唇にも白いひだが多数あり , 間は黒い 赤い。外唇内壁に黒い突起が並び , 軸 月形の褐斑がある。殼ロは広く , 中は すべしていて , 低く丸い螺肋の上に半 ころに低い縦張肋があり , 殼表はすべ は雄より史によくふくらむ。ところど が , 体層は丸くふくらんで大きく , 雌 に達する個体もある。殼頂の方は細い む。わが国最大の巻き貝で , 殼高 40cm サンゴ礁から水深 20 m ぐらいの所にす ⑦ホラガイ t25cmo 紀伊半島以南の りしない。 という古名があるが , いわれははっき く分曲がりくねっている。ナダョナキ ある。殼ロ内は白く , 水管は長く , い かかる。殼表は白く , 褐色の波型の帯か の岩礁にかける , イセ工ビの底刺網に ⑥チトセボラ↓ 12cmo 伊豆半島以南 でなく後溝も顕著。肉は食べられる。 は丸く , 中が赤い。水管は前溝のみ る。殼は厚くごっごっしていて , 殼ロ 伸ばし、柔らかい口の方から食べてしまう。 ホラガイオニヒトデをとらえると、吻を ( 53 )
砂 浜 深 モスソガイ体が大きく , 殼の中に収まり きれない。地方では、、あわびっぷ″という。 ①シドロガイ↓ 4. 5cm 。房総半島以南。 潮間帯下から水深 30m ぐらいの砂底に じゅうろく すむ。殻は紡錘形で , 縦肋が明らか。 こうカ : いしん 成貝では殻口外唇が袖のように張り出 し , 内側は白い。若い貝は外唇が張り 出さない。足は小さく , 縁にぎざぎざ のついたふたを海底にひっかけてジグ サグに歩く。 ②フドロガイ↓ 4 . 5cm 。房総半島以南。 水深 50 m くらいまでの砂底にすむ。シ ドロガイより螺塔は低く , 外唇の張り 出し方もせまい。別名マルソデガイ。 ③ヒナツルガイ↓ 3 . 5cm 。紀伊半島 以南。水深 10 ~ 30 m の砂底をはう。殻 は厚く特に殻口外唇が幅広い黒斑のあ じゅうちゅうろく る縦張肋でふちどられていて , 下をむ いた短いとげがある ④レンジャクガイ↓ 3 cm 。房総半島 以南。水深 10 ~ 50 m 。ヒナヅルガイほ ど厚くなく , 殻表には四角い斑がある。 殻口外唇は少し厚くなり前向きの短い とげがある。 ⑤カズラガイ↓ 5cmo 房総半島以南 の水深 30 m ぐらいの砂底に多い。殻表 は褐色の縦縞と , 細い螺でおおわ れ , 所所に縦張肋がある。殻口外唇は 最後の縦張助がある。ふたは半月状で 角質。肉は特有の匂いがある。 ⑥ウラシマガイ↓ 5cmo 房総半島以 南の水深 30 ~ 100m ぐらいの所にすむ。 殼は丸く , 多数の螺状溝と四角い褐色 ウラシマガイ卵嚢を集めて塔状に高くっ み , 母貝はその上に乗って守っている。 斑がある。殻ロは広く半月形。外唇は かっそう 厚く , 軸上には滑層が反転して臍孔を おおい , その上には細い横うねがある。 ふたはうすい角質半月形。 ⑦ミヤシロガイ↓ 8cmo 房総半島以 南の水深 10 ~ 50m の砂底にすむ。白い 殻の上に 4 本の褐色帯がある。ふたは ⑧ャッシロガイ↓ 10cmo 北海道南部 以南の水深 10 ~ 50m ぐらいの砂底にす む。殻はうすく , 太くて平たい螺肋が あり , その上にヤマドリの羽のような 褐色斑がある。時には赤黒い個体もあ る。殻ロは広く大きく , 外唇は殻表の 螺肋と間の溝に従って凹凸があり肥厚 かっそう しない。軸唇にはうすい滑層ができて 臍孔の上まで広がる。ふたをもたない。 体に灰色で暗色の斑がある。