「第オ田安 な中房 空にうかんだエレベーター曾一 ' ◎ 空にうかんだエレベ ーター 安房直子作田中槇子絵 あかね創作どうわ 29 あかね書房定価 906 円 ( 本体 880 円・ ISBN4 ー 251 ー 05279 ー 9 C8393 \ 880E リサイクル資料 練馬区 この資料は、練馬区立図において 除籍し、リサイクルに供したものです。 かね引
あかね創作どうわ 29 空にうかんだエレベーター 発行 * 1986 年 2 月初版 1986 年 12 月第 5 刷 作者 * 安房直子画家 * 田中槇子 発行者 * 岡本雅晴 印刷所 * 錦明印刷株写植所 * ( 仞千代田写植製本所 * 株難波製本 ふ 発行所 * あかね書房東京都千代田区西神田 3 ー 2 ー 1 / TEL 03 ー 263 ー 41 代 / 振替東京 3 一 M150 安房直子 ( あわなおこ ) 1943 年、東京に生まれる。日本女子大学国文科在学中より、 山室静氏に師事し、「目白児童文学」「海賊」に作品を発表する。 短編「さんしょっ子」で、日本児童文学者協会新人賞、「風と 木の歌」 ( 実業之日本社 ) で、小学館文学賞、「遠い野ばらの村」 ( 筑摩書房 ) で、野間児童文学賞、「風のローラースケート」 ( 筑 摩書房 ) で、新美南吉児童文学賞を受賞。 「ハンカチの上の花畑」 ( あかね書房 ) 「三日月村の黒猫」 ( 偕成社 ) など、多数の作品がある。 現住所東京都保谷市東町 3 一 7 ー 15 田中損子 ( たなかまきこ ) 1942 年、東京に生まれる。武蔵野美術大学卒業後、グラフィッ クデザイナー、アートディレクターを経て、現在、こどもの本 の画家として活躍している。 安房直子さんとの作品に、「ねすみのつくったあさごはん」「コ ンタロウのひみつのでんわ」 ( 以上秋書房 ) 「ふしぎな青いボタ ン」 ( ひくまの出版 ) があり、他に「アメリカからの転校生」 ( あ かね書房 ) 「アルセーヌ = ルバン全集」 ( 偕成社 ) など、多数の 作品がある。 現住所東京都東久留米市学園町 1 ー 14 ー 34 NDC913 63P 25cm ◎ 19 N. Awa M. Tanaka Printed in Japan I S B N 4 ー 2 5 1 ー 0 5 2 7 9 ー 9 ( 検印廃止〉落丁本・乱丁本はおとりかえします。 定価はカバーに表示してあります。
安房直子作田中槇子絵 ・をの、 0 を あかね創作どうわ 29
あかね創作どうわ ふとんかいすいよく 1 ゆかしたのたから 2 ダッテちゃん 5 4 にんしやこっこ ちび大テモはまけないそワン 5 ぼうしをかぶったオニの子 6 7 てんしやにのったかみひこうき 赤いぼうし青いぼうし 8 子ともになリたいババと 9 おとなになリたいぼく 10 うは車のおはあちゃん たぬきのてん校生 12 にんしややしきたんけん 新ぼくととうさんの v サイン 14 とらねこコ工モン まほうつかいのちかみち 物いたすらコン 17 たんていタコタン 18 きようからともたち 19 雨てすてきなたんしようひ (1) おしいちゃんとあくしゅ 21 ばくのたいしなももたろう 22 さくら子とおしいさん 25 らくがきはけさないて 24 あみたくしておたんしよう会 25 トップリカップリチコのおましない 26 おとうさんけらいになってあげる 27 ぼくのひげそリクリーム 28 おにんき・ようがさらわれた 空にうかんたエレヘーター 29 3D コアラはぼくんたからね おしやれ教室いいにおい 51 32 おばけのチミとセンタクパサミ せんせいあ・リ・が。と 詞ごめんねがいえなくて
そこからは、 たきな月が、手にとるように見えます。見おろせば、町の あかりかまめつぶほどにきらめいていて、それはまるでビーズの はこを、ひっくりかえしたよ、つでした。
手のあかりが、だんだんたきく見えてきました。たくさんのビルの あいだに、白いみちが見えます。こうえんが見えます。はしが見えます。 とけいと、つか見えます。 「わたしの いえは、ほら、あそこよ。あのカーテンのかかっているまど」 ともちゃんは、うらどおりのアハートをゆびさしました。アパートの 二かいのまどには、白いカーテンがゆれていました。 「そんなら、まどから入ればいい。 そしてすぐべッ しし」 と ) 、つ癶」、がしし ) ました。ふたりは、すんすん下へおりていきました。 そして、ともちゃんは、アパートのまどからふわりとじぶんのべ、 とびおりたのです。 「さよなら、、つさぎさん」 ともちゃんは、うさぎに手をふりました。うさぎも手をふって、あの みせ こどもふくの店のほうへととんでいきました。 しろ み しろ ド」 ~ み、り・こ、め -
「わたしは きくなったら、ようふくやさんになるの。 みせ そして、じぶんのお店をもつの しました。 と、ともちゃんは ) ) 「も、つすこししたら、ミシンをならって、ミシンか かね みせ じようすになったら、お金をためて、お店をかうの。 そして、すてきなショーウインドーをこしらえるの」 、つつとりと、ともちゃんはつつけます。
まち のとけいとうのかねが、あさの九じをつげるころ、こどもふくの みせひと みせひと 店があきました。そして、店の人が、かおを出したのです。店の人は、 どうろにたおれている、つさぎを見つけて、ひっくりかえるはどおど ろきました。 「あら、まあ : : : 」 店の人は、どうろにとび出してい「て、うさぎをひろいあげました。 それから、ショーウインドーを見ながら、 「よなかに、どろばうが入ったのかしら : みせなか そうつぶやいて、店の中に入っていきました。 それから、ほんの三十ぶんかんでショーウインドーの中は、すっかり もよ、つか、たになりました。
おんな まん月は、もうすぐでした。 みかづき 三日月が、すこしすっすこしすっ、ふくらんでいきます。まるで、きい ろい花のつばみが、ふくらむように・ そして、あるばんとうとうまんまるの月が、ひがしのビルの上に まち のばりました、そのとき、町のとけいとうのかねは、はなやかになり、 ショーウインドーは、きらきらとひかりました。 そのよおそく、おうだんほどうをあの女の子が、わたってきました。 女の子は、ショーウインドーのまえまでくると、コッコッとガラスを たたいて、 「、つさぎさん、あたし、ともちゃんよ。と、フと、つきたわ。べッドからこっ そりぬけ出してきたのよ。おかあさんには見つからなかったわ しいました。 げつ おんな つき 、つえ
のまえに、 それからまた三十ぶんはどたったころ、ショーウインドー おんな あか あの女の子が、やってきました。女の子は、赤いかさをさして、こっそ りとやってきたのです。女の子は、ショーウインドーをひと目見るな り、ぎようてんしました。 ( 、フさぎは ? ピアノは ? おちばは : ったの : おんな 女の子は、ショーウインドーをすみからすみまでながめまわし、のび あがって、そりの中までのぞきこみました。それから、ガラスをたたい て、たきなこえでよんだのです。 「、つさぎさん、、つさ、さん」と。 そのこえは、どんどんたきくなり、ガラスをたたく手には、カが入 りました。 「うさぎさん、あたし、ともちゃんよ おんな なか さんじっ おんな みんなどこへ ってしま