にまっ白でふかふかのやつ。家までそっと運びこむのは簡単でした。 しかし , そいつを人目から隠すのは大事です。その方法が , かみさ んの提案なのです。 ねこをしこむのよ , とかみさんは言うのです。カーテンをかけの ばらせるの。はら , いつか『独裁者』って映画で , ヒトラーみたい なちよびひげ男に扮したチャップリンが , カーテンにつかまりよじ のばったでしよ。それで思いついたの。人間でもあれだけ軽々とで きるんだもの , 子ねこなら軽い軽い。 子ねこには、、おい ' ' という名をつけました。人がきたら , おい と呼んでカーテンにかけのばらせる。白いレースのカーテンにまっ 白い子ねこ。ちょっとやそっとでは見つからない というのが , かみさんの意見でした。それに , おいーーでは , わたしがかみさん を呼んだみたいだから安心です。 特訓が始まりました。子ねこは動くものに目がありませんから , リポンで始めました。チョウのように見えるのでしようか。たちま ち目を輝かせ , ひげをびんと張り尻をもちあげ , しつばをまわし , お尻をひこひこ動かしてとびつきます。リポンはとびあがり , カー テンにとまります。逃がすものか。、、おい " もとびつきます。レー スのカーテンはつめがかけやすい。 " おい " は , 逃げるリポンのチ ョウを追ってどんどんかけあがります。すぐにカーテン・レールの終 点につきます。こんどはそこにとまらせておかねばなりません。そ こでかみさんは , カーテン・レールにしばりつけた柔らかなガーゼ をてるてる坊主みたいな形につくり , その頭にたつぶりとミルクを しみこませました。 、、おい " は鼻がききましたから , すぐにミルク坊主を見つけました。 すいっき , かかえこんでしゃぶり始めました。大成功です。 おおごと