冬に帯状 らんのう の長い卵嚢をうむ。食用とされる。 ⑨ウネウラシマガイ↓ 6cmo 房総半 島以南の水深 30 ~ 100m の砂底にすみ , 殻は丸いが , ウラシマガイより少し細 い。殻表の螺溝と四角い斑もウラシマ ガイより明らか。上方の螺層表面は布 目状となる。 ⑩モスソガイ↓ 4cmo 伊勢湾以北 , 東北地方 ~ 北海道に分布。殻口が広く ふたはなかったり , 微小なふたを持っ ていたりする。食用とされ美味。 ⑩ビワガイい 0cm 。房総半島以南 , 水深 10 ~ 30 m 。ふたはない。食用。 ( 73 )
砂浜ー深場 シュマダラギリガイイモガイ類と同様 , 矢のような歯でゴカイ類を食べる。 ①オルビニイモガイ : 7cmo 房総半島以 南 , 水深 30 ~ 100m ぐらいの砂泥底にすむ。 螺塔は高く肩にいは、の列がある。体層には 螺叔が多数あり , 褐色のまだらがある。 ②ナガイモガイ : 6cmo 紀伊半島以南の 水深 20 ~ 100 m ぐらいにすむ。オルビニイ モガイに以ているが , やや太く , また局 の肩は滑らかでいは、列はない。殼ロはわり あい広く内は白い。 ②ハルシャガイ : 5cmo 房総半島以南の 潮間帯下から , 水深 30m ぐらいの砂底にす む。殼表の赤いれんがもようは , 個体によ って大小まちまち。別名カバフィチマッと もいい , ノ、ノレシャはペノレシャ織を形容して いる名。 ④ロウソクガイ↓ 6cmo 紀伊半島以南の 水深 20m ぐらいまでの砂底にすむ。殼皮が 厚く , はがすと黄色いろう細工のよう。殼 ロはせまく内は白い。イタヤガイの漁網な どに入る。 ⑤マキモノシャジクガイ : 3cmo 房総半 以南の水深 10 ~ 30m にすみ , 時どき砂浜 こ打ち上がる。殼表には螺肋があり , 肋間 めれ、しん こ成長脈がある。外唇に切れ込みがある。 クタボラ : 8cmo 紀伊半島以南の水深 0 ~ 30 m あたりにすみ , 螺塔はとがり , 水 もやや長い。殼表には黒いごま斑を散ら 。殼口外唇に切れ込みがある。 クタマキガイ : 6cmo 房総半島以南の 深 10 ~ 100 m ぐらいの砂泥底にすみ , 殼 赤褐色で細い螺肋はしばしば淡色。殼ロ 唇に切れ込みがある。 オハグロシャジクガイ : 2. 5cm 。北海道 ハルシャガイ外洋浅海にすみ , 砂地にも ぐって生活をしている。 を除く各地の , 水深 10 ~ 50m の細砂底にす む。殼は厚く , まわりに縦肋がある。殼色 は紫がかった暗褐色で , は、んやりした白帯 がある。殼口外唇は厚く , 缶合下に湾入が ある。 ⑨シチクガイモドキ : 4. 5cm 。奄美以南。 シチクガイに似るが色彩がまったく異なり , 殼表にしわがある。 ⑩キリガイ : 7cmo 紀伊半島以南の水深 40 ~ 150 m ぐらいの細砂底にすむ。細い螺層 がおよそ 40 階もある。体は白い。 ⑩シュマタラギリガイ : 6cmo 伊豆半島 以南の , 水深 10 ~ 30m ぐらいの細砂底にす む。縫合の下に螺肋があり , その下に縦肋 がある。赤い炎のようなもようが特徴。 ⑩シチクガイ↓ 3. 5cm 。房総半島以南の水 深 10 ~ 50m の砂底にすむ。殼表は淡紫色で あるが , 毅ロ内は濃い紫色で殼底の白線が みえる。軟体は白く , ふたはまっかで , 殼 の色とのコントラストが美しい。 モミジボラ : 5cmo 北海道南部以南の 水深 10 ~ 30m にすむ。殼表に斜めに走る縦 肋があり , この上を細い螺条がまたいでい る。内湾の型は褐色斑が強い。殼口外唇は 少し張り出し , 浅い切れ込みが縫合にある。 ①リュウキュウタケノコガイ : l()cmo 四 国太平洋側の水深 5 ~ 30m の砂地にうもれ てすんでいる。殼は厚く重く細工物の材料 に利用されている。 ①ャスリギリガイ : 4cmo 房総半島以南 の水深 10 ~ 100 m ぐらいの砂底にすむ。縫合 の下に強い 2 本の螺肋があり , その下の縦 肋も細かく刻まれ , やすりの目のよう。 ( 79 )
マガキガイ眼には 長い柄がついていて 0 常に警戒をおこたら ない。とる時は、鋭 いぎざぎざのついた ふたに注意 か・黒すんでいて , 肩の張り方が弱い。 ①キイロイガレイシガイ : 3 . 5cm 。紀 いすれも , 潮溜りの石の上などにすん 伊半島以南。岩礁上にいて二枚貝を食 へんあっ でいて , 長い柄のついた眼を上に向け べている。殻は背腹に偏圧されていて , こうカ : いしん 殻口外唇は腕状に突出し , 殻ロ内は黄 ている。 ⑦ミカンレイシガイ : 1 . 5cm 。房総半 色 , 外唇内壁には題粒列がある。 島以南。螺塔は低く , 殻ロはひろく橙 ②シラクモガイ : 6 cm 。九州南部以 色。内地型は殻表が白っは。いが , 南方 南。殻は厚く重く , とげは丸みのある の個体は黒褐色の色帯がある。いく分 こぶ状。殻の表面は白く , 所々に褐色 の部分がある。 深い方にすみ , テングサ干し場などで ③ガンゼキホラ : 5 cm 。房総半島以 拾える。 ⑧オキニシ : 5cmo 房総以南。岩礁 南。殻は黒いが大てい石灰藻やフジッ の間にすむ。殻は背腹に多少偏圧され ボ類にびっしりおおわれている。 120 度 ている。縦張肋は殻の左右にあってひ ごとに太い縦張肋があり , この上に先 と続きになっている。殻ロは淡黄色。 端が手のひら状に開いた樹枝状の突起 後溝がはっきりしている。 がある。縦張肋の間には大きいこぶか ⑨コオニコプシガイ : 5cmo 紀伊半 ある。殻ロは丸く , 内側は白いが , ふ 島以南の岩礁にアッキガイ科の仲間と ちはピンク色。他のアッキガイ科の種 同しようにすむ。殻は厚く重く , 螺 同様 , いその貝類をおそって食べる。 は低く , とがった低いとげがある。殻 ④ムラサキイガレイシガイ : 3cmo ロはせまく , とくに軸唇には 4 本の太 紀伊半島以南。殻は厚く , 黒いひくい いひだがある。 いは、がある。外唇内壁には歯のような ⑩オハグロガイ : 3cmo 紀伊半島以 . 突起があり , 軸唇には高いひだがある。 南。ムカシタモトガイに似るが , 螺塔 殻ロはせばまっていて内部は紫色。 は高く , 殻ロ内は橙色が強く , ひだの ⑤ヒロクチイガレイシガイ : 3 . 5cmo ある所は黒い 紀伊半島以南。殻ロは広く , 内部は紫 ⑩マガキガイ : 6cm 。房総半島以南。 色 , まわりは褐色。 転石のある潮溜りの中に , 柄の長い眼 ⑥ムカシタモトガイ : 2. 5cmo 房総半 を上に向けている。眼柄の途中から , 島以南。マガキガイを小形にしたよう 触角が出る。足はせまく , ぎざぎざの な形で , 肩は張っている。殼ロ内壁は赤 ついたふたを海底にひっかけて歩く。 橙色で , 細かい刻み目がある。少し小 産卵期は 6 月ごろ。 形のヤサガタムカシタモトガイは殻ロ カ・りゆう しゅうらようろく ( 31 )